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論文記事:都市部在住の自立高齢者の社会関連性の実態と関連要因の検討 201606-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第63巻第6号 2016年6月

都市部在住の自立高齢者の社会関連性の実態と関連要因の検討

紅林 奈津美(クレバヤシ ナツミ) 田髙 悦子(タダカ エツコ) 有本 梓(アリモト アズサ)

目的 本研究は,都市部在住の自立高齢者の社会関連性の実態と関連する高齢者の個人特性と地域環境特性について明らかにすることとした。

方法 研究対象は,A政令市B区在住の65歳以上の自立高齢者であって,同区地区センターの利用者308名である。方法は,自記式無記名質問紙調査であり,調査項目は基本属性,社会関連性指標,個人特性として抑うつ,主観的健康管理能力,地域コミットメント,地域高齢者見守り自己効力感であり,地域環境特性として包括的環境要因,健康情報希求行動のための情報源の種類,住み心地である。

結果 対象者の平均年齢は73.1±5.7歳,男性41.7%,女性58.3%であり,社会関連性指標の平均点は15.3±2.7点であった。社会関連性指標の得点の高さは,基本属性では年齢が低いこと(β=-0.151,p=0.021),個人特性では主観的健康管理能力が高いこと(β=0.230,p=0.001),地域コミットメントが高いこと(β=0.156,p=0.048),地域高齢者の見守り効力感が高いこと(β=0.199,p=0.008)が有意に関連していた。また,地域環境特性では,包括的環境要因における安心安全を強く感じていること(β=0.243,p<0.001),健康情報希求行動のための情報源の種類が多いこと(β=0.299,p<0.001)が社会関連性の高さにおいて有意に関連していた。

結論 高齢者の社会関連性を高めるためには,高齢者が自身の健康への関心や,地域への関心をもてるような方策を講ずるとともに,高齢者が安心して生活を送れるための地域づくりや情報授受のあり方等を勘案することが重要である。

キーワード 高齢者,地域環境,個人特性,地域づくり,社会関連性

 

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