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論文記事:全国市区町村における乳幼児期を対象とした栄養指導の実施状況および指導内容の実態 201704-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第64巻第4号 2017年4月

全国市区町村における乳幼児期を対象とした
栄養指導の実施状況および指導内容の実態

衞藤 久美(エトウ クミ) 石川 みどり(イシカワ ミドリ) 高橋 希(タカハシ ノゾミ)
祓川 摩有(ハライカワ マユ) 新美 志帆(ニイミ シホ) 佐々木 渓円(ササキ ケマル)
加藤 則子(カトウ ノリコ) 横山 徹爾(ヨコヤマ テツジ) 山崎 嘉久(ヤマザキ ヨシヒサ)

目的 市区町村の標準的な保健指導における栄養指導の参考となる手引書作成の資料を得るために,全国市区町村における乳幼児期を対象とした栄養指導の実施状況および指導内容の実態を明らかにする。

方法 全国1,742市区町村の母子保健事業の栄養担当者を対象に,平成25年1~3月にインターネットによる栄養指導に関する調査を実施した。調査は市区町村名の記名式とし,1,043市区町村から回答が得られた(回収率59.9%)。その後,該当項目に不備がみられた656市区町村を対象に郵送法による質問紙調査を実施し,498市区町村から回答が得られた。解析対象は840市区町村であった(有効回答率48.2%)。調査内容は,回答者の職種,管理栄養士・栄養士の配置の有無,乳幼児健診時における栄養指導担当者の業務,乳幼児健診事業における集団・個別指導における母親・子どもへの栄養指導内容とした。指導内容は,母子保健施策の指針,通知等を参考に設定した。

結果 3,4カ月児,1歳6カ月児,3歳児健診に共通して栄養指導担当者が関わる割合が高い業務は,身体発育曲線等を使用した発育評価および食事のリズム(食事時間)であった。3,4カ月児健診時に,集団・個別の栄養指導で共通に多かった内容は,離乳食の調理形態等の知識(72.1%,79.0%),離乳食の食べさせ方の知識(71.2%,74.3%),食物アレルギーの知識(48.8%,51.1%)であった。1歳6カ月児健診時に,母親・子どもへの集団指導で共通に多かった内容は,1日3回の食事や間食のリズム(母親32.5%,子ども12.8%),食事を楽しむこと(27.4%,13.0%),家族と一緒に食べることを楽しむこと(25.5%,11.6%)であった。3歳児健診時には,1日3回の食事や間食のリズム(母親32.2%,子ども16.3%),食事を楽しむこと(25.9%,16.6%),いろいろな食品に親しむこと(23.8%,17.1%)であった。

結論 乳児期(3,4カ月児健診時)は離乳食,幼児期(1歳6カ月児,3歳児健診時)は食事全体に係わる,食事や間食を楽しむこと,食事のリズムが栄養指導の内容として多く取り上げられていた。

キーワード 乳幼児健診,栄養指導,離乳食,食事や間食のリズム,食事を楽しむこと

 

 

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