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論文記事:宮古島市における飲酒の現状と課題 201707-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第64巻第7号 2017年7月

宮古島市における飲酒の現状と課題

-AUDITの調査結果から-
波名城 翔(ハナシロ ショウ) 下地 由美子(シモジ ユミコ)

目的 近年,アルコールと自殺の関係性が指摘されており,全国と比較し自殺率の高い地域である宮古島市(以下,当市)を対象に飲酒量の調査を行い,当市の飲酒問題の現状と課題について示唆を得ることを目的とした。

方法 平成26年4月1日から平成28年3月31日の期間に,①当課が開催した飲酒に関する講演会および研修会の参加者,②地域に出向き飲酒に関する講義を行った際の参加者,③企業に出向き飲酒に関する講義を行った際の参加者(他企業と連携し,その企業で働く多量飲酒者への節酒プログラムを実施した際に回収した分を含む)にAUDIT(アルコール使用障害特定テスト)を配布し回収を行った。その結果をSPSSで分析し全国調査と比較した。

結果 有効回答数は891人であった。全国調査と比較を行うと,「問題飲酒群」「アルコール依存症疑い群」は男性81.2%,女性10.5%で,全国調査よりも高かった。年代別比較では,男性は20代,40代,50代で,女性は20代,40代で多量飲酒割合が高かった。また,AUDIT-C(簡易版)の項目比較では,全国調査が「毎日少量程度の飲酒」が多いのに対して当市は「たまに大量に飲酒する」傾向がみられ,その背景には,酒の手に入りやすさ,お祝いの数,飲酒文化の変化,そして,宮古島の飲酒方法であるオトーリが影響していることが考えられた。

結論 当市では,機会飲酒の割合が高いにも関わらず,「問題飲酒群」「アルコール依存症疑い群」が多い理由として,一度の飲酒量の多さがあり,その背景にはオトーリが関係していると考えられる。常習的な飲酒者の割合は少ないため,今後,オトーリの在り方を再考することで,当市の多量飲酒者が減少することが期待できる。

キーワード 自殺対策,アルコール,多量飲酒,地域特性,オトーリ