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論文記事:都道府県別のがん死亡率は喫煙率と相関する 201904-07 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第66巻第4号 2019年4月

都道府県別のがん死亡率は喫煙率と相関する

池上 匡(イケガミ タダシ)

目的 都道府県別のがん死亡率には明確に差があるが,その原因は複合的と考えられる。しかし喫煙ががん死亡リスクを増加させることは自明であり,本研究の目的は,都道府県別の喫煙率とがん死亡率の関係を明らかにすることである。

方法 厚生労働省の公開データより,都道府県別の男女喫煙率と年齢調整後のがん死亡率との相関関係を検討した。喫煙率調査は,2001年度から2016年度の間で3年ごとに計6回行われた。同じ年度同士の相関関係と,年度の経過に伴う相関関係の傾向および2016年度のがん死亡率と過去の年度の喫煙率の相関を求めた。また,女性喫煙率と男性喫煙率の相関を検討した。2016年度からみた以前の各年度の喫煙率の低下率とがん死亡率の低下率についても検討した。

結果 男性では2016年度の喫煙率と年齢調整後のがん死亡率が有意な相関関係を示した。女性では2001年度から2013年度まで有意な相関関係を認めた。2016年度のがん死亡率と過去の喫煙率との関係は,男性では2013年度の喫煙率との間に有意な相関が,また女性では2010,2013年度の喫煙率と有意な相関関係が認められた。都道府県別の女性喫煙率は,男性喫煙率と強い相関関係を示した。2001年度と2016年度の間の喫煙率低下とがん死亡率の低下には,男女ともに有意な相関関係がみられた。

結論 都道府県別のがん死亡率は男女ともに喫煙率と相関が認められ,がん死亡率の地域差に喫煙が関与していると考えられる。

キーワード 喫煙率,がん死亡率,都道府県,年齢調整死亡率

 

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