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論文記事:求人票からみた高校生の志望傾向(就職) 202005-06 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第67巻第5号 2020年5月

求人票からみた高校生の志望傾向(就職)

白木 香(シラキ カオル)

目的 人手不足が深刻になり,事業所は高校生に対する求人を積極的に行っている。しかし,高校生の就職は1人1社受験なので,どの事業所を選ぶべきか迷うことが多い。岐阜県A高校の協力のもと,平成29年度に届いた求人票(高卒)について分析し,事業所の求人傾向と生徒の志望傾向を考察するのがこの研究の目的である。

方法 分析できた求人票285枚を,受験のあった求人票106枚,受験のなかった求人票179枚に分け,この2群での比較を行った。①産業や職種の種別等で求人票の枚数が多かった「大手・準大手事業所」「中小事業所」「製造業」「卸売・小売業」「医療・福祉業」「事務」「販売」「サービス」「生産工程」の区分について,受験・非受験の偏りについて確かめた。②求人票に記載されている報酬と休日に関する情報(「基本給」「月平均残業時間」「月平均労働日数」「年間休日数」「年収」)について,2群間の平均値の差を検定した。

結果 求人票を産業・職種で分類した結果,特定の産業・職種に大きく偏って届けられていた。①では,「事務」「販売」について受験求人票の割合が有意に多くなっていた。②については,報酬面においても休日面においても,平均値は受験求人票の群が,非受験群に比べて高い傾向が認められたが,統計的に有意な差は休日面だけであった。

結論 A高校では事務職と販売職の人気が高いことがわかった。生徒の応募傾向は,報酬面に関しては傾向が判断できるような結果が明らかにならなかったが,休日面に関しては,休日が多い求人票を優先的に選んでいる傾向があるという結論になった。

キーワード 高校生の就職,求人票(高卒),偏り,応募傾向,報酬,休日

 

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