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論文記事:自殺予防いのちの電話フリーダイヤルによる電話相談利用者の特徴 201704-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第64巻第4号 2017年4月

自殺予防いのちの電話フリーダイヤルによる
電話相談利用者の特徴

勝又 陽太郎(カツマタ ヨウタロウ) 及川 紀久雄(オイカワ キクオ)
森野 嘉郎(モリノ ヨシオ) 堀井 茂男(ホリイ シゲオ)

目的 本研究では,日本いのちの電話連盟が実施している自殺予防いのちの電話フリーダイヤルによる電話相談(自殺予防フリーダイヤル)の相談記録の分析をもとに,当該電話相談を利用する自殺ハイリスク者の心理社会的特徴を探索的に明らかにするとともに,自殺予防対策における電話相談のあり方について考察を行った。

方法 一般社団法人日本いのちの電話連盟が実施している自殺予防フリーダイヤルの相談電話記録のうち,2015年の1年間に受信した計30,387件の相談電話の記録データを分析し,自殺予防フリーダイヤルの利用者の人口動態学的特徴,利用者が抱える心身の問題,および相談の内容について全体的な特徴の把握を行うとともに,電話受信時の自殺傾向の有無や自殺未遂歴の有無とその他の評価項目との関連性について検討を行った。

結果 利用者の性別は女性に比べて男性の割合がやや高く,推測年齢層では40代の割合が最も高かった。ただし,受信時の自殺傾向との関連では,女性の方が男性に比べて強く,推測年齢層では50代が最も高いオッズ比を示していた。利用者の生活形態は独居と同居がほぼ同程度の割合であったが,同居よりも独居の方が自殺傾向との関連は強く,職業については無職者が全体の半数以上を占め,受信時の自殺傾向との関連も相対的に強かった。さらに,身体疾患の既往歴がある者は利用者全体の19.1%,同様に精神疾患の既往歴がある者は全体の45.7%,自殺未遂歴は全体の9.7%に認められ,いずれも電話受信時の自殺傾向と有意に関連していた。相談内容分類では,人生と精神がいずれも25%程度と最も割合が高く,電話受信時の自殺傾向との関連も相対的に強かった。

考察 自殺予防フリーダイヤルによる相談電話形態は,男性や経済基盤が安定していない利用者,自殺ハイリスク者の相談へのつながりやすさを促進するといった面で,重要な機能を有している可能性が示唆された。また,自殺予防フリーダイヤルの啓発のあり方や対応する相談員のトレーニングの内容について,課題と今後の方向性について示唆が得られた。

キーワード 自殺予防フリーダイヤル,自殺,自殺未遂,精神疾患,電話相談