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論文記事:学校・学区を単位とした子ども・子育て支援の実施状況 202004-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第67巻第4号 2020年4月

学校・学区を単位とした子ども・子育て支援の実施状況

-全国市町村調査結果を踏まえて-
澁谷 昌史(シブヤ マサシ)

目的 地域共生社会への関心が高まる一方,学校教育を目的として設置・設定される学校・学区を,学齢期の子どもと保護者の生活課題に取り組むためのプラットフォームとしていくことに関心がもたれるようになっている。しかし,そのための素地が実際にどの程度形成されているのかについては明らかにされていない。本研究では,この点についての実態把握を行い,学校・学区を単位とした子ども・子育て支援の課題について検討した。

方法 全国1,698市町村(政令市を除く)を対象に質問紙調査を実施した。調査期間は2018年12月中とした。学齢期の子どもと保護者を対象に含む19の子ども・子育て支援を取り上げ,それらの学校・学区単位での実施例の有無をたずねるとともに,実施必要性・実施可能性の有無,実施にあたっての障壁について回答を求め,自治体の規模別でクロス集計とχ2検定を行った。

結果 有効回収率は26.1%(443件)であった。「子どもの居場所の設置」はほとんどすべての自治体で「実施例あり」として回答された。障害児や要保護児童等への支援を学校・学区単位で行うことについては,「実施例あり」の回答割合が中程度以上みられた一方,ショートステイやトワイライトステイ,食事サービスのように,既存の学校教育機能の範疇にないと考えられやすいものは「実施例なし」の回答割合が大きかった。学校・学区を単位とした連携システムについては,幼稚園・保育所・小学校間での連携にかかるものを除くと,施策として明示的に発達させる対象とはなっていなかった。

結論 学校のプラットフォーム化はまだ普及しておらず,学校数減少という課題に直面している自治体が少なくないこともあって,今後も急速にその方向へと動いていく状況にはない。ただし,国が予算措置を含むリーダーシップを発揮することが施策の推進に大きく関与するものと推測された。また,学校・学区単位で支援を実施するだけでなく,支援者同士が連携を図るシステムができるように市町村で計画的な施策の推進を行う必要がある。

キーワード 地域共生社会,学校プラットフォーム,子ども・子育て支援,市町村

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