データ分析関連の実績(KDB・介護データ、調査票等)
当協会では、これまでKDBデータや介護データの分析や人口動態調査等調査票作成を行ってまりました。また、データ活用のために研修会等を行って参りました。
こちらのページでは、現在までのKDB等データ分析関連などの実績をまとめております。
KDBデータ分析
概要
協会では調査研究事業等で、KDBデータ分析を行ってまいりました。
平成29年度調査研究の「在宅医療・介護連携推進事業に係る効果的な事業の推進方法と評価に関する調査研究」では、医療・介護関係者へのヒアリング等を行い、有識者による委員会・作業部会(市原市、市原市医師会、千葉県、千葉大学、千葉県医師会、及び医療・介護関係の有識者が参加)で検討すると共に、KDBデータの医療・介護レセプト分析を行いました。
調査研究の具体的内容については、こちらの報告書をご覧下さい。
また、協会は、千葉県下自治体のKDBデータ分析を実施し、自治体にフィードバックするともに、データ活用研修会を実施しました。
このような実績に基づき、令和2年度には、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」の観点から特に重症化予防やフレイル予防の施策に必要なデータの把握と分析を行うことを目的として、KDBデータを利用し、保健事業の施策を検討する際の健康課題として、低栄養と高血圧を対象とした分析と後期高齢者のデータを基に市内圏域別・地区別・男女別・健康診査受診の有無・疾病名別などについて、現状を把握するための分析を行いました。
想定した主な用途
在宅医療・介護連携の実態調査、在宅医療推進施策の立案、介護保険事業計画策定、日常生活圏域毎の実態把握と推計、高齢者の保健事業、保健事業と介護予防の一体的実施、地域看取りの実態把握等
分析に使用したデータ
KDBデータ分析では、下記の「csv突合データ」(*)を分析対象としました。データ対象期間は、分析目的にもよりますが、1か月分のデータ分析から始めることでもそれなりの成果は期待できます。また、在宅医療・介護分野での実態把握、計画立案、推計の目的には、できるだけ最新のデータを分析することが有効です。
(*) csv突合データとは、国保の医療レセプトデータ、後期高齢者医療の医療レセプト、介護保険の介護レセプトを突合して、処理しやすくまとめたデータです。国保中央会からほぼすべての各県の国保連に提供されています。市区町村への提供については各県毎に異なりますが、県等を経由して配布されているケース、更に加工して配布しているケースなどもあります。
(1) KDB被保険者台帳ファイル
(2) 医療レセプト管理ファイル
(3) 医療傷病名ファイル
(4) 医療摘要ファイル
(5) 介護給付基本実績ファイル
分析例
分析例1:圏域毎の訪問診療の利用者数の特徴 |
分析例2:要介護者の疾病別人数 |
介護データ分析
概要
協会は、千葉県市原市との共同研究の成果の一つとして、介護データ分析を実施しました
資源の少ない地域での施策提言~地域連携体制づくり、および医療・介護情報連携の在り方をテーマとし、介護認定・介護レセプトデータ活用として介護データ分析を行い、平成30年度調査研究の「在宅要介護高齢者の医療・介護連携の推進方策に関する調査研究」としてまとめました。
調査研究の具体的内容については、こちらの報告書をご覧下さい。
介護データ分析では、介護レセプトデータと介護認定データを分析して、利用する介護サービス、心身状態の変化について分析しました。また、介護レセプトデータを分析して、医療介護連携や、看取り介護、ターミナルケアに関する事業者毎の詳しい分析も実施しました。
想定した主な用途
在宅医療・介護連携の実態調査、地域包括ケア施策の立案・推進、介護保険事業計画策定、介護施設による看取り介護の把握、日常生活圏域毎の実態把握と推計等
分析に使用したデータ
〇介護認定データ
市区町村から国に報告する様式の介護認定データを匿名化して使用します。 対象期間は4年間程度以上です(*)
(*) 要介護認定には有効期間があるので、ある程度の期間(4年間程度以上)の介護認定データを収集すれば、同じ要介護者の複数回の介護認定データにより、心身状態の変化を把握することができます。なお、介護認定データのうち、二次判定結果(要介護度)の他、障害高齢者自立度、認知症高齢者自立度等のいくつかのデータ項目を分析対象としています。
〇介護レセプトデータ
審査済みの介護レセプトデータを匿名化して使用します。
データ対象期間は2年間程度以上です。データ分析では、サービスを提供した年月、サービスの種類等のデータ項目を分析対象としています。また介護レセプトデータは、他の市区町村の介護サービス事業者から受けた介護サービスも含んでいます。
サンプル表示例
データ分析結果は、自治体内だけでなく、地域包括ケアの関係者との共有や住民啓発の場で利用されることもあるため、わかりやすく表現することが重要です。この介護データ分析サービスは、集計データ表とともに、わかりやすくマップやグラフを提供することも含まれています。
人口動態調査等調査票による集計
概要
協会では20年以上にわたって、調査票による集計業務(自治体からの受託業務)を実施しています。自治体が統計法33条に基づき国から提供を受けた調査票をお預かりし、集計を行い、集計結果をエクセルファイルでお納めしています。
主な調査票の種類は、人口動態調査、医療施設調査、病院報告、医師・歯科医師・薬剤師統計)です。
主な用途
集計結果は、自治体の保健衛生年報作成等、政策の企画、立案、実施または評価に有用であると認める統計の作成等に活用されています。
集計に使用するデータ
集計対象の調査票データ(人口動態調査、医療施設調査・病院報告、医師・歯科医師・薬剤師統計)
データ活用研修会
自治体において在宅医療・介護連携等の施策を効果的に進めるためには、データ活用を増やす必要があります。しかし、「難しい」、「取り掛かりにくい」等の理由で現状は進んでいない状況です。
そこで、厚生労働統計協会では2018年度「在宅医療・介護連携推進事業に係る効果的な事業の推進方法と評価に関する調査研究報告会」と題して、データ活用方法などについて千葉県内の市町村向けの研修会を実施しました。
2019度はその継続事業として、同様の課題を持つ、あるいは取り組みを始めている自治体の参加者と意見交換し、有識者、経験者による事例紹介等を通じて、データ活用方法を考え、実践的な進め方を習得することを目的とした研修会を4回実施しました。
日程および会場 | 内容 |
---|---|
〇第1回 2019年7月29日(月) 千葉市総合保健医療センター 会議室 |
講演:全国自治体での取り組み事例より 東京大学 松本佳子 先生 事例紹介:資源の少ない地域の施策検討 市原市 池田朋生 様
グループワーク:自分の地位の特徴と課題、必要なデータ コーディネート/講評:千葉大学予防医学センター 藤田 伸輔 教授 |
〇第2回 2019年9月30日(月) 千葉市総合保健医療センター 会議室 |
事例紹介:在宅医療・介護実態調査について 千葉市 久保田健太郎 様 情報提供:後期高齢者医療広域連合からのデータ入手方法
講義:在宅医療をレセプトで読む 演習・グループワーク:在宅医療に関わる医療機関のタイプ、傷病名の見かた コーディネート/講評:千葉大学予防医学センター 藤田 伸輔 教授 |
〇第3回 2019年11月21日(木) 千葉市総合保健医療センター 会議室 |
講演:在宅医療の現場から 鈴木内科医院院長 鈴木 央 先生
データ分析結果発表:自分の地位の特徴と課題、必要なデータ 演習:在宅医療の指標 グループワーク:どのようにデータを活用するか コーディネート/講評:千葉大学予防医学センター 藤田 伸輔 教授 |
〇第4回 2020年1月24日(金) 千葉市総合保健医療センター 会議室 |
講演:高齢者向け住まいでの看取り 株式会社シルバーウッド代表取締役 下河原忠道 様 (一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会理事) グループワーク:データから在宅医療推進策を考える コーディネート/講評:千葉大学予防医学センター 藤田 伸輔 教授 |
これまでのデータ分析関連の取り組み
テーマ | 業務詳細 |
調査研究事業 |
厚生労働統計協会では、平成27年より「医療と介護の連携で築く2025年の地域医療」をテーマとして、調査研究を続けてまいりました。 年度ごとに報告書としてまとめ、HPで公表しております。
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データ活用手順書 |
平成29年度の調査研究「在宅医療・介護連携推進事業に係る効果的な事業の推進方法と評価に関する調査研究」の研究よりデータ活用手順書を作成しました。 データを活用してどう施策につなげるか、活用できるデータをどう集めるか、という観点で、調査研究成果を手順書としてまとめたものです。フィールドである千葉県市原市のデータ例などを使用しました。
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在宅医療・介護連携に係るデータ分析結果市町村報告会 |
平成30年7月3日(火)に、千葉市民会館において、千葉県および市原市のご後援を得て「在宅医療・介護連携に係るデータ分析結果市町村報告会」を開催しました。 本報告会は、当協会の平成29年度調査研究事業「在宅医療・介護連携推進事業に係る効果的な事業の推進方法と評価に関する調査研究」に、データの提供についてご協力いただいた千葉県および県内市町村への研究成果の還元と、医師会など関係者の方への研究成果の普及を目的として開催したもので、千葉県内33自治体や関係団体等から65名のご参加をいただきました。 報告会では、千葉県や研究フィールドとさせていただいた市原市、そして調査研究委員会の委員長をしていただいた千葉大学の藤田教授のご講演をいただき、また、当協会からは、KDBデータ分析の結果や、市町村における業務の場面に沿ったデータ分析手順についてご報告いたしました。
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在宅医療・介護連携施策につなげるためのデータ活用研修会 |
自治体において在宅医療・介護連携等の施策を効果的に進めるためには、データ活用を増やす必要があります。しかし、「難しい」、「取り掛かりにくい」等の理由で進んでいないのが現状です。このことは、上記の「在宅医療・介護連携推進事業に係る効果的な事業の推進方法と評価に関する調査研究報告会」の参加者アンケート結果でも、みられました。 そこで、2019度はこれまでの調査研究の継続事業として、同様の課題を持つ、あるいは取り組みを始めている自治体の参加により、有識者、経験者による事例紹介とグループワークを通じて、データ活用方法を考え、実践的な進め方を習得するための研修会を4回開催しています。
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高齢社会医療政策推進セミナー共催 |
平成29年度調査研究委員会の座長を務めていただいた千葉大学病院高齢社会 医療政策センター長 藤田臨床疫学教授が行政職担当者の方向けに「高齢社会医療政策推進セミナー」を企画され、 厚生労働統計協会は、2018年度より2020年度までこのセミナーの共催をしました。 行政職の方を対象とし、千葉大学の学生と一緒に学ぶセミナーです。 その内容は、統計データの見方、データを用いた未来予測、そこで発生する問題の解決法、解決するための政策立案と年次計画の作成、政策推進の進捗管理と軌道修正でした。
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シンポジウム「2025年に向けた医療・介護連携と地方自治体の役割」 |
平成29年1月28日 にシンポジウム「2025年に向けた医療・介護連携と地方自治体の役割」を開催しました。 2025年に向けた医療・介護連携の進め方及び地方自治体の役割について、厚生労働省鈴木保険局長及びこの分野での有数の研究者である筒井教授から基調講演をいただき、有識者、地方自治体政策担当者、介護現場の専門職によるパネルディスカッションを行いました。
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