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論文記事:Diagnosis Procedure Combination(DPC)データ,機能評価係数Ⅱおよび経営指標を含めた大学病院の評価について 201404-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第61巻第4号 2014年4月

Diagnosis Procedure Combination(DPC)データ,
機能評価係数Ⅱおよび経営指標を含めた
大学病院の評価について

中島 尚登(ナカジマ ヒサト) 矢野 耕也(ヤノ コウヤ) 長澤 薫子(ナガサワ カオコ)
小林 英史(コバヤシ エイジ) 横田 邦信(ヨコタ クニノブ)

目的 私立大学病院の27学校法人を対象とし,機能評価係数Ⅱ,「DPC導入の影響評価に関する調査」データおよび経営指標より計算したMahalanobisの距離(MD)を用いて総合評価を試みた。

方法 平成21年度の「DPC導入の影響評価に関する調査」9項目(以下①:一般病棟入院件数,移植手術件数,臨床治験件数,平均在院日数,手術件数,化学療法件数,放射線療法件数,救急車搬送件数,全身麻酔件数),機能評価係数Ⅱ(以下②),経営指標(以下③:帰属収支差額比率,人件費率,総負債率)を用いた。これらより,1)①によるMDと②の相関,2)①の各件数と①によるMD,②,③との相関,3)①によるMDおよび②と③との相関,4)②による順位,①によるMD,①+②によるMD,③によるMD,①+③によるMD,①+②+③によるMD,それぞれのMD順位の検討,5)前項の順位各々の相関,6)項目選択でMDに寄与する項目,を検討した。

結果 1)診療件数を反映する①によるMDと②は有意な相関を認めなかった。2)①によるMDは一般病棟入院件数,移植手術件数,臨床治験件数,手術件数,全身麻酔件数と有意な正の相関を示し,平均在院日数とは負の相関の傾向を示した。②は化学療法件数と救急車搬送件数と有意な正の相関を示した。3)①によるMDと人件費率との間にのみ有意な負の相関を示した。②は③の3項目いずれとも有意な相関を認めなかった。4)②の順位と,①,①+②,③,①+③,①+②+③,それぞれで計算したMDの順位による順位は変動が大きく一定の傾向を認めなかった。5)②の順位と,①,①+②,③,①+③,①+②+③,それぞれで計算したMDの順位とは,いずれとも有意な相関を認めず,②の順位には①の件数や③の関与が低いと思われた。6)共通して項目選択で寄与する項目には,②の要素である効率性指数に関与する平均在院日数と救急医療指数に関与する救急車搬送件数が有効としてあげられた。

結論 機能評価係数Ⅱは経営指標を反映しないが,「DPC導入の影響評価に関する調査」9項目によるMDには経営の要素が加味され,組み合わせることでより良い総合評価が可能である。

キーワード Diagnosis Procedure Combination(DPC),Mahalanobisの距離(MD),機能評価係数Ⅱ,帰属収支差額比率,人件費率,総負債率

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