メニュー

論文記事:在宅重症心身障がい児家族の支援ニードと専門職による重要度および実践度評価 201604-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

pmark     お問い合わせ

論文

論文

第63巻第4号 2016年4月

在宅重症心身障がい児家族の支援ニードと
専門職による重要度および実践度評価

-看護職および行政職を対象としたデルファイ法による調査より-
涌水 理恵(ワキミズ リエ) 藤岡 寛(フジオカ ヒロシ) 沼口 知恵子(ヌマグチ チエコ)
西垣 佳織 (ニシガキ カオリ) 佐藤 奈保(サトウ ナホ) 山口 慶子(ヤマグチ ケイコ)

目的 在宅で生活する重症心身障がい児家族(以下,在宅重症児家族)の支援ニードを明らかにし,彼らと日常的に関わる看護職および行政職の支援ニードに対する重要度の認識および実践の現状を明らかにし,今後取り組むべき課題を同定することである。

方法 首都圏近郊の在宅重症児家族にインタビュー調査を行い,質的内容分析法により支援ニード項目を作成した。またデルファイ法により,看護職および行政職に2度のアンケート調査を実施し,各立場からの重要度および実践度について,項目ごとの中央値・四分位範囲(IQR)・IQR%を算出した。

結果 在宅重症児家族25組計56名へのインタビューより支援ニード41項目を作成した。デルファイ1次調査対象者は看護職29名,行政職97名で行い,2次調査対象者は看護職19名,行政職52名であった。重要度の特に高かった項目は,看護職で23項目,行政職では18項目であり,看護職・行政職ともに重要度が高いと見なした項目は「医療者は家族に在宅療養においてできることを的確に伝えてほしい」「将来を見据えたケアや療育アドバイスがほしい」などの6項目であった。実践度の高かった項目は,看護職で15項目中3項目,行政職で13項目中3項目であった。実践度と重要度に乖離があった項目は看護職が「サービスの利用方法がわからないときに相談に乗ってほしい」などの5項目,行政職が「災害時に迅速に対応できるようにしてほしい」「家族だけで頑張りすぎないでいいことを伝えてほしい」の2項目であった。

結論 看護職および行政職ともに,家族の支援ニードを支持する姿勢を有しており,重症心身障がい児の成長に合わせて家族の将来の見通しが立てられるよう,サービス利用情報や療育アドバイスを充実していくことの重要性を認識していた。重要度および実践度に乖離がみられた項目への対策として,看護職では在宅重症児家族に必要なサービス利用や家族会等の情報を部局内で周知・共有すること,他職種と協働して各家族や児の個別性をアセスメントしつつ在宅療養への助言,将来を見据えた助言,家族へのサポートを行う組織としての体制や機会を作ること,行政職では地域の状況を考慮した災害への具体的な備えの検討,家族との対話とねぎらいを行うことが取り組むべき課題として提示された。

キーワード 重症心身障がい児家族,在宅生活,支援ニード,デルファイ法,看護職,行政職

論文