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論文記事:事業者における加工食品の栄養成分表示に関する全国保健所での相談,支援の現状と課題 201608-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第63巻第8号 2016年8月

事業者における加工食品の栄養成分表示に関する
全国保健所での相談,支援の現状と課題

荒井 裕介(アライ ユウスケ) 林 芙美(ハヤシ フミ)
佐藤 ななえ(サトウ ナナエ) 吉池 信男(ヨシイケ ノブオ)

目的 事業者における加工食品の栄養成分表示に関する全国保健所での相談,支援の現状と課題を明らかにし,新たな法制度の下での保健所の体制や事業者への支援方策の検討に資することを目的とした。

方法 全国494保健所を対象に,2013年10月に郵送による質問紙調査を実施した。加工食品の栄養成分表示に関する相談の状況として,2012年度の相談件数と内容,相談を行うにあたり困難なこと等の4項目を,事業者が栄養成分表示を行うための支援の状況として,具体的な手順を解説した資料の作成や研修の機会等の3項目をたずねた。集計は設置主体別に4群に分け,有効回答数を分母に各項目の割合を算出した。

結果 367保健所(74.3%)から回答があった。栄養成分表示に関する相談件数は,都道府県で少なく,特別区で多く,内容は指定都市,特別区で強調表示や栄養機能食品の相談が多かった。「相談回答の全国的なデータベースがないこと」「食品事業者自らが表示を行う際に参考となる資料や教材がないこと」が相談時の困難さの理由として多く挙げられた。事業者が栄養成分表示を行うための資料の作成や,研修,情報提供の支援は現状では限られていた。

結論 保健所の相談の現状として,法規集だけでは対応が難しい相談があること,事業者からは表示が適切かどうかの判断を求められることもあること,トラブルに発展する事例もあることがわかった。新たな法制度の下で,全国保健所が円滑に事業者への対応ができるよう,対応マニュアルや研修の提供等の人材育成や,事業者への支援の充実が望まれる。

キーワード 加工食品,栄養成分表示,食品表示法,保健所,相談

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