メニュー

論文記事:3歳児健康診査の実施対象年齢に関する全国調査 201612-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

pmark     お問い合わせ

論文

論文

第63巻第15号 2016年12月

3歳児健康診査の実施対象年齢に関する全国調査

佐々木 渓円(ササキ ケマル) 新美 志帆(ニイミ シホ) 山縣 然太朗(ヤマガタ ゼンタロウ)
佐藤 拓代(サトウ タクヨ) 秋山 千枝子(アキヤマ チエコ) 小倉 加恵子(オグラ カエコ)
溝呂木 園子(ミゾロギ ソノコ) 朝田 芳信(アサダ ヨシノブ) 船山 ひろみ(フナヤマ ヒロミ)
松浦 賢長(マツウラ ケンチョウ) 草野 恵美子(クサノ エミコ) 石川 みどり(イシカワ ミドリ)
黒田 美保(クロダ ミホ) 市川 香織(イチカワ カオリ) 山崎 嘉久(ヤマザキ ヨシヒサ)

目的 3歳児を対象とした乳幼児健康診査(以下,3歳児健診)について,市町村が設定している対象年齢の分布と受診率の現状を把握することとした。

方法 2015年8月に全国の市町村と特別区(以下,市町村)1,741箇所に質問紙を郵送し,1,172市町村から回答を得た。解析対象は,3歳児健診の対象年齢と対象実人員数を回答した1,095市町村である。対象年齢の区分は,自然階級分類(Jenksの最適化法)を用いて評価した。受診率は対象実人員数に対する受診実人員数の割合として,経験ベイズ法で市町村間の対象者数の偏りを調整して算出した。

結果 対象年齢の始期は二峰性の分布を示したため,2階級として始期の区分を試みた。その結果,3歳児健診の始期は,3歳2カ月以下(以下,3歳児群(542市町村))と3歳3カ月以上(以下,3歳6カ月児群(553市町村))に区分された。3歳児群の終期は二峰性の分布を示し,3歳6カ月以下(230市町村)と3歳7カ月以上(312市町村)に区分された。3歳6カ月児群の終期も二峰性の分布を示し,3歳8カ月以下(248市町村)と3歳9カ月以上(305市町村)に区分された。始期の構成率を都道府県別で比較すると,13都道県では3歳児群の市町村が75%以上を占めており,22府県では3歳6カ月児群の市町村が75%以上を占めていた。3歳6カ月児群の受診率は,3歳児群と比較して低値であった(中央値[四分位範囲](%):3歳児群96.5[94.1-98.2],3歳6カ月児群94.8[92.2-97.3])。

結論 3歳児健診の対象年齢の始期は,3歳0カ月頃と3歳6カ月前後に区分され,各々がほぼ同数の市町村で構成されていた。3歳児健診の始期は,都道府県単位で異なる傾向がみられた。3歳6カ月児群の受診率は,3歳児群と比較すると低値であった。しかし,両群の受診率の差はわずかであり,多くの市町村が高い値を示した。対象年齢に関わらず,保育所等の関連機関との連携により,すべての児の発達や育児支援の必要性を的確に把握できる体制が必要であることが示唆された。

キーワード 乳幼児健康診査,母子保健,受診率,健やか親子21(第2次)

 

 

論文