論文
第64巻第3号 2017年3月 算出プログラムを用いた要介護認定データに基づく
栗盛 須雅子(クリモリ スガコ) 福田 吉治(フクダ ヨシハル) 星 旦二(ホシ タンジ) |
目的 本研究の目的は,2010~2012年度にかけて開発し,茨城県立健康プラザのホームページで公表している「健康寿命(DALE)と障害をもつ人の割合(WDP)算出プログラム」を用いて,47都道府県の2010~2014年の要介護認定データに基づく障害調整健康余命(DALE)と加重障害保有割合(WDP)の算出結果を明確にし,値の活用等について考察することである。
方法 本プログラムに,算出に必要な性・年齢階級別・要介護度別介護保険認定者数と性・年齢階級別・人口を入力し,都道府県生命表をコンピュータのデスクトップ上等に保存し,プログラムの生命表取り込みボタンを押して算出されたDALEとWDPの結果を示し,本プログラムと算出された値の活用等について考察した。
結果 全国のDALEは2010~2014年まで男女ともすべての年齢で,年々短くなり,47都道府県では,65歳DALEの第1位は2010~2013年まで男女とも長野県,2014年は男性1位長野県,女性1位島根県であった。全国のWDPについて,男性では,75~79歳,80~84歳は年々低く(低い方が健康度が高い),その他の年齢階級では高く,女性では,75~79歳,80~84歳は年々低くなる傾向にあった。年齢調整WDP上位県は,男女とも2010~2014年まで1位山梨県であり,その期間,長野県,茨城県がそれぞれ2~5位であった。
結語 プログラムを用いることで,都道府県が独自にDALEとWDPを迅速に算出,可視化することができ,健康増進計画や高齢者プランの策定の根拠と評価指標として,また,ある時点での高齢者の健康状態の把握に活用できる。
キーワード プログラム,要介護認定データ,障害調整健康余命(DALE),加重障害保有割合(WDP),47都道府県,高齢者