メニュー

論文記事:日本における性的児童虐待の近年の動向 201704-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

pmark     お問い合わせ

論文

論文

第64巻第4号 2017年4月

日本における性的児童虐待の近年の動向

照井 稔宏(テルイ トシヒロ) 後藤 あや(ゴトウ アヤ)
馬場 幸子(ババ サチコ) 安村 誠司(ヤスムラ セイジ)

目的 全国の児童虐待対応件数は増加の一途をたどっているが,性的児童虐待の動向についての報告は乏しい。本研究は政府統計を用いて,国内における性的児童虐待の動向について分析した。また,都道府県別の性的児童虐待件数と関連要因を分析することで,性的児童虐待の社会的決定要因となり得る地域特性を把握した。

方法 総務省統計局e-Statが公開する児童相談所における児童虐待対応報告件数を用いて,性的児童虐待と身体・精神的児童虐待・ネグレクト(以下,その他の虐待)の動向を分析した。都道府県別の性的児童虐待率と関連要因(人口,性行動,安全,経済,家庭環境,地域資源)について,Spearmanの順位相関係数を求めた。

結果 報告件数は,性的児童虐待,その他の虐待ともに増加していた。性的児童虐待の被害児童数は2011年以降,小学生が中学生を上回った。都道府県別性的児童虐待率と図書館数が有意な負の相関(rs=-0.29,p=0.048)を示した。

結論 性的児童虐待は,その他の児童虐待と共に増加傾向にあり,被害児童の低年齢化を認めた。性的児童虐待予防の観点から図書館などの地域資源の重要性が示唆された。

キーワード 児童虐待,性的児童虐待,生態学的研究,社会資源

 

 

論文