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論文記事:EPA送り手国の看護師と受け入れ国である彼らの指導者の看取り観の比較研究 201802-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第65巻第2号 2018年2月

EPA送り手国の看護師と受け入れ国である
彼らの指導者の看取り観の比較研究

-看取り観に関連する要因-
後藤 真澄(ゴトウ マスミ)

目的 EPA外国人看護師と日本における彼らの指導者の看取り観の差異および看取り観に関連する要因を探り,異文化間ケアの在り方を考える一助とする。

方法 2008~2014年に派遣されたEPA外国人看護師を受け入れた411施設(全数)に対して,EPA外国人看護師全員とその指導者を施設ごとに1人の合計3,258人に郵送調査を実施した。看取り観の測定にはFATCOD-Form B-Jを用いて,看取り観を従属変数として,国籍,個人の属性,社会文化的特性,死生観(死生観の測定には臨老式死生観尺度を使用)を独立変数として,重回帰分析を実施した。調査期間は2015年10月~12月である。

結果 回答施設は121施設(29.4%)で,有効回答者は503人(15.4%)であった。EPA送り手国(フィリピン,インドネシア,ベトナム)と日本とで看取り観の比較を行った。国ごとの看取り観の比較を行った結果,「ケアの前向きさ」に関しては,日本が有意に高く,「ケアの認識」に関しては,フィリピンの得点が他の3カ国に比べて有意に高く(p<0.001),日本の得点が他の3カ国に比べて有意に低い。「総得点」に関しては,フィリピンの得点が他の3カ国に比べて有意に高い(p<0.05)。死にゆく患者に対するケアの前向きさは,「国」による差はなく,「経験年数」「職種」「看取り経験」「死からの回避」「人生の目的意識」に関連がみられた。ケアの認識に関しては,「国籍」「経験年数」「人生の目的意識」「死への関心」が関連要因となっていた。

結論 看取り観に関連する要因は,死にゆく患者への「ケアの前向きさ」に関しては,国籍による差はなく,経験を積み重ね,死を回避せず,人生の目的意識を持つ死生観を育むことで,看取りケアができるようになっていく。しかし,「ケアの認識」に関しては,日本が他の3カ国に比較して有意に低く,国籍による差がみられた。これに関連する要因については,今後も引き続き異文化間ケアへの検討が必要である。

キーワード EPA,外国人看護師,看取り観,死生観,異文化間ケア,エンドオブライフ・ケア