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論文記事:特定健診受診者を対象とした服薬治療群と非服薬治療群の3年間の体重変化 201811-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第65巻第13号 2018年11月

特定健診受診者を対象とした服薬治療群
と非服薬治療群の3年間の体重変化

-2008~2011年度と2012~2015年度の比較-
上村 精一郎(カミムラ セイイチロウ) 宮脇 龍一郎(ミヤワキ リュウイチロウ) 柴田 優子(シバタ ユウコ)
榎本 亜里沙(エノモト アリサ) 水野 真希(ミズノ マキ) 鳥飼 恵子(トリカイ ケイコ)
今任 拓也(イマトウ タクヤ) 畝 博(ウネ ヒロシ) 

目的 特定健診受診者を対象として2008年度と2011年度,並びに2012年度と2015年度の3年間の体重変化を服薬治療群と服薬治療を受けていない群(非服薬治療群)に分けて比較分析した。

方法 対象は2008年と2011年の両年度(前期),並びに2012年と2015年の両年度(後期)の特定健診をともに受診した40~59歳の男性それぞれ2,313人と3,715人である。対象者をメタボリック症候群の診断基準に従ってメタボリック症候群(メタボ群),メタボリック症候群の予備群(予備群),非該当群に分類するとともに,服薬治療群と非服薬治療群に分けて3年間の体重変化について比較した。

結果 前期についてみると,メタボ群では非服薬治療群の体重変化は-0.493㎏と有意な減少であったが,服薬治療群は+0.094㎏と横ばいであった。後期では非服薬治療群の体重変化は-1.095㎏,服薬治療群のそれは-0.679㎏でともに有意な体重減少が認められた。前期後期ともに,非服薬治療群の体重の減少幅は服薬治療群より大きかった。体重変化の前期と後期の比較ではメタボ群の非服薬治療群と服薬治療群ともに,後期の方が体重の減少幅が有意に大きかった。

結論 特定保健指導の対象者であると考えられるメタボ群の非服薬治療群では前期と後期ともに有意に体重が減少しており,その減少幅も服薬治療群より大きかったことは特定健診・特定保健指導の効果を示唆するものであった。メタボ群の非服薬治療群と服薬治療群ではともに,後期の方が前期より体重減少の幅が有意に大きかった。このことは時間の経過とともにメタボリック症候群に注目した特定健診・特定保健指導の概念が広く浸透して行っていることを示しているのではないかと考えられた。

キーワード 特定健診・特定保健指導,3年間の体重変化,生活習慣の改善,メタボリック症候群

 

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