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論文記事:過眠症状を呈し睡眠専門外来を受診した看護学生の睡眠実態 201905-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第66巻第5号 2019年5月

過眠症状を呈し睡眠専門外来を受診した看護学生の睡眠実態

-看護学生への睡眠衛生教育の必要性-
萱場(木村) 桃子(カヤバ(キムラ) モモコ) 笹井(咲間) 妙子(ササイ(サクマ) タエコ)

目的 過眠症状を呈し睡眠専門外来を受診した看護学生の睡眠習慣,主観的な日中の眠気,健康関連QOL(Quality of Life)の特徴を明らかにすることを目的とした。

方法 睡眠専門外来を受診した大学生・専門学校生である患者194名を対象に,診療録と自記式の質問票から,睡眠習慣,主観的な日中の眠気,健康関連QOLについての情報を収集し,看護学生と他科の同年代の学生とを比較した。終夜睡眠ポリグラフ検査と反復睡眠潜時検査(MSLT)を受検した患者についてはその検査データも収集した。

結果 対象者194名のうち,看護学生は15名(女性13名,男性2名;平均年齢21±1歳),他科学生は179名(女性126名,男性53名;平均年齢20±1歳)であった。終夜睡眠ポリグラフ検査ならびにMSLTを受けた学生は,看護学生では4名,他科学生では74名であり,ナルコレプシーもしくは特発性過眠症の診断に合致する学生は,看護学生では2名,他科学生では55名であった。平日の睡眠時間が6時間未満と回答した患者の割合は,他科学生群(10%)に比べ看護学生群(33%)で有意に高く,睡眠不足症候群の基準を満たす者の割合についても,他科学生群(8%)に比べ看護学生群(27%)で有意に高かった。主観的な眠気を表すエプワース眠気尺度得点は,看護学生群(18±3点)の方が他科学生群(15±4点)に比べて有意に高かった。健康関連QOLについては,看護学生群と他科学生群の間で有意差をみとめなかった。

結論 睡眠専門外来を受診した看護学生には睡眠不足症候群の者が多く,日中の眠気も重度であることが示唆された。看護学生に対する早期の睡眠衛生教育と潜在する睡眠関連疾患に関する知識の拡充を要する。

キーワード 看護学生,過眠症,睡眠不足,睡眠衛生教育

 

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