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論文記事:小児慢性特定疾病がある医療的ケア児における就学の有無別にみた支援ニーズの実態 201911-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第66巻第13号 2019年11月

小児慢性特定疾病がある医療的ケア児における
就学の有無別にみた支援ニーズの実態

-2017年医療的ケア児実態調査-
木村 愛(キムラ アイ) 月野木 ルミ(ツキノキ ルミ)
遠藤 公久(エンドウ キミヒサ) 石田 千絵(イシダ チエ)

目的 本研究は,2016年の児童福祉法や障害者総合支援法など,医療的ケア児支援に関連する法改正後の,就学の有無別にみた支援ニーズとその要因を比較検討することを目的とした。

方法 対象は,小児慢性特定疾病医療給付制度を利用している医療的ケア児とし,全国の保健所および全国規模の医療的ケア児親の会経由で募集した。医療的ケアは,人工呼吸器・在宅酸素・気管切開・痰の吸引・胃ろう・経管栄養のいずれかと定義した。調査期間は2017年7~10月で,WEB無記名自記式質問紙法で母親に調査した。調査内容は,医療的ケア児の基本的属性9項目,生活環境因子10項目とし,調査内容のうち支援ニーズは『ケアによる負担』5項目,『生活リズムの維持』1項目,『児の体調管理』1項目,『社会資源に関する情報不足や利用困難』3項目で構成した。有意水準は5%未満とし,就学の有無と支援ニーズの関連はχ2検定を用いた。

結果 研究協力機関(36保健所・親の会4団体)が選定した272名のうち,102名から回答が得られ(回収率:37.5%),95名を解析対象者とした(有効回答率:93.1%)。その結果,医療的ケア児の未就学・就学群双方において,支援ニーズが高いと答えた者の割合が,全項目で58.8~100%と高かった。就学群は,未就学群と比較して,医療的ケアと介護サービスに関する支援ニーズが有意に高かった[「サービス利用中や学校等に通っている間の医療的ケアの提供」41名(93.2%,p=0.04),「子どもに対応する訪問介護サービス」38名(86.4%,p=0.003),「子どもの生活リズムに合わせたサービス」40名(90.9%,p=0.02)]。就学群の特徴として,神経・筋疾患の占める割合が高く(31名,70.5%),人工呼吸器に関連するケアが必要な児が29名(65.9%)であった。母親は,主観的健康状態が悪く[身体平均57.8点(標準偏差:SD25.5),精神平均58.6点(SD25.9)],福祉・教育サービスへの不満を抱える者が多かった[福祉18名(40.9%),教育21名(47.7%)]。

結論 就学している医療的ケア児は,自宅以外での医療的ケアの提供と訪問介護サービス,子どもの生活リズムに配慮したサービス提供について,特に支援を必要としていた。その背景として,成長や病気の進行,学校生活に関連するケアが新たに加わることによる介護負担増加の影響が考えられる。また,24時間体制を必要とする高度な医療的ケアの代行者がいないことの影響も推察された。

キーワード 医療的ケア,小児在宅療養,重症心身障害児,難病,就学

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