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論文記事:発達障害のある子どもを養育する家族のレジリエンス 202003-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第67巻第3号 2020年3月

発達障害のある子どもを養育する家族のレジリエンス

涌水 理恵(ワキミズ リエ)

目的 養育レジリエンスとは,「発達障害のある子どもの養育が困難であるにもかかわらず,親が良好に養育に適応していることを表す特徴やその過程」を指す。家族の養育レジリエンスは,当該児と家族を外来や地域コミュニティで継続的にケアしていくための家族看護における主要アウトカムである。今回は,当該家族を対象に,家族の養育レジリエンスの実態を把握し,その関連要因を探索することを目的とした。

方法 2017年4月に,当該家族に対し,web上で無記名自記式質問紙調査を実施した。質問項目は,回答者の属性・子どもの属性・養育に関連したサービスの利用・家族の養育レジリエンスであった。家族の養育レジリエンスは,①子どもの特徴に関する知識,②社会的支援,③育児への肯定的な捉え方,の3要素で構成されるParenting Resilience Elements Questionnaire(PREQ)日本語版を用いて評価した。

結果 315名の子どもを育てる281名の親が調査に参加した。調査時の当該児年齢は平均11.3±5.1歳,診断時年齢は平均6.3±4.2歳であった。いずれのサービスも利用していない子どもが約4割を占め,利用割合が多かったのは児童デイサービスで約3割だった。現在利用しているサービスを今後も継続することを希望する親が多い一方で,新規サービスについては約8割が親向け子育てプログラムを希望していた。PREQ総得点は平均78.7±12.7点であり,ホームヘルプサービスを利用していること(p=0.042),その他のサービスを利用していること(p<0.001),きょうだいがいないこと(p=0.023),当該児の養育について頼れる家族外のサポーターがいること(p=0.049)が高いPREQ総得点に関連していた。

結論 本研究により,発達障害のある子どもの属性やライフステージに応じたサービスの利用実態や家族のニーズ,養育レジリエンスの実態が示された。今後は発達障害のある子どもと家族が必要とするサービスのアドボカシーを進めると同時に,家族の養育レジリエンスを高める具体的な支援の方策を検討する。

キーワード 家族看護,サービス,発達障害,養育レジリエンス

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