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論文記事:運動実践者の体重減少に向けて食品カロリーの正しい知識の浸透を図った支援の有効性とは? 202010-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第67巻第12号 2020年10月

運動実践者の体重減少に向けて食品カロリーの
正しい知識の浸透を図った支援の有効性とは?

松原 建史(マツバラ タケシ) 植木 真(ウエキ マコト)
前田 龍(マエダ トオル) 田中 英幸(タナカ ヒデユキ)

目的 運動実践者で腹囲がメタボリックシンドロームに該当する者は,食品カロリーの正しい知識が乏しいことが明らかにされている。そこで,食品カロリーの知識向上を図ることで,体重や腹囲の減少が期待できるため,この縦断的関係性について検討することを目的とした。

方法 対象を,公共運動施設を利用していて腹囲が85㎝以上だった女性74名とした(年齢:66±7歳,体重:58.1±7.0㎏,腹囲:90.5±6.4㎝)。対象者には平成28年2月と9月に,体重,腹囲,食品カロリーの知識調査を実施した。食品カロリーの知識調査は,ポスターに掲載した食品カロリーを伏せた寿司と焼鳥屋メニューそれぞれ数十種類の中から,一番カロリーが低いと思う組み合わせをクイズ形式で選択させ,そこから総合カロリー得点を算出して評価した。食品カロリーの正しい知識の浸透を図る支援として,2月と9月の食品カロリーの知識調査と同様の方法で,3月から8月まで食品カロリーを伏せた定食メニューやパン類など内容を変えながらクイズ式ポスターを掲示し,月末に答え合わせを行うことを繰り返した。その他の項目として,公共運動施設での自転車エルゴメータとトレッドミルの週当たり有酸素性運動時間を2月と9月それぞれで算出した。そして,2月から9月にかけて総合カロリー得点が全対象者の中で高水準を維持していた群,低水準から高水準に変化した群,低水準を維持していた群,高水準から低水準に変化した群の4群に分けた上で,年齢と週当たり有酸素性運動時間を調整因子にとった二元配置共分散分析を行った。

結果 全対象者では総合カロリー得点の向上傾向と体重の減少傾向を認めたが,変化量はそれぞれわずかであった。次に,4群の比較では,体重,腹囲とも有意な交互作用も群と時期の主効果を認めなかった。

結論 食品カロリーの正しい知識が向上しても体重や腹囲の減少にはつながらないことが明らかになった。知識の向上は全く必要ないということではなく,食行動の変容を図る支援を優先して実施し,その後に知識の向上を図っていくことで,より有効な支援になる可能性が高いと考えた。

キーワード メタボリックシンドローム,食行動,行動変容,縦断的研究

 

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