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論文記事:横浜市産婦健康診査の産婦健診補助券からみた エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)の点数と産婦の特性の関係 202102-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第68巻第2号 2021年2月

横浜市産婦健康診査の産婦健診補助券からみた
エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)の点数と
産婦の特性の関係

杉原 麻理恵(スギハラ マリエ) 丹野 久美(タンノ クミ) 岩田 眞美(イワタ マミ)

目的 近年,妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援の必要性が重要視され,横浜市では産後うつの予防や新生児の虐待予防等を図る観点から平成29年度より産婦健康診査事業を実施している。今回,横浜市産婦健診補助券に記載された内容を用いて,産婦健康診査の実施状況を分析し,さらに,エジンバラ産後うつ病質問票(以下,EPDS)の点数が産婦の支援にかかわる人に適切に解釈されるために,産婦の特性によるEPDSの推移の差に関する検討を行った。

方法 平成29年6月から平成30年3月までに横浜市産婦健診補助券を使用して産婦健康診査を受診した産婦15,605人の健診の実施内容・結果を分析した。さらに,2週間健診,1カ月健診の両方を受診し,両健診にてEPDSを使用した産婦8,880人を対象に,独立変数を健診時期(2週間と1カ月),産婦の特性(分娩歴,若年出産,高齢出産,多胎の有無),従属変数をEPDSの合計点数とし,反復測定二元配置分散分析を行い,産婦の特性の差によるEPDSの点数の推移について,有意な差異がみられるかを検討した。

結果 当該期間に2週間健診を受診した産婦は9,585人であった。2週間健診で「異常あり」とされた産婦は1,133人で,うち805人が9点以上であった。81人が区の福祉保健センターに報告され,7人が精神科に紹介された。2週間健診で9点以上だった産婦の32%が1カ月健診においても9点以上であったが,1カ月健診で9点以上であった産婦の約半数は2週間健診では低値であった。初産婦のEPDSの点数は2週間・1カ月健診共に経産婦に比べ有意に高く,高齢産婦の点数は,2週間健診では有意に低かったが,1カ月健診では有意差は認めなかった。いずれの要因でも,2週間健診のEPDSの点数が1カ月健診に比べて高値であった。2週間と1カ月健診の間での初産婦の点数の低下は顕著であり,他要因による交互作用が示唆された。分娩歴および高齢出産の有無による4層の層別解析では,2週間・1カ月健診ともに初産婦のほうが有意に高値であったが,高齢出産の有無による有意差は認めなかった。

結論 初産婦のEPDSの点数は経産婦と比較して一貫して高値であった。特に初産婦の産後2週間前後におけるメンタルヘルスの悪化は明確であるが,産後1カ月後には急速に回復する。EPDSの推移を参考にしながら,回復が遅れる初産婦の特性を把握し,早期介入に結び付けることが重要である。

キーワード 産婦健康診査,産後うつ,エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS),妊産婦のメンタルヘルス,産後の支援

 

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