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論文記事:地域在住高齢者における社会参加割合変化 202103-01 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第68巻第3号 2021年3月

地域在住高齢者における社会参加割合変化

-JAGES6年間の繰り返し横断研究-
渡邉 良太(ワタナベ リョウタ) 辻 大士(ツジ タイシ) 井手 一茂(イデ カズシゲ)
林 尊弘(ハヤシ タカヒロ) 斎藤 民(サイトウ タミ)
尾島 俊之(オジマ トシユキ) 近藤 克則(コンドウ カツノリ)

目的 高齢者を対象に就労やグループ活動などの社会参加の推進が進められているが,社会参加割合の内訳を詳細に検討した研究は少ない。本研究の目的は性,年齢階層別に社会参加割合の変化を記述し,その特徴を明らかにすることである。

方法 日本老年学的評価研究(JAGES)の2010~11年度(以下,2010年)および2016年の2時点データを用いた繰り返し横断研究である。要介護認定を受けていない地域在住65歳以上高齢者を対象に郵送自記式質問紙調査を実施した。分析対象は2時点ともに悉皆調査を行った同一の10市町在住の日常生活動作が自立した男性9,567名,女性8,870名(2010年),男性10,038名,女性9,627名(2016年)とした。社会参加の定義は就労やグループ活動(ボランティアの会・スポーツの会・趣味の会)参加の有無とし,就労あり,またはグループ活動いずれか1つでも月1回以上参加で参加ありとした。2時点の参加割合を性・年齢階層別(5歳階層ごと)に記述し,χ2検定で2時点の割合を比較した。また,就労,グループ活動それぞれでも同様の分析を行った。

結果 2010年から2016年にかけて社会参加者割合は,男性で58.1%(5,557名)から61.5%(6,176名),女性で55.1%(4,891名)から62.1%(5,982名)といずれも増加を示した。年齢階層別でも全年齢階層で増加を示した(男性0.7~8.5ポイント,女性2.7~11.8ポイント増加)。内訳をみると就労割合は男女ともに65~69歳で特に増加を示した(6.6~9.0ポイント)。一方,グループ活動参加割合は約6年間で男性の65~74歳は2.1~9.0ポイント減少し,75歳以上で4.9~7.0ポイント増加,女性の65~69歳で1.3ポイント減少し,70歳以上で3.3~11.5ポイント増加していた。また,最もグループ活動参加している年齢階層は2010年で男性70~74歳,女性65~69歳に対し,2016年で男性75~79歳,女性70~74歳とより高年齢化していた。

結論 全国10市町の2010~16年の6年間における社会参加割合の変化を検討した。社会参加割合はすべての年齢階層で増加を示した。内訳をみると就労割合は65~79歳でより大きく増加し,グループ活動参加割合は後期高齢者でより大きく増加を示した。また,最もグループ活動参加している年齢階層が6年間で高年齢化していた。今後も高齢者の若返り,環境整備が進むことで就労割合は増加するとともに,グループ活動参加割合が高い年齢階層がより高年齢化する可能性がある。

キーワード ポピュレーションアプローチ,介護予防,就労,グループ活動,経年変化

 

 

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