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論文記事:認知症対応型共同生活介護事業所における令和元年度の地域密着型外部評価による「災害対策」の考察 202301-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第70巻第1号 2023年1月

認知症対応型共同生活介護事業所における
令和元年度の地域密着型外部評価による「災害対策」の考察

渡辺 康文(ワタナベ ヤスフミ)

目的 公共的な事業はより高い運営の透明性が求められるが,認知症対応型共同生活介護事業所(GH)は地域密着型外部評価の結果を公表している。厚生労働省通知の参考例の68の自己評価項目において問題点・課題が多かった項目は,平成23~26年度の過去4年間すべてで「災害対策」が一番高い割合だったが,令和元年度は「災害対策」はどうだったかを明らかにするとともに,「災害対策」の改善計画の内容を検証して,関係者の参考とすることを目的とした。

方法 令和元年度に外部評価結果を,ワムネットと2県のリンクページで公表した,東京都と愛媛県を除く45道府県のGHの目標達成計画を参照して,68項目での問題点・課題があった項目を調べ,「災害対策」の割合を過去4年間の割合と比較した。また,「災害対策」の改善計画を分類・区分して具体的な内容を検証した。調査期間は2020年4月3日から2021年5月30日までである。

結果 問題点・課題があった項目は特定の項目に集中していた。「災害対策」は令和元年度も一番高い割合で,過去4年間のいずれよりも高かった。改善計画の区分「地域へのはたらきかけ」からはGHの地域住民・機関へのアプローチの姿勢がうかがわれ,区分「防災訓練の充実」ではハイリスクな想定で訓練を行おうとしている。区分「設備・機器等の整備」ではインフラ復旧に時間がかかる場合を考慮して備蓄品の整備を進めようとしている。

結論 今後も「誰もが読みやすい」外部評価結果の公表が期待される。また,社会福祉施設,介護サービス事業所は相談窓口はあるが,一般に利用者・家族は意見を出しにくいと考えられ,外部評価の機会は重要である。外部評価は,第三者の視点が入るサービス改善の一方法であり,信頼につながると考えられ,経費や職員の負担に配慮しながら活用していくことが望まれる。また,今後の課題として,年月の経過とともに「災害対策」の改善の取り組みは変化することから,令和2年度以降は分類・区分の項目の見直しが必要である。

キーワード 地域密着型外部評価,認知症対応型共同生活介護事業所(GH),問題点・課題,目標達成計画,災害対策,改善計画

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