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論文記事:製造業労働者の生活習慣に関する性別・年齢階級別検討 202305-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第70巻第5号 2023年5月

製造業労働者の生活習慣に関する性別・年齢階級別検討

-製造業94社における約7 万人(20~69歳)の特定健康診査データから-
土田 ももこ(ツチダ モモコ) 門間 貴史(モンマ タカフミ) 小澤 咲子(オザワ サキコ)
菊地 亜矢子(キクチ アヤコ) 武田 文(タケダ フミ)

目的 特定健康診査データを用いて,20~69歳の製造業労働者の生活習慣(喫煙,運動,食事,飲酒,睡眠等)に関する性別・年齢階級別のリスク傾向を明らかにする。

方法 製造業94社が加入している2つの健康保険組合の2015年度特定健康診査を受診した20~69歳の従業員75,498名(男性:62,056名,女性:13,442名)を分析対象とした。特定健康診査の標準的な質問票の11項目(喫煙1項目,運動3項目,食事4項目,飲酒2項目,睡眠1項目)を用いて,生活習慣の性別・年齢階級別(20歳代,30歳代,40歳代,50歳代,60歳代)の状況をχ2検定およびBonferroniの多重比較によって検討した。

結果 性別にみると男性では,喫煙,就寝前2時間以内に夕食をとる,朝食を欠食する,食べる速度が速い,毎日飲酒をする,の割合が高く,女性では,運動習慣がない,身体活動が少ない,歩行速度が遅い,夕食後に間食をする,飲酒量が多い,睡眠による十分な休養がない,の割合が高かった。さらに男性で割合の高い上記5項目を年齢階級別にみると,朝食を欠食する者は20歳代で,現在喫煙をしている者,就寝前2時間以内に夕食をとる者,食べる速度が速い者は40歳代で,毎日飲酒をする者は60歳代で最も多かった。また女性で割合が高い上記6項目を年齢階級別にみると,運動習慣がない者,歩行速度が遅い者,生活習慣病リスクを高める飲酒量の者は20歳代で,身体活動が少ない者は40歳代で,睡眠による十分な休養がとれていない者は50歳代で最も多く,夕食後の間食については年齢階級による差異を認めなかった。

結論 製造業労働者における生活習慣リスクについて性別・年齢階級別に分析した結果,男性における20歳代の朝食の欠食,40歳代の喫煙,就寝前2時間以内の夕食,食べる速度の速さ,60歳代の毎日の飲酒が,また女性における20歳代の運動習慣の欠如,歩行速度が遅いこと,飲酒量が多いこと,40歳代の身体活動の欠如,50歳代の睡眠による休養の不足が,改善すべき重点課題であることが示唆された。

キーワード 製造業労働者,生活習慣,性別・年齢階級別,特定健康診査

 

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