論文
第71巻第6号 2024年6月 介護老人保健施設に勤務する看護職と介護職の
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目的 本研究の目的は,介護老人保健施設に勤務する看護職と介護職の職業性ストレスと燃えつき,抑うつの関連を明らかにすることである。
方法 公益社団法人大阪介護老人保健施設協会のホームページ(2020年7月現在)に記載されている199施設のうち,施設長の承諾を得た61施設に勤務する看護職および介護職365名を対象とした。調査内容は,属性,勤務状況,職業性ストレス簡易調査票(BJSQ),Pines burnout measure(PBM)日本語版,抑うつ自己評価尺度(CES-D)とした。分析は,看護職と介護職はそれぞれ雇用形態により労働条件や業務等が異なることから,対象者を常勤と非常勤に分類し比較した。
結果 251名(有効回答率68.8%)から回答を得た。内訳は,看護職125名,介護職126名であった。看護職と介護職の「常勤」は働きがいにストレスが大きく,「非常勤」は仕事や生活の満足度にストレスが大きいことが明らかとなった。燃えつきと抑うつでは「常勤」と「非常勤」では有意差を認めなかったものの,看護職の約2割,介護職の約1割が燃えつき危険群,看護職と介護職ともに約7割が抑うつ危険群であった。
結論 介護老人保健施設に勤務する看護職や介護職に働きがいが持てるよう職場環境を整備し,ポジティブな体験ができるための有効な支援や方法を検討する必要性があることが明らかとなった。
キーワード 介護老人保健施設,職業性ストレス,燃えつき,抑うつ,看護職,介護職