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論文記事:男性勤労者の皮膚カロテノイド値とメタボリックシンドロームとの関連性 202407-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第71巻第7号 2024年7月

男性勤労者の皮膚カロテノイド値と
メタボリックシンドロームとの関連性

 

高田 康光(タカタ ヤスミツ) 森本 瑞穂(モリモト ミズホ) 北村 香織(キタムラ カオリ)
北村 梨沙(キタムラ リサ) 中山 久美(ナカヤマ クミ)

目的 男性勤労者で野菜摂取量が推定できる皮膚カロテノイドの値を測定し,その値が個人の肥満,メタボリックシンドロームの有病率と生活習慣に関連しているかを検討する。

方法 男性勤労者1,527名で皮膚カロテノイド値を定期健康診断受診時に測定した。その測定値とBMI,腹囲の値,メタボリックシンドロームの判定結果と問診票で申告された5つの生活習慣との関連性を調べた。

結果 対象群の平均年齢は48.3歳で,皮膚カロテノイドの最低値は2.8.最高値は12.0を示し,6.0以上を示した割合は11.6%だった。皮膚カロテノイド値6.0以上(N=177)を野菜摂取高値群(高値群)に,6.0未満(N=1,350)を野菜摂取低値群(低値群)と分類して年齢層別に肥満度と生活習慣を比較した。40~59歳では低値群は高値群に比べBMIと腹囲の平均値が有意に高かった。50~59歳では,さらにメタボリックシンドロームの有病率が,それぞれ,23.6%と8.5%と低値群が高値群より有意に高い値を示した。問診票で申告された5つの適正習慣,「朝食習慣あり」「歩行習慣あり」「喫煙習慣なし」「適正飲酒習慣あり」「睡眠休養習慣あり」の保持数の平均値は59歳以下で高値群が低値群に比べて有意に高い値を示した。60歳以上での両群の比較ではBMIと腹囲の平均値とメタボリックシンドロームの有病率に有意な差を認めなかった。

結論 男性勤労者の皮膚カロテノイドの高値が,59歳以下で適正な生活習慣の保持,40~59歳ではBMIと腹囲の値,そしてメタボリックシンドロームの有病率に関連していた。この指標を用いる職場の保健指導が減量と生活習慣改善に有効である可能性を示した。

キーワード 皮膚カロテノイド,野菜摂取量,メタボリックシンドローム,生活習慣,勤労者

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