論文
第71巻第7号 2024年7月 女子大学生隠れ肥満者の
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目的 本研究の目的は,隠れ肥満者の栄養素等摂取状況について調査・検討することである。
方法 被験者は,身体計測を行う授業に参加した際に,本研究の内容を説明し自ら参加の意志を示した特に疾患のない健康な女子大学生229名である。被験者の栄養素摂取状況は,3日間秤量法により食事摂取状況を調査し,管理栄養士が確認したのちに栄養素等摂取量を算出した。
結果 本研究の被験者229名の内訳は,標準体重群群123名(53.7%),隠れ肥満群73名(31.9%),肥満群33名(14.4%)であった。被験者の栄養素等摂取状況では,炭水化物において,標準体重群よりも隠れ肥満群が有意な低値を示した。その他の項目には有意な差は認められなかった。
結論 隠れ肥満者の出現率は被験者の約30%に確認されていたため,BMIのみならず体脂肪量の測定も併用することが望ましいと考えられた。栄養素等摂取状況については,3群ともに1日のエネルギー摂取量が同年齢の全国平均値よりも低値を示しており,隠れ肥満群は3群の中で低値を示した。隠れ肥満者のみならず,本研究の被験者はすべて,穀類を中心とした主食の量を十分に摂取して,1日に必要なエネルギー量を摂取する必要があるのではないかと考えられた。
キーワード 隠れ肥満,栄養素等摂取状況,女子大学生