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論文記事:医師仕事関連QOL測定ツールの開発 202407-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第71巻第7号 2024年7月

医師仕事関連QOL測定ツールの開発

 

江面 美祐紀(エヅラ ミユキ) 澤田 克彦(サワダ カツヒコ) 宅島 祐介(タクシマ ユウスケ)
滕 麗達(テン リダ) 五十嵐 中(イガラシ アタル)

目的 2020年以降のコロナ禍で,医療従事者側の負担軽減も価値の要素として認識されるようになり,医療従事者の負担を可視化する観点から,「主観的」なアウトカム尺度の整備が望まれる。また,昨今の医療技術の開発においてもこれまでの概念が覆され享受できる価値を多面的に評価する取り組みが必要とされる。本研究では,医療従事者のうち患者や医療技術と直接に接する機会の多い医師に焦点をあて,仕事関連の価値を構成する指標としてQOLを直接測定できる尺度を開発することを目的とした。

方法 QOL尺度の標準的な開発方法を参考に,医師を対象に4ステップで調査をした。まず,医師20名に対し影響因子を収集するために定性的なインタビューを実施し1stバージョン質問票を作成した。次に8名の医師にバリデーションインタビューを実施し2ndバージョン質問票として修正した。さらに374名の定量調査で妥当性および信頼性の検証を実施した。その結果をもとに3rdバージョン質問票として修正し,確認調査として,その信頼性と基準関連妥当性のための調査を実施した。また,QOL測定の専門家を交えた検討会を実施し,各種の妥当性を検討・実証しながら質問票を構築した。

結果 医師の仕事関連のQOLの影響因子から,仕事量,仕事時間,協力,診療,労働条件,労働環境,心理面,ワークライフバランス,キャリアの9項目が導き出され,それぞれの項目ごとに質問を作成し検証した結果,Cronbach α係数は0.899であった。

結論 開発された医師の仕事関連のQOLを測定するための質問票は,オリジナルのプロファイル型尺度で,9項目5段階で構成され,単純合計でスコア化して使用できるものとなった。

キーワード 仕事,医師,QOL,測定,質問票

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