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論文記事:大阪府内の学校教職員における「子ども食堂」などの子ども支援サービスのニーズに関する実態調査 202412-04 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第71巻第14号 2024年12月

大阪府内の学校教職員における「子ども食堂」などの
子ども支援サービスのニーズに関する実態調査

 

廣川 空美(ヒロカワ クウミ) 菊池 美奈子(キクチ ミナコ) 大井 美紀(オオイ ミキ)
馬場 幸子(ババ サチコ) 植田 紀美子(ウエダ キミコ)
元吉 忠寛(モトヨシ タダヒロ) 近藤 誠司(コンドウ セイジ)

目的 子ども食堂などの地域の子ども支援サービスは全国的な広がりをみせているが,学校との連携は進んでいない。本研究の目的は,大阪府内における子どもへの支援について,学校と地域との連携を促進するため,小・中・高校および特別支援学校の養護教諭および教職員を対象に,地域の子ども支援サービスの情報のニーズを調査することである。

方法 調査対象者は大阪府教育庁主催の研修会に参加していた大阪府内の学校教職員197名であった。自記式の質問紙を配布したところ127名(女性119名,男性7名,無記入1名)より回答を得た(回収率64.5%)。子ども食堂の利用との関連についてロジスティック回帰分析を行った。

結果 調査の結果,「子ども食堂が地域にあることを知っている」という学校教職員は96%以上と広く認知されていることがわかった。しかし「業務の中で利用したいと思ったことがある」という回答は61.4%,「学校との連携の必要性を感じている」は74.8%であった。「実際に紹介したことがある」という回答は23.6%と少なかったが,高校(39.4%,補正オッズ比(OR)=3.51,95%信頼区間(CI):1.25-9.87)や「業務の中で利用したいと思っている」(37.2%,補正OR=21.91,95%CI:2.74-175.08)が子ども食堂の「紹介の経験」につながっていることが示された。また,特別支援学校では「利用したい」という回答が少なく(29.4%,補正OR=0.25,95%CI:0.07-0.93),「学校との連携の必要性を感じている」者で「利用したい」という回答が多かった(72.6%,補正OR=7.19,95%CI:2.76-18.76)。一方,「学校との連携の必要性」については,学校種別,教職別,長期勤務などの要因とは関連が示されず,本調査で考慮できていない要因が関与していることが示唆された。

結論 大阪府内の学校教職員において,地域における子ども食堂などの子ども支援サービスへのニーズがある一方,サービス内容,活用方法,学校との連携の方法など,情報不足により活用されにくい実態が明らかになった。学校教職員に向けた適切な情報提供が求められる。

キーワード 子ども食堂,子ども支援,学校との連携,ニーズ調査,学校教職員

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