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論文記事:看護師におけるペアナースの達成度およびパートナーシップ・マインドの実態と関連要因  202502-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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論文

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第72巻第2号 2025年2月

看護師におけるペアナースの達成度および
パートナーシップ・マインドの実態と関連要因

 

狩野 沙絵(カノウ サエ) 佐野 史奈(サノ フミナ) 水本 ひなの(ミズモト ヒナノ)
宮田 佳奈(ミヤタ カナ) 朝澤 恭子(アサザワ キョウコ)

目的 看護師が安全で質の高い看護を提供するとともに,ワークライフバランスの改善に効果的である新しい看護方式として,パートナーシップ・ナーシング・システムが開発され,様々な病院で導入されている。パートナーシップ・ナーシング・システムを参考にペアナースを導入している施設もある。本研究の目的は,ペアナースを普及させる示唆を得るために,看護師におけるペアナースの達成度およびパートナーシップ・マインドの実態と関連要因を明らかにすることである。

方法 量的横断的研究デザインであり,2023年10~11月に無記名の自己記入式質問紙法またはWeb調査を実施した。調査内容は,属性,ペアナースの認識,パートナーシップ・マインド,ペアナースの達成度であった。因子分析,信頼性分析を実施の上,パートナーシップ・マインド,ペアナースの達成度が属性またはペアナースの認識と関連しているかをt検定,一元配置分散分析,重回帰分析を用いて分析した。

結果 347名の看護師に調査依頼を行い,有効回答202部を分析データとした。有効回答率は58.2%であった。経験年数の高い看護師の方が,パートナーシップ・マインドの意味を知っている者は少なかった。パートナーシップ・マインドはペアナース達成度(β=0.61,p<0.001)が有意に関連していた。ペアナース達成度はパートナーシップ・マインド(β=0.58,p<0.001)および年齢(β=-0.34,p=0.002)が有意に関連していた。

結論 近年導入されたシステムであるため,新人看護師と比較して経験年数の高い看護師のペアナースの達成度が低いことが考えられた。今後,経験年数に関わらず参加できるペアナースやパートナーシップ・マインドに関する研修を取り入れ,看護助手や看護補助者と業務をタスクシェアするなど,看護師個人だけでなく病棟全体のマネジメントを検討していくことが課題である。

キーワード 看護師,ペアナース,パートナーシップ・マインド,横断的研究

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