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論文記事:熊本市およびその近郊における主介護者の抑うつ状態に影響を及ぼす要因研究 201601-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第63巻第1号 2016年1月

熊本市およびその近郊における主介護者の抑うつ状態に影響を及ぼす要因研究

-主介護者の性格特性を加味して-
松村 香(マツムラ カオリ) 沼田 加代(ヌマタ カヨ) 畠山 玲子(ハタケヤマ レイコ)
小林 きよみ(コバヤシ キヨミ) 工藤 明美(クドウ アケミ) 有田 明美(アリタ アケミ)

目的 在宅で要介護高齢者を介護している介護者が,介護状況をどのように捉えるかは,その人の性格特性によって異なってくる。本研究は,要介護高齢者を介護する主介護者(以下,介護者)の抑うつ状態に影響を及ぼす要因について,介護者の性格特性と経済的側面を加味して検討を行うことを目的とした。また,本研究に先行して首都圏においても類似の調査を行っているが,地域を変えても同様のことがいえるのか,その結果の普遍性を探ることも目的とした。

方法 熊本市およびその近郊にある居宅介護支援事業所,訪問看護・介護ステーション,デイサービスの合計965カ所のうち,研究の協力が得られた14カ所の事業所を利用している要介護高齢者の介護者161名を対象として自己記入式質問票調査を実施した。

結果 回答が得られた136名(回収率84.5%)から,調査項目に欠損値を持たない121名を有効回答として解析対象とした(有効回答率89.0%)。解析にはt検定,一元配置分散分析,相関係数ならびに階層的重回帰分析を使用した。階層的重回帰分析の結果,介護者の抑うつ状態に影響を及ぼす要因として,介護者の「性別」「介護負担感」の高さ,介護者の性格特性のうち「神経質」の高さ,「調和性」の低さの4要因が関連していた。

結論 介護者の抑うつ状態に影響を及ぼす要因として,「介護負担感」の高さや介護者の「神経質」な性格特性の高さが,地域が違っても同様の結果が得られていることは,その結果に普遍性があると考える。介護者の抑うつ状態の予防には,「介護負担感」の軽減に加えて,介護者自身の「神経質」などの性格特性にも焦点を当て,対象者に合わせた介入や援助を展開することによって,抑うつ状態の予防につながる可能性があると考える。

キーワード 主介護者,抑うつ状態,要因,介護負担感,性格特性,神経質

 

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