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論文記事:青森県民の食塩摂取量の推移に関する考察 201511-05 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第62巻第13号 2015年11月

青森県民の食塩摂取量の推移に関する考察

熊谷 貴子(クマガイ タカコ) 伊藤 治幸(イトウ ハルユキ) 真野 由紀子(マノ ユキコ)

目的 青森県民の平均寿命は,男性の場合で30年以上前からわが国で最も短く,その原因としてがん,心疾患,脳血管疾患による高い死亡率が報告されている。これらの疾患の一因に食塩摂取量が関連することから,減塩対策が実施されている。今後,より一層の減塩活動を推進するうえで食塩摂取量の推移を検証することは重要である。そこで本研究では,青森県内において国ならびに県が実施した栄養調査,尿中塩分排泄量調査報告書のデータから食塩摂取量の推移を性・年齢階級別に検討し,その変化を考察することを目的とした。

方法 1980年から2010年に実施された国民栄養調査,国民健康・栄養調査,青森県県民健康・栄養調査報告書のうち,満1歳以上の食事調査結果を用いた。また,尿中塩分排泄量は,2001年と2005年の青森県県民健康・栄養調査から20歳以上の結果で検討した。性・年齢階級別の食塩摂取量の推移は,食事調査および尿中塩分排泄量の双方で青森県県民健康・栄養調査結果を用い,年齢区分が統一されている2001年,2005年,2010年の満1歳以上から検討した。

結果 食事調査による青森県の1日当たりの食塩摂取量の推移は,近年は減少傾向がみられ,2010年には10.2gと全国平均値と同値になった。性別にみると男性は12.4g(2001年)から11.0g(2010年)へ,女性は11.0g(2001年)から9.6g(2010年)へ減少し同時にエネルギー摂取量も減少していた。男性の15~19歳ではエネルギー摂取量が増加し続けており,食塩摂取量も増加傾向だった。女性の7~14歳ではエネルギー摂取量が減少しても食塩摂取量は増加していた。尿中塩分排泄量では,男性で14.3g(2001年)から14.2g(2005年),女性では13.1g(2001年)から12.7g(2005年)であった。

結論 食塩摂取量の推移は,食事調査では減少傾向にあり,現在は全国平均と同程度であるが,尿中塩分排泄量でみれば食事調査結果より多い可能性がある。性・年齢階級別では,食事調査および尿中塩分排泄量の双方で年齢により増減がみられた。食塩摂取量の把握においては,食事調査と尿中塩分排泄量を同時に調査し,性・年齢階級別に把握することが重要である。

キーワード 食塩摂取量,尿中塩分排泄量,エネルギー摂取量,県民栄養調査,青森県

 

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