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論文記事:認知症対応型共同生活介護・小規模多機能型居宅介護事業所の地域密着型外部評価結果における問題点・課題と改善の考察 201504-03 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第62巻第4号 2015年4月

認知症対応型共同生活介護・小規模多機能型居宅介護事業所の
地域密着型外部評価結果における問題点・課題と改善の考察

渡辺 康文(ワタナベ ヤスフミ)

目的 地域密着型サービスの認知症対応型共同生活介護・小規模多機能型居宅介護事業所は住み慣れた地域での暮らしを支える介護サービスであり,サービス改善のための地域密着型外部評価が課されている。本調査は外部評価で事業所がたてた目標達成計画を調査して全国,地方,都道府県の実態を明らかにし,事業所のサービス向上に資することを目的とした。

方法 平成24年度に外部評価を実施した45道府県の事業所を対象に,ワムネットと2県の評価情報提供からサービス改善の目標達成計画を参照して,問題点・課題のあった評価項目の割合を算出し,上位3項目については具体的な計画内容を分類,区分した。参照時期は2013年10月6日から2014年2月23日であった。

結果 外部評価を実施した事業所は10,530カ所,目標達成計画は22,818件で特定項目に集中し,上位3項目「災害対策」「運営推進会議を活かした取り組み」「重度化や終末期に向けた方針の共有と支援」が3分の1を占めた。災害対策の割合は北日本ほど大きく,割合の大きい計画内容「地域へのはたらきかけ」では地域住民に働きかけようとする姿勢が示された。運営推進会議の割合は目立った片寄りはなく,割合の大きい計画内容「多様な参加者」では災害対策同様に地域からの協力が課題であった。重度化や終末期の割合は最小と最大の差は小さいものの,道府県では北日本ほど割合が増していて,割合の大きい計画内容は「利用者・家族との対話」であった。

結論 評価項目は68だが,問題点・課題は上位3項目の「災害対策」「運営推進会議」「重度化や終末期」等,特定の項目に集中している。災害時の協力を得たり運営推進会議の協力者を確保するため,地域住民への積極的なアプローチが求められる。重度化や終末期については,明確な方針・手順が用意され職員が理解して利用者・家族の気持ちを聞く機会が設けられ,事業所の対応を説明できる体制が望まれる。 第三者評価が義務化された施設もあり,外部評価への関心が高まると思うが評価手法の検証・見直しは欠かせず,利用者・家族のホスピタリティ向上や評価調査員の質の担保が求められる。また,情報公開は日常的な言葉と表現で閲覧者が読みやすいことが肝要で,目標達成計画の表記に配慮が必要である。

キーワード 地域密着型外部評価,認知症対応型共同生活介護(GH),小規模多機能型居宅介護(小規模),災害対策,運営推進会議,重度化や終末期

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