メニュー

論文記事:特定高齢者が要介護1以上認定となるまでの期間 201501-02 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

m header btn

一般財団法人 厚生労働統計協会

サイトポリシープライバシーポリシー

pmark     お問い合わせ

論文

論文

第62巻第1号 2015年1月

特定高齢者が要介護1以上認定となるまでの期間

一島 志伸(イチシマ シノブ) 寺西 敬子(テラニシ ケイコ)
中林 美奈子(ナカバヤシ ミナコ) 成瀬 優知(ナルセ ユウチ)

目的 特定高齢者と判定された人の,要介護1以上と認定されるまでの期間を求めることとした。

方法 2008年4月から2011年3月の間に,生活機能評価によって特定高齢者と決定された3,539人を対象者とした。最初に決定された時の属性,運動器機能・栄養状態・口腔機能,さらに2012年1月末日現在の転帰(要介護認定状況,転出,死亡)を把握した。特定高齢者と決定されてから要介護1以上に初めて認定されるまでの期間については,男女別に対象者の25%が認定された月数として25パーセンタイル値を算出し,累積認定率をKaplan-Meier法で求めたのちに男女別に年齢階級による違いをlog-rank検定で比較した。加えて,要介護1以上の認定に対する年齢階級のハザード比を,男女別に機能低下の有無(運動器機能,栄養状態,口腔機能)を共変量としたCox比例ハザードモデルを用いて算出した。

結果 男性の25パーセンタイル値は41カ月であり,累積認定率は女性に比べて有意に高かった(p<0.05)。85歳以上では男性31カ月,女性26カ月であった。男性の65~74歳,女性の65~74歳,75~84歳では36カ月時点での累積認定率が0.20以下と認定者が少なく,25パーセンタイル値は算出できなかった。要介護1以上認定に対する年齢階級のハザード比は,年齢階級が高くなるほどハザード比は大きく,65~74歳を基準とした時に85歳以上のハザード比は男性で2.55(95%信頼区間:1.57-4.12),女性で12.20(95%信頼区間:7.68-19.37)と有意なハザード比を示した。

結論 最初に特定高齢者と決定された時から,要介護1以上認定となるまでの期間として25パーセンタイル値を求めた。その結果,85歳以上では男女別に算出でき,男性は31カ月,女性は26カ月であった。認定発生率の低さから,今回の期間ではすべての年齢階級での算出はできなかった。

キーワード 特定高齢者,要介護認定,期間,機能低下

論文