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第56巻第11号 2009年10月

感染性胃腸炎対策研修プログラムにおける
ゲーミングシミュレーション利用の評価

堀口 逸子(ホリグチ イツコ) 黒瀬 琢也(クロセ タクヤ)
日高 良雄(ヒダカ ヨシオ) 丸井 英二(マルイ エイジ)

目的 感染性胃腸炎集団感染予防対策を学ぶための教材を,ゲーミングシミュレーションを用いて開発した。これを利用した参加型研修プログラムについて評価し,その有用性について検討した。
対象と方法 研修プログラムは,①開始前のルールの自学学習,②ノロウイルスに関する講話,③ゲーミングシミュレーションの実施,④感染拡大防止に関する講話,⑤質疑応答,⑥質問紙記入,の約1時間20分である。教材はノロウイルスの感染拡大をイメージできるボードゲームである。評価は,フェイスシート(年齢,勤務年数,集団感染経験,研修受講経験,勤務先での立場),研修会評価(構成,所要時間,資料),教材評価(楽しさ,ルール,感染拡大,対策および連携の重要性,再度の実施可能性)の全15問からなる質問紙によった。平成20年にM市保健所管内の保健福祉施設勤務者を対象として実施した研修にて,プログラムを実行した。質問紙は受付にて配布し当日回収した。
結果 参加者(評価対象者)139名は,50歳台が最も多く全体の3割を超え,次いで40歳台が全体の1/4を占めていた。勤務年数は,多い順に10年以上,5年以上であった。集団感染が起きた場合に指揮をとる立場のものは全体の約半数であった。研修会評価は,すべての項目でよかったとされた。教材評価では,とても楽しく感じ,感染拡大の様子が実感でき,連携や対策の重要性を認識していることがわかった。そして,再度の実施を希望していた。両評価とも,集団感染経験,研修の受講経験,年齢,勤続年数において有意な差はみられなかった。
結論 講義形式の研修は,学問レベルは高いが内容の現実性や体験との関連性,理解度,問題解決の場としては劣るなどの問題点が指摘されている。今回の教材は質問紙調査の結果からは,経験の有無などに関わらず学習効果が得られることが示唆された。また,研修会の評価も高かった。今後,ゲーミングシミュレーションを利用した教材によって効果的な研修会ができることが示唆された。
キーワード ゲーミングシミュレーション,参加型研修プログラム,感染性胃腸炎

 

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