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第109回保健師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第109回保健師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応

令和5年2月10日実施の第109回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第109回保健師国家試験目次

 

 

第109回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

令和元年(2019年)の生活習慣病の動向で正しいのはどれか。

 

  1. 肥満者の割合は男性より女性の方が多い。
  2. 脳血管疾患の死亡率は脳内出血より脳梗塞が高い。
  3. 悪性新生物の年齢調整死亡率で男性の部位別の第1位は大腸である。
  4. 糖尿病を強く疑われる者のうち現在治療を受けている者の割合は、男女ともに50%以下である。

 

 


 

▶午前2

自治会の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 地縁組織である。
  2. 小学校区が最小単位である。
  3. 設置の義務が法律に定められている。
  4. 加入できるのは18歳以上の者である。

 

 


 

▶午前3改題

令和4年(2022年)の労働力調査における日本の女性の労働で正しいのはどれか。

 

  1. 就業者は前年に比べ減少している。
  2. 労働力人口の総数の約6割を占めている。
  3. 年齢階級別労働力率では40~44歳が最も高い。
  4. 非正規の雇用形態はパート・アルバイトが最も多い。

 

 


 

▶午前4改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における年齢階級とその死因第1位の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 1~4歳――インフルエンザ
  2. 5~9歳――悪性新生物〈腫瘍〉
  3. 10~14歳――不慮の事故
  4. 15~19歳――心疾患

 

 


 

▶午前5

がん検診の精密検査の未受診者への受診勧奨で、受診率の向上に最も効果が期待できるのはどれか。

 

  1. がん体験者の講演会を開催する。
  2. 保健師が精密検査の未受診者へ家庭訪問を行う。
  3. 広報誌に精密検査実施医療機関の一覧を掲載する。
  4. 自治体のホームページに精密検査の重要性を掲載する。

 

 


 

▶午前6

A市では子どもが健やかに成長できることを政策に掲げている。乳幼児の死傷原因を調べ家庭内事故が多いことが分かった。家庭内事故防止に向けた親の取り組みを促進することを目標とし、乳幼児の家庭内事故について親の認識調査を行うことにした。
この調査はプリシード・プロシードモデルにおけるアセスメントの段階のどれか。

 

  1. 疫学アセスメント
  2. 社会アセスメント
  3. 運営・政策アセスメント
  4. 教育/エコロジカル・アセスメント

 

 


 

▶午前7

A市では住民の健康づくりを促進していくため、小学校区ごとに健康推進員を育成して組織化している。来月、B小学校区に組織された健康推進員を参加者とする初めての会合が開かれることになった。
この会合においてB小学校区を担当する保健師が行うことで適切なのはどれか。

 

  1. 組織のリーダーを指名する。
  2. 参加者個人の健康課題の発表を促す。
  3. 参加者間で活動目標を設定することを促す。
  4. B小学校区の健康推進員組織の年間計画を作成する。

 

 


 

▶午前8

保健師は統合失調症で1年入院していた成人期のAさんへの退院支援を行った。Aさんは地域でつながりを持ちながら生活することを望んでいる。
退院直後のAさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 就労定着支援を行う。
  2. 近隣住民に見守りを依頼する。
  3. 地域活動支援センターを紹介する。
  4. ピアサポーターとしての就労を勧める。

 

 


 

▶午前9

障害者(児)の日常生活や社会生活を支える福祉サービスのうち、介護給付の申請窓口で正しいのはどれか。

 

  1. 地域包括支援センター
  2. 社会福祉協議会
  3. 都道府県
  4. 市町村

 

 


 

▶午前10

令和元年(2019年)における五類感染症で、週単位で報告される定点把握疾患のうち、インフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、突発性発しんの各週の定点当たり報告数の図を示す。
109am10h
インフルエンザの報告数はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前11

文部科学省が実施する学校保健統計調査で正しいのはどれか。

 

  1. 悉皆調査である。
  2. 毎年10月に行われる。
  3. 学校で実施する健康診断の結果に基づいている。
  4. 学校管理下で死亡した児童生徒数が集計されている。

 

 


 

▶午前12

学校生活管理指導表について正しいのはどれか。

 

  1. 養護教諭が記載する。
  2. 年に1回、学校へ提出しなければならない。
  3. 小学生用と中学・高校生用の2つに分かれている。
  4. 対象は心疾患、腎疾患、アレルギー疾患を有する児童生徒である。

 

 


 

▶午前13

労災保険制度について正しいのはどれか。

 

  1. 事業主の災害補償責任は労働基準法に規定されている。
  2. 休業補償は休業1日目から補償の対象となる。
  3. 保険料は事業主と労働者が折半で負担する。
  4. 労災補償の申請は市区町村の窓口で行う。

 

 


 

▶午前14

コラボヘルスにおいて事業者が連携するのはどれか。

 

  1. 健康保険組合
  2. 医療機関
  3. 市区町村
  4. 保健所

 

 


 

▶午前15

災害時のフェーズ4〈復旧・復興期〉における健康課題への対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食生活、栄養のバランスの不良
  2. 慢性疾患治療の継続困難
  3. 感染症の流行
  4. 社会的孤立

 

 


 

▶午前16

感染症とその病原体の宿主の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. アニサキス症――魚
  2. ウエストナイル熱――ダニ
  3. エキノコックス症――蚊
  4. トキソプラズマ症――貝

 

 


 

▶午前17

保健師のプリセプターシップで最も適切なのはどれか。

 

  1. 学習方法はプリセプターが提案する。
  2. 管理期にある保健師がプリセプターを担う。
  3. 新人保健師のリアリティショックの軽減につながる。
  4. プリセプティが中堅期になっても同じプリセプターが担当する。

 

 


 

▶午前18改題

日本の社会保障制度で正しいのはどれか。

 

  1. 保育制度は社会保険で運営している。
  2. 生活保護制度は生存権を保障している。
  3. 障害者福祉制度は措置制度が基本になっている。
  4. 社会保障給付費は平成24年(2012年)から10年間横ばいである。

 

 


 

▶午前19

地域保健法に規定されている内容で正しいのはどれか。

 

  1. 市町村健康増進計画の策定を義務づけている。
  2. 市町村保健センター業務の1つに調査研究がある。
  3. 市町村保健センターの整備について規定している。
  4. 都道府県保健所の業務の1つに予防接種事業がある。

 

 


 

▶午前20改題

児童虐待について正しいのはどれか。

 

  1. 児童虐待を疑われて通告された者は通告した者を知ることができる。
  2. 令和3年度(2021年度)福祉行政報告例における虐待相談の主な虐待者は実父が1番多い。
  3. 令和3年(2021年)の児童相談所における児童虐待の内容別相談件数は身体的虐待が最多である。
  4. 親権者が児童のしつけに際して体罰を加えてはならないことが、令和元年(2019年)に改正された児童虐待の防止等に関する法律に定められている。

 

 


 

▶午前21改題

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく指定難病の医療費助成制度で正しいのはどれか。

 

  1. 患者の自己負担割合は3割である。
  2. 令和3年(2021年)時点で指定難病は110疾患である。
  3. 国が指定した医療機関で受診した医療費が助成対象である。
  4. 新規に医療費助成を受けるには難病指定医による診断書が必要である。

 

 


 

▶午前22

地球温暖化によって発生が増加するおそれがある感染症はどれか。

 

  1. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
  2. ポリオ〈急性灰白髄炎〉
  3. マラリア
  4. 痘そう
  5. 結核

 

 


 

▶午前23

令和2年(2020年)に策定された少子化社会対策大綱で示された施策とその数値目標で正しいのはどれか。

 

  1. 保育所の待機児童数を3万人にする。
  2. 男性の育児休業取得率を30%にする。
  3. マタニティマークの認知度を80%にする。
  4. 地域子育て支援拠点事業を3,000か所にする。
  5. 妊娠・出産について満足している者の割合を70%にする。

 

 


 

▶午前24

事業継続計画〈BCP:Business Continuity Plan〉に基づいて災害発生後72時間以内においても行う保健師の業務で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 両親学級
  2. HIV検査
  3. 地域ケア会議
  4. 特定健康診査
  5. 高齢者虐待防止法に基づく立入調査

 

 


 

▶午前25

健康危機管理について、地域保健法で厚生労働大臣が定めることが規定されているのはどれか。

 

  1. 地域防災計画
  2. 厚生労働省健康危機管理基本指針
  3. 医療提供体制の確保に関する基本方針
  4. 地域保健対策の推進に関する基本的な指針
  5. 地域における保健師の保健活動に関する指針

 

 


 

▶午前26

公衆衛生看護管理における人事管理の方法はどれか。

 

  1. 部署の目標を組織内で共有する。
  2. 保健師のジョブローテーションを行う。
  3. 高度な知識、技術を必要とする業務を外部に委託する。
  4. 次年度の保健師のマンパワーを考慮して事業計画を立てる。
  5. 地域の健康課題について関連部門の職員から意見聴取する。

 

 


 

▶午前27

疾病と主な危険因子の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 胃癌――塩蔵食品
  2. 肺癌――運動不足
  3. 乳癌――遅い初経年齢
  4. 膀胱癌――アフラトキシン
  5. 成人T細胞白血病――肥満

 

 


 

▶午前28

相対頻度に含まれるのはどれか。

 

  1. 有病率
  2. 寄与危険
  3. 寄与危険割合
  4. 死因別死亡割合
  5. 年齢調整死亡率

 

 


 

▶午前29

2つの非正規分布の母集団の数量データの比較に用いるのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 分散分析
  3. 多変量解析
  4. χ2〈カイ二乗〉検定
  5. Mann-Whitney〈マン・ホイットニー〉のU検定

 

 


 

▶午前30

生態学的研究で、都道府県別の1人当たりの1日の歩数とBMIの平均値との関連の程度を評価するために計算するのはどれか。

 

  1. 罹患率
  2. オッズ比
  3. 寄与危険
  4. 相関係数
  5. 相対頻度

 

 


 

▶午前31

政令指定都市の保健師の活動で正しいのはどれか。

 

  1. 結核の積極的疫学調査を行う。
  2. 近隣市町村の技術的支援を行う。
  3. 地域医療構想の調整会議を行う。
  4. がん対策推進基本計画を策定する。
  5. 業務担当制の保健活動を基本とする。

 

 


 

▶午前32

持続可能な開発目標〈SDGs〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 2025年を達成年限としている。
  2. 17分野の目標で構成されている。
  3. 国際連合児童基金〈UNICEF〉で採択された。
  4. 開発途上国が目指す目標を中心に構成された。
  5. ミレニアム開発目標〈MDGs〉の後継として採択された。

 

 


 

▶午前33

コミュニティ・アズ・パートナー・モデルについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 10のサブシステムで構成される。
  2. サブシステムは相互に影響しあう。
  3. 地域のコアとなる情報に教育が含まれる。
  4. 分析、立案、評価の3段階で構成される。
  5. ストレッサーに対する抵抗力の向上を目指す。

 

 


 

▶午前34

健やか親子21(第2次)の重点課題で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 妊娠期からの児童虐待防止対策
  2. 育てにくさを感じる親に寄り添う支援
  3. 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進
  4. 子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり
  5. 小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備

 

 


 

▶午前35

精神保健福祉センターの業務で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 精神保健に関する普及啓発
  2. 地域自立支援協議会の運営
  3. 薬物の不正取引の取り締まり
  4. 自殺総合対策推進センターの運営
  5. 保健所と精神保健関係諸機関に対する技術指導・援助

 

 


 

▶午前36

健康危機管理に関する保健所の業務はどれか。2つ選べ。

 

  1. 食中毒発生時の調査
  2. 狂犬病発生時の厚生労働大臣への報告
  3. 感染症患者を診断した医師からの届け出の受付
  4. 保育所で乳児が突然死したときの届け出の受理
  5. 虐待が認定された介護老人福祉施設の指定の取り消し

 

 


 

▶午前37

累積罹患率の計算に必要なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 観察開始時点での患者数
  2. 各観察対象者の観察期間の総和
  3. 観察期間に新たに発生した患者数
  4. 観察開始時点での観察対象集団の人数
  5. 観察終了時点での観察対象集団の人数

 

 


 

▶午前38

調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 患者調査は毎年実施される。
  2. 国勢調査で出生率が把握される。
  3. 社会生活基本調査は総務省が実施する。
  4. 人口動態調査は無作為抽出による標本調査である。
  5. 国民健康・栄養調査は健康増進法に基づいて実施される。

 

 


 

▶午前39

感染症発生動向調査で全数把握の対象となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核
  2. 麻疹
  3. 手足口病
  4. マイコプラズマ肺炎
  5. 性器クラミジア感染症

 

 


 

▶午前40

40歳以上の男性を対象とした疫学研究で、虚血性心疾患死亡率(10万人年対)を観察した。虚血性心疾患死亡率は、喫煙群では50.0、非喫煙群では25.0であった。
このときの寄与危険割合を百分率で求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41~43の問いに答えよ。

Aさん(35歳、女性)は結婚を機に実家から隣のB市に移り、B市で夫と長女(5か月)と暮らしている。Aさんは長女を連れ、B市が実施する乳児相談会に参加した。月に1回開催されている乳児相談会では、乳児の身長・体重測定および相談や参加者との交流を行っており、長女は順調に成長している。Aさんは「学生時代に親戚の子どもに接した経験が少しあるだけで、初めての育児に不安があります」と話し、表情がさえない。
保健師がAさんに話を聞くと、Aさんは母親の手料理と手作りのおやつを食べて育ち、離乳食づくりに自信がなく、育児を楽しめていないことが分かった。

 

▶午前41

保健師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 離乳食教室への参加を勧める。
  2. 簡単に作れる離乳食のレシピを渡す。
  3. Aさんが考える育児について話を聞く。
  4. 母親に育児を手伝ってもらうことを勧める。

 

 


 

▶午前42

翌月の乳児相談会に参加したAさんは表情が硬かった。気になった保健師が声をかけると「夫の帰りが毎晩遅く、週末も家にいないことが多いです。私1人で家事や子どもの世話をするのはとても大変です」と涙を流しながら話した。
保健師のAさんへの声かけで適切なのはどれか。

 

  1. 「参加者の皆さんと困っていることの解決策を考えましょう」
  2. 「大変なのは今だけですからAさんなら大丈夫ですよ」
  3. 「ご家族で家事や子育ての役割分担を決めましょう」
  4. 「別室でゆっくりお話を聞かせてもらえますか」

 

 


 

▶午前43

2か月後の乳児相談会に参加したAさんは「離乳食が順調に進んでいる」と笑顔で話した。一方で、「これからも子どもの成長とともに、不安なことが出てきそう。もともと友達づくりが苦手な性格で、今も相談できる友達がいない」と話した。
保健師がAさんに勧める内容で適切なのはどれか。

 

  1. 子育て支援センターの利用
  2. 乳児相談会への参加の継続
  3. 保健師による電話相談の利用
  4. 近所の乳幼児が遊べる公園の利用

 

 


 

次の文を読み44~46の問いに答えよ。

人口2万人のA市にあるB地区は人口3,000人、老年人口割合は45%で単身の高齢者世帯が増加している。2年前に300戸の温泉付きのマンションが建設された。マンションの入居者の平均年齢は67.2歳で、都市部の会社を定年退職した者が多い。近所付き合いが少ないため、1人暮らし世帯の入居者が死後1か月以上経って発見されることがあった。現在は高齢夫婦世帯が多いが、今後は配偶者の死亡によって1人暮らし世帯が増加する見込みである。保健師は住民と協働し、安心して暮らせるB地区になるよう取り組むことにした。まず、保健師は地域の実態把握を行うことにした。

 

▶午前44

B地区の健康課題を明らかにするために情報を収集する対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. A市の老人クラブの参加者
  2. マンションの管理組合の長
  3. B地区の民生委員
  4. B地区の開業医

 

 


 

▶午前45

保健師はB地区のマンションの入居者の世代や背景が似ていることに着目し、入居者が捉えているB地区の交流に関する課題を把握したいと考えた。
その方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区踏査
  2. 電話インタビュー
  3. インターネットアンケート
  4. フォーカス・グループインタビュー

 

 


 

▶午前46

実態把握の結果、B地区のマンション入居者からは「近所付き合いがなく頼れる人がいないため、この先が不安」「定年退職後、趣味がないので外出する機会が少なく体力が落ちた」という意見が多かった。この調査結果をB地区の自治会長に説明したところ、「マンション入居者以外のB地区の人からも同様の意見を聞いている。近所付き合いのあるB地区にしていきたい」と話した。
B地区で保健師が取り組むことで最も適切なのはどれか。

 

  1. 健康相談会の開催
  2. 健康講座のオンライン開催
  3. 介護予防サービスの利用案内の全戸配布
  4. 75歳以上の住民への健康診査の受診勧奨
  5. B地区の住民へのウォーキングマップづくりの提案

 

 


 

次の文を読み47~49の問いに答えよ。

製造業のA社は従業員500名、平均年齢42歳である。高年齢労働者は現在20名だが、会社は高年齢労働者の活用を進めていく方針である。
製造現場で働く従業員(63歳、男性)が工場内の通路で転倒する事故が起きた。
事故後に、A社の保健師が安全管理者と面談した。安全管理者は「怪我が大したことなくてよかったが、どこで転ぶか分からないから怖い。貼り紙など注意喚起を行ってきたのに事故が起きた。高年齢労働者を製造現場で働かせるのは不安だ」と保健師に話した。

 

▶午前47

A社の保健師が安全管理者に対して行う提案で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 高年齢労働者の体力測定
  2. 高年齢労働者に合った配置部署の検討
  3. 高年齢労働者に向けた注意喚起の強化
  4. 高年齢労働者の特性を踏まえた事故原因の検討

 

 


 

▶午前48

A社の保健師は、今後の事故予防の参考にするため高年齢労働者の数名に話を聞いた。「機器の警告音には注意している」「棚の影となる部分が暗く見づらい」「年齢だけで特別扱いはされたくない」「上司に会うたびに体調確認されるが、体調が悪ければ自分で伝える」という思いが聴取された。
高年齢労働者の事故予防対策として、保健師が会社に提案することで適切なのはどれか。

 

  1. 警告音の音域を高音設定にする。
  2. 照明を増設する必要性を確認する。
  3. 体調確認は自己申告を基本とする。
  4. 作業スピードは他の労働者と同じにする。

 

 


 

▶午前49

A社の保健師は、高年齢労働者の数名を対象とした事故予防の聴取の際に、仕事のやりがいや職場への思いについても聞いた。「技能を生かして同じ場所で働けるのは安心」という肯定的な意見とともに、「契約の変更で給与が下がり、働きが評価されていない」「若い上司の指示に従うのは抵抗がある」「後輩たちから尊重されていない」という職場への不満が聴取された。
この情報をもとに保健師が企画する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 高年齢労働者を対象としたストレスコーピング学習会
  2. 若手の従業員を対象としたアサーショントレーニング
  3. 管理職を対象とした高年齢労働者の働き方を考える研修会
  4. 安全衛生委員会で部署別のストレスチェックの集団分析結果を共有

 

 


 

次の文を読み50~52の問いに答えよ。

A町は人口1万人で高齢化率40%、後期高齢者の割合が65%と高齢化が進行し、独居高齢者が多い。A町は広大な山間部を有し、山の中腹や谷合に集落が点在している。運動機能が低下すると坂が多いため閉じこもり傾向となる高齢者が多い。近年、介護認定率が急増しており、健康寿命を延伸し住み慣れた地域で生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築をめざす取り組みが検討されている。

 

▶午前50

A町の高齢者実態調査で、他町と比べ転倒の経験がある高齢者の割合が多かった。また、介護認定を受けていない高齢者の1日の歩数が1,000歩未満の割合が最も多く、このような高齢者を対象に3か月間の筋力トレーニングを実施することにした。
この取り組みは介護保険におけるサービス・事業のどれか。

 

  1. 居宅介護支援
  2. 地域支援事業
  3. 介護予防サービス
  4. 地域密着型サービス

 

 


 

▶午前51

3か月間の筋力トレーニングの取り組み終了直後は参加者の運動機能は向上したが、1年後に介護認定を受けている参加者がいることが分かった。そのため、地域ケア会議で今後のA町の介護予防について検討することになった。
検討する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 筋力トレーニングの質の向上
  2. 介護予防サービス事業所の誘致
  3. 筋力トレーニングの費用対効果
  4. 社会的交流を目的とした社会資源の創出

 

 


 

▶午前52

A町の町民のアンケートでは、終末期の療養場所として自宅を希望する者が6割であるが、実際に死亡場所が自宅であるのは1割程度である。そこで、終末期に町民が住み慣れた地域で療養できる体制の構築について検討した。
保健師の取り組みで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 成年後見制度の普及
  2. 介護保険サービスの利用促進
  3. 在宅医療と介護の関係者の連絡会の企画
  4. 救急搬送時間の短縮に向けた検討会の企画
  5. 介護職を対象とした自動体外式除細動器〈AED〉の研修の実施

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

Aさん(64歳、男性、要支援2)は妻(63歳)と2人暮らしである。5年前に歩行時の違和感を自覚し受診したところ、脊髄小脳変性症と診断された。Aさんは難病になったことに驚いたが徐々に受け入れ、妻の励ましやサポートを受けて生活してきた。最近、歩行時のふらつきが強くなったため「室内に手すりをつけたい」と保健師に相談した。

 

▶午前53

Aさんの住宅改修について給付の根拠となる法律はどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 障害者基本法
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律
  4. 難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉

 

 


 

▶午前54

住宅改修の後、保健師が1年に1回の家庭訪問を行い3年が経過した。ある日、妻から「通院治療を続けてきたが、最近、夫がよく転ぶようになり食事中もむせることが多くなりました。病気が悪くなってきているようで不安です」と相談があった。
保健師が確認する情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 妻の健康状態
  2. AさんのADL
  3. Aさんの世帯の経済状況
  4. Aさんの最近の食事内容

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

A市は地場産業が主要産業の人口5万人の市である。平成30年度(2018年度)策定の自殺対策計画では数値目標として自殺者数の20%減少を掲げており、計画策定時に対策が優先された対象は60歳以上の男女と40~59歳の無職の男性であり、直近2年の自殺者総数は減少した。一方で、20歳代男女の自殺企図による救急搬送の件数は増加傾向にある。

 

▶午前55

今後のA市の20歳代への自殺対策として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. ソーシャルネットワーキングサービス〈SNS〉を活用した相談支援体制の強化
  2. 精神保健福祉相談の希望者を対象とする精神科医による診察の実施
  3. 特定健康診査・特定保健指導の場を活用したメンタルヘルス対策
  4. 年1回のストレスチェック実施の義務化
  5. ハローワークと連携した相談事業の実施

 

 

 

第109回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

一次予防はどれか。

 

  1. がん検診
  2. 母子健康手帳の交付
  3. 退院後の勤務時間の短縮
  4. 糖尿病患者への栄養指導

 

 


 

▶午後2

公衆衛生看護の実践で用いられるPDCAサイクルの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 公衆衛生看護活動の実践者が行う介入を可視化している。
  2. 継続的な業務の改善を促す取り組みに使用される。
  3. コミュニティアセスメントの視点を示している。
  4. 医療の質を評価する指標である。

 

 


 

▶午後3

子どもの家庭内の事故を予防することは、フリードマン〈Friedman, M.M.〉が提唱した家族機能のどれか。

 

  1. 経済機能
  2. 情緒機能
  3. 生殖機能
  4. ヘルスケア機能

 

 


 

▶午後4

Aさん(45歳、女性)は20歳代に統合失調症を発症し、入退院を繰り返してきた。2年前から通院を中断し、デイケアへの通所も休むようになった。半年ほど前から家の中で叫ぶなどの行動が続いているため、母親が保健師に電話で相談した。相談を受けた保健師が家庭訪問をしたが、父親が拒否したため室内に入れずAさんには会えなかった。
保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 母親の承諾を得て主治医に連絡する。
  2. 父親の気持ちが変わるまで支援を控える。
  3. 近隣住民にAさんの日頃の状況を確認する。
  4. Aさんと母親が父親から離れられるようシェルターを紹介する。

 

 


 

▶午後5

健康な地域づくりの基盤である公衆衛生の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 経済効率を優先して実施される。
  2. 根拠となるのは健康増進法である。
  3. 地域社会の組織的な努力を通じて行われる。
  4. 個人のセルフケア能力の開発が施策の主軸である。

 

 


 

▶午後6

A地区に住む乳児の親のニーズを把握するために、今年A地区の担当になった保健師が最初に行うことで適切なのはどれか。

 

  1. 子ども会のイベントへの参加
  2. 保育所利用者に対するアンケート
  3. 乳児健康診査における育児相談記録の確認
  4. 育児サークルの代表者に対するインタビュー

 

 


 

▶午後7

保健計画の策定で適切なのはどれか。

 

  1. 質的な評価指標を重視する。
  2. 新規事業を立ち上げることを目的とする。
  3. 計画策定の早い段階から住民の参画を促す。
  4. パブリックコメントは自治会長が取りまとめる。

 

 


 

▶午後8

健やか親子21(第2次)で示されている十代の健康水準の指標はどれか。

 

  1. 性感染症罹患率
  2. 虐待による死亡数
  3. むし歯(う歯)罹患率
  4. 睡眠障害がある子どもの割合

 

 


 

▶午後9改題

健康日本21(第二次)について正しいのはどれか。

 

  1. 最終目標を健康寿命の延伸としている。
  2. 目標項目の1つに世代間の健康格差の縮小がある。
  3. 国民に健康づくり対策の実施が義務付けられている。
  4. 最終評価で「目標値に達した」「改善傾向にある」と評価された目標項目は半数未満である。

 

 


 

▶午後10

予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 予防接種法では定期接種と任意接種に分類される。
  2. 市町村長は予防接種基本計画を策定する義務がある。
  3. 予防接種による健康被害の救済措置は都道府県知事が行う。
  4. A類疾病に対しては疾病の発生とまん延の予防を目的に実施する。

 

 


 

▶午後11

学校保健に関係する教職員と職務の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 校長――学校保健委員会の運営
  2. 栄養教諭――学校保健計画の立案
  3. 保健主事――学校医の任命
  4. 学校薬剤師――環境衛生検査への従事

 

 


 

▶午後12

放射線業務に従事する職員の安全衛生管理で適切なのはどれか。

 

  1. 年に1回の特殊健康診断を実施する。
  2. 確率的影響と確定的影響への対策が必要である。
  3. 作業者は放射性物質取扱作業室で水分摂取してもよい。
  4. 特殊健康診断結果の記録は10年間の保存が義務付けられている。

 

 


 

▶午後13

産業保健における作業管理はどれか。

 

  1. 定期的に健康診断を行う。
  2. 適切に保護具を装着する。
  3. 作業環境の有害要因を除去する。
  4. 労働衛生に関する体制を構築する。

 

 


 

▶午後14

健康危機管理で感染症の発生時の対応はどれか。

 

  1. 積極的疫学調査の実施
  2. 感染症指定医療機関の指定
  3. 感染症発生動向調査の実施
  4. 地域DOTSの関係機関への研修の実施

 

 


 

▶午後15

市全域が被害を受ける地震が発生し、1か月が過ぎた。避難所に避難していた被災者の多くが応急仮設住宅へ移動した。
この時期に応急仮設住宅の入居者に対して行う保健活動で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 心のケアチームを派遣する。
  2. 巡回訪問し健康状態を把握する。
  3. エコノミークラス症候群の予防方法を伝える。
  4. 感染症予防策についての健康教育を実施する。

 

 


 

▶午後16

A事業所の社員食堂で毎月行う調理従事者20名の便の細菌検査で、Bさんから腸管出血性大腸菌が検出された。Bさんは特に症状がないが、受診した診療所の医師から腸管出血性大腸菌の無症状病原体保有者と診断された。
この診断後の対応で正しいのはどれか。

 

  1. Bさんは感染症指定医療機関に入院する必要がある。
  2. 2類感染症として受診した診療所の医師から発生届が提出される。
  3. 社員食堂はBさんが職場に復帰できるまで業務を休止しなければならない。
  4. Bさんは病原体を保有しなくなるまで飲食物に直接触れる業務への就業が制限される。

 

 


 

▶午後17

市の保健センターでは子育て支援ニーズに関する調査から実態を把握した。
この活動における公衆衛生看護管理の機能はどれか。

 

  1. 情報管理
  2. 組織管理
  3. 予算管理
  4. 健康危機管理

 

 


 

▶午後18

自治体において統括的な役割を担う保健師として行う業務はどれか。

 

  1. 担当地区の総合相談支援
  2. 地域アセスメントの実施
  3. 生活習慣病重症化予防事業の企画
  4. 組織全体における保健師の活動推進のための調整

 

 


 

▶午後19

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査における身体活動・運動で正しいのはどれか。

 

  1. 20~49歳で運動習慣のある者の割合が最も高い。
  2. 20歳以上の歩数の平均値は1日8,000歩を下回る。
  3. 男性より女性の方が運動習慣のある者の割合が高い。
  4. 歩数の平均値は平成22年(2010年)の約2倍である。

 

 


 

▶午後20

A市では熱中症の健康被害が年々深刻になっている。A市で熱中症による死者の減少を目指すための熱中症対策計画を策定することになり、関係部署の役割分担を整理した。
環境衛生行政部門の役割で適切なのはどれか。

 

  1. 熱中症の危険性が高い気象情報の提供体制の構築
  2. 高温下での労働者の作業環境の管理
  3. 学校の教室の湿度管理
  4. 熱中症予防の健康教育

 

 


 

▶午後21

公的年金制度について正しいのはどれか。

 

  1. 20歳以上の学生は国民年金に任意加入である。
  2. 20歳未満の傷病による障害者にも障害基礎年金が支給される。
  3. 国民年金から支給される年金給付の1つは老齢厚生年金である。
  4. 被用者に扶養される配偶者は国民年金の第2号被保険者である。

 

 


 

▶午後22

成年後見制度に関する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 利用の申立ては社会福祉協議会である。
  2. 利用にあたり医師の鑑定書は市に提出する。
  3. 身寄りがない場合は都道府県知事が利用の申立てを行う。
  4. 判断能力の程度に応じて成年後見人、保佐人または補助人が選ばれる。

 

 


 

▶午後23

市の保健センターでは電話育児相談を行っており、必要に応じて地区担当保健師による家庭訪問につなげている。
電話育児相談の内容で、地区担当保健師に家庭訪問を依頼する優先度が高いのはどれか。

 

  1. 6か月の子どもの離乳食が進まない。
  2. 1歳0か月の子どもがまだひとり歩きをしない。
  3. 4か月の子どもの予防接種について教えてほしい。
  4. 2歳の子どもが言うことを聞かないので叩いてしまう。
  5. 育児の話ができる友達が欲しいが近所に子どもがいる家庭がない。

 

 


 

▶午後24

地域包括ケアシステムの構築におけるストラクチャー評価はどれか。

 

  1. 地域の健康課題は解決されている。
  2. 社会資源の総合的な調整がされている。
  3. 関係部署、機関との連携は図られている。
  4. 地域のニーズに応じたものになっている。
  5. 必要な事業化、施策化につながっている。

 

 


 

▶午後25

平成30年(2018年)の難病患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉による全国の特定医療費(指定難病)医療受給者証発行数の上位5疾病について、年齢別のグラフを示す。
109pm25h
Aが示す疾患はどれか。

 

  1. 潰瘍性大腸炎
  2. 後縦靱帯骨化症
  3. Crohn〈クローン〉病
  4. Parkinson〈パーキンソン〉病
  5. 全身性エリテマトーデス〈SLE〉

 

 


 

▶午後26

潜伏期間が最も長い感染症はどれか。

 

  1. 風疹
  2. 肺結核
  3. 百日咳
  4. インフルエンザ
  5. 流行性耳下腺炎

 

 


 

▶午後27改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における20歳以上の年齢別死亡原因を以下に示す。
109pm27h
不慮の事故はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午後28

レセプト情報・特定健診等情報データベース〈NDB〉について正しいのはどれか。

 

  1. 3年に1回データが更新される。
  2. 無作為抽出による標本調査である。
  3. 研究を目的に収集されたデータである。
  4. 年間1,000万件程度のデータが蓄積されている。
  5. 高齢者の医療の確保に関する法律に基づいている。

 

 


 

▶午後29

歯科口腔保健の推進に関する法律に基づく基本的事項(平成24年)における3歳でう蝕のない者の割合の目標値で正しいのはどれか。

 

  1. 50%
  2. 60%
  3. 70%
  4. 80%
  5. 90%

 

 


 

▶午後30改題

平成23年(2011年)から令和2年(2020年)までの日本の精神疾患患者の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 総患者数は減少傾向にある。
  2. 気分障害の患者数が最も多い。
  3. 入院患者数は増加傾向に転じている。
  4. 外来患者数では75歳以上の患者が減少傾向にある。
  5. Alzheimer〈アルツハイマー〉病の患者数は増加傾向である。

 

 


 

▶午後31

要保護児童対策地域協議会の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 設置は国の努力義務である。
  2. 協議する対象には非行児童を含まない。
  3. 子育て世代包括支援センターを運営する。
  4. 居住実態を把握できない児童の情報を共有する。
  5. 支援対象となる児童と保護者の状況確認に関する役割分担を行う。

 

 


 

▶午後32

検疫所の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健所に設置されている。
  2. 海外感染症情報の収集と提供を行う。
  3. 感染症サーベイランスの分析を行う。
  4. 国内に常在しない感染症の病原体が侵入することを防ぐ。
  5. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき業務を行う。

 

 


 

▶午後33

毒素型の食中毒の原因となる菌はどれか。2つ選べ。

 

  1. 赤痢菌
  2. サルモネラ菌
  3. ボツリヌス菌
  4. 黄色ブドウ球菌
  5. カンピロバクター

 

 


 

▶午後34

散布図から分かるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 相関
  2. 割合
  3. 中央値
  4. 年次推移
  5. はずれ値

 

 


 

▶午後35

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に統合され廃止された法律はどれか。2つ選べ。

 

  1. 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律
  2. トラホーム予防法
  3. 狂犬病予防法
  4. 結核予防法
  5. らい予防法

 

 


 

次の文を読み36~38の問いに答えよ。

人口約12万人のA市は30の地区に分かれており、各地区の人口は約2,000~6,000人である。近年、A市の肺がん検診受診者のうち精密検査が必要となった者の割合が徐々に増加している。また、特定健康診査受診者への問診から得られた喫煙者割合も県内のほかの市町村に比べて高い。

 

▶午後36

A市の保健師が各地区の特徴を把握するための情報で適切なのはどれか。

 

  1. 肺がん受療率
  2. 肺がんの標準化死亡比〈SMR〉
  3. 肺がん検診の年齢階級別受診率
  4. 肺がん要精密検査者の親の肺がん罹患状況

 

 


 

▶午後37

保健師による地域アセスメントの結果、B地区においては喫煙者を対象としたハイリスクアプローチが必要であることが分かり、禁煙教室を実施することになった。
プリシード・プロシードモデルを用いて禁煙教室を計画する場合の強化要因はどれか。

 

  1. 地区内の診療所の禁煙外来
  2. 教室参加者の家族や友人からの応援
  3. たばこの害に対する教室参加者の知識
  4. 禁煙できるという教室参加者の自己効力感

 

 


 

▶午後38

これまでの地域アセスメントを踏まえ、ポピュレーションアプローチとしてB地区住民を対象に「地区の子どもをたばこの煙から守る」をテーマとした健康づくりを推進することになり、保健師が実施案を作成することになった。
B地区のコミュニティ・エンパワメントが最も促進されるのはどれか。

 

  1. 喫煙者に受動喫煙の害について説明する。
  2. 他自治体の良い実践例を地区内に掲示する。
  3. 子どもにたばこの煙が身体に及ぼす影響を説明する。
  4. テーマに関心の高い育児グループと対策を検討する場を持つ。

 

 


 

次の文を読み39~41の問いに答えよ。

A市は人口約3万人の高齢化率35.6%の市である。主要な産業は農業で、他市と比べ糖質の摂取量が多い特性がある。A市では近年、糖尿病性腎症による人工透析の新規患者数が増加している。

 

▶午後39

糖尿病性腎症の発症リスクがある地域住民を把握する方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. A市の医師会との意見交換を行う。
  2. 国保データベース〈KDB〉を活用する。
  3. 生活習慣病予防教室の参加者リストを活用する。
  4. 健康増進計画策定時に市民に行った健康調査結果を活用する。

 

 


 

▶午後40

糖尿病性腎症の発症リスクを有する地域住民を把握した結果、A市では糖尿病の重症化を予防することを目的に、特定健康診査でヘモグロビンA1c〈HbA1c〉が8.0%以上で糖尿病治療を受けていない者への家庭訪問事業を行うことにした。
家庭訪問で保健師が把握する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食生活の状況
  2. 運動習慣の有無
  3. 日常生活動作〈ADL〉
  4. 特定健康診査結果の理解の状況

 

 


 

▶午後41

A市では糖尿病性腎症を予防するため、糖尿病予防を重点的に行うことになった。
A市で行う糖尿病予防のポピュレーションアプローチの取り組みで最も適切なのはどれか。

 

  1. 公民館でのラジオ体操の実施
  2. 自治会の掲示板での禁煙の啓発
  3. 個別通知による特定健康診査の受診勧奨
  4. 広報誌でのバランスのとれた食生活の啓発
  5. ホームページで休養について正しい知識の提供

 

 


 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。

A君(6歳)は両親と3人家族で、現在保育所に通っている。3歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで2回しか参加しておらず経過観察の対象となっている。就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、A君は常に動き回り目立つ存在だった。健康診断後の面接では母親はA君について「とても活発で元気な子なのですが、他の子のように座っていられないときもある」と話した。面接を担当した教員は、A君が学校で集団生活を送れるか不安に感じたため養護教諭に相談した。

 

▶午後42

就学時健康診断後、小学校が保護者の了解を得てA君の情報を収集することになり、養護教諭が担当することになった。
情報を収集する対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保育所の担任
  2. 地区担当の保健師
  3. 療育教室の指導員
  4. 3歳児健康診査時の心理相談担当者

 

 


 

▶午後43

教育委員会が主催して関係者と母親がA君の就学先について協議を行い、小児科の専門医を受診してから判断することになった。受診した結果、注意欠如・多動性障害〈ADHD〉疑いと診断され継続的なフォローが行われることになった。その結果を受けて再度、教育委員会で協議を行いA君は地元の小学校の通常の学級に在籍することが決まった。
入学前の面談で母親は「なぜAはあのように動き回るのでしょうか。病院に通うことになるとは思っていませんでした。私の育て方が悪かったのでしょうか。これからが心配です」と涙を浮かべながら話した。
このときの母親に対する養護教諭の発言で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「お父さんとも話し合いの場をもちましょう」
  2. 「A君の行動や気持ちを理解していきましょう」
  3. 「3歳児健診で指摘されたことを振り返りましょう」
  4. 「A君のようなお子さんを持つ保護者の集まりに行ってみましょう」

 

 


 

▶午後44

入学直後、A君は授業中に教室の掲示物が気になると急に立ち上がって触ったり、廊下の人の行き来をずっと見たりしていることが多い。また、前の席の児童にいたずらをして担任から注意を受けると急に不機嫌になって教室を飛び出し、担任は目が離せないことが続いた。同級生とのトラブルも多いため、教頭、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、担任、スクールカウンセラーが集まって校内委員会を開催し対応を検討した。
A君に対する学校の支援で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 教室の掲示物を少なくする。
  2. 他の児童との学習活動を減らす。
  3. いたずらをしたら大声で注意する。
  4. A君の席を教室の出入口の近くにする。
  5. 教室を飛び出したときの居場所を確保する。

 

 


 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。

人口約3,300人のA町にあるB地区は人口約200人で商店や飲食店が連なっている地域である。B地区は高齢化率50%で、独居高齢者世帯も多い。早朝、B地区で大規模火災が発生し、死者が1名、重傷者が2名出ている。

 

▶午後45

A町は発災後すぐに災害対策本部を設置した。現在も延焼が続いている。
このときのA町の保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 全戸訪問による健康調査
  2. 仮設住宅への移行計画の作成
  3. 避難行動要支援者の個別確認
  4. 広域災害・救急医療情報システム〈EMIS〉の医療情報管理

 

 


 

▶午後46

B地区の建物の半数が焼失し、小学校の体育館に避難所が設置された。火災発生の翌日、B地区の担当保健師は避難所を訪問した。避難所には50人が避難していて、避難者のほとんどが独居で生活をしていた高齢者である。避難をしているCさん(80歳、男性、独居、介護認定なし)は、自分の荷物を置いている場所やトイレの位置が分からなくなることがあると保健師に話した。
Cさんに対するB地区の担当保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 要介護認定の申請を勧める。
  2. 認知症専門外来の受診に同行する。
  3. 福祉避難所に移動することを提案する。
  4. 認知機能について災害前後の変化を把握する。

 

 


 

▶午後47

火災発生から10日が経った。避難所で不眠を訴える住民が増え、イライラしている様子も見受けられる。B地区の担当保健師は、今後の避難住民の心のケアを検討していくために、精神保健福祉センターの精神科医師に応援要請を行った。
B地区の担当保健師が精神保健福祉センターの精神科医師に依頼する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 保健師の地区活動における心のケアの方針に関する助言
  2. 避難住民を対象としたストレスチェックの実施
  3. 医療保護入院ができる医療機関の整備
  4. 睡眠障害を訴えている避難住民の診察

 

 


 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。

市の保健センターに勤務する新任期の保健師Aは、人事異動する中堅期の保健師Bの担当していたCさん(50歳、男性)を受け持つことになり、管理職の保健師が保健師Aのサポートを行うことになった。
Cさんは統合失調症をもつ単身者で生活保護を受給している。2年前に生活保護の担当者から被害妄想を訴えてくると相談があり、保健師Bが援助を開始していた。援助開始当初は、Cさんは精神科の外来通院を中断しており、Cさんの問題行動に対して近隣からたびたび苦情や対応要請の連絡が入った。保健師に対しても警戒心が強かったが、保健師Bの援助により通院の再開に至っていた。

 

▶午後48

保健師Bが異動前の限られた期間内で、Cさんの引き継ぎのために保健師Aと一緒に訪問する対象者として優先度が高いのはどれか。

 

  1. Cさん
  2. Cさんの担当地区の民生委員
  3. Cさんの生活保護担当のケースワーカー
  4. Cさんについて苦情の連絡をしてきた近隣住民

 

 


 

▶午後49

保健師AはCさんの訪問を毎月継続し約1年が経過した。Cさんは外来通院を継続しており、近隣住民もCさんを見守ってくれている。管理職の保健師は保健師Aと面談し、これまでのCさんへの援助について評価し、今後について尋ねた。保健師Aは「このまま継続していけるとよいと思っているが、具体的なアイデアはまだ考えられていない」と話した。管理職の保健師は、保健師AがCさんを多方面から捉えて、より良い支援を計画できるようになってほしいと考えた。
管理職の保健師が保健師Aに勧めることで最も適切なのはどれか。

 

  1. Cさんとの会話のプロセスレコードを作成すること
  2. 保健師BにCさんへの対応について相談すること
  3. 事例検討会で他の保健師と意見交換をすること
  4. 通院先の精神科医からCさんの様子を聞くこと

 

 


 

▶午後50

Cさんは通院を継続しており、保健センターのデイケアにも通い続けている。デイケア担当者からCさんが就労を希望していることを聞き、保健師AはCさんの就労支援を行うことにした。
最初にCさんに提案する社会資源で適切なのはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. ハローワーク
  3. 就労継続支援A型
  4. 就労継続支援B型

 

 


 

次の文を読み51~53の問いに答えよ。

人口約10万人のA市で慢性腎臓病の予防に関する施策の策定をすることになった。その基礎資料を作成するために、ある一時点での慢性腎臓病の有無と高血圧の有無の関連を検討することにした。

 

▶午後51

この研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. コホート研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究

 

 


 

▶午後52

調査を実施する際に、市民全員を対象とすることは困難であると考えた。そのため、調査者の主観が介入しない方法で対象者を選ぶことにした。
適切な方法はどれか。

 

  1. 層化
  2. 標準化
  3. マッチング
  4. 無作為抽出
  5. 無作為化(割付)

 

 


 

▶午後53

対象者1,000人を選び出し、高血圧の有無と慢性腎臓病の有無を調査した結果を以下に示す。
109pm53h
高血圧「あり」の高血圧「なし」に対する慢性腎臓病「あり」のオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

住民から「最近、近所に引っ越してきた家族の3歳ぐらいの男の子が、毎日、昼ころから暗くなるまで1人で走り回っている。子どもを叱責する声と子どもの泣き声が何度も家の中から聞こえて気になる」と市の保健福祉センターに通告があった。

 

▶午後54

この通告について規定している法律はどれか。

 

  1. 母子保健法
  2. 児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉
  3. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉
  4. 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉

 

 


 

▶午後55

市の住民基本台帳から、家族は父親(24歳、会社員)、母親(20歳、無職)とAちゃん(3歳3か月、男児)の3人暮らしで、1か月前に転入していたことを把握した。
市の保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 地域の育児サークルを紹介する。
  2. 居住地の児童委員に問い合わせる。
  3. 児童相談所の職員と家庭訪問をする。
  4. 市の3歳児健康診査の受診を勧奨する。

 

 


 

資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向