国民衛生の動向でみる医師国家試験の統計問題まとめ
「国民衛生の動向」は公衆衛生の状況に関わる統計を網羅し、毎年直近の数値に更新した最新版を刊行しています。
医師国家試験では様々な統計調査を基にした、最新の数値を問う問題が毎年複数問出題されるので、「国民衛生の動向」などで最新の統計をまとめて押さえることが必須となります。
このページでは、第118回(2024年)から第107回(2013年)までの12年分の医師国家試験に出題された統計問題をピックアップし、問題を解く上で必要となる最新統計を解説しています。
これまで出題された統計問題の傾向を把握し、「国民衛生の動向」を参照して、より詳細なデータや推移、その対策や制度などを関連付けて確認することで、様々な問題に対応できる力を身に付けていただければ幸いです。
厚生の指標増刊
発売日:2024.8.27 定価:2,970円(税込) 412頁・B5判 雑誌コード:03854-08
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統計別問題目次
- 第2編1章:人口静態
- 第2編2章:人口動態
- 第2編3章:生命表
- 第2編4章:健康状態と受療状況
- 第3編1章:生活習慣病と健康増進対策
- 第3編3章:感染症対策
- 第4編1章:医療提供体制
- 第4編2章:医療保険制度
- 第5編1章:介護保険
- 第5編2章:社会保険と社会福祉
- 第7編2章:食品安全行政の動向
- 第8編:労働衛生
- 第10編:学校保健
人口静態
第2編1章 p41~50
国勢調査
▶107回E問題6
国勢調査について誤っているのはどれか。
- 全数調査である。
- 自記式で行われる。
- 外国人も対象となる。
- 人口動態調査である。
- 5年に1度実施される。
総人口
- 令和4年(2022年)の総人口は1億2495万人(男6076万人・女6419万人)である。
- 2000年代半ばに戦後初めて人口減少となり、近年は減少傾向が続いている。
▶118回F問題10
我が国で日本人の総人口が減少に転じた時期はどれか。
- 1980年代
- 1990年代
- 2000年代
- 2010年代
- 2020年代
年齢3区分別人口
- 年齢3区分別人口をみると、年少人口(0~14歳)が1450万人(11.6%)、生産年齢人口(15~64歳)が7421万人(59.4%)、老年人口(65歳以上)が3624万人(28.9%)となっている。
- 少子高齢化により、年少人口割合、生産年齢人口割合は減少傾向、老年人口割合は増加傾向にある。
▶107回B問題19改題
令和4年(2022年)の我が国の65歳以上の人口の割合に最も近いのはどれか。
- 9%
- 19%
- 29%
- 39%
- 49%
▶108回B問題1改題
我が国の人口静態(令和4年度)で正しいのはどれか。
- 総人口は6,218万4千人である。
- 総人口に占める男性の割合は女性より多い。
- 15歳未満の人口は1,000万人を超えていない。
- 生産年齢人口が総人口に占める比率は40%である。
- 老年人口(65歳以上)は総人口の25%を超えている。
▶114回F問題29
2010年以降の我が国の人口構造について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 人口は男性の方が多い。
- 総人口は減少傾向である。
- 従属人口指数は減少傾向である。
- 年少人口の割合は減少傾向である。
- 老年人口の割合は40%を超えている。
世帯の状況
- 令和3年(2021年)の世帯総数は5191万世帯で増加傾向にあり、世帯構造別にみると、単独世帯が29.5%で最も多く、三世代世帯が4.9%で最も少ない。また、夫婦のみの世帯(24.5%)、夫婦と未婚の子のみの世帯(27.5%)、ひとり親と未婚の子のみの世帯(7.1%)を合わせた核家族世帯は59.1%となっている。
- 65歳以上の者のいる世帯は全世帯のうち49.7%を占めており、さらに65歳以上の者のみの世帯についてみると全世帯の29.0%となっている。
▶115回F問題9
我が国の世帯構成について正しいのはどれか。
- 世帯数は増加傾向にある。
- 三世代世帯は単独世帯より多い。
- 単独世帯は核家族世帯より多い。
- 65歳以上の者のみの世帯は全世帯の過半数を占める。
- 核家族世帯の中ではひとり親と未婚の子のみの世帯が最も多い。
労働統計
- 令和4年(2022年)の労働力人口は6902万人(就業者6723万人+完全失業者179万人)である。完全失業者の労働力人口に占める割合(完全失業率)は2.6%で、年齢階級別にみると15~24歳の完全失業率が高い(4.4%)。
- 雇用者に占める非正規職員・従業員の割合は長期的に上昇を続けており、令和4年には36.9%となっている。
▶109回B問題29改題
平成24~令和4年の社会状況で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 完全失業率は2%以下である。
- 非正規雇用の割合は増加している。
- 完全失業率は40〜50歳が最も高い。
- 父母がいる児童の世帯の約80%で父母とも仕事をしている。
- 児童のいる世帯の母の仕事は正規雇用より非正規の割合が高い。
年齢階級別就業者数
- 令和4年(2022年)の年齢階級別就業者数をみると、15~24歳が547万人、25~34歳が1110万人、35~44歳が1313万人、45~54歳が1637万人、55~64歳が1204万人、65歳以上が912万人となっている。
- その推移をみると、第2次ベビーブーム(1971年~74年)後の出生数の低下から、25~34歳や35~44歳の低下が大きい。また、高齢者の就労を支援する取り組みの結果、65歳以降の就業者数が増加している。
▶117回C問題30改題
2013年から2022年までの15~24歳、25~34歳、35~44歳、45~54歳、55~64歳、65歳以上の6階級における年齢階級別就業者数の推移を示す。
65歳以上の就業者数はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
人口動態
第2編2章 p51~69
出生数・合計特殊出生率
- 令和4年(2022年)の出生数は77.1万人(過去最低)で減少傾向にある。
- 15~49歳の女性の年齢別出生率を合計した指標を合計特殊出生率という。平成元年(1989年)に合計特殊出生率が1.57を記録(1.57ショック)して以降減少を続け、平成17年(2005年)に過去最低の1.26を記録した後、一時若干の上昇をみせるものの再び低下し、令和4年(2022年)は1.26となっている。
- 人口が将来にわたって増えも減りもしない合計特殊出生率の値を人口置換水準といい、同年は2.07であるが大きく下回っているため、人口減少が今後も続くと推計される。
▶117回C問題12
我が国における、将来人口を定常的に保てる合計特殊出生率(人口置換水準)の値に最も近いのはどれか。
- 1.0
- 1.1
- 1.9
- 2.1
- 4.0
▶108回B問題20改題
合計特殊出生率、周産期死亡率、出生時の平均体重、低出生体重児の出生割合、複産〈多胎〉の出生割合を図に示す。それぞれ1990年における数値を100%としたときの2020年までの変化である。
合計特殊出生率はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
▶114回C問題6改題
日本、アメリカ、イタリア、韓国およびフランスの合計特殊出生率の1995年から2021年までの推移を別に示す。
日本はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
主要5死因別死亡率の推移
- 悪性新生物〈腫瘍〉は、昭和56年(1981年)以降死因の第1位であり、一貫して増加を続けている。
- 心疾患は、平成9年(1997年)以降死因の第2位であり、近年は増加を続けている。
- 老衰は、高齢者のいわゆる自然死をいい、平均寿命の延伸に伴い近年急増している。
- 脳血管疾患は、昭和55年(1980年)まで死因の第1位であったが、長期的に減少傾向にある。
- 肺炎は、昭和55年(1980年)ころから上昇傾向にあったが、平成29年(2017年)ころから低下傾向にある。
▶117回C問題29・111回B問題14統合
我が国の主要死因別にみた死亡率(人口10万対)の推移を別に示す。
AとBはそれぞれどれか。
- 心疾患
- 脳血管疾患
- 老衰
- 悪性新生物〈腫瘍〉
- 肺炎
年齢調整死亡率
▶113回F問題34改題
2012年(平成24年)に比して2022年(令和4年)で、粗死亡率が増加しているが年齢調整死亡率が減少しているのはどれか。2つ選べ。
- 自殺
- 結核
- 心疾患
- 悪性新生物〈腫瘍〉
- 脳血管疾患
部位別悪性新生物〈腫瘍〉
- 性別・部位別に悪性新生物〈腫瘍〉の死亡数(令和4年)をみると、男性では肺(気管、気管支及び肺)、大腸(結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸)、胃、膵の順に高く、女性では大腸、肺、膵、乳房の順に高い。
- 男女ともに肺、大腸、膵の死亡数が増加傾向にあり、胃は減少傾向にある。また、女性では乳房の死亡数も増加傾向である。
▶117回F問題33改題
女性における肺、胃、膵、大腸および子宮の悪性新生物死亡数の推移を示す。
③はどれか。
- 肺(気管、気管支および肺)
- 胃
- 膵
- 大腸(結腸、直腸S状結腸移行部および直腸)
- 子宮
女性における乳房・子宮の悪性新生物〈腫瘍〉による死亡の特徴
- 上記のとおり女性の乳癌による死亡数は増加傾向にあり、特に閉経後の60~64歳で顕著に死亡率が高まる。
- 子宮頸癌の死亡率の特徴として、40歳代の死亡率がより高齢の年齢階層と比べても大差なく高止まりしていることが挙げられる。
▶115回C問題10
1958〜2018年の子宮頸癌、胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌の女性の年齢階層別死亡率の推移を別に示す。ただし、死亡率は相対的な値として示してある。
子宮頸癌はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
不慮の事故による死亡の状況
- 令和4年(2022年)の不慮の事故による死亡(3.8万人)のうち、総数では「転倒・転落・墜落」(1.0万人)が最も多く、「窒息」「溺死及び溺水」「交通事故」と続く。
- かつては不慮の事故のうちでも交通事故による死亡が最も多かったが、数十年間減少傾向が続いている。
▶109回B問題5改題
不慮の事故のうち、「交通事故」、「転倒・転落・墜落」、「溺死及び溺水」、「窒息」、「中毒」の5種類における死亡数の年次推移を図に示す。
①の予防になるのはどれか。
- 高温での長湯を避ける。
- 容器のラベルをよく読む。
- 階段では手すりにつかまる。
- シートベルト装着を遵守する。
- 食べ物は小さく切ってよくかんで食べる。
乳児の不慮の事故による死亡原因
▶110回G問題1
乳児の不慮の事故による死亡原因で最も多いのはどれか。
- 窒息
- 溺水
- 火災
- 転落
- 交通事故
▶117回D問題5改題
令和3年(2021年)の年齢階級別にみた不慮の事故による死因別割合(%)を別に示す。
Aはどれか。
- 窒息
- 交通事故
- 溺死および溺水
- 煙、火および火災
- 転倒・転落・墜落
自殺の状況
- 自殺による死亡者数は平成10年(1998年)に3万人を超えたが、平成22年(2010年)以降は減少傾向、近年は横ばいであり、令和4年(2022年)には2.1万人(男1.4万人・女0.7万人)となっている。
- 年齢階級別にみると、10~39歳の各階級では死因の第1位となっている。さらに性別に見ると、男性では10~44歳の各階級、女性では10~34歳の各階級で死因の第1位である。
- 特定された自殺者の原因・動機をみると(複数回答)、健康問題が12,774人と最も多く、家庭問題(4,775人)、経済・生活問題(4,697人)と続く。
▶110回G問題35改題
我が国の自殺の現状について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 性別では女性が多い。
- 手段では縊首が最も多い。
- 動機では健康問題が最も多い。
- 年間自殺者数は1万5000人以下になっている。
- 人口10万人あたりの自殺者数は先進7か国で最も少ない。
▶109回A問題14改題
過去10年(2013〜2022年)の自殺の動向で正しいのはどれか。
- 総数は増加し続けている。
- 40歳代女性の死因の第1位である。
- 男性の自殺数は女性の5倍を超える。
- 自殺率は40歳以降、年齢とともに単調に増加する。
- 判明した自殺者の動機で最も多いのは健康問題である。
▶107回E問題29改題
我が国の自殺の現状について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 自殺者数は男性よりも女性が多い。
- 動機としては家庭問題が最も多い。
- 10歳から39歳の死因の第1位である。
- 最近の年間自殺者数は約2万人である。
- 自殺死亡率はOECD加盟国の平均を下回っている。
▶109回G問題1改題
我が国の高齢化率(%)、婚姻率(人口千対)、自殺死亡率(人口10万対)、出生率(人口千対)、新生児死亡率(出生千対)の推移を別に示す。
①
②
③
④
⑤
自殺死亡率はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
▶114回C問題20
日本人男性の1947年から2016年までのある死因についての年齢群別死亡率(人口10万対)の推移を別に示す。
死因はどれか。
- 悪性新生物
- 脳血管疾患
- 肺炎
- 不慮の事故
- 自殺
▶110回E問題17改題
令和4年(2022年)の年齢階級別の主な死因の構成割合を別に示す。
①で示すのはどれか。
- 自殺
- 心疾患
- 悪性新生物
- 脳血管疾患
- 不慮の事故
死産
- 死産は妊娠満12週以後の死児の出産をいう。
- 令和4年(2022年)の自然死産数は7,390胎、人工死産数は7,788胎で、死産率(出産千対)は自然死産が9.4、人工死産が9.9となっている。
▶118回C問題5
死産届が必要な妊娠週数は何週以降か。
- 8
- 12
- 16
- 20
- 24
妊産婦死亡
- 妊産婦死亡は、妊娠中または妊娠終了後満42日未満の女性の死亡をいう。
- 令和3年(2021年)の妊産婦死亡数は21人、妊産婦死亡率(出産(出生+死産)10万対)は2.5と、100を超えていた昭和30年代から大きく低下を続けている。
- わが国の妊産婦死亡の原因疾患としては産科危機的出血が最も多い。(日本産婦人科医会)
▶108回B問題6改題
最近5年間の我が国の年間妊産婦死亡数はどれか。
- 約30人/年
- 約100人/年
- 約200人/年
- 約500人/年
- 約1,000人/年
▶111回G問題25改題
人口動態統計(令和3年)における妊産婦死亡について正しいのはどれか。
- 妊産婦死亡は妊娠中から分娩後7日目までの死亡をいう。
- 産科的合併症で死亡したものを直接産科的死亡という。
- 妊産婦死亡率は1,000出生当たりの数で示す。
- 肺血栓塞栓症が原因疾患として最も多い。
- 妊産婦死亡数は年間約200人である。
▶113回C問題7
2010年(平成22年)から2016年(平成28年)までの日本の妊産婦死亡の原因別頻度を以下に示す。
①はどれか。
ただし、①〜⑤はa〜eのいずれかに該当する。
- 感染症
- 肺血栓塞栓症
- 産科危機的出血
- 心・大血管疾患
- 心肺虚脱型羊水塞栓症
▶109回E問題8改題
我が国の合計特殊出生率、妊産婦死亡率、新生児死亡率、乳児死亡率、死産率の推移を別に示す。それぞれ2020年における数値を1としたときの1950年からの変化である。
妊産婦死亡率はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
死亡場所
▶112回F問題16改題
令和4年(2022年)の人口動態統計における死亡の場所別にみた割合を示す。
(イ)はどれか。
- 自宅
- 病院
- 診療所
- 老人ホーム
- 介護医療院・介護老人保健施設
人口複合問題
▶114回F問題20
母子保健に関する用語について誤っているのはどれか。
- 乳児死亡とは生後1年未満の死亡である。
- 新生児死亡とは生後4週未満の死亡である。
- 死産とは妊娠12週以後の死児の出産である。
- 早期新生児死亡とは生後1週未満の死亡である。
- 周産期死亡とはすべての死産に早期新生児死亡を加えたものである。
▶116回C問題15
総人口を分母とする指標はどれか。
- 婚姻率
- 乳児死亡率
- 老年人口指数
- 標準化死亡比
- 合計特殊出生率
▶110回E問題21改題
平成12年(2000年)と比較した令和4年(2022年)の我が国の人口動態で正しいのはどれか。
- 婚姻数は増加している。
- 出生率は上昇している。
- 粗死亡率は低下している。
- 乳児死亡率は上昇している。
- 年齢調整死亡率は低下している。
▶113回C問題18
我が国の人口統計の最近20年間の変化として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 乳児死亡率は上昇傾向にある。
- 自然増減数はマイナスに転じた。
- 老年人口指数は低下傾向にある。
- 交通事故の死亡者数は減少傾向にある。
- 悪性新生物の年齢調整死亡率は上昇傾向にある。
▶111回B問題31改題
2022年における我が国の人口構造について正しいのはどれか。
- 老年化指数は約100%である。
- 出生数は死亡数を上回っている。
- 生産年齢人口割合は増加している。
- 合計特殊出生率は1.5を超えている。
- 65歳以上の者のみの世帯は全世帯の約30%である。
▶113回F問題1
我が国の死亡と寿命の変遷について正しいのはどれか。
- 1950年以降、死亡率の最も高い死因は一貫して悪性新生物である。
- 1960年代中盤までの寿命の延伸の最大原因は乳幼児死亡の減少である。
- 1970年代の脳卒中死亡率の低下は主として脳梗塞の減少による。
- 1980年以降、肺炎の年齢調整死亡率は増加が続いている。
- 1990年以降、自殺による死亡数は一貫して3万人を超えている。
生命表
第2編3章 p70~73
平均余命・平均寿命
- 平均余命は、x歳ちょうどの者のその後の生存年数の期待値を表し、x歳以上の定常人口(Tx)/x歳での生存人数(lx)で求められる。
- 特に0歳の平均余命を平均寿命といい、長期的に延伸傾向で、2010年の男性79.55年・女性86.30年から、2022年には男性81.05年・女性87.09年に上昇している。
▶111回B問題21改題
厚生労働省の簡易生命表(令和4年)で80歳の日本人女性の平均余命に最も近いのはどれか。
- 3年
- 6年
- 12年
- 18年
- 24年
▶116回C問題26改題
2010年に比較して2022年の数値が上昇しているのはどれか。
- 総人口
- 平均寿命
- 年間出生数
- 生産年齢人口
- 合計特殊出生率
健康状態と受療状況
第2編4章 p74~79
有訴者・通院者
▶116回F問題29
国民生活基礎調査から求められる指標はどれか。2つ選べ。
- 婚姻率
- 受療率
- 罹患率
- 有訴者率
- 通院者率
有訴者の状況
▶117回B問題10
2016年および2019年に行われた国民生活基礎調査で、病気やけが等で自覚症状がある人数を人口1,000人比で求めた有訴者率を、性別と症状別にグラフに記したものを別に示す。
Aの症状はどれか。
- 下痢
- 動悸
- 腹痛
- 腰痛
- 手足のしびれ
患者調査
- 患者調査は、全国の医療施設(病院、一般診療所、歯科診療所)を利用する入院・外来患者の傷病等の状況を把握するため、厚生労働省が3年に1度実施している。
- 把握する内容は、層化無作為抽出された医療施設で受療した推計患者数(傷病別)や、人口10万人に対する推計患者数である受療率、退院患者の平均在院日数、継続的に医療を受けている患者を含めた傷病別の総患者数などである。
▶112回F問題35
患者調査について正しいのはどれか。
- 毎年実施する。
- 外来患者のみ調査を行う。
- 傷病別の受療率を推計する。
- 国内の全医療施設で実施する。
- 医療費についての調査が含まれる。
▶113回F問題2
患者調査について誤っているのはどれか。
- 受療率がわかる。
- 3年に1度行われる。
- 患者本人が回答する。
- 平均在院日数がわかる。
- 厚生労働省が実施する。
傷病分類別推計患者数の推移
▶107回B問題33改題・112回F問題19類問
厚生労働省の患者調査で平成26年と比較して令和2年に増加しているのはどれか。2つ選べ。
- 気分障害の外来患者
- てんかんの外来患者
- 統合失調症の入院患者
- Alzheimer型認知症の入院患者
- 精神作用物質使用による精神および行動障害の入院患者
重症度の状況
▶108回E問題5改題
厚生労働省の患者調査(令和2年)による入院(重症度等)の状況別推計入院患者数の構成割合において、「生命の危険がある」患者の割合はどれか。
- 約5%
- 約15%
- 約25%
- 約35%
- 約45%
受療行動調査
▶116回E問題16
患者満足度を調査対象項目とするのはどれか。
- 患者調査
- 受療行動調査
- 病院機能評価
- 医療事故調査制度
- 産科医療補償制度
生活習慣病と健康増進対策
第3編1章 p80~94
国民健康・栄養調査
▶114回C問題5
我が国の一次予防推進の基礎資料となるのはどれか。
- 患者調査
- 人口動態調査
- 国民健康・栄養調査
- 医師・歯科医師・薬剤師調査
- 全国在宅障害児・者等実態調査
食塩摂取量
- 平成30年(2018年)の食塩摂取量の平均値(20歳以上)は、男性が11.0g、女性が9.3gとなっている。
- なお、成人のナトリウム(食塩相当量)の1日当たり目標量は、健康日本21(第二次)では8g、日本人の食事摂取基準(2020年版)では男7.5g未満・女6.5g未満に設定しており、いずれの目標も達成できていない。
▶115回C問題14
1995〜2018年の日本の性別の一人当たり食塩消費量を別に示す。
Xに相当する数値はどれか。
- 10.2
- 10.5
- 11.0
- 12.0
- 15.0
喫煙率
▶109回H問題19改題・111回C問題7類問
我が国における喫煙について正しいのはどれか。
- 喫煙率は20%を超える。
- 禁煙の薬物治療に医療保険が適用される。
- 喫煙指数は1日の喫煙本数×年齢である。
- 受動喫煙によって肺癌の発生は変化しない。
- ニコチンはたばこに含有される発癌物質である。
感染症対策
第3編3章 p123~148
結核
- 結核は感染症法上の二類感染症に分類され、乳児へのBCGワクチンの予防接種など対策が進められている。
- 1950年ころには結核の死亡率(人口10万対)は146.4と死因の第1位であったが、その後は急減し、令和3年(2021年)の死亡率は1.5となっている。
- 患者数は減少を続けているが依然として1万人を超える新規患者が発生しており、令和3年(2021年)は1.2万人となっている。
▶107回B問題31改題
結核対策について正しいのはどれか。
- 根拠法は健康増進法である。
- 乳幼児に対する予防接種はBCGである。
- 全国の年間新規患者登録数は約2,000人である。
- 潜在性結核感染症は法に基づく届出が不要である。
- 結核登録票の管理を行うのは感染症指定医療機関である。
▶108回E問題1改題
我が国の男性におけるある疾患の人口10万人あたりの死亡率の推移を年齢階級別に示す。
この疾患はどれか。
- 結核
- 糖尿病
- 悪性新生物
- 脳血管疾患
- 急性心筋梗塞
風疹
- 風疹は、発熱や発疹、リンパ節腫脹を特徴とする風疹ウイルスによる感染性疾患で、主に飛沫感染が感染経路である。
- 平成24年(2012年)、平成30年(2018年)ころに風疹が流行したことから、追加的対策として抗体保有率の低い年代の成人男性に抗体検査・予防接種を促した。
▶117回C問題9
感染症法上の五類感染症のうち、全数把握対象疾患である梅毒、風疹、麻疹、後天性免疫不全症候群、薬剤耐性アシネトバクター感染症について、発生動向調査によるそれぞれの患者数の年次推移を示す。
風疹はどれか。
- A
- B
- C
- D
- E
インフルエンザ
- 季節性のインフルエンザは5類感染症に分類され、主な感染経路は飛沫感染である。小児の罹患率が高く、高齢者で重症化しやすい特徴がある。
- 例年、11月ころから患者が発生し、1~2月ころに患者数のピークを迎え、4月以降減少するという経緯をたどる。新型コロナウイルス感染症流行前の令和元年(2019年)では188万件の報告数があった。
▶110回B問題25
あるウイルス性疾患の我が国における月別発生数の傾向を示す。
この疾患はどれか。
- 水痘
- B型肝炎
- デング熱
- インフルエンザ
- アデノウイルス感染症
▶115回F問題26
2019年以前の我が国におけるインフルエンザについて、正しいのはどれか。
- 小児に比べて大人の罹患率が高い。
- 罹患数は1シーズンに1〜2万人である。
- 4月から5月にかけて流行のピークがある。
- 他の年齢層に比べて高齢者の致死率が高い。
- オセルタミビル耐性のウイルス株が90%以上を占める。
医療提供体制
第4編1章 p166~206
医療従事者の状況(令和2年(2020年))
- 医師は34.0万人、歯科医師は10.7万人、薬剤師は32.2万人である(届出数)。
- 保健師は5.6万人、助産師は3.8万人、看護師は128.1万人、准看護師は28.5万人である(就業者数)。
▶108回H問題1
就業者数が最も少ないのはどれか。
- 医師
- 看護師
- 保健師
- 薬剤師
- 歯科医師
精神障害者の医療提供体制(令和2年)
- 精神病床数は32.5万床(人口千人当たり2.6床)、精神病床の平均在院日数は277.0日、精神病床推計入院患者数は27.3万人(うち65歳以上16.9万人)となっている。
- 傷病別にみると、精神病床入院患者では「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」が、外来患者では「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」が最も多い。
▶109回G問題6改題
最近5年間における精神障害者の医療の実態について正しいのはどれか。
- 精神病床の平均在院日数は約90日である。
- 精神病床数は人口千人当たり約1床である。
- 精神病床入院患者は65歳以上が半数以上を占める。
- 精神病床入院患者は統合失調症より認知症が多い。
- 精神科外来患者は気分障害より統合失調症が多い。
▶115回F問題22
我が国の精神保健について誤っているのはどれか。
- 精神科診療所の数は増加傾向にある。
- OECD諸国と比べて人口当たりの精神科病床数が多い。
- 医療観察法は自殺念慮の強い場合の入院に関する法律である。
- 精神科救急医療システムは都道府県や政令指定都市が取り組む。
- 精神保健福祉センターでは精神障害者福祉手帳の障害等級の判定を行う。
医療保険制度
第4編2章 p208~219
医療保険適用者数
- わが国はすべての国民が、「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」のいずれかの医療保険に加入することとされている(国民皆保険)。
- 令和2年度(2020年度)末現在の医療保険適用者は、被用者保険が7779万人(62.4%)、国民健康保険が2890万人(23.2%)、後期高齢者医療制度が1806万人(14.5%)となっている。
▶115回F問題13
公的医療保険について誤っているのはどれか。
- 現金が給付される。
- 主たる財源は保険料である。
- 被用者保険の加入者が最も多い。
- 国民はいずれかの医療保険に加入する。
- 小学校就学前の自己負担は2割である。
国民医療費
- 国民医療費は、医療機関などにおける傷病の治療に要する費用を推計したものである。正常な妊娠や分娩などに要する費用、健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用、固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢などの費用、平成12年度から開始した介護保険制度の給付費は含まない。
- 令和2年(2020年)度の国民医療費は43.0兆円(対国民総生産〈GDP〉比8.02%)、人口1人当たり34.1万円で、長期的に上昇傾向にある。人口1人当たりの国民医療費を年齢階級別にみると、65歳未満が18.4万円に対し、65歳以上は73.4万円(約4倍)、75歳以上は90.2万円(約5倍)となっている。
▶108回E問題2改題
国民医療費(令和2年度)で正しいのはどれか。
- 年間40兆円を超える。
- 介護保険の費用が含まれる。
- 国民総生産比は10%を超える。
- 財源別では患者負担が30%を超える。
- 制度別では後期高齢者医療給付分が50%を超える。
▶112回F問題14改題
国民医療費について正しいのはどれか。
- 健康診断の費用を含む。
- 正常な妊娠や分娩に関する費用を含む。
- 国民医療費の対GDP比は減少している。
- 令和2年度の国民医療費は40兆円を超えている。
- 65歳以上の1人当たり国民医療費は65歳未満の約2倍である。
▶114回F問題24改題
令和2年度の国民医療費について正しいのはどれか。
- 予防接種の費用を含む。
- 生活保護による医療扶助費は含まれない。
- 国民医療費の総額は40兆円を超えている。
- 65歳以上の入院医療費が50%以上を占める。
- 受診1日あたりの単価が最も高いのは75歳以上の入院医療費である。
▶113回F問題4改題
令和2年度の国民医療費について正しいのはどれか。
- 介護保険費用が含まれる。
- 国民総生産に対する比率は5%を超える。
- 一般診療所医療費は病院医療費より多い。
- 年齢階級別では65歳以上が80%を超える。
- 薬局調剤医療費は医科診療医療費より多い。
▶116回B問題10・113回E問題2類問・109回E問題2類問
社会保障制度について正しいのはどれか。
- 診療録の保存義務期間は終診時から2年間である。
- 国民健康保険組合の被保険者数は6千万人より多い。
- 国民医療費は2000年からの20年間で3倍に増加した。
- 介護保険第1号被保険者数は第2号被保険者数より多い。
- 結核患者の医療費の公費負担は感染症法に規定されている。
▶109回H問題2
日本、アメリカ、ドイツ及びフランスの比較で、日本について正しいのはどれか。
- 高齢化率が最も低い。
- 平均在院日数が最も長い。
- 人口千人当たりの医師数が最も多い。
- 人口千人当たりの病床数が最も少ない。
- 国内総生産〈GDP〉に対する国民医療費の割合が最も高い。
介護保険
第5編1章 p220~233
介護が必要になった原因
▶115回C問題9改題
令和元年度国民生活基礎調査において、介護が必要となった原因を集計した結果を別に示す。
Aに該当する原因はどれか。
- 糖尿病
- 呼吸器疾患
- 骨折・転倒
- Parkinson病
- 悪性新生物(がん)
社会保険と社会福祉
第5編2章 p234~245
生活保護制度
- 生活保護制度は、生活に困窮する国民に対して最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする制度である。
- 令和3年(2021年)の被保護実世帯数(1か月平均)は164.2万世帯と長期的に増加傾向である。被保護世帯の内訳をみると、高齢者世帯が半数以上を占めており、一貫して増加傾向にある。
- 保護開始の主な理由をみると、「貯金等の減少・喪失」が44.1%と最も多い。
▶116回F問題17改題
生活保護について正しいのはどれか。
- 生活保護基準は都道府県が定める。
- 被保護世帯数は平成22年(2010年)以降減少傾向にある。
- 被保護世帯数は高齢者世帯が最も多い。
- 生活保護の開始は要介護状態が最も多い。
- 生活保護受給者は国民健康保険に加入している。
相対的貧困率
- 相対的貧困率とは、貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)に満たない世帯員の割合をいう。令和3年(2021年)の貧困線は127万円、相対的貧困率は15.4%となっている。
- 相対的貧困率は経済協力開発機構(OECD)が定義しており、加盟国間の比較をみるとわが国は先進諸国の中で最も高く、加盟国の平均を超えている。
▶117回C問題18
相対的貧困について正しいのはどれか。
- 世界銀行が定義している。
- 生活保護を受給している世帯の状況を指す。
- 単身世帯の相対的貧困率は母子世帯より高い。
- 世帯の大きさによらず世帯所得の高さで決まる。
- 我が国の相対的貧困率はOECD加盟国の平均より高い。
食品安全行政の動向
第7編2章 p278~292
食中毒統計
▶113回F問題12
ノロウイルス感染症について正しいのはどれか。
- 食前加熱が有効である。
- 抗ウイルス薬が有効である。
- 生体内でベロトキシンを産生する。
- ワクチンが定期接種に位置付けられている。
- 原因が判明した食中毒の中での患者数は第3位である。
労働衛生
第8編 p299~310
労働災害・業務上疾病(令和3年(2021年))
- 労働災害の発生状況をみると、死亡者数は774人で減少傾向、休業4日以上の死傷者数は13.2万人で増加傾向にある。
- 過労死等に関連する労災認定数をみると、脳・心臓疾患は172人で減少傾向、精神障害等は629人で増加傾向にある。
- 業務上疾病発生割合をみると、病原体による疾病が69.4%で最も多いが、そのうち新型コロナウイルスり患によるもの68.9%を除いた場合は、負傷に起因する疾病(そのうち災害性腰痛)が最も多い。
▶116回C問題32
我が国の労働災害について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 労働災害の認定は産業医が行う。
- 死亡者数は年間100人以下である。
- 業務上疾病で最も多いのは熱中症である。
- 休業4日以上の傷病者数は近年増加傾向にある。
- 精神障害による労働災害認定件数は増加傾向にある。
学校保健
第10編 p341~351
学校保健統計調査
- 令和3年度(2021年度)の小学校における疾病・異常被患率をみると、「むし歯(う歯)」が39.0%で最も高く、次いで「裸眼視力1.0未満の者」が36.9%となっている。
- その推移をみると、「むし歯(う歯)」の状況は一貫して改善傾向にある一方、「裸眼視力1.0未満の者」の割合はやや上昇傾向にある。
▶111回E問題2改題・107回B問題10類問
学校保健統計調査における小学生の主な疾病・異常被患率の推移を示す。
②はどれか。
ただし、①〜⑤はa〜eのいずれかに該当する。
- 心電図異常
- むし歯(う歯)
- 鼻・副鼻腔疾患
- (尿)蛋白検出の者
- 裸眼視力1.0未満の者
国際比較
先進国と開発途上国の死亡原因
▶111回E問題28
開発途上国において我が国より低いと考えられるのはどれか。
- 出生率
- がん死亡率
- 乳児死亡率
- 妊産婦死亡率
- マラリア死亡率
▶114回F問題19
WHOが公表した2016年のファクトシートによれば、低所得国よりも高所得国で上位にある死因はどれか。
- 交通事故
- 下痢性疾患
- 下気道感染症
- 虚血性心疾患
- 新生児仮死および出生時損傷
▶112回F問題20
WHOが公表した2015年の低所得国と高所得国における主な死亡原因の割合を示す。
(ア)はどれか。
- 感染症
- 悪性新生物
- 心血管疾患
- 不慮の事故
- 周産期の異常
▶115回C問題24
非感染性疾患(脳心血管疾患・悪性新生物・慢性呼吸器疾患・糖尿病を含む)の国際保健における現況について正しいのはどれか。
- 死亡原因としては感染性疾患より少ない。
- 死亡の半分以上は高所得国で発生している。
- 急速な都市化や生活習慣のグローバル化が加速要因となっている。
- 最大の寄与を有する単一リスクファクターは塩分過剰摂取である。
- 低・中所得国においては、富裕層の方が貧困層より死亡率が高い。
テーマ別
必修問題まとめ
①国民衛生の動向対応/②看護の倫理・対象/③人体の構造と機能・健康障害・薬物/④看護技術
年次別
第113回/第112回/第111回/第110回/第109回/第108回/第107回/第106回/第105回/第104回/第103回/第102回