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第100回助産師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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第100回助産師国家試験問題・正答-国民衛生の動向対応

平成29年2月16日実施の第100回助産師国家試験の全問題と正答を掲載します。

 

また、内容に応じて衛生テキスト「国民衛生の動向2023/2024」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2023/2024

 

発売日:2023.8.29

定価:2,970円(税込)

432頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店をご利用下さい。

 

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▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第100回助産師国家試験目次

 

 

第100回助産師国家試験・午前(55問)

 

▶午前1

遺伝性疾患で正しいのはどれか。

 

  1. 常染色体劣性遺伝疾患では患児の同胞の遺伝的危険率は1/2である。
  2. 近親婚では児が常染色体劣性遺伝疾患を発症する可能性が低くなる。
  3. 両親が正常であっても常染色体優性遺伝疾患の児が生まれる。
  4. X連鎖劣性遺伝疾患は女児に発症する。

 

 


 

▶午前2

Aさん(33歳、初産婦)は、陣痛発来後20時間で体重3,250gの男児を頭位で経腟分娩した。出生直後の児頭には、頭頂部方向に伸びる形で変形があり、左側前方に産瘤が認められた。
産道通過の状態として推測されるのはどれか。

 

  1. 第1胎向であった。
  2. 大泉門側が先進していた。
  3. 小泉門は母体の前方であった。
  4. 小斜径周囲面が児頭最大通過面となって産道を下降した。

 

 


 

▶午前3

疾患と徴候の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 深部静脈血栓症――Homans〈ホーマンズ〉徴候
  2. 絨毛膜下血腫――Blumberg〈ブルンベルグ〉徴候
  3. 前置胎盤――Piskacek〈ピスカチェック〉徴候
  4. 胎児水腫――スカーフ徴候

 

 


 

▶午前4

30歳の初妊婦。身長161cm、体重88kg(非妊時体重78kg)。妊娠前に高血圧症を指摘されていたが、薬物治療は行われていなかった。妊娠初期は尿蛋白が陰性であった。妊娠33週0日、妊婦健康診査で、体温37.0℃、脈拍78/分、整、血圧156/108mmHg。動悸、息切れなどの訴えはない。浮腫はない。尿蛋白3+、尿糖(-)、1日尿蛋白量は2.7g/日であった。腹部超音波検査では、胎児推定体重1,970g、胎児形態異常はない。
この時点で考えられるのはどれか。

 

  1. 加重型妊娠高血圧腎症
  2. ネフローゼ症候群
  3. 高血圧合併妊娠
  4. 妊娠高血圧

 

 


 

▶午前5

24歳の初産婦。妊娠37週3日、自然に陣痛が発来した。陣痛開始から5時間後の胎児心拍数陣痛図を別に示す。
100am5j
判読で正しいのはどれか。

 

  1. 早発一過性徐脈
  2. 遅発一過性徐脈
  3. 変動一過性徐脈
  4. 遷延一過性徐脈

 

 


 

▶午前6

妊娠38週0日で、骨盤位のため腰椎麻酔による予定帝王切開術で体重3,300gの児を分娩した褥婦。手術室から褥室に帰室した。
手術当日のケアで最も適切なのはどれか。

 

  1. セミファウラー位とする。
  2. 3時間ごとに搾乳を行う。
  3. 両下肢の間欠的空気圧迫法を行う。
  4. 創部をポビドンヨードで消毒する。

 

 


 

▶午前7

妊婦健康診査の費用について正しいのはどれか。

 

  1. 妊婦1人当たりの公費負担額は全国一律である。
  2. 妊婦健康診査の助成費用は薬剤処方に利用できる。
  3. 日本助産師会が示す助産師業務料金に基づく必要がある。
  4. 転出した場合は転出前の自治体の受診券は利用できない。

 

 


 

▶午前8

震度6強の地震が発生した。病院内では火災の発生や建物の倒壊がないことが確認された。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 母児は別々に避難させる。
  2. 避難経路は受け持ち助産師が決める。
  3. 新生児はコットに寝かせて避難させる。
  4. 分娩第2期進行中の産婦は分娩を終了させてから避難させる。

 

 


 

▶午前9

Aさん(16歳)は、無月経を主訴に母親とともに産婦人科を受診した。外性器は女性型で、婦人科的診察および超音波検査にて腟と子宮が確認された。染色体検査の結果を別に示す。
100am9j
考えられる疾患はどれか。

 

  1. 多囊胞性卵巣症候群
  2. Turner〈ターナー〉症候群
  3. Sheehan〈シーハン〉症候群
  4. Asherman〈アッシャーマン〉症候群
  5. Klinefelter〈クラインフェルター〉症候群

 

 


 

▶午前10

経腟分娩後に発生した腟壁血腫が増大し、膀胱側腔まで拡大した。
動脈塞栓術によって止血を行う場合、塞栓の対象となるのはどれか。

 

  1. 腎動脈
  2. 卵巣動脈
  3. 下腹壁動脈
  4. 総腸骨動脈
  5. 内腸骨動脈

 

 


 

▶午前11

胎盤に関して正しいのはどれか。

 

  1. 一絨毛膜性双胎では胎盤が2つ形成される。
  2. 母体血は臍帯動脈を通って絨毛間腔に入る。
  3. 水溶性物質は脂溶性物質より通過性が高い。
  4. 母児間の物質交換は絨毛細胞を介して行われる。
  5. 血中hCG〈ヒト絨毛性ゴナドトロピン〉は妊娠末期まで漸増する。

 

 


 

▶午前12

胎児の神経管閉鎖障害の予防を目的とした妊娠中の1日当たりの葉酸の推奨摂取量として適切なのはどれか。

 

  1. 10μg
  2. 20μg
  3. 120μg
  4. 240μg
  5. 480μg

 

 


 

▶午前13

正常新生児の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 追視ができる。
  2. 視力は0.2程度である。
  3. 音への反応はみられない。
  4. 呼吸は主に口呼吸である。
  5. 甘味の濃淡の識別ができる。

 

 


 

▶午前14

Aさん(32歳、初妊婦)。妊娠30週0日、妊婦健康診査のため来院した。妊娠9週0日に妊娠と診断されて以降、妊婦健康診査を受診していなかった。身長155cm、体重80kg(非妊時体重68kg)。血圧138/80mmHg。下腿に軽度の浮腫が認められた。尿蛋白+、尿糖2+。超音波検査で胎児推定体重2,100g、AFI24.0、子宮頸管長35mm。子宮収縮の自覚はない。血液検査データは、Hb11.5g/dL、Ht33%、空腹時血糖144mg/dLであった。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 外来で食事指導を行う。
  2. 50gGCTを行う。
  3. 75gOGTTを行う。
  4. 羊水検査を行う。
  5. 入院し血糖コントロールを行う。

 

 


 

▶午前15

Aさん(28歳、女性)は、小児期にてんかんと診断され、現在までカルバマゼピンを服用している。Aさんは今後、妊娠したいと考えており、妊娠に関する相談のため産婦人科を訪れた。
Aさんに情報提供する内容で正しいのはどれか。

 

  1. 妊娠前からビタミンB1の内服を行う。
  2. 妊娠後期に抗てんかん薬の服用量を減らす必要がある。
  3. 分娩前からビタミンKの内服を行う。
  4. 抗てんかん薬による胎児への影響はない。
  5. てんかん発作が生じても胎児への影響はない。

 

 


 

▶午前16

微弱陣痛の原因となるのはどれか。

 

  1. 前期破水
  2. 羊水過多
  3. 子宮内感染
  4. 頸管無力症
  5. 胎児発育不全〈FGR〉

 

 


 

▶午前17

乳幼児の感染症と原因ウイルスの組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 手足口病――アデノウイルス
  2. 突発性発疹――コクサッキーウイルス
  3. 咽頭結膜熱――ヒトパピローマウイルス〈HPV〉
  4. へルパンギーナ――単純ヘルペスウイルス
  5. 急性細気管支炎――RSウイルス

 

 


 

▶午前18

Aさん(39歳、初産婦)。非妊時BMI24。妊娠18週の妊婦健康診査時、体重が非妊時から7kg増加、前回の14週時から3kg増加していることを指摘された。その他の妊娠経過に問題はない。「仕事が忙しく夕食が遅い時間になる。外食ばかりで栄養バランスがよくないとは思っているが、なかなか改善できない。高齢出産だから異常になりやすいのも心配」と言った。
このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 母親学級への参加を勧める。
  2. 体重管理のための食生活を一緒に考える。
  3. 産前休業に入って意識が変化するのを待つ。
  4. 生活行動の問題点について解決策を提示する。
  5. 体重増加が続いた場合の危険性について強調して説明する。

 

 


 

▶午前19

40歳の初妊婦。妊娠16週0日に母体血を用いた非侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉を受けたところ、異常が指摘された。
助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 妊婦の両親に意見を聞くよう勧める。
  2. 羊水検査の実施について夫婦の意思を確認する。
  3. 染色体異常の児を持つ親の会について情報提供を行う。
  4. 妊娠の継続について夫婦でよく相談して決めるよう話す。
  5. 人工妊娠中絶は妊娠21週6日まで可能であると説明する。

 

 


 

▶午前20

Seitz〈ザイツ〉法について正しいのはどれか。

 

  1. 胎児の頤部の位置が把握できる。
  2. 骨盤内への児頭の進入の程度を判断する。
  3. 陰性であれば児頭骨盤不均衡〈CPD〉ではない。
  4. 恥骨結合下縁から岬角中央部の距離が把握できる。
  5. 恥骨結合前面が児頭より高く触れる場合は陽性となる。

 

 


 

▶午前21

Aさん(32歳、1回経産婦)は、妊娠35週3日に常位胎盤早期剝離のため緊急帝王切開術で分娩した。術後の血液検査で播種性血管内血液凝固〈DIC〉と診断された。体温37.2℃、脈拍70/分、血圧135/80mmHg。
このときのAさんに投与されるのはどれか。

 

  1. 降圧薬
  2. ジアゼパム
  3. 新鮮凍結血漿
  4. 硫酸マグネシウム
  5. ヘパリンナトリウム

 

 


 

▶午前22

骨盤と胎児を図に示す。
100am22j
胎児の位置で正しいのはどれか。

 

  1. 斜位
  2. 反屈位
  3. 単殿位
  4. 第2分類
  5. 第1胎向

 

 


 

▶午前23

助産業務ガイドライン2014に基づき、正常分娩急変時に経産婦を助産所から搬送すべき状況はどれか。

 

  1. 羊水が淡黄色である。
  2. 第2度の会陰裂傷がある。
  3. 母体の体温が37.5℃である。
  4. 破水後24時間経過したが陣痛が発来しない。
  5. 子宮口全開大から1時間経過したが分娩が進行しない。

 

 


 

▶午前24

Aさん(37歳、1回経産婦)。妊娠25週3日で妊婦健康診査のため来院した。これまでの妊娠経過は順調である。前回の妊娠では妊娠31週で起床後に胎動を感じず、外来を受診したところ子宮内胎児死亡と診断された。原因は不明であった。Aさんは助産師に「寝ている間に赤ちゃんが死んでしまうのではないかと気になって熟睡できない」と話した。
助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 夜間に数回起きて胎動を確認するよう勧める。
  2. 主治医に睡眠薬を処方してもらうよう勧める。
  3. 妊娠中の胎児に関心が向くような話題を提供する。
  4. 妊娠経過が順調であるため再度起こることはないと伝える。
  5. 今後の妊娠管理について主治医と助産師を交えて相談することを提案する。

 

 


 

▶午前25

Aさん(23歳、初産婦)。妊娠40週4日。前日20時に陣痛発来で入院した。23時に排尿があったが、その後尿意はなく排尿はみられていない。最後の排便は2日前であった。現在7時で、内診所見は、子宮口7cm開大、展退度100%、Station±0、胎胞を触れた。胎児心拍数陣痛図で陣痛間欠3〜4分、陣痛発作40〜50秒。Aさんは、陣痛発作時には顔をしかめて辛そうであり、前日の夜からほとんど眠れていない。強い悪心に伴って嘔吐があり、食欲はない。
この時点でのAさんへの援助で最も適切なのはどれか。

 

  1. 室内歩行を促す。
  2. 炭酸飲料を勧める。
  3. トイレでの排尿を促す。
  4. グリセリン浣腸を実施する。
  5. 消化の良い食べ物を勧める。

 

 


 

▶午前26

Aさん(35歳、経産婦)。帝王切開術で体重2,600gの女児を出産し、1か月健康診査で来院した。産褥経過は良好であった。2年前、帝王切開術で体重2,780gの女児を出産した。Aさんは「夫はもう1人子どもが欲しいと言っているが、私は2人で十分だと思っている」と助産師に話した。Aさんは母乳栄養を行っている。喫煙5本/日。
Aさんに勧められる避妊方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 卵管結紮術
  2. コンドーム
  3. 基礎体温法
  4. 低用量経口避妊薬
  5. 子宮内避妊器具〈IUD〉

 

 


 

▶午前27

エジンバラ産後うつ病自己評価票について正しいのはどれか。

 

  1. 20項目の質問から構成される。
  2. 産後うつ病を診断するために用いる。
  3. 9点以上は産後うつ病疑いと判定する。
  4. 対象は産後うつ病のハイリスク者である。
  5. 産後うつ病とマタニティブルーズとの鑑別ができる。

 

 


 

▶午前28

在胎38週4日、体重1,700gで出生した男児。低体重のため保育器に収容された。呼吸障害はなかった。生後8時間から哺乳を開始。生後24時間で無呼吸とともに両側上肢の間代性けいれんが30秒間認められたため、血液検査が行われた。
この児の血液生化学所見でけいれんの原因はどれか。

 

  1. 血糖値 60mg/dL
  2. 血清カリウム 3.0mEq/L
  3. 血清ナトリウム 130mEq/L
  4. 血清カルシウム 6.5mg/dL
  5. 血清総ビリルビン 10.0mg/dL

 

 


 

▶午前29

生後1日の女児。在胎40週0日、体重3,300gで出生し、生後6時間から母乳を開始した。生後12時間で肉眼的黄疸が出現した。母の血液型はO型Rh(-)、父の血液型はA型Rh(+)、児の血液型はA型Rh(+)であった。児の赤血球の直接Coombs〈クームス〉試験は陰性で、成人A型血球による間接Coombs〈クームス〉試験は陽性であった。
この児の黄疸の原因として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 母乳性黄疸
  2. Rh式血液型不適合
  3. 遺伝性球状赤血球症
  4. ABO式血液型不適合
  5. 不規則抗体による血液型不適合

 

 


 

▶午前30

早期新生児期に高カリウム血症をきたすおそれがあるのはどれか。

 

  1. 先天性甲状腺機能低下症
  2. 先天性副腎皮質過形成症
  3. メープルシロップ尿症
  4. フェニルケトン尿症
  5. ガラクトース血症

 

 


 

▶午前31改題

日本の令和2年(2020年)の助産師の就業状況について正しいのはどれか。

 

  1. 就業者数は保健師よりも多い。
  2. 助産所での就業割合は約6%である。
  3. 就業場所は病院よりも診療所の方が多い。
  4. 就業者数は過去10年間で減少傾向にある。
  5. 就業者数は30歳代より50歳代の方が多い。

 

 


 

▶午前32

産科病棟で退院時の母乳栄養の割合を上げるための病棟目標を設定することになった。
目標設定について最も適切なのはどれか。

 

  1. 評価は質的な指標で行う。
  2. 産科外来の目標とは連動させない。
  3. 目標達成の期日は具体的に設定する。
  4. 実現性よりも理想的な目標を設定する。
  5. 個人目標をもとに病棟目標を設定する。

 

 


 

▶午前33

母子保健法に定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 妊婦健康診査
  2. 養育医療の給付
  3. 食育等推進事業
  4. 新生児聴覚検査
  5. 乳児家庭全戸訪問事業

 

 


 

▶午前34

トリコモナス腟炎について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 原因は真菌である。
  2. 不妊症の原因になる。
  3. プールでは感染しない。
  4. 泡沫状の帯下が増加する。
  5. 子宮頸部の点状出血が特徴である。

 

 


 

▶午前35

妊娠期のプロゲステロンについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 子宮筋の収縮に抑制的に働く。
  2. 血中濃度は妊娠12週で最大となる。
  3. 前駆体は胎児のコレステロールである。
  4. 胎児の肝臓で代謝され母体尿中に排泄される。
  5. 産生部位は妊娠8週以降に妊娠黄体から胎盤に移行する。

 

 


 

▶午前36

妊婦の喫煙によって胎児や胎盤の低酸素状態をもたらす有害物質はどれか。2つ選べ。

 

  1. ニコチン
  2. フッ化水素
  3. 一酸化炭素
  4. ダイオキシン
  5. シアン化合物

 

 


 

▶午前37

Aさん(22歳)。神経性食欲不振症の治療中に妊娠が判明した。現在、妊娠7週3日、身長160cm、体重40kgである。Aさんは数日前から悪心を訴えている。
今後注意すべき合併症はどれか。2つ選べ。

 

  1. 周産期心筋症
  2. 高カリウム血症
  3. 甲状腺クリーゼ
  4. 胎児神経管閉鎖障害
  5. 胎児発育不全〈FGR〉

 

 


 

▶午前38

正常分娩にて児が出生した。臍帯切断後、陰裂近くの臍帯を止めたコッヘル鉗子が下降し、恥骨結合上の腹部を圧迫すると臍帯が下降し胎盤が娩出した。
この場合の胎盤剝離徴候はどれか。2つ選べ。

 

  1. Küstner〈キュストナー〉徴候
  2. Schröder〈シュレーダー〉徴候
  3. Ahlfeld〈アールフェルド〉徴候
  4. Strassmann〈ストラスマン〉徴候
  5. Mikulicz-Radecki〈ミクリッツ・ラデッキィ〉徴候

 

 


 

▶午前39

生後3日の新生児にみられる状態で正常なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 側弯反射
  2. 15%の体重減少
  3. 静脈管の機能的閉鎖
  4. 動脈管の器質的閉鎖
  5. Landau〈ランドー〉反射

 

 


 

▶午前40

第1前方後頭位における左側臥位での分娩介助で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 産婦の右下肢を補助者が抱えて開脚させる。
  2. 後頭結節が恥骨弓下を滑脱するまで児頭を会陰の方向に引き下げる。
  3. 母体右側の大陰唇の裂傷に注意して娩出させる。
  4. 第4回旋は児の右肩が母体の恥骨側に向かうように娩出させる。
  5. 児の体幹は母体の殿部に向かうように娩出させる。

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

助産師Aさんは、母校の女子高校の依頼を受けて1年生130人を対象に、女性としての自分の身体を理解し、セルフケア意識を持たせることを目的として健康教育を行うことになった。健康教育の実施にあたり事前に高校と打ち合わせを行った。1年生の入学時の身体計測値の平均は全国平均と同等であった。

 

▶午前41

この集団の身体的特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 骨量のピークを迎えている。
  2. 月経の持続日数は成人より短い。
  3. 身長の年間増加量のピークを迎えている。
  4. 性成熟期と比べて無排卵性周期の頻度が高い。
  5. 血中の卵胞刺激ホルモン〈FSH〉値は一生を通じて最大となる。

 

 


 

▶午前42

1年生への健康教育の内容を決めるにあたり、学年主任の教員から生徒の生活習慣に関する情報収集を行った。高学年になるにつれて、休日にアルバイトをしている生徒やボーイフレンドのいる生徒が多くなるという。
健康教育で扱う内容として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 性感染症〈STD〉予防
  2. 女性の健康とキャリア形成
  3. 妊娠に向けた健康な身体づくり
  4. 第二次性徴がもたらす身体の変化
  5. ベビー人形を用いた抱っこの演習

 

 


 

▶午前43

健康教育を実施した当日、Aさんが後片付けをしていると、1人残っていた生徒が「自分は幼稚園のころからスカートをはくのが嫌いで、男の子と遊んでいるほうが楽しかった。胸が膨らんできて、生理がある自分の体が嫌で違和感がある」と真剣な表情で話しかけてきた。
この生徒へかける言葉として適切なのはどれか。

 

  1. 「今は勉強に集中しましょう」
  2. 「誰にも言わないでおきましょう」
  3. 「自分の気持ちを否定する必要はありませんよ」
  4. 「ボーイフレンドができれば気持ちは変わりますよ」
  5. 「サポートチームを作るよう先生にお願いしてみましょう」

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(38歳、1回経産婦)。妊娠28週3日。これまでの妊娠経過に異常はなかった。突然、自宅で性器出血があり、かかりつけの産婦人科診療所を受診した。診察時、腟内に約100mLの血液貯留を認め、子宮口から少量の出血が持続していた。子宮に痛みの自覚はなかった。直ちに総合周産期母子医療センターに救急搬送され入院した。
既往歴:24歳のときにクラミジア頸管炎のため抗菌薬治療を受けた。35歳のときに骨盤位のため妊娠38週で予定帝王切開術によって出産した。
生活歴:喫煙20本/日、妊娠後は5本/日まで減らしている。
家族歴:実父が糖尿病および高血圧症の治療中である。
身体所見:身長150cm、体重70kg(非妊時体重60kg)。脈拍70/分、血圧132/80mmHg。子宮口は閉鎖。腟内に凝血塊を認めるが、取り除くと出血は止まっていた。NSTでは胎児心拍数に異常はなく、15分に1回程度の弱い子宮収縮を認める。
検査所見:血液検査の結果、感染徴候はなく、凝固系に異常を認めない。

 

▶午前44

入院後に撮影されたAさんの骨盤MRIを別に示す。
100am44j
最も疑われるのはどれか。

 

  1. 副胎盤
  2. 前置胎盤
  3. 部分胞状奇胎
  4. 不全子宮破裂
  5. 慢性胎盤剝離羊水過少症候群

 

 


 

▶午前45

入院後、リトドリン塩酸塩の点滴静脈内注射によって子宮の収縮は消失し、性器出血も見られなくなった。Aさんは動悸と倦怠感を訴えている。Aさんにベタメタゾンの筋肉内注射を行うことになった。
ベタメタゾンの投与にあたり医師と助産師がAさんに行う説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「子宮内の感染を予防します」
  2. 「動悸を軽くする効果があります」
  3. 「赤ちゃんの肺の成熟を促します」
  4. 「この薬が胎盤を通過することはありません」
  5. 「リトドリン塩酸塩に対するアレルギー反応を防ぎます」

 

 


 

▶午前46

妊娠32週0日、再度500mLを超える性器出血があり、Aさんは緊急帝王切開術によって体重2,030gの男児を分娩した。手術中の出血が多量となり、腟上部切断術によって子宮体部が摘出され、輸血が行われた。出血量は4,500mLであった。手術後のAさんの経過は良好であり、産褥8日に退院することとなった。Aさんは助産師に「子宮を取ることになったのは残念ですが、何とか無事に退院でき、ほっとしています。今後はどんなことに気を付ければいいでしょうか」と話した。
助産師が情報提供を行う内容として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「尿漏れが起きやすくなります」
  2. 「エストロゲンを補充する必要があります」
  3. 「輸血後の感染症の抗体検査は必要ありません」
  4. 「今後も子宮頸がん検診を受ける必要があります」

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

30歳の初産婦。妊娠41週3日に陣痛が発来したため入院した。妊婦健康診査で、HBs抗原陽性、HBe抗原陰性。その他の異常は指摘されていなかった。入院時、子宮口8cm開大。直ちに分娩監視装置を装着したところ軽度の変動一過性徐脈が認められた。入院から1時間後に児を娩出した。娩出時に血性羊水が認められた。出生直後、児の啼泣は弱く、筋緊張が低下していたため、インファントラジアントウォーマー下で児の足底を刺激した。出生から30秒後には、あえぎ呼吸で心拍数は6秒間に8回であった。体重は3,000g前後、外表奇形は認められない。

 

▶午前47

このときの児に対する処置を別に示す。
100am47j
最も優先されるのはどれか。

 

 

 


 

▶午前48

出生後の適切な処置によって児の全身状態は改善した。
B型肝炎の母子感染を予防するために行う出生直後の対応として正しいのはどれか。

 

  1. 児への抗HBsヒト免疫グロブリンの皮下注射
  2. 児へのB型肝炎ワクチンの皮下注射
  3. 臍帯血のHBs抗原の測定
  4. 児のHBs抗原の測定

 

 


 

▶午前49

生後8時間に経口哺乳を開始した。生後1日にビタミンK2シロップを投与し、人工乳による補足を開始した。生後3日に血便がみられ、アプト試験で変色なし、血便の検査で好酸球の集積が認められた。呼吸状態や哺乳力に異常はなかった。
この児の血便の原因として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 新生児メレナ
  2. 母体血の嚥下
  3. ミルクアレルギー
  4. 胎便関連性腸閉塞
  5. 新生児壊死性腸炎

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(38歳、1回経産婦)。妊娠36週5日。これまでの妊娠経過に異常はなかった。家事をしていたとき、少量の出血があり総合病院の産婦人科に来院した。Aさんは「出血と同時に水が流れる感じもあったが、最近は尿漏れが少しあり、破水かどうかはっきりしない」と言う。前回は正期産の経腟分娩であった。腟鏡診で後腟円蓋に少量の淡血性の貯留液を認めたが、視診では破水の有無は明らかではなかった。子宮口1.5cm開大、展退度30%、Station-2、子宮頸管の硬度は中、子宮口の位置は後方であった。児は頭位であり、卵膜を触知する。

 

▶午前50

破水を確認するために行う検査として最も適切なのはどれか。

 

  1. 腟分泌物のインスリン様成長因子結合蛋白1型定性
  2. 頸管内顆粒球エラスターゼ定量
  3. 超音波によるAFI測定
  4. 腟分泌物のグラム染色
  5. 胎便中トリプシン定量

 

 


 

▶午前51

Aさんは前期破水と診断され、入院した。破水後12時間が経過し、羊水の流出感が増したため助産師が診察すると、卵膜を触れず、児頭を直接触知した。破水後21時間には、母体の発熱がみられ、内診で子宮口2cm開大、展退度40%、Station-2、子宮頸管の硬度は中、子宮口の位置は後方であった。黄色透明の羊水が流出しており、悪臭はない。子宮に圧痛はない。体温38.1℃、脈拍80/分、血圧120/80mmHg。血液検査の結果は、白血球15,500/μL、Hb9.5g/dL、血小板17万/μL、CRP1.0mg/dLであった。このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。
100am51j
現在のAさんの状態のアセスメントとして正しいのはどれか。

 

  1. 臨床的絨毛膜羊膜炎
  2. 胎児機能不全
  3. 母体敗血症
  4. 遷延分娩

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

Aさん(41歳、初産婦)。人工授精にて妊娠。予定帝王切開術にて男児を出産した。産褥8日、母子ともに出産後の経過は順調で、児の体重2,800gで退院した。夫は単身赴任で、現在子どもと2人暮らし。実父母は県外で暮らしている。退院後3週間は実母が手伝いに来ていた。1か月健康診査では母子ともに健康であり、児の体重は3,800gであった。

 

▶午前52改題

産後6週0日。Aさんは、地域の助産所の母乳相談を訪れ「子どもが先週から夜に寝てくれなくて体が休まらない。疲れて家事も思うようにならない。母が帰ってから相談できる人がいない。母乳が足りないのかな」と訴えた。助産師がAさんの全身状態を観察した結果、褐色の悪露が少量あり、子宮底は恥骨上に硬く触れた。バイタルサインは正常であった。乳房は柔らかく、両乳房の乳管開口数10本程度で射乳あり。1日の授乳回数は7、8回程度。児の体重は現在4,250gであり、皮膚のトラブルはなかった。
Aさんと児の状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 児に健康問題がある。
  2. 育児技術が未熟である。
  3. 子宮復古不全が疑われる。
  4. 母乳分泌が不足している。
  5. 育児のサポートが不足している。

 

 


 

▶午前53

Aさんは、2週後に母乳相談の予約をしていたが来所しなかった。翌日助産師は連絡を取り自宅を訪問した。家の中は物が散乱しており、Aさんは疲弊した表情で「もう疲れました。泣いている子どもを見ると、私も涙が止まらない。何もする気が起こらず、自分のことはどうでもよくなってしまう」と話した。助産師はAさんの気持ちをしばらく傾聴した。児の健康状態は良好であった。
その後の助産師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 地域の育児サークルを紹介する。
  2. 母乳相談に来所するよう勧める。
  3. 児を乳児院に一時的に預ける。
  4. 地域の保健師と連携する。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

在胎29週0日、体重1,400gで出生した男児。NICUに入院後に呼吸窮迫症候群〈RDS〉のため気管挿管、人工サーファクタントの投与を受けた。生後2日、人工呼吸管理によって呼吸状態は安定していたが、強い啼泣直後に心拍数80/分に低下し、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉が98%から70%に急激に低下した。

 

▶午前54

このときに撮影した胸部エックス線写真を別に示す。
100am54j
突然の呼吸状態の悪化の原因として最も考えられるのはどれか。

 

  1. 急性肺炎
  2. 緊張性気胸
  3. 動脈管開存症
  4. 胎便吸引症候群
  5. 未熟児無呼吸発作

 

 


 

▶午前55

生後2週に頭部超音波検査を施行したところ、両側の脳室周囲にエコー輝度の低い領域が認められた。頭部超音波像を別に示す。
100am55j
この所見について正しいのはどれか。

 

  1. 児の高炭酸ガス血症との関連がある。
  2. アテトーゼ型の脳性麻痺の原因となる。
  3. 子宮内感染の早産児では発症しやすい。
  4. 自閉症スペクトラム障害の原因となる。

 

 

 

第100回助産師国家試験・午後(55問)

 

▶午後1

2011年に改訂されたICM〈国際助産師連盟〉による助産師の定義で示されているのはどれか。

 

  1. 守秘義務
  2. 妊娠の合併症の診断
  3. 女性と助産師の関係性
  4. Traditional Birth Attendant〈TBA〉の指導

 

 


 

▶午後2

絨毛膜羊膜炎の産婦から出生した児で上昇している免疫グロブリンはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgE
  4. IgM

 

 


 

▶午後3

マーサー,R.T.の母親役割獲得理論において、独自の母親役割を修正したり発達させたりする段階はどれか。

 

  1. 予期的段階
  2. 形式的役割取り込み段階
  3. 非形式的役割形成段階
  4. 個人的アイデンティティの形成段階

 

 


 

▶午後4

Aさん(30歳、2回経産婦)。28歳のとき、子宮鏡下手術によって子宮粘膜下筋腫を切除した。妊娠40週6日で予定日超過のため入院し、翌日6時から子宮収縮薬の点滴静脈内注射による分娩誘発を開始し、9時に陣痛が発来した。14時の内診では子宮口全開大、Station+2、破水していた。その直後、Aさんは突然激しい腹痛を訴え、呼吸が速くなった。胎児心拍数陣痛図では変動一過性徐脈が出現し、その後高度徐脈となった。直ちに助産師が内診を行うと児頭を触知できなかった。異常な出血はみられなかった。
このときのAさんの状態で最も考えられるのはどれか。

 

  1. 子宮破裂
  2. 腟壁裂傷
  3. 羊水塞栓症
  4. 常位胎盤早期剝離

 

 


 

▶午後5

Aさん(28歳、初産婦)。妊娠39週0日で正常分娩した。産褥2日、母児同室中である。昨日から右乳頭上部に発赤がみられ、授乳時に痛みがある。乳房の形はⅢ型、乳管の開口数は左右とも2、3本である。
助産師が行うケアとして最も適切なのはどれか。

 

  1. 右乳房の授乳は縦抱きで行うよう指導する。
  2. 乳房を児の口の中に押し込むようにする。
  3. 授乳時の児の吸着状態を確認する。
  4. 痛みがある間は右乳房の授乳は中止するよう説明する。

 

 


 

▶午後6

自分の性別を認識できるようになる年齢はどれか。

 

  1. 1歳ころ
  2. 3歳ころ
  3. 5歳ころ
  4. 7歳ころ

 

 


 

▶午後7

Aさん(33歳、初産婦、会社員)。結婚後3年で妊娠。パートナーと2人暮らしで、勤務歴は10年。妊娠28週0日、妊婦健康診査のため受診し、経過は順調であった。診察後に、Aさんは助産師に「職場では妊娠を経験した人がいないので気持ちを分かってもらえない。妊娠は初めてのことなので、少しおなかが張ったりするとすぐ不安になってしまう。パートナーは妊娠を喜んでいるので、体調が悪いときも心配させないように明るく振る舞うようにしている。1人でいると落ち込んで涙が出ることがある」と訴えた。
Aさんの訴えを受け止めた後の助産師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「この時期の不安はよくあることです」
  2. 「パートナーに不安な気持ちを話してみましょう」
  3. 「体調が悪いときは、遠慮せずに仕事を休みましょう」
  4. 「妊娠の経過は順調なので、気にせずに頑張りましょう」

 

 


 

▶午後8

30歳の初産婦。妊娠41週で体重3,800gの男児を経腟分娩で出産した。8年前に統合失調症と診断され、精神科に通院し向精神薬を内服している。羊水混濁+、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後6点、5分後8点であった。生後1日、児は啼泣時に下顎と両側上肢の震えがみられる。安静時の体温37.0℃、呼吸数40/分、心拍数200/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%。呻吟や努力性呼吸はない。血糖値は60mg/dLであった。
このときの児の全身状態に直接関連しているのはどれか。

 

  1. 血糖値
  2. 羊水混濁
  3. 向精神薬からの離脱
  4. 1分後のApgar〈アプガー〉スコア

 

 


 

▶午後9

新生児および乳児のビタミンK欠乏性出血症の予防について適切なのはどれか。

 

  1. ビタミンK2シロップは5%ブドウ糖液で希釈して投与する。
  2. 母乳栄養児では母親にビタミンKが豊富な食事摂取を勧める。
  3. 1か月児健康診査時に2回目のビタミンK2シロップを投与する。
  4. 人工栄養児では3か月までビタミンK2シロップを投与する必要がある。

 

 


 

▶午後10

Aさん(33歳、初産婦)は、妊娠39週4日に体重3,380gの男児を正常分娩した。妊娠32週に妊娠糖尿病と診断され、インスリン治療を受けていた。出生2時間後に児は呼吸数80/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%、血糖値24mg/dLであった。児はNICUに入院し、保育器内で酸素投与とブドウ糖液の点滴静脈内注射が開始された。出生3時間後に児は呼吸数80/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(保育器内酸素濃度40%)、血糖値は80mg/dLとなった。このとき、Aさんは初めてNICUを訪れた。
NICUの助産師がAさんへ最初に行う対応で適切なのはどれか。

 

  1. 児を抱っこするよう促す。
  2. 人工乳の与え方を指導する。
  3. 保育器内で児にタッチングするよう促す。
  4. 感染予防対策として児への面会は最小限とするよう説明する。

 

 


 

▶午後11

出生時と1か月児健康診査時の児の身体計測値を表に示す。
100pm11j
1か月児健康診査時の身体計測値のうち、精査を必要とするのはどれか。

 

  1. 体重
  2. 身長
  3. 頭囲
  4. 胸囲

 

 


 

▶午後12改題

日本の令和4年(2022年)の出生に関する統計で正しいのはどれか。

 

  1. 純再生産率は1.3である。
  2. 出生数は約100万人である。
  3. 沖縄県の合計特殊出生率は低率である。
  4. 母の年齢階級別出生率をみると30~34歳が最も高い。

 

 


 

▶午後13

次世代育成支援対策推進法について正しいのはどれか。

 

  1. 妊産婦に対してマタニティマークの携帯を推進する。
  2. 急速な少子化の進行を踏まえて策定された法律である。
  3. 次世代育成支援対策は3年ごとに取り組みを評価する。
  4. 常時雇用の従業員が50人以上の企業は行動計画の策定が義務付けられている。

 

 


 

▶午後14

助産外来の運営についてPDCAサイクルのAに該当するのはどれか。

 

  1. 運営方法を決める。
  2. 実施状況を調査する。
  3. 計画に従って運営する。
  4. 評価結果を参考に運営方法を変更する。

 

 


 

▶午後15

Aさん(28歳、女性)は妊娠初期の血液検査で早期の梅毒と診断された。
このときのAさんへの梅毒に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「パートナーは検査の必要がありません」
  2. 「テトラサイクリン系抗菌薬で治療を開始します」
  3. 「胎児への感染を防止することはできません」
  4. 「分娩後に血液検査で赤ちゃんの先天感染の有無を確認します」
  5. 「治療が終了しても母乳は与えられません」

 

 


 

▶午後16

胎児の器官形成と機能的発育に関して正しいのはどれか。

 

  1. 心血管系の基本的な形態は妊娠8週までに完成する。
  2. 中枢神経系の奇形感受性は妊娠10週が最大である。
  3. 胎児の尿産生は妊娠20週ころから始まる。
  4. 呼吸様運動は妊娠25週ころから始まる。
  5. 羊水の嚥下運動は妊娠30週ころから始まる。

 

 


 

▶午後17

在胎39週5日、体重3,200gで吸引分娩によって出生した女児。生後30日に1か月児健康診査のため来院した。完全母乳栄養で、体重は4,000g。母親は児の頭血腫と黄疸が消失しないことを心配している。頭血腫は出生直後より小さくなったが、現在も触知できる。便色は黄土色で、時々便に血液が混入するという。排便は10回/日で、肛門周囲の皮膚に発赤と一部びらんとがみられる。
この児にみられた所見のうち、直ちに精査を必要とするのはどれか。

 

  1. 便色
  2. 黄疸の遷延
  3. 体重増加率
  4. 頭血腫の残存
  5. 便への血液混入

 

 


 

▶午後18

正期産の分娩進行中に、間欠的胎児心拍数聴取で異常がない場合でも、児の娩出まで胎児心拍数陣痛図による連続的モニタリングを行うことが必要なのはどれか。

 

  1. 若年の産婦
  2. 前期破水後
  3. 低身長の産婦
  4. 妊娠高血圧症候群
  5. 胎児推定体重3,800g

 

 


 

▶午後19

緊急避妊を目的としたレボノルゲストレルの内服に関する指導内容として適切なのはどれか。

 

  1. 3.0mgを2回内服する。
  2. 妊娠阻止率は99%以上である。
  3. 内服後7日間は他の避妊手段は必要ない。
  4. 性交後72時間以内であればいつ内服しても効果は変わらない。
  5. 次回の月経の経血量が通常より少なかった場合は妊娠検査を受ける。

 

 


 

▶午後20

37歳の初妊婦。妊娠28週4日、妊婦健康診査で来院した。1日に数回の子宮収縮の自覚がある。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。血圧128/78mmHg。尿蛋白(-)、尿糖+。血液検査データは、Hb11.5g/dL、Ht36%。75gOGTTで空腹時血糖90mg/dL、1時間値172mg/dL、2時間値160mg/dLであった。子宮底長25cm。子宮口は閉鎖、子宮頸管長32mm。児は骨盤位で胎児推定体重1,020g。
このときのアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 正常経過
  2. 切迫早産
  3. 妊娠糖尿病
  4. 妊娠性貧血
  5. 胎児発育不全〈FGR〉

 

 


 

▶午後21

Aさん(29歳、2回経産婦)。妊娠38週4日、午前5時に自宅で少量の褐色帯下がみられたため、かかりつけの産科病院に電話連絡をした。Aさんは、15分に1回の不規則で弱い子宮収縮を感じており、胎児はよく動いていること、2日前の妊婦健康診査では子宮口が2cm開大していると言われたこと、前回の分娩では陣痛発来から分娩まで4時間であったことを助産師に伝えた。これまでの出産はいずれも正常分娩であった。
来院の必要性を判断するために最も重要な情報はどれか。

 

  1. 胎児の推定体重
  2. 第2子の出生体重
  3. 病院までの所要時間
  4. 妊娠中の体重増加量
  5. 次の妊婦健康診査の予約日

 

 


 

▶午後22

正期産において、陣痛発来前に経産婦よりも初産婦で生じやすいのはどれか。

 

  1. 外子宮口の開大
  2. 外陰部の静脈瘤
  3. 子宮頸部の軟化
  4. 子宮頸管の展退
  5. 腹直筋の離開

 

 


 

▶午後23

回旋異常(前方前頭位)が生じている児頭および骨盤の状態を図に示す。
100pm23j
先進部はStation+4である。
骨盤内における児頭の最大周囲径の高さはどれか。

 

  1. 高在
  2. 高中在
  3. 低中在
  4. 低在
  5. 出口部

 

 


 

▶午後24

Aさん(38歳、1回経産婦)は、陣痛発来後2時間で体重3,650gの女児を経腟分娩した。分娩時の出血量は650mLであった。分娩直後に産道裂傷は認めなかった。Aさんは分娩30分後から下腹部痛の増強を訴えた。出血は少量。子宮底は腹壁から硬く触れ、内診を行うと腟壁の左側に圧痛を伴う8cm程度の緊満した腫瘤を触れた。内診後からAさんは気分不快を訴えた。体温36.3℃、脈拍150/分、血圧75/45mmHg。四肢に冷感が認められる。
Aさんの状態のアセスメントとして最も考えられるのはどれか。

 

  1. 弛緩出血
  2. 胎盤遺残
  3. 腟壁血腫
  4. 子宮内反症
  5. 羊水塞栓症

 

 


 

▶午後25

Aさんは正常分娩後順調に経過し、退院3週後に母乳外来を訪れた。「急に寒気がして、熱を測ったら38.9℃でした。左の乳房が触るだけで痛くて、赤ちゃんも嫌がって飲みません」と話した。左乳房の外側上部に硬結があり、発赤がみられた。どろっとした乳汁が少量分泌された。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「授乳は中止しましょう」
  2. 「抗菌薬が必要となります」
  3. 「市販の解熱薬を内服してください」
  4. 「乳房のしこりの部分を温めましょう」
  5. 「しこりがなくなるまで搾乳してください」

 

 


 

▶午後26

40歳の1回経産婦。切迫早産の治療のため妊娠34週0日から入院して安静加療し、妊娠37週0日に骨盤位のため帝王切開術で分娩した。分娩時出血量は羊水を含めて1,000mLであった。術後1日の昼食後に軽い呼吸困難と多呼吸とを訴え、ペーパーバッグを口と鼻に当てたところ、すぐに消失した。術後2日の朝にベッドから降りて立ったとき、突然、胸痛と息苦しさとを訴え意識を失った。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。
最も疑われるのはどれか。

 

  1. 貧血
  2. 肺塞栓症
  3. 心筋梗塞
  4. 過換気症候群
  5. 起立性低血圧

 

 


 

▶午後27

生後2日の女児。在胎37週2日、体重2,800gで出生。この日の体重は2,600g。体温37.0℃、呼吸数48/分。排尿は8回/日、排便は2回/日。皮膚に黄染がみられ、血清総ビリルビンは16.0mg/dLであった。授乳間隔は3、4時間ごとで、母乳の後に人工乳を1回20mL補足している。
この児のアセスメントで正しいのはどれか。

 

  1. 多呼吸である。
  2. 哺乳量不足である。
  3. 排泄回数が少ない。
  4. 高ビリルビン血症である。
  5. 体重減少率は生理的範囲を逸脱している。

 

 


 

▶午後28

Aさん(30歳、初妊婦)。夫と義母の3人暮らし。妊娠38週で子宮内胎児死亡となり、帝王切開術を受けた。手術後8日で退院する予定である。Aさんの実母から「赤ちゃんの父親は海外出張中で帰って来ることができません。死産届は誰が出したらよいでしょうか」と助産師に相談があった。
届出者として最も適切なのはどれか。

 

  1. 義母
  2. Aさん
  3. Aさんの実母
  4. 死産に立ち会った医師
  5. 死産に立ち会った助産師

 

 


 

▶午後29

助産業務に関連する法律と内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 刑法――医行為の禁止
  2. 医療法――助産録の記載
  3. 児童福祉法――守秘義務
  4. 母体保護法――母性健康管理指導事項連絡カードの発行
  5. 保健師助産師看護師法――異常妊婦に対する臨時応急の手当

 

 


 

▶午後30

Aさん(36歳、初産婦)。妊娠41週0日、胎児下降不良のため鉗子分娩となった。児の健康状態に問題はなかったが、側頭から前額にかけてうっすらと鉗子の圧痕がついていた。Aさんは主治医から、児の圧痕は徐々に薄くなると説明され「安心しました」と答えた。Aさんの夫は仕事で分娩に立ち会えず、分娩2時間後の16時に来院した。状況を知った夫はナースステーションに来て「詳しく話が聞きたい。顔に痕が残らないと聞いたが、もし残ったらどうするのか」と声を荒げて話した。
助産師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「主治医から説明いたします」
  2. 「とにかく落ち着いてください」
  3. 「分娩の管理は問題ありませんでした」
  4. 「Aさんは状況について納得されています」
  5. 「生後1か月ころまでに消えるので心配ありません」

 

 


 

▶午後31

卵胞期と比較して、排卵期の頸管粘液の変化で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. pHは酸性を呈す。
  2. 牽糸性は低下する。
  3. 粘稠度は低下する。
  4. 分泌量は減少する。
  5. 透明度が増加する。

 

 


 

▶午後32

正常に経過している妊婦の妊娠中期において、非妊娠時よりも血中の値が増加しているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 遊離サイロキシン〈FT4〉
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. インスリン
  4. 空腹時血糖
  5. 食後血糖

 

 


 

▶午後33

前方後頭位分娩における児頭の応形機能で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 児頭の大斜径が延長する。
  2. 分娩所要時間は影響しない。
  3. 後頭骨は両頭頂骨の下に入る。
  4. 頭頂骨は前在側が後在側の下になる。
  5. 児頭の変形が回復するには生後10日を要する。

 

 


 

▶午後34

院内助産で体重3,500gの児を正常分娩した初産婦。分娩第3期までの出血量は550mL。胎盤娩出直後から出血が続き、5分間で出血量は100mLであった。脈拍90/分、血圧100/70mmHg。子宮底の高さは臍上2横指で軟らかく、弛緩出血と判断し子宮底の輪状マッサージを行い、医師に診察を依頼した。
この状況で助産師が行う対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血管確保
  2. 輸血の準備
  3. 子宮双手圧迫法
  4. 子宮収縮薬の局所投与
  5. 子宮・腟強圧タンポン挿入法

 

 


 

▶午後35

健やか親子21(第2次)の学童期・思春期から成人期に向けた保健対策の指標で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 飲酒率
  2. 自殺死亡率
  3. うつ病の発症率
  4. 不慮の事故による死亡率
  5. 性感染症〈STD〉の罹患率

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(19歳)。半年で7kgの体重増加があり、4か月間月経がなかったため、婦人科外来を受診した。「友人関係のストレスで甘いものばかり食べ過ぎてしまったと思う。最近、にきびが増えて気になる。体調はそんなに悪くはない」と言う。既往歴に特記すべきことはない。初経は12歳で月経周期は30日型であった。性交経験はない。身長157cm、体重70kg。脈拍74/分、血圧120/70mmHg。

 

▶午後36

診察の結果、乳房、陰毛の発育は正常。経腹超音波検査で、両側卵巣は軽度腫大しており、片側10個以上の小さい卵胞を認める。
Aさんの血中ホルモン値として予想されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. プロラクチン高値
  2. テストステロン高値
  3. 黄体形成ホルモン〈LH〉高値
  4. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉高値
  5. エストラジオールが測定感度以下の低値

 

 


 

▶午後37

体重の減量指導が開始された。Aさんは、現在は妊娠の希望はなく、避妊の必要もないという。無月経であることを心配しており、定期的に月経が来るような薬物治療を希望している。家族歴を聴取したところ、実父と叔父に血栓症の既往があり、叔父は外科手術後の肺塞栓症で死亡しているとのことであった。
最も適切な治療法はどれか。

 

  1. 黄体ホルモン薬の内服
  2. GnRHアゴニストの注射
  3. 抗テストステロン薬の内服
  4. 選択的エストロゲン受容体修飾薬の内服
  5. 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬の内服

 

 


 

▶午後38

その後Aさんは22歳で結婚し、現在は妊娠を希望している。体重はこの3年間に少しずつ減少し55kgとなっているが、現在でも自然には月経が来ないという。高血圧症や糖尿病はみられない。
Aさんへの第一選択の治療法はどれか。

 

  1. 5kgの減量指導
  2. メトホルミンの内服
  3. ゴナドトロピンの注射
  4. Kaufmann〈カウフマン〉療法
  5. クロミフェンクエン酸塩の内服

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

A病院の産科病棟は院内助産を行っており、分娩が終了するまで家族も産婦と個室で過ごせるようにしている。院内助産で分娩し、退院7日後に母乳外来を訪れたBさんから、夫が麻疹と診断されたとの情報を得た。夫は退院日の2日前から咳および鼻汁の症状がみられ、退院日の夜から38.0℃の発熱があった。退院後2日目から発疹が出現した。Bさんの夫の来院状況は以下のとおりであった。
3月3日 39週0日、陣痛発来による入院に夫が付き添う
4日 分娩に夫が立ち会う
5日以降 退院まで毎日来院
9日 退院の迎えで来院

 

▶午後39

Bさんの夫が原因で他の人に感染する可能性があった期間で最も適切なのはどれか。

 

  1. 3月3日〜3月9日
  2. 3月4日〜3月9日
  3. 3月7日〜3月9日
  4. 3月9日

 

 


 

▶午後40

3月16日、Bさんから情報を聞き、産科病棟での感染管理を行うため、麻疹症状のある者を確認したところ発症者はいなかった。患者およびスタッフの接触者のうち、予防接種歴が確認できなかった者は、現在も入院治療中の切迫早産の妊婦2人とスタッフ2人であった。
病棟内で感染を拡大させないための対応として適切なのはどれか。

 

  1. 切迫早産の妊婦2人に麻疹の予防接種を行う。
  2. 切迫早産の妊婦2人にγ-グロブリンを投与する。
  3. 予防接種歴が確認できなかった接触者の麻疹の抗体価を調べる。
  4. 予防接種歴が確認できなかったスタッフは直ちに出勤停止とする。

 

 


 

▶午後41

3月26日、産科病棟では新たな感染者は認められていない。
今後の感染予防対策として最も適切なのはどれか。

 

  1. 病棟内での家族の面会を中止する。
  2. 周産期の感染予防策の研修を定期的に行う。
  3. 産科病棟に入院する者の予防接種歴を確認する。
  4. 今後3週間、患者およびスタッフの症状の観察を行う。

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aさん(38歳、初産婦)。妊娠39週4日に規則的な陣痛を自覚して、かかりつけの産婦人科病院に来院し、14時に入院した。これまでの妊娠経過は順調であった。
既往歴:緑内障に対して点眼治療を継続中。
生活歴:妊娠前から喫煙、妊娠中3本/日。
家族歴:実母が高血圧症。
身体所見:身長155cm、入院時体重62kg(非妊時体重53kg)。体温36.7℃、血圧120/77mmHg。陣痛間欠4分、陣痛発作50秒、陣痛発作時は会話が困難な程度の痛みを感じている。胎児心拍数陣痛図は正常である。子宮口4cm開大、展退度50%、Station-1、未破水。

 

▶午後42

硬膜外麻酔による陣痛の痛緩和を予定していたため、硬膜外麻酔カテーテルが挿入され、局所麻酔薬の注入が開始された。麻酔開始1時間後、子宮収縮時にわずかな痛みを感じる程度の痛コントロールの状態となった。両下肢の運動に問題はないが軽度のしびれを感じていた。定期的に尿道カテーテル挿入による導尿が行われた。
Aさんの麻酔施行中の副作用(有害事象)に関係した観察項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. 食事量
  2. 血圧
  3. 体温
  4. 浮腫
  5. 胎向

 

 


 

▶午後43

16時に自然破水した。18時の内診所見は子宮口6cm開大、展退度70%、Station+1で、破水後から所見の変化を認めていない。助産師は続発性微弱陣痛と判断して医師に報告し、子宮収縮薬の点滴静脈内注射を開始することとなった。
Aさんに投与する子宮収縮薬の種類を選択するために重要な情報はどれか。

 

  1. 喫煙状況
  2. 緑内障の合併
  3. 胎児推定体重
  4. 妊娠中の体重増加
  5. 実母の高血圧症の有無

 

 


 

▶午後44

子宮収縮薬の投与開始後に陣痛が増強して、20時に子宮口8cm開大、Station+2となった。23時に子宮口全開大、Station+4まで下降したが娩出には至っていない。胎児心拍数陣痛図では胎児心拍の異常はない。Aさんは陣痛発作時に子宮収縮の自覚はあるが硬膜外麻酔によって痛みは緩和されている。分娩までの時間がかかっていることについてAさんは心配している。
児の娩出までの時間を短縮する目的でAさんに提案する内容として正しいのはどれか。

 

  1. 子宮収縮に合わせた努責
  2. 麻酔量の増加
  3. 室内の歩行
  4. 飲水
  5. 浣腸

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

Aさん(37歳、初産婦)は、妊娠41週3日、予定日超過のため子宮収縮薬を使用しての分娩誘発が開始された。無痛分娩を希望し、硬膜外麻酔による疼痛緩和が開始された。分娩第1期15時間、分娩第2期5時間、分娩遷延のため会陰切開し、吸引分娩となった。児は体重3,280g、Apgar〈アプガー〉スコアは1分後7点、5分後9点であった。出血量は550mL、分娩第4期の経過は正常。バイタルサインは問題なく、硬膜外カテーテルを抜去し帰室した。

 

▶午後45

産褥1日。分娩後から尿意がなく、自然排尿できない状態が続いており、導尿で300〜400mL/回を採取している。会陰の創部痛は鎮痛薬でコントロールしている。
この時点でのアセスメントで最も適切なのはどれか。

 

  1. 脱水状態による尿量減少
  2. 分娩第2期遷延による尿閉
  3. 硬膜外麻酔による膀胱筋の麻痺
  4. 創部痛による膀胱括約筋のけいれん

 

 


 

▶午後46

産褥3日に尿意が出現し自然排尿できるようになった。母児同室中であるが夜間は休息のため、新生児室に児を預けることがある。1日の直接授乳回数は、6、7回程度である。「おっぱいが張って痛い。赤ちゃんも泣いてばかりでどうしてよいか分からない」と疲労した様子で訴えた。体温37.4℃、子宮底の高さは臍下3横指、血性悪露中等量。乳房全体が緊満し乳輪部はむくんでいる。両乳頭に発赤があり、乳管の開口数は左右とも2、3本、分泌は乳汁がにじむ程度である。
Aさんの状態のアセスメントで考えられるのはどれか。

 

  1. 産褥熱
  2. 産褥精神病
  3. 乳房うっ積
  4. 化膿性乳腺炎

 

 


 

▶午後47

産褥5日の退院時、Aさんは「無痛分娩は産後の体が楽だと聞いていたが、疲れがとれません。まだ授乳に慣れてないので心配です」と不安そうな表情で話した。夫の育児休業は1週間の予定であるという。助産師は訴えをしばらく傾聴した。両乳房緊満+、乳管の開口数は左右とも5、6本で射乳あり。日中の授乳は母乳のみで夜間は人工乳を補足している。
退院に向けての説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「睡眠薬を処方してもらいましょう」
  2. 「母乳外来で授乳について相談しましょう」
  3. 「Aさんだけ先に退院して体を休めましょう」
  4. 「産後ケアを受けられる施設に入所しましょう」

 

 


 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。

Aさん(25歳、初妊婦)。夫と義父母の4人暮らし。市販の妊娠検査薬で陽性反応が出たため2週前に産科外来を受診したが、胎児心拍は確認できなかった。本日、再度受診し胎児心拍が確認され、妊娠7週であると判明した。最終月経は3月10日から5日間あった。

 

▶午後48

Naegele〈ネーゲレ〉概算法によるAさんの分娩予定日を求めよ。

 

解答:①②月③④日

 

 


 

▶午後49

Aさんは「22時くらいには布団に入って寝ます。疲れが取れていないようで、いつも眠いです。朝は7時に起きます」と状況を訴えた。
Aさんの睡眠のアセスメントとして正しいのはどれか。

 

  1. レム睡眠が増加している。
  2. 睡眠時間が不足している。
  3. オキシトシンの影響である。
  4. プロラクチンの影響である。

 

 


 

▶午後50

妊娠28週の妊婦健康診査時、Aさんは「実家の近くの病院で分娩をする予定です。自宅から実家まで高速道路を使って3時間くらいかかります。夫の運転する車で里帰りするときに注意することがありますか」と助産師へ質問した。
助産師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「車内では水分摂取を控えましょう」
  2. 「移動は妊娠37週以降にしましょう」
  3. 「ドライブインでは出歩かないようにしましょう」
  4. 「後部座席の場合はシートベルトをしなくてよいです」
  5. 「腰のシートベルトは恥骨上を通るように装着しましょう」

 

 


 

次の文を読み51、52の問いに答えよ。

29歳の1回経産婦。妊娠41週0日、予定日超過で入院した。これまでの妊娠経過は母児ともに順調であった。
既往歴:前回は妊娠38週で体重3,280gの児を正常分娩した。
身体所見:身長160cm、体重65kg。体温36.5℃、脈拍72/分、整、血圧110/78mmHg。子宮口4cm開大、展退度80%以上、Station-1、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は前方、未破水。胎児推定体重は3,030gで形態異常はない。胎位は頭位、胎児心拍数は130bpm。陣痛発来はしていない。
検査所見:尿蛋白(-)、尿糖(-)。

 

▶午後51

オキシトシン点滴静脈内注射による分娩誘発を開始することとなった。
分娩誘発時の管理で適切なのはどれか。

 

  1. 投与開始前に頸管拡張を行う。
  2. 2日間連続での投与は行わない。
  3. 手動による滴下量の調整を行う。
  4. 投与開始後は分娩終了まで絶飲食とする。
  5. 開始時の投与速度は1〜2ミリ単位/分とする。

 

 


 

▶午後52

妊娠41週1日、分娩誘発を行ったが、有効な陣痛は発来しなかった。41週2日の6時ころから自然に陣痛が発来した。10時、子宮口全開大、Station+3で自然破水した。14時、陣痛間欠3分、陣痛発作45秒。内診所見は、矢状縫合が横径に一致し、Station+4。体温36.6℃、脈拍88/分、整、血圧114/76mmHg。胎児心拍数陣痛図で、基線細変動は正常で、胎児心拍数150bpm、時折、軽度の変動一過性徐脈がみられる。
現在の状態で異常な所見はどれか。

 

  1. 陣痛間欠3分
  2. 陣痛発作45秒
  3. 変動一過性徐脈
  4. 胎児心拍数150bpm
  5. 矢状縫合が横径に一致

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

Aさん(38歳、1回経産婦)。現在、パートナーと8歳の子どもとの3人暮らし。33歳からIgA腎症のため大学病院の腎臓内科に通院中で、病状の進行による腎機能の悪化のため人工透析の導入が予定された。高血圧症に対して内服薬による治療が開始されたが、血圧のコントロールは不良である。

 

▶午後53

Aさんは、月経が遅れていたため、市販の妊娠検査薬で検査して陽性であり産婦人科を受診した。経腟超音波検査で子宮内に胎囊が確認され、胎児の頭殿長〈CRL〉は20mmであった。医師の診察の後、Aさんは助産師に「まさか妊娠するとは思っていませんでした。主治医から今の状態での妊娠継続は難しいと言われています。パートナーには秘密で中絶したいと思っています」と話した。
Aさんの話を傾聴した後の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「パートナーとよく話し合いましょう」
  2. 「人工妊娠中絶には、分娩誘発が必要です」
  3. 「高血圧症の治療を中止すれば妊娠継続が可能です」
  4. 「1週間以内に、中絶を行うかどうかの決断が必要です」
  5. 「人工妊娠中絶の同意書は、医療者の前で署名してください」

 

 


 

▶午後54

1週後、Aさんが再度来院し「主治医にもう一度相談しましたが、やはり妊娠継続は勧められないと言われました。私も覚悟はしたつもりですが、簡単には決められません」と話して、うつむいた。
Aさんの意思決定を支援する方法として適切なのはどれか。

 

  1. バズ・セッション
  2. ネゴシエーション
  3. ピアカウンセリング
  4. ブレインストーミング
  5. 治療的コミュニケーション

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

Aさん(65歳、女性)。3回経妊3回経産婦。3回の分娩は経腟分娩であった。52歳で閉経。腟炎のため婦人科に通院している。外来の助産師に「以前から尿は近いほうだった。1年くらい前からは夜間に2、3回トイレに起きるようになり、熟睡できない。最近では、日中も頻繁に尿意を感じるようになり、1〜2時間ごとにトイレに行っているが少量しか尿が出ない。1か月後に友人と旅行することを楽しみにしていたが、旅行をあきらめようか迷っている」と相談した。咳をしたときや立ち上がったときの尿漏れはなく、長時間立っていても内臓が下がってくるような感じはない。Aさんは3か月前に子宮がん検診を受けており、特に問題はなかったという。
既往歴:60歳から高血圧症に対して降圧薬を内服している。
生活歴:3人の娘が独立してからは、夫と2人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は週に1回缶ビール1本程度。
家族歴:実母が糖尿病。
身体所見:身長155cm、体重60kg。血圧130/80mmHg。

 

▶午後55

相談された助産師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 家族以外の人とは一緒に旅行しないよう勧める。
  2. 医師に手術治療について相談するよう勧める。
  3. 医師に薬物治療について相談するよう勧める。
  4. 夜間の水分摂取は控えるよう勧める。
  5. 膀胱訓練を指導する。

 

 


 

資料 厚生労働省「第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向