第113回看護師国家試験 午後状況設定問題
令和6年2月11日(日)に実施された第113回看護師国家試験について、午後問題のうち状況設定問題の正答と解説を示します。
「国民衛生の動向2024/2025」と合わせてご活用ください。
▼第113回看護師国家試験
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厚生の指標増刊
発売日:2024.8.27 定価:2,970円(税込) 412頁・B5判 雑誌コード:03854-08
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①国民衛生の動向対応/②看護の倫理・対象/③人体の構造と機能・健康障害・薬物/④看護技術
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午後 状況設定問題
次の文を読み91~93の問いに答えよ。
Aさん(58歳、男性、会社員)は、身長175cm、体重73kgである。Aさんは、健康診断の胸部エックス線撮影で異常陰影を指摘され、3週前に胸部造影CT検査を受けた。左肺下葉に約8mmの病変が見つかり、精密検査の結果、肺癌(T1N0M0)と診断され、本日、手術目的で入院した。咳嗽、息苦しさ、喀痰はない。喫煙歴があり、20年間20本/日、禁煙後18年である。
バイタルサイン:体温36.9℃、呼吸数14/分、脈拍72/分、整、血圧136/76mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(room air)。
検査所見:赤血球510万/μL、Hb15.6g/dL、Ht47%、白血球6,200/μL、血小板32万/μL、総蛋白7.7g/dL、アルブミン4.2g/dL、空腹時血糖102mg/dL。
呼吸機能所見:%VC76%、FEV1%73%。
▶午後91
入院時の所見で正しいのはどれか。
- 頸部リンパ節の腫脹
- 拘束性換気障害
- 低栄養
- 貧血
▶午後92
Aさんは、入院2日目に胸腔鏡下左下葉切除術を受ける予定である。Aさんは看護師に「全身麻酔で手術を受けるのは初めてです。医師から手術の説明はあったけれど、合併症についてもう一度教えてもらえますか」と質問した。
Aさんに生じる可能性が高い合併症はどれか。
- 気胸
- 反回神経麻痺
- Horner〈ホルネル〉症候群
- Pancoast〈パンコースト〉症候群
▶午後93
Aさんの手術は予定通りの術式で行われ、肺癌は術前診断通りの病期であった。Aさんの術後経過は良好であり、退院日が決定した。Aさんのバイタルサインは、体温36.3℃、呼吸数18/分、脈拍66/分、整、血圧134/76mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%(room air)であった。
退院後の生活指導で正しいのはどれか。
- 「インフルエンザワクチンは接種できません」
- 「左手で重い荷物を持たないでください」
- 「少しずつ活動量を増やしてください」
- 「自宅で酸素吸入を行ってください」
次の文を読み94~96の問いに答えよ。
Aさん(43歳、男性、会社員)は、1か月前に右頸部の腫瘤を自覚した。大学病院で非Hodgkin〈ホジキン〉リンパ腫と診断され化学療法導入目的で入院した。
バイタルサイン:体温37.1℃、呼吸数16/分、脈拍84/分、整。
身体所見:顔面に浮腫を認める。
検査所見:Hb12.8g/dL、白血球6,400/μL、総蛋白7.6g/dL、アルブミン4.1g/dL。
胸部造影CT:縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫を認める。
▶午後94
Aさんの顔面の浮腫の原因で考えられるのはどれか。
- 発熱
- 貧血
- 低蛋白血症
- 上大静脈の圧迫
▶午後95
AさんはR-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を受けた。
AさんのR-CHOP療法の初日に生じる可能性がある合併症はどれか。
- 脱毛
- 口内炎
- 低血糖
- 好中球減少症
- 腫瘍崩壊症候群
▶午後96
AさんはR-CHOP療法終了後も嘔気・嘔吐が続き、制吐薬の追加投与を受けた。治療後3日、「やっと楽になって食事が摂れるようになったけど、やっぱりつらかった。思い出すだけでも気持ち悪くなります」と話している。
Aさんの次回のR-CHOP療法において、嘔気・嘔吐への対応で適切なのはどれか。
- 1日1,000mLの水分摂取
- 治療前日の夕食の中止
- 治療前の制吐薬の投与
- 抗癌薬の減量
次の文を読み97~99の問いに答えよ。
Aさん(71歳、女性)は夫と10年前に死別し、1人で暮らしている。息子は結婚して他県に住んでいる。Aさんは、3か月前に脳梗塞を発症して要介護1となり、介護老人保健施設に入所した。 Aさんは老人性白内障があるがADLに支障はなく、認知機能やコミュニケーションに問題はない。食事は自力で摂取できる。紅茶が好きで、毎日カップ2、3杯は飲んでいる。我慢できない強い尿意があり尿が漏れてしまうため、下着に尿取りパッドを付けている。トイレには自力で移動でき、下着やズボンの上げ下ろしは自立している。排便は2日に1回である。
▶午後97
Aさんの尿失禁の種類で考えられるのはどれか。
- 溢流性尿失禁
- 機能性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 腹圧性尿失禁
▶午後98
4、5日前からAさんは倦怠感を訴え、ベッドで寝ていることが多くなった。食欲が落ちてきて、1日の水分摂取量も減少した。トイレでの排尿が間に合わないことが多くなり、頻回に尿失禁するようになった。看護師がAさんの尿取りパッドの交換を介助すると尿臭が強く、色も茶褐色であった。Aさんが「おしっこをするとお腹の下の方が痛い。体がだるい」と看護師に訴えたため、体温を測定すると37.5℃であった。看護師がAさんの状況を施設の医師に報告すると、抗菌薬を内服するように指示が出された。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 日中に飲水を勧める。
- 下腹部をマッサージする。
- 抗菌薬は自分で管理してもらう。
- 昼間は離床して過ごすように促す。
▶午後99
5日後、Aさんは解熱し、少しずつ食欲が出てきた。下腹部痛は消失し、尿失禁の回数も少なくなった。
症状の再燃を防止するためのAさんへの対応で適切なのはどれか。
- 2時間ごとに排尿誘導する。
- 用手圧迫排尿の方法を指導する。
- 排尿の度に陰部を洗浄するように促す。
- 尿取りパッドの交換回数を増やすように指導する。
次の文を読み100~102の問いに答えよ。
Aちゃん(7歳、女児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に来院した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、Aちゃんは体温36.6℃、呼吸数20/分、心拍数84/分、血圧130/80mmHgで、床上安静の指示が出された。
▶午後100
Aちゃんの入院時の看護計画で適切なのはどれか。
- 水分摂取を促す。
- 1日3回の血圧測定を行う。
- 食事の持ち込みを許可する。
- 腰部に消炎鎮痛薬を貼用する。
▶午後101
入院3日。両眼瞼の浮腫と肉眼的血尿は続いていた。看護師がAちゃんのベッドサイドを訪れると、Aちゃんは「頭が痛い。気持ち悪い」と訴えた。Aちゃんは体温36.6℃、呼吸数20/分、心拍数92/分、血圧148/88mmHgであった。
この状況からAちゃんに起こりうる症状はどれか。
- 眼のかゆみ
- 意識障害
- 耳漏
- 鼻閉
▶午後102
入院して1週が経過した。症状は軽快傾向にあるが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、Aちゃんはイライラしている。Aちゃんの母親は、毎日昼食後から夕食まで面会をしている。
Aちゃんのストレスに対する看護師の発言で適切なのはどれか。
- 「すぐに退院できるから頑張ろう」
- 「好きなだけテレビや動画を観ていいよ」
- 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」
- 「夕食後もお母さんに付き添ってもらおう」
次の文を読み103~105の問いに答えよ。
A君(5歳、男児)は共働きの両親と3人で暮らしている。2歳6か月で自閉スペクトラム症と診断され、保育所と療育センターに通っている。保育所の健康診断で低身長を指摘され、受診を勧められて両親と来院した。A君は待合室を走ったり診察室の扉を開けたりしていた。診察室に入ると「頑張ろう」と泣きながら叫び、恐怖心を抑えている様子だった。母親は「Aは病院が苦手で、予防接種はAの手足と体を看護師さん3人で抑えて行ってきましたが、繰り返し説明することで、抑えなくても注射ができるようになりました」と話した。
診察の結果、1週後に成長ホルモン分泌刺激試験を行うことになった。母親から「Aが血液検査でパニックを起こすのではないかと心配です」と発言があった。
▶午後103
母親への声かけで適切なのはどれか。
- 「検査があることは当日に説明しましょう」
- 「予防接種ができるのであれば心配ありません」
- 「家でA君に説明できる絵カードをお渡しします」
- 「看護師3人でA君をしっかりと抑えて採血します」
▶午後104
成長ホルモン分泌刺激試験の結果、母親が自宅で毎晩A君に成長ホルモン製剤を注射することになった。外来で母親は注射の手技を習得し、A君も注射に慣れた。
自宅での注射に向けて、母親に確認する事項で優先度が高いのはどれか。
- 保育所でのA君の様子
- A君と家族の日課
- 家族の経済状況
- 祖父母の居住地
▶午後105
3か月後、自宅でのA君への成長ホルモン製剤の注射は順調に実施されている。外来受診時に母親から看護師に「Aが通っている療育センターにも相談しましたが、Aは自閉スペクトラム症であるだけでなく、注射もしているので就学のことを考えると心配です。通常の学級に通わせたいと考えているのですが、通常の学級への就学について教えてください」と相談があった。
看護師の説明で適切なのはどれか。
- 「お母さんが学校で待機する必要があります」
- 「就学する学級は受入れ先の校長が決定します」
- 「通常の学級に籍を置くと通級指導は受けられません」
- 「A君の特性に合わせた配慮を学校に求めることができます」
次の文を読み106~108の問いに答えよ。
Aさん(32歳、初産婦)は、夫と2人で暮らしている。骨盤位のために妊娠38週0日に予定帝王切開術で午前11時に男児を出産した。分娩時出血量は480mLであった。出生後、手術室で男児と面会をして「無事に生まれてきてくれてありがとう」と話した。帰室後、子宮底は臍高、硬度良好、悪露は赤色で20gであった。後陣痛と創部痛があり夜間に鎮痛薬を使用した。
▶午後106
帝王切開術後1日、午前9時、子宮底は臍下1横指、硬度良好、バイタルサインは体温36.9℃、呼吸数18/分、脈拍72/分、整、血圧110/70mmHgであった。夜間に排ガスを認めた。Aさんは「痛み止めを使用した後は眠れましたが、また痛みが出てきました。こんな状態で動けるか心配です。この後の予定を知りたいです」と話した。
このときのAさんへの説明で適切なのはどれか。
- 「入院中は毎日、タオルで身体を拭きます」
- 「膀胱に入れている管は明日抜きます」
- 「今日から歩行を開始します」
- 「食事は明日からです」
▶午後107
帝王切開術後3日、子宮底は臍下3横指、悪露は褐色であった。乳房に熱感があり、乳管は左右とも3本開通しており、移行乳の分泌を認める。看護師が訪室するとAさんは「まだ、お腹の創が痛くて、動くのはつらいです」と話す。慣れない手付きで児に授乳をしながら「上手にできなくてごめんね」と児の顔を見て語りかけている。Aさんと児の目と目が合う様子がみられる。
アセスメントで適切なのはどれか。
- 子宮復古が遅れている。
- 乳汁分泌が遅れている。
- 母子相互作用がみられる。
- マタニティブルーズである。
▶午後108
帝王切開術後5日、診察の結果、明日退院することになった。Aさんの乳房は緊満しており、乳管は左右とも5、6本開通している。母児同室を行い、児の哺乳の欲求に合わせて1日10回の授乳を行っている。「母乳で育てたいと思っています。でもおっぱいが張ってつらいです。この子も上手に吸ってくれません」と看護師に話した。
このときの看護師の説明で適切なのはどれか。
- 「授乳の回数を減らしましょう」
- 「授乳前に乳輪を柔らかくしましょう」
- 「授乳と授乳の間は乳房を温めましょう」
- 「乳房の緊満が強くなるのはこれからです」
次の文を読み109~111の問いに答えよ。
Aさん(65歳、男性)は、妻と自営業を営んでおり、2人で暮らしている。2か月前に仕事で大きな失敗をし、謝罪と対応に追われ、あまり夜に眠れなくなり、食欲不振が続いている。1か月前から気分が落ち込み、仕事で妻から間違いを指摘されたことで自信をなくしていた。Aさんは死んでしまいたいと思い、夜に自宅でロープを使って自殺を図ろうとしたところを妻に見つけられた。妻に付き添われ、精神科病院を受診し、うつ病と診断された。受診当日に入院し、抗うつ薬の内服が開始された。Aさんは「生きていても仕方がない。どうせ誰も分かってくれない」と看護師に話した。
▶午後109
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 「生きていれば良いことがありますよ」
- 「薬を飲むと数日で効いて楽になります」
- 「悲しいことが続くときは誰にでもあります」
- 「Aさんがつらい状況にあることを私は心配しています」
▶午後110
Aさんはその後しばらく会話をしたり、食事も少し食べられたりしていたが、入院3日から、臥床したままで1日中全く動かず、昏迷状態になった。検査の結果、軽度の脱水以外の異常はなかった。治療として修正型電気けいれん療法が開始されることになり、実施後20分でAさんは覚醒し、その後の観察中にけいれん発作は認めなかった。実施後30分、Aさんは突然起き上がり興奮し、大きな声で「仕事に行く」と言って病室から出ていこうとした。看護師が制止し、一緒に座って話を聞いたところ、見当識障害、記憶障害、注意障害が認められた。
Aさんの状態で正しいのはどれか。
- せん妄
- 躁状態
- 不安発作
- 前向性健忘
▶午後111
入院1か月が経過し、Aさんは夜間の睡眠がとれるようになり、食事は全量摂取している。妻から間違いを指摘されたことを思い出し、「何をやってもきっと失敗するだけだ。今度はもっと大きな失敗をして仕事を辞めることになる。だから自分はだめな人間だ。努力しても意味がない」と看護師に言った。
Aさんへの治療法で最も適切なのはどれか。
- 森田療法
- 集団精神療法
- 認知行動療法
- 社会生活技能訓練〈SST〉
次の文を読み112~114の問いに答えよ。
Aさん(24歳、女性)は大学卒業後、一般企業に就職したが、何度も自宅の鍵を閉めたかどうかを確認するため、遅刻を繰り返した。連絡せずに複数回の遅刻があったことを上司のBさんから強く注意され、うつ状態となったため精神科外来を受診したところ、強迫性障害と診断され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉が処方された。
▶午後112
内服を始めて1週後、Aさんは看護師に「鍵を閉めたかどうかの確認が増え、睡眠時間が減ってつらい」と訴えている。
看護師の声かけで適切なのはどれか。
- 「主治医に薬の変更を相談しましょう」
- 「睡眠状況を具体的に教えてください」
- 「Bさんに別の部署に異動したいと伝えてみましょう」
- 「鍵を閉めたかどうか気になるときは別のことを考えましょう」
▶午後113
受診に同行していた母親からは「Aから『私の代わりに鍵が閉まっているか見てきてほしい』といった要望が多い。それに従わないと『どうして私のつらさを分かってくれないの』と大きな声を出す。どのように関わればよいか分からない」と看護師に相談があった。
母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
- 要望に応じ続ける方がよいと助言する。
- 治療の効果が得られるまで待つように伝える。
- 母親が疾患をどのように理解しているか確認する。
- Aさんが大きな声を出しても反応しないように助言する。
▶午後114
選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉の内服を始めてから2か月が経過し、Aさんは外出中に鍵を閉め忘れたかもしれないという考えが強くなり、外出から予定より早く帰宅することがある。Aさんは「鍵を閉め忘れていないかの確認を減らしたい」と看護師に相談した。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 外出を控えるよう助言する。
- 外出するときは誰かに付き添ってもらうよう提案する。
- 鍵の閉め忘れが気になる理由を考えてみるよう伝える。
- 鍵の閉め忘れが特に気になるときの前後の状況を振り返るよう促す。
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(14歳、男子、特別支援学校の中学生)はDuchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで両親、弟(7歳)と2階建ての家に4人で暮らしている。呼吸障害が進行したため非侵襲的陽圧換気療法を導入する目的で入院した。Aさんの呼吸状態は安定し、両親に対するバッグバルブマスクによる用手換気の指導が終了したため、自宅に退院し訪問看護を毎日利用して療養生活を続けることになった。両親は「日常の呼吸管理について退院後に対応できるか心配です」と病棟の看護師に話した。
▶午後115
Aさんの両親に対する看護師の指導で適切なのはどれか。
- 息苦しいときは非侵襲的陽圧換気の吸気圧を上げる。
- 人工呼吸器が動かないときはすぐに救急車を要請する。
- 人工呼吸器が過剰送気を示すときは回路が外れていないか確認する。
- マスクの周囲から空気が漏れるときはマスクのベルトをきつく締める。
▶午後116
退院後1週。Aさんの父親から「最近、大雨や落雷、地震による被災の報道が多くて、Aは人工呼吸器を付けているし、弟もまだ小さいので不安です。災害に備え何をすればよいでしょうか」と訪問看護師に相談があった。
訪問看護師がAさんの父親に説明する内容で優先度が高いのはどれか。
- 非常用電源の選び方
- 福祉避難所への移動手段
- 足踏み式吸引器の使用方法
- ハザードマップの確認方法
▶午後117
退院後6か月。Aさんは人工呼吸器を装着して特別支援学校に通学することにも慣れてきた。Aさんの母親から「弟がインフルエンザと診断された。弟は2階の子ども部屋、Aは1階のリビングで過ごしている。家族全員がインフルエンザの予防接種を受けた。Aにインフルエンザがうつらないか心配」と訪問看護師に連絡があった。
訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
- Aさんが特別支援学校を2週間休むことを勧める。
- Aさんが感染予防の目的で入院することを医師に相談する。
- Aさんは予防接種を受けているのでうつらないと説明する。
- ケアを父母で分担し、弟の担当は弟以外と接触しないことを提案する。
次の文を読み118~120の問いに答えよ。
Aさん(72歳、男性)は、妻と2人暮らしで子どもはいない。定年後は2人で旅行するのが趣味であった。Aさんは、1か月前から残尿感や夜間頻尿が気になり病院を受診した結果、前立腺癌と診断され根治的前立腺摘出手術を受けた。退院後は、手術後の補助療法として、外来で放射線の外照射療法を行うことになっている。
▶午後118
放射線外来の看護師が行うAさんへの説明で正しいのはどれか。
- 「入浴直後に照射部位の観察をしましょう」
- 「照射後は照射部位に冷湿布を貼りましょう」
- 「照射部位の皮膚は乾燥させておきましょう」
- 「照射部位は強くこすらないようにしましょう」
▶午後119
Aさんの放射線療法が開始され初回の照射を終えた。放射線外来の看護師は、終了後にAさんへ声をかけた。Aさんは「ベッドは硬いし、最後まで同じ姿勢でいることがとても苦痛です。大きな音がするので恐怖も感じます」と訴えた。
このときの看護師の説明で正しいのはどれか。
- 「次回から照射中は傍に付き添います」
- 「治療体位をとるための固定具を工夫してみます」
- 「照射時間を短くできるよう主治医に相談してみます」
- 「照射中に体位変換ができるよう放射線技師に相談します」
▶午後120
Aさんが放射線治療を終了して半年後、腰部と右大腿部の痛みが出現した。倦怠感と食欲不振が続いたため病院を受診し精密検査を受けた。骨転移していることが分かり、Aさんと妻に主治医から余命と治療方針の説明があった。Aさんはその場で「痛みを取り除いてほしい。つらい治療は受けたくない」と訴え、3日後に緩和ケア病棟に入院した。
入院翌日、受け持ちの看護師Bが、プリセプターである看護師に「今朝、奥さんの顔色が悪くふらついていたので声をかけると『夫の最期を受け入れられない気がして不安です』と打ち明けられました。昨夜も眠らずにAさんに付き添っていたようでした。奥さんにどう対応したらよいのでしょうか」と相談した。
プリセプターである看護師が看護師Bに助言する内容で適切なのはどれか。
- 妻がAさんの死を受け入れられるよう妻を励ますこと
- 妻がAさんへの思いを看護師Bに語る時間をつくること
- Aさんの予後について再度主治医から妻へ説明するよう調整すること
- 妻がAさんの死を受け入れられるまで夜も付き添うよう妻に伝えること
資料 厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験、第113回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
▼第113回看護師国家試験
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