第112回看護師国家試験―「国民衛生の動向」対応問題・回答
令和5年2月12日(日)に実施された第112回看護師国家試験について、全問題の正答と解説を示します。
また、「国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。
厚生の指標増刊
発売日:2024.8.27 定価:2,970円(税込) 412頁・B5判 雑誌コード:03854-08
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必修問題まとめ
①国民衛生の動向対応/②看護の倫理・対象/③人体の構造と機能・健康障害・薬物/④看護技術
年次別
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第112回看護師国家試験目次
第112回看護師国家試験・必修問題
▶午前1改題
令和4年(2022年)の人口動態統計における妻の平均初婚年齢はどれか。
- 19.7歳
- 24.7歳
- 29.7歳
- 34.7歳
▶午前2
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における女性の有訴者の自覚症状で最も多いのはどれか。
- 頭痛
- 肩こり
- 体がだるい
- 目のかすみ
▶午前3
喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を算出するために、喫煙年数のほかに必要なのはどれか。
- 喫煙開始年齢
- 受動喫煙年数
- 家庭内の喫煙者数
- 1日の平均喫煙本数
▶午前4
休憩時間を除いた1週間の労働時間で、超えてはならないと労働基準法で定められているのはどれか。
- 30時間
- 35時間
- 40時間
- 45時間
▶午前5
介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数はどれか。
- 4
- 5
- 6
- 7
▶午前6
緩和ケアの目標で正しいのはどれか。
- 疾病の治癒
- 余命の延長
- QOLの向上
- 在院日数の短縮
▶午前7
運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。
- 階段を昇る。
- ひとりで立つ。
- ボールを蹴る。
- けんけん〈片足跳び〉をする。
▶午前8
ハヴィガースト, R. J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。
- 経済的に自立する。
- 身体的衰退を自覚する。
- 正、不正の区別がつく。
- 読み、書き、計算ができる。
▶午前9
令和2年(2020年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。
- 事業所
- 市町村
- 保健所
- 訪問看護ステーション
▶午前10
体性感覚はどれか。
- 視覚
- 触覚
- 聴覚
- 平衡覚
▶午前11
健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。
- 単球
- 好酸球
- 好中球
- リンパ球
▶午前12
体温変化をとらえ、体温調節の指令を出すのはどれか。
- 橋
- 小脳
- 視床下部
- 大脳皮質
▶午前13
下血がみられる疾患はどれか。
- 肝囊胞
- 大腸癌
- 子宮体癌
- 腎細胞癌
▶午前14
糖尿病の急性合併症はどれか。
- 足壊疽
- 脳血管疾患
- 糖尿病網膜症
- ケトアシドーシス昏睡
▶午前15
メタボリックシンドロームの診断基準において男性の腹囲〈ウエスト周囲径〉で正しいのはどれか。
- 80cm以上
- 85cm以上
- 90cm以上
- 95cm以上
▶午前16
炎症マーカーはどれか。
- CA19-9
- 抗核抗体
- C反応性蛋白質〈CRP〉
- リウマトイド因子〈RF〉
▶午前17
薬物動態で肝臓が関与するのはどれか。
- 吸収
- 分布
- 代謝
- 蓄積
▶午前18
胃から食道への逆流を防ぐために、成人が食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。
- 座位
- 仰臥位
- 右側臥位
- 半側臥位
▶午前19
全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度で適切なのはどれか。
- 20〜22℃
- 30〜32℃
- 40〜42℃
- 50〜52℃
▶午前20
個人防護具の脱衣手順で最初に外すのはどれか。
- 手袋
- ガウン
- サージカルマスク
- フェイスシールド
▶午前21
オートクレーブによる滅菌法はどれか。
- 酸化エチレンガス滅菌
- 高圧蒸気滅菌
- 放射線滅菌
- 乾熱滅菌
▶午前22
薬物の吸収速度が最も速いのはどれか。
- 経口投与
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
- 直腸内投与
▶午前23
室内空気下での呼吸で、成人の一般的な酸素療法の適応の基準はどれか。
- 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr以上
- 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr未満
- 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr以上
- 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr未満
▶午前24
CO2ナルコーシスの症状で正しいのはどれか。
- 咳嗽
- 徐脈
- 浮腫
- 意識障害
▶午前25
母乳栄養の児に不足しやすいのはどれか。
- ビタミンA
- ビタミンB
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
▶午後1改題
令和3年(2021年)の0歳男児の平均余命はどれか。
- 78.5年
- 81.5年
- 84.5年
- 87.5年
▶午後2
健康日本21(第二次)における1日の塩分摂取量の目標値で正しいのはどれか。
- 6.0g
- 8.0g
- 10.0g
- 12.0g
▶午後3
循環式浴槽の水質汚染で発症するのはどれか。
- コレラ
- A型肝炎
- レジオネラ肺炎
- 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
▶午後4
国民健康保険に加入している自営業者(40歳)の医療費の一部負担金の割合はどれか。
- 1割
- 2割
- 3割
- 4割
▶午後5
看護師は正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定している法律はどれか。
- 刑法
- 医療法
- 保健師助産師看護師法
- 看護師等の人材確保の促進に関する法律
▶午後6
大泉門が閉鎖する時期に最も近いのはどれか。
- 6か月
- 1歳6か月
- 2歳6か月
- 3歳6か月
▶午後7
正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。
- 生後3〜5日
- 生後8〜10日
- 生後13〜15日
- 生後18〜20日
▶午後8
エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。
- 親密 対 孤立
- 自律性 対 恥・疑惑
- 勤勉性 対 劣等感
- 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散
▶午後9
家族成員の最少人数はどれか。
- 4人
- 3人
- 2人
- 1人
▶午後10
地域保健法に規定されている市町村保健センターの業務はどれか。
- 病気の治療
- 住民の健康診査
- 看護師免許申請の受理
- 専門的で広域的な健康課題への対応
▶午後11
副交感神経の作用で正しいのはどれか。
- 瞳孔散大
- 気管支拡張
- 心拍数の増加
- 消化液分泌の促進
▶午後12
心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位はどれか。
- 洞房結節
- 房室結節
- His〈ヒス〉束
- Purkinje〈プルキンエ〉線維
▶午後13
成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。
- 球状の細胞である。
- 腎臓で破壊される。
- 寿命は約60日である。
- 酸素の輸送を担っている。
▶午後14
チアノーゼとは( )の絶対量が増加して5g/dL以上になり、皮膚や粘膜が紫から青紫色を示す状態のことをいう。
( )に入るのはどれか。
- ビリルビン
- ヘモグロビン
- ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉
- 脱酸素化ヘモグロビン〈還元ヘモグロビン〉
▶午後15
飛沫感染するのはどれか。
- 疥癬
- 破傷風
- デング熱
- インフルエンザ
▶午後16
モルヒネの副作用(有害事象)はどれか。
- 出血
- 難聴
- 便秘
- 骨髄抑制
▶午後17
上腕動脈で行う聴診法による血圧測定で適切なのはどれか。
- 成人では9〜10cm幅のマンシェットを用いる。
- マンシェットの下端と肘窩が重なるように巻く。
- マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるようにする。
- マンシェットと腕の間に指が3、4本入る程度の強さで巻く。
▶午後18
グリセリン浣腸を準備する際の浣腸液の温度で適切なのはどれか。
- 20℃
- 30℃
- 40℃
- 50℃
▶午後19
不活動状態が持続することで生じるのはどれか。
- 廃用症候群
- 緊張病症候群
- 慢性疲労症候群
- シックハウス症候群
▶午後20
入浴の援助で正しいのはどれか。
- 入浴前後は水分制限をする。
- 入浴時の湯温は45℃とする。
- 脱衣室と浴室の温度差を小さくする。
- 浴室に入り、始めに浴槽に浸かるように促す。
▶午後21
成人の気道の異物除去を目的とするのはどれか。
- 胸骨圧迫
- 人工呼吸
- 頭部後屈顎先挙上法
- 腹部圧迫法〈Heimlich〈ハイムリック〉法〉
▶午後22
看護師が行う処置で滅菌手袋を使用すべきなのはどれか。
- 筋肉内注射
- 口腔内吸引
- ストーマパウチの交換
- 尿道カテーテルの挿入
▶午後23
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
- 15〜20度
- 35〜40度
- 55〜60度
- 75〜80度
▶午後24
成人の一次救命処置〈BLS〉における胸骨圧迫の速さ(回数)で正しいのはどれか。
- 40〜60回/分
- 70〜90回/分
- 100〜120回/分
- 130〜150回/分
▶午後25
腹部前面を図に示す。
McBurney〈マックバーニー〉圧痛点はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
第112回看護師国家試験・一般問題
▶午前26
骨格筋の細胞膜には( )に対する受容体がある。自己抗体がこの受容体の働きを阻害すると骨格筋は収縮できなくなる。
( )に入る神経伝達物質として正しいのはどれか。
- アセチルコリン
- アドレナリン
- ドパミン
- ノルアドレナリン
▶午前27
健常な女子(15歳)が野外のコンサートで興奮し、頻呼吸を起こして倒れた。
このときの女子の体内の状態で正しいのはどれか。
- アルカローシスである。
- ヘマトクリットは基準値よりも高い。
- 動脈血酸素飽和度〈SaO2〉は100%を超えている。
- 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉は基準値よりも高い。
▶午前28
薬物の分解、排泄の速さの指標となるのはどれか。
- 最高血中濃度
- 生物学的半減期
- 濃度曲線下面積
- 最高血中濃度到達時間
▶午前29
多発性骨髄腫で腫瘍化しているのはどれか。
- B細胞
- T細胞
- 形質細胞
- 造血幹細胞
▶午前30
くも膜下出血の成因で最も多いのはどれか。
- 外傷
- 脳腫瘍
- 脳動脈瘤
- 脳動静脈奇形
▶午前31
社会保険制度と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。
- 医療保険――健康保険法
- 介護保険――高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉
- 雇用保険――社会福祉法
- 年金保険――生活困窮者自立支援法
▶午前32
老人福祉法と介護保険法のいずれにも位置付けられている施設はどれか。
- 介護医療院
- 介護老人保健施設
- 老人福祉センター
- 老人デイサービスセンター
▶午前33改題
ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について正しいのはどれか。
- 令和3年(2021年)の新規感染者数は10年前に比べ増加している。
- 日本では異性間の性的接触による感染が最も多い。
- 早期に発見して治療を開始すれば完治する。
- 保健所でのHIV検査は匿名で受けられる。
▶午前34
医療計画について正しいのはどれか。
- 基準病床数を定める。
- 5年ごとに見直しを行う。
- 特定機能病院の基準を定める。
- 一次、二次および三次医療圏を設定する。
▶午前35
ノロウイルス感染症に罹患した患者の嘔吐物が床に飛び散っている。
この処理に使用する消毒薬で適切なのはどれか。
- 70%エタノール
- ポビドンヨード
- 塩化ベンザルコニウム
- 次亜塩素酸ナトリウム
▶午前36
臨死期の身体的変化はどれか。
- 尿量が増加する。
- 全身の筋肉が硬直する。
- 不規則な呼吸が出現する。
- 頸動脈が触れなくなった後、橈骨動脈が触れなくなる。
▶午前37
成人女性に対するベッド上での排泄援助とその目的の組合せで適切なのはどれか。
- 窓を開ける。――寒冷刺激による排尿促進
- 上半身を挙上する。――腹圧のかけやすさによる排泄促進
- 外陰部にトイレットペーパーを当てる。――尿臭の防止
- 便器の底にトイレットペーパーを敷く。――寝具の汚染防止
▶午前38
成人のノンレム睡眠の特徴はどれか。
- 体温が上昇する。
- 急速な眼球運動がある。
- 加齢に伴い時間が長くなる。
- 睡眠周期の前半にみられる。
▶午前39
穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。
- 胸腔穿刺――胸骨柄
- 骨髄穿刺――第3・4腰椎間
- 腹腔穿刺――腹直筋外側の側腹部
- 腰椎穿刺――上前腸骨棘
▶午前40
毒薬の保管方法を規定している法律はどれか。
- 薬剤師法
- 毒物及び劇物取締法
- 麻薬及び向精神薬取締法
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉
▶午前41
輸血用血液製剤と保存温度の組合せで正しいのはどれか。
- 血小板成分製剤――2~6℃
- 赤血球成分製剤――2~6℃
- 血漿成分製剤――20〜24℃
- 全血製剤――20〜24℃
▶午前42
真空採血管とホルダーを用いて静脈血採血を実施するときに、駆血を解除するタイミングで適切なのはどれか。
- 採血針を皮膚に刺した直後
- 真空採血管内への血液の流入が始まったとき
- 真空採血管内への血液の流入が終わったとき
- ホルダーから真空採血管を抜去した後
▶午前43
MRI検査室に持ち込んでよいのはどれか。
- 耳栓
- 携帯電話
- 使い捨てカイロ
- キャッシュカード
▶午前44
ムーア, F. D.が提唱した外科的侵襲を受けた患者の生体反応で正しいのはどれか。
- 傷害期では尿量が増加する。
- 転換期では循環血液量が増加する。
- 筋力回復期では蛋白の分解が進む。
- 脂肪蓄積期では活動性が低下する。
▶午前45
関節拘縮の予防を目的とした関節可動域〈ROM〉訓練で正しいのはどれか。
- 関節を速く動かす。
- 運動麻痺がある場合は患側から行う。
- 他動運動は痛みが生じないように行う。
- 徒手筋力テストの結果が1以下の場合は自動運動を促す。
▶午前46
放射線治療で人体の吸収線量を表す単位はどれか。
- Bq
- eV
- Gy
- Sv
▶午前47
Aさん(62歳、男性)は呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され、呼吸機能検査を受けた。
換気障害の分類を図に示す。
Aさんの換気障害の分類で当てはまるのはどれか。
- A
- B
- C
- D
▶午前48
右肺尖部の肺癌の胸壁への浸潤による症状はどれか。
- 散瞳
- 構音障害
- 閉眼困難
- 上肢の疼痛
▶午前49
胃切除術後のダンピング症候群を予防するための食事指導で適切なのはどれか。
- 15分以内に食べる。
- 糖質の多い食事を摂る。
- 1回の摂取量を少なくする。
- 1日の食事回数を少なくする。
▶午前50
重度の肝硬変で基準値よりも低い値を示す血液検査項目はどれか。
- 血清アルブミン〈Alb〉
- 血清ビリルビン〈Bil〉
- 血中アンモニア〈NH3〉
- プロトロンビン時間〈PT〉
▶午前51
成人のばね指で正しいのはどれか。
- 男性に多い。
- 原因は腱の炎症である。
- 好発部位は示指である。
- 積極的にストレッチを行う。
▶午前52
広汎子宮全摘出術を受けた患者への退院後の生活に関する説明で正しいのはどれか。
- 「術後2週から性交は可能です」
- 「定期的に排尿を試みてください」
- 「調理のときは手袋をしてください」
- 「退院当日から浴槽の湯に浸かることができます」
▶午前53
老化に伴う血液・造血器系の変化で適切なのはどれか。
- エリスロポエチンが増加する。
- 黄色骨髄が減少する。
- 顆粒球数が増加する。
- 赤血球数が減少する。
▶午前54
高齢者の身体拘束に関する説明で適切なのはどれか。
- 身体拘束の実施は担当看護師が決定する。
- ミトン型の手袋の使用は身体拘束ではない。
- 本人が身体拘束に同意していれば家族への説明は不要である。
- 切迫性、非代替性および一時性の全てを満たしている場合に検討される。
▶午前55
65歳以上の高齢者が要介護認定の有無に関わらず利用できるのはどれか。
- 介護予防教室
- 介護老人保健施設
- 夜間対応型訪問介護
- 通所介護〈デイサービス〉
▶午前56
入院中の高齢者への看護師の対応で適切なのはどれか。
- 入院当日から複数の看護師が関わる。
- 1回の訪室で多くの情報を聴取する。
- 1日のスケジュールは口頭で説明する。
- 退院後の生活を予測して情報収集する。
▶午前57
1歳6か月の身体発育曲線(体重)を示す。
異常が疑われるのはどれか。
▶午前58
幼児期の心理社会的特徴はどれか。
- 自己中心性
- 心理的離乳
- ギャングエイジ
- ボディイメージの変容
▶午前59
正常な幼児期の基本的生活習慣で、2歳0か月ころまでに習得するのはどれか。
- 鼻をかむ。
- スプーンを使う。
- 夜間のおむつがとれる。
- 洋服のボタンをとめる。
▶午前60
母子保健法に規定されているのはどれか。
- 母子健康包括支援センター
- 乳児家庭全戸訪問事業
- 助産施設
- 特定妊婦
▶午前61
排卵のある正常な月経周期で正しいのはどれか。
- 黄体は形成後1週間で萎縮する。
- エストロゲンの作用で子宮内膜が分泌期になる。
- 発育した卵胞の顆粒膜細胞からプロゲステロンが分泌される。
- エストロゲンのポジティブフィードバックによって黄体形成ホルモンの分泌が増加する。
▶午前62
不妊症について正しいのはどれか。
- 約6割は原因不明である。
- 検査に基礎体温測定がある。
- 治療の1つに不妊手術がある。
- 女性の年齢は治療効果に影響しない。
▶午前63
正常な分娩経過はどれか。
- 骨盤入口部に児頭が進入する際、児の頤部が胸壁に近づく。
- 骨盤出口部に達した時点で、児頭の矢状縫合は母体の骨盤の横径に一致する。
- 児頭娩出後、胎児は肩の長軸が骨盤出口部の横径に一致するよう回旋する。
- 児頭が発露したころに胎盤が剝離する。
▶午前64
新生児の呼吸窮迫症候群〈RDS〉で正しいのはどれか。
- 呼吸数が減少する。
- 過期産児に発症しやすい。
- 生後24時間ころから発症する。
- 肺サーファクタントの欠乏が原因で生じる。
▶午前65
小児期から青年期に発症し、運動性チック、音声チック及び汚言の乱用を伴うのはどれか。
- Down〈ダウン〉症候群
- Tourette〈トゥレット〉障害
- 注意欠如・多動性障害〈ADHD〉
- Lennox-Gastaut〈レノックス・ガストー〉症候群
▶午前66
患者の権利や力を尊重し、自己制御している感覚を持たせ、患者が社会生活に必要な技能や能力を獲得する支援を意味するのはどれか。
- リカバリ
- ストレングス
- レジリエンス
- エンパワメント
▶午前67
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、精神障害者に適用されるのはどれか。
- 障害基礎年金
- 一定割合の雇用義務
- 精神障害者保健福祉手帳
- 自立支援医療〈精神通院医療〉
▶午前68
Aさん(85歳、男性)は1人暮らしで判断能力が不十分である。4親等以内の親族はいない。
訪問看護事業所におけるAさんの情報管理で適切なのはどれか。
- 成年後見人にAさんの訪問看護計画を説明する。
- 地域の民生委員にAさんの経済状況を知らせる。
- Aさんの訪問記録を電子メールに添付して援助者間で共有する。
- 新たなサービスの利用を検討する他の利用者にAさんのケアプランを見せる。
▶午前69
Aさん(80歳、女性)は1人暮らしで、在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。訪問看護師はAさんに停電時を想定した避難行動の指導を行うことにした。
Aさんの停電時の避難行動で優先度が高いのはどれか。
- 電気のブレーカーを落とす。
- 玄関の扉を開けて出口を確保する。
- 訪問看護ステーションに連絡をする。
- 酸素濃縮器から酸素ボンベに切り替える。
▶午前70
介護保険制度における都道府県が指定・監督を行う居宅サービスはどれか。
- 福祉用具貸与
- 小規模多機能型居宅介護
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉
▶午前71
Aさん(70歳、男性、要介護1)は脳梗塞の後遺症で左不全麻痺がある。家屋内は杖を使用して移動が可能である。Aさんから「入浴が不安なので安全な方法を教えてほしい」と訪問看護師に相談があった。
Aさんへの助言で適切なのはどれか。
- 手すりは左手で持つ。
- 左足から浴槽に入る。
- 浴室内を杖で移動する。
- 浴槽から出るときは入浴台〈バスボード〉を使う。
▶午前72
看護マネジメントのプロセスの「統制」はどれか。
- 看護職員の仕事への動機付けを行う。
- 病棟の目標をもとに看護活動の年間計画を立案する。
- 褥瘡ケアの改善に取り組むための担当チームを構成する。
- 病棟の1年間の業務評価に基づき看護活動の計画を修正する。
▶午前73
職員数が300人の病院の看護師の働き方に関するマネジメントで、労働安全衛生法に基づいて規定されているのはどれか。
- 1年以内ごとに1回、定期に心理的な負担の程度を把握するための検査を行う。
- 8時間を超える夜勤の時は1時間以上の休憩時間を確保する。
- 生理日に就業が著しく困難な場合は休暇の請求ができる。
- 妊娠中は請求すれば時間外労働が免除される。
▶午前74
国際協力として5歳未満児死亡率の高い地域に1年間派遣されることになった看護師が、派遣される地域の住民に対して行う活動でプライマリヘルスケアの原則に基づいた活動はどれか。
- 高度な治療を目的とした活動
- 医学的研究の遂行を優先した活動
- 派遣先で入手できる資源を利用した活動
- 派遣される専門家チームを中心とする活動
▶午前75
音を感知するラセン器〈Corti〈コルチ〉器〉があるのはどれか。
- 蝸牛管
- 半規管
- 鼓室
- 鼓膜
- 前庭
▶午前76
正常な糸球体で濾過される物質はどれか。
- フィブリノゲン
- ミオグロビン
- アルブミン
- 血小板
- 赤血球
▶午前77
冷たい川に飛び込んだときに急激に体温が低下する原因で正しいのはどれか。
- 対流による体熱の放散
- 放射による体熱の放散
- 熱伝導による体熱の放散
- 代謝による熱エネルギー産生の低下
- 骨格筋における熱エネルギー産生の低下
▶午前78
インスリンを過剰に投与したときに現れる症候で正しいのはどれか。
- 発熱
- 浮腫
- 口渇感
- 顔面紅潮
- 手足のふるえ
▶午前79
僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。
- 弁口面積が拡大する。
- 左心房内圧が上昇する。
- 狭心痛を合併することが多い。
- 弁尖の先天的な3尖化が原因となる。
- 胸骨右縁第2肋間で心雑音を聴取する。
▶午前80
検査の画像を別に示す。
狭心症の手術に最も重要な検査はどれか。
- A
- B
- C
- D
- E
▶午前81
変形性膝関節症について正しいのはどれか。
- 男性に多い。
- 第一選択は手術療法である。
- 変形性関節症の中で2番目に多い。
- 二次性のものが一次性のものより多い。
- 経時的に進行して10年で半数が悪化する。
▶午前82
学校保健安全法で出席停止となる学校感染症のうち、第二種に分類されているのはどれか。
- インフルエンザ
- 細菌性赤痢
- ジフテリア
- 腸チフス
- 流行性角結膜炎
▶午前83
成人におけるバイタルサインで緊急に対応が必要なのはどれか。
- 脈拍 70/分
- 体温 34.4℃
- 呼吸数 14/分
- 血圧 130/80mmHg
- グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉15点
▶午前84
老化による尿の生成と排尿機能の変化はどれか。
- 排尿回数の減少
- 膀胱容量の増加
- 夜間尿量の減少
- 残尿量の増加
- 尿比重の上昇
▶午前85
定期予防接種について正しいのはどれか。
- BCG接種前にツベルクリン反応を実施する。
- ロタウイルスワクチンは不活化ワクチンである。
- ポリオウイルスワクチンの定期接種は廃止された。
- 麻疹ウイルスワクチンは就学までに4回接種する。
- ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは筋肉内注射する。
▶午前86
緑内障について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 眼球が突出する。
- 視神経が萎縮する。
- 硝子体が混濁する。
- 眼底に出血がみられる。
- 眼圧の上昇が原因となる。
▶午前87
高齢者に脱水が起こりやすくなる要因はどれか。2つ選べ。
- 骨量の減少
- 筋肉量の減少
- 細胞内液量の減少
- 渇中枢の感受性の亢進
- 抗利尿ホルモンの反応性の亢進
▶午前88
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく入院形態で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 応急入院は72時間以内に限られている。
- 緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。
- 措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。
- 精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。
- 医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。
▶午前89
クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。
- 在宅療養には適用できない。
- 医療者と患者が治療計画を共有できる。
- バリアンス発生の判断は退院日に行う。
- 多職種間のコミュニケーションが不要になる。
- 一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。
▶午前90
看護のアウトカムを評価するために収集する情報はどれか。2つ選べ。
- 褥瘡発生率
- 患者の満足度
- 研修会の開催回数
- 新人看護師の離職率
- 退院指導の実施回数
▶午後26
心周期に伴う心臓の変化で、収縮期の初期には心室の容積は変わらずに内圧が上昇していく。
このときの心臓で正しいのはどれか。
- 僧房弁は開いている。
- 大動脈弁は開いている。
- 左心室の容積は最小である。
- 左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。
▶午後27
リンパの流れで正しいのはどれか。
- 成人の胸管を流れる量は1日約10Lである。
- 右上半身のリンパは胸管に流入する。
- 中枢から末梢への一方向に流れる。
- 筋運動を行うと流量は増加する。
▶午後28
肥大型心筋症について正しいのはどれか。
- ウイルス感染が主な病因である。
- 拡張障害が問題となる。
- 左室内腔は拡大する。
- 弁膜に肥厚を認める。
▶午後29
歯周病について正しいのはどれか。
- 原因はウイルス感染が多い。
- 発症の直接因子として飲酒がある。
- 真性ポケットが形成される歯周炎を含む。
- 破壊が歯槽骨まで及んでいるのは歯肉炎である。
▶午後30
帯状疱疹について正しいのはどれか。
- 運動神経麻痺は生じない。
- 感染の既往として水痘がある。
- ウイルスは発症後1か月で消滅する。
- 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。
▶午後31改題
令和4年度(2022年度)の家族に関する調査で正しいのはどれか。
- 人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である。
- 労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない。
- 人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である。
- 雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が17.13%である。
▶午後32
生活保護法の扶助の種類とその内容の組合せで正しいのはどれか。
- 医療扶助――医療にかかる費用
- 教育扶助――高等学校以上の教育にかかる費用
- 住宅扶助――住宅の購入にかかる費用
- 出産扶助――新生児の育児用品にかかる費用
▶午後33
健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。
- 罹患率が高い疾患は有病率が高くなる。
- 推計患者数には助産所を利用した者を含む。
- 受療率は人口10万人に対する推計患者数である。
- 平均在院日数は調査時点で入院している者の在院日数の平均である。
▶午後34
介護保険法と社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に実施できる医行為はどれか。
- 摘便
- 喀痰吸引
- 血糖測定
- インスリン注射
▶午後36
針刺し事故を防止する方法で適切なのはどれか。
- 採血時に手袋を着用する。
- 採血部位をアルコールで消毒する。
- 抜針した採血針はキャップをして破棄する。
- 針専用の廃棄容器は容量が8割程度に達したら処分する。
▶午後37
安楽な姿勢を保持する体位と枕を挿入する位置の組合せで適切なのはどれか。
- Sims〈シムス〉位――腰背部
- 側臥位――胸腹部
- 半座位――前胸部
- 腹臥位――膝窩部
▶午後38
便の性状と原因の組合せで正しいのはどれか。
- 灰白色便――Crohn〈クローン〉病
- 鮮紅色便――鉄剤の内服
- タール便――上部消化管出血
- 米のとぎ汁様便――急性膵炎
▶午後39
患者の足底と杖をつく位置を図に示す。
両上肢の動きに制限がなく、右下肢に軽度の筋力低下がある患者の三点歩行で、歩き始めの杖の位置が適切なのはどれか。
- A
- B
- C
- D
▶午後40
創傷治癒の成熟期の状態はどれか。
- マクロファージが創内を清浄化する。
- 基底細胞が創面を覆う。
- 肉芽組織を形成する。
- 瘢痕を形成する。
▶午後41
成人への与薬方法で正しいのはどれか。
- 筋肉内注射は大殿筋に行う。
- 坐薬は肛門から1cm挿入する。
- バッカル錠は、かんでから飲み込む。
- 点眼薬は下眼瞼結膜の中央に滴下する。
▶午後42
成人に対する自動体外式除細動器〈AED〉の使用で正しいのはどれか。
- 胸部が濡れている場合は電極パッドを貼る前に拭き取る。
- 電極パッドは左前胸部に並べて貼る。
- 心電図の解析中にも胸骨圧迫を継続する。
- 心拍が再開されたら電極パッドを直ちにはがす。
▶午後43
経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定値に影響を及ぼすのはどれか。
- 頻脈
- 高血圧
- 高体温
- 末梢循環不全
▶午後44
仰臥位で手術を受けた患者が術後に上肢の薬指と小指のしびれを訴えた。
しびれの原因として考えられるのはどれか。
- 頸部の伸展
- 前腕の回内
- 肩関節の内旋
- 肘関節の伸展
▶午後45
Aさん(58歳)は筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で在宅療養をしている。嚥下機能の低下が進行したため入院し、胃瘻の造設が検討されているが、経口摂取の継続を希望している。
看護師が連携する職種で優先度が高いのはどれか。
- 言語聴覚士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 介護支援専門員
▶午後46
臨死期にある患者の家族から「のどがゴロゴロと鳴っていて苦しんでいます。この苦痛をとってあげたい」と相談された。看護師が、呼吸音を聴取すると咽頭に雑音を認めた。
患者の苦痛を緩和するための対応で適切なのはどれか。
- 顔を横に向ける。
- 気管支拡張薬を用いる。
- 口腔内をガーゼで拭く。
- 雑音が消失するまで吸引する。
▶午後47
成人の気管支喘息に対する副腎皮質ステロイド薬の吸入で正しいのはどれか。
- 糖尿病の患者への投与は禁忌である。
- 副作用〈有害事象〉に不整脈がある。
- 重積発作の際に使用する。
- 吸入後は含嗽を促す。
▶午後48
Aさん(43歳、男性)は胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため血液検査を行い、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療を行うことになった。
血液検査の項目でAさんに生じた合併症を判断できるのはどれか。
- アミラーゼ〈AMY〉
- アルブミン〈Alb〉
- カリウム〈K〉
- クレアチンキナーゼ〈CK〉
▶午後49
パッチテストで皮膚反応を観察するタイミングはどれか。
- 12時間後
- 24時間後
- 36時間後
- 48時間後
▶午後50
シクロホスファミドを投与している患者で注意が必要なのはどれか。
- 緑内障
- 間質性肺炎
- 歯肉の肥厚
- 出血性膀胱炎
▶午後51
ヒトパピローマウイルス〈HPV〉検査の説明で正しいのはどれか。
- 「子宮頸部の細胞をこすり取って検査します」
- 「HPVワクチンを接種した人が対象です」
- 「陽性であれば子宮頸癌と診断されます」
- 「HPV抗原検査も同時に行います」
▶午後52
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのはどれか。
- 75歳以上の通院率は約9割である。
- 65歳以上の半数以上が有訴者である。
- 65歳以上の外来受療率は年齢が上がるほど高くなる。
- 65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。
▶午後53
平成30年度(2018年度)の高齢者の住宅と生活環境に関する調査で、高齢者がいる世帯で賃貸住宅に住んでいる世帯の割合が最も多いのはどれか。
- 単身世帯
- 三世代世帯
- 夫婦のみの世帯
- 単身の子どもと同居世帯
▶午後54
Aさん(80歳、女性)は脳梗塞の後遺症のため要介護5と認定され、治療を終えて退院することになった。Aさんの息子の妻が「義母が退院したら同居して、私が初めて介護することになります」と不安そうに看護師に話しかけてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 「介護は楽しいですよ」
- 「介護にはすぐに慣れますよ」
- 「家族で介護できるよう頑張りましょう」
- 「介護についてどのような思いがありますか」
▶午後55
子どもの発達で正しいのはどれか。
- 発達は急速な時期と緩慢な時期がある。
- 原始反射は生後6〜12か月にみられる。
- 基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。
- 新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。
▶午後56
乳歯について正しいのはどれか。
- 永久歯より石灰化度が高い。
- 生後8か月に生えそろう。
- 胎児期に石灰化が始まる。
- 本数は永久歯と同じである。
▶午後57
子どもの平行遊びで正しいのはどれか。
- 3歳ころまでの主要な遊びである。
- 他の子どもが遊ぶ様子を見て楽しむ。
- リーダーの存在や役割の分担がある。
- 他の子どもとおもちゃの貸し借りを行う。
▶午後58
母体保護法に規定されているのはどれか。
- 産後の休業
- 妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限
- 妊娠したことを理由とした不利益な取扱いの禁止
- 経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶
▶午後59
閉経について正しいのはどれか。
- 閉経すると腟の自浄作用が低下する。
- 閉経後はエストロゲン分泌が増加する。
- 日本人の閉経の平均年齢は55歳である。
- 10か月の連続した無月経の確認で診断される。
▶午後60
妊娠に伴う母体の生理的変化とその時期の組合せで正しいのはどれか。
- 体温が低下する。――妊娠5週ころ
- 乳房が緊満する。――妊娠15週ころ
- つわりが軽減する。――妊娠11週ころ
- 循環血液量が最大になる。――妊娠32週ころ
▶午後61
産褥期の生理的変化で正しいのはどれか。
- 児が乳頭を吸啜することによってオキシトシンが分泌される。
- 子宮が非妊時の大きさに戻るのは分娩後約2週である。
- 分娩後は一時的に尿量が減少する。
- プロゲステロンが増加する。
▶午後62
大規模災害が発生し、被災した住民は自治体が設置した避難所に集まり避難生活を始めた。発災3日、自治体から派遣された看護師は避難所の片隅で涙ぐんでいるAさんへの関わりを始めた。Aさんは「悲しい気持ちが止まりません」と話している。
このときのAさんへの看護師の発言で適切なのはどれか。
- 「災害以外のことを何か考えましょう」
- 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」
- 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」
- 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」
▶午後63
精神病床に入院し、身体的拘束が必要となる攻撃性の高い精神疾患患者のケアで正しいのはどれか。
- 心的外傷〈トラウマ〉体験を想定して支援を行う。
- 患者が暴力行為に及んだ場合は積極的に反省を促す。
- 患者の攻撃性が収まるまで疾患や治療の教育を行うことは避ける。
- 患者の身体的拘束が解除されてから病棟のスケジュールの説明を行う。
▶午後64
一般の事業所や企業に就労を希望する精神障害者に対して行う支援で、24か月間を原則として就職に必要な訓練や求職活動を行うのはどれか。
- 就労移行支援
- 自立生活援助
- ピアサポート
- 就労継続支援A型
▶午後65
Aさん(70歳、男性)は神経因性膀胱のため、膀胱留置カテーテルを挿入し在宅療養を開始することになった。
Aさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。
- 外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
- カテーテルは大腿の内側に固定する。
- 蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
- カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。
▶午後66
Aさん(88歳、女性、要介護1)は長女(58歳、会社員)と2人暮らしで、胃瘻を造設し訪問看護を利用している。看護師の訪問時、Aさんは頭痛、嘔気を訴え、ベッドに横になっていた。バイタルサインは、体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整、血圧102/76mmHg、口唇が乾燥している。室温は30℃である。長女に連絡し、かかりつけ医に往診を依頼することにした。
医師が到着するまでの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
- 頭を高くする。
- 腋窩を冷やす。
- 水を飲ませる。
- 中枢から末梢に下肢をマッサージする。
▶午後67
指定訪問看護ステーションについて正しいのはどれか。
- 看護職員以外は配置できない。
- 緊急時用の薬剤の保管が義務付けられている。
- 訪問看護指示書に基づいて療養者のケアを行う。
- 従事する看護職員は5年以上の臨床経験が必要である。
▶午後68
Aさん(63歳、男性)は妻と2人暮らしで、肺癌の終末期で在宅医療を受けて医療用麻薬を使用中である。看護師が訪問したとき、Aさんは椅子に座って咳をしながら苦痛に耐えている様子であった。妻は「レスキュー薬が効くまでは苦しそうなので、何か私にできることはありますか」と訪問看護師に尋ねた。
このときの訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。
- 救急車を要請するよう提案する。
- Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。
- Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。
- 一度に倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。
▶午後69
A病院の組織図を示す。
医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
▶午後70
医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うのはどれか。
- 医療安全支援センターを設置する。
- 医療安全管理者養成研修を実施する。
- 医療の安全を確保するための指針を策定する。
- 医療安全管理のために必要な研修を2年に1回実施する。
▶午後71
災害時の医療を支える体制で正しいのはどれか。
- 地域災害拠点病院は市町村が指定する。
- 災害対策基本法に防災計画の作成が規定されている。
- トリアージは救命困難な患者の治療を優先するために行う。
- 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行う。
▶午後72
Aさん(58歳、男性)は外国籍の妻(40歳)と10年前に結婚し、2人で暮らしている。虚血性心疾患と診断され、外来看護師による生活指導を妻と一緒に受けることになった。初回の面談で、A さんは「10年間で体重が10kg増えました。妻の母国の習慣で味が濃いおかずや揚げ物とご飯を1日に何度も食べています。最近、2人とも運動をしなくなりました」と話した。
このときの外来看護師のAさんと妻への最初の対応で適切なのはどれか。
- 生活習慣の改善についてAさんと妻に考えを聞く。
- 食事は1日3回までにするよう指導する。
- 毎日1時間のウォーキングを提案する。
- 料理教室に通うことを勧める。
▶午後73
上肢の運動を図に示す。
肩関節の屈曲の可動域測定で正しいのはどれか。
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
▶午後74
細菌が体内に初めて侵入したときに最初に産生される免疫グロブリンはどれか。
- IgA
- IgD
- IgE
- IgG
- IgM
▶午後75
膀胱の蓄尿と排尿反射で正しいのはどれか。
- 排尿中枢はホルモンによって制御される。
- 排尿反射は交感神経を介して起こる。
- 蓄尿時に内尿道括約筋は収縮する。
- 排尿時に外尿道括約筋は収縮する。
- 蓄尿時に排尿筋は収縮する。
▶午後76
全身性エリテマトーデス〈SLE〉でプレドニゾロンを長期間服用している成人女性の患者で、血中濃度が顕著に低下しているのはどれか。
- インスリン
- 甲状腺ホルモン
- エストラジオール
- 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
- 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉
▶午後77
心電図検査の胸部誘導で電極を第4肋間胸骨右縁に装着するのはどれか。
- Ⅰ
- V1
- V2
- V4
- aVR
▶午後78
プリン体の代謝産物である尿酸で正しいのはどれか。
- 下肢末端は温度が下がるので結晶化しやすい。
- 男性ホルモンによって腎排泄が増加する。
- 激しい運動で産生が減少する。
- 利尿薬によって排泄される。
- 肝臓で分解される。
▶午後79
血液透析について正しいのはどれか。
- 合併症は腹膜炎が多い。
- 食事はカルシウムを制限する。
- 導入初期には不均衡症候群が起こる。
- 導入の原因疾患はIgA腎症が最も多い。
- 透析に用いる半透膜はタンパク質が通過する。
▶午後80
成人に経鼻経管栄養の胃管を挿入する方法で適切なのはどれか。
- 無菌操作で行う。
- 挿入時、患者の体位は仰臥位にする。
- 胃管が咽頭に達するまで頸部を前屈してもらう。
- 胃管が咽頭に達したら嚥下を促す。
- 水を注入して胃管の先端が胃内に到達したことを確認する。
▶午後81
介護保険サービスを利用して購入できるのはどれか。
- 簡易浴槽
- 特殊寝台
- 体位変換器
- 移動用リフト
- 取り付け工事を伴わないスロープ
▶午後82
標準的な成長をしている正期産児の身長が出生時の約2倍になるのはどれか。
- 生後6か月
- 生後12か月
- 2歳
- 4歳
- 6歳
▶午後83
女子の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。
- エストロゲン
- オキシトシン
- 成長ホルモン
- 甲状腺ホルモン
- テストステロン
▶午後84
Aさん(25歳、女性)は統合失調症と診断され、入院2か月が経過した。食事や水分の摂取、トイレ歩行は1人でできる。歯磨き、入浴への関心はあまりない。幻聴が聞こえると突然走り出し、壁に頭をぶつけている。日中はホールで過ごし、自分から他の患者と交流はしない。
Aさんのセルフケアのアセスメントで優先度が高いのはどれか。
- 排泄
- 個人衛生
- 安全を保つ能力
- 活動と休息のバランス
- 孤独と付き合いのバランス
▶午後85
薬物血中濃度モニタリング〈TDM〉の実施が必要な薬物はどれか。2つ選べ。
- ヘパリン
- インスリン
- ジギタリス
- 炭酸リチウム
- ニトログリセリン
▶午後86
高齢者の睡眠で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 単相性の睡眠になる。
- 浅い眠りが少なくなる。
- 総睡眠時間が延長する。
- 中途覚醒の回数が増加する。
- 入眠するまでに時間がかかる。
▶午後87
高齢者の血液検査の結果で成人の基準値と比較して値が高くなるのはどれか。2つ選べ。
- 血小板数
- 尿素窒素
- 白血球数
- 食後血糖値
- AST〈GOT〉
▶午後88
精神保健における三次予防はどれか。2つ選べ。
- うつ病患者のリワーク支援を行う。
- 災害時の精神的支援を行うボランティアを育成する。
- 自殺企図をして未遂だった人の希死念慮を確認する。
- 精神障害者の長期入院による自発性の低下を予防する。
- 統合失調症のアンチ・スティグマ・キャンペーンを行う。
▶午後89
Aちゃん(小学4年生、女児)は父親(40歳、会社員)、母親(40歳、会社員)、弟(小学2年生)と4人で暮らしている。交通事故で頸髄損傷となり、訪問看護を利用して在宅療養を開始した。Aちゃんはこれまで通っていた小学校に継続して通学することを希望している。
Aちゃんの家族への看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 特別支援学校に転校するよう勧める。
- 弟の退行現象に注意するよう説明する。
- Aちゃんが利用できる社会資源を紹介する。
- Aちゃんのケアは主に母親が行うよう助言する。
- 事故については家族の間で話題にしないよう指導する。
▶午後90
500Lの酸素ボンベ(14.7MPa充塡)の内圧が10MPaを示している。この酸素ボンベを用いて3L/分で酸素吸入を行う。
使用可能な時間は何分か。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合は、小数点以下第1位を四捨五入すること。
解答: ① ② ③ 分
第112回看護師国家試験・状況設定問題
▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(47歳、男性、会社員)は妻と2人暮らしで、自宅の室内で犬を飼っている。15年前に慢性糸球体腎炎と診断され、徐々に腎機能低下が認められたので、2年前から慢性腎不全のため血液透析療法を週3回受けている。今回、弟から腎臓の提供の申し出があり、生体腎移植の目的で入院した。入院3日、Aさんの生体腎移植手術は予定通り終了した。
▶午前91
Aさんの手術直後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。
- 尿量
- 血糖値
- 白血球数
- シャント音
▶午前92
Aさんは術前からタクロリムスなど複数の免疫抑制薬を服用している。Aさんは「移植したら免疫抑制薬を飲む必要があることは分かっているのですが、退院後は何に気を付ければよいですか」と看護師に質問した。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
- 「犬は今まで通り室内で飼育できます」
- 「グレープフルーツは摂取しないでください」
- 「感染予防のため風疹のワクチン接種をしてください」
- 「薬を飲み忘れたときは2回分をまとめて服用してください」
▶午前93
Aさんは順調に回復し、移植後の拒絶反応もなく退院することになった。Aさんは「腎臓が悪くなってから気を付けないといけないことが多かったのですが、移植してこれまでの制約がなくなりますね」と話した。
Aさんの退院後の生活で継続が必要なのはどれか。
- 蛋白質の摂取制限
- 週3回の通院
- 水分の制限
- 体重の管理
▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(28歳、女性、美容師)はゴルフが趣味である。同居しているパートナーと1週前にゴルフに行った後から、顔面の紅斑、微熱、全身倦怠感および手指の関節痛が現れた。病院を受診したところ、全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断され入院した。Aさんは看護師に「これまで病気をしたことがなかったので、驚いています」と話した。
バイタルサイン:体温37.4℃、呼吸数18/分、脈拍64/分、整、血圧110/60mmHg。
血液所見:赤血球260万/μL、Hb9.0g/dL、白血球7,600/μL、血小板18万/μL、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、CRP0.7mg/dL、直接Coombs〈クームス〉試験陽性。
尿所見:尿蛋白(-)、尿潜血(-)。
神経学的検査:異常所見なし。
12誘導心電図:異常所見なし。
胸部エックス線写真:異常所見なし。
▶午前94
Aさんに生じている可能性が高いのはどれか。
- 心膜炎
- 溶血性貧血
- ループス腎炎
- 中枢神経ループス
▶午前95
Aさんはステロイドパルス療法の後、副腎皮質ステロイド薬の内服治療が開始された。入院3週ころから満月様顔貌がみられたため、外見の変化に気持ちが落ち込むようになった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
- 気にする必要はないと励ます。
- パートナーの面会を制限する。
- 外見よりも病気の治療を優先すると説明する。
- 薬の量が減れば満月様顔貌は軽減すると説明する。
▶午前96
Aさんは外来で副腎皮質ステロイド薬の内服治療を継続することになった。Aさんは「病気を悪化させないために退院後はどのような生活がよいでしょうか」と看護師に質問した。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。
- 「すぐに復職できます」
- 「避妊は必要ありません」
- 「身体を冷やさないでください」
- 「くもりなら屋外でゴルフができます」
▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(81歳、女性)は夫(86歳)と2人で暮らしている。高血圧症で内服治療をしているが、血圧のコントロールはできている。両眼に老人性白内障があり、老人性難聴のために補聴器を使用している。認知機能は問題なく、日常生活動作〈ADL〉はほぼ自立している。1年前から両眼の羞明、霧視が強くなり、視力が低下して趣味の編み物ができなくなってきた。また、家の中を移動するときに小さな段差につまずいたりドアにぶつかるなど、歩行時の転倒の危険性が増えた。Aさんは自宅での生活を安全に送りたい、趣味を続けたいという希望があり、10日間程度の入院で両眼の超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入術を行うことになった。
▶午前97
入院当日、病棟の看護師がAさんに対してパンフレットを用いて手術前オリエンテーションを行うことになった。
Aさんへのオリエンテーションの方法で適切なのはどれか。
- 耳元で大きな声で説明する。
- Aさんの身体に触れてから話しかける。
- 窓際の明るい場所でパンフレットを見せる。
- 手術後の注意点はパンフレットに赤色の太い文字で書く。
▶午前98
Aさんの手術は局所麻酔下で行われ、10分程度で終了した。手術中および手術直後のバイタルサインに問題はなく、病室に戻ってきた。Aさんは眼痛や頭痛、気分不快などの症状はなく、「無事に終わって良かった」と話している。
手術後のAさんへの説明で適切なのはどれか。
- 手術直後から点眼する。
- 洗顔は手術の翌日から行う。
- 手術後24時間はベッド上で安静にする。
- 医師の許可があるまでは頭を振る動作をしない。
▶午前99
手術後2日、Aさんは日中はベッドに横になって過ごしている時間が多い。夜間にAさんから看護師に「手術後はゆっくり眠れていません。どうしたらよいでしょうか」という訴えがあった。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 寝る前に温かい緑茶を飲むことを勧める。
- 日中はベッドから離れて過ごすことを促す。
- 眠れなくてもベッドに横になっていることを勧める。
- 夜はよく眠っているので様子をみましょうと伝える。
▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
Aさん(75歳、男性)は妻(75歳)と2人暮らしで、15年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。7年前よりレボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn&Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅣで、要介護2である。妻は腰痛のため毎日リハビリテーション目的で通院中である。妻の介護負担を軽減するため、Aさんは毎月10日間、介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。今回は妻の腰痛が増強したため、Aさんは予定を早めて入所した。Aさんは握力が低下しているが、スプーンを使用し自力で食事を摂取している。食事中に姿勢が崩れることが多く、むせや食べこぼしがある。
▶午前100
看護師のAさんへの食事援助で正しいのはどれか。
- 頸部を後屈した体位にする。
- 座位時の体幹を安定させる。
- 食後に嚥下体操を実施する。
- こぼさずに摂取できるよう全介助する。
▶午前101
Aさんは社交的で短期入所中はいつも介護老人保健施設の利用者や職員と笑顔で会話していたが、今回は、会話中に急に表情がなくなり声が聞きとれないほど小さくなったり、手足の震えが出現することがあった。食後に薬を内服すると症状は改善するが、内服して2時間後には同じような症状が現れることがあった。
Aさんの症状はどれか。
- オンオフ現象
- ジスキネジア
- アナフィラキシー反応
- ウェアリングオフ現象
▶午前102
妻の腰痛が改善したため、Aさんは自宅に戻ることになった。Aさんは「妻に負担をかけないように自分で動けるようになりたい。自宅でできる運動や注意することを教えてください」と看護師に話した。
Aさんへの指導で適切なのはどれか。
- 「毎日30分間の階段昇降を行いましょう」
- 「歩行時に腕を大きく振りましょう」
- 「小刻みに歩くようにしましょう」
- 「毎日1km歩きましょう」
▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
Aちゃん(2歳、男児)は両親、兄(5歳)の4人家族である。3日前から発熱が続くため、母親と一緒に外来を受診した。診察の結果、川崎病と診断され、個室に入院となり左手背に点滴静脈内留置針が挿入された。入院中は母親が希望し、Aちゃんに付き添っている。Aちゃんにγ-グロブリン療法とアスピリンの内服が開始されることになった。看護師がγ-グロブリン療法の開始のために訪室すると、Aちゃんは不機嫌にぐずって泣いている。
▶午前103
γ-グロブリン療法の開始に伴う看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
- γ-グロブリン製剤の投与中もAちゃんと売店に行けると母親に伝える。
- 留置針の自己抜去防止のために右肘関節に抑制帯を使用する。
- 心負荷の軽減のためにAちゃんの経口水分摂取を制限する。
- 心電図モニターの装着を確認する。
- 留置針の刺入部を観察する。
▶午前104
Aちゃんの入院中、母親は一度も自宅に帰らずに付き添いを続けている。入院3日の朝に看護師が訪室したところ、母親が「夫から電話があって、Aの入院後、兄がほとんど寝ずに大泣きしているらしく、私は心配です」と話している。
母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
- 病室内でAちゃんと兄を面会させてよいと伝える。
- Aちゃんのことに集中するべきであると伝える。
- 兄と関わる時間を持てるよう母親に帰宅を促す。
- 退院の可否を医師と相談すると伝える。
▶午前105
入院4日、Aちゃんは解熱し活気が出てきた。翌日、看護師がAちゃんを観察すると、手指の先端から皮膚が膜のように薄くむけていた。
この所見に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。
- γ-グロブリン療法の副作用〈有害事象〉である。
- 皮膚のツルゴールが低下している。
- 川崎病の回復期の症状である。
- 皮膚科の受診が必要である。
▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(33歳、初産婦、会社員)は夫と2人で暮らしている。妊娠28週5日、夕方から下腹部に生理痛のような痛みを感じ、少量の性器出血があったため来院した。来院時、子宮口2cm開大、未破水、8分おきに20秒持続する子宮収縮があり、切迫早産と診断された。子宮収縮抑制薬(リトドリン塩酸塩)の点滴静脈内注射と安静による治療が開始された。
▶午前106
点滴を開始して30分後に看護師が訪室すると、AさんはFowler〈ファウラー〉位で休んでいた。
このときのAさんの状態で看護師が注意して観察すべき項目はどれか。
- 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉
- 血圧
- 呼吸数
- 脈拍
▶午前107
切迫早産の症状がなくなり、Aさんは妊娠35週0日で退院した。妊娠36週0日に妊婦健康診査のために来院した。ノンストレステスト〈NST〉を実施中に、「気分が悪い」とナースコールがあり看護師が訪れると、Aさんは仰臥位になっていた。
Aさんへの対応で看護師が最初に行うのはどれか。
- 医師に報告する。
- 血圧測定を行う。
- 左側臥位にする。
- 酸素吸入を行う。
▶午前108
Aさんは妊娠36週5日、8時に分娩が開始した。16時30分に子宮口全開大、16時35分に自然破水、18時30分に男児を出産した。分娩時出血量は350mL、児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。
Aさんの分娩のアセスメントで適切なのはどれか。
- 早期産である。
- 異常出血である。
- 前期破水である。
- 新生児仮死である。
▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(34歳、初産婦)は妊娠39週6日に3,000gの女児を出産した。分娩後の母児の経過は順調である。
出生後12時間、看護師がAさんの児の観察を行った。児は活気がありバイタルサインは安定しており、排便が認められた。直接授乳を開始している。出生後の排尿回数は4回、排便回数は3回である。
▶午前109
便の写真を別に示す。
このときのAさんの児の便はどれか。
- A
- B
- C
- D
▶午前110
日齢2。Aさんの児の胎外生活への適応は順調に経過している。哺乳回数は1日8回。Aさんは母乳育児を希望しているが、児に乳頭を吸われると痛いと話しており、左右の乳頭に軽度の発赤が認められる。
このとき看護師が観察する項目で優先度が高いのはどれか。
- 児の体重減少率
- 乳汁の分泌状態
- 乳房の緊満状態
- ラッチオンの状態
▶午前111
日齢4。看護師がAさんの児を観察したところ、バイタルサインは、体温(直腸温)37.3℃、呼吸数55/分、心拍数134/分。経皮ビリルビン20.0mg/dLであった。
Aさんの児の状態で医師に報告が必要なのはどれか。
- 経皮ビリルビン値
- 呼吸数
- 心拍数
- 体温
▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(20歳、女性)は境界性人格〈パーソナリティ〉障害の診断を受け、精神科外来に通院中である。ある日、人間関係のトラブルから処方されていた睡眠薬を過量服薬して自殺企図をしたところを家族に発見され、救命救急センターに搬送された。
▶午前112
Aさんは救急外来で治療を受け会話ができるまでに回復した。
Aさんへの看護師の最初の対応で適切なのはどれか。
- 過量服薬した場面の振り返りを促す。
- 現在の希死念慮の有無について確認する。
- 大量の睡眠薬を飲まずに残していた理由を追及する。
- Aさんと看護師の間で二度と過量服薬しないと約束する。
▶午前113
Aさんは身体的な治療を受けた後、精神科病棟に入院することになった。入院3日の22時、Aさんがハサミを貸してほしいとナースステーションに来た。日勤の看護師がいる時間帯のみ付き添いでハサミの貸出が可能という主治医からの指示を伝えると「看護師Bは貸してくれたのに。こんなひどい対応をする看護師はあなただけだ」と話し、その場を動かない。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
- ハサミの使用目的を聞く。
- 看護師付き添いのもとハサミを貸し出す。
- 看護師Bが誤った対応をしたと説明する。
- Aさんの行動が心配なので貸し出せないと伝える。
▶午前114
入院1週、Aさんは看護師ごとに言動や態度を変えることが多く、病棟ではAさんに対して共感を示す看護師と、拒否的な態度を示す看護師に分かれてしまった。そのため、病棟の看護師はチームでの対応についてカンファレンスを行った。
Aさんへの看護師のチームとしての対応で適切なのはどれか。
- Aさんと看護師が関わる頻度を減らす。
- Aさんに共感を示す看護師に担当を固定する。
- Aさんに対する感情を看護師同士で表出しないように統一する。
- Aさんの行動が患者―看護師関係にもたらす影響について評価する。
▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aちゃん(6歳、男児)は父親(50歳、会社員)、母親(48歳)、姉(11歳)と4人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィーで身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。喀痰吸引、胃瘻による経管栄養が必要で、訪問看護を週に2回利用している。まばたきの回数で「はい」と「いいえ」の意思表示はできるが、視線や上肢の動きには誤動作もあり、構音障害もあるため家族以外では意思の判断が難しい。また、手指での細かい操作はできない。Aちゃんは次年度から姉と同じ小学校の特別支援学級に通い、通常の学級の児童と交流の予定がある。
▶午前115
入学時に担任がAちゃんの意思を確認する方法で最も適切なのはどれか。
- 五十音の文字盤を用いてAちゃんが指でさした文字を文字ずつ読み取る。
- 視線で入力できる意思伝達装置を用いてAちゃんに文字を入力してもらう。
- 閉じた質問〈closed question〉をしてAちゃんのまばたきの回数を確認する。
- 感情を絵で表現したカードを見せてAちゃんが指でさしたカードを確認する。
▶午前116
Aちゃんが小学校に入学して6か月が経過した。小学校への送迎は母親が行っており、学内での喀痰吸引や経管栄養の注入は小学校に配置されている看護師が行っている。Aちゃんは体調も安定しており、小学校での生活にも慣れてきた。Aちゃんの母親は「夫は朝早く出勤し、長女もまだ小さく、Aを小学校に連れて行くまで忙しくて大変です」と訪問看護師に話した。訪問看護師は保健所の保健師に相談し、Aちゃん宅で家族も含めてAちゃんが利用できる支援サービスを検討することにした。
Aちゃんと家族に利用を勧める支援サービスで適切なのはどれか。
- 児童発達支援
- 重度訪問介護
- 放課後等デイサービス
- 短期入所〈ショートステイ〉
▶午前117
Aちゃんは入学して1度も入院することなく2年生になった。Aちゃんの母親はケアに必要な物品を学校の看護師に渡す際に「Aは学校に通うようになり、お友達が増えて本当によかったと思います。それに比べて私は仕事をしていないし、Aに友達ができた喜びや日々の苦労を理解してもらえる友達がいません。Aの同級生の親には年齢が近くて話しやすい人がいません」と話した。
Aちゃんの母親への提案で最も適切なのはどれか。
- 「学校の行事に参加してみませんか」
- 「短時間でも仕事を始めてはいかがですか」
- 「お姉ちゃんのお友達の親に話しかけてみませんか」
- 「障害のある子どもを持つ家族の会に参加してみませんか」
▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
Aさん(57歳、男性、無職)は妻(55歳、会社員)と2人で暮らしている。Aさんは、飲酒が原因で仕事での遅刻や無断欠勤が続いたため1年前に職場を解雇された。その後も朝から自宅で飲酒する生活が続き、体調が悪化したため受診し、アルコール性肝硬変とアルコール依存症と診断された。医師から断酒を指導されていたが実行できず通院していなかった。
Aさんは最近、倦怠感が強く食欲がなく、1週前から飲酒もできなくなった。妻に付き添われて受診した際、外来のトイレで吐血し倒れ食道静脈瘤破裂と診断され入院した。
身体所見:呼びかけに応じるが反応が遅い。腹水や浮腫はない。手指の振戦はない。体温37.0℃、呼吸数22/分、脈拍98/分、整、血圧92/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
▶午前118
入院時、Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 上半身を挙上する。
- 身体を側臥位にする。
- 頭部の冷罨法を行う。
- 酸素療法の準備をする。
▶午前119
入院当日、Aさんは緊急に内視鏡的治療を受けた。入院7日、Aさんは食道静脈瘤の治療のため、食道静脈瘤硬化療法を受けることになった。治療前のバイタルサインは、体温36.7℃、呼吸数16/分、脈拍72/分、整、血圧126/70mmHgである。検査所見は、血小板15万/μL、プロトロンビン時間〈PT〉10秒85%である。入院後は吐血していない。
Aさんが食道静脈瘤硬化療法を受けた直後に注意すべき症状はどれか。
- 下血
- 胸部痛
- 皮下出血
- 手指の振戦
▶午前120
Aさんは食道静脈瘤硬化療法を終えて、アルコール依存症の治療を受けるために精神科病院に転院した。
転院して2か月、病棟ではAさんの退院に向けた話し合いが進められている。Aさんは「退院した後にお酒をやめられるか自信がない。体力が落ちており、何もしていないとお酒を飲んでしまいそうです」と悩みを打ち明けた。
Aさんへの看護師の声かけで適切なのはどれか。
- 「断酒をする意思を強く持ちましょう」
- 「肝硬変があるので、今は安静が必要です」
- 「入院中も飲酒をやめられているので大丈夫です」
- 「アルコールの問題で悩んでいる人たちとの話し合いに参加してみましょう」
▶次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(61歳、男性、会社員)はデスクワーク中心の仕事をしている。今朝、職場へ出勤したが、自分の机の位置や同僚の名前が分からない等の見当識障害があり、同僚に付き添われ救急外来を受診した。頭痛、嘔吐、めまいはない。
現病歴:4年前に2型糖尿病と診断され、経口糖尿病薬が開始された。1年前から受診を自己判断で中断している。
身体所見:身長170cm、体重100kg。体温38.6℃、呼吸数22/分、脈拍112/分、整、血圧108/64mmHg。対光反射(+)、瞳孔不同(-)。歩行可能。右第1趾に発赤、腫脹、異臭がある。
検査所見:白血球19,200/μL、血糖904mg/dL、Na131mEq/L、K3.4mEq/L、ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉9.2%、アンモニア49μg/dL、CRP22mg/dL。
動脈血液ガス分析pH7.32。血漿浸透圧394mOsm/L。尿ケトン体(±)。
▶午後91
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
- 肝性脳症
- 小脳出血
- ケトアシドーシス〈DKA〉
- 高浸透圧高血糖状態〈HHS〉
▶午後92
Aさんはインスリン療法、糖尿病足病変に対する抗菌薬治療で全身状態は改善した。退院へ向けて、看護師はAさんに食事指導をすることにした。
Aさんに勧める1日の摂取カロリーで最も適切なのはどれか。
- 1,400kcal
- 1,800kcal
- 2,200kcal
- 2,600kcal
- 3,000kcal
▶午後93
Aさんの糖尿病足病変の悪化を防ぐ目的で看護師が行う指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 「靴下を履きましょう」
- 「月に1回、足を観察してください」
- 「暖房器具に足を近づけないでください」
- 「足の傷は痛みが出てから受診してください」
- 「鶏眼〈うおのめ〉が出来た場合は自分で削ってください」
▶次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(53歳、女性)は休日に公園を散歩中、階段から落ちて頭部を強打し、意識を消失した状態で病院に救急搬送された。病院到着時のAさんは開眼せず、声は発しているが理解不能である。痛み刺激には逃れようとする動作がみられる。
▶午後94
グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉によるAさんの意識レベルの評価はどれか。
- E1V1M2
- E1V2M4
- E2V2M2
- E4V5M5
▶午後95
Aさんは右側の急性硬膜外血腫と診断され、緊急開頭手術を受けることになった。術前のバイタルサインは、体温37.2℃、呼吸数14/分、脈拍74/分、整。血圧は、搬送時の134/84mmHgから174/66mmHgに上昇し、痛み刺激に対する反応が消失している。
このときのAさんの瞳孔の状態はどれか。
※設問不明確により省略。
▶午後96
開頭手術後2日、Aさんの全身状態は良好で、硬膜外ドレーンの排液も異常所見はなく経過している。看護師が訪室するとAさんは仰臥位で開眼し、「目が覚めたら病院にいて手術も終えていたので驚きました。今は気分もよいが、寝てばかりで背中が痛くなってきたので体勢を変えたい」と話す。
看護師の対応で適切なのはどれか。
- 仰臥位を保持する。
- 頭側を30度挙上する。
- 頭側を60度挙上する。
- 頭側を90度挙上する。
▶次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(75歳、男性)は1人暮らしで、妻とは5年前に死別し、子どもはいない。57歳のときに慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉と診断された。他に既往はない。20歳から喫煙していたが、今は禁煙している。エレベーターのないアパートの4階に住んでおり、家事動作時に息苦しさが出現することもあったが、日常生活動作〈ADL〉は自立していた。妻が亡くなってからは食事が不規則になり、インスタント食品ばかり食べていた。入浴はせず、週に1回シャワーを浴びていた。
1週前から日常生活動作〈ADL〉でも息苦しさが増強し、食欲がなく、ほとんど食事をしていなかったが、ジュースを500mL/日は飲んでいた。昨日の夕方に37.8℃の発熱があったため、本日かかりつけの病院を受診した。
受診時の身体所見:体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍94/分、整、血圧138/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉82%(room air)。動脈血液ガス分析(room air):動脈血酸素分圧〈PaO2〉45Torr、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉58Torr。
検査所見:赤血球420万/μL、Hb10.3g/dL、白血球9,500/μL、総蛋白5.8g/dL、アルブミン3.4g/dL、空腹時血糖98mg/dL、CRP10.1mg/dL。
医師の診察の結果、Aさんは慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の急性増悪と診断された。
▶午後97
このときのAさんの状態はどれか。
- うつ熱
- 高血圧
- 呼気の延長
- 皮膚の搔痒感
▶午後98
Aさんは入院し、抗菌薬の点滴静脈内注射と酸素投与が開始された。病棟内の歩行の許可が出て、食事も全粥食を半分程度は食べることができた。
Aさんに起こりうる症状で最も注意が必要なのはどれか。
- 貧血
- 便秘
- 高血糖
- CO2ナルコーシス
▶午後99
Aさんは順調に回復したため、退院が決まった。退院後の慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の治療は、在宅酸素療法〈HOT〉は導入せずに薬物療法を継続することになった。Aさんは、看護師に「退院後も自宅で生活したい」と話している。近隣に家事を手伝ってくれる親戚や友人はいない。
Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 肺炎球菌ワクチンの接種を勧める。
- 水分を制限するよう指導する。
- 糖分を制限するよう指導する。
- 配食サービスの利用を勧める。
- 毎日の散歩を勧める。
▶次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
A君(5歳)は父親(40歳)、母親(38歳)と兄(10歳)の4人家族である。A君は生後6か月のときに白血病と診断され化学療法で寛解し、退院後は幼稚園に登園していた。4歳になって再発し、兄を骨髄ドナーとした造血幹細胞移植を受けた。
▶午後100
A君が利用できる制度はどれか。
- 自立支援医療
- 指定難病の医療費助成
- 未熟児養育医療の給付
- 小児慢性特定疾病医療費助成
▶午後101
A君の造血幹細胞移植は無事に終了したが、終了後6か月で2度目の再発をし、化学療法が行われたが寛解しなかった。医師から両親にA君が終末期にあること、余命2か月程度であることが伝えられた。両親は「2度目の再発と聞いて覚悟をしていた。延命するための治療はしなくてよいと考えています。在宅療養に切り替えてAと家で過ごしたいが、できることと、できないことを教えてほしいです」と話した。
両親への看護師の返答で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 「遊園地には行けません」
- 「幼稚園に登園できます」
- 「食べ物の制限はありません」
- 「痛みが出た場合、自宅では痛みを和らげる治療はできません」
- 「感染対策のため、お兄ちゃんとの接触をできるだけ制限してください」
▶午後102
数日後、両親から「Aが亡くなることをAの兄にどのように説明したらよいでしょうか。私たちでは、うまく説明できません」と相談があった。
看護師の両親への対応で適切なのはどれか。
- 「お兄ちゃんが病状を尋ねてくるのを待ちましょう」
- 「頑張っているA君のために、お兄ちゃんには治ると説明しましょう」
- 「看護師も同席してお兄ちゃんに説明する機会を設けることができます」
- 「ドナーになったお兄ちゃんががっかりするので説明しないでおきましょう」
▶次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
A君(11歳)は両親と3人で暮らしている。5歳で気管支喘息と診断され、現在は抗アレルギー薬とステロイドの吸入薬が処方されている。本日、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親と救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。受診時のバイタルサインは、体温36.9℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)であった。
▶午後103
A君の気管支喘息の発作強度はどれか。
- 小発作
- 中発作
- 大発作
- 呼吸不全
▶午後104
救急外来で、吸入と点滴静脈内注射が行われA君の症状は軽快した。A君は、医師や看護師による問診には素直に答えているが、心配する母親には「病院に来るほどじゃないんだよ。入院はしないからな」と発言し、反抗的な態度をとっている。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
- A君に発言の理由を尋ねる。
- A君ではなく母親から病状を聴取する。
- 母親への態度は問題行動であるとA君に忠告する。
- 親子関係に問題があるのではないかと母親に伝える。
▶午後105
A君は1年前から気管支喘息の急性増悪〈発作〉を起こして救急外来の受診を繰り返していることが分かった。看護師がA君に今の症状に対する認識を確認すると「喘息発作が起きていて、家で吸入をしても治まらなかった」と答えた。学校生活や服薬については「学校は好きだけど、体育は嫌だな。吸入が面倒くさい。吸入しなくても発作が起きなければいいんでしょ」と話した。看護師は、急性増悪〈発作〉を繰り返しているA君のセルフケアへの支援をする必要があると考えた。
A君への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- 毎日運動するよう勧める。
- お薬手帳を持ち歩くよう伝える。
- A君と服薬管理について話し合う。
- 喘息発作があったことを母親から担任の先生に伝えるよう提案する。
▶次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(28歳、初産婦)は妊娠38週1日、順調な経過で経腟分娩した。産後は夫が育児休業を取得し、自宅で夫と2人で子育てをする予定である。
産褥1日、バイタルサインは、体温36.7℃、脈拍70/分、整、血圧118/68mmHg、Hb12.0g/dL。子宮底は臍下2横指のところに硬く触れている。悪露は赤色で中等量、凝血の混入はない。Aさんは授乳時に後陣痛を訴えている。会陰縫合部に腫脹や発赤はなく、痛みは自制内である。尿意の自覚があり、残尿感や排尿困難感はない。
▶午後106
Aさんの産褥1日のアセスメントで正しいのはどれか。
- 貧血がある。
- 感染徴候がある。
- 正常な経過である。
- 子宮復古不全である。
▶午後107
産褥3日、Aさんの夫から「退院後は私が子どもの沐浴をします。子どもの身体の洗い方は動画で学んだのですが、沐浴のときに注意することはありますか。寒い時期なので心配です」と看護師に質問があった。
Aさんの夫への説明で適切なのはどれか。
- 「着替え用の衣類が冷たくないか、沐浴前に確認しておきましょう」
- 「10分程度お湯に浸けて赤ちゃんを温めましょう」
- 「ベビーバスには50℃のお湯を準備しましょう」
- 「沐浴する場所の室温は30℃に設定しましょう」
▶午後108
産褥5日、子宮収縮は臍恥中央、褐色悪露が少量、歩行時に会陰部痛がある。授乳は母乳のみで行っている。Aさんは「この子の世話が大変で、次の妊娠はしばらく考えられません。結婚前は経口避妊薬を服用していましたが、産後の避妊はどうしたらよいか教えてください」と看護師に話した。
Aさんへの説明で適切なのはどれか。
- 「基礎体温法が適しています」
- 「経口避妊薬は産後1か月から服用できます」
- 「性交再開時からコンドームを使用しましょう」
- 「母乳を与えている間は妊娠の心配はありません」
▶次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
Aさん(58歳、男性)は、年金の給付を受けて生活している父親(82歳)と2人暮らしで、母親は2年前に亡くなっている。20歳のときに統合失調症と診断された。20歳代で何回か仕事に就いたが長続きはしなかった。40歳からは無職で、デイケアへ通所していた。1年前にデイケアを中断してからは、ほとんどの時間を自宅で過ごしているが、月1回の外来通院は継続している。Aさんが飲まなかった薬がたくさん残っていることを父親が発見し、主治医に相談した。この相談をきっかけに、週1回の精神科訪問看護を導入することになった。初回訪問時にAさんは「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と父親と訪問看護師に話した。
▶午後109
このときの訪問看護師の対応で優先度が高いのはどれか。
- 父親に薬の管理を依頼する。
- 薬を飲み忘れない方法を話し合う。
- 外来受診時に薬局の薬剤師に服薬指導を依頼する。
- デイケアの再開を主治医と相談するように提案する。
▶午後110
初回訪問から1か月、訪問看護師はAさんが適切に服薬できていることを確認した。Aさんは「調子はいいですね。やる気も少し出てきました。主治医は今の薬を飲み続けるのがいいと話しています。ただ、夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と話した。
このときの訪問看護師のAさんへの声かけで最も適切なのはどれか。
- 「朝起きられるように毎朝の日課を何か作りましょう」
- 「朝に眠気が残ることを主治医に相談してみませんか」
- 「来週は朝早く一緒に散歩へ行けるように訪問しますね」
- 「朝起こしてもらうようにお父さんにお願いしてみませんか」
▶午後111
初回訪問から6か月、Aさんの状態は安定し、デイケアへ週3回程度は通所できるようになった。一方で、父親は「Aは食事も作れないし、家のことができないので、自分が死んだ後のことを考えると1人で生きていけるのかが心配だ。どうしたらよいか」と訪問看護師に相談した。それを聞いたAさんも「父が死んだ後の生活が心配だ」と話した。
現時点でAさんと父親へ提案する社会資源で適切なのはどれか。
- 生活保護
- 地域移行支援
- グループホーム
- 障害者権利擁護センター
▶次の文を読み112〜114の問いに答えよ。
Aさん(80歳、女性)は発熱があり、呼吸状態が悪いため、外来を受診し肺炎と診断され緊急入院となった。
入院時、病室でAさんは「ここはどこ」と話し混乱した様子であった。湿性の咳嗽があり、口唇の乾燥が著明である。同居の夫からの情報では、1週前から食事は摂れていたが、水分摂取量が減っていた。3日前から寝て過ごしていたが、トイレには自分で行くことができていた。身の回りのことは自立している。入院後に点滴静脈内注射1,500mL/日の指示があり、抗菌薬が開始された。
身体所見:身長152cm、体重45kg、体温38.0℃、呼吸数32/分、脈拍120/分、整、血圧107/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(room air)。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2。
検査所見:赤血球447万/μL、Hb12.5g/dL、白血球16,600/μL、総蛋白6.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、血糖98mg/dL、Na151mEq/L、K4.0mEq/L、Cl97mEq/L、Ca8.7mg/dL、CRP23.0mg/dL。
▶午後112
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。
- 脱水
- 貧血
- 低栄養
- 視空間失認
- 電解質異常
▶午後113
入院当日、Aさんは日中は会話ができていたが、夕方からそわそわしながら落ち着かない様子であった。また、話のつじつまが合わず、朝と夕方を間違え急に大きな声を出し、夜中に起きだして自分の荷物を触っていることがあった。翌日、日中は眠気を訴えながらも眠ることなく静かに過ごし、夜間は焦燥があり眠れていない。
Aさんの状態はどれか。
- せん妄
- 睡眠時遊行症
- レム睡眠行動障害
- 睡眠時無呼吸症候群
▶午後114
入院2日、病棟の看護師でAさんへの援助の方針について話し合った。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
- 日中の離床を促すために歩行に付き添う。
- 夜間はベッドからの転落防止のために身体的拘束を行う。
- 睡眠時間の確保のために夕方に3時間の睡眠をとるように勧める。
- 症状緩和のためにベンゾジアゼピン系睡眠薬の処方を医師に依頼する。
▶次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
Aさん(50歳、男性、自営業)は妻(48歳)、長男(23歳、会社員)と3人で暮らしている。3年前から歩行時のふらつきを自覚していたが、日常生活動作〈ADL〉は自立していた。最近、転倒が多くなり医療機関を受診して頭部CT検査を受けたところ、小脳と脳幹に萎縮を認め、遺伝性の脊髄小脳変性症と診断された。Aさんは「母も同じ疾患で亡くなりました。妹が同じ敷地内に1人で暮らしていますが、妹も転ぶことが多くなり、医師の勧めで遺伝子診断を受ける予定です。明日、保健所に難病の医療費助成の申請に行くのですが、保健師に伝えた方がよいことはありますか」と看護師に質問した。
▶午後115
Aさんから保健師に伝える内容で優先度が高いのはどれか。
- 長男の仕事内容
- Aさんの経済状況
- 母親の病状の経過
- 妹の遺伝子診断の予定
▶午後116
1か月後の定期受診のときに、Aさんは「長男に私の病名と遺伝性の疾患であることを伝えました。長男には何も症状はありませんが、発症前診断を受けて欲しいと思っています」と外来の看護師に話した。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
- 長男が脊髄小脳変性症についてどの程度知っているか確認することを勧める。
- 長男には症状がないので発症前診断では発症の予測はできないと説明する。
- 両親の同意があれば長男が発症前診断を受けることができると説明する。
- 長男が頭部CT検査を受けることを勧める。
▶午後117
Aさんは仕事を辞め、妻が自営業を続け1年が経過した。Aさんは歩行器で室内を移動し、日中は1人で過ごしていた。転倒したことをきっかけに、訪問看護を週1回利用することになった。初回の訪問時に、Aさんは「妻が仕事を続けてくれて感謝しています。妻に迷惑はかけられない。妻が食卓に準備してくれた昼食を食べようと起き上がって歩行器に移ろうとしたら、立ちくらみを起こして転んでしまった」と訪問看護師に話した。
訪問看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
- ベッド上で食事を摂るよう説明する。
- 移乗の介助を妻に依頼するよう勧める。
- 立位でのリハビリテーションを指導する。
- 室内の移動を車椅子に変更することを提案する。
▶次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
午前10時、A県内で大規模災害が発生した。A県内の救命救急センターに、家屋等の倒壊現場から救助された傷病者の受け入れ要請があり病院に搬送された。直ちにトリアージが行われた。搬送されてきたBさん(45歳、男性)には頻呼吸が認められ、胸部と背部の痛みを訴え、吸気時に胸郭が陥没し、呼気時には膨隆している。
▶午後118
Bさんに考えられる状態はどれか。
- 過換気症候群
- 虚血性心疾患
- 腰椎圧迫骨折
- フレイルチェスト〈胸壁動揺〉
▶午後119
発災6時間、Cさん(60歳、男性)は、職場のがれきの下から救助され、搬送されてきた。Cさんの意識は清明、バイタルサインは、体温35.8℃、脈拍110/分、不整、血圧90/68mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%(room air)である。がれきに挟まれていた両下肢は、皮膚の創傷、腫脹および皮下出血が認められた。両下肢の感覚は鈍く、麻痺がみられる。足背動脈は触知できる。尿の色は赤褐色である。血液検査の結果、尿素窒素20mg/dL、クレアチニンキナーゼ〈CK〉3万IU/L、血糖値110mg/dL、Na140mEq/L、K8.2mEq/Lであった。圧挫症候群〈クラッシュ症候群〉が疑われ、救出後から輸液療法が開始されている。
このときの看護師の対応で優先度が高いのはどれか。
- 除細動器の準備
- 既往歴の聴取
- 全身の保温
- 創傷の洗浄
▶午後120
Cさんは直ちに入院となり、緊急で血液透析が開始されることになった。集中治療室のベッドサイドで血液透析が開始され、Cさんのバイタルサインは安定した。下肢の腫脹、感覚障害は持続している。Cさんは「家族は無事なのか」「また地震がきて病院が停電になったら、透析の器械は止まらないのか」と不安な表情で担当看護師に訴えた。Cさんの家族は避難所にいると連絡があったことを伝えると、Cさんは少し落ち着いた表情となった。担当看護師は、次々と搬送される傷病者の受け入れ準備をするよう、リーダー看護師に声をかけられた。
この時点でのCさんへの対応で担当看護師が優先して連携するのはどれか。
- 管理栄養士
- 社会福祉士
- 理学療法士
- 臨床工学技士
資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
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①国民衛生の動向対応/②看護の倫理・対象/③人体の構造と機能・健康障害・薬物/④看護技術
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