第115回看護師国家試験 午後一般問題
令和8年2月15日(日)に実施された第115回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。
「国民衛生の動向2025/2026」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。
▼第115回看護師国家試験
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厚生の指標増刊
国民衛生の動向 2025/2026
発売日:2025.8.26
定価:3,740円(税込)
416頁・B5判
雑誌コード:03854-08
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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向
午後 一般問題
▶午後25
全身性けいれん発作を起こしている患者に優先して行うのはどれか。
- 気道確保
- 周囲の環境整備
- 末梢静脈路の確保
- 心電図モニターの装着
- 舌や口唇の咬傷の予防
① 気道確保
全身性けいれん発作の多くは意識障害を伴い、強い筋収縮のため十分な呼吸ができない場合があり、嘔吐物や唾液等による窒息を防ぐ観点からも、回復体位にするなど気道の確保が優先される。
▶午後26
蝸牛管頂部近くのCorti〈コルチ〉器で感知されるのはどれか。
- 高い音
- 低い音
- 大きい音
- 小さい音
② 低い音
コルチ器は、内耳の蝸牛内の螺旋状をした器官であり、音の振動がその有毛細胞に伝わることで、蝸牛の入り口(蝸牛管底部)では高い音を、蝸牛の奥(蝸牛管頂部)では低い音を感知する。なお、蝸牛管底部は音の刺激を常に受けるため、加齢によりその機能が低下することで、加齢性難聴では高音域が聞こえづらくなる。
▶午後27
水素イオンが刺激となって感じる味覚はどれか。
- 塩味
- 甘味
- 酸味
- うま味
③ 酸味
舌にある多数の味蕾では5つの基本味(甘味・苦味・酸味・塩味・旨味)を知覚する。このうち酸味は、酸性の水素イオン(H+)が刺激となり感じる。
▶午後28
ABO式血液型におけるオモテ検査とウラ検査の結果を表に示す。

血液型判定の結果がAB型となるのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
④ ④
ABO血液型検査では、赤血球の表面にある抗原(おもて検査)と、血清内の赤血球に反応する抗体(うら検査)により判定する。AB型は、赤血球の表面にA抗原とB抗原があり、血清中にはどちらの抗体も持たない。①はA型、②はB型、③はO型である。
▶午後29
Epstein-Barr〈EB〉ウイルスが発生に関与しているのはどれか。
- 舌癌
- 喉頭癌
- 食道癌
- 上咽頭癌
④ 上咽頭癌
EBウイルスはヘルペスウイルスの一種で、唾液を介した伝染性単核症(俗にキス病)を引き起こす。また、上咽頭癌との強い関連が知られている。
▶午後30
成人の単純ヘルペスウイルスによる脳炎の好発部位はどれか。
- 小脳
- 後頭葉
- 側頭葉
- 頭頂葉
③ 側頭葉
単純ヘルペスウイルスは感染により水疱性の発疹を引き起こし、部位により口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどの原因となる。これが脳に感染して炎症を引き起こしたものが単純ヘルペス脳炎で、側頭葉は好発部位である。
▶午後31
医療提供施設について正しいのはどれか。
- 感染症病床における看護職員の人員配置基準は3:1である。
- 特定機能病院には、医療機器の共同利用の実施が求められる。
- 介護医療院は要介護高齢者に急性期医療を提供する施設である。
- 訪問看護ステーションの運営基準は医療法によって規定される。
① 感染症病床における看護職員の人員配置基準は3:1である。
医療法により病床種別ごとに人員配置基準(人員1人当たりの入院患者数)が定められており、感染症病床における看護職員の人員配置基準は3:1(入院患者3人に対して看護職員1人)となっている。
×② 特定機能病院には、医療機器の共同利用の実施が求められる。
医療機器の共同利用の実施は、地域医療の確保を図る地域医療支援病院で求められる。なお、特定機能病院は、高度医療等を提供する病院である。
×③ 介護医療院は要介護高齢者に急性期医療を提供する施設である。
介護医療院は、長期にわたり療養が必要である要介護者に対し、必要な医療や日常生活上の世話を行うことを目的とする。
×④ 訪問看護ステーションの運営基準は医療法によって規定される。
訪問看護ステーションの運営基準は、介護保険法に規定される。
*第4編1章 3.2〕訪問看護 p173~174
*第4編1章 5.医療施設 p202~206
*第5編1章 3.3〕施設サービス p227~228
▶午後32
救急医療に関する記述で正しいのはどれか。
- 救急医療情報センターは国が整備する。
- 救急搬送の約8割が軽傷・中等症患者である。
- 都道府県の健康増進計画に救急医療の連携が記載されている。
- 一般住民による自動体外式除細動器〈AED〉の使用はプレホスピタルケア〈病院前救護〉に該当する。
④ 一般住民による自動体外式除細動器〈AED〉の使用はプレホスピタルケア〈病院前救護〉に該当する。
自動体外式除細動器〈AED〉は、致死性不整脈である心室細動および無脈性心室頻拍を電気ショックによって取り除く(除細動)装置である。平成16年(2004年)から医療従事者だけでなく一般住民でも使用できるようになり、プレホスピタルケア〈病院前救護〉の充実が図られた。
×① 救急医療情報センターは国が整備する。
救急医療情報センターは、市町村の区域を越えた救急医療情報の収集と提供を行うものとして、都道府県が整備している。
×② 救急搬送の約8割が軽傷・中等症患者である。
救急搬送の約半数が軽症・中等症患者である。
×③ 都道府県の健康増進計画に救急医療の連携が記載されている。
救急医療の連携は、都道府県が策定する医療計画に記載されている。
*第4編1章 3.3〕救急、休日夜間医療 p174~176
▶午後33
クリティカルシンキングの思考過程として適切なのはどれか。
- 患者の希望を受け入れる。
- 患者の言葉を否定的にとらえる。
- 患者の情報を根拠に基づいて解釈する。
- 患者の思いを看護師の看護観を基に分析する。
③ 患者の情報を根拠に基づいて解釈する。
クリティカルシンキングは、感情や主観に流されず、その事象の本質を批判的(否定ではない)・客観的に見極める考え方をいう。
▶午後34
入院中のAさん(43歳、男性)は脳梗塞による利き手の片麻痺がある。
食事の自助具を選択することを目的に、看護師が連携する病院内の専門職で優先度が高いのはどれか。
- 義肢装具士
- 作業療法士
- 臨床工学技士
- 医療ソーシャルワーカー
② 作業療法士
作業療法士は、身体や精神に障害のある者に対し、主に応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図る作業療法を行う者で、食事の自助具の選択に当たり、連携する優先度が高い。
*第4編1章 4.5〕その他の医療関係職種 p200~201
▶午後35
コミュニケーションの方法として筆談が適しているのはどれか。
- 全失語
- 構音障害
- 運動性失語
- 感覚性失語
② 構音障害
構音障害は、言葉を理解し、伝える言葉もはっきりしているが、発話に関わる筋肉や器官に問題があるために、言葉を正常に発音できない状態をいう。筆談など相手に伝達するための代替手段の提案が適切である。
▶午後36
看護目標を設定する際に留意する点はどれか。
- 看護師の行動とする。
- 期限を設ける必要はない。
- 成果を測定できる表現とする。
- 実現不可能であっても患者の希望を目標とする。
③ 成果を測定できる表現とする。
看護目標を設定する際には、成果を客観的に測定できる指標を用いて、達成度を明確に判定できるようにすることに留意する。
▶午後37
漸進的筋弛緩法の目的はどれか。
- 緊張の緩和
- 褥瘡の予防
- 片麻痺の改善
- 全身麻酔の導入
① 緊張の緩和
漸進的筋弛緩法は、意識的に筋肉の緊張と緩和を行うことで、心身のリラックス効果を発揮するリラクセーション法である。
▶午後38
口すぼめ呼吸によって生じるのはどれか。
- 気道内圧の上昇
- 呼吸回数の増加
- 末梢気道の閉塞
- 1回換気量の減少
① 気道内圧の上昇
口すぼめ呼吸は、口をすぼめて細くゆっくり息を吐くことにより、気道内圧を上昇させることで気道を拡張させ、息苦しさ(呼吸困難)を軽減する効果がある。
▶午後39
口腔での体温測定が適しているのはどれか。
- 基礎体温
- 乳児の体温
- 手術中の体温
- 意識障害がある患者の体温
① 基礎体温
基礎体温は安静時の体温をいい、毎朝起き上がる前に口腔(舌下)で基礎体温を測ることで、排卵期の予測等に用いられる。
▶午後40
一次救命処置〈BLS〉で心停止と判断するのはどれか。
- 奇脈
- 昏睡
- 死戦期呼吸
- 四肢のチアノーゼ
③ 死戦期呼吸
一次救命処置〈BLS〉において、呼吸がない場合または死戦期呼吸の場合、心停止と判断し、胸骨圧迫30回と人工呼吸2回の組み合わせによる心肺蘇生処置を行う。
▶午後41
超音波検査を実施する部位と患者への説明の組合せで正しいのはどれか。
- 肝臓――「検査後は翌朝まで安静が必要です」
- 心臓――「検査は立った状態で行います」
- 胆囊――「検査前の飲食は可能です」
- 膀胱――「検査前の排尿は我慢してください」
④ 膀胱――「検査前の排尿は我慢してください」
膀胱への超音波検査では、尿を溜めて膀胱を膨らませることで、正確な画像診断を行うことができる。
×① 肝臓――「検査後は翌朝まで安静が必要です」
超音波検査は非侵襲的な検査であり、検査後の特段の安静は不要である。
×② 心臓――「検査は立った状態で行います」
心臓の超音波検査(心エコー)は左側臥位で行う。立った状態で行う超音波検査は、下肢静脈瘤の検査である。
×③ 胆囊――「検査前の飲食は可能です」
胆嚢や肝臓などの腹部超音波検査は、検査前数時間の絶食を行う。
▶午後42
在宅療養における医療的ケア児の支援について正しいのはどれか。
- 対象となる医療機器が決められている。
- 地域包括支援センターが相談対応する。
- 介護支援専門員がサービス利用計画を立てる。
- 胃瘻からの経管栄養を行っている児童は支援の対象である。
④ 胃瘻からの経管栄養を行っている児童は支援の対象である。
医療的ケア児とは、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童をいう。人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引のほか、胃瘻からの経管栄養のケアも対象である。
×① 対象となる医療機器が決められている。
個々の医療的ケア児に適した医療機器が用いられ、対象となる医療機器が定められているものではない。
×② 地域包括支援センターが相談対応する。
都道府県知事の指定した医療的ケア児支援センターが相談対応を行う。
×③ 介護支援専門員がサービス利用計画を立てる。
介護支援専門員は、要介護者等の介護サービス計画を立てる。医療的ケア児のサービス利用計画は、相談支援(専門)員が立てる。
*第10編 5.5〕医療的ケア児の支援 p355
▶午後43
在宅療養者の服薬の自己管理として適切なのはどれか。
- 受診時にお薬手帳を持参する。
- 訪問看護師の声かけで服用する。
- 処方された錠剤を自分で砕いて服用する。
- 常温で保管する薬剤を自宅内の複数の場所に置く。
① 受診時にお薬手帳を持参する。
お薬手帳では、これまで処方された薬や服用方法等を確認でき、適切な指示に基づいた服薬の自己管理を行う上で、受診時や服薬前の活用が適切である。
▶午後44
訪問看護ステーションの管理・運営について正しいのはどれか。
- 専従の管理者は医師である。
- 訪問看護の記録は終了から1年間保存する。
- 利用者とのサービス契約後に重要事項を説明する。
- 看護師等の職員の資質向上のための研修の機会を確保する。
④ 看護師等の職員の資質向上のための研修の機会を確保する。
指定訪問介護事業者は、訪問介護員等の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。
×① 専従の管理者は医師である。
訪問看護ステーションの管理者は専従かつ常勤の保健師または看護師であって、適切な指定訪問看護を行うために必要な知識・技能を有する者とされる。
×② 訪問看護の記録は終了から1年間保存する。
指定訪問介護事業者は、訪問看護の提供に関する記録を、その完結の日から2年間保存しなければならない。
×③ 利用者とのサービス契約後に重要事項を説明する。
サービス契約の前に利用者に対して重要事項を説明し、同意を得た上で書面による契約を行い、サービスを開始する。
*第4編1章 3.2〕訪問看護 p173~174
▶午後45
がん性疼痛があり医療用麻薬を使用中の在宅療養者の家族への説明で正しいのはどれか。
- 医療用麻薬は鍵のかかる棚で管理する。
- 貼付剤の交換時は、前回とは違う場所に貼る。
- 医療用麻薬を紛失した場合は、保健所に届け出る。
- 強い痛みを訴えたときは、定時の医療用麻薬の時間を早めて使用する。
② 貼付剤の交換時は、前回とは違う場所に貼る。
がん性疼痛の緩和に用いられるフェンタニル貼付剤などは、同じ場所に貼ることによる皮膚症状を避けるため、毎回異なる場所に貼る。
×① 医療用麻薬は鍵のかかる棚で管理する。
麻薬診療施設では、医療用麻薬は鍵をかけた堅固な設備内に保管しなければならないが、在宅療養者に対して決まりはない。ただし、在宅での保管にあっても安全・確実な管理が求められる。
×③ 医療用麻薬を紛失した場合は、保健所に届け出る。
医療機関等で医療用麻薬を紛失した場合には、都道府県知事(管轄保健所)に届け出なければならない。在宅療養者には届出義務がないが、医療機関や処方薬局への速やかな連絡が必要である。
×④ 強い痛みを訴えたときは、定時の医療用麻薬の時間を早めて使用する。
医療用麻薬は決められた時間に使用する。一過性の強い痛みに対しては、速放性の鎮痛薬(レスキュー薬)を用いる。
▶午後46
Aさん(58歳、男性)は農作業中に有機リン系殺虫剤を散布していたところ、急な嘔気と頭痛、呼吸困難が出現したため救急搬送された。搬入時、呼吸は促迫で流涎があり、縮瞳が認められた。
Aさんに直ちに投与される薬剤はどれか。
- ビタミンK製剤
- オキシコドン塩酸塩
- バンコマイシン塩酸塩
- アトロピン硫酸塩水和物
④ アトロピン硫酸塩水和物
アトロピン硫酸塩水和物は、アセチルコリンの作用(副交感神経の亢進)を阻害する抗コリン薬であり、設問の有機リン中毒の症状(ムスカリン様症状)の改善に当たり、第一選択薬として使用される。
▶午後47
慢性疾患患者の家族介護者に対するレスパイトケアの目的で正しいのはどれか。
- 家族介護者の休養
- 家族介護者同士の交流
- 居宅サービス料金の補助
- 家族介護者への介護方法の指導
① 家族介護者の休養
レスパイトケアは、介護者の負担軽減のため、その一時的な休息支援を図るものである。
*第5編1章 10.介護者・要介護者等の状況 p232~233
▶午後48
不安定狭心症の成人患者に対する退院指導で、胸痛発作時に用いる硝酸薬の説明で正しいのはどれか。
- 「冷蔵庫で保存してください」
- 「使用して15分程度で効果が出ます」
- 「痛みが強いときはかみ砕いてください」
- 「使用後は急に立ち上がらないでください」
④ 「使用後は急に立ち上がらないでください」
ニトログリセリンなどの硝酸薬は、狭心症に対する速効性の薬剤で、血管を拡張させることで症状を緩和する。その副作用として血圧低下があり、起立性低血圧を避けるために、使用後は急に立ち上がらないようにする。
×① 「冷蔵庫で保存してください」
直射日光、高温、多湿を避けて保管する。
×② 「使用して15分程度で効果が出ます」
使用後直ちに(1~2分)効果が表れる。
×③ 「痛みが強いときはかみ砕いてください」
狭心症発作時に舌の下に入れて口内の粘膜で吸収する(舌下投与)。
▶午後49
肝動脈塞栓術〈TAE〉の適応となる疾患はどれか。
- 肝囊胞
- 脂肪肝
- 肝細胞癌
- 急性A型肝炎
③ 肝細胞癌
肝動脈塞栓術は脚の付け根の大腿動脈からカテーテルを挿入し、肝動脈に抗癌剤等を注入することで、腫瘍細胞を壊死させるものである。
▶午後50
多発性筋炎と診断された成人の症状について正しいのはどれか。
- 両頰に紅斑がある。
- 足関節が動かせない。
- 物を持ち上げられない。
- 温熱刺激で手指が白色になる。
③ 物を持ち上げられない。
多発性筋炎は、自己免疫系疾患(膠原病)の一つで、筋肉の炎症による筋力の低下から、筋肉に力が入らない、疲れやすいといった症状が現れる。
▶午後51
成人の眼底光凝固療法において正しいのはどれか。
- 縮瞳させる。
- 静脈麻酔を行う。
- 眼球表面を消毒する。
- レーザー用のコンタクトレンズを装着する。
④ レーザー用のコンタクトレンズを装着する。
眼底光凝固療法は、糖尿病網膜症や網膜裂孔など眼底の病変に対して、レーザーを照射して凝固させる治療法である。治療に当たっては、正確にレーザー照射を行うため、専用のコンタクトレンズを装着する。
×① 縮瞳させる。
散瞳薬を用いて瞳孔を広げる。
×② 静脈麻酔を行う。
点眼麻酔を行う。
×③ 眼球表面を消毒する。
眼球表面の消毒は行わない。硝子体注射等の際には眼球表面を消毒する。
▶午後52
Ménière〈メニエール〉病で正しいのはどれか。
- 耳鳴を伴う。
- 70歳以上で好発する。
- 浮動性めまいが出現する。
- 蝸牛の機能は保たれている。
① 耳鳴を伴う。
メニエール病は、蝸牛や前庭機能など内耳の異常疾患で、聴覚障害(感音性難聴、耳鳴り、耳閉感)を伴う回転性めまい発作を特徴とし、30代~50代に好発する。
▶午後53
膀胱癌で手術療法を予定している成人で、緊急の対応が必要な症状はどれか。
- 残尿感
- 尿閉
- 排尿痛
- 頻尿
② 尿閉
尿閉は、尿道の抵抗や膀胱機能の低下により、排尿ができない障害をいう。膀胱癌の手術療法として、経尿道的膀胱腫瘍切除術や膀胱全摘除術がとられるが、尿閉により手術内容の見直しを迫られる場合があり、緊急に対応する必要がある。
▶午後54
乳房超音波検査について正しいのはどれか。
- 腹臥位で行う。
- 妊娠中も受けられる。
- 乳房を板状のものではさむ。
- 石灰化した病変を発見しやすい。
② 妊娠中も受けられる。
乳房超音波検査は、超音波を乳腺に当てて、跳ね返った反射を画像化して観察するもので、妊娠中や月経中でも受けることができる。
×① 腹臥位で行う。
診察台に仰向け(仰臥位)に寝て行う。
×③ 乳房を板状のものではさむ。
X線撮影であるマンモグラフィの説明であり、立位で乳房を器具で挟み、内外斜位方向と頭尾方向から撮影する。
×④ 石灰化した病変を発見しやすい。
マンモグラフィで発見しやすい。
▶午後55
認知機能の評価で、高齢者に3段階の命令で行動を促す項目が含まれるのはどれか。
- Clinical Dementia Rating〈CDR〉
- Functional Assessment Staging〈FAST〉
- 改訂長谷川式簡易認知評価スケール〈HDS-R〉
- Mini-Mental State Examination〈MMSE〉
④ Mini-Mental State Examination〈MMSE〉
MMSEは認知機能を検査するスクリーニング検査で、11の評価項目のうち、口頭で出す3段階の命令に順番に従えるかという検査が含まれる。
▶午後56
老人性皮膚搔痒症の特徴はどれか。
- 水痘の感染歴と関連する。
- 症状の範囲は全身性である。
- 治療は原因物質の除去である。
- 強い痒みを伴う紅斑性丘疹である。
② 症状の範囲は全身性である。
老人性皮膚搔痒症は、加齢により角質層の皮脂の分泌量が減少することで、皮膚のバリア機能が低下し乾燥が進んで、発疹はみられないが全身にかゆみが生じるものである。
▶午後57
加齢による「もの忘れ」はどれか。
- 昨晩、夕食を食べたことを覚えていない。
- 家族から電話がかかってきたことを忘れてしまった。
- 友人の顔を見て名前を思い出すのに時間がかかった。
- 買い物に出たが、自分が今どこにいるのか分からない。
③ 友人の顔を見て名前を思い出すのに時間がかかった。
加齢による「もの忘れ」は、脳の老化に伴い誰にでも起こりうるもので、出来事の一部について思い出すのに時間がかかり、多くは忘れていることを自覚している。
×① 昨晩、夕食を食べたことを覚えていない。
×② 家族から電話がかかってきたことを忘れてしまった。
認知症による「もの忘れ」であり、出来事自体を覚えておらず、忘れたことの自覚もできていない。
×④ 買い物に出たが、自分が今どこにいるのか分からない。
認知症による「もの忘れ」であり、自分がどこにいるかわからなくなるという見当識障害である。
*第3編2章 2.2〕認知症施策のあゆみ p105~107
▶午後58
Aさん(70歳、男性)は1人で暮らしており、日常生活動作〈ADL〉は自立している。高血圧症で内服治療をしている。受診時にAさんから「最近、昼間に眠くなって、夜よく眠れない。どうしたらよいか」と看護師に相談があった。Aさんの1日の過ごし方を図に示す。

Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
- 午前中に散歩を取り入れる。
- 昼食後に入浴する。
- 午睡の時間を延ばす。
- 夕食後は水分を摂らない。
① 午前中に散歩を取り入れる。
1日の過ごし方を見ると、睡眠以外で「テレビを観る」時間が長く、屋内で多く過ごしている。夜の不眠症状を訴えており、午前中に適度に散歩し、日光を浴びて概日リズムを整えることで、その改善につながる。
▶午後59
Aさん(77歳、男性)は妻(80歳)と2人で暮らしている。5年前に認知症と診断された。最近、Aさんが妻の介助を拒否し、怒鳴ることが多くなったため、通所介護を利用するようになった。通所施設の看護師が入浴を勧めると「今日はやめておく」「今は忙しくて時間がない」と答えた。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 今後は全身清拭を行う。
- 浴槽の使い方を説明する。
- 自宅で入浴することを勧める。
- 時間をおいてから再度入浴を勧める。
④ 時間をおいてから再度入浴を勧める。
入浴を勧めても理由をつけて拒否することから、認知症患者で多くみられる気分障害症状がみられる。いったん時間をおいて気分を落ち着かせてから、再度入浴を勧めることは適切である。
▶午後60
乳児の呼吸器の解剖学的な特徴で正しいのはどれか。
- 肋骨はほぼ水平位である。
- 肺胞数は成人に比べて多い。
- 胸郭の左右径は前後径の2倍である。
- 気道内径は成人に比べて相対的に太い。
① 肋骨はほぼ水平位である。
成人の肋骨は脊椎に対して角度がついているが、乳児では水平位である。この構造上、乳児は胸式呼吸ができないため、横隔膜を上下に動かす腹式呼吸を行う。
×② 肺胞数は成人に比べて多い。
肺胞は成長に伴い、思春期頃まで急激に増加する。
×③ 胸郭の左右径は前後径の2倍である。
乳児では胸郭の左右径と前後径はほぼ等しく、成人では左右径は前後径の2倍である。
×④ 気道内径は成人に比べて相対的に太い。
気道内径は成人に比べて非常に細い。
▶午後61
学校感染症の出席停止基準で正しいのはどれか。
- 麻しんは解熱するまで。
- 伝染性紅斑は紅斑が消失するまで。
- 水痘は発疹がすべて痂皮化するまで。
- 流行性耳下腺炎は腫脹消失後7日を経過するまで。
③ 水痘は発疹がすべて痂皮化するまで。
学校保健安全法では、学校において予防すべき感染症として、感染力に応じて第一種から第三種に分類され、出席停止の期間の基準が定められている。水痘は、「発疹がすべて痂皮化するまで」を基準とする。
×① 麻しんは解熱するまで。
麻しんは、「解熱した後3日を経過するまで」を基準とする。
×② 伝染性紅斑は紅斑が消失するまで。
×④ 流行性耳下腺炎は腫脹消失後7日を経過するまで。
いずれも第三種に分類され、「症状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」を基準とする。
*第10編 1.2〕(5)感染症予防 p348
▶午後62
Aちゃん(4歳、女児)は1か月前から発熱が続いており、大学病院に紹介され入院した。静脈麻酔で鎮静して骨髄穿刺を行うこととなった。
検査に際して適切なのはどれか。
- 穿刺部位が上後腸骨棘のとき、体位は腹臥位である。
- 骨髄液は骨膜から採取される。
- 穿刺直後の穿刺部位はヨード系消毒薬で消毒する。
- 検査終了後12時間は水平仰臥位を保つ。
① 穿刺部位が上後腸骨棘のとき、体位は腹臥位である。
後腸骨稜(上後腸骨棘)からの骨髄穿刺は、腹臥位で行う。
×② 骨髄液は骨膜から採取される。
骨髄液は骨髄腔から採取する。
×③ 穿刺直後の穿刺部位はヨード系消毒薬で消毒する。
骨髄穿刺前に、穿刺予定部位をヨード系消毒薬で消毒する。
×④ 検査終了後12時間は水平仰臥位を保つ。
止血後、仰臥位で1時間程度安静を保つ。
▶午後63
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉によって労働者が請求できるのはどれか。
- 育児時間
- 産後休業
- 育児休業給付
- 労働時間の短縮
④ 労働時間の短縮
育児・介護休業法では、3歳までの子を養育する労働者の請求による所定労働時間の短縮を規定している。
×① 育児時間
労働基準法に基づき、生後満1年に満たない生児を育てる女性は、休憩時間のほかに1日2回、少なくとも各30分の育児時間を請求できる。
×② 産後休業
労働基準法に基づき、使用者は産前6週間で休業を請求した女性、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない(産後6週経過後、8週間までは女性が請求し、医師が支障ないと認めた業務に就かせることは差し支えない)。
×③ 育児休業給付
雇用保険法に基づき、育児休業を行った者に対する育児休業給付が行われる。
*第5編2章 3.6〕妊産婦等の就業 p241~242
▶午後64
一般不妊治療はどれか。
- 胚移植
- 顕微授精
- 人工授精
- 体外受精
③ 人工授精
一般不妊治療には、不妊症に対する治療のうち、排卵日を予測して性交渉を行うタイミング法や、排卵日に合わせて精液を子宮に直接注入する人工授精がある。その他は、精子と卵子を体外で受精させる生殖補助医療に当たる。
*第3編2章 1.5〕不妊症・不育症への支援 p100~101
▶午後65
経産道感染するのはどれか。
- トキソプラズマ
- パルボウイルス
- B群溶血性レンサ球菌
- 成人T細胞白血病ウイルス
③ B群溶血性レンサ球菌
経産道感染とは、分娩時に児が産道を通る際、産道内の微生物が児に移行することによる母子感染の一つである。B群溶血性レンサ球菌は産道の粘膜に常在する細菌であり、経産道感染を引き起こすおそれがある。
▶午後66
うっ滞性乳腺炎について正しいのはどれか。
- 授乳を継続する。
- 自覚症状が乏しい。
- 感染によって生じる。
- 分娩直後に発症することが多い。
① 授乳を継続する。
乳腺炎は乳腺の炎症で生じる乳房の腫れや痛み、発赤、発熱などであり、その原因の一つとして、主に授乳中の女性において乳腺に母乳がたまることで生じる、うっ滞性乳腺炎がある。乳汁のうっ滞のため、授乳の継続が必要である。なお、③感染によって生じる乳腺炎は、化膿性乳腺炎である。
▶午後67
Aさんは産褥2日である。現在、子宮底の位置は臍高で、大きく柔らかい。下腹部痛はないが悪露の排出は多い。
Aさんへの看護ケアで適切なのはどれか。
- 安静臥床を保つ。
- 直接授乳を控える。
- 下腹部を温罨法する。
- 子宮底をマッサージする。
④ 子宮底をマッサージする。
一般的に、産褥2日では子宮底の位置は臍下2横指で硬めだが、臍高で柔らかく、子宮が正常に収縮しない子宮弛緩と考えられる。子宮底の輪状マッサージは子宮の収縮を促す処置として適切である。
▶午後68
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉による入院で正しいのはどれか。
- 応急入院は患者の保護者等の同意が必要である。
- 任意入院をした患者は処遇改善の請求が可能である。
- 緊急措置入院は2名の精神保健指定医の判断が必要である。
- 措置入院は72時間以内に他の入院形態へ切り替える必要がある。
② 任意入院をした患者は処遇改善の請求が可能である。
精神科病院に入院中の者およびその家族等は、都道府県知事に対して退院請求や処遇改善請求ができる。なお、「任意入院」は精神障害者自身の同意に基づく入院制度をいう。
×① 応急入院は患者の保護者等の同意が必要である。
任意入院が行われる状態にない者については、家族等の同意に基づく「医療保護入院」、家族等の同意が得られないが急速を要する場合、72時間以内に限る「応急入院」を行うことができる。
×③ 緊急措置入院は2名の精神保健指定医の判断が必要である。
×④ 措置入院は72時間以内に他の入院形態へ切り替える必要がある。
2人以上の精神保健指定医の診察を要件に、精神障害者で入院させなければ自傷他害のおそれがある場合には指定病院等への「措置入院」を行うことができる。措置入院の対象であるが急速な入院の必要性があることを条件に、指定医の診察は1名で足りるが入院期間は72時間以内に制限される「緊急措置入院」を行うことができる。
*第3編2章 4.3〕精神科の入院制度 p112~114
▶午後69
Aさん(40歳、男性)は数年前に統合失調症と診断された。最近、仕事を辞めて、訪問看護を利用しながら1人で暮らしている。訪問看護師に「病気になってから孤独だ。これからどのように生きていけば良いか、同じような体験をしている人と話してみたい」と打ち明けた。
Aさんの支援を行う上で連携する者として優先度が高いのはどれか。
- 公認心理師
- 成年後見人
- ピアサポーター
- 就労継続支援事業所の管理者
③ ピアサポーター
ピアサポートは精神障害や疾病を抱えた当事者同士の支え合いをいい、ピアサポーターはその活動を行う者をいう。「同じような体験をしている人と話してみたい」というAさんの支援を行う上で連携する者として優先度は高い。
▶午後70
看護サービスの質でストラクチャーを評価するための情報はどれか。
- 看護師の離職率
- 患者教育の方法
- 有害事象の発生数
- ケアに対する患者・家族の満足度
① 看護師の離職率
看護サービスの質の評価は、ストラクチャー(看護サービス提供のための仕組み)、プロセス(提供される看護サービス)、アウトカム(看護サービスの成果)に分類される。②はプロセス、③と④はアウトカムに当たる。
▶午後71
看護手順の目的で正しいのはどれか。
- 優先度の判断
- 個別的な看護の促進
- 看護業務の負担の軽減
- 看護ケアの水準の保持
④ 看護ケアの水準の保持
看護手順とは、ケアの目的や、準備から後処理に至る実施手順、注意点などを体系的にまとめたマニュアルをいい、看護技術を看護師間、多職種間で共有することでケアの水準を保持することにつながる。
▶午後72
病院の医療安全管理者が行う与薬の事故防止対策で適切なのはどれか。
- 与薬の業務プロセスを見直す。
- 事故を起こした職員の責任を追及する。
- 病棟ごとに与薬マニュアルを作成する。
- 事故の対象となった患者の個人情報を病院内で共有する。
① 与薬の業務プロセスを見直す。
与薬の事故として、薬剤投与量の誤り、患者取り違え、変更指示の伝達漏れなどのヒューマンエラーが考えられる。ミスを起こすという前提に立って、与薬プロセスを見直すことが有効である。
×② 事故を起こした職員の責任を追及する。
再発防止を図るための状況把握、要因分析は重要だが、インシデントを起こした職員個人の追求は対策として適切でない。
×③ 病棟ごとに与薬マニュアルを作成する。
病棟を横断した統一的な与薬マニュアルが望ましい。
×④ 事故の対象となった患者の個人情報を病院内で共有する。
事故の情報を職種間で共有することは重要だが、患者の個人情報は匿名化し、漏洩のリスクに備える必要がある。
*第4編1章 3.9〕医療安全管理体制 p180~181
*第4編1章 3.10〕医療安全に係る取り組み p181~182
▶午後73
災害亜急性期に行う看護師の活動で適切なのはどれか。
- 災害用物資の点検
- 災害対応マニュアルの整備
- 急性ストレス障害〈ASD〉に対するケア
- 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉への介入
③ 急性ストレス障害〈ASD〉に対するケア
災害亜急性期(1週間~1か月)は、医療体制やライフラインが徐々に復旧をしていく期間で、発災直後からこの頃まで急性ストレス障害〈ASD〉を生じやすく、ケアの必要がある。
×① 災害用物資の点検
×② 災害対応マニュアルの整備
いずれも、主に災害発生前の活動である。
×④ 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉への介入
心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉は、災害慢性期(1か月~3か月)以降に生じやすく、この時期に介入することが適切である。
▶午後74
Aさん(34歳、女性)と夫はともに外国籍である。10年前に来日し、在留資格を有し、国民健康保険に加入している。Aさんは妊娠9週と診断され、日本で出産する予定である。
Aさんに対する説明で正しいのはどれか。
- 「日本での出生届は不要です」
- 「妊娠の届出は大使館にします」
- 「出産時に出産育児一時金が支給されます」
- 「妊婦健康診査における公費負担を受けることはできません」
③ 「出産時に出産育児一時金が支給されます」
出産育児一時金は、国民健康保険など公的医療保険の加入者が出産した際に、一定の金額が支給される制度で、妊娠4か月(85日)以上の出産で、医療保険加入者であれば、外国籍であっても支給される。
×① 「日本での出生届は不要です」
出生届は、外国籍であっても日本国内で生まれた場合は、出生の日から14日以内に届け出なければならない。
×② 「妊娠の届出は大使館にします」
母子保健法に基づき、妊娠の届出は速やかに市町村長に行う。
×④ 「妊婦健康診査における公費負担を受けることはできません」
妊婦健康診査は母子保健法に定める一般財源による事業である。母子保健法は人道的な観点から、国籍・在留資格に関係なく、日本にいるすべての妊産婦に適用される。
▶午後75
2つ以上の核を持つ細胞はどれか。
- 単球
- 好中球
- 神経細胞
- 卵母細胞
- 骨格筋細胞
⑤ 骨格筋細胞
通常の細胞は1つにつき1つの核を持つ単核細胞であるが、2つ以上の核を持つ多核細胞(多核体)も存在する。骨格筋細胞はその一つである。
▶午後76
心臓からの血液の拍出について正しいのはどれか。
- 静脈還流量より多い。
- 左心系の方が右心系より多い。
- 左右の動脈弁は同時に閉まる。
- 心房拡張期の途中で房室弁が開く。
- 心室収縮期は動脈弁が開いて開始する。
④ 心房拡張期の途中で房室弁が開く。
全身と肺から戻ってきた血液は、弛緩している心房に流れ込み、それまで閉じていた房室弁が開いて心室に流れ込む。この心房が弛緩している時期を心房拡張期という。その後、心房は収縮し、残った血液を心室へ送り込む(心房収縮期)。
×① 静脈還流量より多い。
心拍出量(心臓から送り出す血液量)は、静脈還流量(心臓に戻ってきた血液量)と等しい。
×② 左心系の方が右心系より多い。
左心系の心拍出量は、右心系の心拍出量と等しい。
×③ 左右の動脈弁は同時に閉まる。
全身に血液を送る左心室の内圧の方が右心室より高いため、大動脈弁が肺動脈弁より先に閉じる。
×⑤ 心室収縮期は動脈弁が開いて開始する。
心室収縮期は、心房収縮期が終わり、開いた房室弁が再び閉じて開始する。この時期に心室内圧が高まり、それまで閉じていた動脈弁が開くことで大動脈・肺動脈に血液が流れ出す。
▶午後77
精子形成の過程を図に示す。

染色体が2倍体(2n)から1倍体(n)になるのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
③ ③
陰嚢内の精巣(精細管)で、思春期ころに始原生殖細胞から精子へと変化する過程を精子形成という。生殖細胞では染色体を半減させる減数分裂を特徴とし、一次精母細胞から二次精母細胞への第一分裂時に、染色体が2倍体(2n)から1倍体(n)になる。
※厚生労働省が公表している正答では、④が正答とある(2026.6.12時点)ため、当解説は参考にとどめてください。
▶午後78
上大静脈症候群の症状はどれか。
- 喀血
- 上腕痛
- 眼瞼下垂
- 顔面浮腫
- 胸水貯留
④ 顔面浮腫
縦隔リンパ節転移等に伴い、上半身の血液を心臓に戻す上大静脈が圧迫され、血流が阻害されることで顔面や上肢などにうっ血や浮腫が生じる(上大静脈症候群)。
▶午後79
創傷の治癒過程において肉芽組織が形成されるのはどれか。
- 炎症期
- 止血期
- 出血期
- 成熟期
- 増殖期
⑤ 増殖期
創傷の治癒過程は「出血凝固期(出血期・止血期)」「炎症期」「増殖期」「成熟期」の段階を経る。増殖期には、コラーゲンが生成され、新しい血管(肉芽組織)が形成される。続く成熟期ではコラーゲンの成熟により瘢痕組織(傷跡)となる。
▶午後80
急性腎不全の症状について正しいのはどれか。
- 関節痛
- 頻呼吸
- 食欲増進
- 視力低下
- 足のムズムズ
② 頻呼吸
急性腎不全は、短期間のうちに腎臓の機能が急激に低下する病気をいう。腎機能の低下に伴い血液が酸性に傾くと(代謝性アシドーシス)、それを補正しようとして頻呼吸を特徴とするクスマウル呼吸がみられる。
▶午後81
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉における地域移行支援について正しいのはどれか。
- 就労を前提に支援する。
- 緊急時の対応や訪問を行う。
- 長期入院患者の退院を促進する。
- 精神保健福祉手帳の申請が必要である。
- 1人で暮らしている精神障害者が対象である。
③ 長期入院患者の退院を促進する。
障害者総合支援法に規定する地域移行支援は、障害者支援施設や精神科病院に長期間入院している精神障害者等が、住居の確保や地域における生活に移行するための活動等を支援する制度である。
×① 就労を前提に支援する。
就労を支援する制度としては、就労移行支援や就労継続支援などの訓練等給付がある。
×② 緊急時の対応や訪問を行う。
緊急時の対応や訪問を行う制度としては、居宅介護や重度訪問介護などの介護給付がある。
×④ 精神保健福祉手帳の申請が必要である。
精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法に基づき精神障害者に公布され、各種税制の優遇措置を受けられるものである。地域移行支援の利用に必要ではない。
×⑤ 1人で暮らしている精神障害者が対象である。
障害者支援施設や精神科病院に入所・入院している障害者を対象としている。
*第3編2章 3.障害児・者施策 p107~111
▶午後82
下肢静脈瘤の危険因子はどれか。2つ選べ。
- 外傷
- 喫煙
- 高齢
- 手術
- 妊娠
③ 高齢
⑤ 妊娠
下肢静脈瘤は、下肢の静脈が瘤(こぶ)のように浮き出る病気をいう。下肢の静脈圧の高さを原因としており、加齢による筋力の低下、妊娠による腹圧の上昇などが静脈圧を上げる要因となる。
▶午後83
基礎疾患のない患者の痔瘻について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 先天性の疾患である。
- 悪性腫瘍の発生がある。
- 手術療法が原則である。
- 上下直腸静脈の静脈瘤である。
- 骨盤底筋群の虚弱が原因である。
② 悪性腫瘍の発生がある。
③ 手術療法が原則である。
痔瘻(じろう)は、肛門上皮と直腸をつなぐ瘻管(ろうかん)に、細菌が侵入して膿が溜まりできた痔をいう。いぼ痔と異なり自然治癒せず、放置すると悪性腫瘍(痔瘻癌)のおそれもあり、速やかに切開等による根治手術が必要となる。
▶午後84
急性膵炎で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 基本的な治療は手術である。
- 初発症状は上腹部痛である。
- 鎮痛薬の投与は禁忌である。
- 血中アミラーゼ値が低下する。
- 重症度判定には造影CTが重要である。
② 初発症状は上腹部痛である。
⑤ 重症度判定には造影CTが重要である。
② 急性膵炎で最も多い症状は上腹部(みぞおち付近)の痛みである。
⑤ 急性膵炎の重症度判定に当たっては造影CTが重要で、造影不良域の範囲により判断する。
×① 基本的な治療は手術である。
基本的な治療として、絶飲食と点滴による治療が行われる。
×③ 鎮痛薬の投与は禁忌である。
上腹部痛に対して、鎮痛薬を適宜投与する。
×④ 血中アミラーゼ値が低下する。
急性膵炎では、膵臓から分泌されるアミラーゼ(糖質分解酵素)の上昇が特徴的である。
▶午後85
地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。2つ選べ。
- 施設系サービスを含む。
- 地域における老人クラブや自治会などの活動を含む。
- おおむね60分以内の日常生活圏域を単位として想定している。
- サービスのコーディネートを担う中核的な機関は都道府県である。
- 地域特性に関わらず、同じサービスが受けられることを目指している。
① 施設系サービスを含む。
② 地域における老人クラブや自治会などの活動を含む。
地域包括ケアシステムは、医療、介護、予防、住まい、生活支援という5つの視点で、日常生活の場で生活援助サービスが包括的に提供される体制をいう。介護の施設・在宅サービスや、老人クラブ・自治会・ボランティアなどの活動も含む。
×③ おおむね60分以内の日常生活圏域を単位として想定している。
おおむね30分以内の日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として想定している。
×④ サービスのコーディネートを担う中核的な機関は都道府県である。
サービスのコーディネートを担う中核的な機関は地域包括支援センターである。
×⑤ 地域特性に関わらず、同じサービスが受けられることを目指している。
市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて構築することとされる。
*第5編1章 7.地域包括ケアシステム p230
▶午後86
民生委員について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 児童委員を兼ねる。
- 任期は5年である。
- 厚生労働大臣から委嘱される。
- 社会福祉法に基づいて置かれる。
- 全国で約50万人が活動している。
① 児童委員を兼ねる。
③ 厚生労働大臣から委嘱される。
民生委員(児童委員を兼ねる)は、地域社会の福祉を増進することを目的として、市町村の区域に置かれている非常勤・無給の地方公務員であり、都道府県知事の推薦によって厚生労働大臣が委嘱する。
×② 任期は5年である。
任期は3年である。
×④ 社会福祉法に基づいて置かれる。
民生委員法に基づいて置かれる。
×⑤ 全国で約50万人が活動している。
令和5年度(2023年度)末現在、民生委員・児童委員数は約23万人である。
*第5編2章 6.3〕社会福祉協議会・民生委員 p247~248
▶午後87
加齢に伴う高齢者の泌尿器系の変化で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 尿濃縮力の亢進
- 排尿回数の減少
- 膀胱収縮力の低下
- 尿細管の基底膜の肥厚
- 糸球体濾過量〈GFR〉の増加
③ 膀胱収縮力の低下
④ 尿細管の基底膜の肥厚
③ 加齢に伴い排尿筋が衰え、膀胱収縮力が低下することで残尿や頻尿につながる。
④ 尿細管は、糸球体がろ過してできた原尿が再吸収・分泌される通り路であり、加齢により基底膜が肥厚することで、尿濃縮力が低下し、夜間頻尿等の症状が現れる。
▶午後88
幼児期の形態的・生理的特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。
- 胸囲は頭囲より大きい。
- 大泉門は3歳ころに閉鎖する。
- 乳歯は5歳ころに生えそろう。
- 1分間の心拍数は乳児期よりも減少する。
- 体重あたりの必要水分量は乳児期よりも多い。
① 胸囲は頭囲より大きい。
④ 1分間の心拍数は乳児期よりも減少する。
① 乳児期では、脳の成長に伴い頭囲の方が大きいが、1歳以降の幼児期では、胸郭の発達に伴い胸囲の方が大きくなる。
④ 乳児期の心拍数の基準は110~130/分、幼児期は100~110/分であり、成長に伴い減少する。
×② 大泉門は3歳ころに閉鎖する。
大泉門は頭頂骨と前頭骨に囲まれたくぼみであり、成長とともに縮んで1歳6か月ころに閉鎖する。
×③ 乳歯は5歳ころに生えそろう。
乳歯は生後6~8か月ころから生え始め、2~3歳ころには上下各10本、計20本生えそろう。
×⑤ 体重あたりの必要水分量は乳児期よりも多い。
体重あたりの必要水分量は、代謝が活発である乳児期で多く、成長・加齢に伴い減少していく。
▶午後89
職場における精神保健活動で、二次予防はどれか。2つ選べ。
- 職員に、こころの健康に関する研修を行う。
- 働きやすい職場環境づくりのために職員の意見を聞く。
- うつ病で休職中の職員に職場復帰プログラムを提供する。
- メンタルヘルスの不調を訴える職員に医療機関を紹介する。
- ストレスチェックにおいて高ストレスであった者に面談を行う。
④ メンタルヘルスの不調を訴える職員に医療機関を紹介する。
⑤ ストレスチェックにおいて高ストレスであった者に面談を行う。
疾病の予防対策には、発症前に発症そのものを予防する一次予防、発症後の早期発見・早期治療により重症化を予防する二次予防、症状進行後の社会復帰を図る三次予防がある。①と②は一次予防、③は三次予防に当たる。
▶午後90
リエゾン精神看護を専門とする看護師の役割で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 看護管理者に対して職員の部署異動を指示する。
- せん妄がみられる患者に対する処方内容を変更する。
- 多職種から依頼を受けてコンサルテーションを行う。
- 強い不安を訴える身体疾患患者に心理的ケアを行う。
- 身体疾患をもつ患者に対する身体的拘束の判断を行う。
③ 多職種から依頼を受けてコンサルテーションを行う。
④ 強い不安を訴える身体疾患患者に心理的ケアを行う。
リエゾンは連携や橋渡しを意味する。リエゾン精神看護師の役割として、精神科(精神的問題)と精神科以外(身体疾患)をつなぐケアや、多職種から依頼を受けて専門的なケアの方法を計画すること(コンサルテーション)は適切である。
資料 厚生労働省「第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験、第115回看護師国家試験の問題および正答について」
注 当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。
▼第115回看護師国家試験
▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向
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