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一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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国民衛生の動向」は衛生の状況に関わる統計を網羅し、毎年直近の数値に更新した最新版を刊行しています。

 

看護師国家試験では、人口や世帯、健康状況などの統計数値を問う問題が毎年必ず出題されます。とくに、80%以上の正答率が求められる必修問題にも多く出題されており、受験者にとって決して落とせない部分になっています。

 

このページでは、看護師試験に頻出するテーマごとに、113回(2024年)から104回(2015年)の10年分の問題の中から「国民衛生の動向」がカバーする統計問題をほぼすべてピックアップし、115回試験に合わせた数値(「国民衛生の動向2024/2025」準拠)とともに示します。

 

これまで出題された統計問題の傾向を把握し、「国民衛生の動向」を参照して、より詳細なデータや推移、その対策や制度などを関連付けて確認することで、様々な問題に対応できる基礎力を身に付けていただければ幸いです。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

いつの統計が出題されるか

看護師国家試験に使用される統計調査は毎年実施されるものが多く、古い数値が掲載された参考書や問題集で学習していると間違える可能性があります。特に必修問題として人口や世帯数などが多く問われ、そこで落とすことは避けなければなりません。

 

ただし、看護師国家試験では試験日時点で最新の統計が出題されることはほぼありません。以下に参考として、2020年2月に実施された第109回試験の問題に使われた統計と、その公表日を示します。

 

 問題に使われた統計  統計公表日
2017年 人口推計 2018年4月
2017年 国民生活基礎調査(世帯) 2018年7月
2017年 人口動態統計 2018年6月(概数)
2018年9月(確定数)
2017年 簡易生命表 2018年7月
2017年 国民健康・栄養調査 2018年9月

 

多くの統計が、看護師国家試験が実施される時点から1年以上前に公表されていることがわかります。

 

国民衛生の動向」では毎年8月に最新の数値に更新した最新版を発行していますが、看護師国家試験に用いられる数値はその前年版のものが中心となるため、例えば2026年に実施される115回試験では、2024年8月発売の「2024/2025」版から出題されると考えられます。

 

ただし、これまでの試験内容をみると、1年古いデータや新しいデータを覚えていたとしても正答に影響するという問題はごく小数であり、十分に配慮がなされていると思われるため、過度に統計の時期や細かい数値を気にする必要はなく、近年の動向や数値を直近の「国民衛生の動向」等の参考書でしっかり押さえることがまず重要となります。

 

統計別問題目次

 

 

人口静態

第2編1章 人口静態 p41~50

人口静態統計

  • 人口静態はある時点における人口や年齢別などの静止した姿を指す。
  • 総務省統計局が実施する国勢調査はその主要統計で、5年に1回実施され、その中間年は人口推計が公表される。

 

▶110回午後29

日本の人口静態統計のもとになる調査はどれか。

 

  1. 患者調査
  2. 国勢調査
  3. 国民生活基礎調査
  4. 国民健康・栄養調査

 

 

総人口

令和5年(2023年)の総人口は1億2435万人(男6049万人・女6386万人)である。

 

▶110回午前1改題

令和5年(2023年)の日本の総人口に最も近いのはどれか。

 

  1. 1億人
  2. 1億400万人
  3. 1億2,400万人
  4. 1億4,400万人

 

 

労働力人口

  • 労働力人口とは15歳以上人口のうち就業者と完全失業者の合計で、令和5年(2023年)平均で6925万人(男3801万人・女3124万人)である。
  • 平成22年(2010年)には6632万人(男性3850万・女性2783万人)であり、男性が微減しているのに対し、女性は300万人程度増加している。

 

▶111回午前1改題

労働力調査による労働力人口の令和5年(2023年)平均に最も近いのはどれか。

 

  1. 4,900万人
  2. 5,900万人
  3. 6,900万人
  4. 7,900万人

 

 


 

▶113回午前28改題

労働力調査における平成22年(2010年)と令和5年(2023年)の男性と女性の労働力人口の比較で正しいのはどれか。

 

  1. 男性、女性とも減少している。
  2. 男性、女性とも増加している。
  3. 男性は減少し、女性は増加している。
  4. 男性は増加し、女性は減少している。

 

 

総人口に占める年齢3区分別人口割合

令和5年(2023年)10月1日現在の年齢3区分別人口構成割合は、

 

  • 年少人口(0~14歳):11.4%
  • 生産年齢人口(15~64歳):59.5%
  • 老年人口(65歳以上):29.1%

 

で、少子高齢化により年少人口と生産年齢人口は減少傾向、老年人口は増加傾向にある。

 

▶104回午後7

人口年齢区分における15歳から64歳までの年齢区分はどれか。

 

  1. 従属人口
  2. 年少人口
  3. 老年人口
  4. 生産年齢人口

 

 


 
▶105回午前1改題

日本の令和5年(2023年)の生産年齢人口の構成割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 50%
  2. 60%
  3. 70%
  4. 80%

 

 


 
▶108回午後1改題

日本における令和5年(2023年)の総人口に占める老年人口の割合で最も近いのはどれか。

 

  1. 19%
  2. 29%
  3. 39%
  4. 49%

 

 


 
▶109回午後9改題

令和5年(2023年)の日本の人口推計で10年前より増加しているのはどれか。

 

  1. 総人口
  2. 年少人口
  3. 老年人口
  4. 生産年齢人口

 

 

将来推計人口

令和5年(2023年)の総人口は1億2435万人であるが、将来推計人口(令和5年推計(出生中位・死亡中位))をみると、令和52年(2070年)には8700万人で1億人を切るとされ、そのうち、老年人口割合は38.7%と推計される。

 

▶111回午後1改題

令和5年(2023年)推計による日本の将来推計人口で令和52年(2070年)の将来推計人口に最も近いのはどれか。

 

  1. 6,700万人
  2. 8,700万人
  3. 1億700万人
  4. 1億2,700万人

 

 


 
▶104回午前1改題

日本の将来推計人口で令和52年(2070年)の65歳以上人口が総人口に占める割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 24%
  2. 39%
  3. 54%
  4. 69%

 

 

世帯構造別割合

令和4年(2022年)の世帯構造別にみた世帯割合は多い順に、

 

単独世帯:32.9%

②夫婦と未婚の子のみの世帯:25.8%

③夫婦のみの世帯:24.5%

④ひとり親と未婚の子のみの世帯:6.8%

三世代世帯:3.8%

 

となっている。なお、②~④を合わせた核家族世帯は57.1%となっている。

 

▶111回午前10改題・105回午前8類問

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で次の世帯構造のうち最も少ないのはどれか。

 

  1. 単独世帯
  2. 三世代世帯
  3. 夫婦のみの世帯
  4. 夫婦と未婚の子のみの世帯

 

 


 
▶113回午前9

核家族はどれか。

 

  1. 兄弟姉妹のみ
  2. 夫婦と子ども夫婦
  3. 夫婦と未婚の子ども
  4. 夫婦とその親と夫婦の子ども

 

 


 
▶104回午後8改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、世帯総数における核家族世帯の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 30%
  2. 45%
  3. 60%
  4. 75%

 

 

世帯割合・平均世帯数の推移

  • 近年の世帯割合の推移をみると、「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」が増加傾向、「夫婦と未婚の子のみの世帯」と「三世代世帯」が減少傾向にある。
  • こうした世帯構造の変化を受けて、令和4年(2022年)の平均世帯人員は2.25人と減少が続いている。

 

▶109回午前7改題・113回午前1類問

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における平均世帯人数はどれか。

 

  1. 1.25
  2. 2.25
  3. 3.25
  4. 4.25

 

 


 
▶105回午後32改題

日本の世帯構造の平成4年(1992年)から30年間の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 単独世帯数は増加している。
  2. 平均世帯人数は増加している。
  3. ひとり親と未婚の子のみの世帯数は3倍になっている。
  4. 65歳以上の者のいる夫婦のみの世帯数は2倍になっている。

 

 


 
▶104回午前46

日本の最近10年の成人を取り巻く社会状況で正しいのはどれか。

 

  1. 生産年齢人口の占める割合の増加
  2. 単独世帯の占める割合の増加
  3. 非正規雇用者の比率の低下
  4. 平均初婚年齢の低下

 

 

65歳以上の者のいる世帯の世帯割合

令和4年(2022年)の65歳以上の者のいる世帯は2747万世帯で、総世帯数の50.6%と半数近くを占めている。

 

▶110回午前9改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で65歳以上の者のいる世帯の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 10%
  2. 30%
  3. 50%
  4. 70%

 

 

65歳以上の者のいる世帯の世帯構造別割合

令和4年(2022年)の65歳以上の者のいる世帯の構造別割合は多い順に、

 

①夫婦のみの世帯:32.1%

②単独世帯:31.8%

③親と未婚の子のみの世帯:20.1%

④三世代世帯:7.1%

 

で、①~③は増加傾向、④三世代世帯は大幅に減少傾向にある。

 

▶107回午前48改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における65歳以上の高齢者がいる世帯について正しいのはどれか。

 

  1. 単独世帯は1割である。
  2. 三世代世帯は3割である。
  3. 夫婦のみの世帯は4割である。
  4. 親と未婚の子のみの世帯は2割である。

 

 

 

人口動態

第2編2章 人口動態 p51~69

出生数

令和5年(2023年)の出生数72.7万人(過去最低)で減少傾向にある。

 

▶110回午後1改題

令和5年(2023年)の日本の出生数に最も近いのはどれか。

 

  1. 40万人
  2. 70万人
  3. 100万人
  4. 130万人

 

 

合計特殊出生率

15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したものを合計特殊出生率といい、令和5年(2023年)は1.20で過去最低である。

 

▶104回午後1改題・113回午後10類問

日本の令和5年(2023年)における合計特殊出生率はどれか。

 

  1. 0.70
  2. 1.20
  3. 1.70
  4. 2.20

 

 

母の年齢階級別出生率

令和5年(2023年)の母の年齢階級別出生率をみると、30~34歳が0.4544と最も高く、次いで25~29歳(0.3246)となっている。かつては25~29歳の出生率が最も高かったが、平成17年(2005年)頃から30~34歳の出生率が最も高い。

 

▶108回午前64改題

日本における母の年齢階級別出生率の推移を図に示す。
108 64am
図の矢印で示してある年齢階級はどれか。

 

  1. 20~24歳
  2. 25~29歳
  3. 30~34歳
  4. 35~39歳

 

 

第一子出生時の母親の平均年齢

令和5年(2023年)の第一子出生時の母親の平均年齢30.9歳で、30歳を超えている。

 

▶109回午後61改題

令和5年(2023年)の人口動態統計における日本の出生で正しいのはどれか。

 

  1. 出生数は過去10年で最低である。
  2. 出生数は80万人を上回っている。
  3. 合計特殊出生率は1.10を下回っている。
  4. 第1子出生時の母の平均年齢は30歳未満である。

 

 

死亡数・率

令和5年(2023年)の死亡数157.6万人で増加傾向にある。

 

▶111回午前2改題・106回午後1類問

日本の令和5年(2023年)の死亡数に近いのはどれか。

 

  1. 118万人
  2. 138万人
  3. 158万人
  4. 178万人

 

 

主要死因別死亡順位

令和5年(2023年)の主要死因別にみた死亡順位は以下のとおりである。

 

第1位:悪性新生物〈腫瘍〉

第2位:心疾患

第3位:老衰

第4位:脳血管疾患

第5位:肺炎

 

▶109回午前1改題

令和5年(2023年)の人口動態統計における主要死因別の死亡率で心疾患の順位はどれか。

 

  1. 1位
  2. 2位
  3. 3位
  4. 4位

 

 

小児の死因第1位

令和5年(2023年)の年齢階級別にみた小児の死因の第1位は以下のとおりである。

 

0歳:先天奇形、変形及び染色体異常

1~4歳:先天奇形、変形及び染色体異常

5~9歳:悪性新生物〈腫瘍〉

10~14歳:自殺

 

▶107回午前77改題

令和5年(2023年)の人口動態統計において、1~4歳の死因で最も多いのはどれか。

 

  1. 肺炎
  2. 心疾患
  3. 悪性新生物〈腫瘍〉
  4. 不慮の事故
  5. 先天奇形、変形及び染色体異常

 

 


 
▶110回午後53

令和5年度(2023年度)の人口動態統計における、小児の年齢階級別死因のうち第1位が悪性新生物〈腫瘍〉である年齢階級はどれか。

 

  1. 0歳
  2. 1~4歳
  3. 5~9歳
  4. 10~14歳

 

 

小児の不慮の事故の原因第1位

令和4年(2022年)の年齢階級別にみた小児の不慮の事故の原因の第1位は以下のとおりである。

 

0歳:窒息

1~4歳:窒息

5~9歳:溺死及び溺水

10~14歳:溺死及び溺水

 

▶108回午後52改題

令和4年(2022年)の人口動態調査で、5~9歳の死因における不慮の事故の原因で最も多いのはどれか。

 

  1. 窒息
  2. 交通事故
  3. 転倒・転落
  4. 溺死および溺水

 

 

悪性新生物〈腫瘍〉による死亡状況

  • 令和5年(2023年)の悪性新生物〈腫瘍〉による死亡数は38.2万(男性22.1万人・女性16.1万人)で、主要死因の第1位である。
  • 部位別にみると、総数および男性では「気管、気管支及び肺」が、女性では「大腸」(結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸)が最も多い。

 

▶108回午前2改題

日本における令和5年(2023年)の部位別にみた悪性新生物〈腫瘍〉の死亡数で、男性で最も多い部位はどれか。

 

  1. 肝及び肝内胆管
  2. 気管、気管支及び肺
  3. 結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸

 

 

自殺者の原因・動機

令和5年(2023年)の自殺者は2.2万人で、そのうち原因・動機特定者の原因・動機(複数回答)をみると、健康問題が63.8%と最も多く、次いで経済・生活問題が26.6%、家庭問題が24.2%となっている。

 

▶104回午後2改題

警察庁の「令和5年(2023年)中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。

 

  1. 学校問題
  2. 家庭問題
  3. 勤務問題
  4. 健康問題

 

 

死亡場所

  • 令和4年(2022年)の死亡場所は、病院が64.5%と最も多く、次いで自宅が17.4%となっている。
  • なお、過去の意識調査では、人生の最後をむかえるときに生活したい場所として自宅が最も高く、在宅医療の充実が図られている。

 

▶113回午前2改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における死亡場所で最も多いのはどれか。

 

  1. 自宅
  2. 病院
  3. 老人ホーム
  4. 介護医療院・介護老人保健施設

 

 

妊産婦死亡

  • 妊産婦死亡は、妊娠中または妊娠終了後満42日未満の女性の死亡をいう。
  • 妊産婦死亡率は、出産(出生+死産)10万対で示し、令和4年(2022年)は4.2と国際的にみても低率である。

 

▶110回午前56改題

日本の人口動態統計における妊産婦死亡について正しいのはどれか。

 

  1. 出生10万対で示す。
  2. 出産後1年までの女性の死亡をいう。
  3. 令和4年(2022年)の妊産婦死亡率は、10.1である。
  4. 間接産科的死亡に比べて、直接産科的死亡による死因が多い。

 

 

周産期死亡

  • 周産期死亡は、妊娠満22週以後の死産と生後1週未満の早期新生児死亡を合わせたものをいう。
  • 令和5年(2023年)の周産期死亡数は2,403(胎・人)、周産期死亡率(出産千対)3.3となっている。

 

▶105回午後53改題

日本の令和5年(2023年)における周産期死亡率(出産千対)について正しいのはどれか。

 

  1. 1.3
  2. 3.3
  3. 5.3
  4. 7.3

 

 

死産

  • 死産は妊娠満12週以後の死児の出産をいう。
  • 死産のうち、人工死産は胎児の母体内生存が確実なときに人工的処置を加えたことにより死産に至った場合をいい、それ以外はすべて自然死産であり、令和5年(2023年)の自然死産数は7,150胎、人工死産数は8,382胎で、死産率(出産千対)は自然死産が9.4、人工死産が9.9となっている。

 

▶111回午前62改題

日本の周産期の死亡に関する記述で正しいのはどれか。

 

  1. 新生児死亡は生後1週未満の死亡をいう。
  2. 死産は妊娠満12週以後の死児の出産をいう。
  3. 妊産婦死亡は妊娠中又は妊娠終了後満28日未満の女性の死亡をいう。
  4. 令和5年(2023年)の人口動態統計では自然死産数が人工死産数よりも多い。

 

 


 
▶109回午後36

母子保健統計の算出方法で出生数を分母としているのはどれか。

 

  1. 妊娠満22週以後の死産率
  2. 周産期死亡率
  3. 乳児死亡率
  4. 死産率

 

 

平均初婚年齢

令和5年(2023年)の婚姻件数は47.5万組で、平均初婚年齢夫が31.1歳、妻が29.7歳である。

 

▶106回午前75改題・112回午前1類問

令和5年(2023年)の人口動態統計における妻の平均初婚年齢はどれか。

 

  1. 23.7歳
  2. 25.7歳
  3. 27.7歳
  4. 29.7歳
  5. 31.7歳

 

 

生涯未婚率

生涯未婚率(50歳時の未婚割合)の推移をみると、平成22年(2010年)には男性20.14%・女性10.61%であったものが、令和2年(2020年)には男性28.25%・女性17.81%と、男女ともに上昇し続けている

 

▶113回午後9

人口統計資料集2020年版における生涯未婚率(50歳時の未婚割合)で、平成22年(2010年)から令和2年(2020年)の推移で適切なのはどれか。

 

  1. 変化はない。
  2. 下降し続けている。
  3. 上昇し続けている。
  4. 上昇と下降を繰り返している。

 

 

 

平均寿命・健康状態・受療状況

第2編3章 生命表 p70~73

第2編4章 健康状態と受療状況 p74~79

平均寿命

平均寿命とは0歳の平均余命をいい、令和4年(2022年)の簡易生命表では、男性が81.05年、女性が87.09年となっている。

 

▶107回午前1

平均寿命で正しいのはどれか。

 

  1. 0歳の平均余命である。
  2. 20歳の平均余命である。
  3. 40歳の平均余命である。
  4. 死亡者の平均年齢である。

 

 


 
▶109回午後1改題・113回午後1類問

令和4年(2022年)の日本における簡易生命表で女性の平均寿命に最も近いのはどれか。

 

  1. 77年
  2. 82年
  3. 87年
  4. 92年

 

 


 
▶105回午後1改題・112回午後1類問

日本の令和4年(2022年)における男性の平均寿命はどれか。

 

  1. 71.05年
  2. 76.05年
  3. 81.05年
  4. 86.05年

 

 


 
▶111回午前32改題

日本の令和4年(2022年)の健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。

 

  1. 女性の死因の第2位は老衰である。
  2. 男性の死因の第2位は肺炎である。
  3. 女性の平均寿命は89年を超えている。
  4. 男性の平均寿命は83年を超えている。

 

 

有訴者率

  • 令和4年(2022年)の病気やけが等で自覚症状のある者(有訴者)は、人口千人当たり276.5(男性246.7・女性304.2)である。
  • 症状別にみると、男女ともに腰痛が最も高い(男性91.6・女性111.9)。

 

▶109回午前25改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、男性の有訴者の症状が最も多いのはどれか。

 

  1. 腰痛
  2. もの忘れ
  3. 体がだるい
  4. 目のかすみ
  5. 手足の関節が痛む

 

 


 
▶112回午前2改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における女性の有訴者の自覚症状で最も多いのはどれか。

 

  1. 頭痛
  2. 腰痛
  3. 体がだるい
  4. 目のかすみ

 

 


 
▶106回午前1改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査による有訴者率(人口千対)で正しいのはどれか。

 

  1. 6.5
  2. 76.5
  3. 276.5
  4. 476.5

 

 

通院者率

  • 令和4年(2022年)の傷病で通院している者(通院者)は、人口千人当たり417.3(男性401.9・女性431.6)である。
  • 傷病別にみると、男女ともに高血圧症が最も高い(男性146.7・女性135.7)。

 

▶108回午後2改題・104回午前2類問

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における通院者率が男女ともに最も高いのはどれか。

 

  1. 糖尿病
  2. 腰痛症
  3. 高血圧症
  4. 眼の病気

 

 

高齢者の有訴者・通院者

  • 令和4年(2022年)の有訴者率(人口千対)をみると、65歳以上で418.2(男397.6・女435.2)、75歳以上で474.6(男462.4・女483.7)となっており、傷病別では腰痛が最も高い。
  • 令和4年(2022年)の通院者率(人口千対)をみると、65歳以上で696.4(男700.8・女692.7)、75歳以上で729.2(男739.2・女721.9)となっており、症状別では高血圧症が最も高い。

 

▶112回午後52改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのはどれか。

 

  1. 75歳以上の通院率は約9割である。
  2. 65歳以上の半数以上が有訴者である。
  3. 65歳以上の外来受療率は年齢が上がるほど高くなる。
  4. 65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。

 

 

患者調査

患者調査は3年に1度実施され、全国の医療施設を利用する患者の傷病など、受療状況を把握している。

 

▶113回午後29

保健統計調査と調査項目の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 患者調査――受療の状況
  2. 人口動態調査――転出入
  3. 国民生活基礎調査――生活習慣
  4. 国民健康・栄養調査――健康診断の受診状況

 

 

受療率

  • 受療率とは、人口10万人に対する推計患者数(調査日当日に病院、一般診療所、歯科診療所で受療した患者の推計数)をいう。
  • 令和2年(2020年)の受療率を傷病分類別にみると、入院では「精神及び行動の障害」(188)が、外来では「消化器系の疾患」(1007)が最も多い。

 

▶112回午後33

健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。

 

  1. 罹患率が高い疾患は有病率が高くなる。
  2. 推計患者数には助産所を利用した者を含む。
  3. 受療率は人口10万人に対する推計患者数である。
  4. 平均在院日数は調査時点で入院している者の在院日数の平均である。

 

 


 
▶110回午前2改題

令和2年(2020年)の患者調査における外来受療率(人口10万対)で最も多い傷病はどれか。

 

  1. 新生物〈腫瘍〉
  2. 呼吸器系の疾患
  3. 消化器系の疾患
  4. 内分泌、栄養及び代謝疾患

 

 

総患者数

令和2年(2020年)の総患者数は、高血圧性疾患1511.1万人で最も多く、次いで糖尿病(579.1万人)、悪性新生物〈腫瘍〉(365.6万人)、心疾患(高血圧性のものを除く)(305.5万人)となっている。

 

▶111回午前42改題

令和2年(2020年)の患者調査において医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。

 

  1. 喘息
  2. 糖尿病
  3. 脳血管疾患
  4. 高血圧性疾患

 

 

 

生活習慣状況

第3編1章 生活習慣病と健康増進対策 p80~94

健康寿命

健康寿命とは日常生活に制限のない期間をいい、その推移をみると、平成25年(2013年)は男性71.19年・女性74.21年、平成28年(2016年)は男性72.14年・女性74.79年、令和元年(2019年)は男性72.68年・女性75.38年と男女ともに延伸している。

 

▶108回午前35改題・113回午前32類問

健康寿命の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。
  2. 2019年の健康寿命は2016年よりも短い。
  3. 2019年の健康寿命は女性より男性のほうが長い。
  4. 平均寿命と健康寿命の差は健康上の問題なく日常生活ができる期間である。

 

 

運動習慣のある者

令和5年(2023年)の運動習慣のある者の割合は、男女ともに70歳以上が最も高く(男性46.5%・女性36.5%)、次いで60~69歳となっている。

 

▶110回午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査において、男性で運動習慣のある割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶107回午前25改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。

 

  1. 30~39歳
  2. 40~49歳
  3. 50~59歳
  4. 60~69歳
  5. 70歳以上
 

 

高齢者の社会活動

令和3年(2021年)の調査では、高齢者が過去1年間に参加した社会活動は、健康・スポーツが26.5%で最も高く、次いで趣味(14.5%)、地域行事(12.8%)となっており、運動習慣の割合と合わせて高齢者の運動志向が高いことがわかる。

 

▶110回午後50改題

令和3年(2021年)の高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査で、高齢者が過去1年間に参加した社会活動のうち割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 教育・文化
  2. 子育て支援
  3. 生産・就業
  4. 健康・スポーツ

 

 

BMI(体格指数)

成人の肥満度を求める指標としてBMI(体重(kg)÷(身長(m))2)が用いられ、BMIが25以上で肥満、18.5未満でやせと判定される。

 

▶108回午前90

身長170cm、体重70kgの成人の体格指数(BMI)を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②

 

 

肥満者・やせの者の割合

  • 令和5年(2023年)の肥満者の割合は、男性では60歳代(35.0%)が最も多く、次いで50歳代(34.8%)、40歳代(34.3%)となっている。
  • 令和5年(2023年)のやせの者の割合は、女性では20歳代(24.4%)が最も高く、次いで30歳代(17.9%)となっている。

 

▶108回午前10改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶106回午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査による40歳代男性の肥満者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 15%
  2. 35%
  3. 55%
  4. 75%

 

 

喫煙習慣者の割合

令和5年(2023年)の喫煙率は男性が25.6%女性が6.9%となっており、男女ともに喫煙率は低下傾向にある。

 

▶109回午後2改題・105回午後2類問・113回午前6類問

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査で20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 6%
  2. 16%
  3. 26%
  4. 36%

 

 


 
▶109回午後47改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査における成人の生活習慣の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 朝食の欠食率は40歳代が最も多い。
  2. 運動習慣のある人の割合は30歳代が最も多い。
  3. 1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多い。
  4. 習慣的に喫煙している人の割合は10年前に比べて増加している。

 

 

 

医療提供体制・国民医療費

第4編1章 医療提供体制 p166~206

第4編2章 医療保険制度 p208~219

看護師の就業場所

  • 令和4年(2022年)末に就業している看護職員(保健師・助産師・看護師・准看護師)の総数は約166万人(うち看護師131万人)である。
  • 令和4年(2022年)の看護師の就業場所をみると、多い順に以下のとおりである。

 

①病院:67.8%

②診療所:13.2%

③介護保険施設等:7.7%

④訪問看護ステーション:5.4%

⑤社会福祉施設:1.7%

 

▶112回午前9改題

令和4年(2022年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。

 

  1. 事業所
  2. 市町村
  3. 保健所
  4. 訪問看護ステーション

 

 

平均在院日数

令和4年(2022年)の病院の平均在院日数は27.3日となっており、医療法に定める病床の種類別にみると、一般病床16.2日、精神病床は276.7日、療養病床は126.5日(介護療養病床は307.8日)、感染症病床は10.5日、結核病症は44.5日などとなっている。

 

▶107回午前2改題

令和4年(2022年)の病院報告による一般病床の平均在院日数はどれか。

 

  1. 6.2日
  2. 16.2日
  3. 26.2日
  4. 36.2日

 

 

病院数

病院数は平成2年(1990年)ころをピークに減少傾向で、令和4年(2022年)は8,156施設となっている。

 

▶107回午前65改題

日本の医療提供施設について正しいのはどれか。

 

  1. 病院数は1995年から増加傾向である。
  2. 2019年の人口対病床数は先進国の中で最も多い。
  3. 介護老人保健施設数は2000年から減少傾向である。
  4. 精神科の平均在院日数は1990年から先進国で最短である。

 

 

国民医療費の状況

  • 国民医療費は、医療機関などにおける傷病の治療に要する費用を推計したものである。
  • 令和3年(2021年)度の国民医療費総額は45兆359億円である。
  • 人口1人当たりでは35.9万円で、年齢階級別にみると65歳未満が19.9万円に対し、65歳以上は75.4万円(約4倍)、75歳以上は92.3万円(約5倍)となっている。

 

▶106回午前3改題

令和3年(2021年)の国民医療費はどれか。

 

  1. 約450億円
  2. 約4,500億円
  3. 約4兆5000億円
  4. 約45兆円

 

 


 
▶110回午後3改題

令和3年(2021年)の人口1人当たりの国民医療費で最も近いのはどれか。

 

  1. 16万円
  2. 26万円
  3. 36万円
  4. 46万円

 

 


 
▶105回午前33改題

日本の令和3年度(2021年度)の国民医療費について正しいのはどれか。

 

  1. 総額は約25兆円である。
  2. 財源の約半分は保険料である。
  3. 国民総生産に対する比率は5%台である。
  4. 人口1人当たりでは65歳以上が65歳未満の約2倍である。

 

 

 

介護状況

第5編1章 介護保険 p220~233

主な介護者の続柄

令和4年(2022年)の要介護者等との続柄別にみた主な介護者は、要介護者等と同居45.9%で、同居のうちでは配偶者が全体の22.9%で最も多い。

 

▶109回午後54改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、要介護者等との続柄別にみた主な介護者の構成割合のうち、「同居の家族」が占める割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 6%
  2. 26%
  3. 46%
  4. 66%

 

 


 

▶107回午後8改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 同居の父母
  2. 別居の家族
  3. 同居の配偶者
  4. 同居の子の配偶者

 

 

同居している主な介護者の状況

令和4年(2022年)の同居している主な介護者を性別にみると、男性31.1%・女性68.9%と女性が高く、年齢階級別にみると男性では60~69歳が、女性では70~79歳が最も多い。

 

▶108回午前70改題・113回午後65類問

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査において、要介護者等のいる世帯に同居している主な介護者全数の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 性別は女性が多い。
  2. 続柄は子が最も多い。
  3. 年齢は50~59歳が最も多い。
  4. 介護時間は「ほとんど終日」が最も多い。

 

 

 

社会保障・社会保険・社会福祉

第1編1章 1.5〕社会保障の状況 p16~17

第5編2章 社会保険と社会福祉 p234~245

社会保障給付費の状況

令和3年度(2021年度)の社会保障給付費の内訳を部門別にみると、年金が55.8兆円(40.2%)、医療が47.4兆円(34.2%)、福祉その他が35.5兆円(25.6%)である。

 

▶107回午前29改題

令和3年度(2021年度)における社会保障給付費の内訳で多い順に並んでいるのはどれか。

 

  1. 年金>医療>福祉その他
  2. 年金>福祉その他>医療
  3. 医療>年金>福祉その他
  4. 医療>福祉その他>年金

 

 

高齢者世帯の所得

令和4年(2022年)国民生活基礎調査における高齢者世帯の所得構成をみると、公的年金・恩給199.9万円(62.8%)と半分以上を占め、次いで稼働所得が80.3万円(25.2%)となっている。

 

▶108回午前54改題・105回午後47類問

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における高齢者世帯の所得のうち62.8%を占めるものは何か。

 

  1. 稼働所得
  2. 財産所得
  3. 公的年金・恩給
  4. 年金以外の社会保障給付金

 

 

育児休業取得状況

令和4年度(2022年度)の女性の育児休業取得率は80.2%と制度の定着が図られている一方、男性では17.13%と、近年上昇傾向にあるものの低い水準にとどまっている。

 

▶112回午後31改題

令和4年度(2022年度)の家族に関する調査で正しいのはどれか。

 

  1. 人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である。
  2. 労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない。
  3. 人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である。
  4. 雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が17.13%である。

 

 

児童虐待の状況

  • 令和3年度(2021年度)の児童虐待対応件数(20.8万件)のうち、主たる虐待者は実母が9.9万件(47.5%)で最も多く、次いで実父が8.6万件(41.5%)となっている。
  • 虐待の種別にみると、「心理的虐待」が60.1%で最も多く、次いで「身体的虐待」が23.7%、「ネグレクト」が15.1%、「性的虐待」が1.1%となっている。虐待対応件数は、総数でみても種別でみても増加傾向にある。

 

▶109回午後59改題

令和3年度(2021年度)の福祉行政報告例における児童虐待で正しいのはどれか。

 

  1. 主たる虐待者は実父が最も多い。
  2. 性的虐待件数は身体的虐待件数より多い。
  3. 児童虐待相談件数は5年間横ばいである。
  4. 心理的虐待件数は5年前に比べて増加している。

 

 

養護者による高齢者虐待の状況

  • 令和4年度(2022年度)の養護者による高齢者虐待(1.7万件)のうち、虐待を行った養護者の続柄は、息子が39.0%で最も多く、次いで夫が22.7%となっている。
  • 被虐待高齢者の性別は女性が75.8%と多く、年齢階級別にみると80~84歳が25.3%で最も高い。
  • 虐待の種別にみると、身体的虐待が65.3%と半分以上を占めている。

 

▶104回午後57改題

日本の令和4年(2022年)の養護者による高齢者虐待の種類で最も多いのはどれか。

 

  1. 身体的虐待
  2. 心理的虐待
  3. 介護等放棄
  4. 性的虐待

 

 


 
▶111回午後54改題

令和4年度(2022年度)「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果において、養護者による高齢者虐待に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 夫による虐待が最も多い。
  2. 被虐待者の9割が女性である。
  3. 心理的虐待が全体の6割を占めている。
  4. 被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多い。

 

 

 

労働衛生・学校保健

第8編 労働衛生 p299~310

第10編 学校保健 p341~351

業務上疾病発生状況

令和4年(2022年)の業務上疾病発生割合は、負傷に起因する疾病が74.5%と最も多く、そのうち災害性腰痛が62.7%を占める(新型コロナウイルスり患によるものを除く。除かない場合、病原体による疾病が94.4%を占める)。

 

▶105回午前3改題

日本の令和4年(2022年)における業務上疾病で、新型コロナウイルスり患によるものを除いた場合、発生件数が最も多いのはどれか。

 

  1. 振動障害
  2. 騒音による耳の疾患
  3. 負傷に起因する疾病
  4. じん肺症及びじん肺合併症

 

 

学童期の異常被患率

令和4年(2022年)の学校における主な疾病・異常の状況をみると、幼稚園・小学校・中学校・高等学校のいずれも「裸眼視力1.0未満の者」が最も高く、次いで改善傾向にある「むし歯(う歯)」となっている。

 

▶110回午前7改題

令和4年(2022年)の学校保健統計調査における学童期の異常被患率で最も高いのはどれか。

 

  1. 高血圧
  2. 摂食障害
  3. 心電図異常
  4. 裸眼視力1.0未満の者

 

 

 

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

国民衛生の動向」は、医療や公衆衛生、福祉など厚生行政の全体像を1冊に集約し、法律や制度の概要、歴史、改正内容などを網羅しています。

 

保健師国家試験では、保健、福祉、衛生、社会保障など、幅広い法律・制度の知識が毎年問われています。その多くは市町村や都道府県、保健所などが関与しており、合格のためだけの知識ではなく、今後保健師として従事していく上でも大切な知識となっています。

 

このページでは、保健師国家試験に出題された法律ごとに、「国民衛生の動向」の記述を基に要点を簡潔にまとめ、110回(2024年)から101回試験(2015年)までの過去12年の出題の中から対応する法律問題をピックアップしています。「国民衛生の動向」と併用してご活用下さい。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

法律別問題目次

第1編:社会保障の動向と衛生行政の体系

  • 地域保健法
  • 災害対策基本法
  • 災害救助法

第3編:保健と医療の動向

  • 健康増進法
  • 母子保健法
  • 障害者総合支援法
  • 精神保健福祉法
  • 発達障害者支援法
  • 歯科口腔保険の推進に関する法律
  • 自殺対策基本法
  • がん対策基本法
  • がん登録推進法
  • 難病法

第4編:医療提供体制と医療保険

  • 医療法
  • 医療介護総合確保推進法
  • 訪問看護制度
  • 保健師助産師看護師法
  • 医療保険各法
  • 高齢者の医療の確保に関する法律

第5編:保健医療を取り巻く社会保障

  • 介護保険法
  • 国民年金法・厚生年金保険法
  • 生活保護法
  • 生活困窮者自立支援法
  • 子ども・子育て支援法
  • 児童福祉法
  • 障害者基本法
  • 障害者虐待防止法

第7~10編:生活環境・労働衛生・学校保健

  • 食品表示法
  • 労働安全衛生法
  • 労働基準法
  • 労働者災害補償保険法
  • 学校教育法
  • 学校保健安全法
  • 学校給食法

複合法律問題

 

 

地域保健法

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

第1編2章 5.保健師の活動 p25~27

保健所

  • 保健所は地域における公衆衛生の向上と増進を図るために、地域保健法に基づいて都道府県、政令指定都市、中核市、施行令で規定された市、特別区が設置する(令和5年4月1日現在468カ所)。
  • 保健所長は原則として医師であって要件に該当する者を当てる。ただし、平成16年の施行令改正により、医師でなくとも医師と同等以上の公衆衛生行政に必要な専門的知識を有すると認めた者などの要件を満たした職員を、2年以内の期間を限り保健所長とすることができることとなった。
  • 保健所では、次に掲げる事項についての指導やこれに必要な事業を行う。(地域保健法6条)

 

  1. 地域保健に関する思想の普及と向上
  2. 人口動態統計その他地域保健に係る統計
  3. 栄養の改善と食品衛生
  4. 住宅、水道、下水道、廃棄物の処理、清掃その他の環境の衛生
  5. 医事と薬事
  6. 保健師
  7. 公共医療事業の向上と増進
  8. 母性、乳幼児、老人の保健
  9. 歯科保健
  10. 精神保健
  11. 治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健
  12. エイズ、結核、性病、伝染病その他の疾病の予防
  13. 衛生上の試験と検査
  14. その他地域住民の健康の保持と増進

 

▶110回午前3

保健所の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 平成30年(2018年)から令和4年(2022年)の5年間の推移で中核市の保健所は減少傾向にある。
  2. 地域保健に関する思想の普及が業務の1つである。
  3. 健康増進法に基づき設置されている。
  4. 介護認定審査会を開催する。

 

 

市町村保健センター

市町村保健センターは、住民に対し、健康相談・保健指導・健康診査など地域保健に関し必要な事業を行うため、地域保健法に基づいて市町村が設置することができる(令和5年4月1日現在2,419カ所)。

 

▶109回午前19

地域保健法に規定されている内容で正しいのはどれか。

 

  1. 市町村健康増進計画の策定を義務づけている。
  2. 市町村保健センター業務の1つに調査研究がある。
  3. 市町村保健センターの整備について規定している。
  4. 都道府県保健所の業務の1つに予防接種事業がある。

 

 


 

▶101回午後27

地域保健法で規定されている市町村保健センターの役割で正しいのはどれか。

 

  1. 健康診査
  2. 結核の予防
  3. 衛生上の検査
  4. 人口動態統計調査
  5. 医療従事者届の受付

 

 


 

▶102回午前25改題

市町村保健センターで正しいのはどれか。

 

  1. 市町村に設置義務がある。
  2. センター長は原則として医師である。
  3. 地域保健法に設置が定められている。
  4. 診療放射線技師の配置が定められている。
  5. 令和5年4月時点のセンター数は1,500か所である。

 

 


 

▶104回午前26

地域保健法に規定されている内容はどれか。

 

  1. 市町村保健センターの所長は原則として医師である。
  2. 市町村に対する必要な財政的援助は都道府県の責務である。
  3. 保健所には所管区域内の市町村職員の研修の実施が義務付けられている。
  4. 保健所が行う事業に母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項がある。

 

 

地域保健対策の推進に関する基本的な指針

地域保健法に基づき、平成6年(1994年)に厚生労働大臣により、市町村、都道府県、国が取り組むべき方向を示した「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」が定められ、社会状況の変化や災害時の健康管理に対応して改正が行われている。

 

▶109回午前25・103回午前15類問

健康危機管理について、地域保健法で厚生労働大臣が定めることが規定されているのはどれか。

 

  1. 地域防災計画
  2. 厚生労働省健康危機管理基本指針
  3. 医療提供体制の確保に関する基本方針
  4. 地域保健対策の推進に関する基本的な指針
  5. 地域における保健師の保健活動に関する指針

 

 


 

▶102回午前28

地域保健対策の推進に関する基本的な指針について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 健康危機管理体制の管理責任者は保健所長が望ましい。
  2. 科学的根拠に基づく地域保健対策の計画を策定する。
  3. 自助の推進から公助の積極的な活用への移行を図る。
  4. 専門家とのリスクコミュニケーションに努める。
  5. 災害対策基本法に基づいて定められている。

 

 

地域における保健師の保健活動に関する指針

平成25年(2013年)に改正された「地域における保健師の保健活動に関する指針」では、以下の基本的な方向性の10項目が示されている。

  1. 地域診断に基づくPDCAサイクルの実施
  2. 個別課題から地域課題への視点・活動の展開
  3. 予防的介入の重視
  4. 地区活動に立脚した活動の強化
  5. 地区担当制の推進
  6. 地域特性に応じた健康なまちづくりの推進
  7. 部署横断的な保健活動の連携・協働
  8. 地域のケアシステムの構築
  9. 各種保健医療福祉計画の策定・実施
  10. 人材育成

 

▶107回午後17

「地域における保健師の保健活動に関する指針」に基づく保健師の保健活動の基本的な方向性の10項目に該当するのはどれか。

 

  1. 業務分担制の推進
  2. 予算の適切な執行管理
  3. 顕在化している課題への介入重視
  4. 部署横断的な保健活動の連携・協働

 

 


 

▶102回午前26

平成25年(2013年)の地域における保健師の保健活動に関する基本的な指針における記載事項でないのはどれか。

 

  1. 人材育成
  2. 地区担当制の推進
  3. 予防的介入の重視
  4. 個別課題の視点の重視
  5. 地区診断に基づくPDCAサイクルの実施

 

 

都道府県保健所等に所属する保健師の活動

「地域における保健師の保健活動に関する指針」では、都道府県保健所等に所属する保健師の活動として以下などが掲げられている。

 

  • 広域的・専門的な保健サービス等の提供
  • 災害等の健康危機に対応できる体制づくり
  • 新たな健康課題に対する先駆的な保健活動の実施
  • 生活衛生・食品衛生対策
  • 医療施設等に対する指導
  • 地域の健康情報の収集・分析・提供と調査研究
  • 管内市町村との重層的な連携体制の構築

 

▶106回午前31

平成25年(2013年)に改正された「地域における保健師の保健活動に関する指針」に示された都道府県保健所等に所属する保健師の活動はどれか。2つ選べ。

 

  1. 広域的・専門的な保健サービスの提供
  2. 住民の主体的な健康づくり支援
  3. ボランティア組織の育成支援
  4. 市町村保健師の業務の補助
  5. 健康危機への体制づくり

 

 

市町村に所属する保健師の活動

「地域における保健師の保健活動に関する指針」では、市町村に所属する保健師の活動として以下などが掲げられている。

 

  • 住民の身近な保健サービス等の企画・立案・提供・評価
  • 地区担当制の推進
  • 市町村が保険者として実施する特定健康診査・特定保健指導
  • 介護保険事業等への取り組み
  • 地域特性を反映した各種保健医療福祉計画、防災計画、障害者プラン、まちづくり計画等の策定

 

▶108回午前1

平成25年(2013年)に改正された「地域における保健師の保健活動に関する指針」に示された市町村に所属する保健師の活動はどれか。

 

  1. 医療施設等に対する指導
  2. 防災計画の策定への参画
  3. 健康危機管理の体制づくり
  4. 広域的、専門的な保健サービスの提供

 

 


 

▶105回午前17

都道府県や市区町村において統括的な役割を担う保健師の活動で最も適切なのはどれか。

 

  1. 住民への総合相談を実施する。
  2. 組織横断的な総合調整及び推進を行う。
  3. 地区担当制による地区活動を実施する。
  4. 広域的かつ専門的な保健サービスを行う。

 

 

 

災害対策基本法・災害救助法

第5編2章 6.2〕災害時の支援体制 p244

災害対策基本法

災害対策基本法は統一的かつ計画的な防災体制の整備を図る、災害対策の最も基本となる法律で、地域防災計画(都道府県・市町村)の作成や物資の備蓄、防災訓練義務といった平時における予防等の責務など幅広く規定している。

 

▶105回午後30

災害対策基本法に示されている住民の責務はどれか。2つ選べ。

 

  1. 過去の災害から得られた教訓の伝承
  2. 避難行動要支援者名簿の作成
  3. 生活必需物資の備蓄
  4. 防災組織の充実
  5. 防災活動の促進

 

 


 
▶104回午後31

災害対策基本法に基づき都道府県が行う災害対策はどれか。2つ選べ。

 
  1. 防災のための調査研究
  2. 指定緊急避難場所の指定
  3. 都道府県地域防災計画の作成
  4. 避難行動要支援者名簿の作成
  5. 住民の自発的な防災活動の促進

 

 

災害救助法

発災後、被災地域に適用される災害救助法では、避難所や応急仮設住宅の設置、衣食や医療・助産の提供など応急対策が行われる。
 

▶107回午後25

災害救助法で定められているのはどれか。

 

  1. 自主防災組織の促進
  2. 地域防災計画の作成
  3. 避難所及び応急仮設住宅の供与
  4. 広域災害救急医療情報システム〈EMIS〉の運用
  5. 災害時健康危機管理支援チーム〈DHEAT〉の派遣

 

 


 

▶102回午前37

災害救助法で定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 防災計画の作成
  2. 職員の派遣義務
  3. 被災した住宅の応急修理
  4. 避難所及び応急仮設住宅の供与
  5. 地方公共団体とボランティアとの連携

 

 


 

▶110回午前28

災害対策基本法に規定されているのはどれか。

 

  1. 救護所における医療
  2. 自主防災組織の育成
  3. 被災世帯の住宅再建支援
  4. 被災者への生活再建支援金給付
  5. 被災世帯への災害援護資金の貸し付け

 

 

 

健康増進法

第3編1章 2.1〕(5)健康増進法 p86~87

市町村の役割

  • 健康増進法に基づき、厚生労働大臣は国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針を定め、基本方針に基づき都道府県は健康増進計画を定めるものとされる。市町村については、それらを勘案して健康増進計画を定めるように努める。
  • 市町村は、住民の健康の増進を図るため、住民からの生活習慣の改善に関する相談や必要な栄養指導などの保健指導を行う。また、市町村による健康増進事業として、歯周疾患検診、骨粗鬆症検診、肝炎ウイルス検診、がん検診、健康手帳(自らの健康管理のために必要な事項を記載する)の交付などの実施に努める。

 

▶108回午前38

健康増進法に基づく市町村の役割はどれか。2つ選べ。

 

  1. 特定保健指導
  2. がん検診の実施
  3. 健康増進計画の策定
  4. 特定給食施設に対する指導
  5. 飲食店における受動喫煙の防止に関する指導

 

 


 

▶103回午前7

健康増進法に基づく市町村の役割はどれか。

 

  1. 生活習慣相談の実施
  2. 特定給食施設の指導
  3. 飲食店における利用者の受動喫煙の防止
  4. 健康増進の総合的な推進のための基本方針の策定

 

 


 

▶105回午前40

健康増進法に基づき市町村が実施するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 栄養指導員の任命
  2. 健康手帳の交付
  3. 骨粗鬆症検診
  4. 特定健康診査
  5. 妊婦健康診査

 

 


 

▶104回午後14

健康増進法に基づく健康増進事業による肝炎ウイルス検診について正しいのはどれか。

 

  1. 実施主体は都道府県である。
  2. 対象は満40歳以上の者である。
  3. 60歳から無料で検診が受けられる。
  4. 特定健康診査の検査項目に定められている。

 

 

 

母子保健法

第3編2章 1.1〕母子保健法に基づく施策 p96~99

主な母子保健施策のあゆみ

  • 昭和17年(1942年):妊産婦手帳制度
  • 昭和23年(1948年):妊産婦・乳幼児の保健指導
  • 昭和29年(1954年):育成医療
  • 昭和33年(1958年):未熟児養育医療
  • 昭和36年(1961年):3歳児健康診査、新生児訪問指導
  • 昭和40年(1965年):母子保健法、母子健康手帳
  • 昭和44年(1969年):妊産婦健康診査の公費負担制度
  • 昭和49年(1974年):小児慢性特定疾患治療研究事業
  • 昭和52年(1977年):1歳6か月児健康診査、先天性代謝異常のマススクリーニング
  • 平成9年(1997年):母子保健法改正(保健指導、新生児・妊産婦の訪問指導、健康診査、妊娠の届出、母子健康手帳など市町村に権限委譲)
  • 平成12年(2000年):健やか親子21
  • 平成15年(2003年):少子化社会対策基本法、次世代育成支援対策推進法
  • 平成17年(2005年):小児慢性特定疾患治療研究事業を児童福祉法に位置づけ
  • 平成18年(2006年):マタニティマーク
  • 平成23年(2011年):タンデムマス法を用いた新生児スクリーニング検査の導入
  • 平成25年(2013年):未熟児養育医療・未熟児訪問指導を市町村に権限委譲
  • 平成26年(2014年):健やか親子21(第2次)
  • 平成28年(2016年):子育て世代包括支援センター
  • 平成30年(2018年):成育基本法

 

▶105回午前10

年代と母子保健施策の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 昭和17年(1942年)――母子健康手帳の制度化
  2. 昭和36年(1961年)――1歳6か月児健康診査開始
  3. 昭和52年(1977年)――3歳児健康診査開始
  4. 平成9年(1997年)――新生児訪問が市町村へ移管

 

 


 

▶101回午前10

母子保健施策のうち最も新しいのはどれか。

 

  1. 母子健康手帳の交付
  2. マタニティマークの配布
  3. 妊婦健康診査の公費負担
  4. 新生児マススクリーニング検査におけるタンデムマス法の導入

 

 

妊娠届

妊娠した者は速やかに市町村長に妊娠の届出をすることになっており、市町村は届け出をした者に対して母子健康手帳を交付する(母子保健法15条・16条)。

 

▶102回午後10

妊娠届について正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県知事に提出する。
  2. 医師の診断書が必要である。
  3. 届出の事項は定められていない。
  4. 届出をした者に対し母子健康手帳を交付する。

 

 

子育て世代包括支援センター

平成27年の母子保健法の改正により、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターが規定され、市町村は同センターを設置するように努めなければならないこととされた。令和4年4月1日現在、1,647市区町村(2,486カ所)で整備されている。

 

▶107回午後29

子育て世代包括支援センターで正しいのはどれか。

 

  1. 要保護児童対策地域協議会を設置する。
  2. 母子保健推進員の配置が定められている。
  3. 児童福祉法において設置が定められている。
  4. 妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援を行う。
  5. 市町村は子育て世代包括支援センターを設置しなければならない。

 

 

 

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉

第3編2章 3.障害児・者施策 p107~111

概要

  • 障害者総合支援法は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害含む)、難病等の種別にかかわらず、障害のある人々が必要な医療・福祉サービスを利用できるように総合的に支援を行うものである。
  • 同法に基づく制度の給付申請の窓口は市町村で、実施主体は都道府県・指定都市とされる。利用者の負担額は所得に応じて負担上限月額が設けられている(応能負担)。

 

▶101回午後22

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律における障害福祉サービスについて正しいのはどれか。

 

  1. 申請窓口は都道府県である。
  2. 発達障害者は対象である。
  3. 利用者負担は定額である。
  4. 措置制度である。

 

 

自立支援医療

障害者総合支援法に一元化された自立支援医療制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度である。身体障害者には更生医療、身体障害児には育成医療、精神障害者には精神通院医療がなされている。
 

▶105回午後11

県の保健所に住民から「うつ病で通院中なので、医療費を公費で負担してくれる制度の内容や手続きについて知りたい」という電話相談があった。
保健所保健師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「県の保健所が申請窓口です」
  2. 「精神保健福祉法に基づく制度です」
  3. 「世帯の所得に応じて負担上限額があります」
  4. 「お住まいの市が医療費受給の判定を行います」

 

 

障害者総合支援法のあゆみ

●平成18年(2006年)

障害者自立支援法施行。支援の対象は身体障害、知的障害、精神障害とされた(平成22年の一部改正で精神障害として発達障害が対象となることを明確化)。

 

●平成24年(2012年)

名称を障害者総合支援法と改め、①障害者の範囲として難病等の追加、②創設された障害支援区分に基づくサービスの提供、③障害者に対する理解を深めるための研修・啓発などの地域生活支援事業の追加といった改正がなされた。

 

●平成28年(2016年)

障害者の望む地域生活の支援として、自立生活援助、就労定着支援などのサービスが新設された。

 

▶101回午後31

障害者自立支援法から障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律への改正時に、変更された内容はどれか。2つ選べ。

 

  1. 難病は支援の対象から除外された。
  2. 障害程度区分を障害支援区分とした。
  3. 支援の対象者に精神障害者を追加した。
  4. 利用者の負担額は利用した障害福祉サービスの額の3割とした。
  5. 地域生活支援事業として障害者に対する理解を深めるための研修や啓発を行う事業を追加した。

 

 


 

▶108回午前33

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 療育手帳の根拠法令である。
  2. 障害支援区分に基づきサービスが利用できる。
  3. 自立支援医療の自己負担額は原則2割である。
  4. サービスを利用する場合は都道府県の窓口に申請する。
  5. 平成28年(2016年)の改正によって就労定着支援が新設された。

 

 

 

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉

第3編2章 4.精神保健 p111~118

精神障害者の入院形態

  • 任意入院は精神障害者自身の同意に基づく入院制度である。
  • 任意入院が行われる状態にないと判定された者については、医療および保護のために入院の必要があり、その家族等の同意がある場合に医療保護入院が行える。しかし、急速を要し、家族等の同意を得ることができない場合には、精神保健指定医の診察により、72時間以内応急入院を行うことができる。
  • 2人以上の精神保健指定医の診察を要件に、精神障害者で入院させなければ自傷他害のおそれがある場合には指定病院等への措置入院を行うことができる。措置入院の対象であるが急速な入院の必要性があることを条件に、指定医の診察は1名で足りるが入院期間は72時間以内に制限される緊急措置入院を行うことができる。

 

▶108回午後31

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に規定されている内容で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 市町村の役割に普及啓発がある。
  2. 精神通院医療費は公費で負担される。
  3. 医療保護入院は患者本人の同意が必要である。
  4. 緊急措置入院は精神保健指定医1人の診察が必要である。
  5. 発達障害者支援センターの設置について規定されている。

 

 

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、精神保健及び精神障害者の福祉に関して、知識の普及・調査研究、複雑または困難な相談・指導などを行うものとして都道府県・指定都市に設置され、精神科医や精神保健福祉士、精神保健福祉相談員などの職員を配置する。

 

▶106回午前20

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく精神保健福祉センターで正しいのはどれか。

 

  1. 設置主体は市町村である。
  2. 地域生活支援事業を実施する。
  3. 社会復帰の促進のための啓発活動を行う。
  4. 自立支援医療(精神通院医療)の申請窓口である。

 

 


 

▶103回午前20

精神保健福祉センターの業務で正しいのはどれか。

 

  1. 措置入院の決定
  2. 精神保健福祉相談員の任命
  3. 精神障害者保健福祉手帳の交付
  4. 精神障害者の福祉に関する困難な相談

 

 


 

▶109回午前35

精神保健福祉センターの業務で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 精神保健に関する普及啓発
  2. 地域自立支援協議会の運営
  3. 薬物の不正取引の取り締まり
  4. 自殺総合対策推進センターの運営
  5. 保健所と精神保健関係諸機関に対する技術指導・援助

 

 

精神障害者保健福祉手帳

  • 精神障害者保健福祉手帳は、精神障害者が長期にわたり日常生活や社会生活に相当の制限を受けるなど、一定の精神障害の状態にあることを認定して交付されるもので、交付により所得税・住民税の控除など各種税制の優遇措置や公共交通機関の運賃割引などが受けられる。
  • 手帳の申請は市町村の担当窓口を経由して都道府県知事に行い、都道府県知事は審査・交付を行う。交付された者は障害の程度に応じて1~3級に等級が区分され、有効期限は公布日から2年で、更新が必要となる。

 

▶102回午前36

精神障害者保健福祉手帳について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 市町村長が交付する。
  2. 高次脳機能障害は対象となる。
  3. 税制上の優遇措置が受けられる。
  4. 1~4級の等級に区分されている。
  5. 1年ごとに認定の更新が必要である。

 

 

精神保健福祉法改正の主な経緯・内容

●昭和25年(1950年)精神衛生法制定
精神病院設置義務、私宅監置の廃止

 

●昭和40年(1965年)改正

保健所を精神保健行政の第一線機関として位置づけ、通院医療公費負担制度の創設

 

●昭和62年(1987年)改正

精神保健法に名称変更、任意入院、応急入院、精神保健指定医、精神医療審査会の導入

 

●平成5年(1993年)改正

社会復帰の促進、グループホームの法定化

 

●平成7年(1995年)改正

精神保健福祉法に名称変更、精神障害者保健福祉手帳の創設、市町村の役割の明示

 

●平成11年(1999年)改正

医療保護入院の移送制度の創設

 

●平成17年(2005年)改正

障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)の成立に伴い通院医療公費負担制度を自立支援医療に一元化

 

●平成25年(2013年)改正

障害者に医療を受けさせるなどの義務を家族等に負わせていた保護者制度の廃止

 

▶101回午前11

精神保健対策の変遷で最も新しいのはどれか。

 

  1. 市町村の役割が明示された。
  2. 医療保護入院のための移送が規定された。
  3. 精神障害者保健福祉手帳制度が創設された。
  4. 保健所が精神保健行政を担うこととされた。

 

 

 

発達障害者支援法

第3編2章 4.6〕(4)発達障害者支援 p115~116

発達障害の定義・発達障害者支援センター

  • 発達障害者支援法では、発達障害を広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群など)、学習障害、注意欠陥多動性障害など、通常低年齢で発症する脳機能の障害と定義している。
  • 発達障害者支援センターは、発達障害の早期発見や支援、情報提供などの業務を実施するもので、都道府県知事が指定することができる

 

▶101回午前25

発達障害者支援法について正しいのはどれか。

 

  1. 学習障害は対象に含まれる。
  2. 発達障害者に療育手帳を交付する。
  3. 支援の対象は18歳未満の障害者と定めている。
  4. 市町村長は発達障害者支援センターを設置しなければならない。

 

 


 

▶105回午後35

発達障害で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 発達障害者は障害者総合支援法のサービスを利用することができる。
  2. 発達障害者は精神障害者保健福祉手帳を申請することはできない。
  3. 発達障害の定義は発達障害者支援法に規定されている。
  4. 発達障害者に二次障害が出現することはない。
  5. 発達障害者支援センターは市町村が設置する。

 

 

 

歯科口腔保健の推進に関する法律

第3編2章 5.歯科保健医療 p118~120

歯科保健施策のあゆみ

●平成元年(1989年)

成人歯科保健対策検討会提言。以降、80歳になっても20本以上の歯を保つことを目的とする8020運動が推進されている。

 

●平成7年度(1995年度)

老人保健事業として歯周疾患検診が導入。対象年齢を拡大しながら、平成20年度(2008年度)からは健康増進法に基づく健康増進事業として市町村が実施に努めている。

 

●平成23年(2011年)

歯科口腔保健の推進に関する法律が成立。総合的な歯科保健施策の方針、目標、計画を示した歯科口腔保健の推進に関する基本的事項が翌年策定され、各ライフステージおける取り組みが示された。

 

●平成25年度(2013年度)

第4次国民健康づくり対策である健康日本21(第二次)開始。歯・口腔の健康に関する目標が示され、8020運動の目標数値を設定した(平成28年実績値51.2%)。

 

▶104回午後30・110回午後30類問

歯科保健施策について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 歯科疾患実態調査は3年ごとに実施されている。
  2. 健康増進法によって歯周疾患検診が義務化された。
  3. 平成23年(2011年)に歯科口腔保健の推進に関する法律が施行された。
  4. 第一次国民健康づくり対策の課題の1つとして歯の健康が取り上げられた。
  5. 食育の推進の一助として噛ミング30〈カミングサンマル〉運動が行われている。

 

 


 

▶103回午前13

8020運動について正しいのはどれか。

 

  1. う蝕予防に重点を置く運動である。
  2. 健康日本21(第二次)に目標値が設定されている。
  3. 日本医師会と日本歯科医師会とが推進を提言した。
  4. 歯科口腔保健の推進に関する法律に基づいて運動を開始した。

 

 

歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の目標

●歯科疾患の予防における目標

乳幼児期では健全な歯・口腔の育成を、学齢期では口腔状態の向上を、成人期では健全な口腔状態の維持を、高齢期では歯の喪失防止を掲げている。

 

●生活の質の向上に向けた目標

乳幼児期と学齢期では口腔機能の獲得を、成人期と高齢期では口腔機能の維持・向上を掲げている。

 

▶106回午後11

歯科口腔保健の推進に関する法律に基づく基本的事項の目標とライフステージの組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 口腔状態の向上――乳幼児期
  2. 歯の喪失防止――学童期
  3. 健全な歯・口腔の育成――成人期
  4. 口腔機能の維持・向上――高齢期

 

 

 

自殺対策基本法

第3編2章 6.自殺対策 p121~122

自殺対策基本法(平成18年成立、平成28年改正)の概要

  • 自殺対策基本法は、自殺対策を総合的に推進して、自殺の防止とあわせて自殺者の親族等の支援の充実を図り、国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。
  • 政府には推進すべき自殺対策の指針として自殺総合対策大綱の策定が義務づけられている。また、都道府県や市町村には自殺対策計画の策定を義務づけている。

 

▶105回午前21

現行の自殺対策基本法で正しいのはどれか。

 

  1. 自殺者の親族等に対する支援が目的に含まれる。
  2. 事業主の責務に長時間労働の禁止を規定している。
  3. 保健所に自殺総合対策会議の実施を義務付けている。
  4. 市町村に自殺予防総合相談窓口の設置を義務付けている。

 

 


 

▶101回午後35

自殺対策基本法について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 事業主に長時間労働の禁止を規定している。
  2. 自殺総合対策大綱で自殺対策の指針が策定された。
  3. 自殺者の親族に対する適切な支援が目的に含まれる。
  4. 保健所を自殺予防総合対策センターに位置付けている。
  5. 自殺予防総合相談窓口の設置を市町村に義務付けている。

 

 


 

▶110回午前21

日本の自殺対策で正しいのはどれか。

 

  1. 高齢者の自殺対策を重点施策に位置付けている。
  2. 市町村に自殺対策計画の立案を義務付けている。
  3. 事業主にメンタルヘルス対策推進を義務付けている。
  4. 令和8年までに自殺死亡率を平成27年と比べて10%減少することを目標としている。

 

 

 

がん対策基本法

第3編4章 1.がん対策 p149~152

がん登録

  • がん対策基本法により、国はがん対策推進基本計画の策定、都道府県は都道府県がん対策推進計画の策定が定められている。
  • 令和5年(2023年)に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画では、がん予防を図るため、指針に基づく全てのがん検診において、がん検診受診率60%を目指すことを掲げている。

 

▶110回午後19

第3期がん対策推進基本計画の目標項目で正しいのはどれか。

 

  1. がん有病率
  2. がん検診受診率
  3. 緩和ケア病棟数
  4. がん患者の支援団体数

 

 

 

がん登録等の推進に関する法律〈がん登録推進法〉

第3編4章 1.がん対策 p149~152

がん登録

  • がんと診断されたすべての人について、全病院には都道府県への罹患情報の届け出義務が課され、国(国立がん研究センター)がデータベース化を行い、がん罹患率などを正確に把握し、がん対策に活用している(全国がん登録)。
  • 情報は一般には公開されていないが、研究者や国、都道府県の関係者などに限った提供が行われている。

 

▶104回午後27

法律に基づく全国の疾病登録があるのはどれか。

 

  1. がん
  2. 糖尿病
  3. 脳卒中
  4. 慢性腎臓病
  5. マイコプラズマ感染症

 

 


 

▶106回午前40

がん登録等の推進に関する法律〈がん登録推進法〉で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. がん診療連携拠点病院を2次医療圏に整備する。
  2. がん登録届出の際は患者の同意が必要である。
  3. がんの罹患に関する情報のデータベース化は国が行う。
  4. 全国がん登録データベースは一般に公開されている。
  5. 病院には罹患情報の届出義務がある。

 

 


 

▶110回午後24

全国がん登録制度について正しいのはどれか。

 

  1. 罹患率を計測する。
  2. 健康増進法に基づいている。
  3. 診断後7日以内に届け出る。
  4. がん罹患者の同意が必要である。
  5. 指定届出機関による定点把握である。

 

 

 

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉

第3編4章 2.難病対策 p153~157

 

難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針

難病法では国の責務として基本方針を策定することとされ、以下の9項目が告示されている。

  1. 医療等の推進の基本的な方向
  2. 医療提供体制の確保
  3. 医療に関する人材の養成
  4. 調査研究
  5. 医薬品・医療機器に関する研究開発の推進
  6. 患者の療養生活の環境整備
  7. 医療等と福祉サービスに関する施策や就労の支援に関する施策等との連携
  8. その他医療等の推進に関する重要事項
  9. 医療費助成制度に関する事項

 

▶107回午前35

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針で定める内容はどれか。2つ選べ。

 

  1. 発症の予防
  2. 就労の支援
  3. 医療費の適正化
  4. 対象疾患の拡充
  5. 療養生活の環境整備

 

 

難病・指定難病

  • 難病とは、発病の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものをいう。
  • 医療費助成の対象となる指定難病は、難病のうち当該難病の患者数が本邦において千分の一(0.1%)程度に相当する数に達せず、かつ、当該難病の診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっていることなど厚生労働省令で定める要件等を満たし、厚生労働大臣が厚生科学審議会の意見を聴いて指定するもので、令和3年11月現在338疾病が指定されている。

 

▶106回午前12

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく指定難病で正しいのはどれか。

 

  1. 治療方法が確立している。
  2. 発病の機構が明らかである。
  3. 客観的な指標による一定の診断基準が定まっている。
  4. 患者数が日本の人口のおおむね百分の一程度に相当する。

 

 

医療費助成の概要

  • 医療費助成を申請する者は、難病指定医等の記載した臨床調査個人票をもって、都道府県・指定都市に申請し、支給認定を受ける必要がある。また、助成を受ける際には、都道府県・指定都市が指定した医療機関のうち、原則として患者が事前に登録した医療機関に限っている。
  • 医療費助成は都道府県・指定都市が実施主体となり、国がその2分の1を義務的に負担する。患者負担については2割とし、所得や治療の内容に応じた負担限度額が設定されている。また、一定の重症度以上の者を医療費助成の対象としているが、軽症者であっても高額な医療を継続することが必要な者についても対象としている。

 

▶109回午前21改題

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく指定難病の医療費助成制度で正しいのはどれか。

 

  1. 患者の自己負担割合は3割である。
  2. 令和3年(2021年)時点で指定難病は110疾患である。
  3. 国が指定した医療機関で受診した医療費が助成対象である。
  4. 新規に医療費助成を受けるには難病指定医による診断書が必要である。

 

 


 

▶105回午後28

難病対策で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療費助成の患者負担割合は1割である。
  2. 都道府県は療養生活環境整備事業を実施できる。
  3. 居住地の都道府県内の医療機関は全て医療費助成の対象である。
  4. 軽症者でも高額な医療を継続する者は医療費助成の対象となる。
  5. 都道府県は難病相談支援センターの設置が義務付けられている。

 

 

難病相談支援センター

難病相談支援センターは、都道府県・指定都市が設置することができ、地域で難病患者等の療養上・日常生活上での不安の解消を図るため、相談支援や情報提供、患者相互の交流(ピアサポート)支援、医療機関職員への研修会などを実施している。

 

▶107回午後11

難病相談・支援センターの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 設置主体は市町村である。
  2. 難病医療提供体制の整備を図る。
  3. 難病患者の交流活動を支援する。
  4. 難病医療費助成制度の申請窓口である。

 

 

難病対策地域協議会

  • 都道府県、保健所を設置する市及び特別区は難病の患者への支援の体制の整備を図るため難病対策地域協議会を置くように努める(法32条)。
  • 難病対策地域協議会の構成員としては、保健所を中心に医療、福祉、保健関連の機関や職種をはじめ、当事者である患者や家族なども含まれる。

 

▶106回午後10

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に定める難病対策地域協議会で正しいのはどれか。

 

  1. 構成員に患者の家族が含まれる。
  2. 医療費助成の支給認定を行っている。
  3. 患者や家族への医療情報の提供を目的とする。
  4. 都道府県、保健所を設置する市及び特別区に設置の義務がある。

 

 


 

▶108回午後8

難病対策で正しいのはどれか。

 

  1. 市町村は難病対策地域協議会の設置に努める。
  2. 診断基準が未確立である疾病が医療費助成の対象となる。
  3. 日常生活用具の給付には身体障害者手帳の取得が必要である。
  4. 指定医療機関による訪問看護の費用は医療費助成の対象となる。

 

 


 

▶101回午前12

難病対策で正しいのはどれか。

 

  1. スモンの研究体制の整備から始まった。
  2. 難病対策要綱は昭和36年に定められた。
  3. 一律の自己負担限度額が設定されている。
  4. 各都道府県に難病情報センターが設置されている。

 

 

 

医療法

第4編1章 1.医療法 2.医療計画 3.各医療対策の動向 p166~184

第4編1章 5.医療施設 p199~204

医療計画

  • 医療法に定める医療計画は、各都道府県が地域の実情に応じて主体的に策定するもので、計画期間である6年ごとに達成状況の調査・分析・評価・公表を行う。
  • 記載事項として、重点的に対策を推進する5疾病(がん、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患)と5事業(救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療)のほか、居宅等における医療(在宅医療)の確保、医療従事者の確保、医療の安全の確保、二次医療圏・三次医療圏の設定と医療圏ごとの基準病床数などが含まれる。
  • なお、令和6年度(2024年度)の医療計画から、6事業目として「新興感染症等の感染拡大時における医療」が追加される。

 

▶106回午後35

医療法に基づき都道府県が定める医療計画における5疾病に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. がん
  2. 結核
  3. 脳卒中
  4. 慢性肝炎
  5. 気管支喘息

 

 


 

▶105回午後34

医療法において医療計画に定めるものとされているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 緩和医療
  2. 救急医療
  3. 歯科医療
  4. 先進医療
  5. 災害時における医療

 

 


 

▶108回午前24

医療計画において定めることとされている事項はどれか。

 

  1. 診療報酬の点数
  2. 市町村の介護医療院の設置数
  3. 居宅等における医療の確保に関する事項
  4. 市町村の地域支援事業利用者数の見込み

 

 


 

▶104回午後13

精神保健医療福祉施策について正しいのはどれか。

 

  1. 精神通院医療は障害者基本法に規定されている。
  2. 市町村には基幹相談支援センターの設置義務がある。
  3. 精神障害者の在宅福祉サービスの実施主体は都道府県である。
  4. 精神疾患は医療計画で重点的に対策を推進する疾病に位置付けられている。

 

 

医療の安全の確保

  • 病院等(病院・診療所・助産所)の管理者は、提供した医療に起因した、または疑われる死亡・死産であって管理者が予期しなかった医療事故等が発生した場合、厚生労働大臣が指定した医療事故調査・支援センターに遅滞なく報告し、遺族への説明、原因究明のための調査を行わなければならない。
  • 医療の安全の確保のため、都道府県・保健所設置市・特別区は医療安全支援センターを設置するように努めなければならない。同センターは、医療に関する苦情や相談への対応、情報の提供、医療関係者への研修などを実施する。

 

▶108回午後17

医療安全支援センターの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 医療に関する苦情に対応する。
  2. 地域の中核病院内に設置されている。
  3. 医療に起因する予期しない死亡事例の報告を受ける。
  4. 厚生労働省から医療事故情報収集等事業を委託されている。

 

 


 

▶105回午前20

医療安全対策で正しいのはどれか。

 

  1. 産科医療補償制度は医療法に基づき実施されている。
  2. 医療事故調査は病院の管理者に義務付けられている。
  3. 都道府県に医療安全支援センターの設置が義務付けられている。
  4. 都道府県知事は医療事故調査・支援センターを指定することができる。

 

 

医療法に定める医療施設

  • 病院20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
  • 診療所は、患者を入院させるための施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
  • 特定機能病院は、高度の医療の提供や研修を実施する能力を有する病院として、厚生労働大臣が個別に承認する。
  • 地域医療支援病院は、地域医療の確保を図る病院としての構造設備を有する病院として、都道府県知事が個別に承認する。
  • 臨床研究中核病院は、質の高い臨床研究や治験を推進・支援するための能力を有する病院として、厚生労働大臣が承認する。

 

▶104回午後35

医療提供体制について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療法において病床の種別は3つに分類されている。
  2. 医療計画には医療従事者の確保に関する事項を記載する。
  3. 日本の医療施設の病床数は過去10年間は増加傾向にある。
  4. 特定機能病院を称するには厚生労働大臣の承認が必要である。
  5. 診療所は20人以下の患者を入院させるための施設を有すると規定されている。

 

 

 

医療介護総合確保推進法

第4編1章 2.医療計画 p166~169

概要

  • 平成26年(2014年)に成立した医療介護総合確保推進法では、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(地域包括ケアシステムの構築)のため、医療法や介護保険法などの関係法律を一体的に整備している。
  • 医療法の見直しでは、都道府県は医療計画の一部として地域医療構想を策定することとし、病床機能報告制度によって、二次医療圏を原則とした構想区域ごと、病床機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに、令和7年(2025年)の医療需要、病床の必要量などを推計している。

 

▶107回午後21

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で規定されたのはどれか。

 

  1. 病床機能報告制度
  2. 医療安全支援センターの設置義務
  3. 医療計画への在宅医療の達成目標の記載
  4. 重症心身障害児(者)への日中の活動の場の確保

 

 


 

▶110回午前38

平成26年(2014年)に成立した地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で示された地域医療構想について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 構想区域は現行の三次医療圏を原則としている。
  2. 地域包括ケアシステムの進捗と密接に関係する。
  3. 都道府県は地域医療構想の調整会議を設けて必要な協議を行う。
  4. 令和2年度(2020年度)末までに約9割の都道府県で策定を終えた。
  5. 令和22年(2040年)の医療需要と医療従事者の必要量を推計して定める。

 

 

 

訪問看護制度

第4編1章 3.2〕訪問看護 p170~172

訪問看護の対象者

  • 訪問看護の給付を受ける際は、要介護者等には介護保険による給付が行われ、それ以外の者には医療保険による給付が行われる。
  • 介護保険の給付は医療保険の給付に優先するが、要介護者等であっても、①末期の悪性新生物や人工呼吸器を使用している状態など厚生労働大臣が定める疾病等の利用者や、②主治医による特別訪問看護指示書の交付を受けた者、③認知症以外の精神障害を有する者には、医療保険の給付による訪問看護が行われる。これらに該当する者は、週3日を超えての提供が可能となっている。

 

▶104回午前28

がん患者の在宅療養支援における医療保険および介護保険の活用について正しいのはどれか。

 

  1. 同日に医療保険と介護保険の利用はできない。
  2. 居宅療養管理指導は医療保険による診療報酬の対象である。
  3. 訪問看護の利用にあたっては医療保険と介護保険のいずれかを利用者が選択できる。
  4. 40歳から65歳未満のがん患者は介護保険法で定める特定疾病の状態のときに介護保険が利用できる。

 

 

 

保健師助産師看護師法

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

保健師の届出義務

業務に従事する保健師は、2年ごとに氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項を就業地の都道府県知事に届け出なければならない(保健師助産師看護師法33条)。

 

▶107回午前1

保健師の業務従事者届について正しいのはどれか。

 

  1. 医療法で規定されている。
  2. 届出の間隔は一年ごとである。
  3. 居住地の都道府県知事に届け出る。
  4. 届出は業務に従事する保健師の義務である。

 

 

守秘義務

保健師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない(保健師助産師看護師法42条3)。また、都道府県や市町村に勤務する保健師は、地方公務員法34条に基づき職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。このほか、感染症法74条に基づき感染症の患者であるとの人の秘密を業務上知り得た保健師等についても守秘義務規定がある。

 

▶107回午前39・105回午前1類問・101回午後29類問

市町村保健師が実施する保健サービスで保健師が知り得た秘密を漏らしてはならないことについて規定している法律はどれか。2つ選べ。

 

  1. 母子保健法
  2. 地域保健法
  3. 地方公務員法
  4. 保健師助産師看護師法
  5. 次世代育成支援対策推進法

 

 


 

▶108回午後13

自治体で働く保健師の活動に関して守秘義務規定がある法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉
  4. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉

 

 

 

医療保険各法

第4編2章 1.医療保険制度 p208~209

医療保険制度

わが国はすべての国民が、①被用者保険(全国健康保険協会管掌健康保険、組合管掌健康保険等)、②国民健康保険、③後期高齢者医療制度のいずれかの医療保険に加入することとされている(国民皆保険)。

 

▶101回午前34

医療保険でないのはどれか。

 

  1. 介護保険
  2. 国民健康保険
  3. 組合管掌健康保険
  4. 後期高齢者医療制度
  5. 全国健康保険協会管掌健康保険

 

 

 

高齢者の医療の確保に関する法律

第4編2章 3.3〕後期高齢者医療制度 p211~212

後期高齢者医療制度の概要

  • 高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、平成20年度(2008年度)から後期高齢者医療制度が開始した。被保険者は原則75歳以上の後期高齢者で、医療給付の自己負担は原則1割(所得により2割または3割)である。
  • 後期高齢者医療制度の医療給付の財源は、後期高齢者の保険料負担が1割、74歳以下からの後期高齢者支援金が4割、公費負担が5割となっている。

 

▶105回午前18

現行の後期高齢者医療制度の運営における医療給付の財源負担で正しいのはどれか。

 

  1. 後期高齢者支援金は45歳以上75歳未満の者の医療保険料から拠出される。
  2. 国、都道府県および市町村による公費が全体の約5割を占めている。
  3. 高齢者が医療機関を受診した時の自己負担額は無料である。
  4. 後期高齢者による保険料は全体の約2割を占めている。

 

 

特定健康診査・特定保健指導

  • 高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、75歳以上への健康診査のほか、40~74歳の被保険者・被扶養者に対する特定健康診査・特定保健指導が、市町村を含む医療保険者に義務づけられている。特定健康診査の結果から、生活習慣病のリスクの高さ順に、積極的支援レベル、動機づけ支援レベル、情報提供レベルにグループ分けされ、特定保健指導が実施される。
  • なお、歯周疾患検診や骨粗鬆症検診、肝炎ウイルス検診、がん検診などは健康増進法に基づき市町村が実施する。

 

▶106回午後23

高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて市町村が行う事業はどれか。

 

  1. がん検診
  2. 歯周疾患検診
  3. 特定健康診査
  4. 就労者の定期健康診査
  5. 生活保護受給者の検診

 

 


 

▶102回午後11

特定健康診査・特定保健指導について適切なのはどれか。

 

  1. 実施義務者は医療保険者である。
  2. 対象年齢は60~74歳と定められている。
  3. 服薬治療中の者は特定健康診査の対象でない。
  4. 動機付け支援対象者と積極的支援対象者に対して一緒にグループ面接を行う。

 

 

特定健康診査の基本的な実施項目

  • 質問票(服薬・喫煙歴等)
  • 身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
  • 血圧測定
  • 理学的検査(身体検査)
  • 検尿(尿糖、尿蛋白)
  • 血液検査(脂質検査・血糖検査・肝機能検査)

 

このうち、腹囲とBMIによって生活習慣病のリスクを判定し、腹囲が男≧85cm・女≧90cmの場合、または腹囲はそれ未満であるがBMI25以上である場合、特定保健指導における支援の対象となる。

 

▶110回午前23

特定健康診査の基本的な項目はどれか。

 

  1. 眼底検査
  2. 貧血検査
  3. 肝機能検査
  4. 心電図検査
  5. 血清クレアチニン検査

 

 

 

介護保険法

第5編1章 介護保険 p220~233

要介護認定

  • 市町村は介護保険被保険者からの要介護認定の申請を受けて、主治医の意見(主治医意見書)の聴取や心身の状況などの調査を行い、一次判定を行う。その結果等に基づき、市町村に設置された介護認定審査会は要介護状態の区分の審査・判定を行う(二次判定)。
  • 介護サービス利用者は原則1割を費用負担して居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスなどの介護サービスを受ける。ただし、居宅や施設のサービスを受ける際に介護支援専門員等が作成するサービス計画の費用については、介護保険から10割給付される(自己負担なし)。

 

▶104回午前18

介護保険制度について正しいのはどれか。

 

  1. 利用者は居宅介護サービス計画を作成するための費用の1割を負担する。
  2. 介護保険認定の申請手続きの代行は被保険者の家族以外はできない。
  3. 利用者の日常生活能力の自己申告に基づき要介護認定が行われる。
  4. 利用者の選択によってサービスを決定することが基本である。

 

 

被保険者・給付内容

  • 介護保険の被保険者(給付を受けられる者)は、65歳以上の第1号被保険者と、40~64歳の医療保険加入者である第2号被保険者である。
  • 第2号被保険者は、脳血管疾患などの老化に起因する特定疾病に罹患して要介護等の認定をされた場合に、介護保険からの給付が受けられる。
  • 要介護認定で要介護状態に該当する者には介護給付が、要支援状態に該当する者には予防給付が支給される。

 

▶110回午前34

介護保険について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 被保険者は40歳以上の者である。
  2. 財源は保険料と公費が50%ずつである。
  3. 特定疾病には交通事故による外傷が含まれる。
  4. 要介護者のケアプランは地域包括支援センターが作成する。
  5. 要介護認定で非該当になったものは予防給付の対象となる。

 

 

地域包括ケアシステム

  • 地域包括ケアシステムは、高齢者の日常生活圏域で、医療、介護、予防、住まい、生活支援の5つの視点での取り組みを包括的・継続的に行う地域の体制で、市町村等が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて構築することとされる。政府は団塊の世代が75歳以上となる令和7年(2025年)の実現を目途に構築を進めている。
  • 単位となる日常生活圏域は、市町村介護保険計画において地理的条件、人口、交通事情などを勘案して市町村が設定するもので、概ね30分以内に必要なサービスが提供される範囲とされる(具体的には中学校区)。

 

▶108回午前8

地域包括ケアシステム構築のために行われる活動について正しいのはどれか。

 

  1. 地域の特性に応じて国が作り上げる。
  2. 既存のケアシステムの実態把握を行う。
  3. 入院を主体とするサービス体制を中心に整備する。
  4. 保健医療福祉部門ごとの体制に合わせて構築する。

 

 


 

▶104回午前12・110回午前7統合

介護保険法で規定される市町村介護保険事業計画の日常生活圏域について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村が範囲を設定する。
  2. 高齢者の人口で数を決める。
  3. 二次医療圏と同規模である。
  4. 介護保険法制定時に定められた。
  5. おおむね小学校区である。

 

 

地域包括ケアシステム等における相互援助

  • 支援には、生活保護など税による公の負担により支える公助、介護保険など負担と受給による支え合い(社会保険方式)である共助、費用負担が制度的に裏付けされていないボランティアなどの助け合いである互助(インフォーマルサポート)、民間サービスの利用や自発的な体重測定など自ら行う自助がある。
  • 地域包括ケアシステムにおいては、自助と互助の果たす役割が大きくなるとされる。

 

▶103回午前10改題

地域包括ケアシステムの推進に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 公助が優先される。
  2. 実施主体は保健所である。
  3. 令和2年(2020年)に向けた対応策である。
  4. 高齢者のニーズに応じた住まいの整備が含まれる。

 

 


 

▶107回午前2

地域包括ケアシステムにおける相互援助の概念と具体的な取り組みとの組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 自助――民間サービスの購入
  2. 互助――医療保険
  3. 共助――生活保護
  4. 公助――ボランティア

 

 

地域包括支援センター

  • 介護保険法に定められる地域包括支援センターは、地域包括ケアシステムの実現に向けた中核的な機関として、住民の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行うもので、市町村に設置される。
  • 地域包括支援センターが行う地域支援事業では、要支援者や虚弱高齢者に対する介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業を行う介護予防・日常生活支援総合事業のほか、包括的支援事業として、①介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)、②総合相談支援業務、③権利擁護業務(虐待の防止、早期発見)、④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務(介護支援専門員への助言、ネットワークづくり)などがある。

 

▶106回午前23

介護保険法に基づく地域包括支援センターの基本機能で正しいのはどれか。

 

  1. 介護予防ケアマネジメント
  2. 高齢者の住まいの整備
  3. 要介護認定の実施
  4. 福祉用具の貸与

 

 


 

▶102回午後25

介護保険法における権利擁護事業を担当するのはどれか。

 

  1. 社会福祉協議会
  2. 地域福祉センター
  3. 居宅介護支援事業所
  4. 地域包括支援センター

 

 


 

▶104回午前27

介護保険法に基づく地域支援事業について正しいのはどれか。

 

  1. 実施主体は保健所である。
  2. 包括的支援事業が含まれる。
  3. 家族介護を支援する事業はない。
  4. 地域支援事業に係る費用は介護報酬から支払われる。

 

 


 

▶110回午後31

地域支援事業のうち包括的支援事業はどれか。2つ選べ。

 

  1. 総合相談支援
  2. 通所型サービス
  3. 家族介護支援事業
  4. 介護予防ケアマネジメント
  5. 地域リハビリテーション活動支援事業

 

 


 

▶102回午前22

地域包括支援センターについて正しいのはどれか。

 

  1. 概ね1万人ごとに設置する。
  2. 要介護状態区分の決定を行う。
  3. 地域密着型介護予防サービスの提供を行う。
  4. 介護支援専門員の地域ネットワークを構築する。

 

 


 

▶102回午後13

介護予防・日常生活支援総合事業で正しいのはどれか。

 

  1. 地域生活支援事業である。
  2. 平成17年(2005年)に創設された。
  3. 要支援認定を受けている者も対象である。
  4. 一般介護予防事業の対象は第2号被保険者である。

 

 

介護保険法改正の主なあゆみ

●平成17年(2005年)改正

予防給付の創設、地域支援事業の創設、地域密着型サービスの創設、地域包括支援センターの創設など

 

●平成23年(2011年)改正

地域包括ケアシステムの推進、介護保険事業計画の策定、定期巡回・臨時対応サービスや複合型サービスの創設など

 

●平成26年(2014年)改正

医療介護総合確保推進法に基づく在宅医療・介護の連携や地域ケア会議の推進、予防給付のうち訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行、一定以上所得者の利用者負担の見直し(2割)など

 

●平成29年(2017年)改正

介護医療院(施設サービス)の創設、介護納付金への総報酬割の導入、利用者負担2割のうち特に所得の高い者を3割に引き上げなど

 

▶101回午前35

平成23年(2011年)の介護保険法改正によって創設されたのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 予防給付
  2. 複合型サービス
  3. 居宅療養管理指導
  4. 地域包括支援センター
  5. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

 

 


 

▶104回午後23

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉による介護保険法の見直し事項はどれか。

 

  1. 地域ケア会議の推進
  2. 地域密着型サービスの創設
  3. 介護予防訪問看護の地域支援事業への移行
  4. 市町村単位での医療機能の分化および連携の推進

 

 


 

▶107回午前8

平成29年(2017年)の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律で改正されたのはどれか。

 

  1. 介護医療院の創設
  2. 地域ケア会議の推進
  3. 全国一律の予防給付の地域支援事業への移行
  4. 一定以上所得のある者のサービス費の利用者負担2割

 

 

 

国民年金法・厚生年金保険法

第5編2章 1.公的年金 p234~235

公的年金の特徴

  • 公的年金制度は、20歳以上の全国民が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員や公務員が加入する厚生年金の2階建ての体系となっている。
  • 公的年金の被保険者には、高齢になれば老齢年金が、障害の状態になれば障害年金が、死亡した場合は遺族年金が支給される。
  • 被保険者は、自営業者などの第1号被保険者、厚生年金に加入する会社員や公務員などの第2号被保険者、第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者となっている。

 

▶109回午後21

公的年金制度について正しいのはどれか。

 

  1. 20歳以上の学生は国民年金に任意加入である。
  2. 20歳未満の傷病による障害者にも障害基礎年金が支給される。
  3. 国民年金から支給される年金給付の1つは老齢厚生年金である。
  4. 被用者に扶養される配偶者は国民年金の第2号被保険者である。

 

 

 

生活保護法

第5編2章 2.生活保護 p235

概要

  • 生活保護制度は、憲法25条(生存権)の保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できない、生活に困窮する国民に対し、国が必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする制度である。その基本原理として、①国家責任、②無差別平等、③最低生活保障、④補足性の4つが掲げられている(法1~4条)。
  • 生活保護は世帯単位で行い、要保護者の生活需要の性質等に応じて、①生活、②教育、③住宅、④医療、⑤介護、⑥出産、⑦生業、⑧葬祭の8種類の扶助が設けられている。
 

▶104回午前39

生活保護制度について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 扶助の種類は7種類である。
  2. 保護施設に更生施設がある。
  3. 日本国憲法第14条の理念に基づいている。
  4. 保護は世帯を単位とすることを原則とする。
  5. 介護扶助によって介護保険料が現金給付される。

 

 


 

▶106回午前39改題

生活保護制度で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 生活扶助は現金給付である。
  2. 分娩費用は医療扶助である。
  3. 被保護人員は増加傾向である。
  4. 被保護世帯には障害者世帯が最も多い。
  5. 最低限度の生活を保障することが目的に含まれている。

 

 


 

▶110回午前39

生活保護について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 介護扶助は現物給付である。
  2. 所得保障の分類で社会手当に該当する。
  3. 保護開始の理由は「傷病による」が最も多い。
  4. 基本原理として補足性の原理が定められている。
  5. 社会保険制度として保険料によって運営される。

 

 

 

生活困窮者自立支援法

第5編2章 6.地域福祉 p243~245

概要

生活保護に至る前の自立支援策強化のため、平成25年に生活困窮者自立支援法が制定され、生活困窮者への自立相談支援事業住居確保給付金の支給、就労支援準備事業が実施されている。

 

▶108回午後18改題

生活困窮者自立支援制度で正しいのはどれか。

 

  1. 生活保護世帯が対象となる。
  2. 雇用保険法に規定されている。
  3. 住居確保給付金の支給がある。
  4. 進学準備給付金の支給がある。

 

 

 

子ども・子育て支援法

第5編2章 3.児童家庭福祉 p235~239

概要

  • 平成24年(2012年)に制定された子ども・子育て支援法に基づく新制度では、市町村を実施主体として、①認定こども園・幼稚園・保育所を通じた共通の給付(施設型給付)および小規模保育等への給付(地域型保育給付)の創設、②認定こども園制度の改善、③地域子ども・子育て支援事業の充実などが図られた。
  • 令和元年(2019年)の改正では、3歳から5歳までのすべての子ども、および0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもの幼稚園、保育園、認定こども園などの費用が無償化された。

 

▶106回午後20

平成24年(2012年)に制定された子ども・子育て支援新制度に含まれるのはどれか。

 

  1. 子どもの事故予防強化
  2. 認定こども園制度の改善
  3. マタニティマークの配布
  4. 妊娠期からの児童虐待防止
  5. 医療的ケアを必要とする子どもへの支援の向上

 

 

 

児童福祉法

第5編2章 3.児童家庭福祉 p235~239

児童相談所

児童相談所は各都道府県・指定都市に設置が義務づけられており、児童福祉司などの専門職員を配置し、子どもに関する各種の相談に応じ、専門的な角度から調査・診断・判定を行う。それに基づいて必要な指導、児童の一時保護や児童福祉施設入所といった措置を行っている。

 

▶107回午前21

児童相談所について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村に設置義務がある。
  2. 養子縁組の相談に応じる。
  3. 母親を一時保護する機能を持つ。
  4. 児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に基づき設置される。

 

 

児童虐待に係る通告

児童福祉法および児童虐待防止法では、要保護児童を発見した者は、児童相談所または福祉事務所に通告しなければならない旨を定め、虐待を受けている(おそれがある)子どもを発見した者に通告義務を課している。

 

▶101回午前36

町立小学校で身体的虐待が疑われる外傷のある児童を発見した。
児童虐待の防止等に関する法律に基づき通告する機関として正しいのはどれか。
2つ選べ。

 

  1. 警察署
  2. 保健所
  3. 教育委員会
  4. 児童相談所
  5. 福祉事務所

 

 

 

次世代育成支援対策推進法

第5編2章 3.児童家庭福祉 p235~239

概要

  • 次世代育成支援対策推進法は、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される環境の整備のため、国・地方公共団体、事業主、国民の責務を規定している。
  • 市町村は市町村行動計画、都道府県は都道府県行動計画を策定することができる。

 

▶110回午後28

A市では職員の仕事と子育ての両立を図るための市町村行動計画を策定した。
この取り組みの根拠となる法律はどれか。

 

  1. 健康増進法
  2. 児童福祉法
  3. 母子保健法
  4. 子ども・子育て支援法
  5. 次世代育成支援対策推進法

 

 

  

障害者基本法

第5編2章 4.障害者福祉等 p239~241

障害者計画

障害者基本法に基づき、政府には障害者基本計画の策定、都道府県・市町村には障害者計画の策定が義務づけられている。

 

▶108回午後19

市町村に策定が義務付けられている計画はどれか。

 

  1. 障害者計画
  2. 医療費適正化計画
  3. 予防接種基本計画
  4. がん対策推進基本計画

 

 


 

▶101回午後34

市町村が策定しなければならない計画はどれか。2つ選べ。

 

  1. 障害者計画
  2. 医療費適正化計画
  3. 予防接種基本計画
  4. 特定健康診査等実施計画
  5. 感染症の予防のための施策の実施に関する計画

 

 

 

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律〈障害者虐待防止法〉

第5編2章 4.4〕障害者虐待防止対策 p240

概要

  • 平成23年(2011年)に制定された障害者虐待防止法では、養護者や障害者福祉施設従事者等による障害者虐待について、発見した者は速やかに市町村に通報しなければならないとされている。
  • 市町村は障害者虐待防止センターを、都道府県は障害者権利擁護センターを設置して各種業務を行う。

 

▶102回午前11

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村は障害者権利擁護センターを設置する。
  2. 障害児入所施設従事者による虐待に適用される。
  3. 障害者虐待には正当な理由なく障害者の身体を拘束することが含まれる。
  4. 障害者を雇用する事業主による虐待を発見した者は労働基準監督署に通報する。

 

 

 

食品表示法等

第7編2章 12.いわゆる「健康食品」対策 p290~291

保健機能食品

保健機能食品制度として、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類がある。これらの食品では、食品、栄養成分または機能性関与成分の機能に関する表示とともに、摂取上の注意事項や1日当たりの摂取目安量、摂取の方法などを表示しなければならない。

 

  • 特定保健用食品は、食生活において特定の保健の目的(おなかの調子を整える等)が期待できる旨の表示ができるものである。特定保健用食品として販売する場合、食品ごとに有効性や安全性を消費者庁の個別審査を受け、許可を受けなければならない(健康増進法43条1)。
  • 栄養機能食品は、ビタミンやミネラルなど栄養成分の補給のために利用される食品で、食品表示法に基づく食品表示基準で定められた栄養成分の機能の表示をして販売されるものである。
  • 機能性表示食品は、食品関連事業者の責任において、特定の保健の目的が期待できる旨の表示を行うものとして消費者庁長官に届け出られたものである。個別審査を行わない点で特定保健用食品とは異なる。

 

▶108回午前23

保健機能食品制度の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 特定保健用食品の許可は厚生労働大臣が行う。
  2. 機能性表示食品は妊産婦に適する旨の表示ができる。
  3. 栄養機能食品は健康増進法に基づく一定の要件を満たしている。
  4. 保健機能食品は1日当たりの摂取目安を表示しなければならない。

 

 


 

▶107回午前19

食品に係る事項と法令との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 食中毒の届出――食品安全基本法
  2. 栄養機能食品の表示――食育基本法
  3. 特定保健用食品の許可――健康増進法
  4. アレルゲンを含む食品であることの表示――食品衛生法

 

 

 

労働安全衛生法

第8編 3.労働衛生管理の基本 p300~301

労働衛生の3管理

労働安全衛生法では、①作業環境管理、②作業管理、③健康管理の労働衛生の3管理を整備している。

 

  • 作業環境管理は、作業環境を的確に把握し、様々な有害要因を取り除いて、良好な作業環境を確保するものである。
  • 作業管理は、作業の内容や方法によって有害な物質やエネルギーが人に及ぼす影響が異なるため、これらの要因を適切に管理して、労働者への影響を少なくすることである。
  • 健康管理は、健康診断とその結果に基づく事後措置、健康指導であり、労働者の健康状態を把握し、作業環境や作業との関連を検討することにより、労働者の健康障害を未然に防ぐものである。

 

▶106回午後12

大型の石材を建築材料に加工する工場で、設置されている石材加工用の機械に防振ゴムを取り付け、工場内の騒音の低減を図った。この対策に該当するのはどれか。

 

  1. 健康管理
  2. 作業環境管理
  3. 作業管理
  4. 総括管理

 

 


 

▶105回午前14・101回午後14類問

産業保健における作業管理に該当するのはどれか。

 

  1. 定期的に健康診断を行う。
  2. 工場内の騒音を測定する。
  3. 労働時間内に休憩時間をとる。
  4. 作業場に排気装置を設置する。

 

 


 

▶109回午後13

産業保健における作業管理はどれか。

 

  1. 定期的に健康診断を行う。
  2. 適切に保護具を装着する。
  3. 作業環境の有害要因を除去する。
  4. 労働衛生に関する体制を構築する。

 

 

心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)

平成26年(2014年)の労働安全衛生法の改正により、心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)制度が創設され、労働者50人以上の事業者に対して、医師や保健師による労働者に対するストレスチェックの実施が義務化された。

 

▶108回午後12

労働安全衛生法に実施が規定されているのはどれか。

 

  1. 特定健康診査
  2. じん肺健康診断
  3. 情報機器作業配置前健康診断
  4. 心理的な負担の程度を把握するための検査

 

 

長時間労働者に対する面接指導制度

すべての事業所を対象に、長時間労働者に対する医師による面接指導制度が義務づけられている。

 

▶105回午後8

労働安全衛生法に基づき、労働者50人未満の事業者に義務付けられているのはどれか。

 

  1. 産業医の選任
  2. 衛生委員会の設置
  3. ストレスチェックの実施
  4. 長時間労働者への医師の面接指導

 

 

地域産業保健センター

地域産業保健センターでは、労働者50人未満の小規模事業場の事業者や労働者を対象に、上記長時間労働者への医師による面接指導の相談のほか、個別訪問による産業保健指導や産業保健情報の提供を実施している。
 

▶102回午前13

労働安全衛生法に基づく産業保健について正しいのはどれか。

 

  1. 特定業務従事者の健康診断は年に1回以上実施する。
  2. 50人以上の事業場ではストレスチェックが義務付けられている。
  3. 300人以上の事業場では地域産業保健センターが健康管理を行う。
  4. 海外派遣労働者の健康診断は産業医の判断で省略することができる。

 

 


 
▶108回午前17

地域産業保健センターについて正しいのはどれか。

 

  1. 衛生管理者の育成を行う。
  2. 産業医の研修を実施する。
  3. 個別訪問による産業保健指導を行う。
  4. 労働者100人未満の事業場を対象とする。

 

 

衛生管理者

  • 衛生管理者は受験資格を満たして試験に合格することで得られる国家資格で、衛生に関する技術的事項の管理を行う者であり、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者がある。
  • 業種にかかわらず、常時50人以上の労働者を使用する事業場において衛生管理者を選任する。また、常時1,000人以上の労働者を使用する事業場、または常時500人以上の労働者を使用する有害業務事業場では、少なくとも1人を専任としなければならない。
 

▶107回午前37

衛生管理者について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国家資格である。
  2. 労働安全衛生法に規定されている。
  3. 安全に関する技術的事項を管理する。
  4. 作業者の健康障害を防止するための作業指揮を行う。
  5. 常時100人以上の労働者を使用する事業場は専任とする。

 

 


 

▶101回午前16

衛生管理者について正しいのはどれか。

 

  1. 労働基準法に規定されている。
  2. 都道府県知事が認定する資格である。
  3. 総括安全衛生管理者は事業場の経営者が兼ねる。
  4. 常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任する。

 

 


 

▶110回午後12

常時使用する労働者が35名の事業場(製造業)に選任が義務付けられているのはどれか。

 

  1. 産業医
  2. 保健師
  3. 衛生管理者
  4. 安全衛生推進者

 

 

作業場巡視

衛生管理者は、少なくとも週1回作業場等を巡視しなければならない。また、産業医は原則毎月1回以上の定期巡視を行う。
 
▶108回午後11

労働安全衛生規則において、週1回以上の職場巡視を行うことが規定されているのはどれか。

 

  1. 産業医
  2. 衛生管理者
  3. 安全衛生推進者
  4. 総括安全衛生管理者

 

 

 

労働基準法・労働者災害補償保険法

第8編 8.労働災害補償と業務上疾病 p306~308

労災保険制度

  • 労働者が業務上負傷または疾病にかかった場合には、労働基準法に基づき事業主の災害補償責任が明確にされている。
  • 一方、労働者災害補償保険法に基づき保険給付がなされた場合は、事業主は災害補償責任を免れる。労災保険は政府が管掌し、事業に要する費用は原則として事業主が負担する保険料で賄われる。

 

▶109回午前13

労災保険制度について正しいのはどれか。

 

  1. 事業主の災害補償責任は労働基準法に規定されている。
  2. 休業補償は休業1日目から補償の対象となる。
  3. 保険料は事業主と労働者が折半で負担する。
  4. 労災補償の申請は市区町村の窓口で行う。

 

 

  

学校教育法

第10編 1.学校保健行政の動向 p341~344

概要

学校教育法では、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校を対象に、学校の設置や教育職員(校長、教頭、教諭、養護教諭等)の配置、健康診断の実施(実施内容等は別に学校保健安全法で規定)などが規定されている。

 

▶108回午後32・102回午後28類問

学校教育法で定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 食育の推進
  2. 学校保健の定義
  3. 健康診断の実施
  4. 学級閉鎖の実施基準
  5. 養護教諭の配置義務

 

 

 

学校保健安全法

第10編 1.学校保健行政の動向 p341~344

健康診断(保健管理)

●就学児の健康診断

市町村の教育委員会が実施する。学齢簿が作成された後、翌学年の初めから4カ月前(就学に関する手続きの実施に支障がない場合は3カ月前)までの間に行う。

 

●児童生徒等の定期の健康診断

学校において毎学年6月30日までに実施する。定期健康診断実施後、21日以内にその結果を児童生徒、保護者等に通知し、治療の勧告や指示などの事後措置を取ることとされる。

 

●教職員の定期・臨時健康診断の実施

学校の設置者が実施する。

 

▶107回午後31

学校保健安全法に基づく児童生徒の定期健康診断で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 学校行事に位置づく教育活動として行われる。
  2. 毎学年5月末日までの間に実施する。
  3. 座高は小学校低学年で測定する。
  4. 実施主体は教育委員会である。
  5. 結果に基づき事後措置を行う。

 

 


 

▶110回午後2

学校保健安全法で規定されている児童生徒等に実施する定期健康診断で正しいのはどれか。

 

  1. 実施責任者は養護教諭である。
  2. 毎学年5月31日までに実施する。
  3. 検査項目の1つに栄養状態がある。
  4. 15日以内に本人および保護者への結果の通知義務がある。

 

 


 

▶103回午前19

学校保健行政について正しいのはどれか。

 

  1. 対象に幼稚園が含まれる。
  2. 厚生労働省が所管している。
  3. 教職員の健康診断の実施主体は労働基準監督署である。
  4. 都道府県教育委員会は都道府県内の市町村立学校を直轄している。

 

 

学校保健計画

  • 学校では、児童生徒等及び職員の健康診断、環境衛生検査、児童生徒等に対する指導など保健に関する事項についての計画(学校保健計画)を策定し、これを実施しなければならない。
  • 文部科学大臣が定める換気、採光、照明、保温、清潔保持などの学校環境衛生基準に基づき、飲料水の検査など定期・臨時の環境衛生検査が、学校薬剤師を主として実施されている。

 

▶109回午後11

学校保健に関係する教職員と職務の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 校長――学校保健委員会の運営
  2. 栄養教諭――学校保健計画の立案
  3. 保健主事――学校医の任命
  4. 学校薬剤師――環境衛生検査への従事

 

 


 

▶106回午前34

学校保健活動で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健教育は学習指導要領を踏まえて行う。
  2. 定期の学校環境衛生検査は学校医が従事する。
  3. 就学時の健康診断は学校の設置者が実施する。
  4. 学校における救急処置は応急的なものである。
  5. 学校安全計画は学校保健計画に含めて策定する。

 

 

学校における感染症予防

  • 校長は、感染症にかかっている、または疑いがある、かかるおそれのある児童生徒等の出席を停止させることができる。
  • 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部または一部の休業を行うことができる。

 

▶107回午前20

学校保健について正しいのはどれか。

 

  1. 保育所は学校教育法に規定されている。
  2. 学校保健行政は厚生労働省が所管している。
  3. 教職員の健康診断の実施主体は労働基準監督署である。
  4. 学校の設置者は感染症の予防のための臨時休業を行うことができる。

 

 

養護教諭

  • 養護教諭は保健室を経営し、健康相談または児童生徒等の健康状態の日常的な観察を行い、健康上の問題があると認められるときは遅滞なく児童生徒等への保健指導、保護者への必要な助言を行うこととされる。
  • このほか、感染症・食中毒の予防、保健教育、健康診断の計画立案から評価、学校保健計画等の策定への参加などの取り組みが挙げられる。

 

▶104回午後21

健康上の問題がある児童生徒に対して、養護教諭を中心に行う個別の保健指導を規定しているのはどれか。

 

  1. 文部科学省設置法
  2. 学校保健安全法
  3. 学校教育法
  4. 教育基本法

 

 


 

▶106回午後30

児童に感染症の疑いがある場合の養護教諭の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 学級閉鎖の期間を決定する。
  2. 全学級に保健だよりを配布する。
  3. 保健所に出席停止の措置を連絡する。
  4. 当該児童の保護者に出席停止を指示する。
  5. 当該児童の保護者に医療機関受診を勧奨する。

 

 


 

▶103回午前14

養護教諭の職務で正しいのはどれか。

 

  1. 学校給食の衛生管理
  2. 定期健康診断の評価
  3. 学校保健委員会の設置
  4. 感染症による出席停止の決定

 

 


 

▶110回午前26

養護教諭の職務で正しいのはどれか。

 

  1. 保健室の経営
  2. 臨時休業の決定
  3. 学校保健計画の立案
  4. 定期環境衛生検査の実施
  5. 保健教育の年間計画の立案

 

 

 

学校給食法

第10編 3.学校給食 p346~347

概要

学校給食は、学校給食法に基づき学校教育活動の一環として実施されている。学校における食育の推進やその中核的な役割を担う栄養教諭、学校給食衛生管理基準に基づく給食の衛生管理などが定められている。

 

▶101回午後25

食に関する実践的な指導を行う者として学校給食法に規定されているのはどれか。

 

  1. 栄養教諭
  2. 養護教諭
  3. 保健主事
  4. 学校歯科医
  5. 食生活改善推進員

 

 

 

複合問題

 

▶101回午前6

健康診査と根拠となる法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 妊産婦健康診査――母体保護法
  2. 3歳児健康診査――母子保健法
  3. 就学時健康診断――児童福祉法
  4. 特定健康診査――健康増進法

 

 


 

▶107回午後22

医療費の助成と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療扶助――社会福祉法
  2. 療育医療――障害者基本法
  3. 自立支援医療(更生医療)――障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉
  4. 小児慢性特定疾病医療費助成制度――難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉

 

 


 

▶105回午前19

公衆衛生行政の制度・対策と法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 大気汚染の監視――大気汚染防止法
  2. 労働者の健康診断――労働基準法
  3. 食品等の収去検査――食品安全基本法
  4. 小学校における保健学習――学校保健安全法

 

 


 

▶106回午後19

学校保健行政に関する内容と法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 学校医の配置――労働安全衛生法
  2. 特別支援教育――障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉
  3. 教職員の健康診断――学校保健安全法
  4. 不登校児童生徒の支援――教育基本法

 

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

保健師国家試験の出題分野の一つである疫学・保健統計学は、聞き慣れない専門用語が多く登場し、また計算問題も多くあるため、受験生が苦手意識を持ちやすい分野です。しかし、しっかりと理解すれば必ず得点に結びつき、他の受験生と差を付けやすい分野でもあり、かつ保健師実務上でも使用するシーンは多く、保健師を目指す上で避けては通れない分野でもあります。

 

疫学・保健統計学の勉強方法としては、複雑な理論を一つ一つ理解していくこと、さらになるべく多くの問題を解いて応用的な知識を定着させていくことが最も重要となります。

 

当ページでは、保健師国家試験出題基準(令和5年版)に沿って用語等の解説を行いながら、110回試験(2024年)から90回試験(2004年)までの21年分の過去問題の中から関連する問題を取り上げ、十分な理解とアウトプットを図れるように構成しています。

 

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」を合わせて活用しながら、効果的に保健師国家試験の勉強を進めていただければ幸いです。

 

厚生労働統計協会では、「生物統計学の道標」「厚生統計テキストブック」など実践的な統計学のテキストを出版しています。身に付けた統計知識をより深く理解したい方におすすめいたします。

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

目次

 

 

疫学の概念・方法

疫学研究

  • 疫学研究は、人間集団を対象として疾病発症などの頻度や分布を調査し、その要因を明らかにして集団の治療や予防につなげる科学研究である。
  • 疫学研究を行うに当たっては、倫理指針に基づいて研究対象者の個人の尊厳と人権を守ることが重要となる。

 

▶90回午前59

疫学について誤っているのはどれか。

 

  1. 人間集団を対象としている。
  2. 作用因子と健康状態との関係を明らかにする。
  3. 個人の疾病の原因究明が主な目的である。
  4. 経験論的法則を導き出す。

 

 


 

▶101回午前23

疫学研究を行う上で最も重要なのはどれか。

 

  1. 研究の科学的価値
  2. 参加者の人権の尊重
  3. 地域の生活水準の向上
  4. 参加者への利益の還元

 

 

曝露

  • 疫学における曝露とは、人の健康に危害を加える要因(危険因子)にさらされることをいう。例えば感染症や食中毒においては、細菌やウイルスなどの感染源・感染経路が危険因子となる。
  • 横軸に日付、縦軸に患者数を設定したグラフでは、単一曝露では1峰性、複数回の曝露では2峰性、持続的な連続曝露では多峰性を特徴とする。

 

▶91回午前66

ある小学校で、腹痛と下痢を訴えて休む児童が集団発生した。図は患者発生数である。
91am66h
解釈で正しいのはどれか。

 

  1. 9月1日の患者は誤分類である。
  2. 食中毒の集団発生である。
  3. 単一曝露による集団発生である。
  4. 2次感染が認められる。

 

 


 

▶99回午前24

A小学校で発生した感染症の発症状況を図に示す。
99am24h
感染源への曝露について最も考えられるのはどれか。

 

  1. 単一曝露があった。
  2. 多量曝露があった。
  3. 連続曝露があった。
  4. 複数回の曝露があった。

 

 

介入研究

疫学研究は、調査対象者に介入を行う介入研究と、調査対象者に介入を行わず観察する観察研究(記述疫学・分析疫学)に分類される。

ekigaku

  • 介入研究は、発症頻度の高い疾患について、研究者が調査対象者に対して意図的に介入を行い、介入を行わない群と比較してその影響を検討する。
  • 介入研究の特徴として、介入と結果の間の時間的関係が明確で、観察研究よりもエビデンスレベルが高いことが挙げられる。
  • 対象者を2群に振り分ける際に無作為化(ランダム化)を行うものを無作為化比較試験、行わないものを非無作為化比較試験という。

 

▶95回午後28・92回午前65類問

市内の中学校10校を無作為に2群に分け、一方の生徒に肥満予防のパンフレット配布に加え肥満予防教育の授業を実施し、他方の生徒に肥満予防のパンフレット配布のみを行った。実施の前後に肥満予防行動について意識調査を行った。
この調査方法はどれか。

 

  1. 介入調査
  2. 横断的調査
  3. 生態学的調査
  4. 症例対照調査

 

 


 

▶96回午後21

エビデンスレベルが最も高い研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 症例対照研究
  3. コホート研究
  4. 無作為化比較試験

 

 


 

▶97回午前22

介入研究として正しいのはどれか。

 

  1. 発生頻度の低い疾患に適用可能である。
  2. 仮説設定のために用いられることが多い。
  3. 介入と結果との時間的関係が明確である。
  4. 複数の曝露要因の影響を検討することはできない。

 

 


 

▶101回午前38

介入研究で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 仮説設定のために用いられる。
  2. 無作為化(割付)を前提としている。
  3. 介入と結果との時間的関係が明確である。
  4. 複数の曝露要因の影響を検討することはできない。
  5. 観察研究より高いレベルのエビデンスを提供する。

 

 

記述疫学

記述疫学では、疾病の頻度や特性などを観察、記述し、仮説を設定する。

 

●生態学的研究

国や都道府県、市町村などの集団(地域)単位で、異なる集団との比較を行う。 

 

●横断研究(断面研究)

ある一時点における疾病の発症(有病率)と曝露との関連性を調べる。

 

▶97回午後21

ある時点における世界各国の一人当たり食塩摂取量と高血圧症有病率との関係を図示し、相関係数を求めた。
この研究方法はどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 生態学的研究
  3. コホート研究
  4. 症例対照研究

 

 


 

▶91回午前60

断面調査で明らかにできる疾病頻度指標はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 死亡率
  4. 致命率

 

 


 

▶96回午前22

市の全住民を対象とした横断調査で喘息の患者は7%であった。
この数値が示すのはどれか。

 

  1. 有病率
  2. 罹患率
  3. 相対危険
  4. 寄与危険割合

 

 

分析疫学

分析疫学では、疾病の原因となる要因(因果関係)を調べ、記述疫学で設定された仮説を検証する。

 

●症例対照研究

目的となる疾患に罹患した集団(症例群)と罹患したことのない集団(対照群)を選び、仮説要因に過去に曝露した者の割合を比較することで、算出されたオッズ比などから疾病の原因を探る方法である。

 

●(前向き)コホート研究

対象となる集団(コホート)を要因(曝露・非曝露)ごとに分類し、将来に向かって追跡して疾病等の発生状態を観察し、相対危険度や寄与危険度などから疾病の原因を探る方法である(縦断調査)。

 

症例対照研究は調査時点から過去に向かって調査するため後ろ向き研究、コホート研究は調査時点から将来に向かって調査するため前向き研究という。

 

▶103回午後34

因果関係を推測することができる研究デザインはどれか。2つ選べ。

 

  1. 横断研究
  2. 記述疫学
  3. 生態学的研究
  4. コホート研究
  5. 症例対照研究

 

 


 

▶95回午後26

分析疫学はどれか。

 

  1. 断面調査で喫煙習慣と飲酒習慣との関係を検討した。
  2. 食中毒発生状況について季節変動の関係を検討した。
  3. 縦断調査で喫煙習慣と胃癌罹患率との関係を検討した。
  4. 脳血管疾患の死亡率について都道府県ごとの差異を検討した。

 

 


 

▶108回午前28

症例対照研究で計算が可能な指標はどれか。

 

  1. 受療率
  2. オッズ比
  3. 寄与危険
  4. 推計患者数
  5. 5年生存率

 

 


 

▶106回午後26

症例対照研究で正しいのはどれか。

 

  1. 寄与危険の近似値を推定できる。
  2. 研究対象とする疾病が治癒した者を対照群とする。
  3. 症例群と対照群の過去の要因曝露状況を比較する。
  4. 症例群と対照群を追跡調査して死亡率を比較する。
  5. 症例群に試験薬、対照群に偽薬〈プラセボ〉を投与する。

 

 


 

▶91回午前63

A市保健所は多施設共同疫学研究に参加し、がんの発生要因について調査することになった。住民票から無作為に選ばれた40歳以上の男女それぞれ100名の協力を得て、現在の健康状態および過去の生活習慣を把握した。協力者には以後毎年の基本健康診査の受診を勧奨し、死亡小票ともマッチングさせ、死亡および疾病発症を追跡した。
この調査方法はどれか。

 

  1. 横断的調査
  2. 症例対照調査
  3. 前向きコホート調査
  4. 無作為割付臨床試験

 

 


 

▶94回午前62

原子力発電所の事故による放射能汚染の人体への影響について、事故後から継続的に調査する疫学の手法はどれか。

 

  1. 横断調査
  2. 後ろ向き調査
  3. 症例対照調査
  4. 縦断調査

 

 


 

▶93回午前59

コホート調査はどれか。

 

  1. 都道府県別に肝臓癌の死亡率を調べて比較した。
  2. 胃癌患者群と胃潰瘍患者群との飲酒習慣を比較した。
  3. 喫煙習慣のある集団とない集団との脳卒中発生状況を経年的に追跡した。
  4. 1人当たりの牛乳消費量と大腿骨頸部骨折発生率との国際比較を行った。

 

 


 

▶105回午前28

コホート研究と比較した症例対照研究の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 研究期間が長い。
  2. 相対危険が直接計算できる。
  3. まれな疾病の研究に適している。
  4. 事象の発生順序が明らかである。
  5. 情報の偏り〈バイアス〉が少ない。

 

 


 

▶102回午前17

疫学研究に関する記述で正しいのはどれか。

 

  1. 記述疫学には介入研究が含まれる。
  2. 横断研究によって因果関係を証明できる。
  3. 分析疫学は記述疫学よりも疾病と要因との関連を示しやすい。
  4. 前向きコホート研究は稀少疾病の罹患リスクを検討するのに優れている。

 

 


 

▶94回午前59

疫学調査法で正しいのはどれか。

 

  1. 前向き調査は原因不明の疾患の発生要因の研究に適している。
  2. 生態学的研究は個人を分析の対象とする。
  3. 症例対照研究は介入研究の1つである。
  4. コホート研究は希少疾患の研究に適している。

 

 

因果関係

疫学研究(分析疫学)において因果関係(原因とそれによる結果の関係)を判断するために以下のような規準が設けられ、因果推論(因果関係があると推定すること)に用いられる。

 

  • 強固性:要因と疾病の間に強い関係があること。相対危険やオッズ比が大きいほど強い関連がある。
  • 一致性:異なる条件下でも同じ結果が反復されること。一致性は因果推論を強める。
  • 時間性(前後関係):要因と疾病の関係が続発的であること。時間性は因果推論に必須の必要条件である。
  • 特異性:特定の要因が特定の疾病をもたらすこと。
  • 整合性:異なる研究で得られた事実と一致すること。

 

▶110回午後23・96回午前21類問

因果関係を推論する上で相対危険やオッズ比の大きさが指標となるのはどれか。

 

  1. 関連の一致性
  2. 関連の強固性
  3. 関連の時間性
  4. 関連の整合性
  5. 関連の特異性

 

 


 

▶93回午前60

疫学研究における因果推論で正しいのはどれか。

 

  1. 特異性は因果推論に必須である。
  2. 関連の一致性は因果推論を強める。
  3. 統計学的に有意な相関は因果関係である。
  4. 時間的関係性は因果推論の十分条件である。

 

 


 

▶100回午後32

疫学研究における因果関係の推論で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 関連の一致性は因果推論を強める。
  2. 統計学的に有意な関連は因果関係である。
  3. 関連の整合性は因果推論の十分条件である。
  4. 関連の特異性は因果推論の必要十分条件である。
  5. 関連の時間的関係性は因果推論の必要条件である。

 

 


 

▶97回午後30

疫学的因果関係について正しいのはどれか。

 

  1. 関連の特異性は必須の条件である。
  2. 相対危険度が高いことは関連の強固性を示す。
  3. 有意な関連があれば因果関係があると判断する。
  4. 関連の一致性とは、動物実験で同様の結果となることを指す。
  5. 関連の時間性とは、曝露から発病までの時間が短いことである。

 

 


 

▶101回午後17・94回午前60類問

過去5年間にA工場(従業員数1,000人)で15人、B工場(従業員数850人)で9人の肝癌患者が発生していたことがわかった。両工場では機械の洗浄に薬品Cを使用している。
薬品Cと肝癌の疫学的関係で最も適切なのはどれか。

 

  1. 薬品Cは肝癌の原因である。
  2. 薬品Cと肝癌には関連がある。
  3. 薬品Cと肝癌には因果関係はない。
  4. 薬品Cと肝癌との関係は不明である。

 

 

必要条件・十分条件

  • 「Aならば必ずB」の関係が成立するとき、BはAの必要条件、AはBの十分条件という。
  • 「Aならば必ずB」「Bならば必ずA」両方の関係が成立するとき、A(B)はB(A)の必要十分条件という。

 

▶99回午前23

インフルエンザの原因と発症との因果関係で正しいのはどれか。

 

  1. ウイルスは発症の必要条件である。
  2. ウイルスは発症の十分条件である。
  3. ウイルスは発症の必要十分条件である。
  4. ウイルスは発症の必要条件でも十分条件でもない。

 

 


 

▶98回午前23

ある疾患の原因A・B・Uの状況を表に示す。A、Bは既知の原因、Uはその他の未知の原因である。A・B・Uの原因が重なって十分条件を満たすことになり罹患した「パターン1」の患者が全患者の30%、同様にA・Uの原因が重なって罹患した「パターン2」の患者が40%、B・Uの原因が重なって罹患した「パターン3」の患者が20%、Uの原因で罹患した「パターン4」の患者が10%であった。
98am23h
Aの原因を完全に除去できたと仮定すると、この疾患の罹患を減らすことができる割合はどれか。

 

  1. 30%
  2. 40%
  3. 70%
  4. 100%

 

 

 

疾病頻度の指標

有病率

有病率とは、ある一時点の疾病の患者数を、その時点の観察集団の人口で割った割合をいい、横断研究(断面研究)で明らかにできる。

 

▶107回午前29

A市のある一時点におけるC型肝炎を有している人の割合を示す指標はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 被患率
  3. 有病率
  4. 寄与危険
  5. 相対頻度

 

 


 

▶102回午後19・98回午後18類問

有病率を上昇させる要因はどれか。

 

  1. 罹患率が低くなる。
  2. 平均有病期間が長くなる。
  3. 観察集団に健康な人が流入する。
  4. 重症化して短期間に死亡する人が増える。

 

 


 

▶92回午前61

基本健康診査の結果を表に示す。
92am61h.png
受診者における疾病Aの有病率はどれか。

 

  1. 1.5%
  2. 2.5%
  3. 10.0%
  4. 16.7%

 

 

罹患率

  • 罹患率は、一定期間に発生した疾病の患者数を、その期間の対象集団の観察人年で割った率をいう。
  • 分母に用いる観察人年は、死亡率と同様に人数(人)と期間(年)を掛け合わせた数値を使用する(人年法)。

 

▶103回午前27

人口10万人の市において、ある一定期間の結核患者の発生頻度を表現する指標として適切なのはどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 被患率
  4. 受療率
  5. 相対頻度

 

 


 

▶97回午前21

次の計算式で求められるのはどれか。
〈ある期間のある疾病の新規発症者数〉÷〈同一期間の対象集団の観察人年〉

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 受療率
  4. 累積罹患率

 

 


 

▶107回午後35

計算するときに人年法を用いるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 死亡率
  2. 有病率
  3. 被患率
  4. 有訴率
  5. 罹患率比

 

 


 

▶99回午後35

人口122万人の市。1年間の結核新登録者数は183人、年末の活動性結核患者数は159人、年末の結核総登録患者数は549人であった。
年間の結核罹患率(人口10万人対)を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ②

 

 


 

▶93回午前62

人口1,000人のA村で10年間での死亡数は20人であった。
人年法によるA村の死亡率(10万人年対)はどれか。

 

  1. 20人
  2. 100人
  3. 200人
  4. 1,000人

 

 

累積罹患率

  • 累積罹患率は、一定期間に発生した疾病の患者数を、観察開始時点の対象集団の人口で割った割合をいう。
  • 罹患率とは異なり、分母に観察人年を用いない。

 

▶110回午前29

観察開始時点での観察集団の人数に占める、一定の観察期間内に新たに発生した患者数の割合はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 罹患率比
  3. 累積罹患率
  4. 寄与危険割合
  5. 人口(集団)寄与危険

 

 


 

▶100回午前38

分母に集団の人口全体を用いる指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 有病率
  2. 累積罹患率
  3. 致命率〈致死率〉
  4. 死因別死亡割合
  5. PMI〈proportional mortality indicator〉

 

 


 

▶109回午前37・96回午後16類問

累積罹患率の計算に必要なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 観察開始時点での患者数
  2. 各観察対象者の観察期間の総和
  3. 観察期間に新たに発生した患者数
  4. 観察開始時点での観察対象集団の人数
  5. 観察終了時点での観察対象集団の人数

 

 


 

▶95回午後27

女性1,000人を5年間追跡調査したところ、50人が子宮癌になり、そのうち20人が死亡した。
子宮癌の累積罹患割合(累積罹患率)で正しいのはどれか。

 

  1. 0.4%
  2. 1%
  3. 2%
  4. 5%

 

 

致命率

致命率(致死率)は、一定期間内に対象疾病を原因として死亡した人数を、その期間に対象疾病に罹患した人数で割った割合をいう。

 

▶93回午前61

致命割合(致命率)で正しいのはどれか。

 

  1. 慢性疾患では計算できない。
  2. 罹患した後の累積死亡割合である。
  3. 算定には1年以上の観察期間が必要である。
  4. 地域人口の中で単位観察期間に死亡する危険の大きさを示す。

 

 


 

▶92回午前62

ある高齢者施設の入所者に感染症が集団発生した。その結果を表に示す。
92am62h.png
致命率はどれか。

 

  1. 4%
  2. 10%
  3. 33%
  4. 40%

 

 


 

▶108回午前40

A市におけるある年の肺炎の罹患患者数は1,000人であり、そのうち死亡数は50人であった。これらの肺炎患者のうち感染症Bによるものは100人であり、そのうち死亡数は15人であった。
感染症Bによる致命率〈致死率〉を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ② %

 

 


 

▶90回午前60

100人の会食で40人が食中毒を発症し、そのうち4人が死亡した。
正しい組合せはどれか。

 

  1. 罹患率――40%
  2. 有病率――40%
  3. 死亡率――10%
  4. 致命率――10%

 

 

相対頻度

相対頻度(相対度数)とは全度数に対する各階級の度数の割合をいい、例えば疾病の罹患や死亡などの全発生数を分母に用いて、疾病別や年齢区分別の発生割合を示す。

 

▶104回午前31

分母として人口データが得られない場合に、疾病の罹患や死亡などの全発生数を分母に用いて、ある疾病や年齢区分での発生が占める割合を示す指標はどれか。

 

  1. 相対危険
  2. 相対頻度
  3. 累積罹患率
  4. 人口寄与危険
  5. 人口寄与危険割合

 

 


 

▶109回午前28

相対頻度に含まれるのはどれか。

 

  1. 有病率
  2. 寄与危険
  3. 寄与危険割合
  4. 死因別死亡割合
  5. 年齢調整死亡率

 

 


 

▶107回午前40

人口10万人のA市におけるある年度の死亡数は1,000人であった。悪性新生物の罹患数は300人であり、その死亡数は200人であった。
死亡に占める悪性新生物の相対頻度を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ② %

 

 

 

曝露効果の指標

相対危険度(リスク比)

  • 相対危険度は、疾病要因に対する曝露群・非曝露群など異なる2つのグループ間のリスク比を表し、曝露群の発生率(罹患率)÷非曝露群の発生率(罹患率)で求める。
  • 相対危険度が高いことは、曝露と疾病との間の関連の強固性を示す。

 

▶105回午前27

危険因子に曝露した群の罹患リスクの、曝露していない群の罹患リスクに対する比はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 致命率
  4. 寄与危険
  5. 相対危険

 

 


 

▶100回午後14

40歳代男性を対象とした研究で、虚血性心疾患死亡率(人口10万人対)を観察した。喫煙群では20.0、非喫煙群では10.0であった。
次の計算で求めたのはどれか。
20.0÷10.0=2.0

 

  1. オッズ比
  2. 寄与危険
  3. 相対危険
  4. 寄与危険割合

 

 


 

▶98回午後19

脳卒中発症に対する喫煙の影響を調べるために、コホート研究を行った。10年間の追跡期間に、各対象者について、発症日または転出等によって追跡から脱落した日を特定することができた。
相対危険を計算する場合に最も適しているのはどれか。

 

  1. オッズ比
  2. 有病率比
  3. 罹患率比
  4. 累積罹患率比

 

 


 

▶92回午前64

多量飲酒者2,000人と非飲酒者3,000人とを5年間追跡し、多量飲酒者から200人、非飲酒者から150人のがん罹患を確認した。
多量飲酒のがん罹患に対するリスク比はどれか。

 

  1. 0.29
  2. 0.50
  3. 2.00
  4. 2.11

 

 


 

▶92回午前70

小学校で下痢、腹痛を発症した児童が集団発生し、原因曝露日と推定された日の学校給食の喫食調査を行った。
結果を表に示す。
92am70h.png
解釈で正しいのはどれか。

 

  1. パンが原因食品である可能性が低い。
  2. 牛乳が原因食品である可能性が高い。
  3. サラダは予防要因である可能性が高い。
  4. 焼魚が原因食品である可能性が高い。

 

 

オッズ比

  • 症例対照研究等で用いられるオッズとは、曝露を受けた割合と曝露を受けなかった割合の比を指し、症例群のオッズと対照群のオッズの比をオッズ比という。
  • オッズ比が1よりも大きい場合は曝露因子が発症の危険因子、1よりも小さい場合は曝露因子が発症の予防因子とされる。

 

▶93回午前64

症例対照調査研究の結果を表に示す。
93am64h.png
オッズ比はどれか。

 

  1. 0.3
  2. 1.8
  3. 2.0
  4. 3.5

 

 


 

▶103回午後35

心筋梗塞発症者100人と性・年齢をマッチングした心筋梗塞非発症者100人の5年前の健康診査の結果を調査し、糖尿病の有無を確認した。その結果、心筋梗塞発症者で20人、心筋梗塞非発症者で15人が糖尿病であった。
糖尿病であることの心筋梗塞発症に対するオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答: ① .②

 

 


 

▶108回午後23

要因A「あり」の要因A「なし」に対する疾病B「あり」のオッズ比と95%信頼区間を求めた。
疾病Bの危険因子として統計学的に有意なのはどれか。なお、有意水準は5%と設定する。

 

  1. オッズ比2.0 95%信頼区間(1.5〜2.7)
  2. オッズ比2.0 95%信頼区間(0.5〜8.0)
  3. オッズ比1.0 95%信頼区間(0.5〜2.0)
  4. オッズ比0.5 95%信頼区間(0.1〜2.5)
  5. オッズ比0.5 95%信頼区間(0.4〜0.6)

 

 

寄与危険度(リスク差)

寄与危険度は、疾病要因に対する曝露群・非曝露群など異なる2つのグループ間のリスク差を表し、曝露群の発生率(罹患率)-非曝露群の発生率(罹患率)で求める。

 

▶101回午後19

差をとって寄与危険を計算できる指標はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. オッズ比
  4. 致命率〈致死率〉

 

 


 

▶91回午前62

寄与危険度で正しいのはどれか。

 

  1. 曝露を除くと曝露群の罹患率がどの程度減少するかを示す。
  2. 非曝露群の罹患率と比べ曝露群の罹患率が何倍になるかを示す。
  3. オッズ比を近似値とすることができる。
  4. コホート調査では間接的に算出する。

 

 


 

▶96回午後17

ある集団の喫煙者1,000人のうち肺癌になったのは50人、非喫煙者2,000人のうち肺癌になったのは40人であった。
人口千対の罹患率から求めた喫煙によって肺癌になる寄与危険はどれか。

 

  1. 1.25
  2. 2.50
  3. 10
  4. 30

 

 


 

▶93回午前63

大量喫煙者と非喫煙者の5年間の心疾患による死亡データを表に示す。
93am63h.png
10万人年対の寄与危険はどれか。

 

  1. 1.2
  2. 1.25
  3. 40
  4. 200

 

 


 

▶98回午前25・92回午前63類問

ある地域における喫煙者と非喫煙者とに分けた疾患の罹患率(人口10万人年対)について調査した結果を表に示す。
98am25h
喫煙による寄与危険が最も大きな疾患はどれか。

 

  1. 肺癌
  2. 咽頭癌
  3. 慢性閉塞性肺疾患
  4. 虚血性心疾患

 

 

寄与危険割合

寄与危険割合は、疾病要因に曝露した群のうち、真にその曝露により罹患した者の割合(%)を表し、(相対危険度-1)÷相対危険度×100で求めることができる。

 

▶99回午前31

アスベスト曝露の肺がん罹患に対する寄与危険割合の算出のために十分な情報を持つ指標はどれか。

 

  1. アスベスト曝露群の肺がんの罹患率
  2. アスベスト非曝露群の肺がんの罹患率
  3. アスベスト曝露の肺がん罹患に対する相対危険
  4. アスベスト曝露の肺がん罹患に対する寄与危険
  5. 全人口に対するアスベスト曝露を受けた者の割合

 

 


 

▶94回午前61

喫煙による肺がん発症のリスク比が8の場合の寄与危険割合はどれか。

 

  1. 12.5%
  2. 25.0%
  3. 75.0%
  4. 87.5%

 

 


 

▶109回午前40・104回午前40類問

40歳以上の男性を対象とした疫学研究で、虚血性心疾患死亡率(10万人年対)を観察した。虚血性心疾患死亡率は、喫煙群では50.0、非喫煙群では25.0であった。
このときの寄与危険割合を百分率で求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ② %

 

 

人口〈集団〉寄与危険割合

人口〈集団〉寄与危険割合は、曝露群と非曝露群を合わせた人口集団の発生率のうち、曝露による増加分が占める割合をいい、(人口集団の発生率-非曝露群の発生率)÷人口集団の発生率×100で求められる。

 

▶105回午後13

人口〈集団〉寄与危険割合を直接計算するのに必要な情報はどれか。

 

  1. 全死亡数
  2. 累積罹患数
  3. 平均有病期間
  4. 対象集団の疾病頻度

 

 


 

▶97回午前30

人口10万人当たりの年間の肺がん死亡率が、喫煙者では100、非喫煙者では20、集団全体では50であった。
人口寄与危険割合はどれか。

 

  1. 30%
  2. 40%
  3. 50%
  4. 60%
  5. 80%

 

 

 

疫学調査法

悉皆調査・標本調査

  • 疫学調査に当たっては、対象となる集団(母集団)すべてを対象とする悉皆(全数)調査と、母集団から一部の標本を抽出(サンプリング)する標本調査がある。
  • 悉皆調査としては人口静態を把握するために5年に1度実施される国勢調査が挙げられる。

 

▶94回午前69

悉皆調査はどれか。

 

  1. 国勢調査
  2. 患者調査
  3. 国民生活基礎調査
  4. 国民健康・栄養調査

 

 

無作為抽出

標本調査において標本を抽出するに当たっては、母集団の状況を正しく反映するため、主観を入れずに偏りなく選ぶ必要があり、特に無作為(ランダム)に標本を抽出する無作為抽出が有効である。

 

▶105回午前44

人口10万人のA市では、脳血管疾患の死亡割合が全国と比較して大きいことが明らかになった。そこで、脳血管疾患の予防対策の一環として血圧に注目し、一部の市民を対象とした塩分摂取量の把握のための聞き取りによる食事調査を行うこととした。
調査者の主観が影響しにくい標本を選ぶ方法はどれか。

 

  1. 制限
  2. 応募法
  3. 無作為抽出
  4. マッチング
  5. 無作為化(割付)

 

 


 

▶99回午前26

市の保健師が市内在住の成人の生活実態把握のために横断調査を行う。
対象者の選定で適切なのはどれか。

 

  1. 市内の主要駅の通行人
  2. 無作為に選定した1地区の成人全員
  3. 市の住民基本台帳から無作為に選定した成人
  4. インターネットで募集した成人

 

 

系統誤差

疫学研究において、推定・測定した値と実際の値がずれることを誤差といい、偶然起こる偶然誤差に対し、調査設計やデータの収集、調査過程で生じる誤差を系統誤差(バイアス)という。系統誤差には以下のようなものがある。

 

●選択の偏り〈バイアス〉

調査対象者の選択やその脱落により生じるバイアス。

 

●情報の偏り〈バイアス〉

対象から得た情報が検者間の測定方法や基準の相違、面接者の偏った質問等により発生するバイアス。

 

▶96回午後18

市全体のクラミジア感染率を推計するため、市内のある大学の学生から希望者を募り、抗体検査を実施した。
この方法で最も大きなバイアスはどれか。

 

  1. 選択バイアス
  2. 交絡バイアス
  3. リコールバイアス
  4. インフォメーションバイアス

 

 


 

▶94回午前63

社員数1万人のA社で職員の飲酒と肝機能に関する調査をするため、職員の約1割を標本として抽出することにした。
選択の偏りが最も小さいのはどれか。

 

  1. 誕生月が10月の者
  2. 日本酒換算で1日2合以上の飲酒者
  3. 会社の健康教室参加者
  4. 年齢の若い社員順

 

 


 

▶104回午後19・97回午後22類問

耐糖能異常の頻度の地域比較調査を行ったところ、A地区では空腹時血糖で評価し、B地区では随時血糖で評価していたことが明らかになった。
疫学調査法におけるこのような問題点はどれか。

 

  1. 交絡
  2. 偶然誤差
  3. 選択の偏り〈バイアス〉
  4. 情報の偏り〈バイアス〉

 

 


 

▶105回午後20

系統誤差の原因はどれか。

 

  1. マッチング
  2. 高い追跡率
  3. 低い抽出率
  4. 無作為化〈割付〉
  5. 検者間の測定差

 

 


 

▶95回午前31

情報バイアスが生じる可能性が高いのはどれか。

 

  1. 調査対象者を雑誌で公募した。
  2. 症例対照調査で肺癌患者に喫煙歴を詳細に尋ねた。
  3. 調査対象者をくじ引きで2グループに分けて比較した。
  4. 症例対照調査で対照群を大学病院の外来患者から選んだ。

 

 

信頼性・妥当性

  • 疫学調査においては、同一対象に対して検査を繰り返しても同じ結果が得られる精度(信頼性)と、適切な調査デザインにより対象の特性を正確に測定できる精度(妥当性)の高さが重要となる。
  • 信頼性は偶然誤差が小さいほど、妥当性は系統誤差が小さいほど高くなる。

 

▶102回午後29

保健活動で用いる尺度の妥当性の説明として正しいのはどれか。

 

  1. 測定する側が実施しやすい。
  2. 測定される側が受け入れやすい。
  3. 測定したい特性が正しく測定できている。
  4. 調査対象の測定結果が全体を代表している。
  5. 同一対象に対して繰り返し測定すると同じ値が得られる。

 

 


 

▶97回午後23

スクリーニングに用いられる検査方法の信頼性または妥当性で正しいのはどれか。

 

  1. 系統誤差が小さければ妥当性が高い。
  2. データ分布のばらつきの大きい検査方法は信頼性が高い。
  3. 同じ標本について反復した測定値がほぼ一定であるときは、妥当性が高い。
  4. 同じ目的で使用される別の検査方法との相関が高いときは、信頼性が高い。

 

 

交絡

  • 交絡とは、原因(曝露)と結果の間にあると推定された因果関係とは別に、歪みを生じさせる交絡因子により生じるバイアスをいう。
  • 例えば「飲酒者では肺癌の発症が多い」という結果の裏には、多くの飲酒者が喫煙しているという交絡因子が存在しており、実際は「喫煙者では肺癌の発症が多い」が正確となる。

 

▶92回午前66

多量飲酒と肺癌に関する症例対照調査を実施した。多量飲酒の肺癌発生に対するオッズ比は2.0であったが、多量飲酒と喫煙との関連が強いので、喫煙有無別に集計した。喫煙有群、喫煙無群ともにオッズ比は1.0となった。
多量飲酒と肺癌との関係に影響を与えている喫煙の作用はどれか。

 

  1. 危険因子
  2. 交絡因子
  3. 情報バイアス
  4. 選択バイアス

 

 

交絡因子の制御

疫学研究における交絡因子の制御方法として、以下のようなものがある。

 

【計画段階】

  • 無作為化(割付):曝露群と非曝露群を無作為(ランダム)に振り分ける方法。
  • 制限(限定):交絡因子となりうる要因を持つ人を対象者に限定する方法。
  • マッチング:曝露群と非曝露群の間で性・年齢など交絡因子となりうる要因を一致させる方法。

 

【分析段階】

  • 層化抽出:母集団を性・年齢などのグループに分けて(層化)、グループごとに標本を抽出する方法。
  • 多変量解析:複数の変数・変量データを基にその関連性の発見や予測を行う方法。

 

▶94回午前64・110回午後16類問

分析時にできる交絡要因の制御方法はどれか。

 

  1. 層化
  2. 無作為抽出
  3. 無作為割付
  4. マッチング

 

 


 

▶90回午前62

交絡因子の制御方法と特徴との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 無作為化――観察研究で用いる。
  2. マッチング――交絡因子の分布が等しくなるよう対象者を調整する。
  3. 制限――交絡因子が完全に制御できる。
  4. 層化――結果の解釈が比較的困難である。

 

 


 

▶105回午前29

症例対照研究における交絡因子の制御方法はどれか。

 

  1. 無作為化
  2. マッチング
  3. 単変量解析
  4. ブラインド法
  5. 対象者数の増加

 

 


 

▶93回午前65

マッチングで正しいのはどれか。

 

  1. 後向き調査では用いない。
  2. 層化解析の一種である。
  3. 交絡因子の制御法である。
  4. 年齢の影響は調整できない。

 

 


 

▶96回午前25

市におけるある疾病の罹患率の調査をするために、20歳未満の群と20歳以上の群とに分け、それをさらに男女別に分け、各群の10%を抽出した。
この標本の抽出方法はどれか。

 

  1. 単純無作為抽出
  2. 層化抽出
  3. 系統抽出
  4. 多段抽出

 

 

年齢の標準化

  • 疫学研究において年齢は交絡因子になり得る。例えば都道府県間で心疾患の死亡率を比較する際、心疾患は高齢になるほど発症リスクが高くなるため、高齢化率の高い県では必然的に心疾患死亡率が高くなる。
  • 年齢構成の歪みを補正して異なる集団間で比較を行えるようにするために、年齢の標準化(年齢調整)が行われている。

 

▶92回午前67

基本健康診査の結果を中学校区別(人口数千人単位)に集計した。総コレステロール値が高い者の校区別割合に差があった。
次に行うことで正しいのはどれか。

 

  1. 年齢調整をして比較する。
  2. 症例対照調査を企画する。
  3. 小学校区別に集計する。
  4. 回帰分析を行う。

 

 

年齢調整死亡率(直接法)

年齢調整死亡率(直接法)は、「観察集団の年齢(階級)別死亡率」「基準集団の年齢(階級)別人口(平成27年モデル人口)」「基準集団の人口」を用いて年齢構成の歪みを補正するもので、大規模な集団の観察に適している。

nenreityousei.png

 

▶104回午後32

直接法による年齢調整死亡率を算出する際に必要な情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 基準集団の死亡率
  2. 観察集団の死亡実数
  3. 観察集団の年齢別人口
  4. 基準集団の年齢別人口
  5. 観察集団の年齢別死亡率

 

 


 

▶102回午前38

直接法による年齢調整死亡率の特徴はどれか。2つ選べ。

 

  1. 小規模な集団の観察に適している。
  2. 高齢者の多い集団では高くなりやすい。
  3. 値は標準化死亡比〈SMR〉として示される。
  4. 異なる観察集団の死亡率を直接比較できる。
  5. 計算には観察集団の年齢階級別死亡率が必要である。

 

 


 

▶98回午前24

基準集団とA市との年齢階級別人口と死亡数とを表に示す。
98am24h.png
直接法によるA市の人口10万人当たりの年齢調整死亡率はどれか。

 

  1. 160
  2. 200
  3. 320
  4. 370

 

 

標準化死亡比(SMR)

標準化死亡比(SMR)は「観察集団の死亡数」「観察集団の年齢(階級)別人口」「基準集団の年齢(階級)別死亡率」を用いて年齢構成の歪みを補正するもので、小規模な集団の観察に適している。

smr.png

 

▶103回午後20

標準化死亡比〈SMR〉を求めるために必要な指標はどれか。

 

  1. 基準集団の死亡率
  2. 基準集団の年齢別人口
  3. 観察集団の年齢別人口
  4. 観察集団の年齢別死亡率

 

 


 

▶106回午後28改題

標準化死亡比〈SMR〉で正しいのはどれか。

 

  1. 人口の大きな集団ほど高くなる。
  2. 高齢化率の高い集団ほど高くなる。
  3. 平成27年モデル人口を基準人口として用いる。
  4. 計算には観察集団の年齢階級別人口が必要である。
  5. 直接法による年齢調整死亡率の計算過程で得られる。

 

 

 

スクリーニング

目的・要件

スクリーニングはふるい分けを意味し、簡易的な検査により対象集団から疾病に罹患している疑いのある者(陽性者)を選別して、より精度の高い検査により確定診断し、効率的に早期治療へとつなげるための二次予防である。その信頼性・妥当性のため以下のような事項が挙げられる。

 

  • 確定診断、治療方法が確立した疾病であること。
  • 疾病の経過(自然史)が明らかで、発病までの無症状期間が長い疾病を対象とすること。
  • 侵襲性が低く対象者に受け入れやすい検査であること。
  • 測定者によって検査結果の変動が少ないこと。

 

▶104回午前37

疾病の罹患群や非罹患群のスクリーニングの要件で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 検査方法が対象者よりも測定者にとって受け入れやすい。
  2. 確定診断の手法が確立していない疾病も対象となる。
  3. 治療法が確立していない疾病も対象となる。
  4. 疾病予防対策の効率の向上が期待される。
  5. 測定者による結果の変動が少ない。

 

 


 

▶106回午前27

疾病のスクリーニングの要件で正しいのはどれか。

 

  1. 疾病の自然史が不明でも対象になる。
  2. 無症状の期間が無い疾病が対象となる。
  3. 治療方法が確立していなくても対象となる。
  4. 検査方法が、対象者より検者に受け入れやすい。
  5. スクリーニング陽性者の確定診断の手技が確立している。

 

 


 

▶95回午前32

スクリーニング検査で正しいのはどれか。

 

  1. 陽性判定の基準値は固定されている。
  2. 侵襲性の低いものでなければならない。
  3. 異常と判定されれば直ちに治療を開始する。
  4. 臨床的徴候の出現から発病までが短期間の疾患に適している。

 

 


 

▶97回午前39

スクリーニング検査で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 疾病の一次予防として行われる。
  2. 多疾患を対象とするものをマススクリーニングという。
  3. 偽陰性が多くても、偽陽性が少ない検査が適している。
  4. 早期発見した場合、治療法が存在する疾患を対象とする。
  5. スクリーニング陽性者に対して診断確定する方法がある疾患を対象とする。

 

 

敏感度

  • 疾病を有する人を正しく陽性と判定する確率を敏感度といい、敏感度が低いと疾病を有する人を誤って陰性と判定する確率(偽陰性率)が高くなる。
  • 計算には、疾病があるかつ陽性の者を分子、疾病がある者を分母に用いる。

 

▶93回午前66

スクリーニングで敏感度が低い場合の問題点はどれか。

 

  1. 判定に時間がかかる。
  2. 患者の見落としが多くなる。
  3. 精密検査の対象者が増える。
  4. 測定者によって結果に変動が起こる。

 

 


 

▶96回午前29

ある疾病に関するスクリーニング検査の結果を表に示す。
96am29h.png
この検査の敏感度はどれか。

 

  1. 0.72
  2. 0.76
  3. 0.80
  4. 0.89
  5. 0.91

 

 


 

▶94回午前65

1,200人を対象とした疾病Aのスクリーニングの結果と精密検査の結果とを表に示す。
94am65h.png
敏感度はどれか。

 

  1. 10.0%
  2. 80.0%
  3. 84.7%
  4. 99.5%

 

 

特異度

  • 疾病を有していない人を正しく陰性と判定する確率を特異度といい、特異度が低いと疾病を有していない人を誤って陽性と判定する確率(偽陽性率)が高くなる。
  • 計算には、疾病がないかつ陰性の者を分子、疾病がない者を分母に用いる。

 

▶92回午前68

集団健診で行うスクリーニング検査の特異度が低い場合の問題点はどれか。

 

  1. 判定に時間がかかる。
  2. 測定者によって結果に変動が起こる。
  3. 患者の見落としが多くなる。
  4. 精密検査の対象者が増える。

 

 


 

▶98回午後20

ある集団に対してスクリーニング検査と確定診断とを同時に実施した結果を表に示す。
98pm20h.png
特異度はどれか。

 

  1. 50.0%
  2. 62.5%
  3. 88.8%
  4. 95.2%

 

 


 

▶102回午前40

疾病Aの新しいスクリーニング検査の性能を評価するために、疾病Aの患者100人と疾病Aでない者100人に対して検査を実施した。疾病Aの患者のうち60人と、疾病Aでない者のうち10人とが検査の結果陽性であった。
特異度を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ② %

 

 

トレードオフ・ROC曲線

  • 敏感度が上昇すると特異度は低下し、特異度が上昇すると敏感度は低下する(トレードオフの関係)。
  • 縦軸を敏感度、横軸を1-特異度(偽陽性率)としたグラフをROC曲線といい、スクリーニング検査の妥当性を評価することができる。この曲線が左上隅に近づくほどより精度の高い検査であるといえる。

 

▶107回午後19

同じ集団における同一のスクリーニング検査で、基準値を変えて敏感度を上げた場合に上昇するのはどれか。

 

  1. 特異度
  2. 偽陽性率
  3. 偽陰性率
  4. 陰性者数

 

 


 

▶100回午前34

3種類のスクリーニング検査A、B、Cの受信者動作特性(ROC)曲線を示す。
100am34h
検査の正確さについて正しいのはどれか。

 

  1. 3検査のうちAが最も正確な検査である。
  2. 3検査のうちBが最も正確な検査である。
  3. 3検査のうちCが最も正確な検査である。
  4. 正確さを評価するには足りない情報がある。
  5. この曲線は検査の正確さの評価には適していない。

 

 


 

▶97回午後31

ある事業所から発熱下痢の集団発生があった旨の連絡があり、疫学調査を行った。
分析において有用性が低いのはどれか。

 

  1. 流行曲線
  2. ROC曲線
  3. 量-反応関係
  4. 職場別発生地図
  5. マスターテーブル

 

 

陽性反応的中度・陰性反応的中度

●陽性反応的中度

検査で陽性と判定された人のうち実際に疾病を有している人の割合を陽性反応的中度という。

 

●陰性反応的中度

検査で陰性と判定された人のうち実際に疾病を有していない人の割合を陰性反応的中度という。

 

▶108回午後24

検査で陽性と判定された人のうち実際に疾病を有している人の割合を示す指標はどれか。

 

  1. 特異度
  2. 敏感度
  3. 有効度
  4. 偽陽性率
  5. 陽性反応的中度

 

 


 

▶106回午後16改題

陽性反応的中度が上昇する理由で適切なのはどれか。

 

  1. 疾患の治療法が進歩した。
  2. 疾患の有病率が上昇した。
  3. 検査を受けた人数が増加した。
  4. 検査の感度は変わらず特異度が低下した。
  5. 基準値の変更で陽性者が増加した。

 

 


 

▶101回午後20

スクリーニングについて正しいのはどれか。

 

  1. 確定診断を目的とする検査である。
  2. 敏感度100%の検査で陽性結果であれば疾患がある。
  3. 陽性反応的中度は有病率の影響を受けにくい指標である。
  4. 同一検査で敏感度と特異度の両方を改善することはできない。

 

 

 

統計グラフ

折れ線グラフ

折れ線グラフは線の動きで統計数量を表示するもので、時間的推移を捉えやすく、疾病の有病者数の年次推移などを表す図として適している。

 

▼例:108回保健師国家試験午前29問

108am29h

 

▶106回午後18

結核の有病者数の年次推移を表す図表で適切なのはどれか。

 

  1. 散布図
  2. 円グラフ
  3. 帯グラフ
  4. 折れ線グラフ

 

 

円グラフ

円グラフは円の面積を半径で区切って構成割合を示したもので、項目ごとの割合の大小を直感的に捉える際に適している。

 

▶104回午前25

A市の20歳から24歳までの年齢層における死因の内訳を表に示す。
104am25h
表に示した内容を図で表現する場合に適しているのはどれか。

 

  1. 散布図
  2. 円グラフ
  3. 折れ線グラフ
  4. ヒストグラム

 

 

散布図

散布図は2つの変数をそれぞれ横軸、縦軸に割り当て、その交点に点を打つ(プロットする)ことで、2つの変数の相関関係を調べるものである。

 

▼例:ある高校の男子生徒の身長と体重の分布

sanpuzu.png

散布図の特徴の一つとして、図の右下にあるような他の値から極端に離れた外れ値を見つけやすい。

 

▶102回午後21・94回午前71類問

特定健康診査を受診した100人の腹囲とHbA1c値について、個人ごとの2つのデータを一度に示し両者の関連を表現するのに優れているのはどれか。

 

  1. 折れ線グラフ
  2. ヒストグラム
  3. 円グラフ
  4. 散布図

 

 


 

▶109回午後34

散布図から分かるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 相関
  2. 割合
  3. 中央値
  4. 年次推移
  5. はずれ値

 

 

ヒストグラム

ヒストグラムは度数分布を視覚的に表すことを目的としたグラフであり、一見棒グラフと似ているが棒の面積が級度数に比例する点で異なる。

 

▼例:所得金額階級別世帯数の相対度数分布(令和4年国民生活基礎調査)

syotoku.png

 

▶103回午前29

ある集団の特定健康診査で得られたヘモグロビンA1c値の頻度の分布を確認するのに最も優れているのはどれか。

 

  1. 散布図
  2. 円グラフ
  3. 帯グラフ
  4. ヒストグラム
  5. 折れ線グラフ

 

 


 

▶100回午前23

ヒストグラムについて正しいのはどれか。

 

  1. 連続量や度数の経時的変化を折れ線で示す。
  2. 名義尺度の度数の分布を棒の高さとして示す。
  3. ある範囲にある連続量の度数を面積の大きさとして示す。
  4. 標本のもつ2つの連続量をプロットしてその関連を示す。

 

 

 

代表値と散布度

データの中心(代表値)

代表値は分布の中心的な状態を示すものである。例えば1、2、4、7、9、9、10の代表値は以下のようなものがある。

 

  • 平均値:一般にも最も用いられる代表値で、例では(1+2+4+7+9+9+10)÷7=6となる。
  • 中央値:データを小さな順で並べた際の真ん中の数値で、例では7となる。
  • 最頻値:データの内で最も多く出現している値で、例では9となる。

 

▶108回午前36

代表値はどれか。2つ選べ。

 

  1. 分散
  2. 平均
  3. 最頻値
  4. 標準誤差
  5. 標準偏差

 

 


 

▶95回午前34

25人の体重(kg)のデータを表に示す。
95am34h.png
中央値はどれか。

 

  1. 57
  2. 58
  3. 59
  4. 60

 

 

代表値の選択

代表値のうち平均値は、外れ値(他の値から極端に離れた値)の影響を受けやすい。また、データ数が少ない場合、最頻値もデータを代表しない場合があるため、そのような場合は外れ値等の影響を受けにくい中央値を多く用いる。

 

▶91回午前71

図は健康教室参加者20人の収縮期血圧の分布である。主な代表値は以下のとおりである。
91am71h.png
平均値147.3mmHg
幾何平均値145.5mmHg
中央値139mmHg
最頻値130~139mmHg
この集団の代表値で最も適切なのはどれか。

 

  1. 平均値
  2. 幾何平均値
  3. 中央値
  4. 最頻値

 

 


 

▶96回午後23

集団に対して、ある物質の血中濃度を測定した結果を示す。
96pm23h.png
この集団を代表するのに適した数値はどれか。

 

  1. 300
  2. 250
  3. 200
  4. 150
  5. 100

 

 

分散・標準偏差

平均値を中心にデータがどの程度ずれているかを表したものを分散という。その平方根である標準偏差は分布の広がり度(散布度)を示し、標準偏差の値が大きいほどデータがばらついているといえる。

 

▶105回午前30

散布度に含まれるのはどれか。

 

  1. 中央値
  2. 最頻値
  3. 相関係数
  4. 標準偏差
  5. 平均(算術平均)

 

 


 

▶104回午後33

測定値の偶然誤差の大きさを表す指標として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 分散
  2. 中央値
  3. 算術平均
  4. 標準偏差
  5. 最頻値〈モード〉

 

 


 

▶110回午前37

標準偏差の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 分散をもとに計算する。
  2. 変動係数の計算に用いる。
  3. 測定値の中で出現頻度が最大の値である。
  4. 測定値の合計をデータ数で除した値である。
  5. 標準偏差が大きいほどばらつきが小さいことを意味する。

 

 


 

▶101回午後21

分布の指標について正しいのはどれか。

 

  1. ヒストグラムで最も頻度が高い値は中央値である。
  2. 広く散らばった分布は標準偏差が小さい。
  3. 対象数が増えると標準偏差は大きくなる。
  4. 平均値は外れ値の影響を受けやすい。

 

 


 

▶97回午後25

デジタル血圧計で測定した被検者10名の収縮期血圧を表に示す。この表から(A)の数値を算出した。
97pm25h.png
(A)が表しているのはどれか。

 

  1. 分散
  2. 幾何平均
  3. 平均偏差
  4. 標準偏差

 

 

四分位偏差

  • 四分位偏差とは、データを小さい順から並べたときに、25%になるものを第1四分位点、50%になるものを第2四分位点(=中央値)、75%になるものを第3四分位点とし、(第3四分位点-第1四分位点)÷2の値を指す。
  • 第1四分位点は第2四分位点より小さいデータの中央値、第3四分位点は第2四分位点より大きいデータの中央値で求められる。

 

▶98回午前28

単位が同じである統計値の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 中央値――四分位偏差
  2. 平均値――分散
  3. 最頻値――変動係数
  4. 分散――範囲

 

 


 

▶94回午前70

ある町の基本健康診査受診者の最高血圧の度数分布を表に示す。低い方から第3四分位点はどの範囲に属するか。
94am70h.png

 

  1. 130~139
  2. 140~149
  3. 150~159
  4. 160~169

 

 


 

▶110回午前40

12人の体重(kg)のデータを値の大きさ順に表に示す。
第3四分位数の値を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第2位を四捨五入すること。
110am40h

 

解答:①②.③kg

 

 

範囲

範囲は最大値と最小値の差を表す。

 

▶106回午前19

健康寿命の都道府県格差を評価するための指標で適切なのはどれか。

 

  1. 範囲
  2. 最頻値
  3. 中央値
  4. 幾何平均

 

 

 

確率分布

正規分布

統計において、データのばらつきの様子を分布という。正規分布は分布が下図のような左右対称となる。

seikibunpu.png

  • 平均値、中央値、最頻値を中央の峰(ピーク)とする一峰性である。
  • 平均値±1標準偏差の範囲に68.27%、平均値±2標準偏差の範囲に95.45%のデータが含まれる。

 

▶99回午前32

正規分布について誤っているのはどれか。

 

  1. 一峰性である。
  2. 左右対称である。
  3. 平均値と中央値が一致する。
  4. 平均値が決まれば一意に定まる。
  5. 平均値±2×標準偏差の範囲に全体の約95%が含まれる。

 

 


 

▶90回午前69

正規分布で正しいのはどれか。

 

  1. 中央値と最頻値は異なる。
  2. 平均値±標準偏差の範囲に対象の95%が含まれる。
  3. ヒトの身長は正規分布に従う。
  4. 二峰性である。

 

 


 

▶92回午前73

ある集団1,000人の体重を測定した結果、平均値55kg、標準偏差5kgで正規分布を示した。
正しいのはどれか。

 

  1. 中央値は平均値よりも大きい。
  2. 55kgから65kgの範囲におよそ339人いる。
  3. 60kg以上の人はおよそ49人である。
  4. 45kg以下の人はおよそ23人である。

 

 

二項分布

例えば「10回コインを投げて表が何回出るか」のように、それぞれ表か裏か結果が独立して2つしかない試行(ベルヌーイ試行)に対して、表が出る回数X(確率変数)が従う確率分布を二項分布という。

 

▶108回午前22

大きな集団から無作為に1,000人選び出したとき、その中の高血圧者数が従う分布はどれか。

 

  1. t分布
  2. 正規分布
  3. 二項分布
  4. χ2〈カイ2乗〉分布

 

 


 

▶100回午後16

日本人の血液型のうちAB型の割合が10%であるとする。無作為に選んだ100人の日本人集団の中にAB型の人が20人以上いる確率を知りたい。
この集団の中に含まれるAB型の人数が従う分布として最も適切なのはどれか。

 

  1. t分布
  2. F分布
  3. 正規分布
  4. 二項分布

 

 

 

関連の指標

相関

  • 2つの変数の関係(相関)は散布図を用いることで視覚的に明らかとなり、それが直線関係にどれほど近いかを表した指標が相関係数である。
  • 相関係数は1から-1の範囲で示され、1(右上がりの直線)や-1(右下がりの直線)に近いほど相関関係が強く、0の時は無相関となる。

 

▶108回午後26

2つの連続変数間の直線的な関係の強さを示すのはどれか。

 

  1. 分散
  2. 正規分布
  3. 相関係数
  4. 標準偏差
  5. クロス集計

 

 


 

▶103回午前28・109回午前30類問

生態学的研究によって、世界各国の1人当たりの食塩摂取量と高血圧症有病率との関連の程度を評価するために計算するのはどれか。

 

  1. 寄与危険
  2. 変動係数
  3. 相対危険
  4. 相対頻度
  5. 相関係数

 

 


 

▶100回午前35

相関について正しいのはどれか。

 

  1. 因果関係の必須項目である。
  2. 相関係数が大きいほど相関関係は強い。
  3. 相関が全くないときの相関係数は0である。
  4. 相関係数は0から100までの数値で示される。
  5. 2つの連続量の一方を使用して他方を推計することをいう。

 

 

回帰

回帰は相関と同様に2つの変数の関係を示すものであるが、一方の変数と回帰係数(定数)を用いて、他方の変数を推計することができる点が特徴である。

 

▶104回午前38

ある集団の特定健康診査で得られたBMIと血圧との関連を表すのに適した指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 散布度
  2. 四分位数
  3. 相関係数
  4. 変動係数
  5. 回帰係数

 

 

クロス集計

クロス集計(表)は、2項目間の関連を見るために作成される表である。

 

▶97回午前25

健康診査受診者を対象に、肥満の予防方法の理解度について5項目のテストを実施した。テストの合計得点を求めた後に理解できている群とできていない群に分類した。
健康教室参加の有無との関係を調べるのに使用するのはどれか。

 

  1. 相関図
  2. 回帰直線
  3. クロス表
  4. 平均値の棒グラフ

 

 

 

統計分析

帰無仮説・対立仮説

  • ある集団に関して仮定された命題を統計学的に検証することを仮説検定という。
  • 仮説検定では、誤っているとして否定したい帰無仮説(相関なし)に加え、帰無仮説が否定された場合に正しいと判断される対立仮説(相関あり)を設定する。
  • 帰無仮説を否定するには有意水準を用いて判断し、有意差があれば(統計学的に有意であれば)帰無仮説を棄却して対立仮説を採択し、有意差がなければ(統計学的に有意でなければ)帰無仮説が正しいかどうかわからない。

 

▶106回午前28

A市の2地区間で、喫煙率が異なると予想して両地区で喫煙状況に関する標本調査を行った。統計学的検定を行い「仮説B:2地区の母喫煙率は等しい」が棄却されたので、2地区の喫煙率には有意差があると判断した。
仮説Bはどれか。

 

  1. 閾値仮説
  2. 帰無仮説
  3. 研究仮説
  4. 対立仮説
  5. 直線仮説

 

 


 

▶96回午後19

検定の結果、有意差(有意確率0.05)が認められなかった。帰無仮説の解釈で正しいのはどれか。

 

  1. 帰無仮説は正しい。
  2. 帰無仮説は誤りである。
  3. 帰無仮説は5%の確率で起こり得る。
  4. 帰無仮説は正しいかどうか分からない。

 

 


 

▶99回午前25

共に正規分布すると仮定できる2つの連続変数X、Yについて散布図を描いた。標本数は300である。散布図は全体的に右上がりであり、特に外れ値はなかった。Pearson〈ピアソン〉の相関係数を計算したところ、r=0.60であった。「母相関係数は0である」とする帰無仮説を立て、統計学的検定を行ったところ、有意水準5%にて棄却された。
XとYとの相関について適切なのはどれか。

 

  1. 全く相関はない。
  2. 有意な相関がある。
  3. 相関の有意性は棄却される。
  4. 相関の有無については判断できない。

 

 

χ2検定

χ2〈カイ2乗〉検定は、クロス集計表で表される2つ以上の連続しない変数(離散変数)の出現頻度を用いて、観察値と期待値の差(割合の差)を検定する方法である。

 

▶108回午前37・106回午後27類問・102回午前39類問

割合の差の検定について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 回帰分析で用いる。
  2. 相関係数が計算できる。
  3. クロス集計表は有用である。
  4. 検定の際に散布図を用いる。
  5. χ2〈カイ2乗〉検定で有意差を検定する。

 

 


 

▶110回午前18

喫煙習慣の有無と性別の関連を調べる検定方法で適切なのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 相関係数の検定
  3. 一元配置分散分析
  4. χ2〈カイ2乗〉検定

 

 


 

▶107回午前7

A市の新生児訪問のデータを表に示す。
107am7h
このデータの統計分析に適切なのはどれか。

 

  1. F検定
  2. t検定
  3. U検定
  4. χ2〈カイ2乗〉検定

 

 


 

▶103回午前36

A市の2地区でデータを収集した。各項目について地区間に差があるかどうかを統計学的に検定する。
χ2〈カイ2乗〉検定が適している項目はどれか。2つ選べ。

 

  1. 年齢
  2. 通院の有無
  3. 高血圧症の有病率
  4. 1日当たり飲酒量
  5. 1日当たり喫煙本数

 

 

t検定

t検定は、正規分布に従う2群のデータに関する平均値の差を検定する方法である。

 

▶105回午後15

2群間の平均の差の検定に用いるのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 回帰分析
  3. χ2〈カイ2乗〉検定
  4. Fisher〈フィッシャー〉の直接確率法

 

 


 

▶97回午前31

特定健康診査時と1年後の特定健康診査時の体重変化量について、その間に行われた特定保健指導実施群と非実施群との間で平均値の差を検定したい。
用いる検定はどれか。

 

  1. F検定
  2. t検定
  3. χ2検定
  4. フィッシャー検定
  5. ウィルコクソン検定

 

 


 

▶99回午後23

A市の2地区でデータを取った。各項目について2地区間に差があるかどうかを統計学的に検定する。
t検定が適している項目はどれか。

 

  1. 性別
  2. 体重
  3. 年齢区分
  4. 5段階の自覚的健康度

 

 


 

▶98回午後22

男性の特定健康診査受診者について定期的運動の有無と腹囲との関連を分析し、t検定を行った結果を表に示す。
98pm22h.png
この結果で正しいのはどれか。

 

  1. 運動あり群の方が腹囲が2.4%小さい。
  2. 運動あり群の方が腹囲が小さくなる確率は2.4%である。
  3. 両群で腹囲に差がないのに、偶然これだけの差が出る確率が2.4%である。
  4. 運動あり群のうち運動なし群の平均よりも腹囲が大きいのは2.4%である。

 

 

U検定

U検定は、2つの非正規分布の母集団の差を順序尺度等から検定するものである。

 

▶109回午前29

2つの非正規分布の母集団の数量データの比較に用いるのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 分散分析
  3. 多変量解析
  4. χ2〈カイ二乗〉検定
  5. Mann-Whitney〈マン・ホイットニー〉のU検定

 

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成25年2月15日実施の第99回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第99回保健師国家試験目次

 

 

 

第99回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

日本の公衆衛生の歴史で最も新しいのはどれか。

 

  1. 厚生省の設置
  2. 保健所法の制定
  3. 国民体力法の制定
  4. 保健婦規則の制定

 

 


 

▶午前2

都道府県保健所が実施主体になる母子保健活動はどれか。

 

  1. 新生児訪問
  2. 母子健康手帳配布時の生活指導
  3. 小児慢性特定疾患児の親への生活指導
  4. 1歳6か月児健康診査の結果、支援を要する児の親への家庭訪問

 

 


 

▶午前3

へルスプロモーションの活動として適切なのはどれか。

 

  1. 地域活動の強化
  2. 二次予防活動の促進
  3. 感染症のコントロール
  4. 保健分野中心の政策づくり

 

 


 

▶午前4

4か月児健康診査における母親の相談内容で健康診査後に優先して家庭訪問をするのはどれか。

 

  1. 「子どもの足に湿疹がありかゆがる」
  2. 「子どもの泣き声にイライラしてしまう」
  3. 「2歳になる上の子が甘えるようになった」
  4. 「初めての子育てで、離乳食の進め方を知りたい」

 

 


 

▶午前5

18歳の母親。夫と新生児(出生時体重3,000g)との3人暮らし。3か月前に他の町から転入した。生後26日に新生児訪問を行った。母親は育児が大変で家事には手が回らないと訴えた。
確認する事項として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 児の追視
  2. 近隣との関係
  3. 母親の最終学歴
  4. 夫の育児・家事への協力状況

 

 


 

▶午前6

50歳の男性。自営業。特定健康診査の結果が身長175cm、体重85kg、腹囲93cm、血圧140/90mmHgであり、特定保健指導の対象となった。
対象になった理由を説明した後の進め方の順で最も適切なのはどれか。

 

A 目標体重を本人と決める。

B 毎日の体重を測定・記録することを勧める。

C 体重が多い理由を本人と考える。

  1. A→B→C
  2. A→C→B
  3. C→A→B
  4. C→B→A

 

 


 

▶午前7

32歳の男性。会社員。潰瘍性大腸炎。仕事をしながら療養することを希望している。
保健指導として適切なのはどれか。

 

  1. 食事は1日5回に分ける。
  2. 食事はできる限り低脂肪食とする。
  3. 休日はできる限り安静に過ごす。
  4. 薬の飲み忘れがあった場合は次に2回分を服用する。

 

 


 

▶午前8

30歳の女性。夫から日常的に暴力を振るわれ、打撲などの傷害を受けている。
相談のために市保健センターに来所した。
本人の同意を得て保健師が通報する施設はどれか。

 

  1. 警察署
  2. 家庭裁判所
  3. 母子福祉センター
  4. 精神保健福祉センター

 

 


 

▶午前9

特別支援学校について正しいのはどれか。

 

  1. 大学部の設置がある。
  2. 研修を受けた教員は喀痰の吸引を実施できる。
  3. 病院の院内学校は高等学校までが対象である。
  4. 視覚障害者の教育は小学校入学以降に開始される。

 

 


 

▶午前10

事業と歯科保健指導の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 両親学級――歯科治療は妊娠初期に行う。
  2. 乳児健康診査――口腔体操を行う。
  3. 3歳児健康診査――大人による仕上げ磨きを行う。
  4. 介護予防教室――歯ブラシは硬めのものを用いる。

 

 


 

▶午前11

A町B地区は町の中心部から車で30分離れており、町の出張所がある。町外から転入した夫婦と子ども1人で構成される世帯が増加している。乳幼児健康診査では、近所に育児に関して相談する人がいないという声が多く聞かれ、保健師は地域で取り組む課題と考えた。
最初の取り組みとして適切なのはどれか。

 

  1. 自治会組織に現状を説明する。
  2. 対象者の一覧表を民生委員と共有する。
  3. 児童家庭支援センターに企画を依頼する。
  4. 出張所に母親が集まるための場所を確保する。

 

 


 

▶午前12

地域・職域連携推進事業ガイドラインに規定されている地域・職域連携推進協議会について正しいのはどれか。

 

  1. 三次予防事業を実施する。
  2. 都道府県協議会を設置する。
  3. 労働安全衛生法を根拠とする。
  4. 協議会メンバーは保健医療専門職とする。

 

 


 

▶午前13

市町村保健師が把握した事例と連絡先の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 虐待を受けていると思われる幼児――児童相談所
  2. 自傷他害のおそれがある精神障害者――地域包括支援センター
  3. 虐待を受けていると思われる高齢者――保健所
  4. 下痢・発熱が継続している海外からの帰国者――感染症情報センター

 

 


 

▶午前14

A町では閉じこもり傾向の高齢者が増加傾向にある。町内のB地区では、5年前から閉じこもり傾向の高齢者を対象にした交流会を月1回自治会主催で実施している。町保健師はB地区のような自治会主催の交流会を町内全地区で実施する必要があると考えている。
保健師の活動として最も適切なのはどれか。

 

  1. 他地区の自治会に交流会実施の依頼文書を送付する。
  2. 自治会長連絡会でB地区の成果を報告することを提案する。
  3. 一般住民向けにB地区の活動を紹介する写真展を実施する。
  4. B地区の交流会に他地区の閉じこもり傾向の高齢者の参加を促す。

 

 


 

▶午前15

在宅で人工呼吸器を装着している筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉のAさんの要望を受けて、保健所が隣県への外出支援を行うことになった。Aさんにとって、人工呼吸器の装着後初めての外出である。
保健師が最初に行うべきことはどれか。

 

  1. 隣県の人工呼吸器の管理会社に協力を依頼する。
  2. 外出先のバリアフリー設備環境について調査する。
  3. 想定できる外出時の問題点をAさんとリストアップする。
  4. 緊急時対応について外出先近くの医療機関に協力を依頼する。

 

 


 

▶午前16

核燃料物質の取り扱い業務に従事する労働者への安全衛生管理で適切なのはどれか。

 

  1. 放射線取扱主任者を選定する。
  2. 1日の被ばく線量限度で管理する。
  3. 年に1回の定期健康診断を実施する。
  4. 健康診断結果の保存義務は5年である。

 

 


 

▶午前17

訪問看護ステーションについて正しいのはどれか。

 

  1. 管理者は医師である。
  2. 薬剤師は人員に関する基準に含まれる。
  3. 保健師は看護職員の常勤換算人数に含まれる。
  4. 主治医の指示書がなくても訪問看護を提供できる。

 

 


 

▶午前18

災害発生後の初動体制における保健師活動で正しいのはどれか。

 

  1. 避難所のトイレの衛生管理
  2. 災害時の要援護者の安否確認
  3. 避難所の炊き出しメニューの工夫
  4. 避難者のストレスチェックの実施

 

 


 

▶午前19

健康増進法により健康増進計画の策定が義務づけられているのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 保健所
  3. 市町村

 

 


 

▶午前20改題

厚生労働省の「令和4年人口動態統計」と警察庁の「令和4年中における自殺の状況」における自殺の現状で正しいのはどれか。

 

  1. 年間の自殺者は4万人を超えている。
  2. 自殺による死亡は全死因の第4位である。
  3. 自殺の動機で最も多いのは家庭問題である。
  4. 性・年齢階級別の死亡率は男性の50歳代が最も高い。

 

 


 

▶午前21

都道府県保健所の役割について正しいのはどれか。

 

  1. 3歳児健康診査
  2. 肝炎ウイルス検診
  3. HIV・エイズの相談
  4. 寝たきり高齢者の訪問指導

 

 


 

▶午前22

生活保護の基本原理として正しいのはどれか。

 

  1. 無差別平等
  2. 安全の保護
  3. 目的の明確化
  4. 連帯責任による保障

 

 


 

▶午前23

インフルエンザの原因と発症との因果関係で正しいのはどれか。

 

  1. ウイルスは発症の必要条件である。
  2. ウイルスは発症の十分条件である。
  3. ウイルスは発症の必要十分条件である。
  4. ウイルスは発症の必要条件でも十分条件でもない。

 

 


 

▶午前24

A小学校で発生した感染症の発症状況を図に示す。
99am24h
感染源への曝露について最も考えられるのはどれか。

 

  1. 単一曝露があった。
  2. 多量曝露があった。
  3. 連続曝露があった。
  4. 複数回の曝露があった。

 

 


 

▶午前25

共に正規分布すると仮定できる2つの連続変数X、Yについて散布図を描いた。標本数は300である。散布図は全体的に右上がりであり、特に外れ値はなかった。Pearson〈ピアソン〉の相関係数を計算したところ、r=0.60であった。「母相関係数は0である」とする帰無仮説を立て、統計学的検定を行ったところ、有意水準5%にて棄却された。
XとYとの相関について適切なのはどれか。

 

  1. 全く相関はない。
  2. 有意な相関がある。
  3. 相関の有意性は棄却される。
  4. 相関の有無については判断できない。

 

 


 

▶午前26

市の保健師が市内在住の成人の生活実態把握のために横断調査を行う。
対象者の選定で適切なのはどれか。

 

  1. 市内の主要駅の通行人
  2. 無作為に選定した1地区の成人全員
  3. 市の住民基本台帳から無作為に選定した成人
  4. インターネットで募集した成人

 

 


 

▶午前27

1歳6か月児健康診査において児の発達を確認するために適切な質問はどれか。

 

  1. 「遊び友だちがいますか」
  2. 「クレヨンなどで丸(円)を書きますか」
  3. 「衣服の着脱をひとりでしたがりますか」
  4. 「手を使わずにひとりで階段をのぼれますか」
  5. 「ママ、ブーブーなど意味のあることばをいくつか話しますか」

 

 


 

▶午前28

28歳の女性。統合失調症。両親と3人で暮らしている。半年間入院し、退院後は自宅に閉じこもりがちで昼夜逆転の生活が続いている。
生活リズムを整えるために勧める社会資源で適切なのはどれか。

 

  1. 療養通所介護
  2. 生活訓練施設
  3. 居宅介護等事業
  4. 地域生活援助事業
  5. 地域活動支援センター

 

 


 

▶午前29

介護相談や会誌の発行をしている会員数60人の介護者の会。自主グループとして活動を始めて5年が経過した。会長は「今の活動でよいのか少し迷っている」と保健師に相談した。
保健師がこれまでの活動をねぎらった後、最初に勧めるのはどれか。

 

  1. 新規会員の勧誘
  2. 5年間の活動の振り返り
  3. 介護予防事業の行政方針の確認
  4. 隣接市町村の介護保険利用状況の把握
  5. 民間企業による介護サービスの提供状況の把握

 

 


 

▶午前30

法律と施策の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 健康増進法――受動喫煙防止
  2. 労働基準法――特殊健康診断
  3. 次世代育成支援対策推進法――長時間労働の防止
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律――子の看護休暇
  5. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律――休日労働時間の削減

 

 


 

▶午前31

アスベスト曝露の肺がん罹患に対する寄与危険割合の算出のために十分な情報を持つ指標はどれか。

 

  1. アスベスト曝露群の肺がんの罹患率
  2. アスベスト非曝露群の肺がんの罹患率
  3. アスベスト曝露の肺がん罹患に対する相対危険
  4. アスベスト曝露の肺がん罹患に対する寄与危険
  5. 全人口に対するアスベスト曝露を受けた者の割合

 

 


 

▶午前32

正規分布について誤っているのはどれか。

 

  1. 一峰性である。
  2. 左右対称である。
  3. 平均値と中央値が一致する。
  4. 平均値が決まれば一意に定まる。
  5. 平均値±2×標準偏差の範囲に全体の約95%が含まれる。

 

 


 

▶午前33

Winslow〈ウインスロー〉による公衆衛生の定義について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 経済効率を最優先する。
  2. 環境衛生の改善を目指す。
  3. 保健従事者の質の向上を図る。
  4. 地方自治体が問題解決の義務を負う。
  5. 組織化された地域社会の努力で疾病を予防する。

 

 


 

▶午前34

保健活動の安全管理の視点からの評価指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核患者の服薬中断率
  2. 心筋梗塞による死亡率
  3. 健康教室参加者の脱落率
  4. BCG集団接種の手技による事故の発生率
  5. 家庭訪問時に保健師が受ける暴力被害の発生率

 

 


 

▶午前35

Aさんは第1子の3歳児健康診査に来所した。表情が暗く、周囲の母親たちとの会話もない。児は母親のもとを離れ、他児と一緒に遊んでいる。個別相談でAさんは「子どもが言うことを聞かず、どう関わればいいか分からない。子どもがかわいいと思えなくてつらい」と言う。保健師はAさんの気持ちを受け止めた。
保健師の対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 夫に、Aさんの状況を伝える。
  2. Aさんにいつでも相談が可能と伝える。
  3. Aさんに被虐待体験について確認する。
  4. Aさんに親子での遊びの教室への参加を勧める。
  5. Aさんに児に発達上の問題があると考えられると伝える。

 

 


 

▶午前37

地震発生後の避難所でインフルエンザが発生した。電気は復旧しているが、水道は復旧していない。
保健師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 高齢者を福祉避難所に移動する。
  2. 室内に次亜塩素酸ナトリウムを噴霧する。
  3. インフルエンザに罹患した避難者は別室に移す。
  4. 避難者にアルコールによる手指消毒を啓発する。
  5. 避難者の個人スペースを高さ100cmの段ボールで仕切る。

 

 


 

▶午前38

健康増進計画が根拠となる事業はどれか。2つ選べ。

 

  1. 快適な睡眠の推進に関する事業
  2. ひきこもり予防のための事業
  3. 歯の健康に関する事業
  4. 虐待防止キャンペーン
  5. 地域支援事業

 

 


 

▶午前39

学校で行う健康診断で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 定期の健康診断は毎年5月31日までに実施する。
  2. 定期の健康診断は学校保健安全法で規定されている。
  3. 就学時健康診断は入学した年の4月30日までに実施する。
  4. 皮膚疾患の有無の確認は定期の健康診断で全学年に実施する。
  5. 感染症または食中毒発生時は保健所長が臨時の健康診断を実施する。

 

 


 

▶午前40

高齢者の医療の確保に関する法律が根拠となる保健事業で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 75歳以上の者への健康診査
  2. 特定健康診査の結果の通知
  3. 糖尿病患者への生活習慣相談
  4. 家族介護者への健康管理指導
  5. 65歳以上の者への生活機能評価

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(73歳、女性)。1人暮らし。民生委員が定期的に行っている状況確認のためAさんを訪問したところ「最近気分がすぐれず、この3か月ほとんど外出していない。かかりつけ医に1か月に1度受診しているが、加療中の高血圧以外は、特に悪いところはないと言われている。買い物にも出かけたくない。人と話すのもおっくうに感じる。介護保険の利用は、今のところ考えていない」と話した。

 

▶午前41

民生委員から、市保健センターの保健師にAさんについて情報提供があった。
保健師が連携する機関として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 市の社会福祉協議会
  2. 地域包括支援センター
  3. 地区内の通所介護事業所
  4. Aさんが受診している診療所

 

 


 

▶午前42

その後、Aさんは要介護認定を申請したが非該当となり、介護予防サービスを受ける手続きをすることになった。
このサービスを受けるために必要なのはどれか。

 

  1. 生活機能評価
  2. 主治医意見書
  3. 特定健康診査の結果
  4. 介護保険被保険者証

 

 


 

▶午前43

保健師は、Aさんのような高齢者が必要に応じて介護予防サービスを受けられるように、市の介護予防サービスの周知が必要と考えた。
周知先として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 市医師会
  2. 老人クラブ
  3. 訪問看護事業所
  4. 介護老人保健施設

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

A市は食育推進計画を策定することにした。

 

▶午前44

現状把握のために、市民に対して食育に関するアンケート調査を行うことにした。調査項目は国が実施している調査と同じ項目を設定して、全国平均との比較によるA市の特徴を分析することにした。
調査項目を参照すべき調査として適切なのはどれか。

 

  1. 食品産業動向調査
  2. 学校保健統計調査
  3. 国民健康・栄養調査
  4. 保健・衛生行政業務報告

 

 


 

▶午前45

市民アンケートの結果、子どもの野菜摂取不足が明らかになった。この課題を市民と共有して対策を検討するために、市民も含めた食育推進計画策定委員会を設置したい。
策定委員会の構成員を依頼する対象として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食品衛生協会
  2. 小児糖尿病の親の会
  3. 小学校のPTA連合会
  4. 要保護児童対策地域協議会

 

 


 

▶午前46

策定委員会での検討を経て、5年間のA市食育推進計画を策定した。
評価計画について適切なのはどれか。

 

  1. 質的評価は含まない。
  2. 評価結果の公表方法を含む。
  3. 評価方法は年度ごとに見直す。
  4. 成果評価として各事業の参加人数を集計する。

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさんは従業員500人のコンピュータ会社に勤務している。課長補佐に昇任してから、食欲がなく不眠状態が続いている。「課長に相談してみたが、もう少したてば仕事に慣れるから大丈夫と言われた。仕事に集中できず、頑張ろうとしても頑張れない。自分が頑張らないとだめなのに」と健康管理室の保健師に相談があった。

 

▶午前47

保健師がAさんの状況を確認する事項として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 趣味
  2. 残業時間
  3. 間食の状況
  4. 子どもの年齢

 

 


 

▶午前48

Aさんは、うつ病と診断され2か月の休職となった。
休職期間中の保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 服薬できているかAさんに毎日確認する。
  2. 同じフロアの職員にAさんの状況を説明する。
  3. Aさんの状況や意向を把握して産業医に伝える。
  4. 保健所保健師にAさん宅への家庭訪問を依頼する。

 

 


 

▶午前49

保健師は、Aさんのような従業員が今後増えないように産業医と相談して対策を立てることにした。
対策として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 職場巡視の回数の増加
  2. 休憩時間の体操の実施
  3. 従業員の休暇取得状況の確認
  4. 管理職へのメンタルヘルス教育の実施

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

児数100名、職員数20名の保育所。給食とおやつは1歳から5歳まで同じメニューで形状を変えている。0、1、2、3歳児の部屋は1階で、4、5歳児の部屋は2階で交流はない。職員は担任制であるが延長保育は交代で担当している。10月12日朝に、保育所から「昨日、3歳児クラスで午前に3名、午後に5名が嘔吐をした。児が嘔吐した際には、職員が手袋を用いないで吐物を拭き取り、その後アルコールで床を消毒した。今朝、9名の保護者から児が嘔吐と下痢のため欠席すると連絡があった。食中毒ではないか」と保健所に連絡があった。保健所が確認した発症状況を図に示す。
99am50h

 

▶午前50

保健所は、食中毒と感染症の両面から調査を行うことになった。
実施する調査として正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 全職員の検便調査
  2. 全児とその家族の検便調査
  3. 発症した児の自宅のふき取り調査
  4. 全児のうち発症者の給食の喫食調査
  5. 1週前からの保育所の行事と参加状況の調査

 

 


 

▶午前51

調査の結果、原因病原体はノロウイルスと判明し、10月9日の発症者を初発患者とする集団感染と推定された。保健所では保育所職員を対象に、集団感染の再発予防の健康教育を行うことにした。
教育内容で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 食品の保管方法
  2. 汚物の処理方法
  3. 児の消化機能に応じた調理方法
  4. 朝に行う児への健康チェック内容
  5. 保育所建物のホルマリン消毒方法

 

 


 

▶午前52

その後、管内の他の保育所でも同様にノロウイルス集団感染の事例が連続して発生した。保健所では地域への感染症予防対策を強化することにした。
保健所の対策として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保育所向けの感染症情報の発信
  2. 食品納入業者向け健康管理指針の配布
  3. 保育所の給食施設への緊急立ち入り調査
  4. 保育所嘱託医への児の健康診断実施の依頼
  5. 保育所職員を対象とした感染症予防講習会の開催

 

 


 

次の文を読み53〜55の問いに答えよ。

運動習慣の死亡率に対する影響の調査のために1万人のコホート研究を行った。調査では、年齢や食習慣、経済状況など参加者の基礎的背景も併せて調査した。10年間追跡した結果を表に示す。
99am53h

 

▶午前53

運動習慣があることに対して、運動習慣がないことの死亡に関する寄与危険はどれか。

 

  1. 0.05
  2. 0.10
  3. 0.50
  4. 2.00
  5. 2.11

 

 


 

▶午前54

研究の解析段階で、参加者の基礎的背景を補正することにした。
補正の方法として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 層化
  2. 無作為抽出
  3. マッチング
  4. 多変量解析
  5. 無作為割付け

 

 


 

▶午前55

参加者の基礎的背景を補正したところ、結果に大きな違いはなく、有意であった。この結果から「運動すれば長生きできる」とするのは誤りである。
誤りとする理由はどれか。

 

  1. 情報バイアスがある。
  2. 二重盲検がされていない。
  3. 死亡日が特定されていない。
  4. 因果関係の証明がされていない。

 

 

 

第99回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

A町の胃がん検診精密検査の受診率を上げるための対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 精密検査受診啓発ポスターの掲示
  2. ケーブルテレビによる精密検査受診勧奨
  3. 保健師の家庭訪問による精密検査受診勧奨
  4. 健康推進員の家庭訪問による精密検査受診勧奨

 

 


 

▶午後2

A市保健センターで実施する1歳6か月児健康診査に、外国人の両親が男児を連れて来所した。両親とも片言の日本語しか話せなかった。男児の発育は順調だが、母子健康手帳の予防接種の記録欄はすべて空白であった。
この親に必要な社会資源で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 主任児童委員
  2. 近所の小児科医
  3. 通訳のボランティア
  4. ファミリーサポートセンター

 

 


 

▶午後3

39歳の女性。「定期健康診断の結果に、BMI32、減量するようにと書かれていた。今まで運動しても続かなかった。この機会に再度運動に取り組みたい。どうしたらいいか」と市の健康相談に来所した。
保健師の支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 運動の必要性を説明する。
  2. 運動のパンフレットを渡す。
  3. 運動に関する講演会への参加を勧める。
  4. 運動の小集団健康教育への参加を勧める。

 

 


 

▶午後4

第1子の低出生体重児。生後6日、2,400gで退院した。生後20日に家庭訪問した。児の体重は3,000g。母親は、「この子はよく泣くし、母乳が足りているのか不安です」と言う。
保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「この時期の子どもは泣くものですよ」
  2. 「泣くたびに母乳をあげましょう」
  3. 「ミルクを足してみましょう」
  4. 「体重増加は順調ですよ」

 

 


 

▶午後5

中学生を対象にした喫煙防止教室で適切なのはどれか。

 

  1. 喫煙経験を質問する。
  2. 喫煙経験のある生徒は対象としない。
  3. タバコの銘柄別ニコチン含有量の資料を配布する。
  4. 喫煙を勧められたときの断り方をロールプレイする。

 

 


 

▶午後6

日本の在宅生活をしている高齢者の虐待の傾向はどれか。

 

  1. 虐待者は被虐待者の娘が最も多い。
  2. 被虐待者は女性より男性が多い。
  3. 被虐待者は要介護認定を受けている人が半数を超えている。
  4. 被虐待者は要介護認定者のうち認知症高齢者の日常生活自立度Ⅰが最も多い。

 

 


 

▶午後7

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定されている精神障害者の入院形態とその説明の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 措置入院――指定病院への入院
  2. 緊急措置入院――入院期間は96時間以内
  3. 医療保護入院――患者本人の同意が必要
  4. 任意入院――入院時は指定医の診察が必要

 

 


 

▶午後8

最近、転入してきたDown〈ダウン〉症候群と診断された児の母親から相談があった。母親は「子どもは小児科に通院しており、主治医からは順調に成長していると聞いているが、今後の育児のイメージがわかない」と話した。
現時点で保健師が母親に紹介するのに最も適切なのはどれか。

 

  1. 保育所
  2. 市内の育児サークル
  3. 児童家庭支援センター
  4. Down〈ダウン〉症児をもつ親の会

 

 


 

▶午後9

84歳の女性。認知症。1人暮らし。日常生活自立度判定基準ランクⅡa、要支援2。身寄りはなく公営住宅の2階に住んでいる。民生委員から最近、金銭管理が困難になってきたようだと保健師に相談があった。
利用を勧めるサービスとして適切なのはどれか。

 

  1. 訪問介護
  2. 特別養護老人ホーム
  3. 日常生活自立支援事業
  4. 認知症対応型共同生活介護

 

 


 

▶午後10

歯周病の予防として正しいのはどれか。

 

  1. 歯間ブラシを使用する。
  2. 軟らかい食べ物を摂取する。
  3. 歯茎部のブラッシングは避ける。
  4. フッ素化合物を定期的に塗布する。

 

 


 

▶午後11

A市では近年、肥満傾向の住民が増加しているため、週1回3か月間の肥満予防教室を実施した。
プロセス評価の項目として適切なのはどれか。

 

  1. 教室の目標設定状況
  2. 毎回の教室で実施した内容
  3. 適正体重に変化した者の割合
  4. A市の特定健康診査受診者のうち肥満者の割合

 

 


 

▶午後12

特定保健指導の事業評価を行うにあたって必要な項目はどれか。

 

  1. 特定保健指導の脱落者数
  2. 特定健康診査の未受診者数
  3. 特定保健指導の新規対象者数
  4. 特定健康診査結果における要医療者数

 

 


 

▶午後13

市町村保健センターの予算編成で正しいのはどれか。

 

  1. 当初予算案は保健部門の長が議会に提出する。
  2. 議会の承認によって予算が成立する。
  3. 当該年度の予算編成は4月末までに行う。
  4. 介護保険事業費は衛生費に含まれる。

 

 


 

▶午後14

A市では総合的な障害者地域生活支援システムを構築するため、関係者による連絡会議を定期的に開催することにした。A市にはNPO法人〈特定非営利活動法人〉等の障害者を支援する団体が複数あるが、公的なネットワークは形成されていない。
初回の会議の議題として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 連絡会議の開催頻度
  2. 支援困難事例の検討
  3. 各団体の活動内容の紹介
  4. 障害者の就労状況調査の企画

 

 


 

▶午後15

中学校の剣道部での熱中症の発生と予防について正しいのはどれか。

 

  1. 室内の練習では発生しない。
  2. 水分補給は休憩時間に限る。
  3. 暑い季節の休憩中は防具を外す。
  4. 休憩は90分に1回を目安とする。

 

 


 

▶午後16

従業員5,000人の企業に勤務する保健師。うつ病に対するポピュレーションアプローチを計画した。
適切なのはどれか。

 

  1. 職場復帰プログラムの作成
  2. 健康保険の給付状況の確認
  3. 従業員向けメンタルヘルス研修の実施
  4. 診療を行う常勤精神科医師の配置の提案

 

 


 

▶午後17

介護保険について正しいのはどれか。

 

  1. 認定調査は居宅介護支援事業者が行う。
  2. 要介護認定には主治医意見書が必要である。
  3. 居宅介護サービス計画費の1割を自己負担する。
  4. 通所リハビリテーションは地域密着型サービスである。

 

 


 

▶午後18改題

第4期がん対策推進基本計画の目標項目で正しいのはどれか。

 

  1. がん罹患率
  2. がん検診受診率
  3. 緩和ケア病棟数
  4. がん患者支援団体数

 

 


 

▶午後19

労働衛生管理の三管理でないのはどれか。

 

  1. 作業管理
  2. 健康管理
  3. 人事管理
  4. 作業環境管理

 

 


 

▶午後20改題

難病対策について正しいのはどれか。

 

  1. 障害者総合支援法に基づき実施している。
  2. 関節リウマチは医療費の公費負担の対象である。
  3. 各都道府県に難病相談・支援センターを設置している。
  4. 難病患者等居宅生活支援事業は、都道府県が実施している。

 

 


 

▶午後21

陽性反応的中度が上昇する理由として適切なのはどれか。

 

  1. 疾患の有病率が上昇した。
  2. 検査の特異度が低下した。
  3. 検査を受けた人が増加した。
  4. 基準値の変更で陽性者が増加した。

 

 


 

▶午後22

日本の結核対策で正しいのはどれか。

 

  1. 生後3か月に達するまでにBCGを接種する。
  2. 潜在性結核感染症は医師の届け出の対象ではない。
  3. 接触者健康診断は接触者の居住地の保健所が実施する。
  4. 定期健康診断は都道府県知事が実施義務者となって行われる。

 

 


 

▶午後23

A市の2地区でデータを取った。各項目について2地区間に差があるかどうかを統計学的に検定する。
t検定が適している項目はどれか。

 

  1. 性別
  2. 体重
  3. 年齢区分
  4. 5段階の自覚的健康度

 

 


 

▶午後24

人口動態統計の情報を用いて算出する指標はどれか。

 

  1. 受療率
  2. 生活影響率
  3. 年少人口指数
  4. 合計特殊出生率

 

 


 

▶午後25

公害健康被害の補償等に関する法律によって、第二種地域が指定された。
その汚染原因はどれか。

 

  1. 放射線
  2. アスベスト
  3. 六価クロム
  4. カドミウム
  5. ダイオキシン

 

 


 

▶午後26

介護予防を推進する住民ボランティアを県内市町村で養成することになった。
県庁介護予防担当課の保健師が市町村を介して、養成講座の実施を依頼するのはどれか。

 

  1. 居宅介護支援事業者
  2. 在宅療養支援診療所
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション
  5. シルバー人材センター

 

 


 

▶午後27

医療計画で正しいのはどれか。

 

  1. 予防接種計画を記載する。
  2. 地域保健法で策定が規定されている。
  3. 都道府県ごとに必要な医師数を定める。
  4. 一次医療圏ごとに必要な診療所数を定める。
  5. 二次医療圏ごとに一般病床の基準病床数を定める。

 

 


 

▶午後28

二次予防の行動はどれか。2つ選べ。

 

  1. 市の胃がん検診を受診した。
  2. 毎日ラジオ体操に参加した。
  3. 脳梗塞後に言語療法を受けた。
  4. 同僚が結核に罹患したので胸部エックス線撮影を受けた。
  5. ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンの接種を受けた。

 

 


 

▶午後29

平成12年(2000年)に国連ミレニアム宣言に基づき取りまとめられたミレニアム開発目標(MDGs)に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 飢餓の撲滅
  2. 認知症の減少
  3. 高等教育の充実
  4. 福祉施設の整備
  5. マラリアの蔓延防止

 

 


 

▶午後30

住民を対象にウォーキング教室を月2回の3か月コースで開催する。
コース終了3か月後に行う教室参加者への影響評価で、指標として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 参加者の出席回数
  2. 参加者の1日の歩数
  3. 参加者の健康診査の受診率
  4. 住民に対する参加者の割合
  5. 参加者のウォーキング継続者の割合

 

 


 

▶午後31

養護教諭の職務として正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健教育を行う。
  2. 給食の衛生管理を行う。
  3. 児童生徒の家族の健康管理を行う。
  4. 学校保健安全計画の立案に参画する。
  5. 感染症のおそれのある児童生徒の出席停止を決定する。

 

 


 

▶午後32

人口7万人、高齢化率30%の市。地震により市の大半が被災し、1か月が経過した。保健師による全戸訪問から、在宅の高齢者の中に褥瘡ができるなど状態が悪化している人がいることが分かった。
今後、状態が悪化している在宅の要介護高齢者の症状を改善するために、市保健師が行うことで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 民生委員に配食サービスを依頼する。
  2. 居宅サービス事業者と情報を共有する。
  3. デイサービスを市役所庁舎で実施する。
  4. 災害ボランティアセンターに訪問介護を依頼する。
  5. 訪問医療チームに状態が悪化している要介護高齢者リストを渡す。

 

 


 

▶午後33

公衆衛生行政について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 日本国憲法第20条を法的基盤としている。
  2. 人材、法律による制度および予算が必要である。
  3. 一般衛生、産業保健、環境保健の3分野からなる。
  4. 国や地方自治体が国民の健康保持増進のために行う。
  5. 都道府県の公衆衛生行政部門の組織機構は一様である。

 

 


 

▶午後34

保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国勢調査は5年に1度実施される。
  2. 患者調査は2年に1度実施される。
  3. 人口動態調査は2年に1度集計される。
  4. 国民生活基礎調査から罹患率が得られる。
  5. 医療施設調査には静態調査と動態調査とがある。

 

 


 

▶午後35

人口122万人の市。1年間の結核新登録者数は183人、年末の活動性結核患者数は159人、年末の結核総登録患者数は549人であった。
年間の結核罹患率(人口10万人対)を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(85歳、男性)。肺癌の終末期である。病院から車で1時間かかる自宅への退院を希望しており、病院の地域連携室から保健所保健師に相談が入った。Aさんは軽度の呼吸困難と骨転移による激しい痛みとがあったが、現在は薬物による疼痛コントロールができている。子どもはなく、妻(80歳)と2人暮らしをしていた。

 

▶午後36

保健師は、Aさんと妻が在宅での看取りを希望していることを確認した。
疼痛コントロールを退院後も継続するために、最初に調整する機関はどれか。

 

  1. 保健センター
  2. 近隣の調剤薬局
  3. 在宅療養支援診療所
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 

▶午後37

Aさんと妻は病院の主治医から在宅での療養生活についての説明を受けてから退院し、医師、看護師、薬剤師の在宅ケアチームによるケアが24時間体制で開始された。2週後に保健師は妻に電話をして様子を聞いた。妻は「時々、本人は自覚していないけど呼吸が苦しそうで心配です」と話した。
妻への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「苦しいときは救急車を呼びましょう」
  2. 「症状が落ち着くまで様子をみましょう」
  3. 「入院していた病院に相談してみましょう」
  4. 「訪問看護師にいつでも連絡してよいですよ」

 

 


 

▶午後38

Aさんは家族や近所の友人に看取られて亡くなった。保健所ではAさんの事例をもとに、在宅ターミナルケアの体制整備を図るため推進会議を開催することにした。
推進会議の初回の議題で最も優先すべきなのはどれか。

 

  1. 在宅ケア支援ボランティアの育成
  2. 住民対象の終末期に関する意識調査の内容
  3. 関係機関の在宅ターミナルケアの取り組み状況
  4. 診療所医師を対象とした緩和ケア研修会の内容

 

 


 

次の文を読み39、40の問いに答えよ。

Aさん(56歳、女性)。48歳のときに多系統萎縮症と診断された。現在、歩行困難となり、車椅子で移動している。構音障害と排尿障害とがあり、膀胱留置カテーテルを留置している。隣市の専門医療機関に月1回通院している。要介護4で、通所介護サービスを週2回利用している。61歳の夫(無職)と2人暮らし。市内に長女(26歳)が1人暮らしをしているが、仕事が多忙のため、Aさんの介護は夫が中心に担っている。夫は糖尿病で半年くらい前から血糖コントロールが不良である。

 

▶午後39

夫は血糖のコントロールのために入院を勧められている。
夫の入院中にAさんが利用する事業で適切なのはどれか。

 

  1. 神経難病患者在宅医療支援事業
  2. 難病患者地域支援対策推進事業
  3. 重症難病患者入院施設確保事業
  4. 難病患者認定適正化事業
  5. 短期入所療養介護

 

 


 

▶午後40

夫は入院し、インスリンの自己注射が開始された。退院後もAさんの介護をしている。翌年、Aさんの特定疾患医療費助成の更新申請に保健所に来所した。Aさんは、症状が進行したために、2週前から専門医療機関に入院し、呼吸管理のため気管切開をして吸引が頻回に必要な状況であるという。夫婦ともに在宅療養を望んでおり、夫はAさんの退院に向け、吸引の練習をしている。訪問サービスの利用について意向を確認すると、夫は「自宅に他人が入ると疲れるから利用は考えていない」と言う。
夫への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「療養型の入院医療機関を探しましょう」
  2. 「Aさんの通所介護は、週7日にしたほうがいいですね」
  3. 「専門医療機関の主治医に在宅療養担当医を決めてもらいましょう」
  4. 「Aさんと娘さんも一緒に担当の介護支援専門員と話し合いましょう」

 

 


 

次の文を読み41、43の問いに答えよ。

人口20万人のA市。保健センターの保健師は、潰瘍性大腸炎の患者を対象にした勉強会を企画した。市民病院の専門外来を中心に広報したところ、15人の申し込みがあった。勉強会の内容は、前半の1時間は市民病院の専門医による疾患の特徴、診断や治療法などについての講義、後半の1時間は保健師によるセルフケア能力の向上のためのグループワークとした。

 

▶午後41

グループワークで最も学習効果の高い方法はどれか。

 

  1. 参加者の達成目標を統一する。
  2. 専門医の講義で不明だった点の説明をする。
  3. 具体的な話し合いの内容は参加者が決める。
  4. 日常生活の留意点を網羅した詳細な資料を配布する。

 

 


 

▶午後43

約2年間、患者会は順調に運営された。3年目になって、会の活動への参加者は少なくなり、会費収入が減少して赤字になった。世話人代表のBさんは、1人で会の存続を目指して運営の工夫を行ってきたが、なかなかうまくいかないと保健師に相談に来た。保健師は「大変でしたね」と苦労をねぎらった。
次に行う助言として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「私が世話人を引き受けます」
  2. 「赤字の分は市の予算を活用できます」
  3. 「他の会員と今後について一緒に考えましょう」
  4. 「せっかくの会なので解散しないことが重要です」
  5. 「会員のCさんに世話人を代わってもらいましょう」

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(33歳、女性)。3歳6か月の長男と9か月の双子を育てている。長男はこれまでの健康診査で、異常は認められず順調に成長している。双子は在胎38週で生まれ、1人は出生体重2,600g、現在はいはいしている。もう1人は出生体重2,200g、3日前に1人座りができるようになった。2人とも体重増加は順調である。

 

▶午後44

Aさんは長男の3歳児健康診査に来所した。「離乳食も夫のお弁当も手作りしたいし、長男は家中におもちゃを散らかすし、毎日追われた感じで疲れます。長男に再び夜尿がみられるようになったり、双子の1人はなかなかお座りしなかったり気がかりです」と話す。
保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「1人座りできたのが遅いですね」
  2. 「夜尿は専門の医師に診てもらいましょう」
  3. 「お子さんには平等に接してあげてください」
  4. 「家事の負担を減らす方法について検討しましょう」

 

 


 

▶午後45

半年後、Aさんから「長男が幼稚園に入園し、子育ての大変な時期を乗り越えることができた。自分の経験を子育て中の人に伝えたい」と相談があった。保健師は、子育ての仲間づくりを目的に「ふたご子育ての集い」を企画し、Aさんを含め3人から申し込みがあった。
集いの初日の保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「機関誌を発行しましょう」
  2. 「子育て体験を話しましょう」
  3. 「もっと会員を増やしましょう」
  4. 「父親にも参加してもらいましょう」
  5. 「1か月に2回保健センターに集まりましょう」

 

 


 

▶午後46

この後半年、集いは順調に実施されている。保健師は自主的なグループ運営ができるよう「他の機関にも協力してもらいましょう」とグループに助言した。
協力を求める機関として適切なのはどれか。

 

  1. 児童相談所
  2. 都道府県保健所
  3. 母子福祉センター
  4. 子育て支援センター

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(40歳、女性)。特定健康診査の結果は、身長155cm、体重70kg、BMI29、腹囲90cm、血圧136/80mmHg、中性脂肪160mg/dL、HDLコレステロール38mg/dL、空腹時血糖95mg/dL、喫煙なしであった。積極的支援レベルに該当したため、保健指導の利用を勧めたところ「運動も嫌いだし、食事も変えたくない。少し太っているかもしれないけれどどこも悪くない」と言っていたが、保健師の働きかけで初回面接の約束ができた。

 

▶午後47

初回面接ではAさんの思いを受け止めながら生活を振り返った。
併せて行う対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 食事の改善方法を提案する。
  2. 毎日体重を測ることを勧める。
  3. 運動に取り組んでいる自主グループを紹介する。
  4. 減量のメリットをAさんの興味に合わせて伝える。

 

 


 

▶午後48

面接で、Aさんから「1か月に1kgの体重減少を目標に、食事と運動の改善に取り組んでみたい」という発言が聞かれ、主食の量と間食を減らして毎日20分歩くことにした。初回面接から2週後に電話連絡したところ、Aさんは「ご飯を減らして間食もしないように気をつけているが、運動は3日しか続かなかった。体重も全然減らない。やっぱり私はだめなのだろうか」と話した。
保健師の最初の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 体重を朝晩測定することを勧める。
  2. スポーツジムに通うことを提案する。
  3. 食事を減らす努力をしていることを認める。
  4. 食事と運動を併せて取り組む必要性を話す。

 

 


 

▶午後49

6か月後の最終評価面接では、体重65kg、腹囲85cmであり、Aさんは「何度も挫折しそうになったが、保健師さんに励まされてなんとか続けられた」と話した。Aさんは、翌年の特定健康診査を受診し、身長155cm、体重67kg、BMI28、腹囲86cm、血圧134/80mmHg、中性脂肪146mg/dL、HDLコレステロール45mg/dL、空腹時血糖90mg/dLという結果であった。
Aさんへの今後の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 再度「積極的支援プログラム」の利用を勧める。
  2. 「動機付け支援プログラム」の利用を勧める。
  3. 「情報提供」を行う。
  4. 今年度は支援の非該当であると伝える。

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

人口12万人、高齢化率23%のA市。要介護者が増加傾向にある。国内で発生した震災を機に1人暮らしの高齢者から市役所に災害時の対応について相談が寄せられた。市は地域福祉計画の中に、災害時の1人暮らし高齢者への対策を盛り込むことを予定している。

 

▶午後50

A市は、すでに氏名、住所、生年月日の記載された1人暮らし高齢者のリストを保持している。
今後、災害発生直後の対応のために収集する情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 家族の連絡先
  2. 最終学歴
  3. 自力歩行の可否
  4. 住居の所有状況
  5. 経済状況

 

 


 

▶午後51

さらにニーズ把握のための聞き取り調査も実施することになった。
この調査の実施対象として優先度の高いのはどれか。

 

  1. 商工会議所の会員
  2. 肥満予防教室の参加者
  3. スポーツクラブの会員
  4. 介護予防事業の教室参加者

 

 


 

▶午後52

地域福祉計画が立案され、災害時の要援護者対策として、地域での1人暮らし高齢者の見守り体制を強化することにした。
保健師の活動で適切なのはどれか。

 

  1. 防災用品についての広報
  2. 高齢者への声かけボランティアの育成
  3. 避難所に指定されている施設のバリアフリー化
  4. 災害時の健康管理に関する市民向け講演会の開催

 

 


 

次の文を読み53〜55の問いに答えよ。

保健所に市内の介護老人保健施設から「本日20時ころから、下痢、嘔吐の症状がある入所者が多数いる。職員も数名が発症している」と22時に通報があった。保健所は食中毒を疑い、直ちに調査に入った。

 

▶午後53

昼食を検食した職員4名も腹痛、下痢の症状があり、夕食前に退所した者からも発症者が出たため、当日の昼食について喫食調査を行った。昼食の喫食状況と発症状況を表に示す。
99pm53h
原因として最も疑わしいメニューはどれか。

 

  1. ハンバーグデミグラスソース
  2. アサリと青菜のあえもの
  3. 煮豆
  4. フルーツポンチ

 

 


 

▶午後54

10人の発症者の便からウェルシュ菌が検出されたので、食中毒と判断された。
考えられるのはどれか。

 

  1. 嘔吐物から二次感染が起こる。
  2. 不顕性感染から二次感染が起こる。
  3. 3日目以降、有症状者が増加する。
  4. ほとんどの発症者は軽症で経過する。

 

 


 

▶午後55

この施設への保健所の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 発症者を隔離する。
  2. 調理器具の変更を指導する。
  3. 調理従事者の就業制限を行う。
  4. 食材の保存方法について指導する。

 

 


 

資料 厚生労働省「第99回保健師国家試験、第96回助産師国家試験及び第102回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成26年2月14日実施の第100回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第100回保健師国家試験目次

 

 

第100回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

保健師の歴史に関する事項とその対策の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 開拓保健婦制度――入植者の健康管理
  2. 保健婦駐在制度――健兵健民政策
  3. 保健婦の身分の確立――GHQ覚書による公衆衛生対策
  4. 国民健康保険保健婦の市町村移管――特定健康診査

 

 


 

▶午前2

市の健康課題の解決に適切なのはどれか。

 

  1. 市が現在実施している保健福祉事業の中で解決を考える。
  2. 健康課題の対象者を医療モデルで捉える。
  3. 地域のキーパーソンの意見を優先する。
  4. ソーシャルキャピタルを活用する。

 

 


 

▶午前3

保健師が行う家庭訪問の対象者と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 1歳6か月の児――母子保健法
  2. 介護を要する者――介護保険法
  3. 特定保健指導対象者――高齢者の医療の確保に関する法律
  4. 結核登録票に登録されている者――感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

 

 


 

▶午前4

要介護高齢者の多い町でコミュニティ・エンパワメントを示す状況はどれか。

 

  1. 住民による高齢者サロン活動が実施される。
  2. 介護予防の方法を介護支援専門員が話し合う。
  3. 住民との話し合いの場で専門職が積極的に解決方法を提案する。
  4. 要介護高齢者の家族が抱える問題を当事者たちの問題と住民が認識する。

 

 


 

▶午前5

3歳児健康診査において確認するのはどれか。

 

  1. しりとりができる。
  2. 円を描くことができる。
  3. 自分の「前後」「左右」がおおよそ分かる。
  4. 約束やルールを守って遊ぶことができる。

 

 


 

▶午前6

市の保健師は、認知症の高齢者への支援には地域で支え合いができる体制を構築することが必要と考え、市内の中学校に出向いて生徒に対して認知症に関する健康教育を行うことにした。
媒体として最も効果的なのはどれか。

 

  1. 認知症高齢者の頭部MRI
  2. 県内の認知症高齢者数の推移のグラフ
  3. 市内の介護ボランティアグループのリスト
  4. 認知症高齢者を介護する家族が介護体験を語る映像

 

 


 

▶午前7

2年前に発足し、定期的に活動している精神障害者の家族会。
今後も活発に活動するための保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 運営資金の確保
  2. 家族会の会の進行
  3. 年間行事計画の作成
  4. リーダーへの精神的支援

 

 


 

▶午前8

地区踏査による情報収集の特長はどれか。

 

  1. 地区の環境を把握することができる。
  2. 地区の医療費を分析することができる。
  3. 地区の健康指標の情報を得ることができる。
  4. 1回の地区踏査で十分な情報を得ることができる。

 

 


 

▶午前9

保健師は、BMI28以上の人を対象に生活習慣病予防のための健康づくり教室を企画した。教室は、1回目を講話、2回目を運動指導、3回目を調理実習で構成した3日間で行い、教室終了後6か月に参加者を集めて評価を行う。
評価を行う際のアウトカム指標で最も適切なのはどれか。

 

  1. 血圧の変化
  2. 腹囲の減少率
  3. 実施日ごとの参加者数
  4. 生活習慣病による通院者数

 

 


 

▶午前10

市ではボランティア組織の活動を活性化させるために、地区の健康づくりリーダーを養成することにした。
対象者を選定する方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 保健師の推薦
  2. 市民への募集
  3. 自治会長の推薦
  4. 自治会員の輪番制

 

 


 

▶午前11

人口4万人、高齢化率31%の市。保健師は高齢者の生活と健康問題の実態を把握するため、グループインタビューを行いたいと考えた。
優先的に行うグループはどれか。

 

  1. 民生委員
  2. 消防団員
  3. 商工会議所役員
  4. 食生活改善推進員

 

 


 

▶午前12

人口30万人の市。市内にロコモティブシンドローム予防を目的としたウォーキンググループが8つある。保健師は、これらのグループが交流することによって連携し組織化した活動を行うことを支援したいと考えた。
保健師の支援で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 活動目的を提案する。
  2. 運営規則の作成を促す。
  3. ロコモティブシンドローム予防の資料を提供する。
  4. ロコモティブシンドロームに関連した地域の課題を共有する場を設定する。

 

 


 

▶午前13

市では、認知症高齢者の徘徊についての家族からの相談や、警察に保護される事例が増加した。保健師は認知症高齢者の徘徊について地域で対応するケアシステムの構築が必要と考え、地域の関係者を集めた会議を開催することにした。
初回の会議で検討する内容として最も適切なのはどれか。

 

  1. 認知症高齢者家族会の設立
  2. 徘徊高齢者の見守りの役割分担の決定
  3. 会議の構成員の徘徊高齢者への対応状況の共有
  4. 会議の構成員の認知症高齢者に関する知識の確認

 

 


 

▶午前14

3歳児の母親。「子どもが専門医療機関で自閉症と診断されました。夫は仕事で忙しく、育児は自分に任されてきました。子どもが多動でパニックを起こすと手が付けられないので、外出することは少ないです。主治医に対応の方法を聞きましたが、うまく対応できません」と保健センターに相談のため来所した。
保健師の支援で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保育所への入所を勧める。
  2. 自閉症児の家族会を紹介する。
  3. 夫と一緒に来所することを勧める。
  4. 地域子育て支援センターを紹介する。

 

 


 

▶午前15改題

令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査結果で正しいのはどれか。

 

  1. 歯みがきの回数は1日3回以上が最も多い。
  2. う蝕を持つ者の割合は65~74歳が最も多い。
  3. 歯肉に所見のある者の割合は55~59歳が最も多い。
  4. 80歳では20歯以上自分の歯を有する者の割合が5割を超える。

 

 


 

▶午前16

医療費の助成と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 自立支援医療――次世代育成支援対策推進法
  2. 結核児童の療育給付――感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
  3. 小児慢性特定疾患治療研究事業――児童福祉法
  4. 妊娠高血圧症候群等の療養給付――母体保護法

 

 


 

▶午前17

35歳の男性から「職場の健康診断の結果通知を見たら、HDLコレステロールの欄が35mg/dLで正常範囲ではありませんでした。その他の項目はすべて正常範囲です。どのようにしたらよいでしょう」と保健師に相談があった。営業職で、毎日20本喫煙し、日本酒換算で週4合飲酒している。特記すべき既往歴はなく、現在治療中の疾患もない。保健師はHDLコレステロール値の意味を説明した。
併せて行う指導で適切なのはどれか。

 

  1. 禁煙する。
  2. 禁酒する。
  3. 医療機関を受診する。
  4. コレステロールの多い食品の摂取は避ける。

 

 


 

▶午前18

学校保健安全法に基づく児童生徒等の健康診断の実施期限と児童生徒等および保護者への実施日から結果通知までの期間の組合せで正しいのはどれか。

 

   実施期限――結果通知までの期間

  1. 5月31日――28日
  2. 5月31日――21日
  3. 6月30日――28日
  4. 6月30日――21日

 

 


 

▶午前19

職場巡視について労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

 

  1. 保健師は週1回以上行う。
  2. 安全衛生推進者は週1回以上行う。
  3. 産業医は月1回以上行う。
  4. 衛生管理者は月1回以上行う。

 

 


 

▶午前20

保健所の平時の健康危機管理対策について正しいのはどれか。

 

  1. 健康被害情報の把握
  2. 積極的疫学調査の実施
  3. 情報の通信手段の確保
  4. ボランティアの配置の調整

 

 


 

▶午前21

有料老人ホームの職員から複数の入居者がノロウイルスによる胃腸炎と診断されたと保健所に連絡があった。
感染拡大の防止のための職員への指導で適切なのはどれか。

 

  1. 家族の面会は禁止する。
  2. 嘔吐物の処理は密閉した空間で行う。
  3. 嘔吐物で汚染されている場所に入居者を近付けない。
  4. 嘔吐物で汚染されている場所は逆性石けんで消毒する。

 

 


 

▶午前22

市では、毎年12月に次年度の地区活動計画を立案している。
保健師が担当地区の次年度の地区活動計画を立案する時に適切なのはどれか。

 

  1. 目標値の修正はしない。
  2. 保健事業の必要量を算出する。
  3. 昨年度の決算額を予算額とする。
  4. 地区の自治会長と一緒に立案する。

 

 


 

▶午前23

ヒストグラムについて正しいのはどれか。

 

  1. 連続量や度数の経時的変化を折れ線で示す。
  2. 名義尺度の度数の分布を棒の高さとして示す。
  3. ある範囲にある連続量の度数を面積の大きさとして示す。
  4. 標本のもつ2つの連続量をプロットしてその関連を示す。

 

 


 

▶午前24

統計調査と調査内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 国勢調査――健康保険の種別
  2. 人口動態統計――転出入
  3. 社会生活基本調査――生活時間の配分
  4. 国民生活基礎調査――栄養摂取状況

 

 


 

▶午前25

世界保健機関〈WHO〉の機能について正しいのはどれか。

 

  1. 青年海外協力隊の派遣
  2. 国際社会の平和と安全の維持
  3. 開発途上国における学校の建設
  4. 新興・再興感染症の監視網の構築

 

 


 

▶午前26

保健所について正しいのはどれか。

 

  1. 結核登録票を整備する。
  2. 保健所法に基づいて設置されている。
  3. 保健師は保健所長になることができない。
  4. おおむね人口10万人当たり1か所設置されている。

 

 


 

▶午前27改題

日本の令和2年(2020年)における社会保障給付費の割合の内訳について多い順に並んでいるのはどれか。

 

  1. 医療>介護>年金
  2. 医療>年金>介護
  3. 年金>医療>介護
  4. 年金>介護>医療

 

 


 

▶午前28

40歳の女性から「同居している74歳の姑が、最近物忘れがひどくなり、食事を食べているのに、嫁がご飯を作ってくれないと近所に言いふらすので困っています」と電話があった。
保健師の最初の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「様子を見に行かせてください」
  2. 「民生委員に相談してみましょう」
  3. 「認知症の高齢者にはよくあることです」
  4. 「かかりつけの医師に相談してください」
  5. 「お姑さんに食事を食べたことを伝えてみましょう」

 

 


 

▶午前29

在宅療養者の支援におけるヘルスケアチームについて正しいのはどれか。

 

  1. 病院と同等の治療環境を目指す。
  2. チームメンバーに在宅療養者の家族を含む。
  3. 最初に決めたチームメンバーは変更しない。
  4. チーム会議では情報の共有より役割の分担が優先する。
  5. ボランティアとして関わっている人はチームメンバーとしない。

 

 


 

▶午前30

担当地区に住むAさんから「48歳の夫が若年性認知症と診断され治療が開始されました。どうしたらよいかわかりません」と市の保健センターに電話があった。
保健師の最初の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 夫への対応の仕方を指導する。
  2. 保健センターへの来所を勧める。
  3. Aさんが心配していることを聞く。
  4. 主治医に再度相談するよう勧める。
  5. 夫の職場の上司に相談するよう勧める。

 

 


 

▶午前31

セルフヘルプグループはどれか。

 

  1. 町内会
  2. 断酒会
  3. 母子保健推進委員会
  4. 公民館で行う太極拳の教室
  5. 絵本の読み聞かせグループ

 

 


 

▶午前32

Aさん(40歳、女性)。48歳の会社員の夫と2人暮らし。「夫が1か月前から夜眠れない様子で、ここ数日は『役に立たない人間は生きていてもしょうがない』と言っています。どう対応したらよいでしょうか」と市の保健センターに相談のため来所した。
最初に行う助言で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「産業医に相談して仕事量を減らしてもらいましょう」
  2. 「市販の睡眠を改善するお薬を飲んでもらいましょう」
  3. 「できるだけ早く精神科医の診察を受けましょう」
  4. 「言動に注意しながら様子をみましょう」
  5. 「Aさんも体調に気をつけましょう」

 

 


 

▶午前33

癌と危険因子の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 乳癌――多産
  2. 胃癌――脂肪摂取
  3. 膀胱癌――喫煙
  4. 食道癌――アスベスト
  5. 大腸癌――炭水化物摂取

 

 


 

▶午前34

3種類のスクリーニング検査A、B、Cの受信者動作特性(ROC)曲線を示す。
100am34h
検査の正確さについて正しいのはどれか。

 

  1. 3検査のうちAが最も正確な検査である。
  2. 3検査のうちBが最も正確な検査である。
  3. 3検査のうちCが最も正確な検査である。
  4. 正確さを評価するには足りない情報がある。
  5. この曲線は検査の正確さの評価には適していない。

 

 


 

▶午前35

相関について正しいのはどれか。

 

  1. 因果関係の必須項目である。
  2. 相関係数が大きいほど相関関係は強い。
  3. 相関が全くないときの相関係数は0である。
  4. 相関係数は0から100までの数値で示される。
  5. 2つの連続量の一方を使用して他方を推計することをいう。

 

 


 

▶午前36

Breslow〈ブレスロー〉の7つの生活習慣に該当するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 喫煙しない。
  2. ストレスを避ける。
  3. 食後に歯磨きをする。
  4. 1日3回の食事を摂取する。
  5. 1日7~8時間の睡眠をとる。

 

 


 

▶午前37改題

令和4年(2022年)の厚生労働省「人口動態統計」と警察庁「令和4年中における自殺の概要」における自殺による死亡で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 死亡総数は4万人を超えている。
  2. 男性の死亡数は女性の約2倍である。
  3. 35歳から39歳に死亡率のピークがある。
  4. 原因・動機は経済・生活問題が最も多い。
  5. 10歳から39歳における死因の第1位である。

 

 


 

▶午前38

分母に集団の人口全体を用いる指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 有病率
  2. 累積罹患率
  3. 致命率〈致死率〉
  4. 死因別死亡割合
  5. PMI〈proportional mortality indicator〉

 

 


 

▶午前39

日本の社会保障の財源で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 雇用保険の財源は公債である。
  2. 生活保護の財源は保険料と税である。
  3. 医療保険の財源は保険料と税である。
  4. 介護保険の財源は保険料と税である。
  5. 労働者災害補償保険の財源は税と企業が支払う保険料である。

 

 


 

▶午前40改題

日本の自殺対策で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 法律の規定はない。
  2. 雇用対策が中心である。
  3. 遺族対策が含まれている。
  4. 平成20年に自殺対策加速化プランが策定された。
  5. 自殺総合対策大綱では、令和8年には平成27年の死亡率の5%減少を目標にしている。

 

 


 

次の文を読み41~43の問いに答えよ。

人口11万5千人、高齢化率25%の市。要介護高齢者が増加傾向にある。要介護高齢者の介護者の交流を目的に、月1回保健センターで「介護者の集い」を行っている。

 

▶午前41

介護者の集いのアウトプットとして最も適切なのはどれか。

 

  1. 継続参加者数
  2. 介護者の健康診査結果
  3. 介護者のストレス対処状況
  4. 介護者の介護に対する困難感

 

 


 

▶午前42

多くの参加者から「介護がとても大変だ」という声が聞かれた。保健師は、市全体の状況を把握するため、要介護高齢者の介護者の負担について調査を実施することにした。
調査項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 介護に要する時間
  2. かかりつけ医の有無
  3. 介護技術の習得状況
  4. 要介護高齢者の要介護度

 

 


 

▶午前43

調査の結果、要介護認定を受けている者が介護保険サービスを十分に利用していないため、介護負担が大きい可能性があると考えた。保健師は関係者を対象に介護者の負担軽減を目的とした研修会を実施することにした。
研修会の対象者として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 民生委員
  2. 精神保健福祉士
  3. 介護支援専門員
  4. 健康運動指導士

 

 


 

次の文を読み44~46の問いに答えよ。

山間部にある人口8,000人、高齢化率40%のA町。高齢者のうち独居者の割合35%。町に急な坂が多く、電車やバスが運行していないため、高齢者は買い物に不便を感じている。

 

▶午前44

保健師は、独居高齢者の状況について情報収集を行うことにした。
収集する資料で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 診療報酬明細書
  2. 生活機能評価結果
  3. 特定健康診査結果
  4. 要介護認定者の状況

 

 


 

▶午前45

保健師が高齢者を対象に健康に関するアンケートを実施した結果、食事回数が1日2回と回答した割合が、独居高齢者では60%、同居者がいる高齢者では30%であった。
独居高齢者の食事回数が1日2回であることに対する寄与危険はどれか。

 

  1. 2.0
  2. 0.50
  3. 0.30
  4. 0.26

 

 


 

▶午前46

保健師は、独居高齢者の食生活上の問題を解決するには地域の協力が必要と考え、自治会役員を集めて町の独居高齢者の状況について説明した。
このときの保健師の自治会役員への働きかけとして最も適切なのはどれか。

 

  1. 独居高齢者に対して地域で取り組めることを一緒に考える。
  2. 独居高齢者が簡単に作れる料理教室の開催を依頼する。
  3. 自治会役員による買い物の代行を提案する。
  4. 独居高齢者への家庭訪問を依頼する。

 

 


 

次の文を読み47~49の問いに答えよ。

児童委員から担当地区のアパートに住む2歳の児について「見かけた時は元気がなくて、外で遊ぶ様子も見ません。いつも同じ服を着ていて身なりも汚れています」と町の保健師に相談があった。保健師が児童委員に詳しく話を聞いた結果、母親は児童委員に子育ての大変さを繰り返し訴えていることが分かった。

 

▶午前47

保健師が確認する情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 乳幼児健康診査の状況
  2. 新生児訪問で把握した状況
  3. アパートの管理人からの情報
  4. アパートの近所の住民からの情報

 

 


 

▶午前48

保健師は児童委員と一緒に家庭訪問を行うことにした。
初回の家庭訪問で確認する事項として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 母親の子どもとの遊びの状況
  2. 家の中の整理整頓の状況
  3. 子どもの発育・発達状況
  4. 母親の既往歴

 

 


 

▶午前49

家庭訪問で、父親は県外に単身赴任中であり、子どもと2人きりでずっと一緒にいてつらいこと、母親は疲労のため寝ていることが多いこと、子どもには食事の代わりにお菓子を食べさせていることが分かった。
保健師の支援で優先するのはどれか。

 

  1. 児童委員への見守り依頼
  2. 母親の医療機関への受診勧奨
  3. 地域生活支援センターへの連絡
  4. 要保護児童対策地域協議会実務者会議の開催要請

 

 


 

次の文を読み50~52の問いに答えよ。

Aちゃん(7歳、女児)は、B小学校に通学している。健康診断で尿蛋白+と指摘された。昨年までの健康診断では検尿を含めて異常を指摘されたことはなく、既往歴に特記すべきことはない。

 

▶午前50

養護教諭が尿の再検査についてAちゃんと保護者へ行う説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「Aちゃんのお母さんの尿も検査する必要があります」
  2. 「腹痛があるときは尿を採らないでください」
  3. 「尿を採る12時間前から絶食してください」
  4. 「朝起きて一番の中間尿を採ってください」

 

 


 

▶午前51

Aちゃんは、再検査でも尿蛋白+となり、腎生検の結果、IgA腎症と診断され入院した。副腎皮質ステロイドを内服しながら院内学級に通っていた。3か月後、退院が決まりB小学校に再び登校することになった。B小学校は学校生活管理指導表の提出を求めた。
学校生活管理指導表を記載する者で正しいのはどれか。

 

  1. 保護者
  2. 入院先の主治医
  3. 入院先の看護師長
  4. 院内学級の担当教員

 

 


 

▶午前52

Aちゃんは副腎皮質ステロイドを内服しながら通学を再開した。
養護教諭が行う支援で適切なのはどれか。

 

  1. 内服薬は保健室で保管する。
  2. Aちゃんの尿検査を定期的に行う。
  3. Aちゃんの健康状態の観察を学級担任と協力して行う。
  4. Aちゃんの疾患について同じクラスの児童へ説明する。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

人口50万人の中核市のA市。市の保健医療計画に糖尿病対策の強化を盛り込むことになった。

 

▶午前54

A市には、特定機能病院1か所、200床規模の病院が3か所、診療所は200か所ある。市内の病院と医師会、歯科医師会、薬剤師会とで糖尿病医療連携推進会議を実施することになった。
この会議で検討する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 糖尿病専門医の育成
  2. 人工透析患者の医療機関への送迎
  3. 病診連携のための連絡用フォーマットの作成
  4. 特定健康診査受診者のうち積極的支援対象者の選定方法

 

 


 

▶午前55

A市の糖尿病医療連携推進会議での検討の結果、市では糖尿病対策として、市の保健事業を強化することにした。そこで、保健師は、糖尿病発症予防対策としてウォーキング教室を企画した。
対象として適切なのはどれか。

 

  1. 糖尿病患者の家族
  2. 市の広報誌で募集する市民
  3. 市内のフィットネスクラブの指導者
  4. 特定健康診査において空腹時血糖100mg/dL以上で積極的支援とならなかった市民

 

 

 

第100回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1改題

令和4年度(2022年度)の保健師活動領域調査で正しいのはどれか。

 

  1. 地方自治体の常勤保健師数は5万人を超える。
  2. 常勤保健師数は、市町村(保健所設置市・特別区を除く)よりも都道府県保健所が多い。
  3. 都道府県保健所の活動項目別保健師1人当たりの平均時間数は、健康危機管理が最も多い。
  4. 市町村(保健所設置市・特別区を除く)の活動項目別保健師1人当たりの平均時間数は、直接対人支援が5割を超える。

 

 


 

▶午後2

健康づくりの自主グループで活動しているリーダーのAさんから、最近グループメンバーの参加が少なくなったと保健師に相談があった。
保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. グループ活動の休止を勧める。
  2. 新しい参加者の募集方法を提案する。
  3. 保健師が参加者一人一人の意見を聞く。
  4. メンバーの話し合いの場を設けるよう勧める。

 

 


 

▶午後3

市の健康診査の結果、糖尿病が強く疑われる者の割合が高いことが分かった。保健師は糖尿病予防のための教室を企画することにした。
最初に検討するのはどれか。

 

  1. 目標
  2. 周知方法
  3. プログラム
  4. 教室のテーマ

 

 


 

▶午後4

人口10万人の市。市では、電話相談と来所相談について相談の項目と件数をまとめている。その結果、育児不安の相談件数が増加傾向にあることから、保健師は地域診断を行うことにした。
最初に行うのはどれか。

 

  1. 家庭訪問で聞き取り調査を行う。
  2. 乳幼児健康診査でグループインタビューを行う。
  3. 乳幼児健康診査における相談内容のデータを分析する。
  4. 乳幼児健康診査の問診表に「育児不安の有無」の項目を入れる。

 

 


 

▶午後5

保健事業の評価について正しいのはどれか。

 

  1. 経済的評価は実施評価に含まれる。
  2. 形成的評価は事業の実施後に行う。
  3. 評価計画は活動計画の策定時に立てる。
  4. プロセス評価は事業実施後に総合的に行う。

 

 


 

▶午後6

市では健康増進計画を見直すことになり市役所内の関係部署の代表者による計画策定会議を設置した。保健師は事務局として会議を運営する。
市役所内のエンパワメントにつなげる計画策定方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 目標設定は事務局が担当する。
  2. 事務局が各部署の役割を指示する。
  3. 計画策定後に策定内容を市役所内に周知する。
  4. 各部署で検討された内容を策定会議で検討する。

 

 


 

▶午後7

市では、脳卒中後遺症による要介護認定者数が増加している。保健師は、脳卒中後遺症患者が退院後に適切にリハビリテーションを行っていないために、拘縮が進んだ状態で要介護認定の申請に至っていることが課題と考えた。そこで、病院から地域への円滑な移行に向けた地域リハビリテーションの体制整備を目的に、医療機関、訪問看護ステーション、通所介護事業所の関係者による会議を開催することにした。
初回の会議で出席者から収集する情報で最も適切なのはどれか。

 

  1. 要介護認定者の原因疾患
  2. 市内の理学療法士の従事状況
  3. 通所型介護予防事業の実施状況
  4. 各機関におけるリハビリテーションの利用状況

 

 


 

▶午後8

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく支援について正しいのはどれか。

 

  1. 更生医療の給付実績は、内臓障害で給付される割合が増大している。
  2. サービス内容は行政の決定に基づく措置制度である。
  3. 自立支援給付の申請は都道府県に行う。
  4. 養育医療は自立支援医療に含まれる。

 

 


 

▶午後9

Aさん(37歳、男性)。妻と2人の児との4人暮らし。会社員。3か月前に脊髄小脳変性症と診断された。最近、歩行障害が進行し、会社への通勤に支障がでてきたとAさんから保健所保健師に相談があった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 介護保険の利用を勧める。
  2. 難病情報センターへ紹介する。
  3. 身体障害者手帳の申請を勧める。
  4. 勤務形態の変更について職場に相談するよう勧める。

 

 


 

▶午後10

人口40万人の中核市。定期的に地域・職域連携推進協議会を開催している。その会議で、市内の3つの事業所の出席者から、特定健康診査の結果では2年後に定年退職となる者に血中脂質検査の項目が異常の者の割合が高いことが報告された。市の保健師は、退職予定者を主な対象として健康づくりの講演会を各事業所の衛生管理者と企画することにした。
連携先として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 商工会議所
  2. 地域活動支援センター
  3. 地域産業保健センター
  4. 地域包括支援センター

 

 


 

▶午後11

管内のA病院から、下痢のため3日前に入院した8歳女児の便から、サルモネラが検出されたと保健所に電話があった。同日、B病院からも同じ菌を検出したとの電話があった。
保健所の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 患児の自宅を消毒する。
  2. 患児の喫食調査を実施する。
  3. A病院の検食の病原体検査を行う。
  4. 患児を第1種感染症指定医療機関に移送する。

 

 


 

▶午後12

Aさん(75歳、男性)。72歳の妻と2人暮らし。脳梗塞後遺症による右片麻痺がある。要介護3で車椅子の生活であり2週前に退院した。自宅から避難所になっている小学校までは、坂道の多い市街地を通り徒歩で15分かかる。息子はAさん宅から車で1時間の場所に家族と暮らしている。Aさんの妻から、災害時に2人だけでは心配だと保健師に相談があった。
保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 長男に徒歩圏内に転居することを勧める。
  2. 避難所になっている小学校の建物の構造を妻と確認する。
  3. Aさんと妻に災害の情報はテレビから入手するよう説明する。
  4. 緊急時にAさんを手助けする近隣のボランティアを育成していくと伝える。

 

 


 

▶午後13

新人保健師を対象とした現任教育で適切なのはどれか。

 

  1. 職場外研修(OFF-JT)を中心に行う。
  2. 基礎的な知識を獲得することに重点を置く。
  3. 職場の実地指導者が人材育成計画を立てる。
  4. 新人保健師が担当する対応困難な事例を課内で検討する。

 

 


 

▶午後14

40歳代男性を対象とした研究で、虚血性心疾患死亡率(人口10万人対)を観察した。喫煙群では20.0、非喫煙群では10.0であった。
次の計算で求めたのはどれか。
20.0÷10.0=2.0

 

  1. オッズ比
  2. 寄与危険
  3. 相対危険
  4. 寄与危険割合

 

 


 

▶午後15改題

令和2年(2020年)の患者調査で傷病分類別入院受療率が最も高い疾患はどれか。

 

  1. 糖尿病
  2. 心疾患
  3. 悪性新生物〈腫瘍〉
  4. 脳血管疾患

 

 


 

▶午後16

日本人の血液型のうちAB型の割合が10%であるとする。無作為に選んだ100人の日本人集団の中にAB型の人が20人以上いる確率を知りたい。
この集団の中に含まれるAB型の人数が従う分布として最も適切なのはどれか。

 

  1. t分布
  2. F分布
  3. 正規分布
  4. 二項分布

 

 


 

▶午後17改題

65歳男性の生命表に基づく死因別死亡確率(%)の表を示す。
100pm17h
ただし、A~Dは悪性新生物〈腫瘍〉、脳血管疾患、心疾患または肺炎のいずれかを示す。
脳血管疾患はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後18

情報処理について誤っているのはどれか。

 

  1. データをコンピュータで使用可能な形にすることをデータの電子化という。
  2. 体系づけられたデータやファイルの集まりのことをデータベースという。
  3. 同じ形式のデータを連結することをレコードリンケージという。
  4. 氏名の削除や番号・記号への置き換えのことを匿名化という。

 

 


 

▶午後19

保健所が行う業務はどれか。

 

  1. 病院への立ち入り検査
  2. 介護保険事業者の開設許可
  3. 労働者災害補償保険給付申請の受付
  4. 精神障害者保健福祉手帳申請の受付

 

 


 

▶午後20

介護保険制度における都道府県の役割はどれか。

 

  1. 被保険者の資格管理
  2. 介護支援専門員の登録
  3. 介護給付費の1/4を負担
  4. 地域密着型サービス事業所の指定

 

 


 

▶午後21

39歳の女性。全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断された。「病院に掲示されていたポスターに保健所の住所と電話番号が書いてあったので来ました」と言う。
保健師の最初の対応として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 就労状況の確認
  2. 婚姻状況の確認
  3. 相談内容の確認
  4. 治療状況の確認
  5. 全身性エリテマトーデス〈SLE〉の説明

 

 


 

▶午後22

Aさん(21歳、初産婦)。出生連絡票の子の父の氏名は母と違う姓が書かれ、相談したいことの欄には「子どもと接したことがなく、育て方がわからないことが多く不安」と書かれていた。
保健師の新生児訪問指導で最初に確認すべき事項として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 妊娠の経過
  2. 授乳の状況
  3. 出産時の状況
  4. 子の父親の状況
  5. Aさんの交友関係

 

 


 

▶午後23

Aさん(60歳、男性)。Aさんの妻から「夫は身長165cm、体重68kgだったのが退職後6か月で体重が5kg増加しました。家でゴロゴロしていることが多く、食欲は旺盛です。夫にどのように対応したらよいでしょうか」と保健師に相談があった。
妻への対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「毎朝、夫婦でウォーキングをしましょう」
  2. 「Aさんに栄養士の指導を受けてもらいましょう」
  3. 「Aさんに肥満予防教室に参加してもらいましょう」
  4. 「Aさんは体重増加をどう思っているか聞いてみましょう」
  5. 「Aさんに肥満は心臓病の原因となることを伝えましょう」

 

 


 

▶午後24

市では肺癌死亡率がここ数年上昇傾向にある。そこで、市の保健師は肺癌死亡率の低下を目標に事業を計画した。
ハイリスクアプローチはどれか。

 

  1. 妊婦に対する禁煙教室
  2. 高血圧の者に対する禁煙教室
  3. 街頭における分煙キャンペーン
  4. 喫煙者に対する肺がん検診の勧奨
  5. 特定健康診査と肺がん検診の同時実施

 

 


 

▶午後25

25歳の母親。専業主婦。夫と6か月の乳児(出生時体重2,900g、身長49cm)との3人暮らし。乳児健康診査未受診で何度か電話で受診勧奨したが来所しないため、市の保健師が家庭訪問した。訪問時、児は体重6,900g。首はすわり、寝返りはできているが、はいはいはできない。離乳食は開始したばかりであり、進め方が分からないと言うので保健指導した。人付き合いが苦手で、育児の相談相手もいないという。
保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 家庭訪問を継続する。
  2. 市の育児相談を勧める。
  3. 育児サークルを紹介する。
  4. 児童委員に情報を提供する。
  5. 児を発達障害の専門外来へ受診させるよう勧める。

 

 


 

▶午後26

学校保健安全法施行規則で規定されている疾病と出席停止の期間の基準の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 結核――特有の咳が消失するまで
  2. 水痘――すべての発しんが痂皮化するまで
  3. 風しん――解熱後2日を経過するまで
  4. 麻しん――特有の発しんが消失するまで
  5. インフルエンザ――解熱後1日を経過するまで

 

 


 

▶午後27改題

日本の令和元年(2019年)の健康寿命について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 女性より男性の方が長い。
  2. 男女ともに70歳を超える。
  3. 都道府県間の差は5年を超える。
  4. 平均寿命との差は5年未満である。
  5. 平均寿命との差は男性より女性の方が長い。

 

 


 

▶午後28

ノーマライゼーションについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 北米から概念が広まった。
  2. 性的な生活をする権利を含む。
  3. 1970年代に初めて法律の中で用いられた。
  4. 国際障害者年のテーマを支える理念である。
  5. 最初に提唱されたときは身体障害者を対象とした。

 

 


 

▶午後29

21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))の目標について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 推進する期間は5年である。
  2. 9分野の目標が設定されている。
  3. 最終的な目標の1つに健康格差の縮小がある。
  4. 妊婦の喫煙率の目標は0%である。
  5. 1日の食塩摂取量の目標は10g未満である。

 

 


 

▶午後30

予防接種で生ワクチンはどれか。2つ選べ。

 

  1. 肺炎球菌
  2. B型肝炎
  3. おたふくかぜ
  4. 麻疹・風疹混合
  5. Hib〈インフルエンザ菌b型〉

 

 


 

▶午後31

Aさん(43歳、男性)は、23歳で統合失調症と診断された。精神科病院に20年間入院している。現在Aさんは任意入院であり退院を強く希望し、主治医も退院の方向で検討している。両親は亡くなっており、兄弟姉妹はいない。
Aさんが退院し、地域生活へ移行するために必要なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 日常生活支援体制の調整
  2. 親戚の退院への同意
  3. 地域住民への連絡
  4. 就労先の確保
  5. 居住先の確保

 

 


 

▶午後32

疫学研究における因果関係の推論で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 関連の一致性は因果推論を強める。
  2. 統計学的に有意な関連は因果関係である。
  3. 関連の整合性は因果推論の十分条件である。
  4. 関連の特異性は因果推論の必要十分条件である。
  5. 関連の時間的関係性は因果推論の必要条件である。

 

 


 

▶午後33

生活保護法について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 申請保護を原則とする。
  2. 世帯単位を原則とする。
  3. 実施機関は保健所である。
  4. 保護の種類は4種類である。
  5. 日本国憲法第11条に基づいている。

 

 


 

▶午後34改題

法令に基づき市町村が策定しなければならない計画はどれか。2つ選べ。

 

  1. 環境基本計画
  2. 障害者計画
  3. 介護保険事業計画
  4. 医療費適正化計画
  5. がん対策推進基本計画

 

 


 

▶午後35

都道府県が医療計画に記載すべき事項はどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療の安全の確保に関する事項
  2. 介護サービス情報の公表に関する事項
  3. 住民の健康増進に係る達成目標に関する事項
  4. 5疾病5事業に係る医療連携体制に関する事項
  5. 地域生活支援事業の種類ごとの実施に関する事項

 

 


 

次の文を読み36~38の問いに答えよ。

Aさん(80歳、女性)。1人暮らし。糖尿病で内服の自己管理をしながら自立して生活していた。半年前から認知機能が低下して、食べる回数が増え、内服を忘れることが多くなった。隣町に住む娘が同伴して医療機関を受診したところ、血糖値が上昇しており入院となった。入院中のMini-Mental State Examination〈MMSE〉は22点であった。1か月の入院治療により血糖値は安定し退院が予定された。

 

▶午後36

娘から退院後の生活について地域包括支援センターの保健師に相談があった。Aさんは自宅での生活の継続を希望しているが、娘は仕事があり日々の介護はできないと言う。
退院後の生活のアセスメントに必要な情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 本人の経済状況
  2. 本人の家事能力
  3. 娘の健康状態
  4. 娘の勤務先

 

 


 

▶午後37

内服は朝1回となり、入院中に看護師が自己管理を指導したが、本人は内服したことを忘れてしまう状況であった。退院後の在宅療養生活に向けて要介護認定を申請し、要支援2と認定され、娘が週末に訪れることになった。
保健師が立案するケアプランのサービス内容として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 介護予防通所介護
  2. 介護予防訪問入浴介護
  3. 介護予防短期入所生活介護
  4. 介護予防訪問リハビリテーション

 

 


 

▶午後38

保健師は、この事例への支援を契機に、慢性疾患のために健康管理が必要な独居高齢者の実態に即して支援体制を見直す必要があると考え、自治会役員、民生委員、開業医、介護支援専門員など、地域の関係者を集めて会議を行うこととした。
会議において最初に行う保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 独居高齢者への家庭訪問を依頼する。
  2. 地域の独居高齢者の個人情報を共有する。
  3. 慢性疾患の最新の診断法について講義を企画する。
  4. 健康管理が必要な独居高齢者への関わりの状況を共有する。

 

 


 

次の文を読み39~41の問いに答えよ。

Aさん(20歳、男性)。高校卒業後、就職したが職場の人間関係がうまくいかず退職して自宅にいる状態が1年半続いている。心配した母親(48歳)が保健所に来所した。保健所では精神保健相談を実施しており、管内にあるひきこもりの家族会やセルフヘルプグループを支援している。

 

▶午後39

最初の面接で、Aさんの様子を尋ねると「普段は家にいて、何もせず、テレビを観るか、インターネットをして過ごしています。午後は図書館に通っています」と話した。
母親への保健師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 家庭訪問を約束する。
  2. 本人の来所を勧めるよう話す。
  3. 保健所の精神保健相談を勧める。
  4. ひきこもりの家族会を紹介する。
  5. 外出しているので問題はないと説明する。

 

 


 

▶午後40

その後、Aさんは母親と精神科を受診したが精神疾患は否定された。Aさんは以前と変わらず夜遅くまでテレビを観るか、インターネットをしていると母親から連絡があった。
現在のAさんに対する援助目標として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 作業所に通うことができる。
  2. 午前中に図書館に通うことができる。
  3. 睡眠導入薬で睡眠のコントロールができる。
  4. ひきこもりになった原因を自覚することができる。

 

 


 

▶午後41

最初の相談から3か月が経過し、Aさんは保健師に電話で、今後のことについて話すようになってきた。
保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 相談終了の時期を決める。
  2. ハローワークで相談することを勧める。
  3. 精神保健福祉センターの相談を紹介する。
  4. ひきこもりのセルフヘルプグループを紹介する。

 

 


 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。

Aさん(70歳、男性)。1人暮らし。2か月前から軽い咳があったが放置していた。1週前から咳がひどくなり、倦怠感が出現したため病院を受診し入院した。Aさんは要支援2で週1回訪問介護を利用している。娘は夫と中学生と小学生の子どもの4人家族であり、車で30分の地区に住んでいる。

 

▶午後42

Aさんは喀痰塗抹菌検査Gaffky〈ガフキー〉5号の肺結核と診断され、主治医から保健所に結核患者発生届が提出された。
保健師の対応で最初に行うことはどれか。

 

  1. 入院中の病院に訪問し、Aさんと面接する。
  2. 娘にAさんと娘の家族の接触状況を聞く。
  3. 訪問していた訪問介護員の健康状態を確認する。
  4. 民生委員にAさんの入院前の生活状況を確認する。

 

 


 

▶午後43

娘は週1回Aさん宅を訪ね2時間ほど一緒に過ごしていたが、接触者健康診断では異常はなかった。娘は「子どもたちは咳や熱の症状はありません。半年以上前から父とは会っていません」と言う。
保健師の娘への対応で正しいのはどれか。

 

  1. 「お子さんはBCGを接種しましょう」
  2. 「お子さんは胸部エックス線検査を受けましょう」
  3. 「お子さんは接触者健康診断の必要はありません」
  4. 「お子さんはツベルクリン反応検査を受けましょう」

 

 


 

▶午後44

入院中にDOTSカンファレンスが開かれ、Aさんは退院した。
AさんのDOTSの実施について適切なのはどれか。

 

  1. 服薬支援者が月に1~2回以上訪問し、服薬確認を行う。
  2. 服薬支援者が週に1~2回以上訪問し、服薬確認を行う。
  3. Aさんは毎日病院の外来に通院して服薬する。
  4. 訪問介護員は服薬支援者になれない。

 

 


 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。

保健師は、従業員600人のIT関連会社に勤務している。5月に実施した定期健康診断の問診では、肩こり、腰痛、目の疲れを訴える人が多かった。症状を訴えた従業員の業務内容を確認したところ、VDT作業に従事していることが分かった。保健師は職場巡視をすることにした。

 

▶午後45

職場巡視における作業環境の観察項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 機器の配線
  2. 作業室の空調
  3. 作業台の高さ
  4. 作業室の清掃状況

 

 


 

▶午後46

職場巡視の結果、VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインが遵守されていないことが分かった。
保健師が行う対応で適切なのはどれか。

 

  1. 休憩時間を設定する。
  2. 衛生委員会で報告する。
  3. 職場の照明を変えるよう指導する。
  4. 特定業務従事者の健康診断を実施する。

 

 


 

▶午後47

その後、ガイドラインを踏まえて新たにVDT作業マニュアルが作成された。保健師は、このマニュアルを普及させるために研修会を企画した。
最も効果が期待できる対象はどれか。

 

  1. 新入社員
  2. 会社役員
  3. 各部署の管理者
  4. 頸肩腕症候群有症状者

 

 


 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。

保育所長から「昨日午後から今朝にかけて、園児100人中35人に嘔吐、下痢症状がある。本日も多くの園児、職員が同様の症状で欠席している」との連絡が入った。保健所は感染症と食中毒の両面から調査を開始した。

 

▶午後48

初動時に保育所長に指導する内容として適切なのはどれか。

 

  1. 調理担当者の隔離
  2. 全園児の家族の検便検査
  3. 連絡調整の窓口の一本化
  4. 医療機関からの情報収集

 

 


 

▶午後49

保健師は調査した結果を分析することにした。
適切なのはどれか。

 

  1. 患者が受診した医療機関の場所をプロットする。
  2. 発症日時ごとの発症者数をプロットする。
  3. 全園児の家の場所をプロットする。
  4. 発症群と曝露群とを比較する。

 

 


 

▶午後50

調査分析の結果から、食中毒の可能性は低く、ノロウイルスの施設内感染と推定された。保育所長から「対応について保護者から質問が多く寄せられているので、説明会を開いてほしい」と依頼された。
患児がいる保護者への二次感染拡大防止の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 患児の兄弟姉妹は入浴させない。
  2. 患児と家族のタオルは共有しない。
  3. 手洗いは石けんを使って流水でする。
  4. 患児は解熱後3日を経過するまで登園させない。
  5. 汚染場所は0.001%次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。

 

 


 

次の文を読み51~53の問いに答えよ。

A市では大腸癌による死亡者数が増加する傾向がみられたため、その要因を分析し、対策を検討することにした。

 

▶午後51

A市と基準集団である県全体の50歳以上の男性の大腸癌死亡者数と年齢階級別人口を表に示す。
100pm51h
A市のこの年齢層における標準化死亡比〈SMR〉を求めよ。
ただし、基準を1とし、小数点以下第3位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②③

 

 


 

▶午後52

A市では大腸がん検診の評価のために、B市のデータと比較した。A市とB市の男性の大腸がん検診の実施状況を表に示す。
100pm52h
B市と比較して、A市が高いのはどれか。

 

  1. 検診受診率
  2. 検診陽性者割合
  3. 検診陽性者が精密検査を受けた割合
  4. 精密検査での大腸癌発見率

 

 


 

▶午後53

B市のデータを参考に、大腸癌の発見を増やすためにA市の保健師が行う方法で最も有効なのはどれか。

 

  1. 検診受診を勧奨する。
  2. 禁煙指導教室を開催する。
  3. 検診陽性者に精密検査の受診を勧奨する。
  4. 検診の敏感度を上げて検診陽性者を増やす。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

人口2万5千人、高齢化率28%のA町。今年度、健康増進計画策定後5年目を迎え、中間評価を行うことになった。保健師が各事業の評価を実施したところ、特定健康診査の受診率と特定保健指導の実施率が目標値を下回った。

 

▶午後54

特定健康診査の受診率を向上するためにA町の保健師が重点的に働きかける対象者を検討したい。
優先して分析するのはどれか。

 

  1. 特定健康診査の年齢別受診率
  2. 特定健康診査の実施機関別受診者数
  3. 特定健康診査対象者の通院治療者の医療機関別割合
  4. 特定保健指導対象者の地区別割合

 

 


 

▶午後55

保健師は、さらに地区ごとに分析を行った。その結果、住民の多くが農業に従事しているB地区の受診率が特に低いことが分かった。
B地区の受診率向上のための支援として最も効果的なのはどれか。

 

  1. 特定健康診査の受診を呼びかけるパンフレットを配布する。
  2. B地区の特定健康診査の受診者を対象とした結果説明会を開催する。
  3. 地区ごとの特定健康診査の受診状況に関する資料を町の広報誌へ掲載する。
  4. 生活習慣病予防対策について農業団体と共催で住民が話し合う場を設ける。

 

 


 

資料 厚生労働省「第100回保健師国家試験、第97回助産師国家試験、第103回看護師国家試験及び第103回看護師国家試験(追加試験)の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成27年2月20日実施の第101回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第101回保健師国家試験目次

 

 

第101回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

Aさんは、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅠで、要支援2である。Aさんは「来月から老人ホームに入ることが決まったと家族に言われた。私は自宅にいたい」と地域包括支援センターの保健師に相談した。
保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 老人ホームの入所を勧める。
  2. 介護支援専門員に対応を依頼する。
  3. Aさんと家族が話し合う機会を設ける。
  4. 施設入所について地域包括支援センターの職員間で検討する。

 

 


 

▶午前2

A市では健康診査の結果、血圧が高い人が増加傾向にあることが分かった。保健師は分析した結果を踏まえて、地域での高血圧予防に取り組むことにした。
この取り組みにおいて最も効果的なのはどれか。

 

  1. 医療機関への情報提供
  2. 結果説明のための個別訪問
  3. 健康診査の検査項目の見直し
  4. 地域住民を対象とした学習会の開催

 

 


 

▶午前3改題

環境汚染物質とそれに起因する疾病の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 石綿――じん肺
  2. カドミウム――気管支喘息
  3. ダイオキシン――中皮腫
  4. 有機水銀――水俣病

 

 


 

▶午前4

Aさん(26歳、初産婦)。妊娠40週1日に3,100gの女児を出産した。出生通知票が届き、保健師がAさんへ電話連絡したところ、初めての育児に対する不安があるという。
このときのAさんへの対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 妊娠の経過を把握する。
  2. 医療機関への連絡を行う。
  3. 育児学級への参加を勧める。
  4. 育児で困っていることを具体的に聞く。

 

 


 

▶午前5

2歳男児の母親。1歳6か月児健康診査後から継続して、市町村保健センターの発達相談会に来ている。母親は、児とおもちゃの車で遊びながら「ブーブ速いね。かっこいいね」と言葉をかけている。児も楽しそうに「ブーブ、ブーブ、いいね」と言いながら遊んでいる。母親から「子どもの言葉が少ないのは私の対応が悪いのでしょうか」と相談があった。
母親への声かけで最も適切なのはどれか。

 

  1. 「上手に言葉かけができていますよ」
  2. 「毎日外でたくさん遊ばせましょう」
  3. 「毎日絵本を読んであげてくださいね」
  4. 「時間がたてば話せるようになりますよ」

 

 


 

▶午前6

健康診査と根拠となる法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 妊産婦健康診査――母体保護法
  2. 3歳児健康診査――母子保健法
  3. 就学時健康診断――児童福祉法
  4. 特定健康診査――健康増進法

 

 


 

▶午前7

特定健康診査後の結果説明会について適切なのはどれか。

 

  1. 医療機関に通院している者は対象としない。
  2. 参加者の個人の特定健康診査結果を公表する。
  3. 検査結果と身体の機能との関係について説明する。
  4. 異常値があっても自覚症状がなければ心配ないと説明する。

 

 


 

▶午前8

地域診断に用いる手法とその説明の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. エスノグラフィ――学習理論を基盤とする。
  2. プリシード・プロシードモデル――社会診断から開始する。
  3. プロジェクト・サイクルマネジメント――参与観察から開始する。
  4. コミュニティ・アズ・パートナーモデル――疫学診断から開始する。

 

 


 

▶午前9

地域ケアシステムの構築における最終目的で最も適切なのはどれか。

 

  1. 連携会議が活性化する。
  2. 行政サービスが効率化する。
  3. 地域の健康水準が向上する。
  4. 保健医療に従事する者の資質が向上する。

 

 


 

▶午前10

母子保健施策のうち最も新しいのはどれか。

 

  1. 母子健康手帳の交付
  2. マタニティマークの配布
  3. 妊婦健康診査の公費負担
  4. 新生児マススクリーニング検査におけるタンデムマス法の導入

 

 


 

▶午前11

精神保健対策の変遷で最も新しいのはどれか。

 

  1. 市町村の役割が明示された。
  2. 医療保護入院のための移送が規定された。
  3. 精神障害者保健福祉手帳制度が創設された。
  4. 保健所が精神保健行政を担うこととされた。

 

 


 

▶午前12

難病対策で正しいのはどれか。

 

  1. スモンの研究体制の整備から始まった。
  2. 難病対策要綱は昭和36年に定められた。
  3. 一律の自己負担限度額が設定されている。
  4. 各都道府県に難病情報センターが設置されている。

 

 


 

▶午前13

人口2万人の市。市では健康増進計画の評価のため、定期的に市民の生活実態調査を行っている。今年度の調査で、中学生では睡眠時間が5時間以下である層が最も多いことが明らかになった。また、市内の養護教諭との連絡会で授業中に居眠りをする生徒が増えたと報告を受けた。
睡眠不足を改善するために協力を得る対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 自治会
  3. 教育委員会
  4. 地区公民館の協議会

 

 


 

▶午前14

Aさん(58歳、男性)。56歳の妻と2人暮らし。脊髄小脳変性症の症状が進行し、2週前から地域の専門医療機関に入院しているが、Aさんは在宅療養を強く希望している。妻は難病の医療費助成の申請のために保健所に来所し「これから症状がさらに進行することを考えると、通院も難しくなると思います。自宅で面倒をみることができるか心配です」と在宅療養への不安を訴えた。
保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 難病の医療費助成と介護保険とは併用できないと伝える。
  2. 通院ができない場合の在宅療養は困難であることを伝える。
  3. 在宅療養の決定の際は、Aさんの意思より家族の意思を尊重する。
  4. 病状の進行に合わせた保健医療福祉サービスが利用できることを説明する。

 

 


 

▶午前15

養護教諭が主体となって行う職務はどれか。

 

  1. 学校給食の衛生管理
  2. 学校生活管理指導表の記入
  3. 感染症に罹患した者の出席停止
  4. 健康上の問題がある児童の保護者への助言

 

 


 

▶午前16

衛生管理者について正しいのはどれか。

 

  1. 労働基準法に規定されている。
  2. 都道府県知事が認定する資格である。
  3. 総括安全衛生管理者は事業場の経営者が兼ねる。
  4. 常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任する。

 

 


 

▶午前17

地域における健康危機の事例で、厚生労働省による健康危機管理指針の策定のきっかけとなったのはどれか。

 

  1. 東海村臨界事故
  2. 阪神・淡路大震災
  3. 新潟県中越沖地震
  4. 新型インフルエンザ(A/H1N1)の発生

 

 


 

▶午前18

医療機関から男性(56歳)のレジオネラ症による肺炎が確認されたと保健所に連絡があった。男性は妻と息子の3人暮らしであり、自宅の風呂のほか、公衆浴場を週に1回利用している。
初動対応として最初に情報収集する者で正しいのはどれか。

 

  1. 近隣住民
  2. 環境衛生監視員
  3. 同居している家族
  4. 浴場組合の組合員

 

 


 

▶午前19

大規模な地震が発生した1週後。被害が大きかったA市の被災者は、一時避難先として被害が少なかった近隣のB市の市営住宅に入居した。
現時点のA市の被災者への支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 巡回訪問し健康相談を行う。
  2. 心のケアは高齢者を優先する。
  3. 被災地域の再建に向けた方針の検討を行う。
  4. 独居の高齢者にはB市の施設への入所を勧める。

 

 


 

▶午前20

人口4万人の市。市の保健センターでは、子育てに関する相談が5年間で10倍に増加した。子育て支援のニーズを把握するための調査として、乳幼児健康診査の受診者を対象に無記名式の調査を実施した。
この活動における公衆衛生看護管理で正しいのはどれか。

 

  1. 健康危機管理
  2. 情報管理
  3. 予算管理
  4. 人材管理

 

 


 

▶午前21

管理的立場にあるA保健師に、係内の中堅保健師から新人保健師の指導がうまくいかないと相談があった。
中堅保健師の育成も考慮した上で、A保健師が行う対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 新人保健師の指導は自分が直接行う。
  2. 新人保健師の指導者を別の保健師に代える。
  3. 新人保健師の指導を中堅保健師とともに行う。
  4. 新人保健師と中堅保健師を違う部署に配置する。

 

 


 

▶午前22

疾患と危険因子の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 喉頭癌――喫煙
  2. 甲状腺癌――紫外線
  3. 肝癌――A型肝炎
  4. 大腸癌――ピロリ菌

 

 


 

▶午前23

疫学研究を行う上で最も重要なのはどれか。

 

  1. 研究の科学的価値
  2. 参加者の人権の尊重
  3. 地域の生活水準の向上
  4. 参加者への利益の還元

 

 


 

▶午前24

統計分析について正しいのはどれか。

 

  1. 割合に関する検定にはt検定を用いる。
  2. 点推計値での偶然性の判定はできない。
  3. 多変量解析は情報バイアスを補正する。
  4. 帰無仮説を採択して統計学的有意性を確定する。

 

 


 

▶午前25

発達障害者支援法について正しいのはどれか。

 

  1. 学習障害は対象に含まれる。
  2. 発達障害者に療育手帳を交付する。
  3. 支援の対象は18歳未満の障害者と定めている。
  4. 市町村長は発達障害者支援センターを設置しなければならない。

 

 


 

▶午前26

市町村の介護保険事業計画について最も適切なのはどれか。

 

  1. 単年度の計画である。
  2. 計画案を公開し意見を募る。
  3. 計画策定を介護保険事業所に委託する。
  4. 学識経験者で構成される委員会で策定する。

 

 


 

▶午前27

ヘルスプロモーションの理念におけるエンパワメントに該当するのはどれか。

 

  1. 環境整備
  2. 住民の自主的な行動
  3. 多分野間の協調と統合
  4. 個人衛生に関する教育
  5. ヘルスサービスの方向転換

 

 


 

▶午前28

新興住宅地を担当している保健師は、地域の介護者が孤立して介護をしている状況を把握し、介護者の仲間づくりを目的として介護者の交流会を事業化した。
保健師が行った活動の中でPDCAサイクルの「C」に該当するのはどれか。

 

  1. 交流会の評価方法を決めた。
  2. 交流会で話し合いのファシリテーターを担当した。
  3. 地区での交流会の必要性を担当者間で話し合った。
  4. アンケートにより交流会の参加者の満足度を集計した。
  5. 参加者の要望をもとに介護者の健康管理についてのプログラムを導入した。

 

 


 

▶午前29

保健所にエイズに関する電話相談があった。
最初に確認することはどれか。

 

  1. 氏名
  2. 年齢
  3. 相談目的
  4. エイズに関する知識
  5. これまでに受けた検査

 

 


 

▶午前30

保健師が行う地区活動の考え方で最も適切なのはどれか。

 

  1. 評価項目の決定は行政主導で行う。
  2. 住民から相談があった順に取り組む。
  3. 地域に根差した活動の継続を目標とする。
  4. 住民の主観的評価の結果を主に用いて計画する。
  5. 地区活動の目標量は前年度の目標量と一致させる。

 

 


 

▶午前31

A市の健康増進計画を策定する際の住民意識調査で、喫煙者のうち、たばこをやめたい人は男女ともに6割以上いることが分かった。
この時点で当てはまるプリシード・プロシードモデルの要因はどれか。

 

  1. 環境要因
  2. 強化要因
  3. 行動要因
  4. 実現要因
  5. 準備要因

 

 


 

▶午前32

個人情報保護について正しいのはどれか。

 

  1. 疫学研究で遺伝子を扱うことは禁止されている。
  2. がん登録への情報提供には患者本人の同意は必要ない。
  3. 新規で保健事業を行う際は倫理審査を受ける必要がある。
  4. 無記名式のアンケート調査には文書による同意が必要である。
  5. 緊急時であっても個人情報を第三者に提供する際には本人の同意が必要である。

 

 


 

▶午前33

平成24年(2012年)の地域保健対策の推進に関する基本的な指針の改正で新たに加えられたのはどれか。

 

  1. 国民の健康づくりの推進
  2. ノーマライゼーションの推進
  3. 児童虐待防止対策に関する取組
  4. 次世代育成支援対策の総合的かつ計画的な推進
  5. ソーシャルキャピタルを活用した自助及び共助の支援の推進

 

 


 

▶午前34

医療保険でないのはどれか。

 

  1. 介護保険
  2. 国民健康保険
  3. 組合管掌健康保険
  4. 後期高齢者医療制度
  5. 全国健康保険協会管掌健康保険

 

 


 

▶午前35

平成23年(2011年)の介護保険法改正によって創設されたのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 予防給付
  2. 複合型サービス
  3. 居宅療養管理指導
  4. 地域包括支援センター
  5. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

 

 


 

▶午前36

町立小学校で身体的虐待が疑われる外傷のある児童を発見した。
児童虐待の防止等に関する法律に基づき通告する機関として正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 警察署
  2. 保健所
  3. 教育委員会
  4. 児童相談所
  5. 福祉事務所

 

 


 

▶午前37

保健所における健康危機管理に関する業務で法令に定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 食中毒発生時の調査
  2. 狂犬病発生緊急連絡網の整備
  3. 感染症発生における医師からの届出の受理
  4. 保育所で乳児が突然死した時の届出の受理
  5. 虐待による介護老人福祉施設の指定の取消し

 

 


 

▶午前38

介入研究で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 仮説設定のために用いられる。
  2. 無作為化(割付)を前提としている。
  3. 介入と結果との時間的関係が明確である。
  4. 複数の曝露要因の影響を検討することはできない。
  5. 観察研究より高いレベルのエビデンスを提供する。

 

 


 

▶午前39改題

令和4年(2022年)の厚生労働省による食中毒統計調査について正しいのはどれか。

 

  1. 患者数は年間100万人以上である。
  2. 死亡者数は年間1,000人以上である。
  3. ノロウイルスによる患者が最も多い。
  4. 原因食品で最も多いのは肉類およびその加工品である。

 

 


 

▶午前40

世界保健機関〈WHO〉の活動内容で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. リプロダクティブ・ヘルスの推進
  2. 飢餓地域への食糧の配布
  3. 疾病の国際分類の設定
  4. 児童の就学支援
  5. 雇用対策

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(46歳、女性)。48歳の会社員の夫、高校生の長男および中学生の次男との4人暮らし。筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と診断され、難病の医療費助成の申請のため夫が夜勤の前に保健所に来所した。夫によると、Aさんは包丁を使うことが難しくなり、子どもたちの弁当を作るのに時間がかかるようになったことを気にしているという。1週後、保健師がAさん宅を訪問し状況を確認したところ、Aさんは「主婦としての役割が果たせなくなることがつらい」と話した。

 

▶午前41

訪問時に保健師が提案することで最も適切なのはどれか。

 

  1. 夫に家事を任せる。
  2. 料理することをあきらめる。
  3. 訪問介護員が家事を担当する。
  4. 家族で家事の役割分担をする。

 

 


 

▶午前42

Aさんは病状が進行し、1人で身の回りのことを行うことが難しくなり、家族が不在である平日の日中に訪問介護を利用することになった。担当する訪問介護員から「最近、Aさんはつまずいたり転んだりすることが多くなりました。この病気の患者さんを担当するのは初めてなので関わり方が分かりません」と相談を受けた。
保健師の対応で優先されるのはどれか。

 

  1. 訪問介護員の訪問に同行する。
  2. 経験の豊富な訪問介護員と交代するよう調整する。
  3. Aさんとの対応で注意することを主治医に確認するよう助言する。
  4. 訪問介護員に難病患者の支援に関する研修を受講するよう勧める。

 

 


 

▶午前43

3年後。Aさんは呼吸が困難になり、本人の希望による人工呼吸器装着のため1か月入院した。退院後は発語による意志疎通ができない状態になった。退院後3日に訪問すると、Aさんは保健師を見て涙を流した。子どもたちはAさんとの接触を避けている様子がみられた。
このときの家族への対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 子どもたちから母親に対する思いを聴く。
  2. 家族でカウンセリングを受けるよう勧める。
  3. 子どもたちに1日1回Aさんに話しかけるよう指導する。
  4. 子どもたちがAさんを避けないよう話すことを夫に提案する。

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

A君(2歳)の母親。「初めての子どもで、対応が分かりません。食事が終わるまでに1時間もかかったりしてイライラします。他の子どもより落ち着きがないような気がします。この前の健康診査では問題ないと言われましたが不安です」と電話相談があった。保健師は話を聞いた上で、保健センターの育児相談に来るよう促した。

 

▶午前44

電話相談の翌日、母親はA君とともに育児相談に来所した。A君はすぐに育児相談室の本棚に行き、絵本を開いたり閉じたりしている。
最初の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 発達相談を勧める。
  2. 子どもの発達を評価する。
  3. しつけに関する親子教室を紹介する。
  4. 母親の話から不安の内容を確認する。

 

 


 

▶午前45

保健師は母親に食事のときの様子を質問した。「息子は食卓について自分で食べます。おやつは好んで食べますが、食事は遊びながら食べて時間がかかることがあり困っています」と母親は話した。
このときの母親への助言で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「食事の量を少なくしましょう」
  2. 「おやつをあげるのはやめましょう」
  3. 「時間を決めて食事を終えましょう」
  4. 「お母さんが食べさせてあげましょう」

 

 


 

▶午前46

最近、A君と同じ年代の児の食事に関する相談が増えている。保健師は幼児期における食育について講習会を企画することにした。
講習会の指導内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 嫌いなものは与えないようにする。
  2. 楽しい雰囲気で食べることができるよう工夫する。
  3. 昼寝が食事時間にかかるときは起こして食事させる。
  4. 栄養のバランスよりも必要エネルギー量を重視する。

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(36歳、男性)。1人暮らし。従業員数300人のIT関連会社に勤務している。残業時間は月平均60時間で、3年前から15本/日の喫煙をしている。運動習慣はなく、昼と夜は外食が多い。会社の定期健康診断で中性脂肪が150mg/dLであった。既往歴に特記すべきことはない。

 

▶午前47

Aさんが勤める会社の保健師が行う指導で適切なのはどれか。

 

  1. 休暇の取得
  2. 医療機関の受診
  3. 生活習慣の見直し
  4. リラクセーションの実施

 

 


 

▶午前48

保健師がこの職場の喫煙状況について調査をしたところ、喫煙者は48%で、喫煙者のうち30%が禁煙を希望している。禁煙を希望する者のうち、保健師との面接において禁煙する気持ちはあるがうまくいかないと訴える者が多かった。
禁煙を希望する者に対する支援として最も適切なのはどれか。

 

  1. 喀痰検査を実施する。
  2. 肺がん検診の受診を勧める。
  3. たばこの代わりにお菓子を勧める。
  4. 禁煙のためのグループワークを実施する。
  5. 喫煙の健康被害についてのパンフレットを配布する。

 

 


 

▶午前49

衛生委員会に「喫煙室からたばこの煙が流れてくる」、「敷地内で歩きたばこをする人がいる」という投書があり、衛生委員会で職場全体の喫煙対策を検討することになった。
最初に行うことで最も適切なのはどれか。

 

  1. 喫煙室が設置されている環境について確認する。
  2. 敷地内に監視カメラを設置する。
  3. 喫煙者に携帯灰皿を配布する。
  4. 喫煙室を廃止する。

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

人口約35万人の中核市。午前10時、震度6強の地震が発生し、市は避難所の設置を決めた。家屋の損壊が確認され、多数の死傷者がいると予測された。県と市には災害対策本部が設置された。

 

▶午前50

健康の危機管理体制の中心となる管理責任者として最も適しているのはどれか。

 

  1. 市長
  2. 県知事
  3. 市の医師会長
  4. 市の保健所長

 

 


 

▶午前51

発災当日の市の保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 健康調査票の作成
  2. 要援護者の安否の確認
  3. 家庭訪問による個別健康相談
  4. 住民一人一人の不安の受け止め

 

 


 

▶午前52

発災後2週。保健師は、避難所への巡回訪問中に5歳児の母親から「子どもが自分から全く離れようとしない。寝ている間に急に大声をあげて泣き出すようになり心配だ」と相談を受けた。
保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 子どもの心のケアに関する相談窓口を紹介する。
  2. 避難所の他の子どもと接触しないように伝える。
  3. 別の避難所に移動するように勧める。
  4. 様子をみるように伝える。

 

 


 

次の文を読み53〜55の問いに答えよ。

人口8万人、高齢化率30%のA市。最近、徘徊している高齢者を保護した事例が数件あったと警察から地域包括支援センターに情報提供があった。地域包括支援センターの保健師は、徘徊している高齢者について情報収集する必要があると考えた。

 

▶午前53

情報収集先として最も適切なのはどれか。

 

  1. 消防署
  2. 民生委員
  3. 保健センター
  4. 介護支援専門員

 

 


 

▶午前54

情報収集の結果、認知症高齢者の地域での見守りネットワークを構築することにした。自治会長に協力を求めたところ、自治会主催の自治会員向け行事として取り組むことになった。
取り組みの内容として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 認知症高齢者と交流する。
  2. 認知症に関する専門医療機関を見学する。
  3. 高齢者の徘徊に関する新聞報道を分析する。
  4. 認知症高齢者への対応のロールプレイを行う。

 

 


 

▶午前55

保健師は地域に認知症高齢者の居場所を作りたいと考え、公民館を会場にした事業に取り組むことにした。
事業を実施する上で最も適切なのはどれか。

 

  1. 認知症高齢者と地域の住民が参加できるプログラムを設定する。
  2. 認知症高齢者と同居している家族の休息を促す。
  3. 活動内容は認知症の専門医が決める。
  4. 開催頻度は年4回とする。

 

 

 

第101回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1改題

令和2年(2020年)の衛生行政報告例における保健師の就業場所の構成割合で、市町村、保健所の次に多いのはどれか。

 

  1. 病院
  2. 事業所
  3. 社会福祉施設
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 

▶午後2改題

日本の令和4年(2022年)の人口について正しいのはどれか。

 

  1. 総人口は前年より増加している。
  2. 出生数は70万人を超えている。
  3. 年少人口の割合は10%以下である。
  4. 世界で人口の多い国上位5位以内である。

 

 


 

▶午後3

Aさん(40歳、男性、会社員)。Aさんは特定健康診査で、腹囲84cm、BMI26、血圧140/85mmHgであり、動機付け支援の対象となった。「仕事でストレスが溜まり、夜食を食べずにはいられない。夜食がお腹に残り朝食は食べられない。残業が多く、今の生活は変えられない」と言う。
Aさんへの保健指導で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「夜食はやめましょう」
  2. 「残業はやめましょう」
  3. 「医療機関を受診しましょう」
  4. 「食習慣は健康に影響します」

 

 


 

▶午後4

家庭訪問の対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 3歳児健康診査でオムツを使用している児
  2. 妊婦教室で育児の不安を訴えた妊婦
  3. 育児相談に来ない10か月児の母親
  4. 3か月児健康診査未受診の母児

 

 


 

▶午後5

ケアマネジメントにおける権利擁護〈アドボカシー〉について正しいのはどれか。

 

  1. 利用者を支えるネットワークを発展させる。
  2. 利用者の満足度と変化を継続的に評価する。
  3. 利用者が公正にサービスを利用できるようにする。
  4. 利用者のニーズに即した社会資源を開発して組織化する。

 

 


 

▶午後6

障害者の社会参加や貢献が可能な共生社会の実現を目指すことを目的に、地域の住民を含めた懇談会を継続的に行うことにした。
懇談会の運営について最も適切なのはどれか。

 

  1. 障害者に関する講義を中心にする。
  2. 参加者の自己紹介は最小限にする。
  3. 障害の種類と程度に分けて参加者を募る。
  4. 障害者を受け入れている企業の見学を計画する。

 

 


 

▶午後7

児童虐待発生予防のためのハイリスクアプローチはどれか。

 

  1. 母子健康手帳の交付
  2. 乳児家庭全戸訪問事業
  3. 10歳代の妊婦への訪問
  4. 乳幼児健康診査時の健康教育

 

 


 

▶午後8

人口15万人、高齢化率25%の市。独居高齢者に関する相談が増加している。保健師は、市の独居高齢者の生活状況および健康状態を把握するための実態調査を企画した。
調査の手法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 要介護認定結果を用いた後向き調査
  2. 特定健康診査受診者の標本調査
  3. 地区住民への電話調査
  4. 個別の訪問調査

 

 


 

▶午後9

人口3万人の市。近年、糖尿病腎症による透析導入患者数が増加している。市は国民健康保険被保険者の糖尿病の重症化を予防することについて、関係団体と連携し5年間の健康づくり計画を策定することにした。
この計画におけるアウトカム指標で適切なのはどれか。

 

  1. 計画を普及するための保健師の出張回数
  2. 糖尿病の治療継続者の割合
  3. 糖尿病予防教室の参加者数
  4. 特定健康診査の予算額

 

 


 

▶午後10

保健師は新興住宅地を担当している。この地区では近隣に友人がなく、育児の不安を抱えている母親が多くいることがわかった。
この地区における子育て支援としての保健師の活動で最も適切なのはどれか。

 

  1. 育児の広報誌を作成して配布する。
  2. 要保護児童対策地域協議会を開催する。
  3. 子育て中の母親のための交流会を開催する。
  4. 乳幼児健康診査の結果を母子保健推進員に提供する仕組みを構築する。

 

 


 

▶午後11

成人を対象とした歯科保健活動において最も優先されるのはどれか。

 

  1. フッ化物塗布の推奨
  2. 口腔機能の訓練の指導
  3. 栄養状態の改善のための指導
  4. 歯間部清掃用器具の使用の推奨

 

 


 

▶午後12

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、診断した医師が直ちに届け出なければならないのはどれか。

 

  1. 結核
  2. 梅毒
  3. アメーバ赤痢
  4. 流行性角結膜炎

 

 


 

▶午後13改題

日本の令和4年(2022年)の労働災害について正しいのはどれか。

 

  1. 労災補償状況の請求件数は精神障害に比べ、脳・心臓疾患が多い。
  2. 災害性腰痛が業務上疾病発生状況の半数以上を占める。
  3. 新型コロナウイルス感染症り患による労働災害を除き休業4日以上の死傷者数は約13万人である。
  4. 死傷者数は昭和36年から増加傾向である。

 

 


 

▶午後14

産業保健における作業管理に該当するのはどれか。

 

  1. 定期的に健康診断を行う。
  2. 労働時間内に休憩時間をとる。
  3. 作業環境の有害要因を除去する。
  4. 労働衛生に関する体制を構築する。

 

 


 

▶午後15

幼稚園の園長から感染性胃腸炎が疑われる園児15人が欠席したと保健所に連絡があった。
この時点で最初に行う保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保護者向けの説明会を実施する。
  2. 感染予防のリーフレットを配布する。
  3. 園児の健康状態を保護者から聴取する。
  4. 幼稚園の床を次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。

 

 


 

▶午後16

都道府県の保健所の地域ケアの質を保証するのはどれか。

 

  1. 医療計画の策定
  2. 広域災害への対応
  3. 健康情報の収集分析
  4. 介護保険施設の指導監督

 

 


 

▶午後17

過去5年間にA工場(従業員数1,000人)で15人、B工場(従業員数850人)で9人の肝癌患者が発生していたことがわかった。両工場では機械の洗浄に薬品Cを使用している。
薬品Cと肝癌の疫学的関係で最も適切なのはどれか。

 

  1. 薬品Cは肝癌の原因である。
  2. 薬品Cと肝癌には関連がある。
  3. 薬品Cと肝癌には因果関係はない。
  4. 薬品Cと肝癌との関係は不明である。

 

 


 

▶午後18

ウイルス性肝炎対策で正しいのはどれか。

 

  1. A型肝炎ワクチンは定期予防接種である。
  2. B型肝炎の感染予防にはN95マスクを使用する。
  3. インターフェロン療法に対する医療費助成がある。
  4. 医療機関は特定感染症予防指針を策定しなければならない。

 

 


 

▶午後19

差をとって寄与危険を計算できる指標はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. オッズ比
  4. 致命率〈致死率〉

 

 


 

▶午後20

スクリーニングについて正しいのはどれか。

 

  1. 確定診断を目的とする検査である。
  2. 敏感度100%の検査で陽性結果であれば疾患がある。
  3. 陽性反応的中度は有病率の影響を受けにくい指標である。
  4. 同一検査で敏感度と特異度の両方を改善することはできない。

 

 


 

▶午後21

分布の指標について正しいのはどれか。

 

  1. ヒストグラムで最も頻度が高い値は中央値である。
  2. 広く散らばった分布は標準偏差が小さい。
  3. 対象数が増えると標準偏差は大きくなる。
  4. 平均値は外れ値の影響を受けやすい。

 

 


 

▶午後22

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律における障害福祉サービスについて正しいのはどれか。

 

  1. 申請窓口は都道府県である。
  2. 発達障害者は対象である。
  3. 利用者負担は定額である。
  4. 措置制度である。

 

 


 

▶午後23

30歳の女性。全身性エリテマトーデス〈SLE〉と診断され難病の医療費助成の申請のため保健所に来所し「日常生活で特に気を付けることはありますか」と相談した。
保健指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「直射日光を避けてください」
  2. 「転倒に気を付けてください」
  3. 「痰を出す練習をしてください」
  4. 「筋力強化の運動をしてください」
  5. 「食物繊維の多い食事を避けてください」

 

 


 

▶午後24

介護予防事業における二次予防対象者を抽出するための基本チェックリストの中で、うつ予防と支援のスクリーニングの項目として正しいのはどれか。

 

  1. 友人の家を訪ねている。
  2. 転倒に対する不安が大きい。
  3. 週に1回以上は外出している。
  4. 家族や友人の相談にのっている。
  5. ここ2週間わけもなく疲れたような感じがする。

 

 


 

▶午後25

食に関する実践的な指導を行う者として学校給食法に規定されているのはどれか。

 

  1. 栄養教諭
  2. 養護教諭
  3. 保健主事
  4. 学校歯科医
  5. 食生活改善推進員

 

 


 

▶午後26改題

日本の主要死因別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移を図に示す。
101pm26h
CとDの組合せで正しいのはどれか。

 

   C――D

  1. 自殺――心疾患
  2. 肺炎――不慮の事故
  3. 心疾患――脳血管疾患
  4. 不慮の事故――自殺
  5. 脳血管疾患――肺炎

 

 


 

▶午後27

地域保健法で規定されている市町村保健センターの役割で正しいのはどれか。

 

  1. 健康診査
  2. 結核の予防
  3. 衛生上の検査
  4. 人口動態統計調査
  5. 医療従事者届の受付

 

 


 

▶午後28

医療安全対策で最も重要なのはどれか。

 

  1. 患者による監視
  2. 医療者による相互監視
  3. 医療者個人への意識付け
  4. 組織として取り組む体制
  5. 医療機器の機械的な故障の防止

 

 


 

▶午後29

保健所に勤務する保健師に対して守秘義務を規定している法律はどれか。2つ選べ。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 地域保健法
  4. 地方公務員法
  5. 保健師助産師看護師法

 

 


 

▶午後30

市では3、4か月児を対象とした健康診査を毎月1回行っている。
継続的な対応が必要な児の状況はどれか。2つ選べ。

 

  1. 抱くと体をそらす。
  2. うつぶせで頭を上げる。
  3. 名前を呼ぶと声のする方向を向く。
  4. 「アーアー」、「ウーウー」と声を出す。
  5. 出生時からの1日当たりの体重増加量が12gである。

 

 


 

▶午後31

障害者自立支援法から障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律への改正時に、変更された内容はどれか。2つ選べ。

 

  1. 難病は支援の対象から除外された。
  2. 障害程度区分を障害支援区分とした。
  3. 支援の対象者に精神障害者を追加した。
  4. 利用者の負担額は利用した障害福祉サービスの額の3割とした。
  5. 地域生活支援事業として障害者に対する理解を深めるための研修や啓発を行う事業を追加した。

 

 


 

▶午後32

エボラ出血熱について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 空気感染する。
  2. 一類感染症である。
  3. 定点把握対象疾患である。
  4. 致命率〈致死率〉は10%である。
  5. 患者は感染症指定医療機関に移送される。

 

 


 

▶午後33

国際生活機能分類〈ICF〉で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 健康と障害を生活機能の枠組みの中で捉えたものである。
  2. 世界保健機関〈WHO〉の国際統計分類の1つである。
  3. 国際疾病分類〈ICD〉を含む上位概念である。
  4. 分類が目的であり評価は行わない。
  5. 子どもの障害は対象としない。

 

 


 

▶午後34

市町村が策定しなければならない計画はどれか。2つ選べ。

 

  1. 障害者計画
  2. 医療費適正化計画
  3. 予防接種基本計画
  4. 特定健康診査等実施計画
  5. 感染症の予防のための施策の実施に関する計画

 

 


 

▶午後35

自殺対策基本法について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 事業主に長時間労働の禁止を規定している。
  2. 自殺総合対策大綱で自殺対策の指針が策定された。
  3. 自殺者の親族に対する適切な支援が目的に含まれる。
  4. 保健所を自殺予防総合対策センターに位置付けている。
  5. 自殺予防総合相談窓口の設置を市町村に義務付けている。

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

市内の幼稚園に通う5歳の男児の母親から「幼稚園で子どもがたびたびかんしゃくを起こし、集団生活になじめていないようです。幼稚園の先生から保健師に相談してみてはどうかといわれました」と保健センターに電話相談があった。

 

▶午後36

このときの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 男児の家庭での様子を聞く。
  2. 幼稚園を休ませるよう勧める。
  3. 男児に障害がある可能性を伝える。
  4. 発達障害者支援センターを紹介する。

 

 


 

▶午後37

男児は、近所の小児科を受診した際に広汎性発達障害の可能性があるといわれた。小児科医は、母親が育児に関する不安を訴えたため、身近な相談先として保健センターの発達相談を勧めた。その後、母親は発達相談のため来所し「最近、息子が言うことを聞かず、よくパニックを起こして手がつけられません。どうしたらよいでしょうか」と訴えた。
このときの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 幼児が使う言葉で話すように伝える。
  2. 男児が嫌がることは避けるよう提案する。
  3. どのようなきっかけでパニックを起こすのか確認する。
  4. パニックを起こしたときは大きな声で話すように伝える。

 

 


 

▶午後38

保健師は母親の了解を得て、幼稚園と定期的に情報交換を行うことにした。1か月後、園長から「最近、男児の元気がない。母親も育児に疲れているようで表情が乏しい」と保健センターに電話相談があった。
このときの園長への対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. もう少し様子をみるよう伝える。
  2. 小児科を受診させるよう依頼する。
  3. 母親と一緒に保健センターへ来所するよう勧める。
  4. 男児の対応について保護者会で話し合うよう勧める。

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(52歳、女性)。夫と市内の大学に通う息子(19歳)との3人暮らし。「息子の大学のサークルでは飲み会が頻繁にあるようで、先日は息子の友人が集団で酔いつぶれたようです。うちの息子も先輩からお酒を勧められているようで、断るのが大変だと言っています。先日も他の大学で急性アルコール中毒で救急搬送されたと報道もあって心配です。どうしたらよいでしょうか」と市の保健師に電話相談があった。

 

▶午後39

最初の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 警察に通報するよう勧める。
  2. 大学に相談するよう伝える。
  3. アルコール依存症専門の病院を紹介する。
  4. 息子にサークルを辞めさせるよう勧める。

 

 


 

▶午後40

保健師は管轄地域での未成年の飲酒が問題化しているのではないかと考えた。保健師は地域の状況を把握するため、関係者を集めて会議を開催することにした。
会議のメンバーで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 警察官
  2. 保護司
  3. 大学関係者
  4. 訪問看護師
  5. 食品衛生協会の会員

 

 


 

▶午後41

保健師は管轄地域で未成年の飲酒防止の啓発活動を行うことにした。
啓発活動として最も効果的なのはどれか。

 

  1. 大学祭でイベントを企画する。
  2. 市役所にポスターを掲示する。
  3. 保健センターで相談会を開催する。
  4. 警備員に大学内の巡回を依頼する。

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aさん(85歳、女性)。1人暮らし。要介護1の認定を受け、通所介護を利用している。Aさんは2か月前から持続する咳に加え、倦怠感が出現したため内科を受診し結核と診断され入院した。その5日後、同じ通所介護事業所の利用者で、Aさんと仲良しでよくおしゃべりをしていたBさん(79歳)も結核と診断され入院した。

 

▶午後42

接触者健康診断を実施する機関で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんの居住地域にある検疫所
  2. Aさんの住所地を管轄する保健所
  3. Aさんを担当する地域包括支援センター
  4. AさんとBさんとが利用している通所介護事業所

 

 


 

▶午後43

数日後、AさんとBさんが通う通所介護事業所の利用者の家族から「うちのおばあちゃんも感染していないでしょうか。今後も事業所に通い続けていいのか心配です」と保健所に電話相談があった。
このときの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 結核の予防接種を受けるよう勧める。
  2. 通所介護事業所の利用をやめるよう伝える。
  3. 今回の感染源がAさんであることを説明する。
  4. 通所介護事業所で行う説明会に出席するよう勧める。

 

 


 

▶午後44

2か月後。Aさんは検査の結果、外来治療が可能となり自宅に戻ることになった。退院に向けてDOTSカンファレンスを行うことになった。
DOTSカンファレンスの参加者として最も適切なのはどれか。

 

  1. 自治会長
  2. 民生委員
  3. 介護支援専門員
  4. 老人クラブ会長

 

 


 

次の文を読み45、46の問いに答えよ。

人口8万人、高齢化率30%のA市。地域包括支援センターは市内に3か所ある。A市では65歳以上の高齢者を対象に生活機能評価について郵送による調査を毎年実施している。

 

▶午後45

A市の地域包括支援センターの保健師は、調査票の回収率を高めて介護予防が必要な高齢者の把握を確実に行いたいと考えている。
調査票の回収率が低いB地区で、回収率を高めるために協力を求める対象として適切なのはどれか。

 

  1. 自治会
  2. シルバー人材センター
  3. 指定居宅介護支援事業所
  4. 指定居宅サービス事業所

 

 


 

▶午後46

A市の介護予防における二次予防の対象者を早期に把握するために、市内で協力を依頼する対象として最も適切なのはどれか。

 

  1. 診療所
  2. 農業協同組合
  3. 通所介護事業所
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

職員数が500人である企業の保健師2人は本社に配置され、週に4日、1日4回のメンタルヘルス相談を本社の健康管理室で実施している。この企業には県内に20か所の営業所があり、どの営業所でも時間外業務が多い。A営業所の職員数は40人で、この6か月で2人が仕事によるストレスに起因するうつ病と診断され、1人が休職した。

 

▶午後47

保健師がA営業所で行う対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 休養室の整備
  2. 健康教室の開催
  3. メンタルヘルス相談の周知
  4. 職場でのストレスチェックの実施

 

 


 

▶午後48

昨年のメンタルヘルス相談は月平均20件であり、その9割が本社の職員であった。
メンタルヘルス相談の利用者を増やすための方法として最も効果的なのはどれか。

 

  1. 相談枠を増やす。
  2. 営業所でも実施する。
  3. 上司により対象者を選定する。
  4. 電子メールで定期的にメンタルヘルス情報を発信する。

 

 


 

▶午後49

保健師の活動によって1年間のメンタルヘルス相談の件数は延べ400件となった。相談内容は職場内の人間関係のトラブルによるものや時間外業務による疲労やストレスが過半数を占めた。保健師は、各営業所でのメンタルヘルスについて新たに取り組むことが必要と考えた。
最も効果的なのはどれか。

 

  1. 人間関係のトラブルを解消するため各営業所を訪問する。
  2. アサーショントレーニングに関する講演会を開催する。
  3. 営業所長に各相談者の悩みに関する情報提供を行う。
  4. 時間外業務の多い職員の転属を営業所長に提案する。

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

保健所で肥満防止を目的とした教室の参加者を対象に、運動と体重変化の関連を調べることにした。対象者は軽度肥満の40歳代の女性300人であり、本人の希望で軽い体操をする群100人(体操群)と中等度の運動をする群200人(運動群)とに分かれ、同じ保健師による集団指導を受けた。教室開始時に体重測定を行い半年後にどれだけ体重が変化したかを調べた。

 

▶午後50

この調査の研究デザインはどれか。2つ選べ。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. 前向き研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究

 

 


 

▶午後51

半年間で体重が3.0kg以上減少した参加者を減量ありと判定した。体操群で減量ありは10人、なしは90人、運動群での減量ありは50人、なしは150人であった。脱落者はいなかった。
運動群の減量効果についてのオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

▶午後52

この調査は体操群と運動群とを本人の希望によって分けている。
くじで割付ける場合と比べて、仮説検証の妥当性からみたこの調査の問題点で最も大きいのはどれか。

 

  1. 二重盲検ができない。
  2. 相対危険が計算できない。
  3. 2群の人数を等しくできない。
  4. 2群の属性の分布が制御できない。

 

 


 

次の文を読み53〜55の問いに答えよ。

人口7万人、高齢化率20%の市。市が行った調査によると、40〜60歳のBMI25以上の者の割合が、男女ともに国民健康栄養調査の全国平均よりも高かった。また6割の者が運動不足を感じており、運動習慣のある者の割合は全国平均よりも低かった。
成人の肥満対策を検討するために、重点地区を定めることにした。

 

▶午後53

重点地区を選定するための情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. BMI25以上の成人の地区別割合
  2. 運動習慣のある者の地区別割合
  3. 特定健康診査の地区別受診率
  4. 地区別の高齢化率

 

 


 

▶午後54

現時点で、肥満対策と運動不足の改善のために重点地区で実施する企画で最も適切なのはどれか。

 

  1. 講演会の開催
  2. ポスターの掲示
  3. パンフレットの配布
  4. ウォーキング大会の開催

 

 


 

▶午後55

重点地区での事業に効果があることが分かり、全地区で実施したいと考えた。
次年度の予算要求で事業の必要性を説明するとき、関係する中長期計画で最も適切なのはどれか。

 

  1. 地域福祉計画
  2. 健康増進計画
  3. 人材確保支援計画
  4. 子ども・子育て支援事業計画

 

 


 

資料 厚生労働省「第101回保健師国家試験、第98回助産師国家試験、第104回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成28年2月16日実施の第102回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第102回保健師国家試験目次

 

 

第102回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

市では新しい健康づくり計画とその事業経過とをホームページに掲載している。
この活動の目的はどれか。

 

  1. アドヒアランス
  2. アカウンタビリティ
  3. セルフ・エフィカシー
  4. ポピュレーションアプローチ

 

 


 

▶午前2

認知症高齢者を介護する家族の問題対処能力をアセスメントするにあたって収集する情報で適切でないのはどれか。

 

  1. 社会資源の活用状況
  2. 家族の各構成員の発達課題
  3. 家族と本人との情緒的関係
  4. 家族の介護に対する近隣の評価

 

 


 

▶午前3

保健所の保健師はエイズ予防週間に合わせて、大学の学園祭で若者を対象にヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症および性感染症〈STD〉に関する健康教育を行うことにした。
対象者が予防行動をとることを目標に設定し、実施する方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 性感染症〈STD〉に関するパネル展示
  2. ピア・エデュケーターによる相談
  3. 性感染症〈STD〉に関する講演会
  4. 希望者へのHIV検査

 

 


 

▶午前4

市町村による新生児の訪問指導について正しいのはどれか。

 

  1. 第2子以降は対象外である。
  2. 母子保健推進員が実施する。
  3. 新生児期を過ぎても継続できる。
  4. 母子が不在の場合は近隣住民に伝言を依頼する。

 

 


 

▶午前5

在宅ケアにおける高齢者のケアマネジメントに関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 介護支援専門員の独占業務である。
  2. 医療保険による訪問看護は対象としない。
  3. ケアプランに基づくサービスの利用開始時から始める。
  4. 既存のサービスによってニーズが満たされているかを査定する。

 

 


 

▶午前6

がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針における子宮頸がん検診について正しいのはどれか。

 

  1. ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチン接種後の者は対象外である。
  2. 子宮頸部細胞診は検診項目の対象外である。
  3. 20歳以上の女性を対象とする。
  4. 同一人に対し1年に1回行う。

 

 


 

▶午前7

市町村における保健事業計画の策定で適切でないのはどれか。

 

  1. 予算要求書をもとに策定する。
  2. 市町村の総合計画との整合性を図る。
  3. 地区特性を重視して目標を設定する。
  4. 住民の力では解決できない公共性の高い事業を優先する。

 

 


 

▶午前8

市では健康増進計画を策定する委員会のメンバーを一般から公募することにした。
公募の目的として最も適切なのはどれか。

 

  1. 人権擁護
  2. 多文化共生
  3. ノーマライゼーション
  4. コミュニティ・エンパワメント

 

 


 

▶午前9

地域で難病患者の在宅ケアを支援するボランティアを育成するための研修内容として適切でないのはどれか。

 

  1. 褥瘡処置の方法
  2. 基本的な心構え
  3. 難病患者の介護者の経験談
  4. 難病患者が利用できる保健福祉サービス

 

 


 

▶午前10改題

令和2年(2020年)の患者調査における精神及び行動の障害に関する動向について正しいのはどれか。

 

  1. 外来受療率は入院受療率より高い。
  2. 精神病床の平均在院日数は約100日である。
  3. 年齢階級別外来受療率は年齢とともに上昇する。
  4. 血管性及び詳細不明の認知症の総患者数は減少している。

 

 


 

▶午前11

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村は障害者権利擁護センターを設置する。
  2. 障害児入所施設従事者による虐待に適用される。
  3. 障害者虐待には正当な理由なく障害者の身体を拘束することが含まれる。
  4. 障害者を雇用する事業主による虐待を発見した者は労働基準監督署に通報する。

 

 


 

▶午前12

養護教諭が勤務する小学校で、ソーシャルネットワーキングサービス〈SNS〉の利用に関する調査を行った。その結果、小学校5年生でソーシャルネットワーキングサービス〈SNS〉の利用経験がある児童が6割を占め、夜12時以降も利用している児童が半数を占めることが明らかになった。そこで、保護者の意識を高め、児童の生活リズムを整えるための対策を講じることになり、保健だよりを配布して保護者に調査結果の報告を行った。
次に養護教諭が行う活動で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 家庭での利用を禁止するよう保護者に伝える。
  2. 利用方法に関するポスターを作成して校内に掲示する。
  3. 児童に与える影響について保護者向けに講演会を開催する。
  4. 就寝時刻の目標を定めて各クラスで競争した目標達成状況を伝える。

 

 


 

▶午前13

労働安全衛生法に基づく産業保健について正しいのはどれか。

 

  1. 特定業務従事者の健康診断は年に1回以上実施する。
  2. 50人以上の事業場ではストレスチェックが義務付けられている。
  3. 300人以上の事業場では地域産業保健センターが健康管理を行う。
  4. 海外派遣労働者の健康診断は産業医の判断で省略することができる。

 

 


 

▶午前14改題

令和3年度(2021年度)の福祉行政報告例における児童虐待相談対応件数について正しいのはどれか。

 

  1. 児童相談所の対応件数は前年度に比べ横ばいである。
  2. 実父による虐待は前年度に比べ増加傾向である。
  3. 実母による虐待は全体の4割以下である。
  4. 身体的虐待は心理的虐待より多い。

 

 


 

▶午前15

災害時の医療体制で正しいのはどれか。

 

  1. 基幹災害拠点病院は原則として都道府県に1か所設置する。
  2. 災害拠点病院は避難所における感染症のまん延防止対策を行う。
  3. 広域災害・救急医療情報システム〈EMIS〉は海外との支援調整を行う。
  4. 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は市町村と医療機関との協定に基づき活動する。

 

 


 

▶午前16

新任期から担う看護管理で正しいのはどれか。

 

  1. 地区管理
  2. 人材管理
  3. 組織管理
  4. 予算管理

 

 


 

▶午前17

疫学研究に関する記述で正しいのはどれか。

 

  1. 記述疫学には介入研究が含まれる。
  2. 横断研究によって因果関係を証明できる。
  3. 分析疫学は記述疫学よりも疾病と要因との関連を示しやすい。
  4. 前向きコホート研究は稀少疾病の罹患リスクを検討するのに優れている。

 

 


 

▶午前19

老年化指数はどれか。

 

  1. (老年人口÷総人口)×100
  2. (老年人口÷年少人口)×100
  3. (老年人口÷生産年齢人口)×100
  4. {(老年人口÷年少人口)÷生産年齢人口}×100

 

 


 

▶午前20改題

国連児童基金〈UNICEF〉について正しいのはどれか。

 

  1. 地球的規模の人口問題に取り組んでいる。
  2. 援助対象国は国連加盟を条件としている。
  3. 児童の権利に関する条約の普及活動を行っている。
  4. 令和3年(2021年)の日本の分担拠出金は世界第1位である。

 

 


 

▶午前21

プライマリヘルスケアの4原則として正しいのはどれか。

 

  1. 専門家によるリーダーシップの発揮
  2. 住民のディマンドの重視
  3. 高度先進医療の提供
  4. 資源の有効活用

 

 


 

▶午前22

地域包括支援センターについて正しいのはどれか。

 

  1. 概ね1万人ごとに設置する。
  2. 要介護状態区分の決定を行う。
  3. 地域密着型介護予防サービスの提供を行う。
  4. 介護支援専門員の地域ネットワークを構築する。

 

 


 

▶午前23

19世紀のイギリスにおいて公衆衛生法の成立に寄与した人物はどれか。

 

  1. ジョン・スノウ
  2. レスター・ブレスロー
  3. ウイリアム・ラスボーン
  4. チャールズ・ウィンスロー
  5. エドウィン・チャドウィック

 

 


 

▶午前24

学校保健統計調査から得られるのはどれか。

 

  1. ぜん息の被患率
  2. 自殺した児童生徒数
  3. 救急車による搬送件数
  4. 不登校の状態にある児童生徒数
  5. 学校の管理下における突然死の件数

 

 


 

▶午前25改題

市町村保健センターで正しいのはどれか。

 

  1. 市町村に設置義務がある。
  2. センター長は原則として医師である。
  3. 地域保健法に設置が定められている。
  4. 診療放射線技師の配置が定められている。
  5. 令和5年4月時点のセンター数は1,500か所である。

 

 


 

▶午前26

平成25年(2013年)の地域における保健師の保健活動に関する基本的な指針における記載事項でないのはどれか。

 

  1. 人材育成
  2. 地区担当制の推進
  3. 予防的介入の重視
  4. 個別課題の視点の重視
  5. 地区診断に基づくPDCAサイクルの実施

 

 


 

▶午前27

A県は、県内のB市で起きた震度7の地震による発災直後からB市にA県の保健師を派遣し、継続した支援を行っている。災害後2か月が経ち、避難住民の半数以上は仮設住宅への移住が進んでいる。B市の職員は自ら被災しながらも発災直後から休みなく働いている。
このときのA県の保健師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. B市の職員が交互に休めるよう支援する。
  2. B市の支援活動の今後の方針が決まるのを待つ。
  3. B市の職員に精神科医の診察を受けるよう勧める。
  4. B市に対し職員の健康チェックを実施するよう提案する。
  5. 被災したB市の職員が優先的に仮設住宅へ移るよう提案する。

 

 


 

▶午前28

地域保健対策の推進に関する基本的な指針について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 健康危機管理体制の管理責任者は保健所長が望ましい。
  2. 科学的根拠に基づく地域保健対策の計画を策定する。
  3. 自助の推進から公助の積極的な活用への移行を図る。
  4. 専門家とのリスクコミュニケーションに努める。
  5. 災害対策基本法に基づいて定められている。

 

 


 

▶午前29

ヘルスプロモーションの理念に基づく保健師の活動はどれか。2つ選べ。

 

  1. 成年後見制度の申し立ての支援
  2. 受動喫煙防止の環境整備の推進
  3. 睡眠に関する正しい知識の普及啓発
  4. 新型インフルエンザ発生時の初動調査
  5. 脳卒中後遺症患者のリハビリテーション教室の実施

 

 


 

▶午前30改題

日本の令和22年(2040年)の推計について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 総人口が1億人を下回る。
  2. 75歳以上の高齢者が2,000万人を超える。
  3. 総人口のおよそ3人に1人が65歳以上になる。
  4. 世帯主が65歳以上の世帯における単独世帯の割合が50%を超える。

 

 


 

▶午前31

健康格差の社会的決定要因となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 教育
  2. 収入
  3. 社会参加
  4. 職場環境
  5. 食品の入手可能性

 

 


 

▶午前32

1,000世帯の新興住宅地を担当する保健師は、担当地区内の乳幼児をもつ母親15人から子育て支援グループを作りたいと相談を受けた。
このグループへの支援で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. グループが形成された初期では受容的に見守る。
  2. メンバーが自発的に参加し始める時期では指示を与えて主導する。
  3. メンバー間の信頼や連帯感が生じる時期ではリーダーを指名する。
  4. メンバーが一丸となり活動する時期では活動内容を調整する。
  5. 支援を終了する時期ではグループが自主的に運営する力を評価する。

 

 


 

▶午前33

民生委員について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 任期は5年である。
  2. 児童委員を兼ねる。
  3. 厚生労働大臣が委嘱する。
  4. 市町村の推薦が必要である。
  5. 設置の根拠法令は地方自治法である。

 

 


 

▶午前34

A市のB地区では、認知症高齢者の徘徊に困っている家族が多いことが分かり、保健師はB地区の自治会と協働し、地域における認知症高齢者の見守り体制を構築することになった。
見守り体制の構成メンバーとして適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 小学校長
  2. 派出所の警察官
  3. 精神保健福祉センターの医師
  4. 特別養護老人ホームの介護福祉士
  5. 居宅介護支援事業所の介護支援専門員

 

 


 

▶午前35

Aさん(28歳、初産婦)。里帰り中に他県にあるB周産期母子医療センターで、妊娠28週0日に体重978gの男児を出産した。生後3か月、児は体重2,400gでGCUから自宅に退院した。地区担当保健師はGCUの看護師から情報提供を受け、Aさんに連絡した上で、退院の1週後に家庭訪問を行った。Aさんの表情はやや暗い様子で「未熟児だったので、体重が増えているのか心配です。風邪をひかせないように外には連れて行っていません」と話した。訪問時の児の体重は2,540gであった。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 感染症の予防のため父母以外の家族の接触は避けるよう説明する。
  2. 生後6か月になったら離乳食を開始するよう説明する。
  3. 予防接種は修正月齢で接種するよう説明する。
  4. 児の体重増加以外に不安がないか確認する。
  5. 児の体重増加は順調であると説明する。

 

 


 

▶午前36

精神障害者保健福祉手帳について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 市町村長が交付する。
  2. 高次脳機能障害は対象となる。
  3. 税制上の優遇措置が受けられる。
  4. 1~4級の等級に区分されている。
  5. 1年ごとに認定の更新が必要である。

 

 


 

▶午前37

災害救助法で定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 防災計画の作成
  2. 職員の派遣義務
  3. 被災した住宅の応急修理
  4. 避難所及び応急仮設住宅の供与
  5. 地方公共団体とボランティアとの連携

 

 


 

▶午前38

直接法による年齢調整死亡率の特徴はどれか。2つ選べ。

 

  1. 小規模な集団の観察に適している。
  2. 高齢者の多い集団では高くなりやすい。
  3. 値は標準化死亡比〈SMR〉として示される。
  4. 異なる観察集団の死亡率を直接比較できる。
  5. 計算には観察集団の年齢階級別死亡率が必要である。

 

 


 

▶午前39

割合の差の検定について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 縦断研究が必要である。
  2. t検定で有意差を検定する。
  3. クロス集計表は有用である。
  4. ハザード比を求めることができる。
  5. χ2〈カイ2乗〉検定で有意差を検定する。

 

 


 

▶午前40

疾病Aの新しいスクリーニング検査の性能を評価するために、疾病Aの患者100人と疾病Aでない者100人に対して検査を実施した。疾病Aの患者のうち60人と、疾病Aでない者のうち10人とが検査の結果陽性であった。
特異度を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(27歳、女性)。両親との3人暮らし。大学受験に失敗し、浪人していたときに幻覚と妄想とが出現し、統合失調症と診断され、3か月間精神科病院に入院したことがある。Aさんは半年前から受診を中断し、ぶつぶつ独り言を言うようになったため、母親が受診を勧めたがAさんは拒否している。対応に困った母親から保健所の保健師に相談の電話があった。

 

▶午前41

このときの母親への対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 家庭訪問することを提案する。
  2. 保健師から主治医に連絡すると説明する。
  3. Aさんが自分から受診するのを待つよう助言する。
  4. 保健師から電話でAさんに受療を勧めると説明する。

 

 


 

▶午前42

1か月後、「Aは受診を再開しましたが、予約した外来日に受診せず、内服も不規則のようです」と母親から保健師に電話で相談があった。
母親に確認する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 残薬数
  2. 次回の外来予約日
  3. 家族が代わりに受診できる可能性
  4. Aさんの治療に対する父親の理解

 

 


 

▶午前43

その後、定期的な受診が継続できるようになり、保健師に対しAさんから「母親からは体調が良いなら働いたらどうかと言われ、イライラするので家にいたくない」と相談があった。
Aさんに紹介するサービスで適切なのはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. 地域定着支援
  3. 地域活動支援センター
  4. 共同生活援助〈グループホーム〉

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

人口2万人のA町。A町のB地区には新たに新幹線の駅ができ、300戸の温泉付のマンションが建設された。マンションの入居者の平均年齢は67.2歳で、都市部の会社を定年退職した者が多い。ほぼ全戸に入居が済んだことで、A町全体の老年人口割合が増加した。

 

▶午前44

B地区の健康課題を明らかにするために情報を収集する対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. A町の老人クラブの参加者
  2. マンションの自治会長
  3. B地区の民生委員
  4. B地区の開業医

 

 


 

▶午前45

保健師はB地区のマンションの入居者の世代や背景が似ていることに着目し、生活状況や健康に対する考え方などの質的なデータを得たいと考えた。
把握する方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区踏査
  2. 電話インタビュー
  3. インターネットアンケート
  4. フォーカス・グループインタビュー

 

 


 

▶午前46

調査の結果、B地区のマンション入居者からは「定年退職後、趣味がないので外出する機会が少なくなった」、「マンションに入居してから外部との交流が減った」、「最近体力が落ちてきたと感じる」、「自分に合った健康づくりをしたい」との意見が多かった。保健師はB地区の住民の健康増進のために住民同士の交流を促すことにした。
保健師の活動で最も適切なのはどれか。

 

  1. 健康診査の受診勧奨
  2. 介護予防事業の実施
  3. 健康に関する講演会の開催
  4. ウォーキングマップの配布
  5. 健康のための調理教室の開催

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

人口9万人、高齢化率28%のA市。介護保険の認定を受ける高齢者は増加傾向にある。市では介護における悩みを共有して、介護者の介護負担感を軽減することを目標に介護者の会を開催している。市内は10の地区に分かれ、各地区に集会所がある。月に1回、各集会所において保健師が運営し、毎回30人程度が参加している。

 

▶午前47

介護者の会の目標達成状況を評価するための指標として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 短期入所〈ショートステイ〉の利用状況
  2. 被介護者の介護状態区分
  3. ストレスへの対処状況
  4. 介護に対する困難感
  5. 新規参加者数

 

 


 

▶午前48

保健師は、A市における今後の介護者の支援方法について検討するために、介護者の負担を把握する目的で要介護認定者がいる世帯への調査を実施することにした。
介護に要する時間のほか、把握する項目として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 福祉用具の貸与状況
  2. 家族内の介護者の構成
  3. 要介護認定結果の満足度
  4. 介護に係る自宅改築の費用

 

 


 

▶午前49

調査の結果、A市内の社会資源サービスの利用が有効に活用できていないこと、介護者が高齢者であること、負担感のうち身体への負担が多くを占めることなどが分かった。保健師は介護者への支援を充実させたいと考えた。
A市における介護者への支援で優先されるのはどれか。

 

  1. 要介護者を介護する家庭を全戸訪問する。
  2. 介護者を対象にした健康診査事業を実施する。
  3. 介護者を対象にした運動プログラムを事業化する。
  4. 地区の集会所で介護方法に関する講習会を開催する。

 

 


 

次の文を読み50〜52の問いに答えよ。

Aさん(35歳、女性、専業主婦)。夫(38歳)と幼稚園に通園する2人の子どもとの4人暮らし。Aさんは4か月前から咳が出現し診療所を受診したが、喘息と診断され経過をみていた。咳がひどくなったため病院を受診したところ、胸部エックス線写真で空洞性病変があり、喀痰塗抹陽性、結核菌PCR陽性が判明し、結核病床に入院した。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。

 

▶午前50

保健所の保健師の初動対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Aさんに入院勧告書を渡す。
  2. 幼稚園の園長に休園を指示する。
  3. 病院を訪問しAさんと面接する。
  4. Aさんへ公費負担申請書類を送付する。
  5. 幼稚園の保護者向けに結核の説明会をする。

 

 


 

▶午前51

Aさんは、幼稚園に子どもを毎日送り迎えしていた。保健所の保健師は幼稚園の関係者に対して接触者健康診断を企画した。
幼稚園に出向いて収集する情報で優先度が低いのはどれか。

 

  1. 園児の家族構成
  2. 園児の呼吸器症状
  3. 園児のBCG接種歴
  4. 園児とAさんとの接触頻度
  5. 幼稚園教諭の定期健康診断の結果

 

 


 

▶午前52

接触者健康診断の結果、Aさんの夫と幼稚園教諭の1人とが喀痰塗抹陰性の結核であり、Aさんの子どものうちの1人と幼稚園児の3人とが潜在性結核感染症であった。
このときの結核の治療支援について正しいのはどれか。

 

  1. Aさん家族のDOTSを優先して行う。
  2. 幼稚園教諭のDOTSは教育委員会が行う。
  3. 潜在性結核感染症に罹患している者は地域DOTSの対象である。
  4. 喀痰塗抹陰性の結核に罹患している者は入院して院内DOTSが必要である。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

人口50万人のA市。A市総合計画の母子保健分野について「児童虐待やいじめのない、母と子どもの笑顔があふれる街A市」を目標としている。A市では、保健師が中心となって母子保健計画を新たに策定することとなった。平成25年(2013年)のA市の人口動態統計および母子保健に関する主な状況を表に示す。
102am54h

 

▶午前54

A市の母子保健計画において取り組むべき重点課題はどれか。2つ選べ。

 

  1. 不妊治療の推進
  2. 特定妊婦の支援
  3. 妊娠中の母体の体重管理
  4. 初回妊婦健康診査の早期受診の勧奨
  5. 1歳6か月児健康診査受診率の向上

 

 


 

▶午前55

A市の母子保健計画の指標と目標とを設定し、達成のための具体的な取り組み及び事業の進捗状況の把握・評価を行うために、母子保健計画推進会議を開催することとした。
母子保健計画推進会議について適切なのはどれか。

 

  1. 非公開で開催する。
  2. 政策評価を母子保健計画の最終年度に行う。
  3. 委員の意見をもとに当該年度の事業内容を変更する。
  4. 保健センター以外の部署で実施している事業の実施状況を報告する。

 

 

 

第102回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

従業員数1,500人の部品製造工場。製造部門ごとに責任者が置かれている。定期健康診断の問診の結果、腰痛の訴えが多い部門があった。
この健康課題に予防的な取り組みをするために優先して働きかける対象はどれか。

 

  1. 腰痛を訴えている者
  2. 定期健康診断の未受診者
  3. 定期健康診断の有所見者
  4. 腰痛が多く発生している部門の責任者

 

 


 

▶午後2

市では自立している独居高齢者の孤立死が続いたため、独居高齢者に対する活動を検討したいと考えている。自立している独居高齢者の調査をした結果、孤立死は他人事ではなく不安を感じるが、プライバシーには踏み込まれたくないという者が多いことが明らかになった。
孤立死を予防するための保健師の活動として適切なのはどれか。

 

  1. 老人クラブの加入者数を調査する。
  2. 自治会に独居高齢者が集う場を設定するよう促す。
  3. 地域活動支援センターに高齢者の見守りを依頼する。
  4. 孤立死への不安がある高齢者に地域包括支援センターでの相談を勧める。

 

 


 

▶午後3

社会福祉における相互援助の概念と具体的な内容との組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 自助――ボランティア
  2. 互助――介護保険
  3. 共助――生活保護
  4. 公助――就労継続支援

 

 


 

▶午後4

家族のライフサイクル段階とその発達課題との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 養育期――夫婦間の生活習慣の調整
  2. 教育期――子どもによる役割の補充
  3. 排出期――子どもによる役割の分担の強化
  4. 向老期――子ども夫婦との役割期待の調整

 

 


 

▶午後5

Aさん(50歳、男性)。仕事のストレスからうつ状態になり会社に出勤できなくなった。妻は精神的に不安定になり、息子は母親を心配して不登校となった。
相互に影響し合うAさん家族の状況を理解するために最も適切な理論はどれか。

 

  1. 家族発達論
  2. 家族システム理論
  3. 家族セルフケア理論
  4. 家族ストレス対処理論

 

 


 

▶午後6

Aさん(30歳、男性)。Aさんの職場では、保健師による健康相談を定期的に実施しており、Aさんは「妻が妊娠したことをきっかけに禁煙しようと決めたが、今日からやめようと思っているうち、1週間が過ぎてしまった」と保健師に相談した。
Aさんへの最初の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 禁煙できたときの自分への褒美を考えるよう助言する。
  2. どのようなときにたばこを吸ってしまうか確認する。
  3. たばこを吸いたいときはガムを嚙むよう勧める。
  4. 「禁煙」と書いた紙を職場に貼るよう促す。

 

 


 

▶午後7

保健師が個別支援を行う際のケアマネジメントのプロセスで、初回のモニタリングを実施する時期として正しいのはどれか。
102pm7h

 

  1. a
  2. b
  3. c
  4. d

 

 


 

▶午後8

保健師が支援するグループで社会変容機能が最も高いのはどれか。

 

  1. 精神障害者を対象とするデイケアのグループ
  2. 難病患者の機能訓練グループ
  3. 引きこもりの当事者の会
  4. 重症心身障害児の親の会

 

 


 

▶午後9

A市では2歳児を対象としたう歯予防事業を実施している。
事業の成果指標として適切なのはどれか。

 

  1. 3歳児の保護者の仕上げ歯磨きの実施状況
  2. 3歳児の保護者のう歯に関する知識
  3. 3歳児のう歯保有率
  4. 3歳児の間食の回数

 

 


 

▶午後10

妊娠届について正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県知事に提出する。
  2. 医師の診断書が必要である。
  3. 届出の事項は定められていない。
  4. 届出をした者に対し母子健康手帳を交付する。

 

 


 

▶午後11

特定健康診査・特定保健指導について適切なのはどれか。

 

  1. 実施義務者は医療保険者である。
  2. 対象年齢は60~74歳と定められている。
  3. 服薬治療中の者は特定健康診査の対象でない。
  4. 動機付け支援対象者と積極的支援対象者に対して一緒にグループ面接を行う。

 

 


 

▶午後12

A市では、市の大腸がん検診受診率が全国平均に比べて低いことから、未受診理由の調査を行った。その結果、未受診理由には「時間がない」、「自分は大丈夫」、「検査が不安」などの意見が多かった。
受診勧奨を目的とした大腸がん検診に関する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「2年に1度は受けましょう」
  2. 「便検査で簡単に調べられます」
  3. 「大腸がんは男性のがんによる死亡の第4位です」
  4. 「初期の段階から自覚症状があるので注意しましょう」

 

 


 

▶午後13

介護予防・日常生活支援総合事業で正しいのはどれか。

 

  1. 地域生活支援事業である。
  2. 平成17年(2005年)に創設された。
  3. 要支援認定を受けている者も対象である。
  4. 一般介護予防事業の対象は第2号被保険者である。

 

 


 

▶午後14

感染症に対する健康危機管理の平常時の対応はどれか。

 

  1. 空港での水際対策
  2. 積極的疫学調査の実施
  3. 感染症発生動向調査の実施
  4. 厚生労働省対策本部の設置

 

 


 

▶午後15

A地区では梅雨末期の集中豪雨によって住宅近くの山間部に広範囲の土砂崩れが発生した。
発災翌日の市町村保健師の対応として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 要援護者の安否確認
  2. 汚水による感染症の発生の確認
  3. 避難所での慢性疾患のある者への栄養指導
  4. ストレス反応による精神症状がある避難者の把握

 

 


 

▶午後16

A地区では震度6の地震が発生し、住宅の被害が大きく住民のほとんどは発災直後から避難所での生活を続けている。発災後2週が経過し、プライバシーが守られないなど、住民から集団生活への不満が出ている。
避難所での保健師の活動について正しいのはどれか。

 

  1. 自家用車内での避難生活を勧める。
  2. 高齢者は救護所に移動してもらう。
  3. 認知症高齢者のいる家族の居住スペースを広く確保する。
  4. 避難者同士の自主的な話し合いの場が設けられるよう支援する。

 

 


 

▶午後17

個人情報保護の観点から、個人情報を提供するのに本人の同意が必要なのはどれか。

 

  1. 通所介護の参加状況を主治医に提供する。
  2. 腸管出血性大腸菌感染症の発生届を保健所に提出する。
  3. 児童虐待の疑いがある児の家族の情報を児童相談所に通告する。
  4. 要介護認定に係る審査のために市町村に主治医意見書を提出する。

 

 


 

▶午後18

新たに地域保健活動を開始する際の組織の在り方について最も適切なのはどれか。

 

  1. 事業管理と地域管理とを連動させる。
  2. 各部門の役割は事業の開始後に決定する。
  3. 組織内の職位順に活動目標を伝達共有する。
  4. 住民からの苦情を優先的に活動内容に反映する。

 

 


 

▶午後19

有病率を上昇させる要因はどれか。

 

  1. 罹患率が低くなる。
  2. 平均有病期間が長くなる。
  3. 観察集団に健康な人が流入する。
  4. 重症化して短期間に死亡する人が増える。

 

 


 

▶午後20改題

脳血管疾患について正しいのはどれか。

 

  1. 年齢調整死亡率は増加している。
  2. 脳出血の最大の危険因子は糖尿病である。
  3. 脳梗塞よりくも膜下出血による死亡数が多い。
  4. 令和4年(2022年)の死因順位は第4位である。

 

 


 

▶午後21

特定健康診査を受診した100人の腹囲とHbA1c値について、個人ごとの2つのデータを一度に示し両者の関連を表現するのに優れているのはどれか。

 

  1. 折れ線グラフ
  2. ヒストグラム
  3. 円グラフ
  4. 散布図

 

 


 

▶午後22

国際疾病分類〈ICD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 日本の死因統計では平成7年(1995年)にICD-10が採用された。
  2. 患者調査での疾病分類には用いられない。
  3. 各種疾病の治療指針が示されている。
  4. 国際疫学会が改訂を行っている。

 

 


 

▶午後23

国際協力に関わる機関とその活動の目的との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 国連世界食糧計画〈WFP〉――学校給食の普及
  2. 国連人口基金〈UNFPA〉――医薬品の研究開発
  3. 国連合同エイズ計画〈UNAIDS〉――感染症の監視網の構築
  4. 経済協力開発機構〈OECD〉――災害地域への医療人材の派遣

 

 


 

▶午後24

口唇口蓋裂の児に適用されるのはどれか。

 

  1. 療育医療
  2. 養育医療
  3. 医療扶助
  4. 自立支援医療

 

 


 

▶午後25

介護保険法における権利擁護事業を担当するのはどれか。

 

  1. 社会福祉協議会
  2. 地域福祉センター
  3. 居宅介護支援事業所
  4. 地域包括支援センター

 

 


 

▶午後26改題

令和4年(2022年)の健康日本21(第二次)最終評価結果で目標値に達した項目はどれか。

 

  1. 食塩摂取量の減少
  2. 糖尿病合併症の減少
  3. 日常生活における歩数の増加
  4. 運動習慣者の割合の増加
  5. 低栄養傾向の高齢者の割合の増加の抑制

 

 


 

▶午後27

地域子育て支援拠点事業について正しいのはどれか。

 

  1. 従事者に条件はない。
  2. 一時預かり事業を実施する。
  3. 開催日数の基準が設けられている。
  4. ひろば型とセンター型との2種類がある。
  5. 根拠法令は子ども・子育て支援法である。

 

 


 

▶午後28

学校教育法で定められているのはどれか。

 

  1. 食育の実施
  2. 学校保健の定義
  3. 養護教諭の配置義務
  4. 学級閉鎖の実施基準
  5. 就学時健康診断の実施

 

 


 

▶午後29

保健活動で用いる尺度の妥当性の説明として正しいのはどれか。

 

  1. 測定する側が実施しやすい。
  2. 測定される側が受け入れやすい。
  3. 測定したい特性が正しく測定できている。
  4. 調査対象の測定結果が全体を代表している。
  5. 同一対象に対して繰り返し測定すると同じ値が得られる。

 

 


 

▶午後30

地方自治体の保健医療福祉計画の策定におけるパブリックコメントについて正しいのはどれか。

 

  1. 地方自治法に基づいて行われる。
  2. 計画策定における合意形成の方法である。
  3. 策定された計画を広く公表するために行う。
  4. 寄せられた意見に対する結果は個別に連絡する。
  5. 計画に関連する市民団体を選定して意見を求める。

 

 


 

▶午後31

Aさん(61歳、主婦)。昨年度までは異常がなかったが、今年度の特定健康診査では、身長158cm、体重70kg、腹囲90cm、血圧136/88mmHg、喫煙10本/日で特定保健指導の対象となった。Aさんは結果説明会に来所しなかったため保健師は電話で連絡した。Aさんは「自覚症状はないため、結果説明会には行かなかった。ここ1年ほど夫の帰りが遅く、夫と夕食を摂った後に家事をするので睡眠不足が続いている。昼間眠くてイライラしたばこを吸ってしまう」と訴えた。
このときの電話の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 夫を待たずに寝るよう指導する。
  2. 標準体重になるよう減量を勧める。
  3. 動機付け支援の対象であると伝える。
  4. たばこの本数を増やさないよう指導する。
  5. 生活習慣の改善について一緒に考えることを提案する。

 

 


 

▶午後32

健康診査の評価をプロセス評価、影響評価および成果評価の3つに分けて考えるとき、プロセス評価にあたるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 要医療者の治療率
  2. 健康診査の受診者数
  3. 健康診査に従事する者の数
  4. 健康診査における疾患の発見率
  5. 健康診査後に行動変容があった者の数

 

 


 

▶午後33

労働者の心の健康の保持増進を目的に行われる事業場内のラインによるケアはどれか。2つ選べ。

 

  1. 労働者からの相談への対応
  2. カウンセリングの実施
  3. 職場環境の改善
  4. 教育研修の実施
  5. 外部資源の紹介

 

 


 

▶午後34

人口動態統計に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生
  2. 婚姻
  3. 妊娠
  4. 転出
  5. 入院

 

 


 

▶午後35改題

国の予算について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 特別会計は一般会計に含まれる。
  2. 予算は歳入と歳出とで構成される。
  3. 医療給付は社会保障関係費に含まれる。
  4. 各省からの概算要求の締め切りは3月31日である。
  5. 令和4年度(2022年度)の厚生労働省の予算は国の一般会計予算総額の5割を占める。

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

人口10万人のA市。A市は地域特性が異なるB、C地区からなっている。B地区の高齢者サロンで健康講話を行ったところ、腰痛や膝痛の訴えが多くあり、参加者の中には要支援と認定された者もいた。保健師はA市内での介護予防教室を実施する必要性を検討するため、各地区の高齢者サロンの参加者から情報を収集することにした。

 

▶午後36

収集する情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. サロンへの参加以外の外出頻度
  2. 持ち家の所有状況
  3. 世帯収入
  4. 職業歴

 

 


 

▶午後37

収集した情報を分析したところ、B地区はC地区と比較して、転倒の危険性や運動機能の衰えを感じている者が多いことが分かった。保健師は、まずはB地区で介護予防教室を実施することにした。
初回の介護予防教室の内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 介護保険の申請方法を説明する。
  2. 有効な運動方法について指導する。
  3. 関節可動域〈ROM〉訓練を実施する。
  4. 車椅子の使用方法について説明する。
  5. 基本チェックリストによる健康度評価を行う。

 

 


 

▶午後38

保健師はC地区でも介護予防教室を実施するため、C地区での介護予防教室のテーマを別途検討することにした。
C地区の情報で分析する優先度が高いのはどれか。

 

  1. 死因別死亡数
  2. 寝たきり高齢者数
  3. 要介護状態区分別の認定者数
  4. 高齢者サロン参加者の現病歴

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

A地区の高層マンションには若い世代が多く住んでいる。高層マンションに住むBさん(23歳、初産婦)は、市の両親学級に参加していたが、マンション内に親しい友人はいない。両親学級に参加した際にBさんは「夫は会社員で帰宅時間が遅く、両親は遠方に住んでいる」と話していた。出産後、母子ともに順調に経過し退院した。市の保健師は生後25日目にBさん宅へ新生児訪問することになった。

 

▶午後39

新生児訪問時、Bさんは「育児に不安がある」、「相談する相手がいない」などと保健師に話した。
このときのBさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 育児不安の内容を具体的に聞く。
  2. 近所の児童館を利用するよう勧める。
  3. 夫の育児への協力の有無を確認する。
  4. Bさんの実父母の健康状態を確認する。
  5. 両親学級のときに知り合った者に連絡するよう勧める。

 

 


 

▶午後40

新生児訪問時、Bさんは「引っ越してきたばかりで、妊娠中はあまり外に出ることがなかったので、家の近くに友人がいない」と話していた。このことをきっかけに保健師は、A地区の高層マンションに住む母親の育児に関する課題を検討することにした。
把握する項目として最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 両親学級の参加状況
  2. A地区の出生数の推移
  3. 3か月児健康診査の受診者数
  4. 新生児訪問記録における主訴

 

 


 

▶午後41

A地区の健康課題として高層マンションに住む育児中の母親の交流不足が明らかになった。市内には母親が集まって活動をしている育児サークルがあり、保健師は既存の育児サークルを活用して、A地区内の育児中の母親の交流を深めたいと考えている。
このような課題解決に向けて次年度に育児サークルと協働して行うのはどれか。

 

  1. 育児サークルのメンバーが両親学級に参加する。
  2. 母子保健推進員が育児サークルの運営に関わる。
  3. 新生児訪問で育児サークルのメンバーを紹介する。
  4. 育児サークルの活動を高層マンションの集会場で行う。

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aさん(21歳、女性)。高校卒業後就職したが職場では人間関係が築けず、1つの決められた作業に集中することはできるが、複数の仕事が重なるとパニック状態になってしまうため転職を繰り返した。半年前にAさんは仕事を辞め、最近は自信をなくして自室にひきこもり昼夜逆転の生活となっている。Aさんのことが心配だと母親から保健所に電話相談があった。保健師は母親に来所を勧め、面接を実施した。

 

▶午後42

保健師が母親に確認するAさんの情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 交友関係
  2. 精神症状の有無
  3. 高校時代の学業成績
  4. これまでの転職の経緯

 

 


 

▶午後43

Aさんは保健師が紹介した医療機関を受診し、後日、Aさんが自閉症スペクトラム障害〈ASD〉と診断された。受診から3日後、母親がAさんと一緒に受診結果の報告に保健所を訪れた。母親は障害と診断されたことに戸惑っている様子であったが、30分ほど会話をする中で落ち着き「私がこんなに動揺していてはだめですね。娘のことをもっと考えてあげないといけませんね」と話した。
このときの母親への助言として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「お母さんがしっかりしましょう」
  2. 「今までの子育てを振り返りましょう」
  3. 「Aさんとの散歩を日課にしてください」
  4. 「まずはAさんの病気を受け止めましょう」
  5. 「Aさんが何に困っているかよく聞きましょう」

 

 


 

▶午後44

診断から2か月後、少しずつ障害を理解できAさん自身も気持ちが落ち着いてきた。Aさんは「障害を理解してくれるところで働きたいので相談にのって欲しい」と話した。
Aさんが利用する社会資源として最も適しているのはどれか。

 

  1. 自立訓練
  2. 行動援護
  3. 地域活動支援センター
  4. 発達障害者支援センター
  5. コミュニケーション支援事業

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

Aちゃん(6歳、男児)。Aちゃんは保育所に通っている。3歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで2回しか参加できておらず経過観察の対象となっていた。就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、Aちゃんは常に動き回り目立つ存在であった。母親はAちゃんについて元気過ぎる子どもと認識している。

 

▶午後45

就学時健康診断後、教育委員会が保護者の了解を得てAちゃんについて情報収集する先として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 児童福祉司
  2. 保育所の担任
  3. 療育教室の指導員
  4. 3歳児健康診査時の心理相談担当者

 

 


 

▶午後46

その後、教育委員会が主催して関係者と母親とがAちゃんの就学先について協議を行った結果、Aちゃんは地元の小学校の通常の学級に在籍することと、小児専門医を受診することが決まった。受診の結果、注意欠陥多動性障害〈ADHD〉と診断され定期的に受診することになった。Aちゃんは地元の小学校に入学した。授業中、廊下の人の行き来をずっと見ていることや、前の席の児童にいたずらをして、担任から注意を受けては教室を飛び出すことなどが続いたため、養護教諭、担任および学年主任が参加して校内委員会を開き対応が検討された。
Aちゃんの行動上の問題への対応として、養護教諭が校内委員会に提案する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「席を教室の一番前にしてください」
  2. 「いたずらに対して放課後に注意してください」
  3. 「教室のドアに鍵をつけて飛び出しを防止してください」
  4. 「全地球測位システム〈GPS〉を衣服に装着してください」

 

 


 

▶午後47

Aちゃんは学校での衝動的な行動が減ったが、下校後の同級生とのトラブルが続いていた。そこで養護教諭を交えて担任が母親と話し合いを行った。
養護教諭と担任とが母親に提案することとして、最も適切なのはどれか。

 

  1. 「特別支援学校への転校を検討しましょう」
  2. 「Aちゃんの特性について学校から同級生に説明しましょう」
  3. 「主治医からAちゃんに注意してもらうようお願いしましょう」
  4. 「Aちゃんの困った点について学校が同級生にアンケート調査を行いましょう」

 

 


 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。

人口1万5千人のA町。台風の影響で大雨によって大規模な水害が発生した。町内の浸水面積は約3割であった。被害状況は床上浸水約1,500世帯、被災住民数は約3,500人で、家屋の倒壊が約200世帯であった。役場の1階にある保健センターも浸水し、町内5か所に避難所と救護所とが設置された。

 

▶午後48

災害発生後24時間以内の保健活動として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 心のケアセンターの開設
  2. 保健センターの台帳類の避難
  3. 被災地区住民の健康相談の実施
  4. 災害時要援護者のリストの作成
  5. 救護所設置について住民への周知

 

 


 

▶午後49

2日目には水は引き始め、4日目にはほとんどの地域で自宅の片付けが開始された。片付け作業を手伝っているボランティアから「被災者は皆イライラしていて、少しでも水に浸かったものはすべて捨ててくれと言う人がいるが、どうすればよいか」という相談を受けた。
ボランティアへの助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「言われる前に捨てましょう」
  2. 「捨てずに残しておきましょう」
  3. 「被災者の言うとおりにしてください」
  4. 「気持ちが落ち着いてから捨てるかどうか決めるように言いましょう」

 

 


 

▶午後50

ボランティアの支援を受けて家屋内外の片付けも進み、災害から1か月後、避難所に避難していた多くの住民は自宅に戻った。
自宅に戻った被災者への保健活動で適切なのはどれか。

 

  1. 地域での巡回健康相談を行う。
  2. 不要な外出を控えるよう説明する。
  3. 感染症予防のための家屋消毒剤を配布する。
  4. 新たなコミュニティづくりに向けて支援する。

 

 


 

次の文を読み51〜53の問いに答えよ。

出生10,000対6の発症率と言われている先天性神経疾患Aについて、その発症要因に関する症例対照研究を計画している。

 

▶午後51

調査対象者の登録について正しいのはどれか。

 

  1. 診断基準に基づいて症例を登録する。
  2. 多施設共同研究では代表性が損なわれる。
  3. 対照群からのインフォームド・コンセントは不要である。
  4. 調査施設の診療録を施設外に持ち出して情報を転記する。

 

 


 

▶午後52

先天性神経疾患Aの発症に、母親の出産時年齢が有意に関連することが既に分かっている。そのため、症例群の母親と同じ出産時年齢の母親を対照群として選定し、ペアを作成して調査対象者を集めた。
この制御方法はどれか。

 

  1. 層化
  2. 限定
  3. 無作為化
  4. マッチング

 

 


 

▶午後53

先天性神経疾患Aの発症に「妊娠前の栄養素Bの摂取不足が関与している」という仮説を立てた。調査対象者の母親に対して妊娠前の栄養素Bの摂取量に関する聞き取り調査を行った。
聞き取り調査について正しいのはどれか。

 

  1. 共通の聞き取り調査方法を用意する。
  2. 聞き取り調査員は、症例群か対照群かを事前に知っておく。
  3. 聞き取り調査員は、症例群と対照群とのどちらか一方を担当する。
  4. 栄養素Bの摂取不足が発症要因である可能性を調査前に知らせておく。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

人口30万人のA市。従業員50人未満の中小企業が多い。第1次A市健康増進計画を評価したところ、市民へのアンケート結果では、計画策定時と比べてストレスを感じている人が増えていた。また、この10年間自殺者数は横ばいで推移していたため、保健師は第2次A市健康増進計画においてメンタルヘルス対策を強化することが必要と考えた。

 

▶午後54

メンタルヘルス対策の検討のために、分析する項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 中小企業の経営状態
  2. 要介護認定者の推移
  3. 10年間の自殺者の特徴
  4. 特定保健指導該当者数の推移

 

 


 

▶午後55

地域診断の結果、保健師は壮年期の労働者へのメンタルヘルス対策が必要だと考え、地域・職域連携会議を開くことにした。
地域・職域連携会議のメンバーで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 商工会の代表
  2. 保険者協議会の代表
  3. 社会福祉協議会の代表
  4. 産業保健総合支援センターの所長

 

 


 

資料 厚生労働省「第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験、第105回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成29年2月17日実施の第103回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第103回保健師国家試験目次

 

 

第103回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

保健師が行うアウトリーチはどれか。

 

  1. 言語の発達に遅れがある幼児のフォローアップ教室
  2. Parkinson〈パーキンソン〉病の患者会への支援
  3. 治療を中断している精神障害者への家庭訪問
  4. 後期高齢者への認知症予防教室

 

 


 

▶午前2

A市の保健師は、難病患者の家族会を支援するために、当事者、地域住民および関係機関による会議を開催し、パートナーシップを基盤にした活動を推進することとした。
第1回の会議の内容として最も適切なのはどれか。

 

  1. 予算確保の方法についての説明
  2. 近隣市町における活動事例の紹介
  3. 関係機関における研修の開催の検討
  4. A市の昨年度の保健事業全般の実績報告

 

 


 

▶午前3改題

日本の社会格差を示す指標の過去20年間の推移について正しいのはどれか。

 

  1. 雇用者に占める非正規職員・従業員の割合は減少している。
  2. 相対的貧困率は低下している。
  3. 完全失業率は低下している。
  4. ジニ係数は低下している。

 

 


 

▶午前4

家族に関連する内容の説明で正しいのはどれか。

 

  1. オマハシステムは家族システムの階層性を説明する理論である。
  2. ジェノグラムは家族と社会との関わりを示す図である。
  3. 家族の発達段階における最初の時期は養育期である。
  4. 1人の家族員の変化が他の家族員に影響を及ぼす。

 

 


 

▶午前5

都道府県が実施主体となり保健師が家庭訪問を行うのはどれか。

 

  1. 未熟児
  2. 発達障害児
  3. 認知症高齢者
  4. 小児慢性特定疾病児童

 

 


 

▶午前6

50歳代を対象とした運動教室修了後に受講者がとる行動で、ソーシャルキャピタルの醸成につながる行動として最も適切なのはどれか。

 

  1. 特定健康診査を受診する。
  2. 家族に教室で学んだ運動の話をする。
  3. 他の受講者と自主的に運動を継続する。
  4. 保健師に運動内容を定期的に報告する。

 

 


 

▶午前7

健康増進法に基づく市町村の役割はどれか。

 

  1. 生活習慣相談の実施
  2. 特定給食施設の指導
  3. 飲食店における利用者の受動喫煙の防止
  4. 健康増進の総合的な推進のための基本方針の策定

 

 


 

▶午前8

自治体で解決すべき健康課題の優先度を検討するときに最も重視するのはどれか。

 

  1. 課題解決に要する事業経費の額
  2. 課題解決のための社会資源の整備状況
  3. 同じ課題に取り組んでいる自治体の数
  4. 課題が解決されなかった場合の住民への影響

 

 


 

▶午前9

事業の計画策定および推進を行う際に、住民参加を促す方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 事業の評価は事業が終了してから公表する。
  2. 専門的な知識を有する集団から意見を聴取する。
  3. 公民館の情報閲覧コーナーで住民に情報提供する。
  4. 住民からの意見の反映方法について住民に提示する。

 

 


 

▶午前10改題

地域包括ケアシステムの推進に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 公助が優先される。
  2. 実施主体は保健所である。
  3. 令和12年(2030年)に向けた対応策である。
  4. 高齢者のニーズに応じた住まいの整備が含まれる。

 

 


 

▶午前11改題

乳幼児健康診査について正しいのはどれか。

 

  1. 虐待予防の機会となる。
  2. 乳児の健康診査は対象月齢が法律で規定されている。
  3. 1歳6か月児健康診査では視聴覚機能検査が行われる。
  4. 令和3年度(2021年度)の3歳児健康診査の全国における受診率は約8割である。

 

 


 

▶午前12

Aさん(22歳、男性)。両親と兄との4人暮らし。知的障害があり、就労継続支援A型の事業所に通っている。事業所の職員から「Aさんの上腕に複数の小さなあざがあった」と市保健師に電話で相談があった。
事業所の職員から相談を受けた保健師の最初の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. Aさん宅の家庭訪問を行う。
  2. 事業所で職員とAさんに話を聞く。
  3. 成年後見制度の利用をAさんに勧める。
  4. 卒業した学校にAさんの在学中の様子を聞く。

 

 


 

▶午前13

8020運動について正しいのはどれか。

 

  1. う蝕予防に重点を置く運動である。
  2. 健康日本21(第二次)に目標値が設定されている。
  3. 日本医師会と日本歯科医師会とが推進を提言した。
  4. 歯科口腔保健の推進に関する法律に基づいて運動を開始した。

 

 


 

▶午前14

養護教諭の職務で正しいのはどれか。

 

  1. 学校給食の衛生管理
  2. 定期健康診断の評価
  3. 学校保健委員会の設置
  4. 感染症による出席停止の決定

 

 


 

▶午前15

健康危機管理について、厚生労働大臣が定めることが地域保健法に規定されているのはどれか。

 

  1. 地域保健対策検討会報告書
  2. 地域健康危機管理ガイドライン
  3. 厚生労働省健康危機管理基本指針
  4. 地域保健対策の推進に関する基本的な指針

 

 


 

▶午前16

保健所で医療機関から感染症の発生の届出を受けた。
保健師が患者を訪問するときに、N95マスクの着用が必須である感染症はどれか。

 

  1. デング熱
  2. 開放性結核
  3. レジオネラ肺炎
  4. 中東呼吸器症候群〈MERS〉

 

 


 

▶午前17

市町村の保健事業の予算編成について正しいのはどれか。

 

  1. 事業ごとに予備費を計上し事業費の不足を防ぐ。
  2. 予算の確保は具体的な実施方法を検討する前に行う。
  3. 事業評価をもとに既存事業の継続の必要性を検討する。
  4. 毎年実施している事業の予算の決定には議会の議決は必要ない。

 

 


 

▶午前18改題

令和2年度(2020年度)の国民医療費について正しいのはどれか。

 

  1. 制度区分別国民医療費では公費負担医療給付分が最も多くを占める。
  2. 傷病分類別の医科診療医療費では悪性新生物〈腫瘍〉が最も多くを占める。
  3. 65歳以上の人口一人当たり国民医療費は65歳未満の約4倍である。
  4. 訪問看護医療費は全体の5%を上回る。

 

 


 

▶午前19

学校保健行政について正しいのはどれか。

 

  1. 対象に幼稚園が含まれる。
  2. 厚生労働省が所管している。
  3. 教職員の健康診断の実施主体は労働基準監督署である。
  4. 都道府県教育委員会は都道府県内の市町村立学校を直轄している。

 

 


 

▶午前20

精神保健福祉センターの業務で正しいのはどれか。

 

  1. 措置入院の決定
  2. 精神保健福祉相談員の任命
  3. 精神障害者保健福祉手帳の交付
  4. 精神障害者の福祉に関する困難な相談

 

 


 

▶午前21改題

令和3年度(2021年度)の「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」における養護者による高齢者虐待に関する説明として適切なのはどれか。

 

  1. 経済的虐待が全体の6割を占めている。
  2. 虐待者の続柄は息子の割合が最も高い。
  3. 虐待の種別にかかわらず、要介護度が高いほど虐待の発生割合が高い。
  4. 被虐待者の9割が認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクⅡ以上である。

 

 


 

▶午前22

A市では特定健康診査の結果、生活習慣病の該当者が年々増加していることが分かった。
A市の保健師が一次予防として行う活動はどれか。

 

  1. 夜間に受診できる健康診査を企画する。
  2. 精密検査が必要な人に受診勧奨を行う。
  3. 市民を対象に食習慣改善教室を企画する。
  4. 該当者の家族を対象に悪化予防の健康教室を開催する。

 

 


 

▶午前23

介護予防ボランティアグループのリーダーから「一部のメンバーが自分たちの活動は自己満足ではないかと悩んでいるようだ」と保健師に相談があった。
このグループのエンパワメントを支援するための対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「住民の意見を聞いてみましょう」
  2. 「メンバー全員で話し合いましょう」
  3. 「市の保健事業の推進役として機能していますよ」
  4. 「介護予防事業の参加者の生活機能の改善状況を調査しましょう」
  5. 「介護予防担当の保健師からメンバーに活動の必要性を説明してもらいましょう」

 

 


 

▶午前24

健康日本21(第二次)の目標項目の1つである「健康格差の縮小」において、都道府県格差の指標としているのはどれか。

 

  1. 平均寿命
  2. 糖尿病の有病者数
  3. 脳血管疾患の年齢調整死亡率
  4. 日常生活に制限のない期間の平均
  5. メタボリックシンドロームの有病率

 

 


 

▶午前25

災害対策とその根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 災害拠点病院――医療法
  2. 地域防災計画――災害対策基本法
  3. 応急仮設住宅――被災者生活再建支援法
  4. トリアージタグ――医師法
  5. 災害派遣医療チーム〈DMAT〉――災害救助法

 

 


 

▶午前26

人口3万人の町において、先行文献が十分に存在し、要因が明らかになっている健康課題について、町民の状況を全数把握する方法として適切なのはどれか。

 

  1. フォーカス・グループインタビュー
  2. 半構造化面接法
  3. エスノグラフィ
  4. 質問紙調査
  5. 事例分析

 

 


 

▶午前27

人口10万人の市において、ある一定期間の結核患者の発生頻度を表現する指標として適切なのはどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 被患率
  4. 受療率
  5. 相対頻度

 

 


 

▶午前28

生態学的研究によって、世界各国の1人当たりの食塩摂取量と高血圧症有病率との関連の程度を評価するために計算するのはどれか。

 

  1. 寄与危険
  2. 変動係数
  3. 相対危険
  4. 相対頻度
  5. 相関係数

 

 


 

▶午前29

ある集団の特定健康診査で得られたヘモグロビンA1c値の頻度の分布を確認するのに最も優れているのはどれか。

 

  1. 散布図
  2. 円グラフ
  3. 帯グラフ
  4. ヒストグラム
  5. 折れ線グラフ

 

 


 

▶午前30

Aさん(30歳、主婦)。夫(28歳、会社員)と長男(5歳)との3人暮らし。町の保健センターに長男を連れて来所した。Aさんは「幼稚園に息子を迎えに行ったところ、パパが怖いと言って帰りたがらなかった。息子を守るには、どうしたらいいでしょうか」と話した。Aさんの話から、Aさんの夫は日頃から大声で怒鳴ることが多いこと、昨夜は長男のいたずらに対して激しく怒り、おもちゃ箱をひっくり返して物を投げつけAさんも恐怖を感じたこと、今までAさんと長男に怪我はなかったことが分かった。
このときの保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 主任児童委員に連絡をする。
  2. 母子を保護できる場所を確保する。
  3. 幼稚園に電話をして情報収集をする。
  4. 夫の在宅時に家庭訪問をすることを伝える。
  5. Aさんの友人に泊まりに来てもらうよう勧める。

 

 


 

▶午前31

Aさん(65歳、女性)。1人暮らし。要支援2。認知症はあるが、他に治療をしている疾患はない。介護保険で介護予防訪問介護を週2回、介護予防通所介護を週1回利用している。介護予防通所介護以外に外出の機会はない。最近、空腹になると夜中でも満腹になるまで、家にある食べ物を何でも口に入れてしまうようになった。Aさんは自宅で生活することを希望していることから、地域包括支援センターの保健師はサービス担当者会議を開催することにした。
サービス担当者会議の参加者として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 訪問看護ステーションの理学療法士
  2. 訪問看護ステーションの訪問看護師
  3. 介護予防通所介護事業所の介護職員
  4. 介護予防訪問介護事業所の訪問介護員
  5. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉の相談員

 

 


 

▶午前32

ノーマライゼーションに基づいた障害者のケアの考え方で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国際生活機能分類〈ICF〉では障害の程度によって必要なケアが規定される。
  2. 支援がないことで社会参加が制約されている場合は対象に含む。
  3. 環境と個人との特性が加わって健康状態が決定される。
  4. 障害者に対する医療の確保を第一の目的とする。
  5. 援助者がリーダーシップを発揮して進める。

 

 


 

▶午前33

学校保健活動で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. BCG接種を行う。
  2. 食育推進計画を策定する。
  3. 児童生徒の保護者に助言を行う。
  4. 学校生活管理指導表は養護教諭が記載する。
  5. 学校保健委員会は地域の関係機関の代表も含めて構成する。

 

 


 

▶午前34

感染症発生動向調査において全数把握の対象となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 風疹
  2. 百日咳
  3. 日本脳炎
  4. マイコプラズマ肺炎
  5. 性器クラミジア感染症

 

 


 

▶午前35

放射線の災害による影響で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 胸膜中皮腫の原因となる。
  2. クラッシュ症候群を起こす。
  3. 胎児は成人より感受性が低い。
  4. 呼吸によって内部被ばくを起こす。
  5. 晩発症状に甲状腺機能低下症がある。

 

 


 

▶午前36

A市の2地区でデータを収集した。各項目について地区間に差があるかどうかを統計学的に検定する。
χ2〈カイ2乗〉検定が適している項目はどれか。2つ選べ。

 

  1. 年齢
  2. 通院の有無
  3. 高血圧症の有病率
  4. 1日当たり飲酒量
  5. 1日当たり喫煙本数

 

 


 

▶午前37改題

日本の政府開発援助〈ODA〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 技術協力が含まれる。
  2. 国際協力機構〈JICA〉が援助を担っている。
  3. 援助開始以降、予算額は増加し続けている。
  4. 令和3年(2021年)の援助実績は援助国で最大である。
  5. 国連開発計画〈UNDP〉からの要請に基づき有償資金協力を行っている。

 

 


 

▶午前38

平成27年(2015年)に策定された認知症施策推進総合戦略〈新オレンジプラン〉の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 対象期間は20年間である。
  2. 目的は認知症高齢者の早期発見・早期治療である。
  3. 関係省庁で連携して取り組むことが示されている。
  4. 認知症施策を加速させるための戦略として5つの柱がある。
  5. 施策のアウトカム指標は定量的に評価することを目指している。

 

 


 

▶午前40

介護者のグループを育成するにあたり、初期段階における保健師の役割で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 活動計画の作成を支援する。
  2. 地域社会との関わりを強化する。
  3. グループ外からの支援を受けないよう助言する。
  4. 気の合うメンバー同士が活動を進められるよう配慮する。
  5. メンバーの発言を尊重して活動内容に取り入れるよう促す。

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

人口約1万人のA町は、後期高齢者が約3割を占める。町内に集落が点在しており、集落ごとに自治会の活動が活発である。休日の昼間、A町を震源とする震度6強の大規模な地震が発生した。建物の倒壊が見られ、下敷きになっている住民もいるとの情報があった。役場から約5kmの距離にある小学校に救護所が設置された。

 

▶午前41

地震発生30分後に、町の防災マニュアルに基づき、A町の保健師のうち1人が救護所となっている小学校に駆けつけることができた。
この保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 近隣住民へのボランティアの依頼
  2. 小学校の養護教諭への連絡
  3. 必要な医療物品の準備
  4. 県保健師への応援要請

 

 


 

▶午前42

地震発生当日に町内に避難所が設置された。1週後、町民の半数が避難所で生活を送っている。県外から派遣された医療チームが避難所での健康管理を行っている。
このときのA町保健師の活動で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 避難所で傷病者の処置を行う。
  2. 町外への避難者の安否確認を行う。
  3. 避難所の高齢者の介護予防を行う。
  4. 避難所の要援護者の搬送先を検討する。

 

 


 

▶午前43

地震発生から2か月が経過した。小学校の近くに仮設住宅が設置され、避難者の大半が移った。住民の5割は自宅、4割は仮設住宅、1割は避難所で生活している。
このときのA町保健師の活動で最も適切なのはどれか。

 

  1. 町外施設に移った要介護者を訪問する。
  2. 避難所の住民の自治組織の立ち上げを支援する。
  3. 各集落の自治会長から住民の生活状況の情報を得る。
  4. 仮設住宅の住民に対して役場で運動教室を開催する。

 

 


 

次の文を読み45の問いに答えよ。

人口5万人の市。市の人口は平成20年度以降は変化はない。市はA、B及びCの3つの地区からなり、肺がん対策として検診の受診率の向上に取り組んでいる。市の肺がん検診は、平成26年度まではA地区の保健センターで行う集団検診のみであったが、平成27年度からはB地区にある病院でも検診を行っている。各地区の肺がん検診の受診者数および対象者数を表に示す。
103am45h

 

▶午前45

C地区の地域診断を行ったところ、胃がん検診と大腸がん検診は肺がん検診より受診率が高く他の地区とも差がないことや、他の地区より喫煙率が高いことが分かった。また、過去10年間の肺がんによる死亡者18人のうち、肺がん検診の受診歴のない者が6人であった。
C地区の肺がん検診の受診率向上を目指して取り組む事業として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 胃がん検診と同日での肺がん検診の実施
  2. がんの緩和ケアに関する講演会の開催
  3. がん登録事業の協力病院の拡大
  4. 肺がん検診の追加開催
  5. 禁煙教室の実施

 

 


 

次の文を読み46、47の問いに答えよ。

A市内にある、特別養護老人ホームを併設する病院から「特別養護老人ホームの入所者から消化器症状を訴える者が多発し、検便した結果、腸管出血性大腸菌が検出された」と1月24日に保健所に報告があった。保健師が調査したところ、週に1回、病院の医師が特別養護老人ホームの入所者の健康状態を確認していたことが分かった。看護・介護職員および調理従事者は、特別養護老人ホームと病院とでそれぞれ別の職員を雇用しており、施設間での行き来はなかった。給食は同じ食材を用い同じ方法で調理していたが、給食施設はそれぞれ独立していた。1月の発症日別の発症者数を表に示す。
103am46h

 

▶午前46

感染が拡大した理由として最も可能性が高いのはどれか。

 

  1. 不適切な調理方法
  2. 病院の入院患者による媒介
  3. 原因菌による給食食材の汚染
  4. 特別養護老人ホームの看護・介護職員による媒介

 

 


 

▶午前47

今後の感染拡大を防止するために必要な措置のうち、検便の対象者として優先度が低いのはどれか。

 

  1. 病院の医師
  2. 病院の入院患者
  3. 特別養護老人ホームの入所者
  4. 特別養護老人ホームの調理従事者
  5. 特別養護老人ホームの入所者への面会者

 

 


 

次の文を読み48、49の問いに答えよ。

Aさん(50歳、女性、未婚)。28歳のときに統合失調症と診断され、43歳から7年間精神科病院に入院していた。両親は7年前に相次いで他界し、家族は姉(55歳、未婚)のみである。Aさんの病状が安定したため、Aさん姉妹は一緒に暮らすことを希望した。退院前に、病院内で地域の支援関係者を集めた会議が開かれ、Aさん姉妹も参加した。その際、姉が「妹と離れて暮らしていた期間が長いので不安はありますが、一緒に暮らせるのはうれしいです」と語っていた。退院後は市の保健師が家庭訪問することになった。

 

▶午前48

Aさんは姉との2人暮らしを開始した。
退院から7日後の初回の家庭訪問の目的として適切なのはどれか。

 

  1. 病院での退院指導内容の確認
  2. 就労移行支援サービス利用の勧奨
  3. 自宅での生活への適応状況の把握
  4. Aさん宅周辺の住民同士の交流状況の把握

 

 


 

▶午前49

初回訪問日の2週後に2回目の訪問を予定していたが、訪問予定日の3日前に、Aさんの姉から保健師に電話があった。姉は「一緒にしようと促しても妹は家事をしたがらず、何でも私に頼ってきます。私はイライラして、妹と口論になることが増えてきました。私自身、3、4日前から食欲がなく、体がだるいため家事をするのも大変です。このまま妹との生活を続けることに自信がなくなりました」と話した。
このときの姉への助言として適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの再入院を考えてみましょう」
  2. 「Aさんの主治医に対応を相談してみましょう」
  3. 「食欲不振などの症状は一時的なものなので心配はいりませんよ」
  4. 「Aさんとの口論を近所の人たちに聞かれないように注意しましょう」

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(59歳、女性)。夫(66歳、無職)と2人暮らし。市の健康相談に参加したAさんは、ふらつきがあり歩行が不安定であった。相談に対応した保健師に対して「歩き出しがうまくできないし、思うように体が動かず困っています」とAさんは話した。保健師はAさんの訴えなどから神経変性疾患を想定し、Aさんの他の症状について確認することにした。

 

▶午前50

確認する症状として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 耳鳴の有無
  2. 振戦の有無
  3. 視野欠損の有無
  4. 手足の浮腫の有無

 

 


 

▶午前51

その後、Aさんは指定難病と診断され、隣市の専門医療機関での月1回の通院治療を開始した。2年後、Aさんは要介護4に認定され、通所介護を週2回利用している。Aさんの介護と家事は夫が担っている。夫は糖尿病で半年ほど前から血糖コントロールが不良であり、血糖管理および指導の目的で5日間の入院を勧められている。
夫の入院中にAさんが利用する事業で最も適切なのはどれか。

 

  1. 夜間対応型訪問介護
  2. 短期入所療養介護
  3. 訪問入浴介護
  4. 訪問看護

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

A市では保育所を利用している家庭が増加しており、対応困難な児に関する保育士からの市保健師への相談が増えてきている。A市では子育て支援を強化するため、次年度の母子保健計画の策定にあたって、市内の15か所の保育所との連携システムをどのように構築していくかを検討することになった。

 

▶午前52

保健師が最初に取り組むこととして適切なのはどれか。

 

  1. 対応困難な児の保護者に保育所でインタビュー調査を行う。
  2. 市のホームページでパブリックコメントを募集する。
  3. 対応困難な事例の検討会を保育所と行う。
  4. 対応困難な児の家庭訪問をする。

 

 


 

▶午前53

保育所との連携システムの構築に取り組んでから3か月が経過した。その評価から母子保健担当の保健師は、保育所を定期的に巡回し、個別相談が必要な児に対して健康相談を行う巡回健康相談事業を検討している。
事業を計画するにあたり最初に検討するのはどれか。

 

  1. 事業評価の時期
  2. 事業担当者の確保
  3. 巡回健康相談の実施回数
  4. 保育所利用者に対する事業の広報
  5. 母子保健計画における事業の位置付け

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(80歳、女性)。1人暮らし。高血圧症で50歳から近くの医療機関を受診しており、降圧薬を内服し、自己管理をしながら自立して生活していた。長女(55歳)は他県に住み、月1回Aさんの様子をみに来ている。長女は、地域包括支援センターに来所し「母が物を探すことが多くなったと感じていたが、隣人から母が近所で道に迷っているのを見かけたと聞き、心配になった」と保健師に相談した。

 

▶午前54

このときに保健師が長女に勧める内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 保健所への相談
  2. かかりつけ医への相談
  3. 介護療養型医療施設の見学
  4. 認知症サポーター講座の受講

 

 


 

▶午前55

その後、Aさんは要支援1と認定された。長女は電話で「最近母が、病院でお金を支払うことや、ATMでお金をおろすことができなくなった」と地域包括支援センターの保健師に相談した。
保健師が勧める社会資源として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 成年後見制度
  2. 消費者生活センター
  3. 訪問看護ステーション
  4. 介護予防・日常生活支援総合事業
  5. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉

 

 

 

第103回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

地域における看護活動で用いるポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチについて正しいのはどれか。

 

  1. ケーブルテレビによる健康講座はハイリスクアプローチである。
  2. ポピュレーションアプローチでは健康問題のない集団に働きかける。
  3. 住民全体の健康レベルの向上にはハイリスクアプローチが適切である。
  4. 生活習慣病の受療者への健康教育はポピュレーションアプローチである。

 

 


 

▶午後2

市町村の保健師の活動として適切でないのはどれか。

 

  1. 細菌性赤痢の患者の積極的疫学調査
  2. 老人クラブでの健康教育の実施
  3. 統合失調症患者への家庭訪問
  4. 16歳の妊婦への保健指導

 

 


 

▶午後3

社会保障・税一体改革において推進する保健福祉事業はどれか。

 

  1. 保育サービスに係る量の拡充
  2. 障害者の虐待防止
  3. がん登録の推進
  4. 自殺の予防

 

 


 

▶午後4

地球温暖化対策と根拠の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. グリーン経済への移行――特定家庭用機器再商品化法
  2. オゾン層の保護に向けた取り組み――アジェンダ21
  3. 先進国の温室効果ガスの排出量の削減――京都議定書
  4. 気候変動に関する国際連合枠組条約の批准――リオ+20

 

 


 

▶午後5

Aさん(39歳、初妊婦)。妊娠26週で市の母親学級に参加した。Aさんは、あまり楽しそうな表情をしておらず、グループワークでの発言も少なかった。終了後に母親学級担当の保健師がAさんに声をかけたところ「産後の育児が不安です」と話した。
不安な気持ちについて傾聴した後のAさんへの対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 「産後にホームヘルプサービスを利用してはどうですか」
  2. 「お住まいの地区を担当している保健師を紹介します」
  3. 「受診している産科の医師に相談してみましょう」
  4. 「育児に慣れるまで里帰りすることはできますか」

 

 


 

▶午後6

A市のB地区は肥満者の割合が市内の他の地区に比べて高い。B地区の担当保健師が健康相談を実施した際、夜食を摂る者が多くいることが分かった。
B地区の担当保健師の活動で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 食生活改善推進員へのフォーカス・グループインタビュー
  2. 市の栄養士による栄養相談内容の分析
  3. 地区住民を対象とした食生活実態調査
  4. 国民健康保険の医療費分析

 

 


 

▶午後7

健康教育に関する理論で保健行動に対する個人の心理に着目しているのはどれか。

 

  1. アドボカシー
  2. ヘルスリテラシー
  3. ヘルス・ビリーフ・モデル
  4. プリシード・フレームワーク

 

 


 

▶午後9

健康診査の結果説明会で、受診勧奨の対象ではなかったが、血圧が高い者が8人いた。保健師は、メンバー間の相互作用を促しながら、生活習慣病を予防することを目的としたグループを作り支援を行うことにした。
このグループへの支援として最も適切なのはどれか。

 

  1. 他のグループと交流する機会を設ける。
  2. グループで1つの血圧の目標値を設定する。
  3. 高血圧症の専門医の講義を聞く機会を設ける。
  4. メンバーが各自の食生活の課題を話し合う機会を設ける。

 

 


 

▶午後10

インフルエンザの予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 二次予防である。
  2. ワクチンの種類はトキソイドである。
  3. 予防接種法におけるB類疾病である。
  4. 定期予防接種の対象は15歳未満である。

 

 


 

▶午後11

次年度の地域保健活動計画を立案するにあたって、保健師が最初に取り組むのはどれか。

 

  1. 福祉部門と計画について話し合う。
  2. 地域の医療機関の要望を確認する。
  3. 今年度の地域における保健活動の実績を評価する。
  4. 医療や福祉に関する施設整備計画の進捗状況を確認する。

 

 


 

▶午後12

肺がん罹患率が高いことから、市の健康増進計画で喫煙率の低下を目標とし、禁煙相談事業を実施した。
事業の評価の種類とその指標の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. プロセス評価――肺がんの受療率
  2. 影響評価――禁煙相談事業参加者の禁煙に関する理解度
  3. 成果評価――肺がん検診の受診者数
  4. 成果評価――禁煙相談事業の参加者数

 

 


 

▶午後13

母子保健推進員について正しいのはどれか。

 

  1. 法律で定められた研修を受ける必要がある。
  2. 都道府県知事からの委嘱を受ける。
  3. 行政と住民とのパイプ役である。
  4. 母子保健法に規定されている。

 

 


 

▶午後14

Aさん(22歳、女性、専業主婦)。夫と生後2か月の児との3人暮らし。他県からB市へ転入直後に、住民票の手続きのため市役所を訪れた。保健師は3か月児健康診査や保健事業について説明をした。Aさんは「初めての育児なので不安なことが多いです。夫は残業が多いため帰りが遅く、両親は遠くに住んでいるので頼れない。慣れない土地でどこに何があるかもよく分からないんです」と話した。
このとき、保健師がAさんに紹介する社会資源として適切なのはどれか。

 

  1. 母子生活支援施設
  2. 児童家庭支援センター
  3. 母子・父子休養ホーム
  4. 地域子育て支援センター

 

 


 

▶午後15

国民健康づくりの目標として初めて自殺者の減少を掲げたのはどれか。

 

  1. 第一次国民健康づくり対策
  2. 第二次国民健康づくり対策〈アクティブ80ヘルスプラン〉
  3. 第三次国民健康づくり対策〈健康日本21〉
  4. 第四次国民健康づくり対策〈健康日本21(第二次)〉

 

 


 

▶午後16

日本の学校看護婦の歴史で正しいのはどれか。

 

  1. 学校医よりも先に配置された。
  2. 特定の科目の修得によって認定された。
  3. 欧米のスクールナースがモデルになった。
  4. トラコーマの洗眼や点眼を行うために始まった。

 

 


 

▶午後19

研修において面接技法の修得に適している学習方法はどれか。

 

  1. 事例検討
  2. ロールプレイ
  3. e―ラーニング
  4. 専門家による講義

 

 


 

▶午後20

標準化死亡比〈SMR〉を求めるために必要な指標はどれか。

 

  1. 基準集団の死亡率
  2. 基準集団の年齢別人口
  3. 観察集団の年齢別人口
  4. 観察集団の年齢別死亡率

 

 


 

▶午後21

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉で規定されている地域相談支援について正しいのはどれか。

 

  1. 地域定着支援を行う。
  2. 利用者の負担額は1割である。
  3. 障害支援区分の認定が必要である。
  4. 指定特定相談支援事業者が実施する。

 

 


 

▶午後22

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 予防接種を行う疾病を定めている。
  2. 十分な説明と同意に基づいた入院勧告制度がある。
  3. 特定感染症指定医療機関は都道府県知事が指定する。
  4. 4類感染症を診断した医師は7日以内に届出を行わなければならない。

 

 


 

▶午後23

地域保健法における市町村の役割で正しいのはどれか。

 

  1. 健康危機管理の拠点
  2. 食品衛生に関する指導
  3. 関係機関への技術的な援助
  4. 地域保健対策に必要な人材の確保

 

 


 

▶午後24

障害児の放課後等デイサービスの定義を定めている法律はどれか。

 

  1. 児童福祉法
  2. 学校保健安全法
  3. 発達障害者支援法
  4. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉

 

 


 

▶午後25改題

令和4年(2022年)の日本における各年代と年代別死因第1位の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 20歳代――自殺
  2. 30歳代――悪性新生物〈腫瘍〉
  3. 40歳代――心疾患
  4. 50歳代――脳血管疾患
  5. 60歳代――肺炎

 

 


 

▶午後26

患者調査で把握できるのはどれか。

 

  1. 有訴者率
  2. 死亡率
  3. 致命率
  4. 有病率
  5. 受療率

 

 


 

▶午後27

妊娠前期の母親学級のプログラムに取り入れる歯科保健のテーマで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 歯周疾患の予防
  2. フッ素化合物の効果
  3. 甘味食品の摂取制限
  4. 乳児の歯磨きの方法
  5. 小児の咀嚼機能の発達

 

 


 

▶午後28

ケアマネジメントについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 導入する社会資源を検討する。
  2. 専門職の判断を優先してケアプランを作成する。
  3. 法律に基づいた制度を活用することが原則である。
  4. 利用者はサービス担当者の会議に参加することはない。
  5. 継続的なケアを行うには関係機関の連携が重要である。

 

 


 

▶午後29

地域包括ケアシステムの推進に向けて、実務者が集まって地域ケア会議を開催することにした。
地域ケア会議で取り扱う内容として正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 個別事例の検討を行う。
  2. ケアプランを作成する。
  3. 介護保険事業計画を策定する。
  4. 地域にある社会資源の課題を共有する。
  5. 地域支援事業の予算配分について検討する。

 

 


 

▶午後30

産業保健総合支援センターについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 衛生管理者の選任を行う。
  2. 特殊健康診断の委託を受ける。
  3. 事業者に対する研修を実施する。
  4. 産業保健に関する情報提供を行う。
  5. 労働基準監督署ごとに設置されている。

 

 


 

▶午後31

特殊災害に分類されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 原子力発電所の事故による放射線の漏えい
  2. 石油タンカーの座礁による海水の汚染
  3. 列車の脱線による交通網の障害
  4. 大雨による河川の氾濫
  5. 地震による橋の崩落

 

 


 

▶午後32

国民健康・栄養調査で把握できるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 健康寿命
  2. BMIの平均値
  3. 蛋白質の必要量
  4. 喫煙習慣者の割合
  5. 支出に占める食料費の割合

 

 


 

▶午後33

平成25年(2013年)に「地域における保健師の保健活動に関する指針」が改正された背景について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 健康日本21の策定
  2. 特定健康診査の導入
  3. 障害者の支援費制度の導入
  4. 地域包括支援センターの設置
  5. 感染症から生活習慣病への疾病構造の変化

 

 


 

▶午後34

因果関係を推測することができる研究デザインはどれか。2つ選べ。

 

  1. 横断研究
  2. 記述疫学
  3. 生態学的研究
  4. コホート研究
  5. 症例対照研究

 

 


 

▶午後35

心筋梗塞発症者100人と性・年齢をマッチングした心筋梗塞非発症者100人の5年前の健康診査の結果を調査し、糖尿病の有無を確認した。その結果、心筋梗塞発症者で20人、心筋梗塞非発症者で15人が糖尿病であった。
糖尿病であることの心筋梗塞発症に対するオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(70歳、男性)。1人暮らし。近所に住む友人のBさん(60歳、男性)からAさんについて地域包括支援センターの保健師に相談があった。Aさんは3年間介護していた妻が半年前に亡くなってから痩せ、最近は外であまり見かけなくなったという。翌日、保健師が民生委員に状況確認の連絡をしたところ、Aさんの現在の状況を把握していなかった。保健師はAさんの状況を把握するため、来週Bさんと一緒に家庭訪問を行うことにした。

 

▶午後36

家庭訪問時に収集すべき情報として最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 既往歴
  2. 毎日の食事内容
  3. 友人との交流状況
  4. 直近の健康診査の結果
  5. 自治会活動への参加状況

 

 


 

▶午後37

保健師がBさんとともに家庭訪問したところ、Aさんは訪問に戸惑っていたが、玄関先で話をしてくれた。Aさんの服装に乱れはなかった。室内にはごみ袋がいくつか置いてあり、捨てられていないようであった。Aさんは、少しずつ自分のことを話し始め「妻が亡くなってから楽しいことはなく、外に出かけたくない」と言い、表情は暗かった。Bさんが何か手伝うことがないか尋ねるとAさんは「心配してくれてありがとう。でも今は1人でいたいです」と言った。保健師は3日後に1人で訪問することを伝え、この日は訪問を終了した。
保健師の次回の訪問計画で適切なのはどれか。

 

  1. 外出の重要性を説明する。
  2. ごみを片付けるよう促す。
  3. 精神科への受診を勧める。
  4. 妻との別れを一緒に振り返る。
  5. ホームヘルプサービスの利用を勧める。

 

 


 

▶午後38

保健師は2週に1回の家庭訪問を続け、Aさんとの信頼関係が構築されてきた。Aさんは家の中を少しずつ整理し、散歩にも出かけるようになった。保健師の初回訪問から3か月後、Aさんから「亡くなった妻のためにも、自分が少しでも長生きしなければと思うようになったが、何をしたらよいのか分からない。少しずつ外に出てみようと思うが、人付き合いにはあまり自信がない」と相談があった。
Aさんに勧めることとして最も適切なのはどれか。

 

  1. 地域包括支援センター主催の介護予防教室への参加
  2. 老人福祉センターでのサークル活動への参加
  3. 高齢者サロンのボランティアへの登録
  4. シルバー人材センターへの登録

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(40歳、男性)。妻と2人暮らし。Aさんは3年前に転職し、従業員数30人のコンピュータ関連の事業所に勤務している。6か月前から軽い咳が続いていたが、メンバー数5人の新規プロジェクトチームの責任者として忙しく、そのままにしていた。妻に痩せてきたことを指摘され、自宅近くの診療所を受診したところ、胸部エックス線写真で異常陰影があり病院を紹介され受診した。喀痰塗抹菌検査陽性、結核菌PCR陽性となり、肺結核と診断され入院した。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。

 

▶午後39

保健所の保健師がAさんに初回面接で確認する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出勤状況
  2. 転職前の職場
  3. 運動習慣の有無
  4. 結核に対する認識
  5. 特定健康診査の結果

 

 


 

▶午後40

接触者健康診断を実施したところ、妻が感染し、プロジェクトチームのうち1人が発病し、2人が感染していることが分かった。
保健所が次に行う対策として最も適切なのはどれか。

 

  1. 事業所の消毒
  2. 健康相談窓口の設置
  3. 接触者健康診断の拡大実施
  4. 地域の医師会への結核発生報告

 

 


 

▶午後41

保健所の保健師は、今回の事例を踏まえ、管内の事業所を対象に結核に関する正しい知識を啓発するためにリーフレットを作成することにした。
リーフレットに掲載する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「従業員のBCG接種を推奨します」
  2. 「定期的に作業場の換気をしましょう」
  3. 「結核は治療をすれば3か月で治ります」
  4. 「健康診断は6か月ごとに受診しましょう」
  5. 「咳が2週間以上続くときは医療機関を受診しましょう」

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aちゃん(9歳、女児)。4か月前から母親と親しくなった男性との3人暮らしを始めている。Aちゃんは「新しいお父さんができた」と喜んでいたが、1か月前から忘れ物が多くなり、この1か月に4日欠席をしている。担任が連絡をしたところ、母親から「家庭内のことに関わらないで欲しい」と激しい口調の拒絶を受けた。保健室で休むことも多くなったため、養護教諭がAちゃんに確認したところ、母親と男性が出掛けて戻らない日が多く、Aちゃんは菓子パンなどを買って食べているとのことであった。

 

▶午後42

養護教諭や担任などが集まって対応を協議した。
対応を協議する根拠となったAちゃんの状況はどれか。

 

  1. 低栄養
  2. 不登校
  3. ネグレクト
  4. 引きこもり

 

 


 

▶午後43

3日後、専門機関によるAちゃんへの支援が開始された。その後のAちゃんの出欠状況や家庭環境の変化などについて、専門機関から学校に定期的な情報提供の依頼があった。
窓口となった養護教諭の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 情報提供は保護者の同意がなければ行わない。
  2. Aちゃんから情報収集するよう伝える。
  3. 3か月に1回情報提供を行う。
  4. 情報提供は書面で行う。

 

 


 

▶午後44

養護教諭は、Aちゃんのような児童が他にもいるのではないかと考え、これまでの発育および欠席状況による確認に加え、新たな対策を立てることとした。
緊急に対応する必要性の高い児童を抽出するための方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 学校教職員を対象にした研修会の実施
  2. 忘れ物の多い児童の把握
  3. 担任による親子面談
  4. 児童への食生活調査

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

運動習慣の死亡率に対する影響の調査のために1万人を対象とした10年間のコホート研究を行った。本研究では、年齢、食習慣および経済状況など参加者の基礎的背景も併せて調査した。脱落者を除いた結果を表に示す。
103pm45h

 

▶午後45

運動習慣があることに対して、運動習慣がないことの疾患Aによる死亡に関する1万人対の寄与危険はどれか。

 

  1. 0.4
  2. 0.7
  3. 1.4
  4. 10
  5. 40

 

 


 

▶午後46

運動習慣と死亡との関連が最も強いのはどれか。

 

  1. 疾患A
  2. 疾患B
  3. 疾患C
  4. その他の疾患

 

 


 

▶午後47

参加者の基礎的背景を補正しても、「運動習慣あり」の方が死亡率は有意に低かった。しかし、この結果からは「運動すれば長生きできる」という結論を導くことはできない。
その理由はどれか。

 

  1. 介入研究ではない。
  2. 情報バイアスがある。
  3. 二重盲検がされていない。
  4. 平均余命で比較していない。

 

 


 

次の文を読み48、49の問いに答えよ。

Aちゃん(生後5か月、女児)。父親(37歳)、母親(35歳)は病院の近くの市に2人で暮らしており、Aちゃんの祖父母は遠方に住んでいる。AちゃんはGCUに入院中である。
現病歴:在胎32週で羊水過多、胎児発育不全、心臓奇形および小脳低形成のため羊水の染色体検査を受け、18トリソミーと診断された。在胎週数37週0日、体重1,780gで出生し、NICUに入院した。食道閉鎖のため出生当日に胃瘻造設術を、気管軟化症のため生後3か月に気管切開術を受けた。気管切開下で24時間人工呼吸器管理、30分に1回程度の気管内吸引を実施している。
家族歴:特記すべきことはない。
身体所見:体重2,900g。体温37.0℃、脈拍130/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉94〜96%。定頸していない。

 

▶午後48

両親ともにAちゃんの退院を心待ちにしている。2か月以内の自宅への退院を目指すため、病院から保健所に退院調整カンファレンスへの参加依頼があり、地区担当保健師は事前に自宅を訪問することとした。
このときの訪問で保健師が両親から収集する情報で適切なのはどれか。

 

  1. 今後の治療方針
  2. 療育手帳の申請の有無
  3. 今後の予防接種の計画
  4. 自宅の療養環境の準備

 

 


 

▶午後49

家庭訪問から1週後、両親、主治医、病棟看護師、理学療法士、退院調整看護師、社会福祉士、訪問看護師および地区担当保健師が出席して、初回の退院調整カンファレンスが行われた。両親は退院後の生活に不安はあるものの、Aちゃんの面倒は自分達がみるべきであると考え、できるだけ他者の手を借りずに育てたいと思っているということであった。今後の方針として、小児科の一般病棟に転棟し、在宅療養に向けた医療的ケアの手技や育児の練習を行い、その後に自宅への外泊訓練を実施することが決まった。次回のカンファレンスは、院内で在宅療養に向けたシミュレーションを行った後、医療的ケアの手技などの習得状況の評価と外泊訓練に向けた準備について話し合う予定である。
次回のカンファレンスに参加を依頼する機関として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 医療型児童発達支援センター
  2. 訪問診療を実施している診療所
  3. 医療型短期入所を実施している療育施設
  4. 訪問リハビリテーションを実施している事業所

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

A県では50歳代の男性の自殺が増加傾向にあり、自殺予防対策の必要性が検討された。自殺者数が多いB市において、県と市が共催で自殺予防事業を実施することになった。

 

▶午後50

A県から事業実施の打診を受けたB市では、保健師を中心にプロジェクトチームを立ち上げることになった。
プロジェクトチームの参加機関として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 精神保健福祉センター
  2. 労働基準監督署
  3. ハローワーク
  4. 県医師会

 

 


 

▶午後51

プロジェクトチームで検討した結果、地域における自殺予防の意識を高め、支援者を増やすため、ゲートキーパー養成の事業を実施することになった。まずは、市職員を対象に養成講座を実施し、民生委員やボランティアなどへ対象を段階的に広げてゲートキーパーを増やしていくこととした。講座の受講者からは「自殺予防の必要性を強く感じた」、「自殺予防のために自分にもできることがあることが分かった」などの意見が多く聞かれ、受講者数も増え続けたため、B市ではこの事業を継続することにした。
B市での事業の結果を受けて、A県で検討する内容として適切なのはどれか。

 

  1. 自死遺族の相談事業
  2. 他市町村への事業の展開
  3. ハイリスク者への家庭訪問
  4. 50歳代男性への質問紙調査

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

Aさん(45歳、女性、会社員)。夫と2人暮らし。Aさんが勤務する会社では保健師が職員の健康管理のために面接による相談事業を実施している。Aさんは定期健康診断を受診し、結果は身長160cm、体重55kg、BMI21、血圧118/70mmHg。トリグリセリド90mg/dL、HDLコレステロール70mg/dL、LDLコレステロール139mg/dL、HbA1c5.0%、AST〈GOT〉20IU/L、ALT〈GPT〉15IU/L、γ-GTP20IU/Lであった。既往歴に特記すべきことはなく、現在治療中の疾患はない。飲酒はビール350mL/日を週5日、喫煙はしていない。

 

▶午後52

健康診断の結果から控えるよう指導するのはどれか。

 

  1. 食物繊維
  2. 飽和脂肪酸
  3. アルコール
  4. 総エネルギー量

 

 


 

▶午後53

保健師はAさんの健康診断の結果を受け、行動変容に向けて面接を行った。Aさんは「管理的な立場で仕事をしているため、帰宅は遅く21時くらいになってしまいます。家事もあり毎日が忙しいので、体調を崩したら困るなと思ってはいますが、具合が悪いところもないので具体的には何もしていません」と話した。
行動変容のステージから判断してAさんへの保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 生活パターンの問題を指摘する。
  2. 健康診断の結果の理解度を確認する。
  3. 生活習慣の改善に向けた目標を一緒に立てる。
  4. 生活習慣の改善に向けて夫の協力を得るように伝える。

 

 


 

次の文を読み54の問いに答えよ。

Aさん(39歳、女性、教員)。夫(40歳、会社員)と長男(7歳)との3人暮らし。Aさんは小学校で6年生の担任をしている。夫は仕事で土日も不在のことが多い。長男は放課後に学童保育に通っている。Aさんは2か月間月経がみられないため、自宅近くの産婦人科を受診したところ妊娠11週と診断され、妊娠届を提出するよう指導された。妊娠16週に妊娠届を提出するため保健センターに来所した。保健センターでは、妊娠届の提出に来所した妊婦全員に保健師による面接を実施している。保健師は現在の健康状態、妊娠経過および分娩予定施設についてAさんに確認した。

 

▶午後54

今後のAさんへの支援を計画するために最も優先して確認するのはどれか。

 

  1. つわりの有無
  2. 育児用品の準備状況
  3. 妊娠届が遅れた理由
  4. 子宮がん検診の受診歴
  5. 不妊治療の経験の有無

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

Aさん(66歳、女性)。夫(70歳)が早期の直腸癌と診断され、手術を受けた直後に死亡した。1か月後、Aさんは、医療安全支援センターの相談窓口が設置されている保健所に、電話で相談し「主治医から簡単な手術だと説明を受けて手術に同意したが、夫は手術後に亡くなった。納得できないので調査して欲しい」と訴えた。Aさんの希望で、保健所が病院に対して文書でAさんの夫の治療経過を照会したところ「Aさんの夫はまれに発生する術後合併症によって死亡した。術後合併症のことは、患者とAさんとに事前に説明していた。医療事故とは考えていない」と回答があった。

 

▶午後55

保健所の対応で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんと病院とで話し合いの場が持てるように支援する。
  2. Aさんの夫の手術に関する診療録を病院に開示請求する。
  3. 医療行為と死亡との因果関係の有無を明らかにする。
  4. 病院に対し事故調査委員会を設置するよう指導する。

 

 


 

資料 厚生労働省「第103回保健師国家試験、第100回助産師国家試験、第106回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成30年2月16日実施の第104回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第104回保健師国家試験目次

 

 

第104回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

保健師に関する歴史上の出来事と社会的背景の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 開拓保健婦の設置――外地からの引き揚げ
  2. 駐在保健婦制度の創設――社会恐慌や凶作による農村の荒廃
  3. 国保保健婦の市町村移管――第一次ベビーブーム
  4. 小児保健所での保健婦活動――富国強兵策

 

 


 

▶午前2

保健師について正しいのはどれか。

 

  1. 保健師の記録の保存について保健師助産師看護師法に規定されている。
  2. 管轄する保健所長の指示を受けた場合はそれに従わなければならない。
  3. 保健師免許の申請には看護師免許の写しが必要である。
  4. 保健指導を業務独占としている。

 

 


 

▶午前3

市では、発達障害がある者の家族から、特別支援学校卒業後に地域で働きたいと希望しても周囲の理解が得られないので悩んでいるとの相談が増加した。保健師は発達障害がある者を支援する地域ケアシステムが必要と考えた。
地域ケアシステムの構築を最も推進する活動はどれか。

 

  1. 家族会の設立
  2. 就労相談会の開催
  3. ボランティアの育成
  4. ネットワーク会議の開催

 

 


 

▶午前4改題

令和4年(2022年)の労働力調査について正しいのはどれか。

 

  1. 女性の労働力人口は前年に比べ減少した。
  2. 女性の雇用形態は正規の雇用が約6割である。
  3. 労働力人口の総数に占める女性の割合は約45%である。
  4. 女性雇用者数に占める割合で最も多い産業は製造業である。

 

 


 

▶午前5

Aちゃん(1歳8か月、女児)は、1歳6か月児健康診査を受診した。1人で歩けるが有意語の発語はなく、絵本の指さしはしない。個別相談で言葉の発達について経過を観察したいと保健師が伝えると、母親は「そのうち言葉は出ると思うので心配はしていません。今、妊娠7か月で、疲れたので早く帰りたいです」と言う。
Aちゃんのフォローアップをするための保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「出産後に連絡してください」
  2. 「3歳児健康診査のときに確認します」
  3. 「病院の発達相談を受診してください」
  4. 「1か月後に電話でAちゃんの様子を聞かせてください」

 

 


 

▶午前6

変化ステージ理論について正しいのはどれか。

 

  1. 対象者の行動変容の段階に合った保健指導に有用である。
  2. 糖尿病に対する行動変化の研究から見出された。
  3. 解凍、変化、再凍結の3段階がある。
  4. ステージは後戻りしない。

 

 


 

▶午前7

ヘルスリテラシーについて誤っているのはどれか。

 

  1. 健康管理を行うために活用するスキルである。
  2. ヘルスプロモーションの活動に関わる能力である。
  3. 情報提供の方法が適切か検討することが含まれる。
  4. 健康日本21(第二次)の目標にヘルスリテラシーの向上が挙げられている。

 

 


 

▶午前8

Aさん(60歳、女性)は、隣に住むBさん(48歳、男性)についての相談のため、初めて保健所に来所した。「Bさんは以前から酒好きで、仕事が休みの日には朝から酒を飲んでいることがよくあった。ここ1か月ほどは仕事にも行かず、泥酔して大声で騒ぎ、家の中で暴れているようだ」と言う。
初回相談の際のAさんへの地区担当保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. Bさんの勤務の状況を聴取する。
  2. 飲酒が身体に及ぼす影響を説明する。
  3. Aさんが今回相談に来所した目的を確認する。
  4. Bさんを医療機関に受診させるための協力を依頼する。

 

 


 

▶午前9

A市では特定健康診査の結果から、定年退職後の60歳代の男性は同年代の女性と比較して、退職後数年でHbA1cが基準値を超える者の割合が高いことが分かった。また、問診票から、日中は1人で過ごし昼食も1人で摂ることが多く、食事は全体的に外食や市販の惣菜に偏っていることが把握された。
定年退職後の男性を対象とし、地域への波及効果も目的とした糖尿病予防事業として最も適切なのはどれか。

 

  1. 食事の記録をつけてもらい栄養士が評価する。
  2. 高血糖を予防する食事のパンフレットを郵送する。
  3. 特定健康診査で高血糖を予防するための個別相談を行う。
  4. 高血糖を予防する食事づくりの調理実習をグループで行う。

 

 


 

▶午前10

Aさん(24歳、専業主婦)は、夫と生後6か月の乳児(出生体重2,900g)との3人暮らし。乳児健康診査が未受診で、電話にて受診勧奨を行ったが来所しないため、地区担当保健師が家庭訪問をした。訪問時、児の体重は7,500g。定頸しており、寝返りはできるがお座りはできない。「離乳食を開始したばかりで、進め方が分からない」と言うので、保健指導を行った。乳児健康診査については「風邪気味だったので連れて行けなかった。人付き合いが苦手で育児の相談相手もいないので、戸惑うことが多い」と話した。
今後の保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 市の育児相談の利用を勧める。
  2. 定期的な家庭訪問を継続する。
  3. 地域の子育てサークルの立ち上げを促す。
  4. 児の発達について小児科医に相談することを勧める。

 

 


 

▶午前11

保健師が行う地区活動について最も適切なのはどれか。

 

  1. 主に質的なデータを用いて評価する。
  2. 地区にある社会資源の範囲で活動する。
  3. 医療機関との連携を中心にして展開する。
  4. 住民登録の有無にかかわらず地区に居住する者を対象とする。

 

 


 

▶午前12

介護保険法で規定される市町村介護保険事業計画の日常生活圏域について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村が範囲を設定する。
  2. 高齢者の人口で数を決める。
  3. 二次医療圏と同規模である。
  4. 介護保険法制定時に定められた。

 

 


 

▶午前13

健康日本21(第二次)の目標達成を目指した市計画を定めることにした。
住民の意見を幅広く取り入れる方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 計画素案の作成を市内の業者に委託する。
  2. 市民相談を担当する職員を策定委員に選任する。
  3. 計画策定の過程でパブリックコメントを求める。
  4. 前年実施した市民健康意識調査の結果を計画に盛り込む。

 

 


 

▶午前14

健やか親子21の主な指標の最終評価で正しいのはどれか。

 

  1. 10代の性感染症〈STI〉罹患率が増加した。
  2. 妊娠11週以下での妊娠の届出率が増加した。
  3. 全出生数中の極低出生体重児の割合が減少した。
  4. 育児期間中の両親の自宅での喫煙率が増加した。

 

 


 

▶午前15改題

計画と目標の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 健康日本21(第二次)――若年性認知症施策の強化
  2. 健やか親子21(第2次)――若い世代を中心とした食育の推進
  3. 第3期がん対策推進基本計画――受動喫煙対策の徹底
  4. 第五次薬物乱用防止五か年戦略――不適切な飲酒の誘因の防止

 

 


 

▶午前16

Aさん(28歳、男性)。8年前に統合失調症を発症し長期入院をしていたが、6か月前に退院し、自宅で母親と2人で暮らしている。母親から「退院時から通っていたデイケアに2週間ほど行っていません。食事は私と一緒に食べていて、服薬もできていますが、それ以外はあまり部屋から出てきません。デイケアの職員には少し様子をみるようにと言われましたが、心配で仕方がありません。こういうときはどうすれば良いでしょうか」と地区担当保健師に電話があった。保健師が家庭訪問したところ、Aさんは「デイケアにはそのうち行きます」と言って部屋に戻った。
このときに保健師が母親へ助言する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「すぐに主治医に相談してください」
  2. 「別のデイケア施設の見学に行きませんか」
  3. 「なるべく外に出かけることをAさんに勧めてください」
  4. 「家族会に参加して他の家族のお話を聞いてみてはいかがですか」

 

 


 

▶午前17

高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 施設に入所する高齢者への予防接種の実施は都道府県知事の責務である。
  2. 平成28年(2016年)4月から定期の予防接種が開始された。
  3. 予防接種法による健康被害の救済措置の対象となる。
  4. 予防接種法においてA類疾病に指定されている。

 

 


 

▶午前18

介護保険制度について正しいのはどれか。

 

  1. 利用者は居宅介護サービス計画を作成するための費用の1割を負担する。
  2. 介護保険認定の申請手続きの代行は被保険者の家族以外はできない。
  3. 利用者の日常生活能力の自己申告に基づき要介護認定が行われる。
  4. 利用者の選択によってサービスを決定することが基本である。

 

 


 

▶午前19改題

石綿による疾病に関する労災保険給付の支給決定件数で正しいのはどれか。

 

  1. 平成18年度(2006年度)がピークである。
  2. 平成22年度(2010年度)から令和3年度(2021年度)まで連続して増加している。
  3. 令和3年度(2021年度)では中皮腫より肺がんの方が多い。
  4. 令和3年度(2021年度)の肺がんに対する支給は1,000件を超えている。

 

 


 

▶午前21

災害時の健康危機管理における保健所の役割はどれか。

 

  1. 避難所の指定
  2. 傷病者の広域搬送
  3. 災害対策本部の設置
  4. 健康被害の拡大防止

 

 


 

▶午前22

在宅で人工呼吸器管理を要する難病患者の災害時の個別支援計画で適切なのはどれか。

 

  1. 自宅待機を想定に入れる。
  2. 避難先は災害拠点病院とする。
  3. 発災直後の安否確認は主治医が行う。
  4. 発災後の移動は災害派遣医療チーム〈DMAT〉が担当する。

 

 


 

▶午前23

A市では、今年から特定健康診査と特定保健指導を同じ事業者に委託し、市は市民への広報、受診勧奨、未受診者の支援を行うこととした。
委託した事業者の保健指導の質を評価する指標はどれか。

 

  1. 特定健康診査の受診率の変化
  2. 特定保健指導の対象者の割合
  3. 特定保健指導の未受診者の割合
  4. 特定保健指導前後のBMIの変化

 

 


 

▶午前24

職場における新人保健師の人材育成で最も適切なのはどれか。

 

  1. 職場外での研修を中心に行う。
  2. 新人保健師自身が自らの到達目標を設定する。
  3. 新人保健師が所属する部署で完結した指導体制とする。
  4. 新人保健師が活動事例を学会で発表することを最終目標とする。

 

 


 

▶午前25

A市の20歳から24歳までの年齢層における死因の内訳を表に示す。
104am25
表に示した内容を図で表現する場合に適しているのはどれか。

 

  1. 散布図
  2. 円グラフ
  3. 折れ線グラフ
  4. ヒストグラム

 

 


 

▶午前26

地域保健法に規定されている内容はどれか。

 

  1. 市町村保健センターの所長は原則として医師である。
  2. 市町村に対する必要な財政的援助は都道府県の責務である。
  3. 保健所には所管区域内の市町村職員の研修の実施が義務付けられている。
  4. 保健所が行う事業に母性及び乳幼児並びに老人の保健に関する事項がある。

 

 


 

▶午前27

介護保険法に基づく地域支援事業について正しいのはどれか。

 

  1. 実施主体は保健所である。
  2. 包括的支援事業が含まれる。
  3. 家族介護を支援する事業はない。
  4. 地域支援事業に係る費用は介護報酬から支払われる。

 

 


 

▶午前28

がん患者の在宅療養支援における医療保険および介護保険の活用について正しいのはどれか。

 

  1. 同日に医療保険と介護保険の利用はできない。
  2. 居宅療養管理指導は医療保険による診療報酬の対象である。
  3. 訪問看護の利用にあたっては医療保険と介護保険のいずれかを利用者が選択できる。
  4. 40歳から65歳未満のがん患者は介護保険法で定める特定疾病の状態のときに介護保険が利用できる。

 

 


 

▶午前29

学校教育法に基づく特別支援教育について適切なのはどれか。

 

  1. 訪問教育の対象は中学生までである。
  2. 支援体制を確立するために校内委員会を設置する。
  3. 重度の肢体不自由児に対し通級による指導を行う。
  4. 特別支援学校の教員は研修を受けずに経鼻経管栄養を実施できる。
  5. 転校の手続きを取らなくても長期入院中であれば院内学級に通うことができる。

 

 


 

▶午前30

A地区では、豪雨による土砂災害から2か月が経つ。家屋が倒壊した被災者の仮設住宅への入居が始まり、新たなコミュニティの構築への支援が必要となった。A地区の仮設住宅入居者は単身高齢者が多く、かかりつけ医への受診以外に外出する機会がほとんどない。また、慣れない地域での不安を訴える声が聞かれた。
仮設住宅入居者の孤立を防止し、新たなコミュニティづくりを促進するためのA地区への支援として、最も適切なのはどれか。

 

  1. 茶話会の開催
  2. 在宅医療の拡充
  3. 電話相談の拡充
  4. 通所介護事業所の開設
  5. 訪問リハビリテーションの実施

 

 


 

▶午前31

分母として人口データが得られない場合に、疾病の罹患や死亡などの全発生数を分母に用いて、ある疾病や年齢区分での発生が占める割合を示す指標はどれか。

 

  1. 相対危険
  2. 相対頻度
  3. 累積罹患率
  4. 人口寄与危険
  5. 人口寄与危険割合

 

 


 

▶午前32改題

日本の死因別死亡率の年次推移を図に示す。
104am32h
説明として正しいのはどれか。

 

  1. 縦軸の死亡率は年齢を調整した値である。
  2. 死因Aが上昇傾向にある主な理由は野菜摂取量の減少である。
  3. 死因Bの平成7年の急激な低下は国際生活機能分類〈ICF〉改訂の影響である。
  4. 死因Cが低下傾向にある主な理由は血圧の管理である。
  5. 死因Dが低下傾向にある主な理由は食生活の見直しである。

 

 


 

▶午前33改題

健康日本21(第二次)における健康寿命について正しいのはどれか。

 

  1. 患者調査の結果を計算に用いる。
  2. 年齢別死亡率は計算に不要である。
  3. 日常生活に制限のない者の平均年齢である。
  4. 健康寿命の増加分を上回る平均寿命の増加を目標とする。
  5. 令和元年(2019年)の健康寿命と平均寿命の差は男性より女性が大きい。

 

 


 

▶午前34

日本における再興感染症はどれか。2つ選べ。

 

  1. 麻疹
  2. デング熱
  3. エボラ出血熱
  4. ウエストナイル熱
  5. 重症急性呼吸器症候群〈SARS〉

 

 


 

▶午前35

Aさん(20歳、男性)。1人暮らし。下肢に障害があり車椅子を利用しており、障害支援区分3である。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、Aさんが利用できる障害福祉サービスはどれか。2つ選べ。

 

  1. 行動援護
  2. 同行援護
  3. 居宅介護
  4. 生活介護
  5. 療養介護

 

 


 

▶午前36

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉における1類感染症はどれか。2つ選べ。

 

  1. コレラ
  2. 痘そう
  3. ペスト
  4. マラリア
  5. 急性灰白髄炎

 

 


 

▶午前37

疾病の罹患群や非罹患群のスクリーニングの要件で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 検査方法が対象者よりも測定者にとって受け入れやすい。
  2. 確定診断の手法が確立していない疾病も対象となる。
  3. 治療法が確立していない疾病も対象となる。
  4. 疾病予防対策の効率の向上が期待される。
  5. 測定者による結果の変動が少ない。

 

 


 

▶午前38

ある集団の特定健康診査で得られたBMIと血圧との関連を表すのに適した指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 散布度
  2. 四分位数
  3. 相関係数
  4. 変動係数
  5. 回帰係数

 

 


 

▶午前39

生活保護制度について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 扶助の種類は7種類である。
  2. 保護施設に更生施設がある。
  3. 日本国憲法第14条の理念に基づいている。
  4. 保護は世帯を単位とすることを原則とする。
  5. 介護扶助によって介護保険料が現金給付される。

 

 


 

▶午前40

40歳以上の男性を対象とした疫学研究で、虚血性心疾患死亡率(10万人年対)を観察した。虚血性心疾患死亡率は、喫煙群では40.0、非喫煙群では24.0であった。
このときの寄与危険割合を百分率で求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(26歳、女性)。会社員の夫と長女のBちゃん(1歳8か月)との3人暮らし。Bちゃんは1歳児健康診査を受診しており、異常はなかった。1歳6か月児健康診査が未受診だったため、地区担当の保健師が電話で次回の1歳6か月児健康診査の日程を連絡した。Aさんが電話に出たが、対応の声は小さく「Bは元気です。心配なことはありません」と言い、保健師の受診の勧めに応じなかった。保健師は「健康診査の会場でお渡しする予防接種の書類がありますので、受診できないようならお持ちしますね」と伝えて電話を切り、家庭訪問を行うこととした。

 

▶午前41

家庭訪問時、夫は会社に出勤しており不在であった。Bちゃんは一人歩きが可能で、意味のある言葉を発している。Aさんはマスクをしており、左眼の下から顎にかけて紫色に変色した内出血がある。玄関から見える室内は、ふすまが破れているなど荒んだ様子がみられる。
保健師が追加で確認するBちゃんの状態で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 偏食
  2. う蝕
  3. 身体の外傷
  4. オムツかぶれ

 

 


 

▶午前42

家庭訪問の間、Bちゃんは機嫌よく過ごしている。保健師が予防接種の書類の説明を行っている間、Aさんは顔を伏せたままであった。ドメスティック・バイオレンス〈DV〉のスクリーニングとして、保健師は「家庭訪問をした方にお聞きしている質問がありますのでお尋ねしますね」とAさんに説明してから質問を行った。
ドメスティック・バイオレンス〈DV〉のスクリーニングとして保健師が行う質問で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「今一番困っていることは何ですか」
  2. 「何もできないと落ち込むことがありますか」
  3. 「嫌なことがあってもすぐに忘れることができますか」
  4. 「パートナーといるときに怖いと感じることがありますか」

 

 


 

▶午前43改題

Aさんは「実は昨夜、夫に殴られました。半年くらい前から夫に殴られることが時々あります。今まで誰にも言えませんでした」と言う。Aさんには腹部にも大きなあざがあった。
このときの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Aさんの夫との面接を行う。
  2. Aさんの医療機関への受診を勧める。
  3. AさんとBちゃんの婦人保護施設への避難を勧める。
  4. 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉について説明する。

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(65歳、女性)。夫、長女および長女の子どもとの4人暮らし。長女の夫は単身赴任中である。Aさんは2か月前から軽い咳があったが、1週前から咳が激しくなり、倦怠感が出現したため自宅近くのかかりつけ医を受診した。胸部エックス線写真で異常陰影が認められ、病院を紹介された。喀痰塗抹検査陽性および結核菌PCR陽性のため肺結核と診断され、入院した。診断した医師から保健所に発生届が提出された。既往歴に特記すべきことはない。

 

▶午前44

Aさんの治療や検査について正しいのはどれか。

 

  1. 抗結核薬3剤で治療する。
  2. 薬剤感受性検査を実施する。
  3. 喀痰培養検査は不要である。
  4. インターフェロンγ遊離試験〈IGRA〉を実施する。

 

 


 

▶午前45

保健師が病院を訪問し、Aさんに確認した接触者の情報を表に示す。
104am45h
接触者健康診断におけるハイリスク接触者はどれか。

 

  1. 長女
  2. 長女の夫
  3. 長女の子ども
  4. 友人

 

 


 

▶午前46

入院から4週後、Aさんは服薬を自己管理できており、薬剤による副作用〈有害事象〉もみられていない。喀痰塗抹検査が連続して3回陰性となったため退院することとなった。病院を訪問した保健師にAさんから「服薬を続ける以外に、自宅に帰ってから結核をうつさないために私や家族が何かすることはありますか」と相談があった。
退院後の結核の二次感染予防について、Aさんに行う説明で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんと接する者はN95マスクをしてもらう。
  2. 長女の子どもとは服薬終了まで接触しない。
  3. 長女の夫にBCGの接種を勧める。
  4. 二次感染の予防対策は必要ない。
  5. Aさんが触れた物は消毒する。

 

 


 

次の文を読み47、48の問いに答えよ。

Aちゃん(日齢20、男児)は、両親と3人暮らし。出産の状態および早期新生児期の経過を記した母子健康手帳の一部を以下に示す。保健師は新生児訪問のため、6月30日に自宅を訪問した。訪問時のAちゃんは、身長49.5cm、体重3,150g。授乳後で機嫌よく活発に四肢を動かしていたが、その後は眠ってしまった。栄養は母乳のみで1日の授乳回数は8、9回程度、授乳間隔は約3時間であった。授乳前のオムツ交換のたびに排尿あり。排便は3〜5回/日。黄疸はない。顔面の湿疹および前頭部に脂漏性の湿疹あり。音への反応あり。父親の仕事の都合で、Aちゃんの1か月児健康診査は7月15日に予約している。
104am47h

 

▶午前47

新生児訪問時のAちゃんのアセスメントを行うために、追加で確認すべき情報で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 聴覚検査の結果
  2. 1回の授乳時間
  3. 股関節の開排の制限の有無
  4. 入浴時の石けんの使用の有無

 

 


 

▶午前48

保健師は、Aちゃんの新生児訪問時の状況を母子健康手帳に記載し、予防接種を受けるかかりつけの小児科クリニックを決めておくと良いことなどを説明した。保健師がAちゃんの母親に心配なことはないか聞くと「Aと視線が合わないことや、大きな音がしたときに驚いたように両手を広げることがあり、心配だ」と話した。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 1か月児健康診査の受診日を早めるよう勧める。
  2. Aちゃんの近くで大きな音を立てて反応を確認する。
  3. 新生児にみられる正常なことであり心配ないと説明する。
  4. 予防接種は病気の有無を確認してから受けるよう説明する。

 

 


 

次の文を読み49、50の問いに答えよ。

人口5万人、高齢化率34%のA市。主な産業は農業と農産加工業である。平成25年度から第2期特定健康診査等実施計画に基づき、60歳未満の特定健康診査受診率の向上および生活習慣病の予防対策に取り組んできた。今後は重症化予防に力を入れて取り組む予定である。特定健康診査実施後の結果を表に示す。
104am49h

 

▶午前49

この結果から読み取れるのはどれか。

 

  1. 特定健康診査受診率は今後横ばいとなる。
  2. 特定保健指導によって医療費が削減された。
  3. 特定保健指導によって健康状態が改善している。
  4. 60歳未満の者の特定健康診査受診率は今後増加する。
  5. 特定健康診査受診者のうち、メタボリックシンドローム該当者の割合は60歳未満より60歳以上で高い。

 

 


 

▶午前50

A市保健師は、A市郊外の農村地区にあるB地区を対象に、糖尿病の重症化予防に取り組むことにした。B地区は人口約3,000人、高齢化率44%であり、内科無床診療所が1か所あるが、市立総合病院までは車で30分かかる。糖尿病と診断されたことがある者の全戸訪問に取り組んだところ「B地区から市中心地区にある市立総合病院に受診すると、通院と待ち時間で半日以上必要なため、特に農繁期に治療を中断してしまう」と言う者が多かった。そこで保健師は、B地区の糖尿病患者が継続的に糖尿病の治療が受けられるよう検討することが必要であると考えた。
治療継続のための対策として最も適切なのはどれか。

 

  1. B地区での糖尿病患者会の発足
  2. 糖尿病の治療中断者への特定健康診査の受診勧奨
  3. B地区住民専用の市立総合病院への送迎バスの運行
  4. B地区診療所における月1回の糖尿病専門外来の開設

 

 


 

次の文を読み51、52の問いに答えよ。

Aさん(45歳、男性)。両親と3人暮らし。統合失調症で治療中。就労移行支援としてB事業所に週5日通所している。就労中に独語がみられるが、作業に支障はない。B事業所の生活指導員から市の保健師に「Aさんの父親が筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で入院している。70歳になるAさんの母親は事業所の家族会でも積極的に発言するなどしっかりしている。しかし、Aさんは、自分が父親を1人で介護しなくてはならないと思い込み悩んでいるので、支援して欲しい」と連絡があり、Aさんの希望でB事業所において地区担当の保健師が初回の面接を行った。

 

▶午前51

Aさんに対する保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 保健所保健師への相談を提案する。
  2. 父親の介護は母親に任せるよう提案する。
  3. 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の症状について説明する。
  4. 父親の介護について母親を交えて話し合うことを提案する。

 

 


 

▶午前52

その後Aさんの父親の病状が安定したため、関係者によるAさんの父親の退院に向けた検討会を実施した。検討会には、Aさんの希望で地区担当の保健師も出席した。父親は介護認定審査中であり、父親の主治医は在宅療養をするためには訪問介護の利用が必要であるとの意見であった。それに対しAさんは「知らない人が家に来るのが不安だ。自分の病気のことを理解してもらえるだろうか」と話した。
このときのAさんに対する保健師の説明で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの主治医に相談しましょう」
  2. 「訪問介護員はいつでも交代できますよ」
  3. 「Aさんがご自身の病気について説明するときに私も同席しますよ」
  4. 「お父さんのサービス利用はAさんが不在の時間帯に行いましょう」

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

A市は、平成18年に5つの市町村が合併してできた人口約6万人、高齢化率32%の市である。主要産業は漁業と農業である。市街地が分散しており、学校や福祉施設も多い。一部の町内会は活発に活動している。A市総合計画では、健康増進および居宅での介護体制の推進を掲げており、介護保険施設の入所定員は増やさない方針である。

 

▶午前53

A市の保健師は、健康相談のときに50歳代の住民から「自分の祖父母は70歳代から施設に入所していた。自分の親が80歳になり、できる限り自宅で暮らしたいと言っているが、将来自宅で親を看取ることについては想像がつかない」という話を聞いた。
市民全体の看取りの現状を把握するために収集する情報で優先されるのはどれか。

 

  1. 要介護認定者数
  2. 死亡場所別の死亡者数
  3. 長期入院中の高齢者数
  4. 介護保険施設の平均入所年数
  5. 介護保険の居宅サービスの利用者数

 

 


 

▶午前54

A市住民からは、「自宅で長く暮らしたい」という意見が多く聞かれた。一方で、従来とは労働形態や家族形態が変化し、高齢者のみの世帯も増えており、「1人では不安だ」との意見も聞かれる。
A市における共生社会の実現を目指して、保健師が取り組む事業で最も適切なのはどれか。

 

  1. 認知症予防教室
  2. 介護技術を学習する教室
  3. 住民相互の高齢者見守り活動の推進
  4. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉の見学会

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

従業員300人の文具会社。部署は開発部門、販売部門、広報部門に分かれている。この会社の定期健康診断の問診時の主訴で多かったのは、腰痛および眼の疲れであった。社内の健康管理室の保健師が、これらの主訴を配属別に分類したところ、腰痛は販売部門の配送センターの社員に特に多いことが分かった。配送センターには、注文に応じて商品の仕分け作業をする社員50人が働いている。健康管理室の保健師は、配送センターにおける腰痛への対策を行う必要があると考えた。

 

▶午前55

保健師が実施することで最も優先されるのはどれか。

 

  1. 職場巡視を行う。
  2. 腰痛を訴える者に保健指導を行う。
  3. 腰痛体操を休憩時間に行うことを計画する。
  4. 配送センターの社員に運動機能の測定を行う。

 

 

 

第104回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

公衆衛生看護の基本理念について正しいのはどれか。

 

  1. プライマリヘルスケアはバンコク憲章で定義された。
  2. 生存権の保障は日本国憲法第11条に規定されている。
  3. ノーマライゼーションは障害者福祉の基本理念となっている。
  4. ヘルスプロモーションは日本では健康フロンティア戦略で初めて取り入れられた。

 

 


 

▶午後2

グループの発展過程を準備期、開始期、作業期、終結期に分類したとき、準備期における支援者の役割として最も適切なのはどれか。

 

  1. グループの目的の共有を促す。
  2. グループの相互作用を促進させる。
  3. メンバー間の信頼関係の確立を図る。
  4. グループに参加する対象を理解する。

 

 


 

▶午後3

市民と行政とのパートナーシップを基盤とした保健施策の推進について最も効果的なのはどれか。

 

  1. 保健福祉計画の策定を市民の代表と行う。
  2. 行政情報を複数の方法で市民に公開する。
  3. 市民の意見を受け付ける専門の部署を設ける。
  4. 市民の代表から地域の課題を聞き取る機会を設ける。

 

 


 

▶午後4

仕事が忙しく少し体調が優れないので、休日に十分な睡眠をとり静養した。
この行動は健康段階別保健行動のどれか。

 

  1. 健康増進行動
  2. 予防的保健行動
  3. 病気回避行動
  4. 病気対処行動

 

 


 

▶午後5

Aさん(80歳、男性)。民生委員から「最近、Aさんが老人クラブに参加しなくなったので心配している」と地区担当保健師に相談があった。民生委員から、Aさんは妻が亡くなって1人暮らしとなり食事や生活が不規則になっていることや、一人娘は結婚して遠方に住んでいることを聞いた。
地区担当保健師の今後の支援として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 家庭訪問でAさんの状況を確認する。
  2. Aさんの娘に見守りを行うよう連絡する。
  3. 老人クラブのメンバーにAさんの参加の勧誘を依頼する。
  4. 地域包括支援センターの介護予防事業をAさんに紹介する。

 

 


 

▶午後6

保健師の家庭訪問の対象で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 要介護2の独居高齢者
  2. 特定健康診査の未受診者
  3. A群β溶血性レンサ球菌感染症の罹患が疑われる幼児
  4. 治療中断していると病院から連絡があった統合失調症患者

 

 


 

▶午後7

A町では、がん検診の受診率向上対策に取り組んだ結果、受診率が向上した。しかし、毎年、がん検診の精密検査の対象者の中に精密検査を受診していない者がいる。
精密検査の未受診者への受診勧奨として最も効果が高いのはどれか。

 

  1. 町の広報誌に精密検査の日時を掲載する。
  2. 保健師が精密検査の未受診者に家庭訪問を行う。
  3. コミュニティ放送で精密検査の受診を呼びかける。
  4. がん検診における集団指導で精密検査の必要性を伝える。

 

 


 

▶午後8

人口8,000人のA町では妊婦とそのパートナーを対象として、妊娠、出産および子育ての知識の習得を目的に両親学級を実施していたが、1回当たりの参加者が年々減少している。そこで、次年度は家族同士の交流を促進するプログラムを導入することにした。
A町の保健師が次年度の両親学級の具体的な内容を検討するにあたり分析する項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 両親学級の講師からの意見
  2. A町の合計特殊出生率の推移
  3. 近隣市町村の両親学級の実施状況
  4. 妊娠届出時の面接での聞き取り内容

 

 


 

▶午後9

母子保健活動の見直しのために地域診断を行うことになった。
地区担当保健師が最初に行うことで最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区内の子どもがいる世帯にアンケート調査を実施する。
  2. 乳幼児健康診査の問診票から相談内容の集計を行う。
  3. 子育て広場に来ている母親に聞き取り調査を行う。
  4. 地区にある保育所の保育士と連絡会議を行う。

 

 


 

▶午後10

市の各地域で認知症サポーター養成講座を実施した。
地域におけるコミュニティ・エンパワメントが最も引き起こされた状態はどれか。

 

  1. 講座を受講した住民の数が増えた。
  2. 認知症サポーター同士の交流が深まった。
  3. 家庭内で認知症の話をすることが増えた。
  4. 認知症を有する住民を見守るボランティアグループができた。

 

 


 

▶午後11

地域ケアシステムを構築するための会議の開催について最も適切なのはどれか。

 

  1. 参加メンバーを固定する。
  2. 問題が生じたときに開催する。
  3. 住民の代表をメンバーに加える。
  4. あらかじめ議論の方向性を決めておく。

 

 


 

▶午後12

Aちゃん(3歳4か月、男児)。両親と祖母との4人暮らし。市の3歳児健康診査に母親と来所した。階段の昇り降りはできるが、泣いていて言語の理解や精神発達の観察ができなかった。母親は「家では簡単な単語は出ている。仕事が忙しいので、平日はほとんど同居する夫の母にみてもらっている。夫の母は外出を好まず、家でテレビを観て過ごすことが多い」と話した。市では、地区乳幼児相談、3歳児健康診査事後教室および4歳児子育て教室を実施している。
このときの保健師の対応として最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区乳幼児相談への参加を促す。
  2. 3歳児健康診査事後教室への参加を促す。
  3. 日中の家庭訪問を早期に行うことを伝える。
  4. 4歳児子育て教室で経過を確認することを伝える。

 

 


 

▶午後13

精神保健医療福祉施策について正しいのはどれか。

 

  1. 精神通院医療は障害者基本法に規定されている。
  2. 市町村には基幹相談支援センターの設置義務がある。
  3. 精神障害者の在宅福祉サービスの実施主体は都道府県である。
  4. 精神疾患は医療計画で重点的に対策を推進する疾病に位置付けられている。

 

 


 

▶午後14

健康増進法に基づく健康増進事業による肝炎ウイルス検診について正しいのはどれか。

 

  1. 実施主体は都道府県である。
  2. 対象は満40歳以上の者である。
  3. 60歳から無料で検診が受けられる。
  4. 特定健康診査の検査項目に定められている。

 

 


 

▶午後15

口腔の疾患とその予防法の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. う蝕――フッ化物を塗布する
  2. 歯周病――塩分摂取を制限する
  3. 口内炎――ビタミンKを摂取する
  4. 顎関節症――硬い食品を強く嚙む

 

 


 

▶午後16改題

業務上疾病で正しいのはどれか。

 

  1. 職業性疾病と同義である。
  2. 産業医によって認定される。
  3. 使用者は必要な療養の費用を負担しなければならない。
  4. 令和3年(2021年)はじん肺症およびじん肺合併症が最も多い。

 

 


 

▶午後17

保健師が行う公衆衛生看護管理の事例管理はどれか。

 

  1. 子育ての支援者を育成する予算を確保する。
  2. 担当地域の地域診断を実施する。
  3. 対象者の支援計画を立案する。
  4. 地域の支援者を育成する。

 

 


 

▶午後18

A市の地域包括支援センターの保健師が、担当する要支援1のBさん(70歳、男性)を訪問した。Bさんは68歳の妻と2人暮らしだが、孫のCさん(17歳、高校2年生)が数日前から滞在していた。Cさんは妊娠30週であった。Cさんは他県で両親と3人で暮らしているが、A市の総合病院で出産予定のため、しばらくの間Bさん宅に滞在することが分かった。
現時点で保健師が連絡を取る先で最も適切なのはどれか。

 

  1. A市の地区担当保健師
  2. A市の総合病院の産婦人科
  3. Cさんの高校の養護教諭
  4. Cさんの住所地の地区担当保健師

 

 


 

▶午後19

耐糖能異常の頻度の地域比較調査を行ったところ、A地区では空腹時血糖で評価し、B地区では随時血糖で評価していたことが明らかになった。
疫学調査法におけるこのような問題点はどれか。

 

  1. 交絡
  2. 偶然誤差
  3. 選択の偏り〈バイアス〉
  4. 情報の偏り〈バイアス〉

 

 


 

▶午後20

地方自治体において、予算が会計年度の開始前に成立しないときに、必要な経費を支出できるよう組まれるのはどれか。

 

  1. 一般会計
  2. 暫定予算
  3. 特別会計
  4. 補正予算

 

 


 

▶午後21

健康上の問題がある児童生徒に対して、養護教諭を中心に行う個別の保健指導を規定しているのはどれか。

 

  1. 文部科学省設置法
  2. 学校保健安全法
  3. 学校教育法
  4. 教育基本法

 

 


 

▶午後22

管内の病院から、保健所に「複数の入院患者が多剤耐性菌に感染している」との報告があった。感染症担当の保健師は、患者の発生状況および病院が実施した対応について確認した後、立ち入り検査を行うこととなった。
立ち入り検査の根拠となる法律はどれか。

 

  1. 医療法
  2. 地域保健法
  3. 食品衛生法
  4. 労働安全衛生法

 

 


 

▶午後23

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉による介護保険法の見直し事項はどれか。

 

  1. 地域ケア会議の推進
  2. 地域密着型サービスの創設
  3. 介護予防訪問看護の地域支援事業への移行
  4. 市町村単位での医療機能の分化および連携の推進

 

 


 

▶午後24改題

令和3年(2021年)6月末における精神疾患を有する者の入院者数が最も多い入院形態はどれか。

 

  1. 措置入院
  2. 任意入院
  3. 医療保護入院
  4. 緊急措置入院

 

 


 

▶午後25

ソーシャル・キャピタルの醸成に最も効果的な地域保健活動はどれか。

 

  1. 認知症の専門医による講演会を開催する。
  2. 地域に出向き生活習慣病予防の健康教育を行う。
  3. 育児不安が強い母親を対象に相談会を開催する。
  4. 民生委員児童委員協議会と協働して乳児家庭全戸訪問事業を行う。
  5. 自立支援医療(育成医療)の申請があった児に対して家庭訪問を行う。

 

 


 

▶午後26

日本版21世紀型DOTS戦略推進体系図を示す。
104pm26h
【A】から【C】に入る語句の組合せで正しいのはどれか。

 

【A】――【B】――【C】

  1. 潜在性結核感染症の者を除く結核患者――訪問DOTS――連絡確認DOTS
  2. 潜在性結核感染症の者を除く結核患者――地域DOTS――コホート検討会
  3. 喀痰塗抹陽性の結核患者――訪問DOTS――連絡確認DOTS
  4. 全結核患者及び潜在性結核感染症の者――外来DOTS――連絡確認DOTS
  5. 全結核患者及び潜在性結核感染症の者――地域DOTS――コホート検討会

 

 


 

▶午後27

法律に基づく全国の疾病登録があるのはどれか。

 

  1. がん
  2. 糖尿病
  3. 脳卒中
  4. 慢性腎臓病
  5. マイコプラズマ感染症

 

 


 

▶午後28改題

平成22年(2010年)から令和3年(2021年)における日本の社会情勢の変化で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 完全失業率の増加
  2. 老年化指数の低下
  3. 平均世帯人員の減少
  4. 社会保障給付費の減少
  5. 65歳以上の雇用者数の増加

 

 


 

▶午後29

母子健康手帳の交付を受けるために保健センターに来所した女性から、公費の助成が受けられる妊婦健康診査について質問があった。
保健師の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「血液検査を毎回行います」
  2. 「保健指導の費用は自己負担です」
  3. 「公費の助成が受けられる医療機関が決まっています」
  4. 「血液検査の項目にはHIV抗体検査が含まれています」
  5. 「妊娠初期は2週に1回の健康診査が助成の対象になります」

 

 


 

▶午後30

歯科保健施策について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 歯科疾患実態調査は3年ごとに実施されている。
  2. 健康増進法によって歯周疾患検診が義務化された。
  3. 平成23年(2011年)に歯科口腔保健の推進に関する法律が施行された。
  4. 第一次国民健康づくり対策の課題の1つとして歯の健康が取り上げられた。
  5. 食育の推進の一助として噛ミング30〈カミングサンマル〉運動が行われている。

 

 


 

▶午後31

災害対策基本法に基づき都道府県が行う災害対策はどれか。2つ選べ。

 

  1. 防災のための調査研究
  2. 指定緊急避難場所の指定
  3. 都道府県地域防災計画の作成
  4. 避難行動要支援者名簿の作成
  5. 住民の自発的な防災活動の促進

 

 


 

▶午後32

直接法による年齢調整死亡率を算出する際に必要な情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 基準集団の死亡率
  2. 観察集団の死亡実数
  3. 観察集団の年齢別人口
  4. 基準集団の年齢別人口
  5. 観察集団の年齢別死亡率

 

 


 

▶午後33

測定値の偶然誤差の大きさを表す指標として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 分散
  2. 中央値
  3. 算術平均
  4. 標準偏差
  5. 最頻値〈モード〉

 

 


 

▶午後34

保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国勢調査は5年に1度実施される。
  2. 患者調査から死因別死亡率が得られる。
  3. 人口動態調査は2年に1度集計される。
  4. 国民生活基礎調査は2年に1度実施される。
  5. 国民健康・栄養調査の調査項目に腹囲がある。

 

 


 

▶午後35

医療提供体制について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療法において病床の種別は3つに分類されている。
  2. 医療計画には医療従事者の確保に関する事項を記載する。
  3. 日本の医療施設の病床数は過去10年間は増加傾向にある。
  4. 特定機能病院を称するには厚生労働大臣の承認が必要である。
  5. 診療所は20人以下の患者を入院させるための施設を有すると規定されている。

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(35歳、女性、無職)。夫(37歳、会社員)と幼稚園に通う長男(5歳)との3人暮らし。半年前から倦怠感および不眠症状のため近所の心療内科に通院しており、境界性パーソナリティ障害と診断されている。Aさんの体調が悪いときは、夫が家事や長男の世話をしているが、仕事で帰宅時間が遅いため十分に行えていない。最近はAさんと夫が口論することも増え、夫はAさんとの接触を避けるようになった。また、Aさんは人付き合いが苦手で近隣との関係が悪く、Aさんの両親や親戚との交流もない。

 

▶午後36

Aさんは受診の際、主治医に長男の世話ができないと訴えたところ、主治医から保健所への相談を勧められ、保健所に電話してきた。電話の内容から長男へのネグレクトが懸念されたため、翌日、担当保健師がAさんの自宅を訪問した。夫は仕事で不在であり、Aさん及び長男と面談した。部屋の中は比較的片付いている。長男は年齢相応の成長発達をしているが、衣服の汚れが目立つ。
この訪問において最も優先して把握しておくべきことはどれか。

 

  1. 長男の予防接種状況
  2. 家の中の他の部屋の状況
  3. 夫が長男の世話をする頻度
  4. Aさんと接しているときの長男の様子

 

 


 

▶午後37

家庭訪問後、担当保健師がAさん家族への継続支援を開始した。しばらくすると、Aさんから担当保健師に頻繁に電話がかかってくるようになり、泣きながら「今すぐ訪問に来て」と訴えることも多かった。このような状況が繰り返されるうちに、担当保健師はAさんに苦手意識をもつようになった。ある日、担当保健師の不在時にAさんの電話を受けた別の保健師に対して、Aさんが「今の担当保健師は冷たいので担当を替えてほしい。あなたに私の担当になってもらいたい」と訴えた。
このような状況への担当保健師の対応として正しいのはどれか。

 

  1. 担当保健師を軸に保健師間でのAさんへの対応を統一する。
  2. Aさんの主治医にAさんの入院について相談する。
  3. Aさんの希望に合わせて担当保健師を交替する。
  4. Aさんとの面接頻度を増やす。

 

 


 

▶午後38

Aさんへの支援のため、担当保健師は関係者を集めて会議を開催することにした。
初回の会議に招集するメンバーで優先度が低いのはどれか。

 

  1. 市の地区担当保健師
  2. Aさんの心療内科の主治医
  3. 児童相談所の虐待担当の職員
  4. 精神保健福祉センターの職員
  5. 長男の通園している幼稚園の職員

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

A市にある定員80人の保育所。乳児保育も実施している。8月1日(金)に、腹痛と下痢症状で4人の園児が欠席した。8月5日(火)に、新たに4人の園児が同様の症状で欠席した。さらに、8月1日(金)から欠席していた園児4人のうち2人は症状が落ち着いたが、他の2人が重篤な下痢症状によって入院したと保護者から連絡が入った。保育所長は感染症の発生を疑い、保健所の感染症担当の保健師に相談した。

 

▶午後39

相談を受けた保健所保健師が聞き取る情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 嘱託医への報告の有無
  2. 保育所でのイベントの開催状況
  3. 8月1日(金)より前の園児の欠席状況
  4. 社会福祉施設等主管部局への報告の有無

 

 


 

▶午後40

保育所長から相談があった8月5日(火)の夕方に、園児2人が入院しているA市内の病院から、園児2人の腸管出血性大腸菌感染症の発生届が提出された。
保健所の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 地域の医療機関へ情報提供を行う。
  2. 食品衛生監視員と保健師で立ち入り調査を行う。
  3. 保育所の保護者を対象とした説明会を開催する。
  4. 保育所のすべての園児および職員の検便を実施する。

 

 


 

▶午後41

8月6日(水)に、新たに2人の園児が下痢症状で欠席したと保育所から保健所に連絡があった。
このときの保健所の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 排泄習慣が確立していない園児に対する登園停止の指示
  2. 欠席していない園児の保護者との個別面接
  3. 保育所職員に対する汚物処理方法の指導
  4. 患児の担任保育士への就業制限

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

糖尿病の有無とがん発症との関連を検討するために、地域における特定健康診査の受診者の中でがんの既往がない男女1万人ずつの2万人を登録し、糖尿病の有無を調査した。この調査から5年後に新規のがん発症の有無を確認した。

 

▶午後42

この調査の研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. 生態学的研究
  4. 症例対照研究
  5. コホート研究

 

 


 

▶午後43

この集団では、がんの発症に男女差があることが分かった。そのため、男女別に結果を分析することにした。
この制御方法はどれか。

 

  1. 限定
  2. 層化
  3. 標準化
  4. 無作為化
  5. マッチング

 

 


 

▶午後44

脱落例がなかったと仮定して、男性1万人におけるベースライン時の糖尿病の有無別の5年間のがんの新規発症の有無を表に示す。
104pm44h
「糖尿病なし」に対する「糖尿病あり」のがん発症の累積罹患率比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

人口3万人のA市。市の面積の70%を山間部が占めており、主要産業は農業と畜産業などで、一次産業従事者が多い。人口の分布は市街地のB地区に集中しており、市役所、公共施設、医療施設および商業施設が集中している。高齢化率は38%、国民健康保険加入者は1万人である。平成20年度から導入された特定健康診査の受診実績は、事業開始時から現在まで20%台を推移しており県内最下位である。

 

▶午後45

A市の国民健康保険加入者の生活習慣病を改善するために見直すべき計画はどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療計画
  2. 地域福祉計画
  3. データヘルス計画
  4. 介護保険事業計画
  5. 特定健康診査等実施計画

 

 


 

▶午後46

A市の特定健康診査の受診率を5つの小学校区で比較すると、市街地のB地区が最下位である状況が続いている。A市では、従来は集団健診のみであった特定健康診査を、がん検診と組み合わせた健康診査、人間ドック、医療機関への委託による個別健康診査など様々な方式で行うことにした。また、B地区を受診勧奨の重点地区に設定し、個別訪問による受診勧奨を行うことにした。その上で、保健師はA市で実施している特定健康診査の評価をすることにした。
ストラクチャー評価に用いる指標で適切なのはどれか。

 

  1. 地区別受診率
  2. 協力医療施設の数
  3. 特定健康診査の実施回数
  4. 受診勧奨のための個別訪問件数

 

 


 

▶午後47

特定健康診査の実施方式の拡大などに取り組んだ結果、B地区の受診率は前年よりも向上したが他地区に比べて低く、特に男性の受診率は低いままである。受診率向上を目的とした家庭訪問の際に「病院にはいつでも行ける」、「病気とは無縁だ」、「病気が発見されるのが怖い」という声が多く聞かれた。保健師はB地区の住民に広く健康管理について啓発活動を行うことが必要と考え、健康診査の結果説明会を兼ねた「健康づくりの集い」を公民館で開催することにした。
B地区の健康づくりを活性化するために、企画をともに検討する者で最も適切なのはどれか。

 

  1. B地区小学校PTAの役員
  2. 自治会役員
  3. 健康推進員
  4. 民生委員

 

 


 

次の文を読み48、49の問いに答えよ。

A市は人口5万人の地方都市。地場産業である繊維工業などの小規模の事業所の就業者が、A市の産業別就業者の大部分を占める。郊外には大手自動車会社のB工場(従業員500人)があり、A市の住民200人が勤務している。A市では男性の健康寿命が短いことが問題視されており、男性の平均寿命は80.0歳(全国平均80.5歳)、健康寿命は67.0歳(同70.0歳)である。女性の平均寿命は87.0歳(同86.8歳)、健康寿命は74.0歳(同74.0歳)である。保健師は人口動態統計から主要死因別の標準化死亡比〈SMR〉を調べた。その結果を表に示す。
104pm48h

 

▶午後48

A市の健康寿命に影響する要因を明らかにするために、次に入手すべき情報はどれか。

 

  1. 特定健康診査受診率
  2. 疾患別の1人当たりの医療費
  3. 特定健康診査受診者の生活習慣
  4. 要介護認定者が罹患している疾患

 

 


 

▶午後49

A市では住民に対して健康意識調査を行った。男女ともに「塩辛い食べ物が好き」、「どこへ行くにも車で移動する」という意見が多く、就業者では「仕事が優先で健康のことは後回しになる」という意見が多かった。保健師がB工場の衛生管理者に問い合わせたところ、B工場の特定保健指導対象者の割合は全国平均よりも低いことが分かった。A市では、今後、医療保険医療費データを分析して成人期の生活習慣病対策を進めることにした。
分析に必要な情報を得るために連携する組織で優先されるのはどれか。

 

  1. 後期高齢者医療広域連合
  2. 全国健康保険協会
  3. 保険者協議会
  4. 健康保険組合

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(65歳、男性、無職)。妻との2人暮らし。定年退職後、年金の給付を受けて生活している。2年前から足の震えが出現したため病院を受診し、Parkinson〈パーキンソン〉病と診断された。定期的に病院を受診していたが、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢとなり、主治医から医療費助成の申請を勧められた。Aさんの妻が申請のため保健所に来所した。

 

▶午後50

難病の医療費助成制度についての妻への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「どの医療機関でも医療費助成が受けられます」
  2. 「負担上限月額は所得に応じて決まります」
  3. 「更新手続きには診断書は必要ありません」
  4. 「更新手続きは2年に1回必要です」
  5. 「医療費の自己負担は1割です」

 

 


 

▶午後51

保健所保健師は、医療費助成の手続きの際に決めた日時に家庭訪問をした。Aさんは「入浴や通院のときに不安を感じることがあるが、何とか自分のことは1人でできている」と話した。
初回訪問時に情報収集することで最も優先されるのはどれか。

 

  1. 経済状況
  2. 家族関係
  3. 住宅内の環境
  4. 近隣との付き合い

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

人口1万人のA市。5月23日に大規模な地震が発生し、家屋の倒壊などのため、住民の多くが避難所に避難した。地震発生から7日後、市の保健師は、避難所の巡回相談の際、被災者が夜間眠れずにいることが分かったが、それが主訴として現れないことから、大規模災害後の心の変化や対処方法を示したポスターを掲示した。また、他県から応援に来ている心のケアチームの精神科医に依頼し、災害後のストレス反応についての健康講座を行った。

 

▶午後52

ポスターの掲示や健康講座の開催によって、不眠や食欲不振を自覚して保健師に訴える被災者が増えた。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 栄養補助食品を配布する。
  2. 睡眠時間の記録をつけるよう促す。
  3. 心のケアチームと巡回相談の実施を調整する。
  4. 災害時の出来事について保健師に話すよう促す。

 

 


 

▶午後53

発災から2か月後、避難者は自宅や親戚宅、仮設住宅へ入居し、避難所は閉鎖された。その1か月後、保健師は仮設住宅の入居者への健康調査を実施することとした。
保健師の行う健康調査について最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区ごとに調査内容を変える。
  2. 仮設住宅の入居者の全戸訪問をする。
  3. 希望者にストレスチェックを実施する。
  4. 仮設住宅の集会所で聞き取り調査を実施する。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(14歳、女子、中学2年生)は、両親と弟(2歳)との4人暮らし。中学校入学直後からクラスになじめず、無気力な様子がみられ、1年生の3学期から不登校になっている。学級担任と養護教諭は定期的に家庭訪問を行い、Aさんと母親の気持ちを聞き状況把握に努めた。Aさんは教室には入りづらいが、学校に行くことにはそれほど抵抗はないようだった。2年生の2学期になって「保健室なら行けそう」という言葉が聞かれるようになった。そこで、中学校の校内委員会でAさんの保健室登校について話し合うこととなった。

 

▶午後54

保健室登校を開始するにあたり、養護教諭が他の職員とともに確認する事項で適切でないのはどれか。

 

  1. Aさんの保健室登校に対応できる職員の支援体制が整っていること
  2. Aさんの保護者から保健室登校に対する協力が得られていること
  3. 全教職員の保健室登校に対する共通理解が得られていること
  4. 保健室登校を終了する期日が設定されていること

 

 


 

▶午後55

Aさんは不定期な保健室登校ができる段階を経て、2年生の3学期からは毎日、保健室登校ができている。スクールカウンセラーとも数回の面接を行い「欠席のきっかけは友人関係だった」などと自分自身を振り返ることもでき、情緒的に安定してきた。最近では時々、学級担任に会いに教室に行けるようになった。保健室へ来室する数人の同級生と会話する様子もみられてきたことから、養護教諭は学級担任や他の職員と相談して、この機会に、Aさんが教室に登校できるように働きかけることにした。
養護教諭が行う支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 1週間当たりの教室に行く回数を決める。
  2. 保健室をAさんの居場所として定着させる。
  3. Aさんが興味のある科目から参加するよう勧める。
  4. 同級生に毎日保健室に迎えに来てもらうように依頼する。

 

 


 

資料 厚生労働省「第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

平成31年2月15日実施の第105回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第105回保健師国家試験目次

 

 

第105回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

市町村に勤務する保健師が、業務上知り得た人の秘密を、他に漏らしてはならないことを規定しているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 地域保健法
  3. 地方公務員法
  4. 地域保健対策の推進に関する基本的な指針

 

 


 

▶午前2

日本で、いわゆる公害病が公衆衛生上の問題として認識され始めた時期はどれか。

 

  1. 1940年から1950年代
  2. 1960年から1970年代
  3. 1980年から1990年代
  4. 2000年以降

 

 


 

▶午前3

保健師が生後14日の乳児のいる家庭に家庭訪問した。児の体重増加量は1日当たり30gであった。母親は母乳を1日平均10回、2〜3時間間隔で授乳しており、母乳育児を続けたいと希望していた。
児が1か月児健康診査を受診するまでの母親への指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「赤ちゃんが泣いた時に授乳しましょう」
  2. 「食事以外にも水分を十分に摂りましょう」
  3. 「1回の授乳時間は30分以上にしましょう」
  4. 「乳房が張るまで待ってから飲ませましょう」

 

 


 

▶午前4

Aちゃん(生後5か月、男児)。定期予防接種であるBCG接種を受けた。接種7日後に、母親が保健センターに来所し、地区担当保健師に「接種したところが腫れているが大丈夫か」と相談があった。接種部位の写真を別に示す。
105am4h
母親に対する地区担当保健師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 「入浴は控えましょう」
  2. 「免疫がついた証拠です」
  3. 「すぐに小児科を受診してください」
  4. 「接種後3か月程度で自然に治ります」

 

 


 

▶午前5

双子の育児をしている母親が、1歳6か月児健康診査の受診時に「双子の子育ては大変です。子どもたちが言うことを聞かないと、つい叩いてしまいそうになります。私は、幼少のころ母親から殴られて育ちました。このままでは虐待をしてしまうのではないかと不安です」と保健師に訴えた。
母親に対する保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 双子の親の会を紹介する。
  2. 保育所の利用を提案する。
  3. 家庭訪問をして話を聞くことを約束する。
  4. よくあることだから気にすることはないと言う。

 

 


 

▶午前6

市の保健センターの保健師が受け持ち地区の家庭訪問計画を立てる際に最も優先すべきケースはどれか。

 

  1. 出産病院が未定の妊娠36週の妊婦
  2. 経過の良好な出生時体重2,100gの生後3か月児
  3. 児の体重増加を心配している生後2か月児の母親
  4. 忙しいからと新生児訪問を断っている生後1か月児の母親

 

 


 

▶午前7

地域組織への保健師の支援で適切なのはどれか。

 

  1. 委員型の住民組織では仲間づくりを行う。
  2. 健康問題型の当事者組織では仲間づくりを行う。
  3. ライフステージ型の当事者組織では研修計画を立てる。
  4. 地縁型の住民組織では活動があるときにメンバー募集をする。

 

 


 

▶午前8

A市は、10年前より各行政区で健康講座を開催し、受講者を健康推進員に任命して市の保健事業の支援を依頼している。
健康推進員の主体性を高めるための保健師の支援で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 健康推進員による活動実践の報告会の実施
  2. 保健事業以外の市の事業での役割づくり
  3. 健康推進員の活動手引きの作成
  4. 新たな健康推進員の養成

 

 


 

▶午前9

A市では高血圧予防を重点課題として取り組みを進めている。今回、食生活改善を希望している人に対して、減塩料理教室を開催することにした。
この教室のプロセス評価で適切なのはどれか。

 

  1. 減塩達成者の割合
  2. 参加者の募集方法
  3. 参加者の血圧の低下
  4. 参加者の食生活の変化

 

 


 

▶午前10

年代と母子保健施策の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 昭和17年(1942年)――母子健康手帳の制度化
  2. 昭和36年(1961年)――1歳6か月児健康診査開始
  3. 昭和52年(1977年)――3歳児健康診査開始
  4. 平成9年(1997年)――新生児訪問が市町村へ移管

 

 


 

▶午前11改題

令和4年(2022年)の女性の労働に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 育児休業取得率は90%を超えている。
  2. 労働力人口比率は60%を超えている。
  3. 30歳代の就業率は40歳代よりも低い。
  4. 平均勤続年数は20年前よりも短くなっている。

 

 


 

▶午前12

Aさん(25歳、男性)。1人暮らし。1か月前から、自宅で大声を出したり、独り言を言っている。近隣住民3名が保健所に来所し「Aさんの状況が悪化し住民に危害があったら大変だ。精神科に入院させてほしい」と訴えた。保健師は、Aさんの家族からも相談を受けていた。
近隣住民3名に保健師が伝えることで適切なのはどれか。

 

  1. 保健師がAさん宅を訪問する予定であること
  2. Aさんの家族からも相談を受けていること
  3. 保健所では入院の相談に応じられないこと
  4. 保健師が把握しているAさんのこれまでの経緯

 

 


 

▶午前13改題

令和3年(2021年)1月から12月の感染症発生動向調査報告において、国内で発生が報告されているのはどれか。

 

  1. エボラ出血熱
  2. 腸管出血性大腸菌感染症
  3. 中東呼吸器症候群(MERS)
  4. 重症急性呼吸器症候群(SARS)

 

 


 

▶午前14

産業保健における作業管理に該当するのはどれか。

 

  1. 定期的に健康診断を行う。
  2. 工場内の騒音を測定する。
  3. 労働時間内に休憩時間をとる。
  4. 作業場に排気装置を設置する。

 

 


 

▶午前15改題

法令に定められた有害業務従事者に対する特殊健康診断の令和2年(2020年)と令和3年(2021年)の有所見率を表に示す。
105am15h
【 A 】の種別はどれか。

 

  1. 除染等電離放射線
  2. 高気圧
  3. じん肺

 

 


 

▶午前16

災害派遣医療チーム〈DMAT〉で正しいのはどれか。

 

  1. 活動の開始は発災時からおおむね48時間以後である。
  2. 市町村からの要請に応じて活動する。
  3. 活動先の調整は総務省消防庁が行う。
  4. 広域医療搬送活動に従事する。

 

 


 

▶午前17

都道府県や市区町村において統括的な役割を担う保健師の活動で最も適切なのはどれか。

 

  1. 住民への総合相談を実施する。
  2. 組織横断的な総合調整及び推進を行う。
  3. 地区担当制による地区活動を実施する。
  4. 広域的かつ専門的な保健サービスを行う。

 

 


 

▶午前18

現行の後期高齢者医療制度の運営における医療給付の財源負担で正しいのはどれか。

 

  1. 後期高齢者支援金は45歳以上75歳未満の者の医療保険料から拠出される。
  2. 国、都道府県および市町村による公費が全体の約5割を占めている。
  3. 高齢者が医療機関を受診した時の自己負担額は無料である。
  4. 後期高齢者による保険料は全体の約2割を占めている。

 

 


 

▶午前19

公衆衛生行政の制度・対策と法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 大気汚染の監視――大気汚染防止法
  2. 労働者の健康診断――労働基準法
  3. 食品等の収去検査――食品安全基本法
  4. 小学校における保健学習――学校保健安全法

 

 


 

▶午前20

医療安全対策で正しいのはどれか。

 

  1. 産科医療補償制度は医療法に基づき実施されている。
  2. 医療事故調査は病院の管理者に義務付けられている。
  3. 都道府県に医療安全支援センターの設置が義務付けられている。
  4. 都道府県知事は医療事故調査・支援センターを指定することができる。

 

 


 

▶午前21

現行の自殺対策基本法で正しいのはどれか。

 

  1. 自殺者の親族等に対する支援が目的に含まれる。
  2. 事業主の責務に長時間労働の禁止を規定している。
  3. 保健所に自殺総合対策会議の実施を義務付けている。
  4. 市町村に自殺予防総合相談窓口の設置を義務付けている。

 

 


 

▶午前22改題

令和2年(2020年)に実施された患者調査のうち高齢者の調査結果で正しいのはどれか。

 

  1. 入院患者では65歳以上が約7割を占めている。
  2. 外来患者では65歳以上が約8割を占めている。
  3. 年齢階級別外来受療率(人口10万対)では90歳以上が最も高い。
  4. 年齢階級別入院受療率(人口10万対)では75〜79歳が最も高い。

 

 


 

▶午前23

公衆衛生看護活動で用いるハイリスクアプローチはどれか。

 

  1. 母子健康手帳交付時に喫煙防止のリーフレットを渡す。
  2. 肥満予防のリーフレットを健診結果通知に同封する。
  3. 小学校と連携して赤ちゃん抱っこ体験学習を行う。
  4. 自治会と連携して健康セミナーを開催する。
  5. 血圧が高めの人に減塩方法を指導する。

 

 


 

▶午前24

いわゆる成人病の対策に生活習慣の改善による発症予防の考えを導入した国の施策で、生活習慣病の呼称を最初に用いたのはどれか。

 

  1. 第1次国民健康づくり対策
  2. 第2次国民健康づくり対策
  3. 健康づくりのための運動指針
  4. 健康日本21
  5. 健康づくりのための睡眠指針

 

 


 

▶午前25

市の乳児健康診査において股関節開排制限の有無について確認を行い、片側に異常を認めた児の状況を図に示す。
105am25h
この時に確認できた児の状況で正しいのはどれか。

 

  1. 左側の足の長さが右側より長い。
  2. 右側の鼠径部の皮膚溝が左側より深い。
  3. 右側の大腿部のしわの数が左側より多い。
  4. 左側の股関節の開排が正中より70度以下である。
  5. 右側の股関節の開排が正中より120度以上である。

 

 


 

▶午前26

健康日本21(第二次)の目標で正しいのはどれか。

 

  1. 喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及
  2. 週労働時間60時間以上の雇用者の割合の減少
  3. メタボリックシンドロームの認知度の向上
  4. アルコール依存症の患者数の減少
  5. 糖尿病治療者数の減少

 

 


 

▶午前27

危険因子に曝露した群の罹患リスクの、曝露していない群の罹患リスクに対する比はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 有病率
  3. 致命率
  4. 寄与危険
  5. 相対危険

 

 


 

▶午前28

コホート研究と比較した症例対照研究の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 研究期間が長い。
  2. 相対危険が直接計算できる。
  3. まれな疾病の研究に適している。
  4. 事象の発生順序が明らかである。
  5. 情報の偏り〈バイアス〉が少ない。

 

 


 

▶午前29

症例対照研究における交絡因子の制御方法はどれか。

 

  1. 無作為化
  2. マッチング
  3. 単変量解析
  4. ブラインド法
  5. 対象者数の増加

 

 


 

▶午前30

散布度に含まれるのはどれか。

 

  1. 中央値
  2. 最頻値
  3. 相関係数
  4. 標準偏差
  5. 平均(算術平均)

 

 


 

▶午前31

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉において、地域包括ケアシステムとして包括的に確保されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 介護予防
  2. 年金保険
  3. 雇用の促進
  4. 自然とのふれあいの推進
  5. 自立した日常生活の支援

 

 


 

▶午前32

学校保健の歴史的変遷で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 学制発布によって学校衛生の施策が始まった。
  2. 痘そうの蔓延によって学校看護婦が置かれた。
  3. 昭和16年(1941年)に学校看護婦は養護教諭に名称変更された。
  4. 学校教育法の改正によって養護教諭の保健授業担当が可能になった。
  5. 学校保健法の改正によって学校保健安全法が制定された。

 

 


 

▶午前33

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉の五類感染症のうち、直ちに届け出る必要があるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 麻しん
  2. 百日咳
  3. 破傷風
  4. 侵襲性髄膜炎菌感染症
  5. Creutzfeldt-Jakob〈クロイツフェルト・ヤコブ〉病

 

 


 

▶午前34

学校保健における組織活動で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 校長は学校保健活動を管理する。
  2. 学校保健計画は副校長が策定する。
  3. 保健主事は学校保健活動を総括する。
  4. 養護教諭は保健室経営計画を立案する。
  5. 学校保健委員会は地域との連携を推進する。

 

 


 

▶午前35

市では乳幼児健康診査の集団指導において、防災および災害対策についての普及啓発を図ることとした。
集団指導の内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 風呂の水をためておく。
  2. 母子健康手帳を常時携帯する。
  3. 最低1日分の食料品を備えておく。
  4. 停電時にはブレーカーを入れておく。
  5. 非常用の持ち出し品はバッグに入れておく。

 

 


 

▶午前36

予防接種法で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 予防接種を受けることは国民の義務である。
  2. 定期予防接種の実施責任者は都道府県知事である。
  3. 定期予防接種は一類疾病と二類疾病に類型化されている。
  4. 定期予防接種の副反応による健康被害の救済が規定されている。
  5. 予防接種の総合的な推進を図るための予防接種基本計画が定められている。

 

 


 

▶午前37

市町村保健師における業務管理に該当するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健事業の質的評価
  2. 担当する支援対象者の評価
  3. 計画的人員配置の成果評価
  4. 地方公務員としての能力評価
  5. 協働して事業実施をした関係者に及ぼした影響評価

 

 


 

▶午前38

日本の人口に関する指標のうち、平成23年(2011年)以降、増加傾向にあるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 総人口
  2. 老年化指数
  3. 従属人口指数
  4. 年少人口割合
  5. 生産年齢人口割合

 

 


 

▶午前39

地域保健・健康増進事業報告で把握されるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 糖尿病の総患者数
  2. エイズに関する相談件数
  3. 退院患者の平均在院日数
  4. 乳児の健康診査の受診率
  5. 脳血管疾患の年齢調整死亡率

 

 


 

▶午前40

健康増進法に基づき市町村が実施するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 栄養指導員の任命
  2. 健康手帳の交付
  3. 骨粗鬆症検診
  4. 特定健康診査
  5. 妊婦健康診査

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

A市内にある入所定員100人の介護老人保健施設。ショートステイも実施している。2月3日(月)に入所者と職員の13人が嘔吐と下痢などの症状を発症した。発症した入所者は全員、施設内の厨房で調理された給食を各階の食堂で食べており、食中毒の発生を疑った施設長から、保健所に電話で相談があった。相談を受けた保健所は、医師を含む調査チームを組んで施設に現地調査に向かうことにした。

 

▶午前41

調査チームのメンバーで適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 薬剤師
  2. 保健師
  3. 管理栄養士
  4. 環境衛生監視員
  5. 食品衛生監視員

 

 


 

▶午前42

施設への現地調査の結果、調理従事者の直近の検便結果に異常はなく、冬期のため乳幼児の面会は制限していたことがわかった。また、通常、職員は1階と2階とで担当が分かれているが、2月1日(土)に1階のショートステイで嘔吐・下痢の発症者が増えたため、2階の職員が1階のショートステイ利用者の吐物の処理や介護を行っていた。ショートステイ利用者と入所者、職員等について、発症日と発症者数等を表に示す。
105am42h
今回の感染経路で「ショートステイ利用者からの感染」のほかに可能性が高いのはどれか。

 

  1. 面会者からの感染
  2. 給食食材からの感染
  3. 介護職員からの感染
  4. 調理従事者からの感染

 

 


 

▶午前43

今回の感染症は、ノロウイルスによる感染と判明した。2月10日(月)に、施設から保健所に「8日(土)以降は新たな発症者もなく、患者も快方に向かっている」と報告があり、集団発生の終息の時期について相談があった。
終息時期で適切なのはどれか。

 

  1. 初発患者の発生から1年後
  2. 最後に症状のあった患者の発生から1か月後
  3. 施設から提出された報告書によって保健所が判断
  4. 一定期間、新たな患者が発生しないことを確認して保健所が判断

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

人口10万人のA市では、脳血管疾患の死亡割合が全国と比較して大きいことが明らかになった。そこで、脳血管疾患の予防対策の一環として血圧に注目し、一部の市民を対象とした塩分摂取量の把握のための聞き取りによる食事調査を行うこととした。

 

▶午前44

調査者の主観が影響しにくい標本を選ぶ方法はどれか。

 

  1. 制限
  2. 応募法
  3. 無作為抽出
  4. マッチング
  5. 無作為化(割付)

 

 


 

▶午前45改題

調査の対象者の塩分摂取量を評価するため、令和元年(2019年)の全国の結果と比較することにした。
比較するのに有用な統計資料はどれか。

 

  1. 国勢調査
  2. 医療施設調査
  3. 国民生活基礎調査
  4. 国民健康・栄養調査

 

 


 

▶午前46

調査の結果、全国と比較して塩分摂取量が多く、さらに塩分摂取量が多い対象者の血圧は、塩分摂取量が少ない対象者と比較して高いことが分かった。調査結果を表に示す。
105am46h
高血圧に関して「塩分摂取量が多い」の「塩分摂取量が少ない」に対するオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

平成26年(2014年)の医療法改正に伴い、A県は平成28年度(2016年度)の第6次医療計画に地域医療構想を追記した。A県および構想区域B、Cについて、厚生労働省の示す地域医療構想策定ガイドラインにより推計された2025年の必要病床数推計値を表に示す。
105am47h

 

▶午前47

A県および構想区域B、Cの2025年の必要病床数推計値の説明で正しいのはどれか。

 

  1. A県全体での急性期の必要病床数推計値の割合は全国の値より低い。
  2. 構想区域Cの回復期の必要病床数推計値の割合はA県全体より低い。
  3. 構想区域B及びCの慢性期の必要病床数推計値の割合は同じである。
  4. 構想区域Bの高度急性期の必要病床数推計値はA県の5割を占めている。

 

 


 

▶午前48

構想区域Cを所管する保健所では、必要病床数推計値に地域の実情を反映するために、管内の市町村と協働して18歳から64歳までの住民を無作為抽出し、独自に調査票送付によるアンケートを行うことにした。
アンケートの質問項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. よく利用する医療機関の所在地
  2. 利用したい介護保険事業所のサービス
  3. 地域に不足していると感じる医療機能
  4. 緊急時に受診したい医療機関の所在地

 

 


 

▶午前49

構想区域Cを所管する保健所の保健師は、地域医療構想に基づく切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築を、実際にどのように行っていくかについて、市町村の保健師と話し合いを行うことにした。
初回に検討する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. A県の第6次医療計画
  2. 市町村ごとの入院患者の状況
  3. 2025年の医療機能別の必要病床数推計値(全国ベース)
  4. 市町村ごとの介護給付における居宅サービスの利用状況

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aちゃん(3歳1か月、男児)。身長49cm、体重3,100gで出生した。市の3歳児健康診査に母親と来所した。自記式の問診票では、目・耳に関する特記事項はなく、相談したいことの欄には「昼間のおむつは取れたが、時々おしっこは失敗することがある」と記入されていた。生後11か月時に、鼠径ヘルニアによる手術の既往がある。今回の計測の結果は、身長90cm、体重11kgであった。過去の健康診査結果では、4か月児健康診査、1歳6か月児健康診査とも特記すべき事項はなかった。

 

▶午前50

問診時、Aちゃんに対するアセスメント項目で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 体重
  2. 排泄
  3. 聴力
  4. 外科的疾患の既往

 

 


 

▶午前51

問診の場面で、母親は「Aは友達と活発に遊び、食欲も旺盛でとても元気です」と話した。Aちゃんは机の上に置いてある紙や鉛筆に興味を示し、保健師と母親を交互に見ていた。
Aちゃんの発達を評価するために、保健師がAちゃんに直接行う質問として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「お口はどこですか」
  2. 「お名前はなんですか」
  3. 「この絵の中で犬はどれですか」
  4. 「昨日は何をして遊びましたか」
  5. 「2つの丸のうち大きいのはどちらですか」

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

人口8万人のA市。定年が近い世代が多く居住しており、高齢化率は25%、要介護認定率17%、夜間人口が昼間人口に比べて高い。平成28年(2016年)の特定健康診査の実施率は45%、特定保健指導の対象者割合は20%であり、対象者には中性脂肪高値、次いで空腹時血糖高値を示す人が多い。特定保健指導対象者は増加傾向であるが、終了者はむしろ減少している。そこで、次年度から生活習慣病の重症化予防を目標に掲げ、重点的に取り組む計画である。

 

▶午前52

A市の状況から、生活習慣病の重症化予防対策を行う集団で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 特定健康診査の受診者
  2. 特定健康診査の未受診者
  3. 特定健康診査の有所見者
  4. 特定保健指導の対象者
  5. 特定保健指導の未終了者

 

 


 

▶午前53

A市では年々医療費が増大傾向にある。そのことを踏まえて、次年度から5か年の目標を設定し、生活習慣病の重症化予防のための事業計画を立案することになった。
目標として設定する指標で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 人工透析の新規導入者数
  2. 定期的に運動する人の数
  3. 特定健康診査受診者数
  4. がんによる死亡者数
  5. 要介護認定者数

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(62歳、女性)。夫(67歳)と次男夫婦(ともに30代、会社員)の4人暮らしである。起立時にふらつきが見られたため、専門病院を受診したところ、脊髄小脳変性症と診断された。難病の医療費助成の申請書が保健所に届き、保健師は家庭訪問を実施した。Aさんは起立時にふらつくことはあるが、日常生活動作〈ADL〉は自立、専門病院に月1回、一人で受診している。既往歴に特記すべきことはない。脊髄小脳変性症については医師より病名の告知、説明は受けている。Aさんは料理が好きで、食事の準備はAさんが行っている。

 

▶午前54

現時点で、保健師が行うAさんの支援で適切なのはどれか。

 

  1. 嚥下訓練の導入を計画する。
  2. コミュニケーション手段を確立する。
  3. 料理が継続できるよう環境を整える。
  4. 訪問看護を導入し、ケア体制を整える。

 

 


 

▶午前55

保健師が描いたAさん宅1階の見取り図を示す。Aさんと夫は1階で生活をし、日中はリビングで過ごし、夜は和室で布団に寝ている。2階は次男家族が使用している。台所とリビング、浴室は1階のみにあり、大きな段差は廊下から玄関に降りるところのみである。
105am55h
Aさんの生活環境を改善するために現時点で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 夜間のポータブルトイレの使用
  2. 夫婦の寝室を2階に移動
  3. 玄関にスロープを設置
  4. ベッドの使用

 

 

 

第105回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

家族の発達段階と発達課題の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 新婚期――生きがいや心身の自立
  2. 教育期――保育としつけ
  3. 排出期――夫婦関係・生活の調整
  4. 向老期――夫婦関係の形成

 

 


 

▶午後2

世界保健機関〈WHO〉の行う活動で正しいのはどれか。

 

  1. 開発途上国の保健医療従事者の研修員の受け入れ
  2. 戦争や内戦で被害を受けている子どもの支援
  3. 難民に関する国際的な諸規定の監督
  4. 予防接種拡大計画の推進

 

 


 

▶午後3

A市の保健師活動において、地域住民が支え助け合える関係づくりを最も促進する活動はどれか。

 

  1. A市の健康増進計画を策定する。
  2. 地域の自治会長の意見を聞く場を設ける。
  3. 住民組織のネットワーク会議を開催する。
  4. 高齢者虐待防止のキャンペーンを実施する。

 

 


 

▶午後4

平成12年(2000年)の地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律の改正内容や施行後の行政の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 地域の特性に合わせた施策の展開を行いやすくなった。
  2. 生活保護は機関委任事務制度によって行われるようになった。
  3. 国民健康保険の給付は法定受託事務によって行われるようになった。
  4. 平成の市町村合併後の平成22年(2010年)には市町村数が2/3になった。

 

 


 

▶午後5

Aさん(80歳、女性)。認知症。1人暮らしで身寄りはない。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱa、要介護1。最近、銀行の現金自動預け払い機〈ATM〉で頻回にお金を引き出すAさんを見かけて心配した銀行員から、地域包括支援センターに連絡があった。保健師が家庭訪問すると、家の中に最近購入したと思われる高価な商品が複数置かれていた。
保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 特別養護老人ホームへの入所を勧める。
  2. 成年後見制度利用支援事業を紹介する。
  3. 民生委員に訪問してもらう。
  4. 訪問看護の利用を勧める。

 

 


 

▶午後6

Aさん(54歳、女性)。会社で実施した特定健康診査の結果、特定保健指導の積極的支援の対象者として、保健指導の予約を入れるように会社の健康管理の担当者から連絡を受けた。Aさんは「保健指導を受けると、今までの食事の見直しを指導されるかもしれないが、病気を防いで健康に暮らすことができる」と考えた。
Aさんの考えはヘルス・ビリーフ・モデルにおける構成要素のどれか。

 

  1. 疾病の重大さの自覚
  2. 予防行動の利益の自覚
  3. 疾病にかかる可能性の自覚
  4. 必要な行動をうまく実行できる確信の自覚

 

 


 

▶午後7

VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインに基づき、1日4時間以上のデータ入力を行う社員に対する産業保健師の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 椅子には浅く腰かける。
  2. ディスプレイからは30cm以内の視距離にする。
  3. 一連続作業時間が1時間を超えないようにする。
  4. キーボードの周辺と部屋の明るさの差を大きくする。

 

 


 

▶午後8

労働安全衛生法に基づき、労働者50人未満の事業者に義務付けられているのはどれか。

 

  1. 産業医の選任
  2. 衛生委員会の設置
  3. ストレスチェックの実施
  4. 長時間労働者への医師の面接指導

 

 


 

▶午後9

避難行動要支援者で、発災直後に最も優先して安否確認するのはどれか。

 

  1. 在宅人工呼吸療法をしている筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉患者
  2. デイケアに通所している統合失調症患者
  3. 介護認定で要支援2の認知症高齢者
  4. 出産予定月の妊婦

 

 


 

▶午後10

A市では、自然災害によって一部の家屋に床上浸水の被害があった。
住民やボランティアが泥のかき出しや片付けを行うにあたり、保健所の感染症担当の保健師が行う保健指導の内容で適切なのはどれか。

 

  1. 窓は閉めて行う。
  2. 次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を噴霧する。
  3. 消毒液は使用する濃度に前日に作り置きしておく。
  4. 衣類は洗濯する前に80℃のお湯に10分以上つける。

 

 


 

▶午後11

県の保健所に住民から「うつ病で通院中なので、医療費を公費で負担してくれる制度の内容や手続きについて知りたい」という電話相談があった。
保健所保健師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「県の保健所が申請窓口です」
  2. 「精神保健福祉法に基づく制度です」
  3. 「世帯の所得に応じて負担上限額があります」
  4. 「お住まいの市が医療費受給の判定を行います」

 

 


 

▶午後12

公衆衛生看護管理の機能と内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 人事管理――計画的人員配置
  2. 事業管理――指示命令系統の形成
  3. 予算管理――人材育成方針の作成
  4. 情報管理――地区活動計画の進捗状況の把握

 

 


 

▶午後13

人口〈集団〉寄与危険割合を直接計算するのに必要な情報はどれか。

 

  1. 全死亡数
  2. 累積罹患数
  3. 平均有病期間
  4. 対象集団の疾病頻度

 

 


 

▶午後14

大腸がんの危険因子はどれか。

 

  1. 肥満
  2. 熱い飲食物
  3. アフラトキシン
  4. ヘリコバクター・ピロリ

 

 


 

▶午後15

2群間の平均の差の検定に用いるのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 回帰分析
  3. χ2〈カイ2乗〉検定
  4. Fisher〈フィッシャー〉の直接確率法

 

 


 

▶午後16

社会福祉制度において権利擁護を目的として行われているのはどれか。

 

  1. 障害者に対する公費負担医療制度
  2. ニーズに応じた就労支援
  3. 福祉サービスの利用援助
  4. 生活資金の貸し付け

 

 


 

▶午後17改題

令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査において80歳で20本以上の自分の歯を有する者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 30%
  3. 40%
  4. 50%

 

 


 

▶午後18

A事業所の保健師は禁煙を希望する職員に対し、グループ活動を通して支援を行うことにした。
初回のグループワークにおける保健師の支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. グループの支援計画を作成する。
  2. グループメンバー同士の助け合いを推奨していく。
  3. グループ支援において生じる問題や障害を予測する。
  4. グループ活動に関連する関係者とネットワークをつくる。
  5. グループワークの目標についてグループメンバー間で合意を得る。

 

 


 

▶午後19

市では、希望者による生活習慣病予防の運動教室を実施している。事業担当の保健師は、運動教室の終了後に自主的に活動するグループづくりを目指している。
グループづくりのため、運動教室開催中に保健師が取り組む内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 問題意識の共有
  2. メンバーの社会化
  3. ロールモデルの設定
  4. 情緒的サポートを受ける機会
  5. 権利擁護〈アドボカシー〉の自覚

 

 


 

▶午後20

系統誤差の原因はどれか。

 

  1. マッチング
  2. 高い追跡率
  3. 低い抽出率
  4. 無作為化(割付)
  5. 検者間の測定差

 

 


 

▶午後21

国際疾病分類〈ICD〉に基づいた統計が含まれるのはどれか。

 

  1. 国勢調査
  2. 人口動態調査
  3. 医療施設動態調査
  4. 国民生活基礎調査
  5. 国民健康・栄養調査

 

 


 

▶午後22

職場の健康診断で肥満傾向であった者から、体重を減らしたいと産業保健師に相談があった。
保健師がコーチングの手法を用いて支援しているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 必要な1日の食事量を伝える。
  2. 運動のプログラムを作成し提示する。
  3. 本人が実施すると決めたことを認める。
  4. ウォーキング教室へ参加するよう勧める。
  5. 体重を減少させるために本人に何ができるか聞く。

 

 


 

▶午後23

市町村保健師が行う地区活動の展開で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 実践とモニタリングは別に行う。
  2. 住民との契約に基づいて実施する。
  3. 日頃の活動の中で実態把握をする。
  4. 関係機関との連携は実践の1つである。
  5. 地区活動の対象に産業保健は含まれない。

 

 


 

▶午後24

「公助」に該当するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 地域包括支援センターにおける高齢者虐待対策
  2. 婦人会による高齢者を対象とした食事会
  3. 生活保護制度における医療扶助
  4. 自治会が主催する育児サークル
  5. 雇用保険による失業等給付

 

 


 

▶午後25

母子健康手帳に記載されている「保護者の記録【1歳6か月の頃】」で、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. おしっこをひとりでしますか。
  2. 友だちと、ごっこ遊びをしますか。
  3. 自分でコップを持って水を飲めますか。
  4. 手を使わずにひとりで階段をのぼれますか。
  5. うしろから名前を呼んだとき、振り向きますか。

 

 


 

▶午後26

要保護児童対策地域協議会の機能で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 被虐待児の里親委託の決定
  2. 養育支援訪問事業の対象者の選定
  3. 子育て世代包括支援センターの運営
  4. 虐待通告を受けた児の支援内容の検討
  5. 居住実態を把握できない児の情報共有

 

 


 

▶午後27

レセプト情報・特定健診等情報データベース〈NDB〉によって集計できる情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. がん検診受診率
  2. 主要死因別死亡数
  3. 入院外来別医療費
  4. 年齢階級別出生率
  5. 都道府県別BMI分布

 

 


 

▶午後28

難病対策で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療費助成の患者負担割合は1割である。
  2. 都道府県は療養生活環境整備事業を実施できる。
  3. 居住地の都道府県内の医療機関は全て医療費助成の対象である。
  4. 軽症者でも高額な医療を継続する者は医療費助成の対象となる。
  5. 都道府県は難病相談支援センターの設置が義務付けられている。

 

 


 

▶午後29

保健所管内の特別養護老人ホームの職員を対象に、結核に関する説明を行うことになった。
説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「高齢の結核患者は定型的な呼吸器症状がでます」
  2. 「患者が発生した際は施設長が保健所に発生届を提出します」
  3. 「新登録結核患者のうち70歳以上が占める割合は50%未満です」
  4. 「排菌していない入所者は特別養護老人ホームへの入所を継続できます」
  5. 「65歳以上の入所者に対しては、定期健康診断を実施する義務があります」

 

 


 

▶午後30

災害対策基本法に示されている住民の責務はどれか。2つ選べ。

 

  1. 過去の災害から得られた教訓の伝承
  2. 避難行動要支援者名簿の作成
  3. 生活必需物資の備蓄
  4. 防災組織の充実
  5. 防災活動の促進

 

 


 

▶午後31改題

令和3年度(2021年度)学校保健統計調査における主な疾病・異常等で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 肥満傾向児の出現率は、平成23年度(2011年度)以降男女ともに増加している。
  2. 小学校における疾病・異常の被患率は、裸眼視力1.0未満の者が最も高い。
  3. むし歯(う歯)の者の割合は、全ての学校段階で前年度より減少している。
  4. ぜん息の者の年齢別の割合は、小学校で高い傾向がみられる。
  5. 心電図異常の割合は、高等学校より小学校の方が多い。

 

 


 

▶午後32

人口動態統計の情報を用いて算出を行う指標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 受療率
  2. 婚姻率
  3. 生活影響率
  4. 年少人口指数
  5. 合計特殊出生率

 

 


 

▶午後33

保健行政で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健行政の都道府県レベルの組織機構は一様である。
  2. 産業保健行政の根拠法令の1つに労働基準法がある。
  3. 地域保健行政は地域住民の健康の保持・増進を図る。
  4. 地域保健、産業保健、学校保健の3分野からなる。
  5. 学校保健行政の所管は厚生労働省である。

 

 


 

▶午後34

医療法において医療計画に定めるものとされているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 緩和医療
  2. 救急医療
  3. 歯科医療
  4. 先進医療
  5. 災害時における医療

 

 


 

▶午後35

発達障害で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 発達障害者は障害者総合支援法のサービスを利用することができる。
  2. 発達障害者は精神障害者保健福祉手帳を申請することはできない。
  3. 発達障害の定義は発達障害者支援法に規定されている。
  4. 発達障害者に二次障害が出現することはない。
  5. 発達障害者支援センターは市町村が設置する。

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(56歳、女性)。隣接する市に所在する警察署から、B町の保健師に「町に住む無職のAさんが、泥酔して路上で寝ていたところを保護している。先ほど目を覚ましたので事情を聴いたが、本人は『何も覚えていない』と言う。1か月前も同じ状況で保護した。Aさんは、1人暮らしで親族と連絡が取れなかったことから、その時は1人で帰している。今回は、保健師の支援をお願いできないか。B町の保健師に連絡することは本人が同意している」と連絡があった。保健師は、住民基本台帳でAさんがB町に居住し、他県に姉のCさんがいることを確認した。

 

▶午後36

保健師は上司に報告および相談し、警察署でAさんと面接することになった。
この面接の際に把握する情報で、優先度が高いのはどれか。

 

  1. 飲酒歴
  2. 所持金
  3. 就労の有無
  4. 今回の飲酒の理由

 

 


 

▶午後37

面接時、Aさんは保健師に「疲れているので、早く家に帰りたい。話は明日にして欲しい」と言い、保健師とともに家に戻った。その際に、Aさんには手指の振戦がみられていた。保健師は翌日に再度家庭訪問することを伝え、Cさんの連絡先を教えてもらった。保健師はB町役場に戻り、Aさんが直近の3か月間には医療機関の受診がないことを確認し、Aさんに医療機関の受診を勧めることをCさんに連絡して了解を得た。
翌日の保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 複数の保健師による家庭訪問を行う。
  2. 警察官に家庭訪問時の同席を依頼する。
  3. 家庭訪問を町役場での面接に変更する。
  4. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づいて保健所に通報を行う。

 

 


 

▶午後38

その後、Aさんは精神科医療機関を保健師が同伴して受診した。診察室で精神保健指定医に「誰と来たか」と問われると、Aさんは「清掃センターの人」と答え、出身地を尋ねられると、答えに詰まった。「今、困っていることはありますか」の問いに対して「若い女性の声が聞こえてくる」、「夜、眠れない」と答えた。医師からAさんに入院による治療が必要であると説明されると、Aさんは理解できていない様子であった。医師からAさんと保健師に「Aさん本人の同意による入院はできない」と説明があり、Cさんに連絡したところ、入院の手続きを進めて欲しいとの意思表示があった。
Aさんの入院に向けた対応で適切なのはどれか。

 

  1. 保健師からAさんに入院の必要性を説明する。
  2. 精神保健指定医が成年後見人の選定を申し立てる。
  3. 精神科病院の管理者が医療保護入院の手続きを行う。
  4. 精神科病院の管理者が措置入院に必要な届出を行う。

 

 


 

次の文を読み39、40の問いに答えよ。

Aさん(20歳、専門学校生)。3か月前から咳が続き、市販薬を服用していたが、改善しなかった。そこで内科を受診したところ、胸部エックス線写真で空洞性病変があり、喀痰塗抹陽性、結核菌PCR陽性で結核病床へ入院した。結核の既往歴はない。入院前、Aさんは居住地のB市内にある専門学校に休まず通学していた。

 

▶午後39

情報収集を踏まえ、B市を管轄する県のC保健所で接触者健康診断の対象者が決定された。対象者は全員18歳以上である。
C保健所保健師が接触者健康診断の対象者に説明する内容で正しいのはどれか。

 

  1. 「ツベルクリン反応検査を行います」
  2. 「2年間にわたり健康診断を行います」
  3. 「3か月後に初回の健康診断を行います」
  4. 「B市の保健センターで健康診断を行います」

 

 


 

▶午後40

接触者健康診断の結果、潜在性結核感染症と診断された専門学校生が3名おり、治療を開始することになった。C保健所保健師は、専門学校の教員から「潜在性結核感染症の病気の特徴や対応がよくわからないので教職員に説明して欲しい」と言われた。
保健師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 感染者が使用した部屋は消毒する必要がある。
  2. 感染者にはN95マスクの着用を義務付ける。
  3. 感染者は入院治療が必要である。
  4. 他者への感染の恐れはない。

 

 


 

次の文を読み41、42の問いに答えよ。

Aさん(50歳、男性)。父親(75歳)と2人暮らし。Aさんは22歳頃から統合失調症を発症し、精神科病院に入院した。30歳代で退院した後は精神障害者手帳2級を取得し、月1回通院を継続しながら生活できていた。
ある日、父親から保健センターに電話があり「妻が1か月前に急死した。ようやく家は落ち着いてきたが、Aがこの頃落ち着かない様子である。今までは妻がAの世話をしていたので、これからどうすればよいか困っている」との相談があった。

 

▶午後41

相談の翌朝、保健センターの地区担当保健師が家庭訪問した。Aさんは血色がよく体型は標準的であったが、入浴をしていないような強い臭気がした。また終始イライラした様子で笑顔は少なく、落ち着きなく部屋を歩き回っていた。父親は「Aの薬は妻が管理していた。妻が亡くなってからAの状態は悪くなっていると思う」と話した。Aさんの薬袋を保健師が確認すると、予定残数以上の内服薬が出てきた。
保健師がAさんの状況を確認する内容で、最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 服薬
  2. 清潔
  3. 睡眠
  4. 食事

 

 


 

▶午後42

3日後、Aさんと父親の様子を見るために保健師は再度家庭訪問を行った。家庭訪問時、父親がAさんに対して「なんでできないんだ」と叱責している場面がみられた。父親は「Aの病気についてはよく知らない。自分もイライラするし、どうしたらよいのかわからない」と困った様子で保健師に話した。
地区担当保健師がこの時に行う支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 父親に息抜きの時間を持つことを勧める。
  2. Aさんの地域生活支援事業の利用を勧める。
  3. 父親に精神障害者の家族会への参加を勧める。
  4. Aさんの受診に父親と保健師が同行することを提案する。

 

 


 

次の文を読み43、44の問いに答えよ。

A町は人口7,000人、高齢化率45%、高齢者のうち独居者の割合35%である。町には急な坂が多く、公共交通機関はバスのみで運行本数は少ない。このため、A町に住む高齢者は食品や日用品など日々の買い物に不便を感じている。

 

▶午後43

A町の保健師は、独居高齢者の状況について情報収集を行うことにした。
収集する情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 特定健康診査の結果
  2. A町国民健康保険の医療給付内容
  3. 要介護認定者の介護サービスの利用状況
  4. 基本チェックリストによる生活機能の確認の結果

 

 


 

▶午後44

保健師が高齢者を対象に日常生活の不便さと生活に関するアンケートを実施した結果、食事回数が1日2回と回答した割合が、独居高齢者では50%、同居者がいる高齢者では30%であった。
独居高齢者の食事回数が1日2回であることに対する寄与危険はどれか。

 

  1. 0.2
  2. 0.6
  3. 1.67
  4. 2.33

 

 


 

次の文を読み45、46の問いに答えよ。

Aちゃん(5歳、男児、第1子)。1歳6か月児健康診査で言葉の遅れ及びこだわりを指摘され、2歳6か月の時に、専門外来にて自閉症スペクトラム障害〈ASD〉と診断された。現在、療育手帳を取得し、保育所へ通いながら児童発達支援センターの療育に週2日通っている。地区担当保健師は1歳6か月児健康診査後から関わっており、母親からの相談に対応している。

 

▶午後45

母親が保健センターを訪れ、地区担当保健師に「Aの就学先について悩んでいます。児童発達支援センターの先生には特別支援学校を勧められていますが、できれば地域の公立小学校に通わせたいと思っています。どちらがAのために良いのでしょうか」と相談があった。
このときの母親への対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 児童発達支援センターの先生と再度話し合うことを勧める。
  2. 母親が地域の公立小学校に通わせたい理由を確認する。
  3. 保健師から主治医の意見を確認すると説明する。
  4. 児童相談所へ相談することを提案する。

 

 


 

▶午後46

Aちゃんは地元の公立小学校に入学し、通常の学級に籍を置きながら通級による指導を受けることになった。入学して半年後、母親から地区担当保健師に電話があり「Aは学校にもだいぶ慣れて楽しそうにやっているようだが、家で過ごす時間が長いことが気になっている」と話した。
保健師が母親に提案することで最も適切なのはどれか。

 

  1. 自閉症スペクトラム障害〈ASD〉家族会への参加
  2. 放課後等デイサービスの利用
  3. 特別支援学校への転校
  4. 障害児入所施設の利用

 

 


 

次の文を読み47、48の問いに答えよ。

Aさん(40歳、会社員、初妊婦)。夫(44歳、会社員)と2人暮らし。妊娠9週の時に市の子育て世代包括支援センターに妊娠届の提出のため来所した。市では、妊娠期から切れ目のない支援に取り組んでおり、継続した支援が必要な妊婦に支援プランを作成する母子保健コーディネーターとして、専従のB保健師を配置している。妊娠届出時のAさんのアンケート結果を表に示す。
105pm47h

 

▶午後47

B保健師が、Aさんをアセスメントするために面接時に追加で確認する情報で、最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 勤務状況
  2. 現在の体重
  3. 妊娠前の飲酒量
  4. 里帰り出産の有無
  5. 妊娠に対する夫の反応

 

 


 

▶午後48

Aさんは、妊娠37週で出生体重2,600gの男児を出産した。産後2週、産婦健康診査を受けたAさんは疲れている様子で、エジンバラ産後うつ病質問票〈EPDS〉の結果は9点だった。Aさんの状況について病院から連絡を受けたB保健師は、産婦健康診査の翌日、Aさん宅を訪問した。児は母乳栄養で、体重増加は良好だった。Aさんは「思っていたより育児は疲れる。夫は仕事が繁忙期で帰りは遅いが、手伝ってくれている。私も夫も睡眠不足です」と話した。
この時のB保健師のAさんへの支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 産後ケア事業の利用を勧める。
  2. 新生児訪問時に状況を再確認する。
  3. 研修を受けた子育て経験者の訪問を勧める。
  4. 搾乳した母乳を夫に授乳してもらうよう勧める。

 

 


 

次の文を読み49、50の問いに答えよ。

Aちゃん(5歳、男児)。小学校に入学を予定している。Aちゃんには食物アレルギーがあり、保護者から就学時健康診断の際に、学校での対応を希望する旨の申し出があった。

 

▶午後49

Aちゃんの入学までに養護教諭が最初に行う対応はどれか。

 

  1. 校長に支援計画を提出する。
  2. 対応委員会の開催を提案する。
  3. Aちゃんの主治医に電話で意見を聞く。
  4. 学校栄養職員と給食時の対応を話し合う。
  5. 保護者に学校生活管理指導表の提出を依頼する。

 

 


 

▶午後50

保護者や主治医からの情報により、Aちゃんは、卵によるアナフィラキシーの既往があり、アドレナリン自己注射薬が処方されていることが分かった。そこで、養護教諭を中心に、学校においてAちゃんに必要な配慮や管理の対応策について、学校内で話し合うことになった。
検討する事項で適切なのはどれか。

 

  1. 自己注射を補助する担当者の設定
  2. Aちゃんの体育活動への参加の仕方
  3. アナフィラキシーの対応のための職員研修
  4. 自己注射薬がクラスの児童にも取り出せる保管場所の確保

 

 


 

次の文を読み51、52の問いに答えよ。

人口約30万人の市。午後1時、震度6強の地震が発生し、市は避難所を設置した。家屋の倒壊や火災が確認され、大規模な被害が予測された。県と市に災害対策本部が設置された。

 

▶午後51

発災直後の緊急対策期における市の保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 医療救護活動
  2. 福祉避難所の準備
  3. 健康調査票の作成
  4. 家庭訪問による個別健康相談

 

 


 

▶午後52

発災後10日。保健師は、避難所への巡回訪問中に4歳児の母親から「子どもが自分から全く離れなくなり、寝ている間に急に大声をあげて泣き出すようになった。心配だ」と相談を受けた。保健師は子どもの反応の意味を説明し、いつでも相談に乗ることを伝えた。
この時の保健師の母親への助言で適切なのはどれか。

 

  1. 子どもが一人で行動できることを経験させるよう勧める。
  2. できるだけスキンシップを図るよう伝える。
  3. 別の避難所に移動するように勧める。
  4. 特に何もしなくてよいと伝える。

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

A市(人口10万人)では高齢化が進み、医療福祉分野の課題が増えている。地域包括支援センターでは、介護支援専門員から「複数の病院で処方された多種類、多量の薬を服用している高齢者が多い。副作用などの問題があるのではないか」との相談を受けることが増えた。そこで今年度から4か所の地域包括支援センターが合同で2か月ごとに、「高齢者の服薬」をテーマに事例検討による地域ケア会議を開催することにした。A市からは介護保険担当課の保健師が参加する予定である。
A市の概況を表に示す。
105pm53h

 

▶午後53

保健師が会議の前に確認する情報で優先するのはどれか。

 

  1. 薬剤師会名簿
  2. 訪問介護の利用状況
  3. 要介護認定者数の推移
  4. 国民健康保険加入者の調剤医療費

 

 


 

▶午後54

A市では、4つの地域包括支援センター合同の地域ケア会議を1年間継続した。A市の訪問介護サービスを利用する高齢者の問題として、多種類、多量の薬剤の不適切な併用による健康障害と、介護支援専門員と主治医との連携の困難さの2つが明らかになった。A市では医療と介護の連携の強化の具体策の検討を目的に「在宅医療推進会議」を立ち上げることになった。この会議に介護支援専門員、医師、歯科医師、薬剤師の代表者が参加することは決まっている。
他に参加を呼びかけるメンバーで最も優先されるのはどれか。

 

  1. 民生委員の代表
  2. 訪問看護師の代表
  3. 理学療法士の代表
  4. 医療経済学の学識経験者

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

食品加工業のA社には、60歳の定年後に継続雇用制度があり、65歳まで働くことができる。今後、製造現場の定年退職者と継続雇用労働者が増加することが見込まれている。安全衛生委員会で55歳以上の高年齢労働者の安全な就労に向け過去の労働災害状況を分析したところ、労働災害の発生率は年齢が高くなるほど上昇し、作業場での転倒が多かった。作業場の清掃は1日3回定期的に行い、照明は300ルクスの全体照明である。

 

▶午後55

A社の製造現場での高年齢労働者に対する労働災害防止対策への取組みで、優先度が高いのはどれか。

 

  1. 作業場の照度を高くする。
  2. 健康づくり用具を作業場に置く。
  3. 高年齢労働者向けの作業を用意する。
  4. 転倒が発生しやすい場所に注意喚起の掲示を行う。

 

 


 

資料 厚生労働省「第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験、第108回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和2年2月14日実施の第106回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第106回保健師国家試験目次

 

 

第106回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前2

親による子への虐待発生の可能性を高める要因はどれか。

 

  1. 高齢出産
  2. 経済的問題
  3. 共働き世帯
  4. 祖父母が同居する世帯

 

 


 

▶午前3

保健師は、住民が自分の生活を振り返り、必要な情報を集め、自己決定できることを目指した健康教育を実施した。
この健康教育の参加者の行動変容に関係するのはどれか。

 

  1. リスクコミュニケーション
  2. コンプライアンス
  3. ヘルスリテラシー
  4. リーダーシップ

 

 


 

▶午前4

Aさん(78歳、女性)。1人暮らし。別居する息子から「最近、母は買い物以外は外出せず、物忘れもひどくなっているようだ。どうしたらよいか」と、市の保健センター保健師に相談があった。保健師が状況把握を目的に息子と一緒に初回訪問をしたところ、Aさんに「私は何も困っていないし、家事も全部できている。来ないでほしい」と言われた。
息子への保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんとの同居を検討しましょう」
  2. 「近隣の住民に見守りを依頼しましょう」
  3. 「Aさんが医療機関を受診できるよう一緒に考えましょう」
  4. 「Aさんの意思を尊重して保健師の訪問は控えたいと思います」

 

 


 

▶午前5

市のがん検診の受診率が伸びないため、事業担当保健師は、受診率向上に向けた取り組みを検討している。
最も効果的な取り組みはどれか。

 

  1. 広報誌による受診勧奨
  2. 医療機関でのポスターの掲示
  3. がん予防に関する講演会の開催
  4. 未受診者への個別通知による受診の再勧奨

 

 


 

▶午前6改題

平成22年(2010年)と比較した令和3年(2021年)の日本の性感染症の状況はどれか。2つ選べ。

 

  1. 10代の梅毒患者数が増加している。
  2. HIV感染者の療養期間が短くなっている。
  3. 新規HIV感染は異性間性的接触が最も多い。
  4. 性器ヘルペスウイルス感染症の定点報告数が増加している。

 

 


 

▶午前7

コミュニティ・アズ・パートナーモデルによって地域アセスメントを行う際に、コミュニティコアに含まれるデータはどれか。

 

  1. 失業率
  2. 緑地面積
  3. 医療機関数
  4. 地域の人口

 

 


 

▶午前8

市の保健師は地域アセスメントを行うために量的データの分析を行った。
分析疫学を用いているのはどれか。

 

  1. 高齢者の世帯形態別人数表
  2. 高齢化率の地理的分布を色分けした地図
  3. 年間出生数の過去10年間の経時的変化の折れ線グラフ
  4. 出産時の母親の年齢区分別と訪問時のエジンバラ産後うつ病質問票〈EPDS〉の得点分布のクロス集計表

 

 


 

▶午前9

自治体の保健師が地域の健康課題を解決するために新たな事業を計画・実施していくプロセスで適切なのはどれか。

 

  1. 費用対効果を考慮する。
  2. 評価指標は事業の実施後に決める。
  3. 自治体の施策体系と独立して位置付ける。
  4. 住民のニーズは事業を実施しながら把握する。

 

 


 

▶午前10

市保健センターの健康相談に来所した女性(70歳)から「最近、おりものに血が混じっている。どこに行けばよいか」と相談があった。閉経は55歳だと言う。
市の保健師がこの女性に勧めるのはどれか。

 

  1. 婦人科の受診
  2. 泌尿器科の受診
  3. 市の子宮がん検診の受診
  4. 母子健康包括支援センターへの相談

 

 


 

▶午前11

Aさん(92歳、女性)。1人暮らし。近所と良好な関係を築いていた。1か月前から姿を見せなくなったため、近隣者がAさんの自宅を訪ねた。Aさんはどこも悪くないと言うが、近隣者は不安を感じて、地域包括支援センターに連絡した。
近隣者への保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「一緒にAさん宅へ行きましょう」
  2. 「民生委員に連絡を取ってみます」
  3. 「地域包括支援センターで対応します」
  4. 「Aさんの主治医に連絡を取ってみます」

 

 


 

▶午前12

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく指定難病で正しいのはどれか。

 

  1. 治療方法が確立している。
  2. 発病の機構が明らかである。
  3. 客観的な指標による一定の診断基準が定まっている。
  4. 患者数が日本の人口のおおむね百分の一程度に相当する。

 

 


 

▶午前13

感染症サーベイランスで、医療機関、保健所、都道府県を経て厚生労働省に報告されるのはどれか。

 

  1. 積極的疫学調査
  2. 感染症発生動向調査
  3. 感染症流行予測調査
  4. 院内感染サーベイランス事業

 

 


 

▶午前14

2か月前に発生した大規模災害後に設置された仮設住宅を巡回訪問中の保健師に、Aさん(16歳、高校生)の母親から、娘が登校中に被災し、被災後3週から不眠を訴え、泣いたり怒鳴ったり感情の起伏が激しく、ほとんど部屋から出ず、学校に行かないため心配だとの相談があった。訪問時は、Aさんには会えなかった。
保健師が行う母親への助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「このまま見守りましょう」
  2. 「精神科医に相談しましょう」
  3. 「学校のカウンセラーに相談しましょう」
  4. 「被災時にどのような体験をしたのか聞いてみましょう」

 

 


 

▶午前15

自治体で働く保健師が、新任期1年目から担う管理機能はどれか。

 

  1. 人材管理
  2. 人事管理
  3. 地区管理
  4. 組織運営管理

 

 


 

▶午前16

市町村保健師が家庭訪問時に知り得た個人情報の取り扱いで正しいのはどれか。

 

  1. 地域保健法に基づき個人情報を取り扱う。
  2. 記録の廃棄は担当保健師に一任されている。
  3. 記録は担当保健師の机の鍵付引き出しに保管する。
  4. 人の生命の保護のために必要であって、本人の同意を得ることが困難な場合は本人以外に提供できる。

 

 


 

▶午前17

A市保健センターの新たな事業として、B地区で発達障害児の子育て教室を実施することになった。
教室を開始する際の組織の在り方で適切なのはどれか。

 

  1. 障害福祉部門の保健師の役割は障害福祉部門が決める。
  2. B地区担当以外の職員は事業開始後から携わる。
  3. A市保健センター長が活動目標を設定する。
  4. 地区担当保健師の地区活動と連動させる。

 

 


 

▶午前18

がんと危険因子の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 胃がん――高塩分食
  2. 肺がん――運動不足
  3. 乳がん――ヘリコバクター・ピロリ
  4. 肝臓がん――ヒトパピローマウイルス

 

 


 

▶午前19

健康寿命の都道府県格差を評価するための指標で適切なのはどれか。

 

  1. 範囲
  2. 最頻値
  3. 中央値
  4. 幾何平均

 

 


 

▶午前20

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく精神保健福祉センターで正しいのはどれか。

 

  1. 設置主体は市町村である。
  2. 地域生活支援事業を実施する。
  3. 社会復帰の促進のための啓発活動を行う。
  4. 自立支援医療(精神通院医療)の申請窓口である。

 

 


 

▶午前21

行政機関におけるアカウンタビリティで適切なのはどれか。

 

  1. 母子保健計画の中間評価を市のホームページで公開した。
  2. 新しい健康づくり計画の素案について市民から意見を求めた。
  3. 地域包括支援センターの運営業務を社会福祉法人へ委託した。
  4. 市のホームページをカラーユニバーサルデザインに基づく構成に変更した。

 

 


 

▶午前22

児童虐待を防止するため、平成28年(2016年)に改正された児童虐待防止対策の充実に向けた児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉及び児童福祉法の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 児童の安全確認のための立ち入り調査の強化
  2. しつけに際して必要な範囲を超えた懲戒の禁止
  3. 地方公共団体の要保護児童対策地域協議会設置の努力義務化
  4. 市町村等における児童虐待を受けたと思われる児童の安全確認の義務化

 

 


 

▶午前23

介護保険法に基づく地域包括支援センターの基本機能で正しいのはどれか。

 

  1. 介護予防ケアマネジメント
  2. 高齢者の住まいの整備
  3. 要介護認定の実施
  4. 福祉用具の貸与

 

 


 

▶午前24

災害対策基本法施行令に規定される福祉避難所の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 都道府県知事が指定する。
  2. 所得に応じて利用費が発生する。
  3. 負傷者の救護活動が目的である。
  4. 特別な配慮を必要とする者が利用できる。

 

 


 

▶午前25

ソーシャルサポートにおける道具的(手段的)サポートはどれか。

 

  1. 称賛する。
  2. 愛情を伝える。
  3. 家事を手伝う。
  4. 情報提供する。
  5. アドバイスする。

 

 


 

▶午前26

健康増進法に基づきA市が策定した第2次健康増進計画の見直しを、住民と一緒に行うことにした。
計画の見直しを担当するA市の保健師が最初に行うのはどれか。

 

  1. 住民から要望を聞く。
  2. 長期的な目的と目標を考える。
  3. 他市の健康増進計画について情報収集する。
  4. 保健師や他の専門職を集めた会議を開催する。
  5. 現計画の実施で明らかになった健康課題をまとめる。

 

 


 

▶午前27

疾病のスクリーニングの要件で正しいのはどれか。

 

  1. 疾病の自然史が不明でも対象になる。
  2. 無症状の期間が無い疾病が対象となる。
  3. 治療方法が確立していなくても対象となる。
  4. 検査方法が、対象者より検者に受け入れやすい。
  5. スクリーニング陽性者の確定診断の手技が確立している。

 

 


 

▶午前28

A市の2地区間で、喫煙率が異なると予想して両地区で喫煙状況に関する標本調査を行った。統計学的検定を行い「仮説B:2地区の母喫煙率は等しい」が棄却されたので、2地区の喫煙率には有意差があると判断した。
仮説Bはどれか。

 

  1. 閾値仮説
  2. 帰無仮説
  3. 研究仮説
  4. 対立仮説
  5. 直線仮説

 

 


 

▶午前29

人口動態統計で、人口1,000対で表すのはどれか。

 

  1. 出生率
  2. 純再生産率
  3. 総再生産率
  4. 周産期死亡率
  5. 合計特殊出生率

 

 


 

▶午前30

全国から無作為抽出された世帯及び世帯員を対象として行われる調査はどれか。

 

  1. 患者調査
  2. 人口動態調査
  3. 食中毒統計調査
  4. 学校保健統計調査
  5. 国民生活基礎調査

 

 


 

▶午前31

平成25年(2013年)に改正された「地域における保健師の保健活動に関する指針」に示された都道府県保健所等に所属する保健師の活動はどれか。2つ選べ。

 

  1. 広域的・専門的な保健サービスの提供
  2. 住民の主体的な健康づくり支援
  3. ボランティア組織の育成支援
  4. 市町村保健師の業務の補助
  5. 健康危機への体制づくり

 

 


 

▶午前32

小児を対象にした麻しんと風しんの定期予防接種に関する説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 1期と2期がある。
  2. 生ワクチンである。
  3. 1期には3回接種する。
  4. 1歳未満が対象である。
  5. 抗体価が低い場合に接種する。

 

 


 

▶午前33改題

児は、在胎31週1,700gで出生。NICU入室後、6週で退院した。1歳6か月児健康診査後に医療機関で軽度脳性麻痺と診断され、下肢の補装具を作成した。
出生以降に児が利用できる助成・制度を規定するのはどれか。3つ選べ。

 

  1. 児童福祉法
  2. 母子保健法
  3. 身体障害者福祉法
  4. 発達障害者支援法
  5. 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉

 

 


 

▶午前34

学校保健活動で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健教育は学習指導要領を踏まえて行う。
  2. 定期の学校環境衛生検査は学校医が従事する。
  3. 就学時の健康診断は学校の設置者が実施する。
  4. 学校における救急処置は応急的なものである。
  5. 学校安全計画は学校保健計画に含めて策定する。

 

 


 

▶午前35

労働安全衛生マネジメントシステムで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 産業医が安全衛生計画を策定する。
  2. 定期的なシステム監査を実施する。
  3. 総括安全衛生管理者が事業場の安全衛生方針を表明する。
  4. 従業員数50人以上の事業場での実施が義務付けられている。
  5. 事業場における安全衛生水準の向上を図ることを目的とする。

 

 


 

▶午前36

業務上取り扱う物質で、労働安全衛生法に基づき健康管理手帳の交付対象となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 石綿
  2. ベンゼン
  3. カドミウム
  4. トリクロロエチレン
  5. 1,2-ジクロロプロパン

 

 


 

▶午前37

労働者におけるハラスメントの防止措置を規定しているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康増進法
  3. 労働基準法
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉
  5. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉

 

 


 

▶午前38

高齢者が入所している施設で、ノロウイルスによる感染性胃腸炎症状が複数の入所者と職員に発生している。
施設が行うべき感染拡大防止のための対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 発症者と未発症者で居室を分ける。
  2. 入所者に提供する食事は十分に加熱する。
  3. 発症者の嘔吐物は十分に乾燥させてから清掃する。
  4. 手指の消毒に次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用する。
  5. 発症した食品調理従事者の業務への復帰は胃腸炎症状が消失した日からとする。

 

 


 

▶午前39改題

生活保護制度で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 生活扶助は現金給付である。
  2. 分娩費用は医療扶助である。
  3. 被保護人員は増加傾向である。
  4. 被保護世帯には障害者世帯が最も多い。
  5. 最低限度の生活を保障することが目的に含まれている。

 

 


 

▶午前40

がん登録等の推進に関する法律〈がん登録推進法〉で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. がん診療連携拠点病院を2次医療圏に整備する。
  2. がん登録届出の際は患者の同意が必要である。
  3. がんの罹患に関する情報のデータベース化は国が行う。
  4. 全国がん登録データベースは一般に公開されている。
  5. 病院には罹患情報の届出義務がある。

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(44歳、女性)。特定健康診査の結果は、身長156cm、体重72kg。BMI29.6。腹囲93cm。血圧135/85mmHg。空腹時血糖95mg/dL、HDLコレステロール38mg/dL、中性脂肪160mg/dL。喫煙歴はない。特定健康診査の結果、特定保健指導の対象であると説明したところ「運動は嫌いだし、保健指導は必要ない」と言っていたが、保健師の働きかけで初回面接を行うことができた。初回面接では、保健師はAさんの行動変容ステージを無関心期であると判断し、Aさんの思いを受け止めながら、検査結果の示す意味を説明した。

 

▶午前41

Aさんから得る情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食事の好み
  2. 1日の運動量
  3. 過去10年間の体重
  4. 将来の自分の健康についての考え

 

 


 

▶午前42

初回面接で、Aさんから「1か月に1kgの体重減少を目標に、食事と運動の改善に取り組んでみたい」という発言が聞かれ、間食を減らして毎日8,000歩を目標に歩くこととした。初回面接から2週後に電話連絡したところ、Aさんは「間食はしていないし、ご飯は小さなお茶碗に変えて1杯だけに減らしている。なかなか毎日8,000歩は歩けない。体重はあまり変わらない。こんな自分はだめだ」と話した。
この時の保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 急に体重は減らないと話す。
  2. スポーツジムに通うことを提案する。
  3. 食事と運動を併せて取り組む必要性を話す。
  4. 自主的にご飯の量を減らしている努力を認める。

 

 


 

▶午前43

6か月後の最終評価面接では、体重66kg、腹囲85cmであり、Aさんは「何度もやめたくなったが、なんとか続けられた」と話した。
Aさんは、翌年の特定健康診査を受診し、身長156cm、体重67kg。BMI27.9。腹囲86cm。血圧130/80mmHg。空腹時血糖90mg/dL、HDLコレステロール45mg/dL、中性脂肪142mg/dLという結果であった。
この時のAさんの状態はどれか。

 

  1. 情報提供レベル
  2. 動機づけ支援レベル
  3. 積極的支援レベル
  4. 医療機関への受診勧奨レベル

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

人口12万人のA市のB地区。1980年代に開発された新興住宅地で、市全体の出生は緩やかに減少し、高齢化が進行している。
B地区では月2回、民生委員3名と地区内のボランティア7名をスタッフとして、地区の乳幼児とその保護者を対象とした育児サロンが10年ほど前から開催されている。地区担当保健師は2〜3か月ごとにサロンに参加し、参加者やスタッフの相談に応じている。

 

▶午前44

ある日、民生委員のCさんから「最近加わったスタッフから、『保護者にどう声かけして良いか自信がなくて不安だ』という声を聞いた。民生委員としてどうしたら良いだろうか」と保健師に相談があった。
保健師がCさんに提案する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「慣れるまで見守りましょう」
  2. 「個別にCさんの経験を伝えてください」
  3. 「スタッフ間で保護者への関わり方を振り返る機会を設けましょう」
  4. 「自信のないスタッフは無理に出席しなくて良いことを伝えてください」

 

 


 

▶午前45

地区担当保健師が参加した日のサロンで、参加していた保護者から災害時の不安に関する訴えが聞かれたことが発端で、B地区でも防災に向けた対策をみんなで考えていくことが必要ではないかという声が多く聞かれた。保健師は、この機会をB地区の防災対策の促進につなげようと考えた。
地区担当保健師がB地区に対して行う支援で適切なのはどれか。

 

  1. B地区の要配慮者の確認を提案する。
  2. B地区の防災リーダーを担う。
  3. 消防団への加入を勧める。
  4. 地区防災計画を作成する。

 

 


 

▶午前46

1年後、それまでA市役所の職員健康管理を担当していた3年目の保健師のDさんがこの保健センターに異動となり、初めて地区担当保健師としてB地区を担当することになった。Dさんの上司である保健師は、Dさんの地区活動に関する職場内研修〈OJT〉を計画した。
職場内研修〈OJT〉に活用する業務で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 育児サロンの事業評価
  2. 地区担当保健師の自主勉強会の企画
  3. B地区に関する人口統計指標の分析
  4. 地区の困難事例検討会に助言者として出席
  5. 県内の新任期の保健師を対象とした研修会の参加

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(25歳、初妊婦)。夫(25歳、会社員)と暮らしている。妊娠中に胎児の異常を認め、Fallot〈ファロー〉四徴症と診断された。Aさんは、総合周産期母子医療センターで帝王切開術にて2,500gのBちゃんを出産した。Aさんは産後1週で退院した。

 

▶午前47

産後2週、Aさんは保健所を訪れ「病院から言われて、Bの医療費が助成される制度の手続きに来ました」と話した。
Bちゃんに適用されるのはどれか。

 

  1. 自立支援医療(更生医療)
  2. 小児慢性特定疾病医療費
  3. 未熟児養育医療
  4. 療育医療

 

 


 

▶午前48

Aさんから保健所に「Bは2か月間の入院の後、先週退院した」と連絡があり、翌日保健師が家庭訪問した。主治医から、月に1回外来を受診するよう指導を受けている。Aさんは「体重が6kg以上に増えるのを目途に手術をするといわれていますが、まだ3kgを超えたところです。家に帰ってきてからあまりミルクを飲んでくれず、泣いてばかりいるので困っています」と話した。
保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「ミルクを濃くして飲ませましょう」
  2. 「1回の哺乳時間を長くとりましょう」
  3. 「授乳毎に体重を測って確認しましょう」
  4. 「泣いた時は早めに抱きかかえてあやしましょう」

 

 


 

▶午前49

Bちゃんは2歳までに3回の心臓手術を受け、それ以降は合併症もなく過ごしている。Bちゃんは4歳になり、年1回の経過観察となっている。半年後、Aさんは保健所に来所し「Bを来年から幼稚園に入れようと思い、主治医にも問題ないと言われたので近くの幼稚園に見学に行った。でも、みんな元気いっぱいで、Bが入園してやっていけるのか不安になった」と話した。
この時のAさんへの保健師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 心疾患の児を持つ親の会に参加することを勧める。
  2. 病児・病後児保育事業ができる保育所を紹介する。
  3. セカンドオピニオンを受けることを勧める。
  4. 入園時期を遅らせることを提案する。

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

大規模災害が発生し、市内に避難所が開設された。
被災後3日、A避難所には300人が避難しており、市保健師1人が配置されている。Bさん(85歳、男性)は、脳梗塞の既往があり、右片麻痺で杖歩行である。要介護1の認定を受けている。Bさんの妻が「夫はトイレが心配で、ほとんど眠れていないようです。そのせいか時々私のことが分からなくなります」と保健師に話した。

 

▶午前50

Bさん夫婦に保健師が勧める内容で適切なのはどれか。

 

  1. 福祉避難所への移動
  2. パンツ型おむつの利用
  3. 特別養護老人ホームへの入所
  4. A避難所内のトイレに近い場所への移動

 

 


 

▶午前51

被災後7日、A避難所の避難者は200人となった。日中は自宅の片付けに出かける者もいるが、身体活動が少なく横になっている高齢者も多い。A避難所担当の保健師は、避難者名簿、避難所生活のスケジュール表を作成し、健康支援を行うこととした。
この時の保健師の対応で優先されるのはどれか。

 

  1. 炊き出しメニューの工夫
  2. 避難者全員の睡眠状況の確認
  3. 整形外科医による健康教育の依頼
  4. 深部静脈血栓症〈DVT〉の予防体操の実施

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

Aさん(79歳、女性)。夫(80歳)と2人暮らし。腰痛があり2年前から整形外科に通院している。Aさんは、市役所の高齢福祉課の窓口に朝から2時間以上座っていた。高齢福祉課のB保健師がAさんに声をかけたところ、Aさんは「何をしに来たか忘れた。どうしようかしら」と話した。B保健師はAさんに了解を得て夫に迎えに来てもらい、夫から話を聞いた。夫はAさんについて「普段と変わった様子はなく、日々の生活で困っていることもない」と困惑した表情で話す。

 

▶午前52

Aさんの夫に対するB保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. かかりつけ医に相談するように促す。
  2. 認知症外来のある医療機関一覧表を渡す。
  3. 担当地区の民生委員に相談することを勧める。
  4. 地域包括支援センターの保健師に連絡することの了承を得る。

 

 


 

▶午前53

2か月後、Aさんの夫が市役所に来所し「親戚の家に行くと言っていた妻が隣町の図書館で発見されたこともあり、受診をしたら認知症と診断された。これからが不安だ」とB保健師に話した。
後日、地域ケア会議に出席したB保健師は、Aさんのケースを報告した。会議では、市内の認知症高齢者が増加しており、今後さらに、市民の認知症についての正しい知識の啓発と理解を促進し、地域で認知症高齢者や家族を支える必要性が共有された。
市民の認知症への理解を深めるために保健師が実施することで適切なのはどれか。

 

  1. 認知症専門の医療機関の誘致
  2. 認知症対応型通所介護の拡充
  3. 認知症サポーター養成講座の講師養成
  4. 介護予防事業対象者の把握のための基本チェックリストの普及

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

人口約15万人のA市。大都市郊外のベッドタウンであり、人口は10年前をピークに微減している。現在の高齢化率は26%であり、独居高齢者の増加が課題である。市では「健康でイキイキとした暮らしを地域で支えるまち」を目指し、健康増進計画を策定した。

 

▶午前54

目標とする項目の一部に関して、A市に在住する男性のデータを表に示す。
106am54h
5年前と現在のデータを比較して評価した。
目標を達成した項目はどれか。

 

  1. 大腸がん検診受診率
  2. 収縮期血圧の平均値
  3. 足腰に痛みのある高齢者の割合
  4. 就業又は何らかの地域活動をしている高齢者の割合

 

 


 

▶午前55

A市の健康増進計画の評価結果を受け、市の目標達成に向けたまちづくりを推進していくために、住民と協働した特別プロジェクトの立ち上げが決定した。
このプロジェクトの計画を立案するにあたり保健師が行うことで最も適切なのはどれか。

 

  1. A市の健康課題を住民と話し合う。
  2. 独居高齢者の全戸家庭訪問を行う。
  3. 認知症予防の健康教育を実施する。
  4. 介護予防に関する講演会を開催する。

 

 

 

第106回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

住民が主体となって設立する組織はどれか。

 

  1. 児童委員の連絡会
  2. 母子保健推進員会
  3. 公募委員による健康増進計画協議会
  4. 障害者支援のための特定非営利活動法人

 

 


 

▶午後2

地域における関係機関の連携を促すために最も有効なアプローチはどれか。

 

  1. 患者会の設立支援
  2. 議会へのロビー活動
  3. 地域ケア会議の設定
  4. ボランティアの育成

 

 


 

▶午後3

地域住民のエンパワメントのために行う保健師の活動はどれか。

 

  1. 健康格差に関する調査の実施
  2. 地区踏査による地域情報の収集
  3. 重度の障害児を対象とした家庭訪問の実施
  4. 住民による子育てに関する社会資源マップ作成の支援

 

 


 

▶午後4

Aさん(42歳、初妊婦、会社員)。「最近、他市から引っ越してきた」と母子健康手帳を持って市保健センターに来所した。保健師が面接したところ、Aさんは妊娠8か月、夫と2人暮らし、出産する予定の病院の変更はなく、出産後は1年間児休業を取得し、復職を希望しているとわかった。
この時、保健師がAさんに確認する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 両親学級の受講状況
  2. 希望する保育所の有無
  3. 出産後の支援者の有無
  4. 出産する予定の病院の情報

 

 


 

▶午後5

地域アセスメントを行う際、地域の健康に影響する背景や要因を把握するために、既存の統計資料よりも保健師の地域活動から得ることが適切な情報はどれか。

 

  1. 生活環境
  2. 主観的健康観
  3. 地域の主要疾病
  4. 年齢別人口構成

 

 


 

▶午後6

市の保健師は、10名参加の6か月コースの糖尿病予防事業を開始した。グループ面接で参加者から「みんなで参加したから継続できた。あと1か月で事業が終了するが、今後1人で生活改善が維持できるか不安だ」という声が聞かれた。
参加者が事業終了後も改善した生活習慣が維持できるようにするための保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 参加者の家庭訪問
  2. 次年度の健康診査の受診勧奨
  3. 糖尿病予防食のレシピ集の配布
  4. 参加者同士のセルフヘルプグループの立ち上げへの支援

 

 


 

▶午後7

在胎35週、体重2,000gで出生した児。生後4か月1日で4か月児健康診査を受診した。
この時の状況で経過観察が必要なのはどれか。

 

  1. 指しゃぶりをする。
  2. あやしても笑わない。
  3. 体重が5,300gである。
  4. おもちゃに手を伸ばさない。

 

 


 

▶午後8

Aさん(17歳、女子)。保健センターにAさんの母親が来所し「Aが『学校でみんなが私の噂をしている』と言い、3か月前から不登校になっている。最近は自室から独り言が聞こえ、昼夜逆転の生活で部屋から出てこない。このままでは引きこもりになってしまう」と保健師に話した。
母親への保健師の支援で適切なのはどれか。

 

  1. 精神障害者の家族会の参加を勧める。
  2. 保健所の精神保健福祉相談を勧める。
  3. Aさんと日中に少しずつ外出することを勧める。
  4. 不登校になる前の学校での様子を確認するよう勧める。

 

 


 

▶午後9

Aさん(19歳、女性)。発達障害と軽度知的障害があり、精神障害者保健福祉手帳を取得している。特別支援学校を卒業後、Aさんは「行くところがない」と言い、終日自宅で過ごしている。母親が「このままで良いのだろうか」と市の保健師に相談した。
Aさんに社会参加を促すため、保健師が勧める障害福祉サービスで適切なのはどれか。

 

  1. 自立訓練
  2. 就労移行支援
  3. 地域移行支援
  4. 地域活動支援センター

 

 


 

▶午後10

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に定める難病対策地域協議会で正しいのはどれか。

 

  1. 構成員に患者の家族が含まれる。
  2. 医療費助成の支給認定を行っている。
  3. 患者や家族への医療情報の提供を目的とする。
  4. 都道府県、保健所を設置する市及び特別区に設置の義務がある。

 

 


 

▶午後11

歯科口腔保健の推進に関する法律に基づく基本的事項の目標とライフステージの組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 口腔状態の向上――乳幼児期
  2. 歯の喪失防止――学童期
  3. 健全な歯・口腔の育成――成人期
  4. 口腔機能の維持・向上――高齢期

 

 


 

▶午後12

大型の石材を建築材料に加工する工場で、設置されている石材加工用の機械に防振ゴムを取り付け、工場内の騒音の低減を図った。この対策に該当するのはどれか。

 

  1. 健康管理
  2. 作業環境管理
  3. 作業管理
  4. 総括管理

 

 


 

▶午後13改題

腸管出血性大腸菌による食中毒で正しいのはどれか。

 

  1. 潜伏期は6~24時間である。
  2. 加熱が不十分な牛肉が原因となることが多い。
  3. 合併症である溶血性尿毒症症候群〈HUS〉の発症は成人に多くみられる。
  4. 令和4年(2022年)の食中毒事件数はカンピロバクターが原因のものよりも多い。

 

 


 

▶午後14

レジオネラ症患者発生の届出を受けた保健所が感染の原因を調査する際に、最も重要な情報はどれか。

 

  1. 入浴施設の利用歴
  2. 発症前の食事内容
  3. 蚊による刺咬の有無
  4. レジオネラ症患者との接触歴の有無

 

 


 

▶午後15

厚生労働省が定める過重労働による健康障害防止のための総合対策はどれか。

 

  1. 毎月の健康診断
  2. 運動指導プログラムの作成
  3. 健康増進サービス機関の活用
  4. 時間外・休日労働時間の削減

 

 


 

▶午後16

陽性反応的中度が上昇する理由で適切なのはどれか。

 

  1. 疾患の治療法が進歩した。
  2. 疾患の有病率が上昇した。
  3. 検査を受けた人数が増加した。
  4. 検査の感度は変わらず特異度が低下した。

 

 


 

▶午後17改題

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査の糖尿病に関する統計で正しいのはどれか。

 

  1. 平成28年(2016年)の糖尿病が強く疑われる者は約1,000万人である。
  2. 40歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、男性よりも女性が高い。
  3. 糖尿病が強く疑われる者のうち、糖尿病治療を受けている者の割合は40%以下である。
  4. 30歳以上で糖尿病が強く疑われる者の割合は、女性では年齢に関係なく一定である。

 

 


 

▶午後18

結核の有病者数の年次推移を表す図表で適切なのはどれか。

 

  1. 散布図
  2. 円グラフ
  3. 帯グラフ
  4. 折れ線グラフ

 

 


 

▶午後19

学校保健行政に関する内容と法律の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 学校医の配置――労働安全衛生法
  2. 特別支援教育――障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉
  3. 教職員の健康診断――学校保健安全法
  4. 不登校児童生徒の支援――教育基本法

 

 


 

▶午後20

平成24年(2012年)に制定された子ども・子育て支援新制度に含まれるのはどれか。

 

  1. 子どもの事故予防強化
  2. 認定こども園制度の改善
  3. マタニティマークの配布
  4. 妊娠期からの児童虐待防止
  5. 医療的ケアを必要とする子どもへの支援の向上

 

 


 

▶午後21

1歳6か月児健康診査で確認するのはどれか。

 

  1. 丸を描ける。
  2. 自分の名前が言える。
  3. 一人でパンツが脱げる。
  4. 自分でコップを持って水が飲める。
  5. ままごとなどのごっこ遊びができる。

 

 


 

▶午後22

乳児期の育児支援について検討するために、4か月児の保護者を対象にグループインタビューを実施した。
その結果から得られた事項で、プリシード・プロシードモデルの準備要因はどれか。

 

  1. 育児は楽しいと思う。
  2. 家事は夫婦で分担する。
  3. 子育てサークルに参加する。
  4. かかりつけの小児科医がいる。
  5. 父親を対象とした育児教室に参加する。

 

 


 

▶午後23

高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて市町村が行う事業はどれか。

 

  1. がん検診
  2. 歯周疾患検診
  3. 特定健康診査
  4. 就労者の定期健康診査
  5. 生活保護受給者の検診

 

 


 

▶午後24

市では、生活習慣病のハイリスク者である40歳から60歳でBMI25以上の者を対象に、行動変容を促し肥満を改善することを目的として、毎週1回、1クール6回の生活習慣病予防教室を開催した。
アウトカム評価のための指標はどれか。

 

  1. 各回の参加率
  2. 参加者の満足度
  3. 運営にかかった費用
  4. 教室を担当した職員数
  5. 参加者の6か月後のBMI

 

 


 

▶午後25

地域ケアシステムの発展過程で、第1段階に含まれる活動内容はどれか。

 

  1. ケアサービスの量的拡大
  2. 住民の健康課題とニーズの把握
  3. 地域課題に必要なケアシステムの予算確保
  4. ケアサービスの質向上のための定期的な会議の開催
  5. 地域ケアシステムの運営に必要なマンパワーの確保

 

 


 

▶午後26

症例対照研究で正しいのはどれか。

 

  1. 寄与危険の近似値を推定できる。
  2. 研究対象とする疾病が治癒した者を対照群とする。
  3. 症例群と対照群の過去の要因曝露状況を比較する。
  4. 症例群と対照群を追跡調査して死亡率を比較する。
  5. 症例群に試験薬、対照群に偽薬〈プラセボ〉を投与する。

 

 


 

▶午後27

割合の差の検定に用いるのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 回帰分析
  3. 一元配置分散分析
  4. χ2〈カイ2乗〉検定
  5. Wilcoxon〈ウィルコクソン〉の順位和検定

 

 


 

▶午後28改題

標準化死亡比〈SMR〉で正しいのはどれか。

 

  1. 人口の大きな集団ほど高くなる。
  2. 高齢化率の高い集団ほど高くなる。
  3. 平成27年モデル人口を基準人口として用いる。
  4. 計算には観察集団の年齢階級別人口が必要である。
  5. 直接法による年齢調整死亡率の計算過程で得られる。

 

 


 

▶午後29改題

令和4年(2022年)の日本の人口動態統計における自殺死亡で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 男性の死亡率は女性よりも高い。
  2. 20~24歳の死因の第1位である。
  3. 死因順位別死亡数は第5位である。
  4. 自殺死亡率は10年前よりも増加している。
  5. 男性の死亡率が最も高い年齢階級は40~44歳である。

 

 


 

▶午後30

児童に感染症の疑いがある場合の養護教諭の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 学級閉鎖の期間を決定する。
  2. 全学級に保健だよりを配布する。
  3. 保健所に出席停止の措置を連絡する。
  4. 当該児童の保護者に出席停止を指示する。
  5. 当該児童の保護者に医療機関受診を勧奨する。

 

 


 

▶午後31

Aさん(43歳、女性、公務員)。乳癌で手術を受け、手術後1か月で職場復帰となった。復帰後も仕事を継続しながら化学療法、放射線療法、ホルモン療法を行う予定である。
Aさんが利用できるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療扶助
  2. 傷病手当金
  3. 介護保険制度
  4. 高額療養費制度
  5. 確定申告による医療費控除

 

 


 

▶午後32

介護老人福祉施設から保健所に、インフルエンザを発症する入所者が増加しており集団感染が懸念されるので、どのように対応したらよいかとの相談があった。
感染拡大防止のために保健所が施設に行う指導として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 未発症の入所者にN95マスクを着用させる。
  2. 発症した職員の復帰は解熱の翌日からとする。
  3. インフルエンザワクチン未接種の職員は自宅待機させる。
  4. 多数の入所者が集まって実施しているレクリエーション活動を休止する。
  5. 職員および面会者が入所者の部屋へ入退室する時にアルコールで手指消毒を行う。

 

 


 

▶午後33

自治体の保健師が行う業務管理はどれか。2つ選べ。

 

  1. 地域活動計画と他部門の計画との整合性を判断する。
  2. 活動の評価結果を翌年度の計画に反映させる。
  3. 専門性を向上させるための研修を実施する。
  4. 地域のニーズを踏まえた地域診断を行う。
  5. 相談や訪問などの記録を管理する。

 

 


 

▶午後34改題

令和2年度(2020年度)の社会保障給付費で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 医療給付費が最も多くを占める。
  2. 雇用保険の失業給付が含まれる。
  3. 給付総額は年間300兆円を超える。
  4. 給付総額は前年度よりも減少している。
  5. 国民1人あたりの給付費は約100万円である。

 

 


 

▶午後35

医療法に基づき都道府県が定める医療計画における5疾病に含まれるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. がん
  2. 結核
  3. 脳卒中
  4. 慢性肝炎
  5. 気管支喘息

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

11月4日、特別養護老人ホームの看護師から「施設の入所者Aさん(87歳、女性、要介護4)に2日前から微熱があり、食欲がないため受診したところ、医師から結核の疑いがあると言われた」と保健所に相談があった。保健師が状況を確認したところ、現在はAさんを個室に移動し、介護にあたる職員はマスクを着用している。Aさんに呼吸器症状はない。特別養護老人ホームでは毎年1回健康診断を実施しており、半年前に実施した健康診断の結果では、Aさんに特に異常はなかったという。

 

▶午後36

この時の保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんに結核専門病院の受診を促す。
  2. Aさんの居室を消毒するよう指導する。
  3. 特別養護老人ホームを11月4日に訪問する。
  4. 特別養護老人ホームの全入所者の面会を制限するよう伝える。

 

 


 

▶午後37

11月6日の夕方、Aさんを診察した結核専門病院の医師から保健所に、結核の発生届が提出された。診断名は肺結核で、喀痰塗抹検査陽性、喀痰培養検査中、核酸増幅法で結核菌が確認された。胸部エックス線撮影で空洞病変が認められた。感染症対策担当の保健師は主治医に連絡し、届出内容の確認を行った。Aさんには抗結核薬3剤による薬物治療が開始された。
この時の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づく保健所の対応で、優先度が高いのはどれか。

 

  1. Aさんとの面接
  2. 入院勧告の手続き
  3. 医療費公費負担の手続き
  4. 特別養護老人ホームへの積極的疫学調査

 

 


 

▶午後38

感染症対策担当の保健師はAさんの接触者健康診断の対象者を選定するため、特別養護老人ホームの職員および入所者の接触状況を確認することとした。Aさんは1年前の11月1日から入所している。
他者への感染の可能性がある期間の始期の設定で正しいのはどれか。

 

  1. Aさんの特別養護老人ホーム入所日
  2. 半年前の健康診断実施日
  3. 結核専門病院初診日の3か月前
  4. 微熱の出現日
  5. 結核の診断日

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(35歳、男性)は、従業員約500人の企業に勤務している。先日、Aさんの上司から社内の健康管理課の保健師に電話があり「Aさんは4月に他部署から異動してきましたが、最近休みがちで、月曜日は遅刻が多く表情も硬い。仕事中ウトウトすることもあるため声をかけたら『医療機関に通院しているから大丈夫です』としか言わない。どう対応すればよいか」との相談があった。

 

▶午後39

Aさんの上司への保健師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「医療機関を変えるように勧めてください」
  2. 「Aさんの仕事の量を減らすようにしてください」
  3. 「健康管理課に相談に来るように勧めてください」
  4. 「ご家族に電話をして、家庭での様子を確認してください」

 

 


 

▶午後40

Aさんはうつ病で、6か月の休職が必要と診断された。休職して4か月後、保健師が定期連絡をした際にAさんから「体調も良くなったので早く仕事に復帰したい。復職手続きとして何をしたらよいか教えてほしい」との発言があった。
Aさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「産業医に相談しましょう」
  2. 「上司に復職の意思を伝えてください」
  3. 「保健師が復職に向けた調整を行います」
  4. 「復職について主治医の診断書を提出してください」

 

 


 

▶午後41

この企業では、過去2年間で5名の職員がメンタルヘルスの不調で休職となっている。今回の経験を踏まえ、保健師は従業員のメンタルヘルスケアに取り組む必要があると考え、心の健康づくり計画を策定することとした。
計画の策定にあたり社内で話し合う場として適切なのはどれか。

 

  1. 安全衛生委員会
  2. 管理監督者会議
  3. 業務改善委員会
  4. 人事評価委員会

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

A市(人口5万人)では、大規模災害発生に備えた医療体制の確保等のため、地域の関係機関を集めた検討を行うことになった。A市内には地域医療の中核となるB病院を含め複数の病院があるが、大規模災害の発生を想定すると、軽症者から重症者までの傷病者全てをそれらの病院で受け入れることは困難と予想される。

 

▶午後42

この傷病者受け入れの課題への対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 発災前に応急手当用品を各家庭に配布する。
  2. 緊急度に応じた搬送ができる体制を整備する。
  3. 発災後にB病院の医師が市内全域を往診する。
  4. 傷病者が診察を待つ場所を病院の隣に設置する。

 

 


 

▶午後43

A市には、食品加工工場があり、従業員の多くがA市内に在住している。また、A市の上水道の普及率は約95%であり、未整備の家庭では、生活用水として井戸水を使用している。
大規模災害時の健康危機に備えA市の保健師が平常時に実施すべき事項として適切なのはどれか。

 

  1. 断水時に利用可能な井戸の水質検査をする。
  2. 食品関連事業者に衛生管理指導を実施する。
  3. 災害医療に必要な医薬品の供給体制を確保する。
  4. 定期的に医療福祉機関との連携会議を開催する。

 

 


 

▶午後44

A市では、大規模災害を想定した災害時保健活動のマニュアルを作成することになった。
発災から72時間経過した時期の保健師活動としてマニュアルに記載する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 生活習慣病予防教室の開催
  2. 住民へのハザードマップの配布
  3. 災害対応にあたる職員の健康管理
  4. 災害時保健活動全体のまとめと評価

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

肥満者に対する新規の糖尿病発症予防プログラムを立案し、従来のプログラムと比較して新規のプログラムの効果を評価することとした。特定健康診査の受診者で糖尿病ではないことが確認できた肥満者200人を、従来のプログラム群と新規のプログラム群にそれぞれ100人ずつ登録してプログラムを実施し、その後3年間の新規の糖尿病発症の有無を確認することとした。

 

▶午後45

この研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. コホート研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究

 

 


 

▶午後46

従来のプログラム群と新規のプログラム群の2群間において、対象者の背景を均一にする必要があると考えられた。
背景を均一にするための最も適切な方法はどれか。

 

  1. 制限
  2. 層化
  3. マッチング
  4. 無作為抽出
  5. 無作為割付

 

 


 

▶午後47

それぞれのプログラムを実施し、その後3年間の新規の糖尿病発症の有無を確認した。結果を以下に示す。
106pm47h
新規のプログラム群の既存のプログラム群に対する新規の糖尿病発症の相対危険を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み48、49の問いに答えよ。

人口40万人のA市。3年前から出生数が増加傾向にある。最近、乳幼児相談時に、保健師に対しておやつの時間や指しゃぶりなど育児に関する細かな相談をする母親や育児不安を訴える母親が増えている。

 

▶午後48

A市の育児に関する健康課題を明確にするため保健師が優先して行うのはどれか。

 

  1. 新生児家庭訪問結果の分析
  2. 両親学級の参加者情報の確認
  3. 乳幼児相談の内容のカテゴリー化
  4. 母子健康手帳交付時の面接内容の分析
  5. 4か月児健康診査に対する母親へのアンケートの実施

 

 


 

▶午後49

A市では1年前に新しく建設された大規模マンションがあり、出産を控えた妊婦や乳幼児のいる家族が多く居住していた。地区担当保健師はこの地区で安心して子育てができるよう、新たな事業を計画することとした。
地区担当保健師が最初に計画する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 市内の産婦人科医療機関との連携を強化する。
  2. 乳幼児を持つ親と妊婦との交流会を開催する。
  3. 要保護児童対策地域協議会で事例検討を行う。
  4. 転入してきた妊婦の家庭訪問を行う。

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(32歳、男性)。父親は死去し、母親は隣の市で生活している。Aさんは26歳の頃に会社で「自分は何でもできる」と言い、話がすぐに飛躍し強引な契約やミスが続き、27歳で退職となった。翌年、無理な自動車運転による交通事故を起こし、入院先の病院で双極性障害と診断された。1か月の入院ののち退院したが、その後はアルバイトを転々としながら1人で暮らしていた。

 

▶午後50

ある日、母親が来所し「Aの自宅に行ったら、ずっと布団に入ったまま、食事もちゃんと摂っていないようだ。Aは眠れない、死にたいと言っている。どうしたら良いか」と相談があった。保健センターの地区担当保健師が母親と一緒にAさん宅を訪問した。Aさんは、痩身で顔は青白く、表情は乏しい。
保健師が確認するAさんの情報で優先されるのはどれか。

 

  1. 自殺企図
  2. 睡眠の状況
  3. 食事の摂取量
  4. 布団から出ない理由

 

 


 

▶午後51

Aさんは3か月間、精神科に医療保護入院した。退院後は地区担当保健師が、月1回程度訪問をしている。退院3か月が経過したある日、Aさん宅を訪問するとAさんは笑顔で覇気があり「薬に頼らなくても、よく眠れるようになりました。体調も良いし、先生も次回受診のことは言ってなかったので通院はもう終わりです。これからアルバイトを探す予定です」と話した。
Aさんへの地区担当保健師の支援で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 患者会への参加を勧める。
  2. 就労移行支援の利用を勧める。
  3. 保健師同伴での受診を勧める。
  4. 民生委員に見守りを依頼することの了解を得る。

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

Aさん(19歳、男性)。大学生。1人暮らし。発熱および全身に発疹が出現したため、5月20日に大学の近くの診療所を受診した。麻疹の疑いがあるため血液検査を実施し、血清IgM抗体陽性のため、5月22日に診療所の医師から保健所に届出があった。Aさんは5月上旬に海外旅行に出かけ、不特定多数の人と接触があった。

 

▶午後52

保健所の保健師が発生届を受理した際に診療所の医師へ確認することで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 海外旅行先
  2. 現在の療養場所
  3. 診断結果の本人への説明
  4. PCR法による病原体遺伝子の検出
  5. 海外旅行以外での感染の機会の有無

 

 


 

▶午後53

Aさんへの行動調査の結果を表に示す。帰国後、大学以外の場で接触した者は(a)〜(d)であった。
106pm53h
(a)〜(d)のうち、麻疹発症のリスクがある接触者はどれか。

 

  1. (a)(b)(c)(d)
  2. (a)(b)(c)
  3. (b)(c)(d)
  4. (c)(d)

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

A君(8歳、男児)は、これまで学習面では支障をきたすことはなかったが、こだわりが強いところがあり、友達とのトラブルが起きることもあった。小学校3年生になってクラス替えがあり、図画工作の授業になると落ち着かない状態になり、教室を抜け出すことが多くなった。校舎内を歩き回ることも多く、養護教諭が落ち着くまで付き添い、どうしてもA君が教室に戻らないときには、母親に迎えに来てもらうようになった。A君は母親とともに医療機関を受診した結果、自閉症スペクトラム障害と診断された。

 

▶午後54

校内では学級担任と養護教諭、管理職で対応が話し合われた。その結果、学校と家庭が連携してA君に必要な支援を進めるために、母親が地域の関係機関にA君のことを相談するよう養護教諭から母親に話をすることになった。
A君の母親に提案する地域の関係機関で、最も適切なのはどれか。

 

  1. 子育て世代包括支援センター
  2. 発達障害者支援センター
  3. 社会福祉協議会
  4. 児童養護施設
  5. 児童館

 

 


 

▶午後55

A君と母親が地域の関係機関を訪れて相談し、A君の得意なことと苦手なことが明らかとなり、学校は必要な支援の方針を確認することができた。母親からも「Aの状況が分かって良かった。Aにあった支援をお願いしたい」という言葉が聞かれた。支援の結果、A君は、徐々に、授業を抜け出したくなると保健室に来るようになってきた。一方で、教室には落ち着いていられない状況は続いている。そこで特別支援コーディネーター、スクールカウンセラーも交えた校内委員会を開催して、A君への今後の対応について検討した。
A君への対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 保健室内での養護教諭による学習の支援
  2. スクールカウンセラーとの面談
  3. 特別支援学級への通級の検討
  4. 学校行事への参加の促進

 

 


 

資料 厚生労働省「第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験、第109回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和3年2月12日実施の第107回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第107回保健師国家試験目次

 

 

第107回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

保健師の業務従事者届について正しいのはどれか。

 

  1. 医療法で規定されている。
  2. 届出の間隔は一年ごとである。
  3. 居住地の都道府県知事に届け出る。
  4. 届出は業務に従事する保健師の義務である。

 

 


 

▶午前2

地域包括ケアシステムにおける相互援助の概念と具体的な取り組みとの組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 自助――民間サービスの購入
  2. 互助――医療保険
  3. 共助――生活保護
  4. 公助――ボランティア

 

 


 

▶午前3

市町村保健師の家庭訪問対象として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 切迫早産で主治医から自宅安静を指示された妊婦
  2. 特定健康診査で血圧150/90mmHgの未治療者
  3. 訪問看護サービスを開始した難病患者
  4. 1歳6か月児健康診査で虐待の可能性がある児

 

 


 

▶午前4

地域包括支援センターに、住民Aさんから「近所に住む1人暮らしのBさん(85歳、男性)が、自宅の庭にごみを山のように置いている。一人ではごみを片付けられない様子なので、何とかしてほしい。年齢のこともあるので火の始末も気になる」と、電話相談があった。
地域包括支援センターの保健師の最初の対応として適切なのはどれか。

 

  1. 消防署にBさん宅の訪問を依頼する。
  2. Aさんに自治会で話し合うよう助言する。
  3. 市のごみ収集担当部署に対応を依頼する。
  4. 地域包括支援センターの職員とBさん宅を訪問する。

 

 


 

▶午前5

職場の特定健康診査の結果、血圧が高い者の割合が多かった。血圧が高い者の食事摂取内容を確認すると、味の濃い食事や麺類を好んで食べていることが分かったため、事業所の保健師は、血圧が高かった者を対象に月2回の6か月コースで減塩教室を実施することにした。
減塩教室実施後のアウトカム評価で最も適切なのはどれか。

 

  1. 血圧値
  2. 1日の食塩摂取量
  3. 減塩教室の参加率
  4. 産業医との面談回数

 

 


 

▶午前6

昨年度の生活習慣病予防教室参加者から、自主グループとしてウォーキング愛好会を立ち上げたいと地区担当保健師に相談があった。
このグループの発展段階の開始期に支援する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 年間活動計画の立案
  2. ウォーキングコースの設定
  3. メンバー募集のチラシ作成
  4. メンバーの役割分担

 

 


 

▶午前7

A市の新生児訪問のデータを表に示す。
107am7h
このデータの統計分析に適切なのはどれか。

 

  1. F検定
  2. t検定
  3. U検定
  4. χ2〈カイ2乗〉検定

 

 


 

▶午前8

平成29年(2017年)の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律で改正されたのはどれか。

 

  1. 介護医療院の創設
  2. 地域ケア会議の推進
  3. 全国一律の予防給付の地域支援事業への移行
  4. 一定以上所得のある者のサービス費の利用者負担2割

 

 


 

▶午前9

市の健康増進計画(3か年計画)を新たに策定することになり、市に健康増進計画審議会を設置することになった。
審議会の説明として適切なのはどれか。

 

  1. 策定した計画の評価を目的とする。
  2. 審議会の決定は法的拘束力を持つ。
  3. 地域保健法に基づき設置される。
  4. 合議制の諮問機関である。

 

 


 

▶午前10

がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針について、平成28年(2016年)改訂以降の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 乳がん検診の対象者は20歳以上である。
  2. 胃がん検診には胃内視鏡検査が含まれる。
  3. 肺がん検診の受診間隔は2年に1回である。
  4. 子宮頸がん検診の受診間隔は1年に1回である。

 

 


 

▶午前11

うつ病で休職中の人が活用できるのはどれか。

 

  1. リワーク支援
  2. 就労移行支援
  3. 就労継続支援
  4. 就労定着支援

 

 


 

▶午前12

健康危機の発生の未然防止に該当するのはどれか。

 

  1. 緊急相談窓口の設置
  2. 感染症サーベイランス
  3. 避難行動要支援者の把握
  4. 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉のある人への支援

 

 


 

▶午前13

地域における結核の個別患者支援計画で週1、2回の服薬確認が適切と判断する患者特性はどれか。

 

  1. 結核の既往がある。
  2. 要介護4の独居高齢者である。
  3. アルコール依存症患者である。
  4. 診断時、住所不特定者であった。

 

 


 

▶午前14

保健師は市の防災担当部署と協力して避難訓練を行うこととした。
訓練の対象として優先的に声をかけるのはどれか。

 

  1. 子育てサークルのメンバー
  2. 転入して1年以内の住民
  3. 高齢者施設の入居者
  4. 被災経験のある住民

 

 


 

▶午前15

学校環境衛生について正しいのはどれか。

 

  1. 検査には下水道に係る項目がある。
  2. 学校医は環境衛生検査に従事する。
  3. 学校保健委員会は環境衛生の管理に責任を持つ。
  4. 感染症の発生の恐れがあるときは臨時検査を行う。

 

 


 

▶午前16

患者調査で正しいのはどれか。

 

  1. 5年に1回実施される。
  2. 推計患者数には調査日に受療した患者数が含まれる。
  3. 調査日に入院している患者の平均在院日数が把握される。
  4. 総患者数には医療を受けたことのない有病者数も含まれる。

 

 


 

▶午前17

国際疾病分類〈ICD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 第9回改訂〈ICD-9〉が最新である。
  2. 各種疾病の治療指針が示されている。
  3. 世界保健機関〈WHO〉が改訂を行っている。
  4. 国際生活機能分類〈ICF〉の上位概念である。

 

 


 

▶午前18

国保データベース〈KDB〉システムが扱う対象はどれか。

 

  1. 健康保険組合
  2. 国民健康保険組合
  3. 全国健康保険協会
  4. 国家公務員共済組合

 

 


 

▶午前19

食品に係る事項と法令との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 食中毒の届出――食品安全基本法
  2. 栄養機能食品の表示――食育基本法
  3. 特定保健用食品の許可――健康増進法
  4. アレルゲンを含む食品であることの表示――食品衛生法

 

 


 

▶午前20

学校保健について正しいのはどれか。

 

  1. 保育所は学校教育法に規定されている。
  2. 学校保健行政は厚生労働省が所管している。
  3. 教職員の健康診断の実施主体は労働基準監督署である。
  4. 学校の設置者は感染症の予防のための臨時休業を行うことができる。

 

 


 

▶午前21

児童相談所について正しいのはどれか。

 

  1. 市町村に設置義務がある。
  2. 養子縁組の相談に応じる。
  3. 母親を一時保護する機能を持つ。
  4. 児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に基づき設置される。

 

 


 

▶午前22

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 入院勧告によって感染症指定医療機関で受ける入院治療の医療費は公費負担となる。
  2. 感染症まん延防止のために予防接種を勧奨する疾患について規定されている。
  3. 無症状病原体保有者についての届出は定められていない。
  4. A型肝炎は三類感染症である。

 

 


 

▶午前23

災害拠点病院について正しいのはどれか。

 

  1. 東日本大震災を契機として整備を開始した。
  2. 災害対策基本法に指定要件が定められている。
  3. 地域災害拠点病院は各都道府県に1か所ずつ設置されている。
  4. 被災地へ災害派遣医療チーム〈DMAT〉を派遣する体制を備える。

 

 


 

▶午前24

成人男性の部位別にみた悪性新生物の年齢調整死亡率の推移のグラフを示す。
107am24h
Aの一次予防として正しいのはどれか。

 

  1. 肥満予防
  2. 減塩の推奨
  3. 野菜の摂取
  4. 受動喫煙防止
  5. 節度ある飲酒

 

 


 

▶午前25

Aさん(48歳、男性)。妻と2人暮らし。精神科に通院中であり、保健所のアルコール依存症者の自助グループに定期的に参加している。ある日、Aさんが担当保健師を訪ねてきたが、呼気にアルコール臭がした。Aさんに確認すると、「自助グループに参加してから断酒できていたが、今朝ビールを3缶飲んでしまった」と話した。
担当保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 意志が弱いと注意する。
  2. アルコールの害を説明する。
  3. 1日の適正飲酒量を説明する。
  4. 自助グループの参加を中断するよう勧める。
  5. 飲酒をしていない日に面接したいことを伝える。

 

 


 

▶午前26

人から人への直接の伝播がない感染症はどれか。

 

  1. 痘そう
  2. ペスト
  3. 腸チフス
  4. デング熱
  5. 腸管出血性大腸菌感染症

 

 


 

▶午前27

予防接種法に基づく定期予防接種の対象疾病のうち、目的として個人の発病または重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するために定期的に行う必要があるのはどれか。

 

  1. 結核
  2. 麻しん
  3. 破傷風
  4. B型肝炎
  5. インフルエンザ

 

 


 

▶午前28

A化学工場で、トルエンを取り扱っている複数の社員が急に頭痛やめまいを訴えたため、臨時職場巡視を実施した。その結果、トルエンによる中毒症状が出現していたことが判明し、原因は防護具の着用が不適切なことだった。
健康障害の再発防止策で最も効果的なのはどれか。

 

  1. 救急用具の変更
  2. 職場環境測定回数の増加
  3. 社内広報を活用した情報発信
  4. 特殊健康診断実施回数の増加
  5. 有機溶剤を取り扱う社員に対する研修

 

 


 

▶午前29

A市のある一時点におけるC型肝炎を有している人の割合を示す指標はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 被患率
  3. 有病率
  4. 寄与危険
  5. 相対頻度

 

 


 

▶午前30改題

令和4年(2022年)の人口動態統計月報年計における性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合を示す。
107am30h
自殺はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前31改題

令和2年度(2020年度)の国民医療費について、傷病大分類別の医科診療医療費が最も多いのはどれか。

 

  1. 新生物〈腫瘍〉
  2. 呼吸器系の疾患
  3. 循環器系の疾患
  4. 内分泌、栄養及び代謝疾患
  5. 筋骨格系及び結合組織の疾患

 

 


 

▶午前32

母子健康手帳に記載されている「保護者の記録【3歳の頃】」で、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. はさみを上手に使えますか。
  2. 片足でケンケンをしてとびますか。
  3. はっきりした発音で話ができますか。
  4. 衣服の着脱をひとりでしたがりますか。
  5. 手を使わずにひとりで階段をのぼれますか。

 

 


 

▶午前33改題

令和4年(2022年)の日本における出生の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生順位別構成割合は第1子が50%を上回っている。
  2. 母の年齢別にみた出生率は30~34歳が最も高い。
  3. 都道府県別合計特殊出生率は沖縄県が最も低い。
  4. 出生率は8.0(人口千対)を下回っている。
  5. 純再生産率は1を超えている。

 

 


 

▶午前34

人口10万人の市の保健師が担当地区の地域診断を行った。
情報分析の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 出生数を県全体の数値と比較した。
  2. 妊産婦死亡率を学校区別に比較した。
  3. 地区組織の代表者からの意見を分析した。
  4. 住民登録者のない地区をアセスメントから除外した。
  5. 子育てニーズを母親の就労の有無などの属性別に集計した。

 

 


 

▶午前35

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針で定める内容はどれか。2つ選べ。

 

  1. 発症の予防
  2. 就労の支援
  3. 医療費の適正化
  4. 対象疾患の拡充
  5. 療養生活の環境整備

 

 


 

▶午前36改題

放射線被ばくによる影響で正しいのはどれか。3つ選べ。

 

  1. 肝硬変の原因となる。
  2. クラッシュ症候群を起こす。
  3. 晩発症状として不妊が起こる。
  4. 早期症状に白血球の減少が起こる。
  5. 胎児期の被ばくでは精神発達遅滞のリスクが高まる。

 

 


 

▶午前37

衛生管理者について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 国家資格である。
  2. 労働安全衛生法に規定されている。
  3. 安全に関する技術的事項を管理する。
  4. 作業者の健康障害を防止するための作業指揮を行う。
  5. 常時100人以上の労働者を使用する事業場は専任とする。

 

 


 

▶午前38

保健師が行う事例管理はどれか。2つ選べ。

 

  1. 継続的な支援が終了した家庭訪問記録を定められた期間保存する。
  2. 精神疾患を有する妊婦の支援方法について精神科医に相談する。
  3. 退院後の支援体制構築のため入院中にケア会議を開催する。
  4. 介護支援専門員への情報提供について本人の同意を得る。
  5. 運動習慣啓発のためのシンポジウムを開催する。

 

 


 

▶午前39

市町村保健師が実施する保健サービスで保健師が知り得た秘密を漏らしてはならないことについて規定している法律はどれか。2つ選べ。

 

  1. 母子保健法
  2. 地域保健法
  3. 地方公務員法
  4. 保健師助産師看護師法
  5. 次世代育成支援対策推進法

 

 


 

▶午前40

人口10万人のA市におけるある年度の死亡数は1,000人であった。悪性新生物の罹患数は300人であり、その死亡数は200人であった。
死亡に占める悪性新生物の相対頻度を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

Aさん(32歳、女性、会社員)。夫と長男のBちゃん(3歳、男児)との3人暮らし。Bちゃんは保育所に通っている。Aさんから「Bは保育所でたびたび他の子どもたちが遊んでいるおもちゃを取り上げ泣かせてしまい、保育士が止めに入ると、Bはキーと奇声をあげ走り回っていたり、遊びの時間が終わっても1人でミニカーを並べることにこだわっているようです。保育士から保健師に相談してみてはどうかと言われました」と市保健センターの地区担当保健師へ電話相談があった。

 

▶午前41

Aさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 公園で遊ばせることを勧める。
  2. 保育所を休ませるよう勧める。
  3. 家での様子をみるために家庭訪問をする。
  4. ファミリーサポートセンター事業を紹介する。

 

 


 

▶午前42

1か月後。Bちゃんは、3歳児健康診査のために市保健センターに来所した。健康診査の医師は、Bちゃんは発達に問題がある可能性があると話した。Aさんは「Bは発達障害なのでしょうか。どうしたらいいのでしょうか」と保健師に話した。
Aさんへの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 児童館の利用を促す。
  2. 保健師による継続訪問をする。
  3. 心理相談を受けることを勧める。
  4. 地域の育児サークルを紹介する。

 

 


 

▶午前43

Bちゃんは、その後自閉症スペクトラム障害であると診断を受けた。保健師は、Aさんの承諾を得てBちゃんが通っている保育所にBちゃんの3歳児健康診査の結果を情報提供した。その際に、保育所の所長からBちゃんへの関わり方について相談があった。
保健師から所長への助言で適切なのはどれか。

 

  1. 保育室の出入口を施錠する。
  2. 毎日新しい遊びを取り入れる。
  3. Bちゃんに一人で食事をさせる。
  4. Bちゃんへの説明は絵も活用する。

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

人口70万人のA市。8月のある日、深夜から早朝にかけ大規模災害が発生し、市内で家屋の倒壊、道路の陥没・停電・断水等の被害があり、特にB地区で甚大な被害が出た。
B地区を管轄する保健センターの職員は全員A市に住んでいる。

 

▶午前44

発災当日の朝、B地区を管轄する保健センターに出勤できた保健師は16名中3名だった。
発災当日、出勤した保健師の行動で適切なのはどれか。

 

  1. 福祉避難所の開設
  2. 市災害対策本部の立ち上げ
  3. 管内医療機関の位置図の作成
  4. 医療機器を使用する難病患者の安否確認

 

 


 

▶午前45

発災後2日、B保健センターの保健師が避難所の一つである市民センターを初めて訪問した。避難所の管理者より、避難所の建物に入らず市民センターの駐車場に車中泊をしている世帯が多数あり、炊き出しやトイレ以外は終日車の中で過ごし、あまり外に出てこないようだとの声が聞かれた。そのため、保健師は車中泊の避難者も巡回することにした。
巡回時の確認事項で最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食事内容
  2. 水分摂取量
  3. 車内換気の頻度
  4. 他者との交流の頻度

 

 


 

▶午前46

発災後2か月、仮設住宅の入居が始まっている。B保健センターには、県外の保健師による派遣チームが入り、協働で災害支援活動を行っている。派遣チームの保健師は、B保健センターの職員から「被災した住民の話を聞いていると自分も気持ちが落ち込む」「仮設住宅に入居できない住民の苦情を聞くのがつらい」「住民のために活動したいが、自分は無力だと感じる」等の声を多く聞いた。
派遣チームの保健師が、B保健センターの職員への支援についてB保健センターの管理者に提案する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 健康診断の実施
  2. 人事異動の提案
  3. 精神科の受診勧奨
  4. 職員同士で語り合う場の用意

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(55歳、男性)は1人暮らし。10年前に振戦を主症状としてParkinson〈パーキンソン〉病と診断されたが、これまでは自立した日常生活を送っていた。最近、身体の両側の振戦に加えて、動作が徐々に遅くなりはじめ、歩行にも不安を感じる時があり外出や受診に介助が必要になった。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類でステージⅡ、生活機能障害度2度と診断しており、2か月に1度の定期受診で経過をみている。

 

▶午前47

現在のAさんが対象となるのはどれか。

 

  1. 後期高齢者医療制度
  2. 特定疾病療養費制度
  3. 身体障害者手帳の交付
  4. 重度障害者等包括支援サービス

 

 


 

▶午前48

Aさんは運動障害に加えて非運動症状が出現するようになり、治療薬の副作用も出たことから薬剤調整のために入院した。入院中に自ら外出する必要があり、転倒の危険性から付き添いの援助を希望した。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類でステージⅢ、生活機能障害度2度と診断している。
Aさんが付き添いを依頼できる障害福祉サービスはどれか。

 

  1. 移動支援
  2. 行動援護
  3. 生活介護
  4. 同行援護

 

 


 

▶午前49

退院後、Aさんは自宅で療養することになった。今後もParkinson〈パーキンソン〉病の症状の進行が予想される。
Aさんに対して、身体機能の維持のための日常生活上の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 食事介助を受ける。
  2. 移動時は電動車椅子を利用する。
  3. 訪問入浴介護サービスを利用する。
  4. ストレッチ等で体を動かす習慣を作る。

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(52歳、女性)。1人暮らし。5年前に仕事を解雇されて以降、自宅に引きこもっている。母親は2年前に他界し、その頃より「外出するとストーカーに追われる」「赤外線で狙われて怖い」と他県に住む姉に訴えるようになった。姉が受診を勧めたが「私は病気じゃない」と言う。
Aさんは、3日前に隣人宅に来た郵便配達員を見て「お前がストーカーだな」と隣人宅に怒鳴り込み、警察に通報された。

 

▶午前50

警察から連絡を受けた姉が保健所へ相談に来た。翌日、姉と保健師でAさん宅を訪問すると、Aさんは「買い物や仕事を探しに行きたいが、ストーカーのせいで外出できない」「ストレスで眠れない」と話した。
Aさんへの保健師の声かけで、最も適切なのはどれか。

 

  1. 「ストーカーは存在しないので安心してください」
  2. 「眠れないことについて医師に相談しましょう」
  3. 「解雇された理由を振り返りましょう」
  4. 「一緒にハローワークへ行きましょう」
  5. 「お姉さんと一緒に暮らしましょう」

 

 


 

▶午前51

その後、Aさんは統合失調症と診断され入院した。徐々に症状も落ち着き、2か月後には退院が決まったが「外出するとストーカーに追われないか心配です」と話した。退院に向け、病院の相談員から保健師に相談があった。保健師は退院後の生活について、Aさんを含めたケア会議を開催することとした。
Aさんにケア会議の出席者として提案する者で適切なのはどれか。

 

  1. 隣人
  2. 警察官
  3. 公共職業安定所の相談員
  4. 訪問看護ステーションの看護師
  5. 地域生活定着支援センターの職員

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

A市B地区。県庁所在地のベッドタウンであり市外に通勤・通学する者が多く居住している地区である。B地区の1990年から2018年までの人口と高齢者人口に関するグラフを示す。
107am52

 

▶午前52改題

B地区の高齢者について正しいのはどれか。

 

  1. 1990年の老年人口割合は2018年より高い。
  2. 2000年には前期高齢者人口が人口の30%を超えた。
  3. 2015年の高齢者人口における後期高齢者の占める割合はおよそ20%である。
  4. 2018年の高齢化率は全国の高齢化率(28.1%)よりも高い。

 

 


 

▶午前53

A市のB地区を担当する保健師は、地区住民の自治会加入率が減少しており、自治会が主催している高齢者サロンの参加者が減っていることが気になっていた。そこで地域包括支援センターと協働し、サロンの活性化とともにB地区全体の地区組織活動の促進につなげていくことができないか検討していくことにした。
保健師が最初に取り組むこととして最も適切なのはどれか。

 

  1. サロンのチラシを住民に配布する。
  2. サロンと地域の子ども会との交流会を企画する。
  3. サロン及び自治会の担当者と話し合う場を設定する。
  4. 自治会と一緒に住民向けの介護予防の講演会を開催する。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

人口2万人のA市。高齢化率が34.7%で、高齢者福祉計画では「高齢者が安心・安全に暮らせるまちづくり」を目標に掲げている。A市の高齢者対策を担当するのは高齢福祉課、市直営の地域包括支援センターと社会福祉協議会であり、実務担当者が参加する地域ケア会議は毎月開催している。A市では、認知症高齢者の増加と徘徊などの問題が増えている。

 

▶午前54

A市の課題に対する地域包括支援センターの取り組みで、優先するのはどれか。

 

  1. 地域ケア会議に参加する関係者を増やす。
  2. 認知症高齢者の見守り体制を強化する。
  3. 高齢者の健康増進対策を推進する。
  4. 介護予防事業を拡大する。

 

 


 

▶午前55

A市は、今年度から、住民が携帯電話から登録できる「安心・安全ネット」を導入した。このシステムでは災害情報、行方不明者の情報、不審者・空き巣の発生など多様な情報を発信できる。システム始動から半年、「安心・安全ネット」の登録者は住民の約2割で、毎日メールが配信され、認知症高齢者を探している内容が多かった。
行方不明になった認知症高齢者を保護するためにA市が取り組む事業で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 認知症予防教室を開催する。
  2. 認知症の家族会を立ち上げる。
  3. 広報誌に「安心・安全ネット」の登録方法を掲載する。
  4. 認知症高齢者を発見したときの連絡先をポスターで掲示する。
  5. 高齢者にMini-Mental State Examination〈MMSE〉の質問紙を郵送する。

 

 

 

第107回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1改題

A市の世帯構造別にみた世帯の割合を図に示す。
107pm1h.png
令和元年(2019年)の国民生活基礎調査に基づく全国の割合と比較して、A市が高いのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 単独世帯
  2. 夫婦のみの世帯
  3. 夫婦と未婚の子のみの世帯
  4. ひとり親と未婚の子のみの世帯
  5. 三世代世帯

 

 


 

▶午後2

感染症を含む国際的な公衆衛生上の緊急事態を構成する恐れのある事象が発生した場合、世界保健機関〈WHO〉に報告することを参加国に義務づけているのはどれか。

 

  1. パリ協定
  2. バンコク憲章
  3. 国際保健規則
  4. ニュルンベルク綱領

 

 


 

▶午後3

結核に対する特異的予防はどれか。

 

  1. 栄養改善
  2. 再発予防
  3. BCG接種
  4. 重症化予防

 

 


 

▶午後4

キャッスル〈Kasl, S.V.〉とコブ〈Cobb, S.〉による保健行動の3分類に基づく、病気対処行動はどれか。

 

  1. 禁煙する。
  2. がん検診を受ける。
  3. 家族に体調不良を相談する。
  4. スイミングスクールに通う。

 

 


 

▶午後5

Aさん(68歳、女性)。市の健康課の窓口に来庁した。Aさんは「隣人が毎日、自宅にやってきて同じ話を繰り返しています。同居する娘さんからは認知症の薬を飲んでいると聞いています。隣人のことが気になり眠れないことがあります」と話した。
Aさんへの保健師の最初の声かけで正しいのはどれか。

 

  1. 「認知症サポーター養成講座を受けてください」
  2. 「ご家族以外の方からの相談は受けられません」
  3. 「地域包括支援センターで相談してください」
  4. 「睡眠の状況を教えていただけますか」

 

 


 

▶午後6

市では母子保健推進員が未就学児を対象とした遊びの会を実施している。参加している数名の母親から「自主グループとして活動したいがどうすればよいのか」と相談があった。
母親への保健師の助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「最初に会則を決定してください」
  2. 「自主グループ参加希望者の名簿を提出してください」
  3. 「自主グループの代表者は母子保健推進員にしてください」
  4. 「自主グループ参加希望者でグループの目標を話し合ってください」

 

 


 

▶午後7

生活習慣病予防の栄養教室の運営方法で適切なのはどれか。

 

  1. グループワークを用いて運営する。
  2. 参加者がお互い競争するよう促す。
  3. 参加者に連絡先の交換をするように促す。
  4. 発言の多い参加者をリーダーに指名する。

 

 


 

▶午後8

A地区の人口静態をアセスメントする方法で、適切なのはどれか。

 

  1. 統計資料の二次活用
  2. 社会調査
  3. 地区踏査
  4. 分析疫学

 

 


 

▶午後9

地域保健活動におけるソーシャルキャピタルの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 集団全体の広いリスクを対象とした支援対策である。
  2. 住民が主体的に活動できるよう支援することである。
  3. 地域の人々の社会的な結びつきに関する資本である。
  4. 個人の認識に働きかけて行動変容を促すモデルである。

 

 


 

▶午後10

A市の介護保険計画は、現在3年計画のうち2年目に入ったところである。
今年度担当になった保健師が最初に行う活動として適切なのはどれか。

 

  1. A市の高齢者にニーズ調査を行う。
  2. 前年度の活動の評価結果を確認する。
  3. 実施する事業のマニュアルを作成する。
  4. 介護保険計画のパブリックコメントを募集する。

 

 


 

▶午後11

難病相談・支援センターの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 設置主体は市町村である。
  2. 難病医療提供体制の整備を図る。
  3. 難病患者の交流活動を支援する。
  4. 難病医療費助成制度の申請窓口である。

 

 


 

▶午後12

Aさん(21歳、女性)の腸管出血性大腸菌感染症の発生届が病院から保健所に提出された。Aさんは食品調理に従事しており、保健所は就業制限を行った。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき、保健所による就業制限で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんは自宅からの外出が制限される。
  2. Aさんは食品に触れない業務には従事できる。
  3. 症状消失後、直ちにAさんは調理業務に復帰できる。
  4. 就業制限は、Aさんの勤務先の事業主に対して発せられる。

 

 


 

▶午後13

Aさん(22歳、女性)。会社員の夫と長女の3人家族。長女の3歳児健康診査のために来所した。受付の職員がAさんの顔と腕にうっすらと出血斑があり、うつむいて、髪の毛で出血斑を隠しているのに気付いた。長女が話しかけてもAさんに笑顔は見られなかった。連絡を受けた問診担当の保健師はドメスティックバイオレンス〈DV〉を疑った。長女は、身体計測では問題となる所見はなかった。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 警察に通報する。
  2. 民生委員にAさん家族の様子を尋ねる。
  3. 長女の心理発達状況を個別相談で確認する。
  4. DVスクリーニングの自記式調査票を郵送する。

 

 


 

▶午後14

事業継続計画〈Business Continuity Plan:BCP〉について適切なのはどれか。

 

  1. 労働者災害補償保険の記載が必須である。
  2. 災害対策基本法に策定義務が明記されている。
  3. 策定した計画は5年ごとに改定しなければならない。
  4. 緊急事態発生時に、社会機能をできる限り維持するための業務続行の計画である。

 

 


 

▶午後15改題

常時1,000人以上の労働者を使用する事業場で、労働安全衛生法に基づき、事業場における安全衛生管理体制の責任者として安全衛生にかかわる業務を管理・指揮する者はどれか。

 

  1. 作業主任者
  2. 産業歯科医
  3. 安全衛生推進者
  4. 総括安全衛生管理者

 

 


 

▶午後16

公衆衛生看護管理で人材管理に当てはまるのはどれか。

 

  1. 報道機関への対応は事業担当者が行う。
  2. 地域住民に必要なサービスの開発を行う。
  3. 保健師のキャリアに応じた研修を計画的に実施する。
  4. 地域診断に基づいた地区活動計画を立案する。

 

 


 

▶午後17

「地域における保健師の保健活動に関する指針」に基づく保健師の保健活動の基本的な方向性の10項目に該当するのはどれか。

 

  1. 業務分担制の推進
  2. 予算の適切な執行管理
  3. 顕在化している課題への介入重視
  4. 部署横断的な保健活動の連携・協働

 

 


 

▶午後18

A市の保健師が現在担当している子育て支援事業の次年度予算を作成することになった。
この保健師が行う予算管理として適切なのはどれか。

 

  1. 予算要求には市の基本計画との整合性を重視する。
  2. 1月1日から12月31日までの予算を作成する。
  3. 予算の執行権は予算案を作成した保健師にある。
  4. 補正予算で作成する。

 

 


 

▶午後19

同じ集団における同一のスクリーニング検査で、基準値を変えて敏感度を上げた場合に上昇するのはどれか。

 

  1. 特異度
  2. 偽陽性率
  3. 偽陰性率
  4. 陰性者数

 

 


 

▶午後20

国民健康・栄養調査について正しいのはどれか。

 

  1. 血圧値は調査項目である。
  2. 3日間の食事調査が行われる。
  3. 調査日の食費は調査項目である。
  4. 栄養素等摂取量が市区町村別に比較される。

 

 


 

▶午後21

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で規定されたのはどれか。

 

  1. 病床機能報告制度
  2. 医療安全支援センターの設置義務
  3. 医療計画への在宅医療の達成目標の記載
  4. 重症心身障害児(者)への日中の活動の場の確保

 

 


 

▶午後22

医療費の助成と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療扶助――社会福祉法
  2. 療育医療――障害者基本法
  3. 自立支援医療(更生医療)――障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉
  4. 小児慢性特定疾病医療費助成制度――難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉

 

 


 

▶午後23

慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉について正しいのはどれか。

 

  1. 病状の進行に伴い肺は縮小する。
  2. 患者の多くは60歳までに診断されている。
  3. 非感染性疾患〈Non-Communicable Diseases:NCDs〉の一つである。
  4. 健康日本21(第二次)では新規患者発生数の半減が目標に設定されている。

 

 


 

▶午後24改題

令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査の結果をグラフに示す。
107pm24h.png
このグラフが表しているのはどれか。

 

  1. う歯を持つ者の割合
  2. 顎関節の異常がある者の割合
  3. 20歯以上の歯を有する者の割合
  4. 4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合

 

 


 

▶午後25

災害救助法で定められているのはどれか。

 

  1. 自主防災組織の促進
  2. 地域防災計画の作成
  3. 避難所及び応急仮設住宅の供与
  4. 広域災害救急医療情報システム〈EMIS〉の運用
  5. 災害時健康危機管理支援チーム〈DHEAT〉の派遣

 

 


 

▶午後26

A市では、避難行動要支援者名簿の見直しをすることになった。まず、医療依存度の高い難病患者の現在の状況を確認することにした。
協力を求めるのに最も適切なのはどれか。

 

  1. 消防機関
  2. 自主防災組織
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション
  5. 民生委員児童委員協議会

 

 


 

▶午後27

健康日本21(第二次)で生活習慣病のリスクを高める1日の飲酒量の定義はどれか。
ただし、日本酒換算で、日本酒1合は純エタノール20g相当とする。

 

  1. 男性1合以上、女性0.5合以上
  2. 男性2合以上、女性1合以上
  3. 男性2合以上、女性1.5合以上
  4. 男性3合以上、女性1.5合以上
  5. 男性3合以上、女性2合以上

 

 


 

▶午後28

従属人口指数はどれか。

 

  1. 老年人口÷総人口×100
  2. 老年人口÷生産年齢人口×100
  3. (年少人口+老年人口)÷総人口×100
  4. (年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100
  5. 老年人口÷(年少人口+生産年齢人口)×100

 

 


 

▶午後29

子育て世代包括支援センターで正しいのはどれか。

 

  1. 要保護児童対策地域協議会を設置する。
  2. 母子保健推進員の配置が定められている。
  3. 児童福祉法において設置が定められている。
  4. 妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援を行う。
  5. 市町村は子育て世代包括支援センターを設置しなければならない。

 

 


 

▶午後30

特定保健指導の事業評価に用いる項目で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 動機づけ支援の対象者数
  2. 特定保健指導の中断者数
  3. 特定健康診査の未受診者数
  4. 特定保健指導対象者の指導への満足度
  5. 特定健康診査結果における要医療者の割合

 

 


 

▶午後31

学校保健安全法に基づく児童生徒の定期健康診断で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 学校行事に位置づく教育活動として行われる。
  2. 毎学年5月末日までの間に実施する。
  3. 座高は小学校低学年で測定する。
  4. 実施主体は教育委員会である。
  5. 結果に基づき事後措置を行う。

 

 


 

▶午後32

学校における保健教育で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 小学校の保健の授業は5年生から行う。
  2. 教育基本法に指導内容が規定されている。
  3. 保健指導は養護教諭が中心となって行う。
  4. 生涯にわたって健康に生きるための能力の育成を目標にする。
  5. 養護教諭は1年以上勤務する場合に保健の授業を担当できる。

 

 


 

▶午後33

事業者が実施する一般健康診断の定期健康診断で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 基本検査項目に検便を含める。
  2. 6か月以内ごとに1回実施する。
  3. 一般健康診断の結果は5年間保存する。
  4. 異常所見のある場合は必要に応じて就業上の措置を講ずる。
  5. 常時20人以上の労働者を使用する事業者は所管労働基準監督署長に結果を報告する。

 

 


 

▶午後34改題

令和2年(2020年)における精神疾患の患者に関する動向について適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 入院患者は外来患者より少ない。
  2. 措置入院患者は、入院患者の0.6%である。
  3. 精神病床における平均在院日数は300日以上である。
  4. 平成23年(2011年)と比較して患者数は減少している。
  5. 入院患者の5割以上がAlzheimer〈アルツハイマー〉病である。

 

 


 

▶午後35

計算するときに人年法を用いるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 死亡率
  2. 有病率
  3. 被患率
  4. 有訴率
  5. 罹患率比

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

Aさん(45歳、男性、営業職)。妻(44歳)と長男(高校生)の3人家族。事業所の定期健康診断の結果、BMI30、血圧値145/88mmHgで、医師から体重減少と塩分制限を指導された。Aさんは保健師の指導を受けた時「帰宅が遅いので夕食の時間は遅くなり、お腹が空いているので早食いになる。昼食は職場の食堂で食べているが定食よりもラーメン大盛りが多い。まだ若いので少しくらい血圧が高くても大丈夫。しかし、妻からは『あなたの体重が増えてきたので心配。一緒に痩せよう』と言われている」と語った。

 

▶午後36

Aさんの話した内容からプリシード・プロシードモデルで確認できるのはどれか。

 

  1. 遺伝
  2. 強化要因
  3. 実現要因
  4. 前提要因

 

 


 

▶午後37

事業所の保健師はAさんに2回目の面接を行った。自分の健康をどう思っているのかを尋ねると「太っている自覚がある。スポーツジムに入会したことがあるが3日しか通わずにやめてしまった。妻も心配しているので、ラーメンは大盛りから並にした」という答えが返ってきた。
Aさんの自己効力感を高めるための支援はどれか。

 

  1. 昼食は定食にするよう指導する。
  2. 今後起こりうる病気について説明する。
  3. スポーツジムを3日でやめた理由を聞く。
  4. ラーメンを大盛りから並にしたことを支持する。

 

 


 

▶午後38

3か月後、事業所の保健師は3回目の面接を行った。Aさんは「通勤手段を自転車に替え、土日も1時間のウォーキングを行い体重が3kg減少した。体調も良い」と嬉しそうに語った。しかし、血圧値は改善しなかったため、保健師はAさんの食事内容を確認しながら、血圧値と体重、減塩食との関係を具体的に説明した。
Aさんが血圧を下げる更なる生活改善に取り組むためのコーチングの手法を用いた保健師の声かけはどれか。

 

  1. 「運動強度を上げてみましょう」
  2. 「家族と一緒に減塩食を食べましょう」
  3. 「塩分摂取量を1日7g以下にしましょう」
  4. 「面接を踏まえて何ができると思いますか」

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(80歳、男性)。1人暮らし。自宅で転倒し、腰椎圧迫骨折の治療のために1か月間入院し、自宅に退院した。退院後は整形外科に定期的に通院している。要介護認定を申請し要支援1と認定されたが、介護保険サービスは利用していない。自宅は団地で4階建ての3階に居住しておりエレベーターはない。Aさんの退院から1か月後、団地の担当民生委員からAさんの状態について、地域包括支援センターの保健師に相談があった。入院前、Aさんは団地の集会所で行われている高齢者サロンによく参加していたが、退院後は来ることが少なくなったという。高齢者サロンの参加者に聞くと「Aさんが、病院には通っているがサロンに行くのは億劫だ、と言っていた」とのことであった。

 

▶午後39

保健師はAさんの状況を把握するため、民生委員と一緒に家庭訪問を行うことにした。
家庭訪問時に収集する情報として優先度が高いのはどれか。

 

  1. 生活史
  2. 家族関係
  3. 経済状況
  4. 通院頻度
  5. 日常生活動作〈ADL〉

 

 


 

▶午後40

Aさんは「退院してから家では普通に過ごしているが、外に出ると疲れがたまる。買い物には行くが、荷物を持って階段を昇るのがつらい」と話した。
保健師がAさんに利用を提案するサービスで適切なのはどれか。

 

  1. 介護予防ケアマネジメント
  2. 介護予防居宅療養管理指導
  3. 通所リハビリテーション
  4. 地域密着型通所介護

 

 


 

▶午後41

保健師は団地の民生委員から「団地の高齢者は、Aさん以外にも転倒をきっかけに、階段昇降が困難になる高齢者が多い」との相談を受け、集会所で行われている高齢者サロンの場で転倒予防の取り組みを行うこととした。
この取り組みに活用できる事業で適切なのはどれか。

 

  1. 地域生活支援事業
  2. 日常生活自立支援事業
  3. 在宅医療・介護連携推進事業
  4. 地域リハビリテーション活動支援事業

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

Aちゃん(2歳、男児)。出生体重2,800g。先天性疾患により出生直後から呼吸管理、経管栄養が必要であったが、成長とともに状態が安定し、2週後に退院することとなった。現在、呼吸状態は問題ないが、経管栄養は今後も継続して行うため、両親は必要な手技を習得中である。発語は1、2語あり、最近自立歩行を始めたところである。
家族は両親と兄(5歳)である。両親は共働きで、母親は自宅近くでパートタイムの仕事をしており、兄は市の保育所に通っている。退院にあたり、今後の生活について母親から市の障害福祉課に相談があり、担当保健師が家庭訪問を行った。

 

▶午後42改題

Aちゃんが現在利用することが可能なサービスはどれか。

 

  1. 養育支援訪問事業
  2. 児童発達支援事業
  3. 保育所等訪問支援
  4. 児童扶養手当

 

 


 

▶午後43

母親は「兄が保育所で毎日とても楽しく過ごしているので、Aにも同じように他の子どもたちと一緒にいろいろな経験をさせたいと思っています。Aを保育所に入所させることはできるでしょうか」と話した。
この母親の思いを支援する上で基盤となる概念として適切なのはどれか。

 

  1. コミュニティオーガニゼーション
  2. ピアエデュケーション
  3. グローバリゼーション
  4. インクルージョン

 

 


 

▶午後44

保育所への入所を希望している母親に対する保健師の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「経管栄養を行う看護師の配置を市で検討します」
  2. 「身体障害者手帳を取得していることが必要です」
  3. 「保護者が保育所に付き添うことが必要です」
  4. 「障害児福祉施設の通所が適しています」

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

建設業のA社は、毎年ストレスチェックを従業員に実施している。会社全体の健康リスクの評価において、多くの従業員が高ストレスに該当した。A社の保健師が部門ごとに分析したところ、設計部は他の部署より高ストレスの該当者の割合が高かった。

 

▶午後45

高ストレスの該当者への保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 医師との面接の案内を送付する。
  2. 職務上の配慮を人事部に提案する。
  3. 該当者を集めてセルフケア研修を開催する。
  4. 管理者に、該当者が記入したストレスチェック票を渡す。

 

 


 

▶午後46

設計部のストレスチェックの集団分析を行った結果、同僚からの支援が少ないことが分かった。
保健師として、設計部に関して優先的に取り組むのはどれか。

 

  1. 人事課長に結果を報告する。
  2. 産業医による職場巡視を行う。
  3. 設計部管理者から職場の状況について情報収集をする。
  4. 高ストレスの該当者から職場環境改善の要望を募る。
  5. 職場内の人間関係に関するアンケート調査を従業員に実施する。

 

 


 

▶午後47

保健師は、A社全体の集団分析結果を利用して、管理監督者が職場環境改善に積極的に関与する必要があると考えた。
高ストレスの該当者が多いことへの保健師の取り組みとして最も効果的なのはどれか。

 

  1. 健康相談日を増やす。
  2. 職場巡視の回数を増やす。
  3. 管理監督者への研修を実施する。
  4. 産業保健総合支援センターへ連絡する。
  5. 心の相談窓口の案内ポスターを掲示する。

 

 


 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。

Aさん(81歳、女性)。認知症と診断され、症状緩和のための服薬調整を目的として、B病院認知症治療病棟に入院した。入院前から軽い咳嗽はあったが、喘息の既往歴によるものとされていた。入院後2週、39℃台の発熱があり、胸部エックス線写真で肺炎像を認めたので、誤嚥性肺炎の診断のもとに抗菌薬の投与を行った。しかし、解熱しないため、C病院に転院し、喀痰塗抹菌検査陰性、結核菌PCR陽性となり、肺結核と診断されC病院の結核病棟で治療が開始された。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。B病院認知症治療病棟では、4人部屋に入院しており、Aさんの近所に住む長女は2日に1回は面会に来ていた。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉第17条に基づき早期発見のために長女に初回面接を行うことにした。

 

▶午後48

自宅でのAさんの結核初期症状で長女への初回面接で確認すべき事項はどれか。

 

  1. 体温の変化
  2. 体重減少の有無
  3. 倦怠感の訴えの有無
  4. 咳嗽の状態変化の有無

 

 


 

▶午後49

その後、喀痰塗抹菌検査は3回連続で陰性、胸部エックス線写真上も空洞はなかったが培養検査結果は陽性だった。
Aさんの感染性の評価に基づいて行う接触者健康診断の対象者で適切なのはどれか。

 

  1. 接触者全員
  2. C病院の結核病棟の患者
  3. 接触者で免疫力が低下している人
  4. B病院認知症治療病棟の全ての患者と職員

 

 


 

▶午後50

Aさんは、低感染性の結核であると診断され、接触者健康診断を実施することになった。
最優先に接触者健康診断を行うことが望ましい接触者はどれか。

 

  1. 長女
  2. B病院で同室者であった入院患者
  3. B病院認知症治療病棟に配膳車を運ぶ栄養課職員
  4. Aさんの自宅へ週1回生活援助に訪れていた訪問介護員

 

 


 

次の文を読み51〜53の問いに答えよ。

肥満の既往の有無と大腸癌との関連を検証するための疫学研究を行うこととした。A病院において大腸癌と診断された患者100人を登録した。また、同院で人間ドックを受検し大腸癌が無いことを確認できた100人を選定し登録することとした。次に、これらの対象者の肥満の既往を確認することとした。

 

▶午後51

この研究デザインはどれか。

 

  1. 介入研究
  2. 横断研究
  3. 症例対照研究
  4. 生態学的研究
  5. コホート研究

 

 


 

▶午後52

大腸癌の発症には性別や年齢の影響が知られている。そのためこれらの要因を調整する必要があると考えた。登録された大腸癌患者1人に対して性別および年齢を対応させた人間ドック受検者1人を選定することとした。
この方法はどれか。

 

  1. 層化
  2. 標準化
  3. 無作為化
  4. マッチング
  5. 多変量解析

 

 


 

▶午後53

大腸癌患者100人と大腸癌が無いことを確認できた人間ドック受検者100人の肥満の既往の調査結果を以下に示す。
107pm53h
肥満の既往ありの肥満の既往なしに対する大腸癌ありのオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

A君(中学1年生)は、母親と養父、最近生まれた妹と4人家族である。学校には休まず通っており、クラスでは無口だが暴力的になることがあった。ある日の朝、A君の顔に片目全体を覆うようなあざがあることに気づいて学級担任や複数の教員が声をかけたところ、A君は「自転車に乗っていてぶつけた」と答えた。昼休みに、掃除当番で保健室にきたA君に、養護教諭がそれとなく「どんなふうにけがをしたの?」と尋ねた。すると、A君は養父からよく殴られることを打ち明けて「このことは誰にも言わないでほしい」と言った。養護教諭は虐待の可能性があると考えて、A君が打ち明けてくれたことを肯定しながらA君の目の周りや心身の状態を観察しつつ、話を聴いた。

 

▶午後54

話を聴いた後のA君への養護教諭の対応で、適切なのはどれか。

 

  1. 殴られていることを母親に話すよう促す。
  2. あざの写真を記録として撮らせてもらう。
  3. 虐待にあたることを告知する。
  4. 学級担任に話すよう勧める。

 

 


 

▶午後55

養護教諭は、A君の状況を校長に伝え、その日の午後に開かれた校内委員会で共有した。これまでのA君の家庭に関する情報を集約した結果、虐待の疑いが強まり、児童相談所に通告することになった。また、養護教諭から母親に電話し、A君の目の周りのあざについて眼科医療機関の受診を勧めた。
翌日、A君は普段通りに登校し学級担任に受診報告があった。その後、養父から学校に電話があり、学級担任に「Aは家の中でケガをしただけだ。なにか家のことを話したのではないか。話した内容を教えるように」と威圧的な態度で要求してきた。
この後、養護教諭や教職員が行う学校の対応で、最も優先されるのはどれか。

 

  1. A君に眼科受診後の養父の様子を聞く。
  2. 養父の言動を児童相談所と情報共有する。
  3. 目の周りのあざの経過観察を両親に依頼する。
  4. 養父に学校に来てもらいA君の学校生活について話をする。

 

 


 

資料 厚生労働省「第107回保健師国家試験、第104回助産師国家試験、第110回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和4年2月11日実施の第108回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第108回保健師国家試験目次

 

 

第108回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

平成25年(2013年)に改正された「地域における保健師の保健活動に関する指針」に示された市町村に所属する保健師の活動はどれか。

 

  1. 医療施設等に対する指導
  2. 防災計画の策定への参画
  3. 健康危機管理の体制づくり
  4. 広域的、専門的な保健サービスの提供

 

 


 

▶午前2改題

令和4年度(2022年度)の保健師活動領域調査で正しいのはどれか。

 

  1. 保健師の就業場所で最も多いのは市町村である。
  2. 保健所設置市で働く常勤保健師は地方自治体における保健師全体の3割を超えている。
  3. 都道府県保健所に所属する保健師の活動項目別の活動時間割合は「直接対人支援」が最も多い。
  4. 市町村保健師の活動項目別の保健師1人当たりの平均時間数は「施策管理・業務及び組織マネジメント」が最も長い。

 

 


 

▶午前3

Aさん(33歳)は第1子を県外の実家で里帰り出産した。Aさんは、産後30日で自宅に戻り、翌週、地区担当保健師の家庭訪問を受けた。訪問時に児の発育発達に問題はなかったが、その後、時々Aさんは地区担当保健師に電話をかけ、日々の育児で生じた悩みを保健師に話した。Aさんは「身近に育児について話し合える人がいればいいのに」と話した。
Aさんに対する保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 週末を利用して実家に帰ることを勧める。
  2. 地区で行われている子育て教室への参加を促す。
  3. 出産した産婦人科医院で相談することを勧める。
  4. 母子保健推進員の訪問を依頼することを勧める。

 

 


 

▶午前4

A地区では市主催の両親学級に参加した父親が有志でグループを結成し、「パパの会」として自主的な活動を行っている。地区担当保健師は、会のリーダーから「会の活動を市の広報紙に掲載して参加者を増やしたいという意見と、今のメンバーで活動していきたいという意見に分かれている。どうしたらよいか」と相談を受けた。
地区担当保健師が優先して行う対応として適切なのはどれか。

 

  1. 「保健師が運営を担当します」
  2. 「パパの会に一度参加させてください」
  3. 「リーダーの考えで活動を進めていいですよ」
  4. 「意見が分かれているのでメンバーを分けて活動しましょう」

 

 


 

▶午前5

Aさん(43歳、女性)は定期健康診断を毎年受けている。今年は血液検査で中性脂肪が基準値を超えており、医師から運動を勧められた。1か月後の受診日に、2週前から1日15分のジョギングを始めたことを医師に話したところ、医師は「2週間続けられたのだから、あなたならこれからもできると思います」と話した。Aさんは「はい。頑張って続けてみようと思います」と話した。
Aさんの自己効力感を高めたのはどれか。

 

  1. 代理体験
  2. 意識の高揚
  3. 言語的説得
  4. 自己の再評価

 

 


 

▶午前6

Aさん(50歳、男性)は市の集団健康診査で空腹時血糖が140mg/dL、ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉が6.8%であったことから、健康診査の結果相談会に来所した。保健師が話を聞くと、健康診査のときに医師から受診を勧められたものの、Aさんは「自覚症状がないから大丈夫」といい、まだ受診していなかった。保健師はAさんに、このまま放置した場合の身体への影響を科学的な根拠に基づいて説明した。
保健師の働きかけは、ヘルスビリーフモデルの主要な概念のどれか。

 

  1. 予防的行動に対する障害の認識
  2. 予防的行動の有益性の認識
  3. 疾病の重大性の認識
  4. 疾病の罹患性の認識

 

 


 

▶午前7

プリシード・プロシードモデルの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 地区活動の評価に活用できる。
  2. 最終目標は「健康の向上」である。
  3. 第1〜4段階が評価を行う段階である。
  4. 行動変容の段階に応じた働きかけを示したモデルである。

 

 


 

▶午前8

地域包括ケアシステム構築のために行われる活動について正しいのはどれか。

 

  1. 地域の特性に応じて国が作り上げる。
  2. 既存のケアシステムの実態把握を行う。
  3. 入院を主体とするサービス体制を中心に整備する。
  4. 保健医療福祉部門ごとの体制に合わせて構築する。

 

 


 

▶午前9

地域にある組織とその特性の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 地縁組織――社会的使命の実現を目的として活動する。
  2. 特定非営利活動法人――収益を分配することを目的としない活動を行う。
  3. セルフヘルプグループ――市町村から委嘱を受けて活動する。
  4. 健康課題別健康教室の修了者の会――地域の課題解決に向けた取り組みを行う。

 

 


 

▶午前10

A市の保健医療福祉関係者で構成される会議において、医療機関と介護サービス事業者との連携ができていないという課題が出された。
課題への対応において優先度が高いのはどれか。

 

  1. 医療従事者を対象に在宅ケアの勉強会を企画する。
  2. 地域ケア会議で互いの意見が共有できるようにする。
  3. 介護サービス事業者を対象に医療の知識に関する研修会を開催する。
  4. A市の医療機関に新しい医療連携のネットワークシステムを導入する。

 

 


 

▶午前11

Aさん(35歳、男性、会社員)は身長170cm、体重60kgである。事業所の保健師は、Aさんから「先日、潰瘍性大腸炎と診断され、外来通院で治療することになりました。会社の食堂で食事をすることが多いため、気を付けることはありますか」と相談を受けた。
Aさんに対する保健指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「脂肪の制限はありません」
  2. 「低蛋白質の食事を選んでください」
  3. 「食物繊維が少ない食事を選んでください」
  4. 「カロリーが高くならないようにしてください」

 

 


 

▶午前12改題

令和3年(2021年)の日本におけるHIV感染者の患者動向で正しいのはどれか。

 

  1. 新規感染の約60%は性的接触である。
  2. 発生の総数は2008年から増加している。
  3. 男性では外国籍の者が半数以上を占めている。
  4. 日本国籍女性の感染経路は異性間の性的接触が最も多い。

 

 


 

▶午前13

乳幼児の予防接種が任意接種である疾病はどれか。

 

  1. B型肝炎
  2. 急性灰白髄炎
  3. 流行性耳下腺炎
  4. ロタウイルス感染症

 

 


 

▶午前14改題

令和3年(2021年)の特別支援教育の状況で正しいのはどれか。

 

  1. 訪問教育を受けている児童生徒は小学生が最も多い。
  2. 特別支援学級の児童生徒の障害は知的障害が最も多い。
  3. 義務教育段階の児童生徒のうち特別支援学校に在籍している割合は全児童生徒の3%である。
  4. 特別支援教育が開始された平成19年(2007年)に比べて対象となる児童生徒数は減少している。

 

 


 

▶午前15

学校給食に関する養護教諭の職務はどれか。

 

  1. 食中毒の予防
  2. 献立の栄養管理
  3. 調理場の衛生管理
  4. 食に関する指導に係る全体計画の作成

 

 


 

▶午前16改題

令和3年度(2021年度)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査で正しいのはどれか。

 

  1. 小学校における不登校児童数は約10万人である。
  2. いじめの発見のきっかけの第1位は「本人からの訴え」である。
  3. 中学校における不登校の主たる要因の第1位は「無気力・不安」である。
  4. 小学校におけるいじめの内容の第1位は「仲間はずれ、集団による無視をされる」である。

 

 


 

▶午前17

地域産業保健センターについて正しいのはどれか。

 

  1. 衛生管理者の育成を行う。
  2. 産業医の研修を実施する。
  3. 個別訪問による産業保健指導を行う。
  4. 労働者100人未満の事業場を対象とする。

 

 


 

▶午前18

A市は台風被害から2か月が経ち、仮設住宅と集会所が各地区に完成し、家屋に被害を受けた被災者の仮設住宅への入居が開始された。B地区の仮設住宅には元の居住地が異なる世帯が入居したため、新たなコミュニティ構築への支援が復興支援の課題となっている。
B地区の仮設住宅で新たなコミュニティづくりのために行う支援として、効果が期待できるのはどれか。

 

  1. 電話健康相談窓口を増設する。
  2. 家庭訪問による健康観察を実施する。
  3. ホームページで健康情報を発信する。
  4. 集会所で集団健康教育を定期開催する。

 

 


 

▶午前19

A小学校の2年生の児童80人と引率の教員が市内の公園に遠足に行き、昼食に学校から配布されたおにぎりを食べた。午後2時ころに帰校すると、2年生の児童と引率した教諭に嘔吐、下痢および腹痛の症状が現れ、半数以上の児童が医療機関を受診した。他学年の児童に症状がある者はなかった。保健所にA小学校から緊急連絡があり、疫学調査の結果、集団食中毒であることが判明した。
原因菌として最も疑われるのはどれか。

 

  1. ウェルシュ菌
  2. ボツリヌス菌
  3. 黄色ブドウ球菌
  4. カンピロバクター

 

 


 

▶午前20

保健師が行う看護管理機能の種別と実施内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 情報管理――地域診断
  2. 人事管理――個人情報の保護
  3. 予算管理――ジョブローテション
  4. 事例管理――サービスの質と量の評価

 

 


 

▶午前21

人口3万人の町の保健師は地区によって高脂血症の罹患率が大きく異なっていることに気付いた。
罹患率に関連する要因について仮説を立てて検証するために行う調査方法で適切なのはどれか。

 

  1. フォーカス・グループインタビュー
  2. 半構造化面接法
  3. 質問紙調査
  4. 事例分析

 

 


 

▶午前22

大きな集団から無作為に1,000人選び出したとき、その中の高血圧者数が従う分布はどれか。

 

  1. t分布
  2. 正規分布
  3. 二項分布
  4. χ2〈カイ2乗〉分布

 

 


 

▶午前23

保健機能食品制度の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 特定保健用食品の許可は厚生労働大臣が行う。
  2. 機能性表示食品は妊産婦に適する旨の表示ができる。
  3. 栄養機能食品は健康増進法に基づく一定の要件を満たしている。
  4. 保健機能食品は1日当たりの摂取目安を表示しなければならない。

 

 


 

▶午前24

医療計画において定めることとされている事項はどれか。

 

  1. 診療報酬の点数
  2. 市町村の介護医療院の設置数
  3. 居宅等における医療の確保に関する事項
  4. 市町村の地域支援事業利用者数の見込み

 

 


 

▶午前25

社会保障の枠組みで互助に当てはまるのはどれか。

 

  1. 医療保険を使って手術を受ける。
  2. 夫婦共働きで家族の生活費を得る。
  3. 健康維持のために健康診断を受ける。
  4. 自治会が健康に関する学習会を開催する。
  5. 病気によって働くことができないため生活保護を受給する。

 

 


 

▶午前26改題

令和3年(2021年)の労働安全衛生調査(実態調査)で、労働者の仕事や職業生活における強い不安、悩み、ストレスの内容に関して最も割合が高いのはどれか。

 

  1. 仕事の質
  2. 対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)
  3. 仕事の失敗、責任の発生等
  4. 会社の将来性
  5. 仕事の量

 

 


 

▶午前27

リスクコミュニケーションに当てはまる活動はどれか。

 

  1. 民生委員の会合でハザードマップを確認する。
  2. 災害派遣医療チーム〈DMAT〉を組織する。
  3. 災害が起こったときの被害を予測する。
  4. 食中毒の原因となる菌を調べる。
  5. 市の防災基本計画を策定する。

 

 


 

▶午前28

症例対照研究で計算が可能な指標はどれか。

 

  1. 受療率
  2. オッズ比
  3. 寄与危険
  4. 推計患者数
  5. 5年生存率

 

 


 

▶午前29改題

日本の主な死因別にみた死亡率(人口10万対)の年次推移を図に示す。
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心疾患はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前30

レセプト情報・特定健診等情報データベース〈NDB〉に収載されているのはどれか。

 

  1. 世帯収入
  2. 食塩摂取量
  3. 同居家族人数
  4. 主要死因別死亡数
  5. 特定保健指導の実施状況

 

 


 

▶午前31

A市では8月に大規模災害が発生し災害復興が必要となった。健康増進課ではコミュニティの復興を考慮した事業について次年度に実施することを計画し、予算要求を行うことになった。
健康増進課の予算要求について正しいのはどれか。

 

  1. 議会の承認を得る。
  2. 前年度の繰越金を組み込んで要求する。
  3. 長期的な復興を踏まえ複数年度の予算を要求する。
  4. 事業の具体的な実施方法は予算が成立してから考える。
  5. 事業実施の際に予算不足にならないように多めに計上する。

 

 


 

▶午前32

平常時に指定医療機関から患者発生数の報告を受けて流行状況を把握する定点把握対象疾患はどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核
  2. コレラ
  3. 急性出血性結膜炎
  4. 鳥インフルエンザ
  5. 性器クラミジア感染症

 

 


 

▶午前33

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 療育手帳の根拠法令である。
  2. 障害支援区分に基づきサービスが利用できる。
  3. 自立支援医療の自己負担額は原則2割である。
  4. サービスを利用する場合は都道府県の窓口に申請する。
  5. 平成28年(2016年)の改正によって就労定着支援が新設された。

 

 


 

▶午前34

災害時健康危機管理支援チーム〈DHEAT〉の保健師が被災地で行う活動はどれか。2つ選べ。

 

  1. 被災した市町村の保健活動の評価
  2. 避難所での要配慮者の健康相談
  3. 避難所のトイレの衛生対策
  4. 自宅待機者への家庭訪問
  5. 派遣保健師の受入調整

 

 


 

▶午前35改題

令和2年(2020年)の日本の医療施設数または医療従事者数で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 病院数は約6千施設である。
  2. 一般診療所数は約5万施設である。
  3. 就業保健師数は約5万6千人である。
  4. 歯科診療所数は約6万8千施設である。
  5. 就業看護師数は約100万5千人である。

 

 


 

▶午前36

代表値はどれか。2つ選べ。

 

  1. 分散
  2. 平均
  3. 最頻値
  4. 標準誤差
  5. 標準偏差

 

 


 

▶午前37

割合の差の検定について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 回帰分析で用いる。
  2. 相関係数が計算できる。
  3. クロス集計表は有用である。
  4. 検定の際に散布図を用いる。
  5. χ2〈カイ2乗〉検定で有意差を検定する。

 

 


 

▶午前38

健康増進法に基づく市町村の役割はどれか。2つ選べ。

 

  1. 特定保健指導
  2. がん検診の実施
  3. 健康増進計画の策定
  4. 特定給食施設に対する指導
  5. 飲食店における受動喫煙の防止に関する指導

 

 


 

▶午前39

健康日本21(第二次)の具体的な目標はどれか。2つ選べ。

 

  1. 高血圧の改善
  2. 平均寿命の延伸
  3. 糖尿病合併症の減少
  4. 週労働時間80時間以上の雇用者の割合の減少
  5. 低栄養傾向(BMI20以下)の若者の割合の増加を抑制

 

 


 

▶午前40

A市におけるある年の肺炎の罹患患者数は1,000人であり、そのうち死亡数は50人であった。これらの肺炎患者のうち感染症Bによるものは100人であり、そのうち死亡数は15人であった。
感染症Bによる致命率〈致死率〉を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。

市の高齢福祉課で運営していた認知症サポーター養成講座の受講者が年々減っていた。講師を担当するキャラバン・メイトで家庭の事情等で活動できない人が増え、講座開催回数が減っていたことが原因として考えられた。そこで、各地域の実情に応じた認知症サポーター養成事業を展開するために、認知症サポーター養成講座を市内の各地域包括支援センターによる運営とし、保健師が担当することになった。

 

▶午前41

各地域包括支援センターでキャラバン・メイトとして活動できる人を確保するために、キャラバン・メイトになるための研修を受けるよう声をかけるのに最も適切なのはどれか。

 

  1. 一般市民
  2. 民生委員
  3. 健康推進委員
  4. 高齢福祉課の職員

 

 


 

▶午前42

認知症サポーター養成講座を受講した住民から、「何か自分達の学んだことを生かした活動ができないか」と地域包括支援センターの保健師は相談を受けた。
保健師からの最も適切な提案はどれか。

 

  1. 「地域を巡回しませんか」
  2. 「グループホームで働いてみませんか」
  3. 「認知症の理解を広める講座を開いてみませんか」
  4. 「ステップアップ講座を受けて地域課題を踏まえた活動をしてみませんか」

 

 


 

▶午前43

地域包括支援センターが運営する認知症サポーター養成講座を修了した人は徐々に増えていった。担当保健師は、地域における日常生活での見守りの体制をさらに構築するために、一層の普及啓発活動を推し進める必要があると考えた。
今後の活動として適切なのはどれか。

 

  1. 認知症対応型グループホームの誘致を高齢福祉課に打診する。
  2. ピア活動が行えるように認知症患者に養成講座の受講を呼びかける。
  3. 認知症の家族と暮らす人を対象とする活動を認知症サポーターに促す。
  4. 地域の交通機関の職員に認知症サポーター養成講座への受講を呼びかける。

 

 


 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。

Aさん(35歳、会社員、初産婦)は妊娠8週で母子健康手帳の交付を受けるために市役所を訪れた。地区担当保健師が面接したところ、Aさんは5年前にうつ病で通院していたが、その後症状が軽快し、現在は通院していないことがわかった。
Aさんは「実家から引っ越してきたばかりで近所に知り合いがいないため不安です。夫は仕事が忙しく、家事や育児への協力は期待できません」と話した。

 

▶午前44

現時点での保健師からAさんへの提案として、最も適切なのはどれか。

 

  1. 「市の母親学級に参加してみませんか」
  2. 「実家のご両親に相談されてはどうですか」
  3. 「家事援助サービスを使ってみてはどうですか」
  4. 「住み慣れると不安も軽くなりますので待ちましょう」

 

 


 

▶午前45

妊娠10週にAさんから地区担当保健師に電話があり、「産科の先生や助産師さんには次の健診で相談してみようと思いますが、残業があり、仕事中の休憩や休暇も取りにくく、つわりもあるので仕事が負担になってきました。何か使える制度はないでしょうか」と相談があった。
現時点でAさんが会社に制度の利用を請求した場合、法律に基づき会社が対応する必要があるのはどれか。

 

  1. 時間外勤務をなくす。
  2. 休憩時間の回数を増やす。
  3. 妊産婦健康診査の費用を助成する。
  4. 勤務時間中に2週間に1回の妊婦健康診査の時間を確保する。

 

 


 

▶午前46

AさんはBちゃんを36週に2,400gで出産した。Aさんは産後5日で退院し、Bちゃんは黄疸が強かったため光線療法が行われ、生後10日で退院した。産後25日に地区担当保健師が家庭訪問した。Bちゃんは身長47.0cm、体重2,600gであった。Aさんのエジンバラ産後うつ病質問紙票〈EPDS〉の得点は3点であった。Aさんは「母乳が出ているか心配です」と話した。キッチンに洗っていない食器が置かれたままだった。
保健師の対応の優先度を判断する上で最も必要な情報はどれか。

 

  1. 家族の支援体制
  2. Aさんの抑うつの程度
  3. Bちゃんの体重増加量
  4. Aさんの家事の遂行状況

 

 


 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。

Aさん(45歳、男性)は社員数80名の会社で経理事務に従事している。発熱と咳が続いたため病院を受診したところ、画像診断で空洞を伴う肺病変があり、喀痰塗沫検査陽性、喀痰PCR検査陽性となったことから肺結核と診断され、結核病床のある病院に入院した。
抗結核薬による治療開始後6週で喀痰中の結核菌は陰性化したため、Aさんは退院し、外来で治療を継続することとなった。薬剤感受性検査では1剤に耐性がみられたが、この薬剤はAさんの治療には使用されていない。

 

▶午前47

Aさんが肺結核と診断された時点での感染性の強さを示唆するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 発熱
  2. 喀痰塗沫検査陽性
  3. 喀痰PCR検査陽性
  4. 画像診断の空洞病変
  5. 薬剤感受性検査で耐性あり

 

 


 

▶午前48

Aさんの入院中に保健所が実施した調査の結果、Aさんの勤務先の濃厚接触者を対象に接触者健康診断を実施することになった。現時点で呼吸器症状がある者はいない。
勤務先での接触者健康診断で使用される検査方法はどれか。2つ選べ。

 

  1. 胃液塗沫検査
  2. 喀痰培養検査
  3. 胸部エックス線検査
  4. ツベルクリン反応検査
  5. インターフェロンγ遊離試験〈IGRA〉

 

 


 

▶午前49

接触者健康診断の結果、肺結核の発病者は発見されなかったが、15名の対象者中3名が潜在性結核感染症と診断され、治療を開始することになった。
潜在性結核感染症の治療に関して正しいのはどれか。

 

  1. 抗結核薬を12か月間内服する。
  2. 抗結核薬内服中は地域DOTSの対象となる。
  3. 抗結核薬の継続内服が困難な場合にはBCG接種を勧める。
  4. 治療開始にあたり感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づく発生届の提出は要しない。

 

 


 

次の文を読み50、52の問いに答えよ。

人口2万人のA市において運動習慣の有無と総死亡数との関連に注目し、施策に反映させるために疫学調査を行うこととした。特定健康診査の際に運動習慣に関する聞き取り調査を行った。運動習慣ありを「週2回以上、1回30分以上、1年以上、運動をしている者」と定義し、その後5年間の死亡の有無を確認した。

 

▶午前50

この研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. コホート研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究

 

 


 

▶午前52

A市は全国と比較して、住民の平均年齢が高いと推測した。得られた死亡率を解釈する際に、年齢構成を考慮するために間接法による年齢調整を行うこととし、標準化死亡比〈SMR〉を求めることとした。
その際に必要な情報はどれか。

 

  1. 基準集団の総人口
  2. 観察集団の総死亡数
  3. 基準集団の総死亡数
  4. 基準集団の年齢別人口
  5. 観察集団の年齢別死亡数

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

A君(中学3年生)は中学1年生のときに筋委縮性側索硬化症〈ALS〉を発症した。病状の進行によって、自力での呼吸が難しくなったため入院し、気管切開をして人工呼吸器を装着した。退院後に復学する予定である。

 

▶午前53

学校における医療的ケアに係る関係者とその役割分担の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 学校長――A君の医療的ケアを担当する看護師の配置の決定
  2. 介護職員――痰の吸引の研修の開催
  3. 教育委員会――医療的ケアの指導医の委嘱
  4. A君の保護者――個別の教育支援計画の立案

 

 


 

▶午前54

A君の退院が決まった。
A君の学校生活のために養護教諭が行うことで最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. A君に参加したい学校行事を聞く。
  2. A君のクラスの避難訓練を計画する。
  3. 教職員に対してA君の状態を説明する。
  4. A君の医療的ケアを担当する看護師と役割分担を相談する。

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

A市在住のBさん(45歳、女性)は夫と長男(14歳)、長女(9歳)との4人暮らし。週に4日間のパート勤務をしている。これまで職場で健康診査を受けたことはなかった。A市から届いた受診案内をみて、初めて市の特定健康診査を受診した。結果は、身長160cm、体重70kg、腹囲90cm、血圧140/90mmHg、HbA1c5.0%、中性脂肪300mg/dL、LDLコレステロール120mg/dL、HDLコレステロール73mg/dL、血清尿酸値5.5mg/dL、血清クレアチニン1.0mg/dL、推定糸球体濾過量〈eGFR〉48.1mL/分/1.73m2、尿蛋白(+)であった。
A市の保健センターの結果説明会に参加したBさんは「検査結果がこんなに悪いとは思っていなかった。食べ盛りの子どもたちに合わせた食生活が悪かったのだと思う。これからどのような食事をすればよいのか知りたい」と話した。

 

▶午前55

摂取量についてBさんに指導する必要があるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 塩分
  2. 水分
  3. 蛋白質
  4. カリウム
  5. プリン体

 

 

 

第108回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

保健師が行うアウトリーチはどれか。

 

  1. 吃音がある幼児の言葉の相談
  2. ダウン症児の家族会の設立支援
  3. 前期高齢者への認知症予防教室の開催
  4. 4か月児健康診査未受診者の家庭訪問

 

 


 

▶午後2

A市の地区担当保健師は、最近、家にひきこもっている40〜50代の子をもつ高齢者からの相談が増えていると感じている。
この現状を地域の課題として明らかにするために優先して収集する情報はどれか。

 

  1. A市の人口の推移
  2. 相談記録からの情報
  3. 地区視診からの情報
  4. 市民へのアンケートからの情報

 

 


 

▶午後3

アルコール依存症について正しいのはどれか。

 

  1. 肝障害になることはない。
  2. 離脱症状は飲酒を止めて1週後に現れる。
  3. 一度断酒が成功すれば繰り返すことはない。
  4. イネイブラーの存在によって本人の飲酒の状況が維持される。

 

 


 

▶午後4

保健所に民生委員から電話があり、「近所のアパートで1人暮らしをしているAさんが、大声で独り言を言って歩いているのを見かけます。心配なので保健所で対応してほしい」と相談があった。Aさん(男性、32歳)は5年前に保健所のデイケアを一時的に利用し、現在は利用を中断している記録があった。保健師はAさん宅を訪問し、精神科に定期受診し内服していること、母親が食事を届けていることを確認した。
保健師が民生委員に、Aさん宅に訪問したことを伝えた上で行う説明として適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんはお母さんの支援があるので心配ありません」
  2. 「Aさんは病院から薬をもらって飲んでいるようです」
  3. 「これからもAさんを訪問して様子を見ます」
  4. 「Aさんにデイケアに通うよう伝えました」

 

 


 

▶午後5

保健師は担当地区の実態把握のため、地区視診を実施することにした。
地区視診の説明として正しいのはどれか。

 

  1. 二次資料を用いて行う。
  2. 地区の量的データを集計する。
  3. 地区に出向いて自分で観察する。
  4. 計画的なインタビュー調査を行う。

 

 


 

▶午後6

A市では高齢者を対象とした実態調査をもとに、「要介護状態となっても住み慣れたところで安心して暮らせるまち」を柱とした老人福祉計画を作成することとなった。
計画の策定に向けてまず保健師が行う取り組みで最も適切なのはどれか。

 

  1. 評価指標に健康寿命を組み入れる。
  2. インフォーマルサービスの情報を集める。
  3. 学識経験者で構成する委員会で施策の内容を決定する。
  4. 人口規模が同程度の市町村の事業をもとに優先度を決定する。

 

 


 

▶午後7

平成29年(2017年)の患者調査に基づく全国の傷病小分類別の年齢階級別外来受療率のグラフで2型糖尿病を示すのはどれか。

 

108pm7 1h

108pm7 2h

 

 


 

▶午後8

難病対策で正しいのはどれか。

 

  1. 市町村は難病対策地域協議会の設置に努める。
  2. 診断基準が未確立である疾病が医療費助成の対象となる。
  3. 日常生活用具の給付には身体障害者手帳の取得が必要である。
  4. 指定医療機関による訪問看護の費用は医療費助成の対象となる。

 

 


 

▶午後9

Aさん(83歳、女性)は1人暮らし。要介護1の認定を受け、訪問介護を利用している。Aさんは2か月前から持続する咳に加えて、怠感が出現したため内科を受診し肺結核と診断され入院した。2か月後、外来治療が可能となり自宅に戻ることになった。
退院に向けて服薬支援を検討するための会議の参加を依頼する者として最も適切なのはどれか。

 

  1. 自治会長
  2. 民生委員
  3. 老人クラブの会長
  4. 訪問介護事業所の訪問介護員

 

 


 

▶午後10

各発達段階と歯科口腔保健の特徴との組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 乳児期――歯の形成
  2. 幼児期――乳歯から永久歯への生え代わり
  3. 学童期――不正咬合の発生
  4. 成人期――第3大臼歯萌出

 

 


 

▶午後11

労働安全衛生規則において、週1回以上の職場巡視を行うことが規定されているのはどれか。

 

  1. 産業医
  2. 衛生管理者
  3. 安全衛生推進者
  4. 総括安全衛生管理者

 

 


 

▶午後12

労働安全衛生法に実施が規定されているのはどれか。

 

  1. 特定健康診査
  2. じん肺健康診断
  3. 情報機器作業配置前健康診断
  4. 心理的な負担の程度を把握するための検査

 

 


 

▶午後13

自治体で働く保健師の活動に関して守秘義務規定がある法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉
  4. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉

 

 


 

▶午後14

A市(人口15万人)の新任期の保健師を対象とした現任教育で適切なのはどれか。

 

  1. 職場外研修(OFF-JT)を中心に行う。
  2. 基礎的な知識を獲得することに重点を置く。
  3. 職場の実地指導者が人材育成計画を立てる。
  4. A市を管轄する保健所と連携して研修を実施する。

 

 


 

▶午後15

平成24年(2012年)施行の新型インフルエンザ等対策特別措置法で規定されたのはどれか。

 

  1. 緊急事態宣言の発令
  2. 感染症発生動向調査の実施
  3. 特定感染症指定医療機関の指定
  4. 都道府県による予防計画の策定

 

 


 

▶午後16

中核市であるA市内で発生した大規模水害から48時間が経過した。
A市の本庁の統括的な役割を担う保健師が、その役割として実施するのはどれか。

 

  1. 被災住民の健康管理
  2. 避難所での感染症予防啓発
  3. 健康相談に使用する血圧計の点検
  4. 従事可能な保健師の人員配置の調整

 

 


 

▶午後17

医療安全支援センターの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 医療に関する苦情に対応する。
  2. 地域の中核病院内に設置されている。
  3. 医療に起因する予期しない死亡事例の報告を受ける。
  4. 厚生労働省から医療事故情報収集等事業を委託されている。

 

 


 

▶午後18改題

生活困窮者自立支援制度で正しいのはどれか。

 

  1. 生活保護世帯が対象となる。
  2. 雇用保険法に規定されている。
  3. 住居確保給付金の支給がある。
  4. 進学準備給付金の支給がある。

 

 


 

▶午後19

市町村に策定が義務付けられている計画はどれか。

 

  1. 障害者計画
  2. 医療費適正化計画
  3. 予防接種基本計画
  4. がん対策推進基本計画

 

 


 

▶午後20

食事バランスガイドの図を示す。
108pm20h
主菜にあたるのは①〜④のどれか。

 

 

 


 

▶午後21改題

令和2年度(2020年度)の傷病分類別医科診療医療費で、医療費が最も多いのはどれか。

 

  1. 精神および行動の障害
  2. 呼吸器系の疾患
  3. 循環器系の疾患
  4. 消化器系の疾患
  5. 新生物〈腫瘍〉

 

 


 

▶午後22

Aさん(32歳、男性)は20歳からたばこを吸い続けていたが、妻の妊娠で両親学級に参加し、たばこによる胎児への影響が深刻であることを知り、これを機に禁煙しようと思った。Aさんは両親学級が終わった後、会場にいた保健師に「禁煙しようと思うのですが、良い方法はありますか」と尋ねた。
Aさんの現在の行動変容ステージに最も適した保健師の提案はどれか。

 

  1. 「禁煙のための知識を学びませんか」
  2. 「喫煙所の近くに行かないようにしましょう」
  3. 「禁煙に成功した人の経験を聞いてみませんか」
  4. 「まず今日一日たばこを吸わずに過ごしてみましょう」
  5. 「禁煙できた時の自分へのご褒美を考えてはどうでしょう」

 

 


 

▶午後23

要因A「あり」の要因A「なし」に対する疾病B「あり」のオッズ比と95%信頼区間を求めた。
疾病Bの危険因子として統計学的に有意なのはどれか。なお、有意水準は5%と設定する。

 

  1. オッズ比2.0 95%信頼区間(1.5〜2.7)
  2. オッズ比2.0 95%信頼区間(0.5〜8.0)
  3. オッズ比1.0 95%信頼区間(0.5〜2.0)
  4. オッズ比0.5 95%信頼区間(0.1〜2.5)
  5. オッズ比0.5 95%信頼区間(0.4〜0.6)

 

 


 

▶午後24

検査で陽性と判定された人のうち実際に疾病を有している人の割合を示す指標はどれか。

 

  1. 特異度
  2. 敏感度
  3. 有効度
  4. 偽陽性率
  5. 陽性反応的中度

 

 


 

▶午後25改題

令和元年(2019年)国民健康・栄養調査における20歳以上の男女別の「現在習慣的に喫煙している者の割合」で正しいのはどれか。

 

  1. 男性37.1% 女性27.6%
  2. 男性37.1% 女性17.6%
  3. 男性27.1% 女性17.6%
  4. 男性27.1% 女性7.6%
  5. 男性17.1% 女性7.6%

 

 


 

▶午後26

2つの連続変数間の直線的な関係の強さを示すのはどれか。

 

  1. 分散
  2. 正規分布
  3. 相関係数
  4. 標準偏差
  5. クロス集計

 

 


 

▶午後27改題

令和2年度(2020年度)の国民医療費について正しいのはどれか。

 

  1. 介護保険給付費を含む。
  2. 総額は40兆円を超える。
  3. 正常な妊娠・分娩の費用を含む。
  4. 国民総生産に対する比率は20%を超える。
  5. 健康の維持・増進を目的とした健康診断の費用を含む。

 

 


 

▶午後28改題

令和2年(2020年)患者調査の疾病分類別の結果を表に示す。
108pm28h
Cに当てはまる疾患はどれか。

 

  1. 結核
  2. 消化器系の疾患
  3. 循環器系の疾患
  4. 悪性新生物〈腫瘍〉
  5. 精神および行動の障害

 

 


 

▶午後29改題

令和3年度(2021年度)の学校保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 幼稚園児のむし歯(う歯)の保有率は15%程度である。
  2. 裸眼視力1.0未満の小学生は37%程度である。
  3. むし歯(う歯)を保有する小学生は前年度に比べて減少している。
  4. 中学生のむし歯(う歯)の保有率は45%程度である。
  5. 裸眼視力1.0未満の高校生は50%程度である。

 

 


 

▶午後30

民生委員について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 任期は5年である。
  2. 厚生労働大臣が委嘱する。
  3. 保健所の管轄区域に配置される。
  4. 民生委員には給与が支給されない。
  5. 配置の根拠法令は地方自治法である。

 

 


 

▶午後31

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に規定されている内容で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 市町村の役割に普及啓発がある。
  2. 精神通院医療費は公費で負担される。
  3. 医療保護入院は患者本人の同意が必要である。
  4. 緊急措置入院は精神保健指定医1人の診察が必要である。
  5. 発達障害者支援センターの設置について規定されている。

 

 


 

▶午後32

学校教育法で定められているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 食育の推進
  2. 学校保健の定義
  3. 健康診断の実施
  4. 学級閉鎖の実施基準
  5. 養護教諭の配置義務

 

 


 

▶午後33改題

令和3年(2021年)の労働災害と業務上疾病の発生状況について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 労働災害による死亡者数は2,000人以上である。
  2. 労働災害による死亡者数は平成27年(2015年)に比べ減少している。
  3. 労働災害の認定数は脳・心臓疾患よりも精神障害によるものが多い。
  4. 業務上疾病(休業4日以上)発生数は平成27年(2015年)に比べ減少している。
  5. 業務上疾病(休業4日以上)発生数の内訳では「作業様態に起因する疾病」が最も多い。

 

 


 

▶午後34

地域健康危機管理ガイドラインにおける保健所の健康危機管理業務の4つの側面のうち、「健康危機による被害の回復」で行われる活動はどれか。2つ選べ。

 

  1. 防疫活動
  2. 手引書の作成
  3. 監視体制の改善
  4. 飲料水の安全確認
  5. 人材の資質の向上

 

 


 

▶午後35

社員500名のA社の保健師による従業員への働きかけで、ヘルスプロモーションにおける「健康を支援する環境づくり」に該当するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 事業所の敷地内を禁煙にする。
  2. 社員食堂で減塩メニューを提供する。
  3. 歯科衛生士によるブラッシング指導を行う。
  4. 禁煙を促すリーフレットを喫煙者に配布する。
  5. 定期健康診査の有所見者に面接指導を実施する。

 

 


 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。

人口5万人のA市のB地区では3年前から丘陵地を切り開いた宅地開発が行われており、ここ数年で人口が急増している。宅地開発は2年後に完成する予定であり、戸建て住宅や集合住宅が今後も増えていく見込みである。B地区の中心部には地区公民館があり、高齢者の集いや自治会の会合などが開かれている。
令和3年度(2021年度)からB地区を担当する保健師は、地区活動計画の立案のためにB地区の地域診断を行うことにした。令和元年(2019年)の人口構成について調べた結果を表に示す。
108pm35h

 

▶午後36

B地区の出生率を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②

 

 


 

▶午後37

B地区の人口構成に対する保健師のアセスメントとして正しいのはどれか。

 

  1. 死亡率はA市全体よりも高い。
  2. 単独世帯割合はA市全体よりも高い。
  3. 年少人口割合は全国よりも低い。
  4. 3世代世帯の割合はA市全体よりも高い。
  5. 65歳以上人口割合は全国よりも高い。

 

 


 

▶午後38

B地区の子育て世代の健康課題を特定するため、B地区の担当保健師は市内の機関を対象としたインタビューを計画した。
現時点でインタビューを依頼する機関として最も適切なのはどれか。

 

  1. 児童相談所
  2. 社会福祉協議会
  3. 母子生活支援施設
  4. 訪問看護ステーション
  5. 地域子育て支援拠点〈地域子育て支援センター〉

 

 


 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。

Aさん(高校2年生、女子)は両親と3人暮らし。母親が精神保健福祉相談のため保健所に来所した。「Aは太っているわけではないのに、半年程前から写真写りを気にして食事を減らし始めました。今は1日1食野菜スープしか食べません。食べたもののカロリーを気にして毎日運動しており、一見元気そうなのですが、随分痩せてきました。授業を受けても頭に入ってこないと言い、この頃は学校を休みがちです。このままで大丈夫でしょうか」と話した。

 

▶午後39

Aさんの状態をアセスメントするために必要な情報として最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. BMI
  2. 睡眠
  3. 運動量
  4. 友人関係
  5. 学校の欠席日数

 

 


 

▶午後40

Aさんの状況をアセスメントした結果、保健師は母親にAさんの精神科受診を勧めた。しかし、母親は「精神科の受診までは考えていませんでした。どうしたら食事を食べるようになって、元通りに学校に行ってくれるかを知りたいだけなんです」と精神科の受診には否定的な反応を示した。
このときの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「元通りのAさんになるためには治療が必要です」
  2. 「Aさんが好きなメニューを一緒に考えましょう」
  3. 「身体的に問題がないか、近くの医師に診てもらいましょう」
  4. 「Aさんに学校のスクールカウンセラーへの相談を勧めましょう」

 

 


 

▶午後41

1か月後、再び母親は精神保健福祉相談のため保健所に来所した。「Aは、私が頼むと少し食べてくれますが、やはり太るのが怖くて食べられないと言います。先日、Aが食後に隠れて下剤を使っていたため、思わず叱責してしまいました。Aは太っていると恥ずかしくて学校に行けないと言って欠席が増え、ほとんど自分の部屋で過ごしています。また、カロリーを消費するためと言い、相変わらず動画を見ながら運動をしています。時々、趣味のイラストを私に見せに来るのですが、そんなことよりも学校に行って元の生活に戻ってほしい」と母親は辛そうに話した。
母親の気持ちを受け止めた上で、保健師が行う母親への助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「登校するよう説得を続けましょう」
  2. 「運動を続けていけるよう応援しましょう」
  3. 「見つけられないように下剤を隠しましょう」
  4. 「イラストを見せに来たら肯定的な対応をしましょう」
  5. 「食事がとれるようになれば回復すると伝え続けましょう」

 

 


 

次の文を読み42〜44の問いに答えよ。

A市は川沿いに位置する人口7万人の高齢化率24.6%の市である。A市には13人の保健師が勤務し地区担当制で業務を行っている。A市では5年前に大規模災害が発生し、多くの死傷者が出た。死傷者は高齢者の割合が高かった。

 

▶午後42

A市のB保健師が担当地区の自治会長から「5年前の大規模災害では多くの高齢者が逃げ遅れた。保健師から住民に必要な災害対策を自治会の会合で話してほしい」と依頼された。
B保健師が話す内容として最も適切なのはどれか。

 

  1. 家屋の安全点検の方法
  2. 飲料水、食料品の備蓄量
  3. 避難所までの移動手段の確認
  4. 医療機関の連絡先リストの作成

 

 


 

▶午後43

自治会の会合から2年後の午後4時、A市内を震源とする震度6の地震が発生した。市全域は断水、停電した。道路は一部泥状化によって隆起した箇所はあるが寸断はない。B保健師は災害時保健活動マニュアルに従い、発災30分後に保健センターに出勤し担当避難所に出向いた。
このときにB保健師が行う保健活動で正しいのはどれか。

 

  1. 健康相談の場所の設置
  2. 生活不活発病の予防
  3. 災害時要配慮者の安全確保
  4. 消毒薬などの衛生資材の調達
  5. 災害派遣精神医療チーム〈DPAT〉との連携

 

 


 

▶午後44

発災後2か月が経過し、被災者は避難所から市内の仮設住宅へ入居した。
A市の保健師が行う仮設住宅の住民への支援で適切なのはどれか。

 

  1. 心のケアは高齢者を優先させる。
  2. 独居の高齢者には施設入所を勧める。
  3. エコノミークラス症候群の予防を呼びかける。
  4. すべての仮設住宅を巡回訪問し健康相談を行う。

 

 


 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。

Aさん(58歳、男性、独居)は1年前に失業した。その後、就職先が決まらず、預貯金が底をついたが、身寄りがなく身近な相談者もいなかった。経済苦により3か月前に自殺を図って病院に搬送された。日常生活動作〈ADL〉は問題なく回復したが、頭を打ったことによる外傷性脳損傷によって軽度の記憶障害が残り、特に数の計算が難しくなった。また、入院中に生活保護を受給することになった。

 

▶午後45

病院から、退院に向けた検討を進めたいとAさんが居住するB市に連絡があり、B市の生活保護担当の保健師とケースワーカーが入院中のAさんを訪問した。
退院後にAさんに提案するサービスで適切なものはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. 日常生活自立支援事業
  3. 療養生活環境整備事業
  4. 自立支援医療〈精神通院医療〉

 

 


 

▶午後46

生活保護担当の保健師は、その後もAさんのような失業やそれに伴う経済的困窮を契機とした自殺未遂事例と関わることがあり、B市の自殺対策計画の担当保健師と協働して市全体の自殺の現状を改めて調査・評価することにした。その結果、壮年期の男性が失業をきっかけとして自殺に至る事例や、自殺未遂後に後遺症や障害が残った事例が近年増加していることが明らかになり、新たな自殺予防対策の啓発活動を進めていくことにした。
この啓発活動への協力を依頼する関係機関として、最も適切なのはどれか。

 

  1. 民生委員・児童委員協議会
  2. 精神科医療機関
  3. ハローワーク
  4. 警察

 

 


 

▶午後47

その後、B市の自殺対策計画を担当している保健師は、関係機関との連携強化だけでなく、住民が自殺予防のゲートキーパーとなれるよう、ゲートキーパー養成事業を新たに計画した。予算案作成にあたりこの事業について住民から幅広く意見を得ることとした。
意見を得るのに適切な方法はどれか。

 

  1. フォーラムの開催
  2. 市議会における審議
  3. 自殺対策審議会の開催
  4. パブリックコメントの実施

 

 


 

次の文を読み48、49の問いに答えよ。

Aさん(30歳、女性)はBちゃん(1歳7か月、男児)を連れ、市が実施する1歳6か月児健康診査に来所した。問診でAさんは、「1年前に隣の県から引っ越してきた。人づきあいが苦手で家でBちゃんと2人きりでいることが多い」と話した。
Bちゃんの1歳6か月児健康診査の記録から、一部抜粋したものを以下に示す。
108pm48h

 

▶午後48

Bちゃんの発達について、保健師のアセスメントで適切なのはどれか。

 

  1. 言語は年齢相応の発達である。
  2. 微細運動は年齢相応の発達である。
  3. 社会性の発達が遅れている可能性がある。
  4. 粗大運動の発達が遅れている可能性がある。

 

 


 

▶午後49

1歳6か月児健康診査の終了後、カンファレンスでBちゃんの状況を検討した。
今後、Aさんに提案するBちゃんの子育て支援の場として最も適切なのはどれか。

 

  1. 療育相談
  2. 子育ての自主グループ
  3. 発達のフォローアップ教室
  4. 子育て世代包括支援センター

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(85歳、女性)は息子のBさん(50歳、無職)と2人暮らし。Bさんは大学卒業後に就職したが、1年前に失職して以来、自宅で過ごしている。Aさんは2週前に自宅で転倒し腰椎圧迫骨折で入院した。入院を機に要介護認定申請を行ったところ、認定結果は要介護1であった。Aさんは自宅への退院を希望しており、Aさんが入院している病院のソーシャルワーカーから、退院に向けた話し合いをしたいと地域包括支援センターの保健師に連絡があった。Aさんの入院前は、家事はAさんが行っていた。

 

▶午後50

翌週、病院でソーシャルワーカー、保健師、AさんとBさんで退院に向けた話し合いが行われることになった。
自宅への退院を検討するにあたり最も優先度が高い情報はどれか。

 

  1. 自宅の間取り
  2. Aさんの家事能力
  3. Bさんの睡眠時間
  4. Bさんの介護に対する意向

 

 


 

▶午後51

Aさんは自宅へ退院し、Bさんとの生活が再開した。在宅サービスを利用しながら、地域包括支援センター保健師、民生委員の協力も得て、AさんとBさんの生活を見守ることができていた。退院から2か月後、民生委員より「Bさんがいらいらしている様子だ。AさんはBさんに叩かれたと話していた」と地域包括支援センターの保健師に連絡があった。翌日、地域包括支援センターの保健師と社会福祉士の2名がAさん宅へ家庭訪問を行った。
保健師と社会福祉士によるBさんへの対応で適切なのはどれか。

 

  1. 民生委員から虐待の通報があったことを知らせる。
  2. 負担になっていることがないかを確認する。
  3. Aさんを叩くことは虐待であると伝える。
  4. Aさんの施設入所を勧める。

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

Aさん(45歳、女性、正社員)は店舗で販売の仕事をしている。乳癌の手術後に転移がわかり、3週ごと6クールの予定で化学療法を受けることになった。会社には1年間の休職制度があるが、Aさんは化学療法中も休職せずに働くことを希望している。Aさんは主治医から悪心など体調不良になることはあるが、軽作業可能と説明されていた。上司の店長は、「Aさんの仕事はチームで分担するので、しばらく休職してもらったほうが良いのではないか」と人事部に伝えた。人事部からの連絡を受け、本社の保健師がAさんと店長とそれぞれ面談を行うこととなった。

 

▶午後52

Aさんの就業の可否および適正な配置の判断に必要な情報として、最も優先度が高いのはどれか。

 

  1. 術式
  2. 経済状況
  3. 仕事内容
  4. 職場の人間関係
  5. 予定している抗癌薬名

 

 


 

▶午後53

店長は、「生活もあるから働きたい気持ちはわかるし、きちんと仕事をしてもらえるなら働いてもらったほうが良いが、体調が悪くなった時が不安だ。管理者としての責任を問われても困る。主治医から軽作業可能と言われても安心して仕事を任せられない」と保健師に話した。
保健師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. Aさんに休職することを提案する。
  2. 就業可能という主治医の意見に従うよう店長に伝える。
  3. 職場で必要な配慮を主治医に確認するようAさんに伝える。
  4. 体調の悪化に対して管理者の責任がないことを店長に伝える。

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(55歳、男性)は、妻(48歳、パート勤務)と長女(16歳、高校生)の3人暮らしである。Aさんは会社員として勤務していたが、3年前に記憶力の低下を感じ医療機関を受診したところ若年性認知症と診断された。今は退職し、就労支援事業所に通っているが、最近になり外出して道に迷い近所の住民に保護されたり、周囲に暴言を吐いたりするようになっていた。妻は、Aさんの変化に不安を感じ地域包括支援センターへ相談に訪れた。

 

▶午後54

地域包括支援センターの保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. Aさんの要介護認定の申請を勧める。
  2. 若年性認知症の症状への理解を促す。
  3. 認知症初期集中支援チームへの支援依頼を提案する。
  4. 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉の入所を提案する。

 

 


 

▶午後55

2年後、Aさんの妻はAさんの症状に落ち着いて対応できるようになり、若年性認知症の家族会に定期的に参加するようになっていた。Aさんの妻は「家族会で体験を共有するだけでなく、地域の人々に若年性認知症とその家族について理解してもらえるような取り組みがしたい」と話した。地域包括支援センターの保健師と市の高齢福祉課の保健師は、若年性認知症の人とその家族への理解が広まるよう、Aさんの妻が体験を発信できる機会を検討することにした。
Aさんの妻が体験を発信する場として最も適切なのはどれか。

 

  1. 家族介護教室
  2. 認知症予防教室
  3. 高齢者の認知症の家族会
  4. 民生委員を対象とした研修会

 

 


 

資料 厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験、第111回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和5年2月10日実施の第109回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第109回保健師国家試験目次

 

 

第109回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

令和元年(2019年)の生活習慣病の動向で正しいのはどれか。

 

  1. 肥満者の割合は男性より女性の方が多い。
  2. 脳血管疾患の死亡率は脳内出血より脳梗塞が高い。
  3. 悪性新生物の年齢調整死亡率で男性の部位別の第1位は大腸である。
  4. 糖尿病を強く疑われる者のうち現在治療を受けている者の割合は、男女ともに50%以下である。

 

 


 

▶午前2

自治会の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 地縁組織である。
  2. 小学校区が最小単位である。
  3. 設置の義務が法律に定められている。
  4. 加入できるのは18歳以上の者である。

 

 


 

▶午前3改題

令和4年(2022年)の労働力調査における日本の女性の労働で正しいのはどれか。

 

  1. 就業者は前年に比べ減少している。
  2. 労働力人口の総数の約6割を占めている。
  3. 年齢階級別労働力率では40~44歳が最も高い。
  4. 非正規の雇用形態はパート・アルバイトが最も多い。

 

 


 

▶午前4改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における年齢階級とその死因第1位の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 1~4歳――インフルエンザ
  2. 5~9歳――悪性新生物〈腫瘍〉
  3. 10~14歳――不慮の事故
  4. 15~19歳――心疾患

 

 


 

▶午前5

がん検診の精密検査の未受診者への受診勧奨で、受診率の向上に最も効果が期待できるのはどれか。

 

  1. がん体験者の講演会を開催する。
  2. 保健師が精密検査の未受診者へ家庭訪問を行う。
  3. 広報誌に精密検査実施医療機関の一覧を掲載する。
  4. 自治体のホームページに精密検査の重要性を掲載する。

 

 


 

▶午前6

A市では子どもが健やかに成長できることを政策に掲げている。乳幼児の死傷原因を調べ家庭内事故が多いことが分かった。家庭内事故防止に向けた親の取り組みを促進することを目標とし、乳幼児の家庭内事故について親の認識調査を行うことにした。
この調査はプリシード・プロシードモデルにおけるアセスメントの段階のどれか。

 

  1. 疫学アセスメント
  2. 社会アセスメント
  3. 運営・政策アセスメント
  4. 教育/エコロジカル・アセスメント

 

 


 

▶午前7

A市では住民の健康づくりを促進していくため、小学校区ごとに健康推進員を育成して組織化している。来月、B小学校区に組織された健康推進員を参加者とする初めての会合が開かれることになった。
この会合においてB小学校区を担当する保健師が行うことで適切なのはどれか。

 

  1. 組織のリーダーを指名する。
  2. 参加者個人の健康課題の発表を促す。
  3. 参加者間で活動目標を設定することを促す。
  4. B小学校区の健康推進員組織の年間計画を作成する。

 

 


 

▶午前8

保健師は統合失調症で1年入院していた成人期のAさんへの退院支援を行った。Aさんは地域でつながりを持ちながら生活することを望んでいる。
退院直後のAさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 就労定着支援を行う。
  2. 近隣住民に見守りを依頼する。
  3. 地域活動支援センターを紹介する。
  4. ピアサポーターとしての就労を勧める。

 

 


 

▶午前9

障害者(児)の日常生活や社会生活を支える福祉サービスのうち、介護給付の申請窓口で正しいのはどれか。

 

  1. 地域包括支援センター
  2. 社会福祉協議会
  3. 都道府県
  4. 市町村

 

 


 

▶午前10

令和元年(2019年)における五類感染症で、週単位で報告される定点把握疾患のうち、インフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、突発性発しんの各週の定点当たり報告数の図を示す。
109am10h
インフルエンザの報告数はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前11

文部科学省が実施する学校保健統計調査で正しいのはどれか。

 

  1. 悉皆調査である。
  2. 毎年10月に行われる。
  3. 学校で実施する健康診断の結果に基づいている。
  4. 学校管理下で死亡した児童生徒数が集計されている。

 

 


 

▶午前12

学校生活管理指導表について正しいのはどれか。

 

  1. 養護教諭が記載する。
  2. 年に1回、学校へ提出しなければならない。
  3. 小学生用と中学・高校生用の2つに分かれている。
  4. 対象は心疾患、腎疾患、アレルギー疾患を有する児童生徒である。

 

 


 

▶午前13

労災保険制度について正しいのはどれか。

 

  1. 事業主の災害補償責任は労働基準法に規定されている。
  2. 休業補償は休業1日目から補償の対象となる。
  3. 保険料は事業主と労働者が折半で負担する。
  4. 労災補償の申請は市区町村の窓口で行う。

 

 


 

▶午前14

コラボヘルスにおいて事業者が連携するのはどれか。

 

  1. 健康保険組合
  2. 医療機関
  3. 市区町村
  4. 保健所

 

 


 

▶午前15

災害時のフェーズ4〈復旧・復興期〉における健康課題への対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食生活、栄養のバランスの不良
  2. 慢性疾患治療の継続困難
  3. 感染症の流行
  4. 社会的孤立

 

 


 

▶午前16

感染症とその病原体の宿主の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. アニサキス症――魚
  2. ウエストナイル熱――ダニ
  3. エキノコックス症――蚊
  4. トキソプラズマ症――貝

 

 


 

▶午前17

保健師のプリセプターシップで最も適切なのはどれか。

 

  1. 学習方法はプリセプターが提案する。
  2. 管理期にある保健師がプリセプターを担う。
  3. 新人保健師のリアリティショックの軽減につながる。
  4. プリセプティが中堅期になっても同じプリセプターが担当する。

 

 


 

▶午前18改題

日本の社会保障制度で正しいのはどれか。

 

  1. 保育制度は社会保険で運営している。
  2. 生活保護制度は生存権を保障している。
  3. 障害者福祉制度は措置制度が基本になっている。
  4. 社会保障給付費は平成24年(2012年)から10年間横ばいである。

 

 


 

▶午前19

地域保健法に規定されている内容で正しいのはどれか。

 

  1. 市町村健康増進計画の策定を義務づけている。
  2. 市町村保健センター業務の1つに調査研究がある。
  3. 市町村保健センターの整備について規定している。
  4. 都道府県保健所の業務の1つに予防接種事業がある。

 

 


 

▶午前20改題

児童虐待について正しいのはどれか。

 

  1. 児童虐待を疑われて通告された者は通告した者を知ることができる。
  2. 令和3年度(2021年度)福祉行政報告例における虐待相談の主な虐待者は実父が1番多い。
  3. 令和3年(2021年)の児童相談所における児童虐待の内容別相談件数は身体的虐待が最多である。
  4. 親権者が児童のしつけに際して体罰を加えてはならないことが、令和元年(2019年)に改正された児童虐待の防止等に関する法律に定められている。

 

 


 

▶午前21改題

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく指定難病の医療費助成制度で正しいのはどれか。

 

  1. 患者の自己負担割合は3割である。
  2. 令和3年(2021年)時点で指定難病は110疾患である。
  3. 国が指定した医療機関で受診した医療費が助成対象である。
  4. 新規に医療費助成を受けるには難病指定医による診断書が必要である。

 

 


 

▶午前22

地球温暖化によって発生が増加するおそれがある感染症はどれか。

 

  1. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
  2. ポリオ〈急性灰白髄炎〉
  3. マラリア
  4. 痘そう
  5. 結核

 

 


 

▶午前23

令和2年(2020年)に策定された少子化社会対策大綱で示された施策とその数値目標で正しいのはどれか。

 

  1. 保育所の待機児童数を3万人にする。
  2. 男性の育児休業取得率を30%にする。
  3. マタニティマークの認知度を80%にする。
  4. 地域子育て支援拠点事業を3,000か所にする。
  5. 妊娠・出産について満足している者の割合を70%にする。

 

 


 

▶午前24

事業継続計画〈BCP:Business Continuity Plan〉に基づいて災害発生後72時間以内においても行う保健師の業務で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 両親学級
  2. HIV検査
  3. 地域ケア会議
  4. 特定健康診査
  5. 高齢者虐待防止法に基づく立入調査

 

 


 

▶午前25

健康危機管理について、地域保健法で厚生労働大臣が定めることが規定されているのはどれか。

 

  1. 地域防災計画
  2. 厚生労働省健康危機管理基本指針
  3. 医療提供体制の確保に関する基本方針
  4. 地域保健対策の推進に関する基本的な指針
  5. 地域における保健師の保健活動に関する指針

 

 


 

▶午前26

公衆衛生看護管理における人事管理の方法はどれか。

 

  1. 部署の目標を組織内で共有する。
  2. 保健師のジョブローテーションを行う。
  3. 高度な知識、技術を必要とする業務を外部に委託する。
  4. 次年度の保健師のマンパワーを考慮して事業計画を立てる。
  5. 地域の健康課題について関連部門の職員から意見聴取する。

 

 


 

▶午前27

疾病と主な危険因子の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 胃癌――塩蔵食品
  2. 肺癌――運動不足
  3. 乳癌――遅い初経年齢
  4. 膀胱癌――アフラトキシン
  5. 成人T細胞白血病――肥満

 

 


 

▶午前28

相対頻度に含まれるのはどれか。

 

  1. 有病率
  2. 寄与危険
  3. 寄与危険割合
  4. 死因別死亡割合
  5. 年齢調整死亡率

 

 


 

▶午前29

2つの非正規分布の母集団の数量データの比較に用いるのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 分散分析
  3. 多変量解析
  4. χ2〈カイ二乗〉検定
  5. Mann-Whitney〈マン・ホイットニー〉のU検定

 

 


 

▶午前30

生態学的研究で、都道府県別の1人当たりの1日の歩数とBMIの平均値との関連の程度を評価するために計算するのはどれか。

 

  1. 罹患率
  2. オッズ比
  3. 寄与危険
  4. 相関係数
  5. 相対頻度

 

 


 

▶午前31

政令指定都市の保健師の活動で正しいのはどれか。

 

  1. 結核の積極的疫学調査を行う。
  2. 近隣市町村の技術的支援を行う。
  3. 地域医療構想の調整会議を行う。
  4. がん対策推進基本計画を策定する。
  5. 業務担当制の保健活動を基本とする。

 

 


 

▶午前32

持続可能な開発目標〈SDGs〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 2025年を達成年限としている。
  2. 17分野の目標で構成されている。
  3. 国際連合児童基金〈UNICEF〉で採択された。
  4. 開発途上国が目指す目標を中心に構成された。
  5. ミレニアム開発目標〈MDGs〉の後継として採択された。

 

 


 

▶午前33

コミュニティ・アズ・パートナー・モデルについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 10のサブシステムで構成される。
  2. サブシステムは相互に影響しあう。
  3. 地域のコアとなる情報に教育が含まれる。
  4. 分析、立案、評価の3段階で構成される。
  5. ストレッサーに対する抵抗力の向上を目指す。

 

 


 

▶午前34

健やか親子21(第2次)の重点課題で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 妊娠期からの児童虐待防止対策
  2. 育てにくさを感じる親に寄り添う支援
  3. 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進
  4. 子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり
  5. 小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備

 

 


 

▶午前35

精神保健福祉センターの業務で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 精神保健に関する普及啓発
  2. 地域自立支援協議会の運営
  3. 薬物の不正取引の取り締まり
  4. 自殺総合対策推進センターの運営
  5. 保健所と精神保健関係諸機関に対する技術指導・援助

 

 


 

▶午前36

健康危機管理に関する保健所の業務はどれか。2つ選べ。

 

  1. 食中毒発生時の調査
  2. 狂犬病発生時の厚生労働大臣への報告
  3. 感染症患者を診断した医師からの届け出の受付
  4. 保育所で乳児が突然死したときの届け出の受理
  5. 虐待が認定された介護老人福祉施設の指定の取り消し

 

 


 

▶午前37

累積罹患率の計算に必要なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 観察開始時点での患者数
  2. 各観察対象者の観察期間の総和
  3. 観察期間に新たに発生した患者数
  4. 観察開始時点での観察対象集団の人数
  5. 観察終了時点での観察対象集団の人数

 

 


 

▶午前38

調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 患者調査は毎年実施される。
  2. 国勢調査で出生率が把握される。
  3. 社会生活基本調査は総務省が実施する。
  4. 人口動態調査は無作為抽出による標本調査である。
  5. 国民健康・栄養調査は健康増進法に基づいて実施される。

 

 


 

▶午前39

感染症発生動向調査で全数把握の対象となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核
  2. 麻疹
  3. 手足口病
  4. マイコプラズマ肺炎
  5. 性器クラミジア感染症

 

 


 

▶午前40

40歳以上の男性を対象とした疫学研究で、虚血性心疾患死亡率(10万人年対)を観察した。虚血性心疾患死亡率は、喫煙群では50.0、非喫煙群では25.0であった。
このときの寄与危険割合を百分率で求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②%

 

 


 

次の文を読み41~43の問いに答えよ。

Aさん(35歳、女性)は結婚を機に実家から隣のB市に移り、B市で夫と長女(5か月)と暮らしている。Aさんは長女を連れ、B市が実施する乳児相談会に参加した。月に1回開催されている乳児相談会では、乳児の身長・体重測定および相談や参加者との交流を行っており、長女は順調に成長している。Aさんは「学生時代に親戚の子どもに接した経験が少しあるだけで、初めての育児に不安があります」と話し、表情がさえない。
保健師がAさんに話を聞くと、Aさんは母親の手料理と手作りのおやつを食べて育ち、離乳食づくりに自信がなく、育児を楽しめていないことが分かった。

 

▶午前41

保健師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 離乳食教室への参加を勧める。
  2. 簡単に作れる離乳食のレシピを渡す。
  3. Aさんが考える育児について話を聞く。
  4. 母親に育児を手伝ってもらうことを勧める。

 

 


 

▶午前42

翌月の乳児相談会に参加したAさんは表情が硬かった。気になった保健師が声をかけると「夫の帰りが毎晩遅く、週末も家にいないことが多いです。私1人で家事や子どもの世話をするのはとても大変です」と涙を流しながら話した。
保健師のAさんへの声かけで適切なのはどれか。

 

  1. 「参加者の皆さんと困っていることの解決策を考えましょう」
  2. 「大変なのは今だけですからAさんなら大丈夫ですよ」
  3. 「ご家族で家事や子育ての役割分担を決めましょう」
  4. 「別室でゆっくりお話を聞かせてもらえますか」

 

 


 

▶午前43

2か月後の乳児相談会に参加したAさんは「離乳食が順調に進んでいる」と笑顔で話した。一方で、「これからも子どもの成長とともに、不安なことが出てきそう。もともと友達づくりが苦手な性格で、今も相談できる友達がいない」と話した。
保健師がAさんに勧める内容で適切なのはどれか。

 

  1. 子育て支援センターの利用
  2. 乳児相談会への参加の継続
  3. 保健師による電話相談の利用
  4. 近所の乳幼児が遊べる公園の利用

 

 


 

次の文を読み44~46の問いに答えよ。

人口2万人のA市にあるB地区は人口3,000人、老年人口割合は45%で単身の高齢者世帯が増加している。2年前に300戸の温泉付きのマンションが建設された。マンションの入居者の平均年齢は67.2歳で、都市部の会社を定年退職した者が多い。近所付き合いが少ないため、1人暮らし世帯の入居者が死後1か月以上経って発見されることがあった。現在は高齢夫婦世帯が多いが、今後は配偶者の死亡によって1人暮らし世帯が増加する見込みである。保健師は住民と協働し、安心して暮らせるB地区になるよう取り組むことにした。まず、保健師は地域の実態把握を行うことにした。

 

▶午前44

B地区の健康課題を明らかにするために情報を収集する対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. A市の老人クラブの参加者
  2. マンションの管理組合の長
  3. B地区の民生委員
  4. B地区の開業医

 

 


 

▶午前45

保健師はB地区のマンションの入居者の世代や背景が似ていることに着目し、入居者が捉えているB地区の交流に関する課題を把握したいと考えた。
その方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 地区踏査
  2. 電話インタビュー
  3. インターネットアンケート
  4. フォーカス・グループインタビュー

 

 


 

▶午前46

実態把握の結果、B地区のマンション入居者からは「近所付き合いがなく頼れる人がいないため、この先が不安」「定年退職後、趣味がないので外出する機会が少なく体力が落ちた」という意見が多かった。この調査結果をB地区の自治会長に説明したところ、「マンション入居者以外のB地区の人からも同様の意見を聞いている。近所付き合いのあるB地区にしていきたい」と話した。
B地区で保健師が取り組むことで最も適切なのはどれか。

 

  1. 健康相談会の開催
  2. 健康講座のオンライン開催
  3. 介護予防サービスの利用案内の全戸配布
  4. 75歳以上の住民への健康診査の受診勧奨
  5. B地区の住民へのウォーキングマップづくりの提案

 

 


 

次の文を読み47~49の問いに答えよ。

製造業のA社は従業員500名、平均年齢42歳である。高年齢労働者は現在20名だが、会社は高年齢労働者の活用を進めていく方針である。
製造現場で働く従業員(63歳、男性)が工場内の通路で転倒する事故が起きた。
事故後に、A社の保健師が安全管理者と面談した。安全管理者は「怪我が大したことなくてよかったが、どこで転ぶか分からないから怖い。貼り紙など注意喚起を行ってきたのに事故が起きた。高年齢労働者を製造現場で働かせるのは不安だ」と保健師に話した。

 

▶午前47

A社の保健師が安全管理者に対して行う提案で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 高年齢労働者の体力測定
  2. 高年齢労働者に合った配置部署の検討
  3. 高年齢労働者に向けた注意喚起の強化
  4. 高年齢労働者の特性を踏まえた事故原因の検討

 

 


 

▶午前48

A社の保健師は、今後の事故予防の参考にするため高年齢労働者の数名に話を聞いた。「機器の警告音には注意している」「棚の影となる部分が暗く見づらい」「年齢だけで特別扱いはされたくない」「上司に会うたびに体調確認されるが、体調が悪ければ自分で伝える」という思いが聴取された。
高年齢労働者の事故予防対策として、保健師が会社に提案することで適切なのはどれか。

 

  1. 警告音の音域を高音設定にする。
  2. 照明を増設する必要性を確認する。
  3. 体調確認は自己申告を基本とする。
  4. 作業スピードは他の労働者と同じにする。

 

 


 

▶午前49

A社の保健師は、高年齢労働者の数名を対象とした事故予防の聴取の際に、仕事のやりがいや職場への思いについても聞いた。「技能を生かして同じ場所で働けるのは安心」という肯定的な意見とともに、「契約の変更で給与が下がり、働きが評価されていない」「若い上司の指示に従うのは抵抗がある」「後輩たちから尊重されていない」という職場への不満が聴取された。
この情報をもとに保健師が企画する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 高年齢労働者を対象としたストレスコーピング学習会
  2. 若手の従業員を対象としたアサーショントレーニング
  3. 管理職を対象とした高年齢労働者の働き方を考える研修会
  4. 安全衛生委員会で部署別のストレスチェックの集団分析結果を共有

 

 


 

次の文を読み50~52の問いに答えよ。

A町は人口1万人で高齢化率40%、後期高齢者の割合が65%と高齢化が進行し、独居高齢者が多い。A町は広大な山間部を有し、山の中腹や谷合に集落が点在している。運動機能が低下すると坂が多いため閉じこもり傾向となる高齢者が多い。近年、介護認定率が急増しており、健康寿命を延伸し住み慣れた地域で生活できるよう、地域包括ケアシステムの構築をめざす取り組みが検討されている。

 

▶午前50

A町の高齢者実態調査で、他町と比べ転倒の経験がある高齢者の割合が多かった。また、介護認定を受けていない高齢者の1日の歩数が1,000歩未満の割合が最も多く、このような高齢者を対象に3か月間の筋力トレーニングを実施することにした。
この取り組みは介護保険におけるサービス・事業のどれか。

 

  1. 居宅介護支援
  2. 地域支援事業
  3. 介護予防サービス
  4. 地域密着型サービス

 

 


 

▶午前51

3か月間の筋力トレーニングの取り組み終了直後は参加者の運動機能は向上したが、1年後に介護認定を受けている参加者がいることが分かった。そのため、地域ケア会議で今後のA町の介護予防について検討することになった。
検討する内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 筋力トレーニングの質の向上
  2. 介護予防サービス事業所の誘致
  3. 筋力トレーニングの費用対効果
  4. 社会的交流を目的とした社会資源の創出

 

 


 

▶午前52

A町の町民のアンケートでは、終末期の療養場所として自宅を希望する者が6割であるが、実際に死亡場所が自宅であるのは1割程度である。そこで、終末期に町民が住み慣れた地域で療養できる体制の構築について検討した。
保健師の取り組みで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 成年後見制度の普及
  2. 介護保険サービスの利用促進
  3. 在宅医療と介護の関係者の連絡会の企画
  4. 救急搬送時間の短縮に向けた検討会の企画
  5. 介護職を対象とした自動体外式除細動器〈AED〉の研修の実施

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

Aさん(64歳、男性、要支援2)は妻(63歳)と2人暮らしである。5年前に歩行時の違和感を自覚し受診したところ、脊髄小脳変性症と診断された。Aさんは難病になったことに驚いたが徐々に受け入れ、妻の励ましやサポートを受けて生活してきた。最近、歩行時のふらつきが強くなったため「室内に手すりをつけたい」と保健師に相談した。

 

▶午前53

Aさんの住宅改修について給付の根拠となる法律はどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 障害者基本法
  3. 高齢者の医療の確保に関する法律
  4. 難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉

 

 


 

▶午前54

住宅改修の後、保健師が1年に1回の家庭訪問を行い3年が経過した。ある日、妻から「通院治療を続けてきたが、最近、夫がよく転ぶようになり食事中もむせることが多くなりました。病気が悪くなってきているようで不安です」と相談があった。
保健師が確認する情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 妻の健康状態
  2. AさんのADL
  3. Aさんの世帯の経済状況
  4. Aさんの最近の食事内容

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

A市は地場産業が主要産業の人口5万人の市である。平成30年度(2018年度)策定の自殺対策計画では数値目標として自殺者数の20%減少を掲げており、計画策定時に対策が優先された対象は60歳以上の男女と40~59歳の無職の男性であり、直近2年の自殺者総数は減少した。一方で、20歳代男女の自殺企図による救急搬送の件数は増加傾向にある。

 

▶午前55

今後のA市の20歳代への自殺対策として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. ソーシャルネットワーキングサービス〈SNS〉を活用した相談支援体制の強化
  2. 精神保健福祉相談の希望者を対象とする精神科医による診察の実施
  3. 特定健康診査・特定保健指導の場を活用したメンタルヘルス対策
  4. 年1回のストレスチェック実施の義務化
  5. ハローワークと連携した相談事業の実施

 

 

 

第109回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1

一次予防はどれか。

 

  1. がん検診
  2. 母子健康手帳の交付
  3. 退院後の勤務時間の短縮
  4. 糖尿病患者への栄養指導

 

 


 

▶午後2

公衆衛生看護の実践で用いられるPDCAサイクルの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 公衆衛生看護活動の実践者が行う介入を可視化している。
  2. 継続的な業務の改善を促す取り組みに使用される。
  3. コミュニティアセスメントの視点を示している。
  4. 医療の質を評価する指標である。

 

 


 

▶午後3

子どもの家庭内の事故を予防することは、フリードマン〈Friedman, M.M.〉が提唱した家族機能のどれか。

 

  1. 経済機能
  2. 情緒機能
  3. 生殖機能
  4. ヘルスケア機能

 

 


 

▶午後4

Aさん(45歳、女性)は20歳代に統合失調症を発症し、入退院を繰り返してきた。2年前から通院を中断し、デイケアへの通所も休むようになった。半年ほど前から家の中で叫ぶなどの行動が続いているため、母親が保健師に電話で相談した。相談を受けた保健師が家庭訪問をしたが、父親が拒否したため室内に入れずAさんには会えなかった。
保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 母親の承諾を得て主治医に連絡する。
  2. 父親の気持ちが変わるまで支援を控える。
  3. 近隣住民にAさんの日頃の状況を確認する。
  4. Aさんと母親が父親から離れられるようシェルターを紹介する。

 

 


 

▶午後5

健康な地域づくりの基盤である公衆衛生の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 経済効率を優先して実施される。
  2. 根拠となるのは健康増進法である。
  3. 地域社会の組織的な努力を通じて行われる。
  4. 個人のセルフケア能力の開発が施策の主軸である。

 

 


 

▶午後6

A地区に住む乳児の親のニーズを把握するために、今年A地区の担当になった保健師が最初に行うことで適切なのはどれか。

 

  1. 子ども会のイベントへの参加
  2. 保育所利用者に対するアンケート
  3. 乳児健康診査における育児相談記録の確認
  4. 育児サークルの代表者に対するインタビュー

 

 


 

▶午後7

保健計画の策定で適切なのはどれか。

 

  1. 質的な評価指標を重視する。
  2. 新規事業を立ち上げることを目的とする。
  3. 計画策定の早い段階から住民の参画を促す。
  4. パブリックコメントは自治会長が取りまとめる。

 

 


 

▶午後8

健やか親子21(第2次)で示されている十代の健康水準の指標はどれか。

 

  1. 性感染症罹患率
  2. 虐待による死亡数
  3. むし歯(う歯)罹患率
  4. 睡眠障害がある子どもの割合

 

 


 

▶午後9改題

健康日本21(第二次)について正しいのはどれか。

 

  1. 最終目標を健康寿命の延伸としている。
  2. 目標項目の1つに世代間の健康格差の縮小がある。
  3. 国民に健康づくり対策の実施が義務付けられている。
  4. 最終評価で「目標値に達した」「改善傾向にある」と評価された目標項目は半数未満である。

 

 


 

▶午後10

予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 予防接種法では定期接種と任意接種に分類される。
  2. 市町村長は予防接種基本計画を策定する義務がある。
  3. 予防接種による健康被害の救済措置は都道府県知事が行う。
  4. A類疾病に対しては疾病の発生とまん延の予防を目的に実施する。

 

 


 

▶午後11

学校保健に関係する教職員と職務の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 校長――学校保健委員会の運営
  2. 栄養教諭――学校保健計画の立案
  3. 保健主事――学校医の任命
  4. 学校薬剤師――環境衛生検査への従事

 

 


 

▶午後12

放射線業務に従事する職員の安全衛生管理で適切なのはどれか。

 

  1. 年に1回の特殊健康診断を実施する。
  2. 確率的影響と確定的影響への対策が必要である。
  3. 作業者は放射性物質取扱作業室で水分摂取してもよい。
  4. 特殊健康診断結果の記録は10年間の保存が義務付けられている。

 

 


 

▶午後13

産業保健における作業管理はどれか。

 

  1. 定期的に健康診断を行う。
  2. 適切に保護具を装着する。
  3. 作業環境の有害要因を除去する。
  4. 労働衛生に関する体制を構築する。

 

 


 

▶午後14

健康危機管理で感染症の発生時の対応はどれか。

 

  1. 積極的疫学調査の実施
  2. 感染症指定医療機関の指定
  3. 感染症発生動向調査の実施
  4. 地域DOTSの関係機関への研修の実施

 

 


 

▶午後15

市全域が被害を受ける地震が発生し、1か月が過ぎた。避難所に避難していた被災者の多くが応急仮設住宅へ移動した。
この時期に応急仮設住宅の入居者に対して行う保健活動で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 心のケアチームを派遣する。
  2. 巡回訪問し健康状態を把握する。
  3. エコノミークラス症候群の予防方法を伝える。
  4. 感染症予防策についての健康教育を実施する。

 

 


 

▶午後16

A事業所の社員食堂で毎月行う調理従事者20名の便の細菌検査で、Bさんから腸管出血性大腸菌が検出された。Bさんは特に症状がないが、受診した診療所の医師から腸管出血性大腸菌の無症状病原体保有者と診断された。
この診断後の対応で正しいのはどれか。

 

  1. Bさんは感染症指定医療機関に入院する必要がある。
  2. 2類感染症として受診した診療所の医師から発生届が提出される。
  3. 社員食堂はBさんが職場に復帰できるまで業務を休止しなければならない。
  4. Bさんは病原体を保有しなくなるまで飲食物に直接触れる業務への就業が制限される。

 

 


 

▶午後17

市の保健センターでは子育て支援ニーズに関する調査から実態を把握した。
この活動における公衆衛生看護管理の機能はどれか。

 

  1. 情報管理
  2. 組織管理
  3. 予算管理
  4. 健康危機管理

 

 


 

▶午後18

自治体において統括的な役割を担う保健師として行う業務はどれか。

 

  1. 担当地区の総合相談支援
  2. 地域アセスメントの実施
  3. 生活習慣病重症化予防事業の企画
  4. 組織全体における保健師の活動推進のための調整

 

 


 

▶午後19

令和元年(2019年)の国民健康・栄養調査における身体活動・運動で正しいのはどれか。

 

  1. 20~49歳で運動習慣のある者の割合が最も高い。
  2. 20歳以上の歩数の平均値は1日8,000歩を下回る。
  3. 男性より女性の方が運動習慣のある者の割合が高い。
  4. 歩数の平均値は平成22年(2010年)の約2倍である。

 

 


 

▶午後20

A市では熱中症の健康被害が年々深刻になっている。A市で熱中症による死者の減少を目指すための熱中症対策計画を策定することになり、関係部署の役割分担を整理した。
環境衛生行政部門の役割で適切なのはどれか。

 

  1. 熱中症の危険性が高い気象情報の提供体制の構築
  2. 高温下での労働者の作業環境の管理
  3. 学校の教室の湿度管理
  4. 熱中症予防の健康教育

 

 


 

▶午後21

公的年金制度について正しいのはどれか。

 

  1. 20歳以上の学生は国民年金に任意加入である。
  2. 20歳未満の傷病による障害者にも障害基礎年金が支給される。
  3. 国民年金から支給される年金給付の1つは老齢厚生年金である。
  4. 被用者に扶養される配偶者は国民年金の第2号被保険者である。

 

 


 

▶午後22

成年後見制度に関する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 利用の申立ては社会福祉協議会である。
  2. 利用にあたり医師の鑑定書は市に提出する。
  3. 身寄りがない場合は都道府県知事が利用の申立てを行う。
  4. 判断能力の程度に応じて成年後見人、保佐人または補助人が選ばれる。

 

 


 

▶午後23

市の保健センターでは電話育児相談を行っており、必要に応じて地区担当保健師による家庭訪問につなげている。
電話育児相談の内容で、地区担当保健師に家庭訪問を依頼する優先度が高いのはどれか。

 

  1. 6か月の子どもの離乳食が進まない。
  2. 1歳0か月の子どもがまだひとり歩きをしない。
  3. 4か月の子どもの予防接種について教えてほしい。
  4. 2歳の子どもが言うことを聞かないので叩いてしまう。
  5. 育児の話ができる友達が欲しいが近所に子どもがいる家庭がない。

 

 


 

▶午後24

地域包括ケアシステムの構築におけるストラクチャー評価はどれか。

 

  1. 地域の健康課題は解決されている。
  2. 社会資源の総合的な調整がされている。
  3. 関係部署、機関との連携は図られている。
  4. 地域のニーズに応じたものになっている。
  5. 必要な事業化、施策化につながっている。

 

 


 

▶午後25

平成30年(2018年)の難病患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉による全国の特定医療費(指定難病)医療受給者証発行数の上位5疾病について、年齢別のグラフを示す。
109pm25h
Aが示す疾患はどれか。

 

  1. 潰瘍性大腸炎
  2. 後縦靱帯骨化症
  3. Crohn〈クローン〉病
  4. Parkinson〈パーキンソン〉病
  5. 全身性エリテマトーデス〈SLE〉

 

 


 

▶午後26

潜伏期間が最も長い感染症はどれか。

 

  1. 風疹
  2. 肺結核
  3. 百日咳
  4. インフルエンザ
  5. 流行性耳下腺炎

 

 


 

▶午後27改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における20歳以上の年齢別死亡原因を以下に示す。
109pm27h
不慮の事故はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午後28

レセプト情報・特定健診等情報データベース〈NDB〉について正しいのはどれか。

 

  1. 3年に1回データが更新される。
  2. 無作為抽出による標本調査である。
  3. 研究を目的に収集されたデータである。
  4. 年間1,000万件程度のデータが蓄積されている。
  5. 高齢者の医療の確保に関する法律に基づいている。

 

 


 

▶午後29

歯科口腔保健の推進に関する法律に基づく基本的事項(平成24年)における3歳でう蝕のない者の割合の目標値で正しいのはどれか。

 

  1. 50%
  2. 60%
  3. 70%
  4. 80%
  5. 90%

 

 


 

▶午後30改題

平成23年(2011年)から令和2年(2020年)までの日本の精神疾患患者の動向で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 総患者数は減少傾向にある。
  2. 気分障害の患者数が最も多い。
  3. 入院患者数は増加傾向に転じている。
  4. 外来患者数では75歳以上の患者が減少傾向にある。
  5. Alzheimer〈アルツハイマー〉病の患者数は増加傾向である。

 

 


 

▶午後31

要保護児童対策地域協議会の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 設置は国の努力義務である。
  2. 協議する対象には非行児童を含まない。
  3. 子育て世代包括支援センターを運営する。
  4. 居住実態を把握できない児童の情報を共有する。
  5. 支援対象となる児童と保護者の状況確認に関する役割分担を行う。

 

 


 

▶午後32

検疫所の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健所に設置されている。
  2. 海外感染症情報の収集と提供を行う。
  3. 感染症サーベイランスの分析を行う。
  4. 国内に常在しない感染症の病原体が侵入することを防ぐ。
  5. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき業務を行う。

 

 


 

▶午後33

毒素型の食中毒の原因となる菌はどれか。2つ選べ。

 

  1. 赤痢菌
  2. サルモネラ菌
  3. ボツリヌス菌
  4. 黄色ブドウ球菌
  5. カンピロバクター

 

 


 

▶午後34

散布図から分かるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 相関
  2. 割合
  3. 中央値
  4. 年次推移
  5. はずれ値

 

 


 

▶午後35

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に統合され廃止された法律はどれか。2つ選べ。

 

  1. 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律
  2. トラホーム予防法
  3. 狂犬病予防法
  4. 結核予防法
  5. らい予防法

 

 


 

次の文を読み36~38の問いに答えよ。

人口約12万人のA市は30の地区に分かれており、各地区の人口は約2,000~6,000人である。近年、A市の肺がん検診受診者のうち精密検査が必要となった者の割合が徐々に増加している。また、特定健康診査受診者への問診から得られた喫煙者割合も県内のほかの市町村に比べて高い。

 

▶午後36

A市の保健師が各地区の特徴を把握するための情報で適切なのはどれか。

 

  1. 肺がん受療率
  2. 肺がんの標準化死亡比〈SMR〉
  3. 肺がん検診の年齢階級別受診率
  4. 肺がん要精密検査者の親の肺がん罹患状況

 

 


 

▶午後37

保健師による地域アセスメントの結果、B地区においては喫煙者を対象としたハイリスクアプローチが必要であることが分かり、禁煙教室を実施することになった。
プリシード・プロシードモデルを用いて禁煙教室を計画する場合の強化要因はどれか。

 

  1. 地区内の診療所の禁煙外来
  2. 教室参加者の家族や友人からの応援
  3. たばこの害に対する教室参加者の知識
  4. 禁煙できるという教室参加者の自己効力感

 

 


 

▶午後38

これまでの地域アセスメントを踏まえ、ポピュレーションアプローチとしてB地区住民を対象に「地区の子どもをたばこの煙から守る」をテーマとした健康づくりを推進することになり、保健師が実施案を作成することになった。
B地区のコミュニティ・エンパワメントが最も促進されるのはどれか。

 

  1. 喫煙者に受動喫煙の害について説明する。
  2. 他自治体の良い実践例を地区内に掲示する。
  3. 子どもにたばこの煙が身体に及ぼす影響を説明する。
  4. テーマに関心の高い育児グループと対策を検討する場を持つ。

 

 


 

次の文を読み39~41の問いに答えよ。

A市は人口約3万人の高齢化率35.6%の市である。主要な産業は農業で、他市と比べ糖質の摂取量が多い特性がある。A市では近年、糖尿病性腎症による人工透析の新規患者数が増加している。

 

▶午後39

糖尿病性腎症の発症リスクがある地域住民を把握する方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. A市の医師会との意見交換を行う。
  2. 国保データベース〈KDB〉を活用する。
  3. 生活習慣病予防教室の参加者リストを活用する。
  4. 健康増進計画策定時に市民に行った健康調査結果を活用する。

 

 


 

▶午後40

糖尿病性腎症の発症リスクを有する地域住民を把握した結果、A市では糖尿病の重症化を予防することを目的に、特定健康診査でヘモグロビンA1c〈HbA1c〉が8.0%以上で糖尿病治療を受けていない者への家庭訪問事業を行うことにした。
家庭訪問で保健師が把握する内容で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食生活の状況
  2. 運動習慣の有無
  3. 日常生活動作〈ADL〉
  4. 特定健康診査結果の理解の状況

 

 


 

▶午後41

A市では糖尿病性腎症を予防するため、糖尿病予防を重点的に行うことになった。
A市で行う糖尿病予防のポピュレーションアプローチの取り組みで最も適切なのはどれか。

 

  1. 公民館でのラジオ体操の実施
  2. 自治会の掲示板での禁煙の啓発
  3. 個別通知による特定健康診査の受診勧奨
  4. 広報誌でのバランスのとれた食生活の啓発
  5. ホームページで休養について正しい知識の提供

 

 


 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。

A君(6歳)は両親と3人家族で、現在保育所に通っている。3歳児健康診査の心理相談で療育教室への参加を勧められたが、これまで2回しか参加しておらず経過観察の対象となっている。就学予定の小学校で行われた就学時健康診断で、A君は常に動き回り目立つ存在だった。健康診断後の面接では母親はA君について「とても活発で元気な子なのですが、他の子のように座っていられないときもある」と話した。面接を担当した教員は、A君が学校で集団生活を送れるか不安に感じたため養護教諭に相談した。

 

▶午後42

就学時健康診断後、小学校が保護者の了解を得てA君の情報を収集することになり、養護教諭が担当することになった。
情報を収集する対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保育所の担任
  2. 地区担当の保健師
  3. 療育教室の指導員
  4. 3歳児健康診査時の心理相談担当者

 

 


 

▶午後43

教育委員会が主催して関係者と母親がA君の就学先について協議を行い、小児科の専門医を受診してから判断することになった。受診した結果、注意欠如・多動性障害〈ADHD〉疑いと診断され継続的なフォローが行われることになった。その結果を受けて再度、教育委員会で協議を行いA君は地元の小学校の通常の学級に在籍することが決まった。
入学前の面談で母親は「なぜAはあのように動き回るのでしょうか。病院に通うことになるとは思っていませんでした。私の育て方が悪かったのでしょうか。これからが心配です」と涙を浮かべながら話した。
このときの母親に対する養護教諭の発言で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「お父さんとも話し合いの場をもちましょう」
  2. 「A君の行動や気持ちを理解していきましょう」
  3. 「3歳児健診で指摘されたことを振り返りましょう」
  4. 「A君のようなお子さんを持つ保護者の集まりに行ってみましょう」

 

 


 

▶午後44

入学直後、A君は授業中に教室の掲示物が気になると急に立ち上がって触ったり、廊下の人の行き来をずっと見たりしていることが多い。また、前の席の児童にいたずらをして担任から注意を受けると急に不機嫌になって教室を飛び出し、担任は目が離せないことが続いた。同級生とのトラブルも多いため、教頭、特別支援教育コーディネーター、養護教諭、担任、スクールカウンセラーが集まって校内委員会を開催し対応を検討した。
A君に対する学校の支援で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 教室の掲示物を少なくする。
  2. 他の児童との学習活動を減らす。
  3. いたずらをしたら大声で注意する。
  4. A君の席を教室の出入口の近くにする。
  5. 教室を飛び出したときの居場所を確保する。

 

 


 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。

人口約3,300人のA町にあるB地区は人口約200人で商店や飲食店が連なっている地域である。B地区は高齢化率50%で、独居高齢者世帯も多い。早朝、B地区で大規模火災が発生し、死者が1名、重傷者が2名出ている。

 

▶午後45

A町は発災後すぐに災害対策本部を設置した。現在も延焼が続いている。
このときのA町の保健師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 全戸訪問による健康調査
  2. 仮設住宅への移行計画の作成
  3. 避難行動要支援者の個別確認
  4. 広域災害・救急医療情報システム〈EMIS〉の医療情報管理

 

 


 

▶午後46

B地区の建物の半数が焼失し、小学校の体育館に避難所が設置された。火災発生の翌日、B地区の担当保健師は避難所を訪問した。避難所には50人が避難していて、避難者のほとんどが独居で生活をしていた高齢者である。避難をしているCさん(80歳、男性、独居、介護認定なし)は、自分の荷物を置いている場所やトイレの位置が分からなくなることがあると保健師に話した。
Cさんに対するB地区の担当保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 要介護認定の申請を勧める。
  2. 認知症専門外来の受診に同行する。
  3. 福祉避難所に移動することを提案する。
  4. 認知機能について災害前後の変化を把握する。

 

 


 

▶午後47

火災発生から10日が経った。避難所で不眠を訴える住民が増え、イライラしている様子も見受けられる。B地区の担当保健師は、今後の避難住民の心のケアを検討していくために、精神保健福祉センターの精神科医師に応援要請を行った。
B地区の担当保健師が精神保健福祉センターの精神科医師に依頼する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 保健師の地区活動における心のケアの方針に関する助言
  2. 避難住民を対象としたストレスチェックの実施
  3. 医療保護入院ができる医療機関の整備
  4. 睡眠障害を訴えている避難住民の診察

 

 


 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。

市の保健センターに勤務する新任期の保健師Aは、人事異動する中堅期の保健師Bの担当していたCさん(50歳、男性)を受け持つことになり、管理職の保健師が保健師Aのサポートを行うことになった。
Cさんは統合失調症をもつ単身者で生活保護を受給している。2年前に生活保護の担当者から被害妄想を訴えてくると相談があり、保健師Bが援助を開始していた。援助開始当初は、Cさんは精神科の外来通院を中断しており、Cさんの問題行動に対して近隣からたびたび苦情や対応要請の連絡が入った。保健師に対しても警戒心が強かったが、保健師Bの援助により通院の再開に至っていた。

 

▶午後48

保健師Bが異動前の限られた期間内で、Cさんの引き継ぎのために保健師Aと一緒に訪問する対象者として優先度が高いのはどれか。

 

  1. Cさん
  2. Cさんの担当地区の民生委員
  3. Cさんの生活保護担当のケースワーカー
  4. Cさんについて苦情の連絡をしてきた近隣住民

 

 


 

▶午後49

保健師AはCさんの訪問を毎月継続し約1年が経過した。Cさんは外来通院を継続しており、近隣住民もCさんを見守ってくれている。管理職の保健師は保健師Aと面談し、これまでのCさんへの援助について評価し、今後について尋ねた。保健師Aは「このまま継続していけるとよいと思っているが、具体的なアイデアはまだ考えられていない」と話した。管理職の保健師は、保健師AがCさんを多方面から捉えて、より良い支援を計画できるようになってほしいと考えた。
管理職の保健師が保健師Aに勧めることで最も適切なのはどれか。

 

  1. Cさんとの会話のプロセスレコードを作成すること
  2. 保健師BにCさんへの対応について相談すること
  3. 事例検討会で他の保健師と意見交換をすること
  4. 通院先の精神科医からCさんの様子を聞くこと

 

 


 

▶午後50

Cさんは通院を継続しており、保健センターのデイケアにも通い続けている。デイケア担当者からCさんが就労を希望していることを聞き、保健師AはCさんの就労支援を行うことにした。
最初にCさんに提案する社会資源で適切なのはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. ハローワーク
  3. 就労継続支援A型
  4. 就労継続支援B型

 

 


 

次の文を読み51~53の問いに答えよ。

人口約10万人のA市で慢性腎臓病の予防に関する施策の策定をすることになった。その基礎資料を作成するために、ある一時点での慢性腎臓病の有無と高血圧の有無の関連を検討することにした。

 

▶午後51

この研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. コホート研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究

 

 


 

▶午後52

調査を実施する際に、市民全員を対象とすることは困難であると考えた。そのため、調査者の主観が介入しない方法で対象者を選ぶことにした。
適切な方法はどれか。

 

  1. 層化
  2. 標準化
  3. マッチング
  4. 無作為抽出
  5. 無作為化(割付)

 

 


 

▶午後53

対象者1,000人を選び出し、高血圧の有無と慢性腎臓病の有無を調査した結果を以下に示す。
109pm53h
高血圧「あり」の高血圧「なし」に対する慢性腎臓病「あり」のオッズ比を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答:① . ②

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

住民から「最近、近所に引っ越してきた家族の3歳ぐらいの男の子が、毎日、昼ころから暗くなるまで1人で走り回っている。子どもを叱責する声と子どもの泣き声が何度も家の中から聞こえて気になる」と市の保健福祉センターに通告があった。

 

▶午後54

この通告について規定している法律はどれか。

 

  1. 母子保健法
  2. 児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉
  3. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉
  4. 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉

 

 


 

▶午後55

市の住民基本台帳から、家族は父親(24歳、会社員)、母親(20歳、無職)とAちゃん(3歳3か月、男児)の3人暮らしで、1か月前に転入していたことを把握した。
市の保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 地域の育児サークルを紹介する。
  2. 居住地の児童委員に問い合わせる。
  3. 児童相談所の職員と家庭訪問をする。
  4. 市の3歳児健康診査の受診を勧奨する。

 

 


 

資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

国民衛生の動向」は、昭和24年の創刊以来、時代の変化に合わせて、わが国の衛生を取り巻く最新の状況を網羅する本として幅広く利用されています。

 

かつては、結核をはじめとした感染症対策がその記述の中心でしたが、近年では感染症を軸とした対策から、生活習慣の改善による発症予防(一次予防)を推進する生活習慣病対策に重点が置かれてきていました。


しかし、2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、医療機関や保健所だけでなく、介護施設や飲食店、学校、家庭などでも感染症対策の重要性が再認識されたところです。こうした中で、保健師国家試験では、これまで以上に感染症を問う問題が出題されると考えられます。

 

当ページでは、110回(2024年)から101回(2015年)の10年分の試験問題の中から感染症問題をピックアップし、簡易的な説明とともに示します。問題を解きながら、「国民衛生の動向」第3編3章の感染症対策の記述を参考に、感染症法の規定、各感染症の特徴、医療機関における予防策など、総合的に把握することが大切です。

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

目次

 

 

国際的な感染症対策

新興感染症・再興感染症

  • それまで知られていなかった新しい病原体による感染症を新興感染症、近い将来克服されると考えられていた既知の感染症が再流行したものを再興感染症という。
  • わが国の再興感染症の例としては、地球温暖化等の影響によるデング熱の流行、抗体保有率の低下による麻疹・風疹の流行がみられた。

 

▶104回午前34

日本における再興感染症はどれか。2つ選べ。

 

  1. 麻疹
  2. デング熱
  3. エボラ出血熱
  4. ウエストナイル熱
  5. 重症急性呼吸器症候群〈SARS〉

 

 

検疫

  • 検疫は、国内に常在しない新興・再興感染症が船舶や航空機を介して国内に侵入することを防ぐために実施されるもので、国内法としては検疫法に基づいて行われる。
  • 海港・空港に設置される検疫所では、人の検疫や港湾衛生業務、海外感染症情報の収集と提供、申請業務などを行っている。

 

▶109回午後32

検疫所の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 保健所に設置されている。
  2. 海外感染症情報の収集と提供を行う。
  3. 感染症サーベイランスの分析を行う。
  4. 国内に常在しない感染症の病原体が侵入することを防ぐ。
  5. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき業務を行う。

 

 

世界保健機関(WHO)

世界保健機関(WHO)は、感染症の国際的な流行を最大限防止するため、感染症発生状況の監視・報告体制の整備、予防接種ワクチンの分配など、感染症対策を広く実施している。

 

▶105回午後2

世界保健機関〈WHO〉の行う活動で正しいのはどれか。

 

  1. 開発途上国の保健医療従事者の研修員の受け入れ
  2. 戦争や内戦で被害を受けている子どもの支援
  3. 難民に関する国際的な諸規定の監督
  4. 予防接種拡大計画の推進

 

 

 

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉

法成立の経緯

感染症法は、平成11年(1999年)にそれまでの「伝染病予防法」「性病予防法」「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」を廃止・統合する形で施行され、平成19年(2007年)には「結核予防法」が廃止・統合された。

 

▶109回午後35

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に統合され廃止された法律はどれか。2つ選べ。

 

  1. 後天性免疫不全症候群の予防に関する法律
  2. トラホーム予防法
  3. 狂犬病予防法
  4. 結核予防法
  5. らい予防法

 

 

感染症発生動向調査

感染症発生動向調査は平時における国内の感染症サーベイランス(監視)であり、感染症の発生が医療機関、保健所、都道府県、厚生労働省と報告され、その流行状況を調査集計し、感染症の拡大を防止するものである。

 

▶107回午前12

健康危機の発生の未然防止に該当するのはどれか。

 

  1. 緊急相談窓口の設置
  2. 感染症サーベイランス
  3. 避難行動要支援者の把握
  4. 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉のある人への支援

 

 


 

▶106回午前13

感染症サーベイランスで、医療機関、保健所、都道府県を経て厚生労働省に報告されるのはどれか。

 

  1. 積極的疫学調査
  2. 感染症発生動向調査
  3. 感染症流行予測調査
  4. 院内感染サーベイランス事業

 

 


 

▶102回午後14

感染症に対する健康危機管理の平常時の対応はどれか。

 

  1. 空港での水際対策
  2. 積極的疫学調査の実施
  3. 感染症発生動向調査の実施
  4. 厚生労働省対策本部の設置

 

 

積極的疫学調査

感染症法15条に基づき、都道府県知事は感染症の発生時にその予防、または発生の状況・動向・原因を明らかにする必要があると認められる場合、必要な調査(積極的疫学調査)をさせることができる。

 

▶109回午後14

健康危機管理で感染症の発生時の対応はどれか。

 

  1. 積極的疫学調査の実施
  2. 感染症指定医療機関の指定
  3. 感染症発生動向調査の実施
  4. 地域DOTSの関係機関への研修の実施

 

 


 

▶103回午後2

市町村の保健師の活動として適切でないのはどれか。

 

  1. 細菌性赤痢の患者の積極的疫学調査
  2. 老人クラブでの健康教育の実施
  3. 統合失調症患者への家庭訪問
  4. 16歳の妊婦への保健指導

 

 

感染症の分類

感染症法では、対象とする感染症の感染力や罹患した場合の症状の重篤性などに基づいて1~5類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症に分類している。

 

【対象感染症の一例】

  • 1類感染症:エボラ出血熱、痘そう、ペスト
  • 2類感染症:急性灰白髄炎、結核、重症急性呼吸器症候群〈SARS〉、鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)
  • 3類感染症:コレラ、腸管出血性大腸菌感染症
  • 4類感染症:A型肝炎、E型肝炎、マラリア、日本脳炎
  • 5類感染症:後天性免疫不全症候群〈AIDS〉、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、麻疹、風疹、細菌性髄膜炎、水痘

 

▶104回午前36

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉における1類感染症はどれか。2つ選べ。

 

  1. コレラ
  2. 痘そう
  3. ペスト
  4. マラリア
  5. 急性灰白髄炎

 

 

感染症法に基づく届出基準

  • 1~4類感染症と、5類感染症の一部(侵襲性髄膜炎菌感染症、風疹および麻疹)、新型インフルエンザ等感染症を診断した医師は、直ちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
  • 上記以外の5類感染症で全数把握対象疾患となっているものについては7日以内に届け出なければならない。また、全数把握対象疾患を除く5類感染症については、定点把握対象疾患として定点医療機関の協力の下に週単位、月単位などの届出により流行状況を把握している。

 

▶109回午前36・101回午前37類問

健康危機管理に関する保健所の業務はどれか。2つ選べ。

 

  1. 食中毒発生時の調査
  2. 狂犬病発生時の厚生労働大臣への報告
  3. 感染症患者を診断した医師からの届け出の受付
  4. 保育所で乳児が突然死したときの届け出の受理
  5. 虐待が認定された介護老人福祉施設の指定の取り消し

 

 


 

▶101回午後12

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、診断した医師が直ちに届け出なければならないのはどれか。

 

  1. 結核
  2. 梅毒
  3. アメーバ赤痢
  4. 流行性角結膜炎

 

 


 

▶105回午前33

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉の五類感染症のうち、直ちに届け出る必要があるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 麻しん
  2. 百日咳
  3. 破傷風
  4. 侵襲性髄膜炎菌感染症
  5. Creutzfeldt-Jakob〈クロイツフェルト・ヤコブ〉病

 

 


 

▶109回午前39

感染症発生動向調査で全数把握の対象となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核
  2. 麻疹
  3. 手足口病
  4. マイコプラズマ肺炎
  5. 性器クラミジア感染症

 

 


 

▶103回午前34

感染症発生動向調査において全数把握の対象となるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 風疹
  2. 百日咳
  3. 日本脳炎
  4. マイコプラズマ肺炎
  5. 性器クラミジア感染症

 

 


 

▶108回午前32

平常時に指定医療機関から患者発生数の報告を受けて流行状況を把握する定点把握対象疾患はどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核
  2. コレラ
  3. 急性出血性結膜炎
  4. 鳥インフルエンザ
  5. 性器クラミジア感染症

 

 

入院勧告制度

  • 感染症患者が感染症法に基づいて入院する場合、十分な説明と同意に基づいた入院を期待する入院勧告制度がとられ、感染症指定医療機関での医療費が公費負担される。
  • 感染症指定医療機関については、厚生労働大臣が指定する特定感染症指定医療機関(新感染症患者対象)と、都道府県知事が指定する第1種感染症指定医療機関(1類感染症患者対象)・第2種感染症指定医療機関(2類感染症患者対象)が法定化されている。

 

▶103回午後22

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 予防接種を行う疾病を定めている。
  2. 十分な説明と同意に基づいた入院勧告制度がある。
  3. 特定感染症指定医療機関は都道府県知事が指定する。
  4. 4類感染症を診断した医師は7日以内に届出を行わなければならない。

 

 


 

▶107回午前22

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 入院勧告によって感染症指定医療機関で受ける入院治療の医療費は公費負担となる。
  2. 感染症まん延防止のために予防接種を勧奨する疾患について規定されている。
  3. 無症状病原体保有者についての届出は定められていない。
  4. A型肝炎は三類感染症である。

 

 

就業制限

  • 感染症法に基づき、1類感染症~3類感染症または新型インフルエンザ等感染症の患者で、飲食物に直接接触する業務に従事している者については、感染のおそれがなくなるまでその業務の就業を制限している。
  • 症状がありかつ病原体を有する者のほか、無症状であるが病原体を保有している者も就業制限の対象である。

 

▶109回午後16

A事業所の社員食堂で毎月行う調理従事者20名の便の細菌検査で、Bさんから腸管出血性大腸菌が検出された。Bさんは特に症状がないが、受診した診療所の医師から腸管出血性大腸菌の無症状病原体保有者と診断された。
この診断後の対応で正しいのはどれか。

 

  1. Bさんは感染症指定医療機関に入院する必要がある。
  2. 2類感染症として受診した診療所の医師から発生届が提出される。
  3. 社員食堂はBさんが職場に復帰できるまで業務を休止しなければならない。
  4. Bさんは病原体を保有しなくなるまで飲食物に直接触れる業務への就業が制限される。

 

 

 

エボラ出血熱(1類感染症)

概要

  • エボラ出血熱は、エボラウイルス感染者の体液との接触を主な感染経路とするウイルス性出血熱である。
  • 致死率は、ザイール型で約90%、スーダン型で約50%と極めて高く、わが国では流行の可能性は低いが、検疫の強化を図っている。

 

▶101回午後32

エボラ出血熱について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 空気感染する。
  2. 一類感染症である。
  3. 定点把握対象疾患である。
  4. 致命率〈致死率〉は10%である。
  5. 患者は感染症指定医療機関に移送される。

 

 

 

結核(2類感染症)

概要

  • 結核は、結核菌によって発生するわが国の主要な感染症の一つである。結核菌に感染した場合、必ずしもすぐに発症するわけではなく、長期にわたり体内に潜伏したのち再び活動を開始し、発症することがある。
  • 主な感染経路である空気感染対策として、N95マスクの装着や陰圧室への入室などの措置がとられる。

 

▶109回午後26

潜伏期間が最も長い感染症はどれか。

 

  1. 風疹
  2. 肺結核
  3. 百日咳
  4. インフルエンザ
  5. 流行性耳下腺炎

 

 


 

▶103回午前16

保健所で医療機関から感染症の発生の届出を受けた。
保健師が患者を訪問するときに、N95マスクの着用が必須である感染症はどれか。

 

  1. デング熱
  2. 開放性結核
  3. レジオネラ肺炎
  4. 中東呼吸器症候群〈MERS〉

 

 

BCGワクチン

  • 結核の特異的予防(一次予防)として、予防接種法に基づきBCGワクチンの定期予防接種が行われており、生後1歳に至るまでの間に定期接種を行う。
  • 接種後5~6週間頃に針の痕に一致して発赤や膿がみられることがあるが、正常な反応とされる。ただし、接種から約10日以内にこうした反応が生じた場合は、すでに結核菌に感染しているおそれもあり、速やかに医療機関に相談・受診する必要がある。

 

▶107回午後3

結核に対する特異的予防はどれか。

 

  1. 栄養改善
  2. 再発予防
  3. BCG接種
  4. 重症化予防

 

 


 

▶105回午前4

Aちゃん(生後5か月、男児)。定期予防接種であるBCG接種を受けた。接種7日後に、母親が保健センターに来所し、地区担当保健師に「接種したところが腫れているが大丈夫か」と相談があった。接種部位の写真を別に示す。
105am4h
母親に対する地区担当保健師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 「入浴は控えましょう」
  2. 「免疫がついた証拠です」
  3. 「すぐに小児科を受診してください」
  4. 「接種後3か月程度で自然に治ります」

 

 

地域DOTS

結核患者の服薬管理を徹底するため、日本版21世紀型DOTS戦略推進体系図に基づき、全結核患者(潜在性結核感染症含む)に対する地域DOTS(直接服薬確認)が推進されており、患者のリスク等に応じて服薬確認頻度と方法を以下のとおり選択することとされる。

 

  1. 治療中断のリスクが高い患者(住所不定者、アルコール依存者等)→原則毎日
  2. 服薬支援が必要な患者(要介護・独居等高齢者等)→週1~2回以上
  3. 上記以外の患者→月1~2回以上

 

▶104回午後26

日本版21世紀型DOTS戦略推進体系図を示す。
104pm26h
【A】から【C】に入る語句の組合せで正しいのはどれか。

 

【A】――【B】――【C】

  1. 潜在性結核感染症の者を除く結核患者――訪問DOTS ――連絡確認DOTS
  2. 潜在性結核感染症の者を除く結核患者――地域DOTS――コホート検討会
  3. 喀痰塗抹陽性の結核患者――訪問DOTS――連絡確認DOTS
  4. 全結核患者及び潜在性結核感染症の者――外来DOTS――連絡確認DOTS
  5. 全結核患者及び潜在性結核感染症の者――地域DOTS――コホート検討会

 

 


 

▶107回午前13

地域における結核の個別患者支援計画で週1、2回の服薬確認が適切と判断する患者特性はどれか。

 

  1. 結核の既往がある。
  2. 要介護4の独居高齢者である。
  3. アルコール依存症患者である。
  4. 診断時、住所不特定者であった。

 

 

 

マラリア(4類感染症)

概要

  • マラリアはハマダラカ(蚊)により媒介される感染症で、熱帯・亜熱帯地域に広く分布している。
  • 地球温暖化や気候変動に伴い、ハマダラカの生息域が広がることなどから、マラリアの発生する地域の範囲が広がるおそれがある。

 

▶109回午前22

地球温暖化によって発生が増加するおそれがある感染症はどれか。

 

  1. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
  2. ポリオ〈急性灰白髄炎〉
  3. マラリア
  4. 痘そう
  5. 結核

 

 

 

デング熱(4類感染症)

概要

デング熱は、デングウイルスを持つに刺されることで感染する疾患で、地球温暖化等に伴い流行が広がっている再興感染症として、国内でも報告がみられる。

 

▶107回午前26

人から人への直接の伝播がない感染症はどれか。

 

  1. 痘そう
  2. ペスト
  3. 腸チフス
  4. デング熱
  5. 腸管出血性大腸菌感染症

 

 

 

レジオネラ症(4類感染症)

概要

  • レジオネラ症は自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息しているレジオネラ属菌の感染により発症し、主な病型として重症の肺炎を引き起こすレジオネラ肺炎がある。
  • 浴槽の湯を濾過器を通して循環させる循環式浴槽では、換水や消毒、清掃を怠ることでレジオネラ属菌が繁殖する危険性が高い。

 

▶106回午後14

レジオネラ症患者発生の届出を受けた保健所が感染の原因を調査する際に、最も重要な情報はどれか。

 

  1. 入浴施設の利用歴
  2. 発症前の食事内容
  3. 蚊による刺咬の有無
  4. レジオネラ症患者との接触歴の有無

 

 


 

▶101回午前18

医療機関から男性(56歳)のレジオネラ症による肺炎が確認されたと保健所に連絡があった。男性は妻と息子の3人暮らしであり、自宅の風呂のほか、公衆浴場を週に1回利用している。
初動対応として最初に情報収集する者で正しいのはどれか。

 

  1. 近隣住民
  2. 環境衛生監視員
  3. 同居している家族
  4. 浴場組合の組合員

 

 

 

ウイルス性肝炎

B型肝炎・C型肝炎(5類感染症)

  • B型肝炎、C型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染による肝疾患である。
  • B型肝炎にはワクチンがあり、定期予防接種の対象となっている。
  • 治療としては主にインターフェロン治療がとられ、C型肝炎については内服薬のみでウイルス排除が可能なインターフェロンフリー治療の医療費助成を行っている。

 

▶110回午前33

ウイルス性肝炎について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. C型肝炎は四類感染症である。
  2. B型肝炎は定期予防接種の対象である。
  3. 健康増進法に基づく肝炎ウイルス検診は都道府県が実施主体である。
  4. C型慢性肝炎のインターフェロンフリー治療は公費助成の対象である。
  5. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき肝炎対策の推進に関する基本的な指針が策定されている。

 

 

 

性感染症(5類感染症)

後天性免疫不全症候群〈エイズ〉

  • 後天性免疫不全症候群は、ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉の感染によって引き起こされる細胞性免疫不全状態を主な病態とする疾患である。
  • HIVの主な感染経路は、①HIV感染者との性行為、②血液または血液製剤の輸注、③母子感染(垂直感染)の3つであり、中でも新規HIV感染者の感染経路では性的接触が83.8%と大部分を占め、特に男性の同性間性的接触の割合が高い。
  • 新規HIV感染者の推移をみると、平成25年(2013年)以降減少傾向にあり、令和3年(2021年)では742人となっている。性別・国籍別にみると日本国籍男性が多数を占める。

 

▶108回午前12改題

令和3年(2021年)の日本におけるHIV感染者の患者動向で正しいのはどれか。

 

  1. 新規感染の約60%は性的接触である。
  2. 発生の総数は2008年から増加している。
  3. 男性では外国籍の者が半数以上を占めている。
  4. 日本国籍女性の感染経路は異性間の性的接触が最も多い。

 

 

性感染症の状況

性感染症の発生推移(2010年→2021年)をみると、梅毒(621人→7,978人)、性器クラミジア 感染症(26,315人→30,003人)、性器ヘルペスウイルス感染症(8,420人→8,981人)、尖圭コンジローマ(5,252人→5,602人)、淋菌感染症(10,327人→10,399人)といずれも増加している。

 

▶106回午前6改題

平成22年(2010年)と比較した令和3年(2021年)の日本の性感染症の状況はどれか。2つ選べ。

 

  1. 10代の梅毒患者数が増加している。
  2. HIV感染者の療養期間が短くなっている。
  3. 新規HIV感染は異性間性的接触が最も多い。
  4. 性器ヘルペスウイルス感染症の定点報告数が増加している。

 

 

ピア・エデュケーター

ピア・エデュケーター事業は、同年代の若者同士でHIV/エイズや性感染症に関する知識を伝え、考える活動を行うもので、発病を予防する一次予防として効果的である。

 

▶102回午前3

保健所の保健師はエイズ予防週間に合わせて、大学の学園祭で若者を対象にヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症および性感染症〈STD〉に関する健康教育を行うことにした。
対象者が予防行動をとることを目標に設定し、実施する方法として最も適切なのはどれか。

 

  1. 性感染症〈STD〉に関するパネル展示
  2. ピア・エデュケーターによる相談
  3. 性感染症〈STD〉に関する講演会
  4. 希望者へのHIV検査

 

 

 

(季節性)インフルエンザ(5類感染症)

流行時期

季節性のインフルエンザは、例年11月ころから患者が発生し、1~2月ころに患者数のピークを迎え、4月以降減少するという経緯をたどる。

 

▶109回午前10

令和元年(2019年)における五類感染症で、週単位で報告される定点把握疾患のうち、インフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、突発性発しんの各週の定点当たり報告数の図を示す。
109am10h
インフルエンザの報告数はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 

インフルエンザの感染拡大防止策

集団においてインフルエンザ発生後の感染拡大を防止するために、せきやくしゃみによる飛沫感染対策を行った上で、集団行動を避けること、感染者を別室に移すこと、アルコールによる手指消毒を徹底することなどが求められる。

 

▶106回午後32

介護老人福祉施設から保健所に、インフルエンザを発症する入所者が増加しており集団感染が懸念されるので、どのように対応したらよいかとの相談があった。
感染拡大防止のために保健所が施設に行う指導として適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 未発症の入所者にN95マスクを着用させる。
  2. 発症した職員の復帰は解熱の翌日からとする。
  3. インフルエンザワクチン未接種の職員は自宅待機させる。
  4. 多数の入所者が集まって実施しているレクリエーション活動を休止する。
  5. 職員および面会者が入所者の部屋へ入退室する時にアルコールで手指消毒を行う。

 

 

 

食中毒感染症

腸管出血性大腸菌感染症

  • 腸管出血性大腸菌感染症は感染症法上の3類感染症に分類され、令和3年(2021年)には3,243件報告されている。
  • 加熱が不十分である食品を介した食中毒事案として多発し、約3~8日の潜伏期を置いて激しい腹痛、著しい血便などの症状がみられるほか、小児等では溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併することがある。

 

▶105回午前13改題

令和3年(2021年)1月から12月の感染症発生動向調査報告において、国内で発生が報告されているのはどれか。

 

  1. エボラ出血熱
  2. 腸管出血性大腸菌感染症
  3. 中東呼吸器症候群(MERS)
  4. 重症急性呼吸器症候群(SARS)

 

 


 

▶106回午後13改題

腸管出血性大腸菌による食中毒で正しいのはどれか。

 

  1. 潜伏期は6~24時間である。
  2. 加熱が不十分な牛肉が原因となることが多い。
  3. 合併症である溶血性尿毒症症候群〈HUS〉の発症は成人に多くみられる。
  4. 令和4年(2022年)の食中毒事件数はカンピロバクターが原因のものよりも多い。

 

 

ノロウイルス(感染性胃腸炎)

  • ノロウイルス感染症は感染症法における5類感染症の感染性胃腸炎の一部に分類される。
  • 対策として食品の十分な加熱のほか、手指の消毒にはアルコール、物品の消毒等には次亜塩素酸ナトリウムを用いる。また、乾燥すると空中に漂いやすいため、嘔吐物は乾燥する前に速やかに処理する必要がある。

 

▶106回午前38・110回午前35類問

高齢者が入所している施設で、ノロウイルスによる感染性胃腸炎症状が複数の入所者と職員に発生している。
施設が行うべき感染拡大防止のための対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 発症者と未発症者で居室を分ける。
  2. 入所者に提供する食事は十分に加熱する。
  3. 発症者の嘔吐物は十分に乾燥させてから清掃する。
  4. 手指の消毒に次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用する。
  5. 発症した食品調理従事者の業務への復帰は胃腸炎症状が消失した日からとする。

 

 

アニサキス症

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、生鮮魚介類に寄生して食中毒を引き起こす。

 

▶109回午前16

感染症とその病原体の宿主の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. アニサキス症――魚
  2. ウエストナイル熱――ダニ
  3. エキノコックス症――蚊
  4. トキソプラズマ症――貝

 

 

 

新型インフルエンザ

概要

  • 平成21年(2009年)ころに世界的に流行した新型インフルエンザの教訓を踏まえ、平成24年(2012年)に新型インフルエンザ等対策特別措置法が成立し、病原性が高い新型インフルエンザ発生時などに国民の生命・健康を保護するとともに、国民生活と国民経済に及ぼす影響を最小限にするため、新型インフルエンザ等緊急事態宣言の事項が盛り込まれた。
  • 令和2年(2020年)の改正では新型コロナウイルス感染症を対象に追加し、流行状況に応じて数次にわたる緊急事態宣言が発令された。

 

▶108回午後15

平成24年(2012年)施行の新型インフルエンザ等対策特別措置法で規定されたのはどれか。

 

  1. 緊急事態宣言の発令
  2. 感染症発生動向調査の実施
  3. 特定感染症指定医療機関の指定
  4. 都道府県による予防計画の策定

 

 

 

予防接種法

定期予防接種の対象(令和3年4月現在)

【生ワクチン】

BCG(結核)、麻疹・風疹混合、麻疹、風疹、水痘、ロタウイルス

 

【不活化ワクチン・トキソイド】

ポリオ(急性灰白髄炎)、ジフテリア・破傷風混合トキソイド、百日せき・ジフテリア・破傷風混合、百日せき・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ混合、日本脳炎、インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型(Hib)、ヒトパピローマウイルス(HPV)

 

▶108回午前13

乳幼児の予防接種が任意接種である疾病はどれか。

 

  1. B型肝炎
  2. 急性灰白髄炎
  3. 流行性耳下腺炎
  4. ロタウイルス感染症

 

 


 

▶106回午前32

小児を対象にした麻しんと風しんの定期予防接種に関する説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 1期と2期がある。
  2. 生ワクチンである。
  3. 1期には3回接種する。
  4. 1歳未満が対象である。
  5. 抗体価が低い場合に接種する。

 

 

A類疾病・B類疾病

  • 定期予防接種は、集団予防目的に比重を置いたA類疾病(旧・一類疾病)と、個人予防目的に比重を置いたB類疾病(旧・二類疾病)に類型化されている。
  • B類疾病として、インフルエンザ(高齢者対象)高齢者の肺炎球菌感染症が対象となっている。

 

▶107回午前27

予防接種法に基づく定期予防接種の対象疾病のうち、目的として個人の発病または重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するために定期的に行う必要があるのはどれか。

 

  1. 結核
  2. 麻しん
  3. 破傷風
  4. B型肝炎
  5. インフルエンザ

 

 


 

▶103回午後10

インフルエンザの予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 二次予防である。
  2. ワクチンの種類はトキソイドである。
  3. 予防接種法におけるB類疾病である。
  4. 定期予防接種の対象は15歳未満である。

 

 

予防接種の実施と救済

  • 厚生労働大臣(国)は、予防接種に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために予防接種基本計画を策定しなければならない。
  • 定期の予防接種の実施主体は市町村で、被接種者は「受けるように努めなければならない」(努力義務)とされている。
  • 定期の予防接種による健康被害については、予防接種法による健康被害救済制度を実施しており、厚生労働大臣が認定した場合は市町村から給付が行われる。

 

▶110回午後10

予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 定期接種の実施主体は都道府県である。
  2. 学校などでの集団接種を原則としている。
  3. 流行性耳下腺炎は定期接種の対象である。
  4. 定期接種による健康被害には予防接種健康被害救済制度がある。

 

 


 

▶109回午後10

予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 予防接種法では定期接種と任意接種に分類される。
  2. 市町村長は予防接種基本計画を策定する義務がある。
  3. 予防接種による健康被害の救済措置は都道府県知事が行う。
  4. A類疾病に対しては疾病の発生とまん延の予防を目的に実施する。

 

 


 

▶105回午前36

予防接種法で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 予防接種を受けることは国民の義務である。
  2. 定期予防接種の実施責任者は都道府県知事である。
  3. 定期予防接種は一類疾病と二類疾病に類型化されている。
  4. 定期予防接種の副反応による健康被害の救済が規定されている。
  5. 予防接種の総合的な推進を図るための予防接種基本計画が定められている。

 

 


 

▶104回午前17

高齢者の肺炎球菌感染症の予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 施設に入所する高齢者への予防接種の実施は都道府県知事の責務である。
  2. 平成28年(2016年)4月から定期の予防接種が開始された。
  3. 予防接種法による健康被害の救済措置の対象となる。
  4. 予防接種法においてA類疾病に指定されている。

 

 

  

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

国民衛生の動向」は、毎年わが国の衛生の状況や保健行政の動向を解説したものとして、昭和24年の創刊以来、公衆衛生テキストの決定版として長年ご愛用いただいています。とくに、本誌では最新の衛生を取り巻く制度の解説や人口・健康状況などの統計が網羅されており、医療関係者の国家試験対策のテキストとしても広く活用されているところです。

 

当ページでは、保健師国家試験の受験者向けに、最新の「国民衛生の動向2024/2025」がカバーする保健師試験の過去問をピックアップし、本誌の該当箇所を示します。問題を解きながら不明な部分を本誌で確認し、学習効率の向上にご活用下さい。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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保健師国家試験について

最新の試験日程や手続き等の情報は、保健師国家試験の施行(厚生労働省)をご確認下さい。

 

保健師国家試験は昭和27年(1952年)から開始し、最新では令和6年(2024年)2月に110回目の試験が実施されました。過去10年間の受験者数、合格者数、合格率は以下のとおりです。

 

 

 受験者数   合格者数   合格率 
 110回(2024年)   7,795人   7,456人   95.7% 
 109回(2023年)   8,085人   7,579人   93.7% 
 108回(2022年)   7,948人   7,094人   89.3% 
 107回(2021年)   7,834人   7,387人   94.3% 
 106回(2020年)   8,233人   7,537人   91.5% 
 105回(2019年)   8,376人   6,852人   81.8% 
 104回(2018年)   8,191人   6,666人   81.4% 
 103回(2017年)   8,207人   7,450人   90.8% 
 102回(2016年)   8,799人   7,901人   89.8% 
 101回(2015年)   16,622人   16,517人   99.4% 

※102回(2016年)の大幅な減少は受験資格の変更による。

 

直近5回をみると、受験者数、合格者数は横ばい傾向で、合格率は年により変動があるものの8割から9割前後で推移しています。合格基準は、一般問題(1問1点の75問)と状況設定問題(1問2点の35問)を合わせた145点のうち87点(60%)以上とされます(不適切な問題として除外等されない場合)。

 

問題数は110問で、合わせて資格が必要となる看護師の国家試験(全240問)と比べて少なく設定されていますが、複合的な知識や思考を駆使して正答にたどり着くような問題が多く、また、細かい統計の数値や制度のあゆみが問われることもあり、付け焼き刃的な学習では合格基準に届かない場合もあります。そのため、過去問をしっかり解いて全体の傾向を把握し、それに結びついた知識を参考書などで肉付けしていくことが重要となります。

 

保健師国家試験の出題基準は、平成9年の公表以来、保健師助産師看護師国家試験出題基準改定部会で検討を行い、改定を重ねてきており、令和5年実施の試験からは、「保健師助産師看護師国家試験出題基準 令和5年版」が適用されています。出題基準では、公衆衛生看護学として、概論、方法論、対象別公衆衛生看護活動論、学校保健・産業保健、健康危機管理、公衆衛生看護管理論の各領域が設けられているほか、疫学、保健統計、保健医療福祉行政論の各分野で幅広い出題範囲が設定されています。 

 

問題種類別 保健師試験過去問題

過去の保健師国家試験に出題された問題を、テーマ別に分けてポイントを解説しています。

本格的に試験対策を始める前の傾向を知る際、また、試験直前の確認などにお使い下さい。

 

  

試験年次別 保健師試験過去問題

保健師国家試験の年次別に問題と正答、「国民衛生の動向」が対応する章・ページ数を掲載します。

問題を解きながら「国民衛生の動向」を確認し、知識の定着に役立てて下さい。

 

 

保健師国家試験過去問題PDF

厚生労働省が公表している過去10年間の問題、正答のPDFの一覧です。

 

第110回

(2024年)

午前問題

午後問題

午前問題別冊 正答

第109回

(2023年)

午前問題

午後問題

  正答

第108回

(2022年)

午前問題 

午後問題

  正答 

第107回

(2021年)

午前問題

午後問題

午前問題別冊  正答

第106回

(2020年)

午前問題

午後問題

  正答

第105回

(2019年)

午前問題

午後問題

午前問題別冊 正答

第104回

(2018年)

午前問題

午後問題

  正答

第103回

(2017年)

午前問題

午後問題

  正答

第102回

(2016年)

午前問題

午後問題

  正答

第101回

(2015年)

午前問題

午後問題

  正答

 

 

医療職国家試験に出る国民衛生の動向

保健師として必要となる看護師資格を得るための看護師国家試験のほか、医師、薬剤師国家試験の統計問題など「国民衛生の動向」が対応する問題とポイントを掲載しています。
内容も重なる部分が多く、知識の定着や予想問題として活用することをおすすめします。

 

 

図説 国民衛生の動向

9784875118046

 

図説 国民衛生の動向』は、「国民衛生の動向」の図説ダイジェスト版です。「国民衛生の動向」の内容に沿って、1ページ1テーマで、フルカラーの図表とともに要点を絞って解説しています。

保健師国家試験の内容も広くカバーしていますので、記述量の多い「国民衛生の動向」の手軽な副読本としても活用できます。

 

医療職のための統計セミナー

厚生労働統計協会では、保健師等の医療職の皆様のキャリアアップのために、研究発表や論文作成に必要な統計知識を実践的に学んでいただくオンラインセミナーを、毎年数回開催しています。

詳細はこちらをご確認下さい。

令和6年2月9日実施の第110回保健師国家試験の全問題と正答を掲載します。

また、内容に応じて保健師国家試験受験者の必携テキスト「国民衛生の動向2024/2025」の参照章・ページを示します。問題を解きながら本誌を確認することで、より問題の理解を深めることできます。

 

分野別解説付き問題まとめ

を合わせて活用しながら、合格に近づく過去問対策を進めて頂ければ幸いです。

 

なお、最新の統計の記載、法律の改正、不適切問題などにより、一部問題を改変、削除しています。

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

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▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

第110回保健師国家試験目次

 

 

第110回保健師国家試験・午前(55問)

 

 

▶午前1

プライマリヘルスケアの説明で正しいのはどれか。

 

  1. 健康的な公共政策づくりを行う。
  2. 活動原則の1つに地域資源の有効活用がある。
  3. 提唱された当初は慢性疾患の増加が懸念される先進国が対象であった。
  4. 健康は生きる目的ではなく、毎日の生活のための資源という健康観が示されている。

 

 


 

▶午前2

予防活動の概念図を以下に示す。
110am2h
生活習慣病に対する取り組みのうちAにあたるのはどれか。

 

  1. ヘルシーメニューのレシピを県のホームページで紹介する。
  2. 市内の中学生の保護者に特定健康診査の案内を配布する。
  3. 市の広報誌にウォーキングスポットを掲載する。
  4. 糖尿病の治療を中断した者に受診を勧奨する。

 

 


 

▶午前3

保健所の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 平成30年(2018年)から令和4年(2022年)の5年間の推移で中核市の保健所は減少傾向にある。
  2. 地域保健に関する思想の普及が業務の1つである。
  3. 健康増進法に基づき設置されている。
  4. 介護認定審査会を開催する。

 

 


 

▶午前4

Aさん(56歳、男性)は、仕事の忙しさと職場の人間関係に悩み、夜間に熟睡できていない。気持ちが晴れない日が月に3、4回あり、その都度会社を休む。Aさんの妻はこれをきっかけに体調を崩すことが増え、家事を十分にできずにいる。娘は部屋に閉じこもりがちで中学校に行けなくなってしまった。
家族システム理論におけるAさん家族の状況はどれか。

 

  1. 恒常性
  2. 組織性
  3. 非累積性
  4. 循環的因果関係

 

 


 

▶午前5

健康段階別保健行動とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 健康増進行動治療のため医療機関を受診する。
  2. 病気回避行動睡眠不足の解消のため休養をとる。
  3. 病気対処行動早期発見のためがん検診を受診する。
  4. 予防的保健行動健康維持のため運動をする。

 

 


 

▶午前6

高齢化率が高いA市の保健師は、地域診断を行い、複数の健康課題を抽出した。
対応すべき健康課題で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 後期高齢者の増加に伴う認知症高齢者の増加
  2. 豪雪地帯に居住する高齢者の閉じこもりの増加
  3. 地域社会の希薄化によって社会との交流が減少した高齢者の増加
  4. 高齢者を高齢者が介護する世帯における介護負担による高齢者虐待の増加

 

 


 

▶午前7

介護保険法で規定される市町村介護保険事業計画の日常生活圏域で正しいのはどれか。

 

  1. おおむね小学校区である。
  2. 市町村が範囲を設定する。
  3. 高齢者の人口で圏域を定める。
  4. 介護保険法制定時に定められた。

 

 


 

▶午前8

A市では、精神障害者が可能な限り住み慣れた地域で本人の意向に沿った生活を送ることができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を推進している。
評価の指標で適切なのはどれか。

 

  1. 医療保護入院の件数
  2. 精神保健指定医の数
  3. 精神病床の平均在院日数
  4. 精神障害者保健福祉手帳の申請者数

 

 


 

▶午前9

向老期の女性の健康課題で正しいのはどれか。

 

  1. 子宮頸癌が増加する。
  2. 器質的変化に起因する更年期症状が起こる。
  3. 骨盤底筋群の収縮力の低下によって排尿障害が起こる。
  4. プロゲステロンの産生低下に起因して動脈硬化が起こる。

 

 


 

▶午前10

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症および後天性免疫不全症候群〈AIDS〉の発生予防およびまん延防止対策で適切なのはどれか。

 

  1. 保健所での接触者健康診断の実施
  2. エイズ治療拠点病院における診療の集約
  3. 他の性感染症と区別した検査体制の充実
  4. 学校教育におけるHIV感染予防の正しい知識の普及啓発

 

 


 

▶午前11

Aちゃんは、3歳児健康診査で発語が単語のみであり、名前を呼んでも振り向かず、視線も合わず、コミュニケーションが難しかった。Aちゃんの母親によると自宅では視聴覚の問題はないとのことであった。保健師は発達相談ができる遊びの場を紹介したが、母親は「マイペースな子なので、特に心配していません」と強い口調で利用を拒否した。
このときの保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Aちゃんは発達に問題があります」
  2. 「Aちゃんを専門医に診てもらいませんか」
  3. 「発達障害をもつ児の親の会に行ってみませんか」
  4. 「しばらくしたらAちゃんに会いにご自宅に伺ってもいいですか」

 

 


 

▶午前12

Aさん(8歳、男児)は保健室に来て「家で転んだ」と訴えた。養護教諭は前腕部に内出血を認めたため原因を尋ねると、説明が二転三転した。
このときの養護教諭の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 身体測定の記録を確認する。
  2. 保護者に内出血の原因を尋ねる。
  3. 保健室から校長に電話で報告する。
  4. 他の部位に外傷がないかを確認する。

 

 


 

▶午前13

3か月前に他部署から異動してきた新任管理者のA課長から「部下のBさんの様子が気になっています。先月のストレスチェックの結果はどうだったでしょうか」と保健師に連絡があった。
ラインによるケアを支援する保健師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 「Bさんに保健師と面談するように勧めてください」
  2. 「Bさんの職場での様子を詳しく聞かせてください」
  3. 「A課長の部署の集団分析結果を説明するので面談に来てください」
  4. 「Bさんに私が確認し了解があればストレスチェックの結果を説明します」

 

 


 

▶午前14

児童虐待の三次予防はどれか。

 

  1. 児童虐待予防月間に虐待防止のポスターを掲示する。
  2. 一時保護所を退所した児童に対して定期的に面談する。
  3. ソーシャルネットワーキングサービス〈SNS〉の相談窓口を開設する。
  4. 乳幼児健康診査で「子どもにイライラする」と話す母親をグループカウンセリングに紹介する。

 

 


 

▶午前15

乳幼児の親に対して自治体が行う防災対策で適切なのはどれか。

 

  1. 地域の防災リーダーになるための研修を開催する。
  2. 子どもを連れた避難行動のシミュレーション訓練を実施する。
  3. 乳幼児とその家族は災害時の要配慮者ではないことを周知する。
  4. 災害時には「緊急安全確保」が出されるまで自宅で待機することを勧める。

 

 


 

▶午前16

A市では子育て世代の転入が増加している。子育て世代を対象としたアンケートを実施したところ、子育てに関することを相談する相手がいないとの回答が最も多かった。そこで、この課題を解決するために、A市では新たな補助事業を創設した。
補助事業の対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 育児に関する情報誌の作成費
  2. 家事支援ボランティアの交通費
  3. 商店街の授乳スペースの整備費
  4. 子育ての自主グループ活動の会場費

 

 


 

▶午前17

A保健師は、入職した市の研修で「市の人員配置においては、妊娠・出産・育児・介護のライフサイクルを考慮しワーク・ライフ・バランスが図られるよう配慮しています」と説明を受けた。
この説明は公衆衛生看護管理のどれか。

 

  1. 情報管理
  2. 人事管理
  3. 健康危機管理
  4. 組織運営管理

 

 


 

▶午前18

喫煙習慣の有無と性別の関連を調べる検定方法で適切なのはどれか。

 

  1. t検定
  2. 相関係数の検定
  3. 一元配置分散分析
  4. χ2〈カイ2乗〉検定

 

 


 

▶午前19

合計特殊出生率の算出方法で正しいのはどれか。

 

  1. 出生数を人口で除し、1,000を乗ずる。
  2. ある年齢の母の出生数を同年齢の女性人口で除し、1,000を乗ずる。
  3. 母の年齢別出生数を同年齢の女性人口で除し、15歳から49歳まで合計する。
  4. 母の年齢別女児出生数を同年齢の女性人口で除し、15歳から49歳まで合計する。

 

 


 

▶午前20

日本の医療制度の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 指定された医療機関を受診する。
  2. 診療報酬は加入する保険によって決まる。
  3. 生活保護の受給者は75歳になると後期高齢者医療制度へ移行する。
  4. 保険医療機関は患者の自己負担額を除いた診療報酬を審査支払機関に請求する。

 

 


 

▶午前21

日本の自殺対策で正しいのはどれか。

 

  1. 高齢者の自殺対策を重点施策に位置付けている。
  2. 市町村に自殺対策計画の立案を義務付けている。
  3. 事業主にメンタルヘルス対策推進を義務付けている。
  4. 令和8年までに自殺死亡率を平成27年と比べて10%減少することを目標としている。

 

 


 

▶午前22

保健師が家庭訪問を行う対象で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 特定保健指導の未受診者
  2. 特定健康診査で血圧200/100mmHgの未治療者
  3. 自助グループの情報を求めている潰瘍性大腸炎患者
  4. 正常な経過の児の体重測定を希望している産後3週の褥婦
  5. 民生委員が見守りをしている高齢者で最近物忘れが増えている者

 

 


 

▶午前23

特定健康診査の基本的な項目はどれか。

 

  1. 眼底検査
  2. 貧血検査
  3. 肝機能検査
  4. 心電図検査
  5. 血清クレアチニン検査

 

 


 

▶午前24改題

令和3年(2021年)の人口動態統計で、子どもの不慮の事故による年齢別死因の割合についてのグラフを以下に示す。
110am24h
窒息はどれか。

 

 

 


 

▶午前25

Aさん(80歳、女性)は要介護1、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱaで介護保険サービスを利用しながら1人で暮らしている。遠方に住む娘が地域包括支援センターに来所し、「家の中に最近購入したと思われる高価な商品が複数置かれ、公共料金は滞納していることが分かった。慣れ親しんだ自宅で最期まで生活してほしいが、お金の管理も心配。どうしたらよいか」と話す。
地域包括支援センターの保健師がAさんの娘に提案する内容で適切なのはどれか。

 

  1. Aさんとの同居
  2. Aさんの施設入所
  3. 成年後見制度の利用
  4. 民生委員への見守りの依頼
  5. 介護支援専門員への金銭管理の依頼

 

 


 

▶午前26

養護教諭の職務で正しいのはどれか。

 

  1. 保健室の経営
  2. 臨時休業の決定
  3. 学校保健計画の立案
  4. 定期環境衛生検査の実施
  5. 保健教育の年間計画の立案

 

 


 

▶午前27改題

令和3年度(2021年度)の業務上疾病発生状況等調査における疾病分類別業務上疾病発生者数をグラフに示す。
110am27h
Aに該当するのはどれか。
なお、「新型コロナウイルスり患によるもの」を含む「病原体による疾病」はグラフから除いている。

 

  1. 化学物質による疾病
  2. 負傷に起因する疾病
  3. 物理的因子による疾病
  4. 作業態様に起因する疾病
  5. じん肺及びじん肺合併症

 

 


 

▶午前28

災害対策基本法に規定されているのはどれか。

 

  1. 救護所における医療
  2. 自主防災組織の育成
  3. 被災世帯の住宅再建支援
  4. 被災者への生活再建支援金給付
  5. 被災世帯への災害援護資金の貸し付け

 

 


 

▶午前29

観察開始時点での観察集団の人数に占める、一定の観察期間内に新たに発生した患者数の割合はどれか。

 

  1. 罹患率
  2. 罹患率比
  3. 累積罹患率
  4. 寄与危険割合
  5. 人口(集団)寄与危険

 

 


 

▶午前30

先進諸国(アメリカ合衆国、イギリス、スウェーデン、フランス、日本)における妊産婦死亡率の推移のグラフを別に示す。
110am30h
日本はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前31

健康の社会的決定要因のうち構造的決定要因はどれか。

 

  1. 教育
  2. 居住・職場環境
  3. 食品の入手可能性
  4. 心理・社会的要因
  5. 行動と生物学的要因

 

 


 

▶午前32

厚生労働省が「『地域共生社会』の実現に向けて」(平成29年)で示した強化すべき改革の骨格はどれか。2つ選べ。

 

  1. 地域移行支援
  2. 地域課題の解決力
  3. 地域における防犯活動
  4. 地域丸ごとのつながり
  5. 地域における医療と介護の一体的実施

 

 


 

▶午前33

ウイルス性肝炎について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. C型肝炎は四類感染症である。
  2. B型肝炎は定期予防接種の対象である。
  3. 健康増進法に基づく肝炎ウイルス検診は都道府県が実施主体である。
  4. C型慢性肝炎のインターフェロンフリー治療は公費助成の対象である。
  5. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づき肝炎対策の推進に関する基本的な指針が策定されている。

 

 


 

▶午前34

介護保険について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 被保険者は40歳以上の者である。
  2. 財源は保険料と公費が50%ずつである。
  3. 特定疾病には交通事故による外傷が含まれる。
  4. 要介護者のケアプランは地域包括支援センターが作成する。
  5. 要介護認定で非該当になったものは予防給付の対象となる。

 

 


 

▶午前35

介護老人保健施設で、ノロウイルスによる感染性胃腸炎症状が複数の入所者と職員に発生している。
施設が行うべき感染拡大防止のための対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 発症者と未発症者で居室を分ける。
  2. 嘔吐物の処理は十分に乾燥させてから行う。
  3. 感染者が使用したリネン類は60℃で1分間の熱水洗濯を行う。
  4. 発症した食品調理従事者の業務への復帰は胃腸炎症状が消失した日からとする。
  5. 感染者が使用した非金属製の食器の消毒は次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用する。

 

 


 

▶午前36

自治体の保健師が行う業務管理はどれか。2つ選べ。

 

  1. 地域活動計画と他部門の計画との整合性を判断する。
  2. 専門性を向上させるための研修を実施する。
  3. 活動の評価を翌年度の計画に反映させる。
  4. 地域のニーズを踏まえた地域診断を行う。
  5. 相談や訪問などの記録を管理する。

 

 


 

▶午前37

標準偏差の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 分散をもとに計算する。
  2. 変動係数の計算に用いる。
  3. 測定値の中で出現頻度が最大の値である。
  4. 測定値の合計をデータ数で除した値である。
  5. 標準偏差が大きいほどばらつきが小さいことを意味する。

 

 


 

▶午前38

平成26年(2014年)に成立した地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律〈医療介護総合確保推進法〉で示された地域医療構想について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 構想区域は現行の三次医療圏を原則としている。
  2. 地域包括ケアシステムの進捗と密接に関係する。
  3. 都道府県は地域医療構想の調整会議を設けて必要な協議を行う。
  4. 令和2年度(2020年度)末までに約9割の都道府県で策定を終えた。
  5. 令和22年(2040年)の医療需要と医療従事者の必要量を推計して定める。

 

 


 

▶午前39

生活保護について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 介護扶助は現物給付である。
  2. 所得保障の分類で社会手当に該当する。
  3. 保護開始の理由は「傷病による」が最も多い。
  4. 基本原理として補足性の原理が定められている。
  5. 社会保険制度として保険料によって運営される。

 

 


 

▶午前40

12人の体重(kg)のデータを値の大きさ順に表に示す。
第3四分位数の値を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第2位を四捨五入すること。

110am40h

 

解答:①②.③kg

 

 


 

次の文を読み41~43の問いに答えよ。

A市には高度経済成長期に建設された100戸ほどの集合住宅がある。急な坂の上にあり、近年、高齢化が進んでいる。先日、集合住宅の1人暮らし高齢者が自宅で亡くなっている状態で発見された。集合住宅を含むこの地域の自治会長が会議で保健センターに来所した際に「亡くなった高齢者はほとんど人付き合いがなく、自宅で閉じこもっていたようです。二度とこのようなことが起こらないように、自治会でも何かできないでしょうか」と相談した。

 

▶午前41

保健センターの保健師の支援で最も適切なのはどれか。

 

  1. 地域包括支援センターに相談するよう促す。
  2. 自治会役員による1人暮らし高齢者宅への訪問を勧める。
  3. 住民を対象とした閉じこもり予防教室の開催を企画する。
  4. 自治会主催の地域住民を対象とした意見交換会の開催を提案する。

 

 


 

▶午前42

保健センターの保健師は、改めてこの集合住宅を含む地域についてアセスメントを行うことにした。
対象とするデータで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 地域密着型サービスの事業所数
  2. 在宅療養支援診療所数
  3. 世帯構造別世帯数
  4. 生活保護世帯数

 

 


 

▶午前43

自治会長から「自治会が中心となって開催している既存の体操教室を、閉じこもりを予防するための定期的な集いの場にも活用したいと考えています。円滑に進めるために気を付けることはありますか」と保健師に相談があった。
保健師が最初に助言する内容はどれか。

 

  1. 「運営に携わる人で集いの場の目的を共有しましょう」
  2. 「集いの場で必要となる経費を算出しておきましょう」
  3. 「集いの場の年間計画を立てておきましょう」
  4. 「開催案内のチラシを作成しましょう」

 

 


 

次の文を読み44~46の問いに答えよ。

A社は、従業員800人のIT企業である。システムエンジニアを中心としたBグループに在籍する30名の社員は全員が情報機器作業に従事している。平均年齢は42歳で、ここ数か月の1か月当たりの時間外労働時間が30時間を超える者はいない。保健師が定期健康診断後に社員全員の面談を実施したところ、Bグループにおいて肩こり、腰痛、眼の疲れを訴える者が多いことが分かった。

 

▶午前44

情報機器作業の健康障害対策を検討するにあたり確認すべき情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 受動喫煙対策
  2. 一連続作業時間
  3. 職場の人間関係
  4. 職場環境測定の結果
  5. 生活習慣病の有病率

 

 


 

▶午前45

保健師は、Bグループの職場巡視をすることにした。
情報機器作業職場の職場巡視の確認項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 作業姿勢
  2. 疲労の訴え
  3. 職場の雰囲気
  4. 通路上の配線

 

 


 

▶午前46

職場巡視の結果、情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインが遵守されていないことが分かった。
保健師が最初に行う対応はどれか。

 

  1. 衛生委員会に職場巡視の結果を報告する。
  2. 情報機器作業者向けの健康相談を実施する。
  3. 管理職向けの情報機器作業に関する労働衛生教育を実施する。
  4. Bグループのリーダーにガイドラインを遵守するよう指導する。

 

 


 

次の文を読み47~49の問いに答えよ。

人口200万人のA県において、ある感染症の抗体保有率を把握するために標本調査を行うことにした。

 

▶午前47

この研究デザインはどれか。

 

  1. 横断研究
  2. 介入研究
  3. コホート研究
  4. 症例対照研究
  5. 生態学的研究

 

 


 

▶午前48

性別と年齢の分布が母集団のA県と等しくなるように、2,500人を標本抽出した。
この標本抽出方法はどれか。

 

  1. 系統抽出法
  2. 集落抽出法
  3. 層化抽出法
  4. 多段抽出法
  5. 単純無作為抽出法

 

 


 

▶午前49

抽出した2,500人のうち2,000人が調査に参加し、参加者の性別と年齢の分布に偏りはなかった。抗体保有者は1,800人であった。
調査で判明した抗体保有率はどれか。

 

  1. 0.09%
  2. 0.9%
  3. 72%
  4. 80%
  5. 90%

 

 


 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。

Aさん(16歳、高校生)が最近太ってきたように感じた母親が、Aさんに確認したところ、しばらく月経がないことが分かった。母親が付き添って産婦人科を受診し妊娠24週であることが判明した。胎児の父親であるアルバイト先の先輩に妊娠を伝えたところ、音信不通となった。Aさんは両親と話し合った結果、出産して自分で育てることを決意し、町役場に母親と母子健康手帳の交付手続きで来所した。町役場の母子保健担当保健師がAさんと母親に面接し、Aさんは現在高校1年生であり、会社員の父と専業主婦の母と3人で暮らしていることが分かった。

 

▶午前50

面接時にAさんの体調を確認したうえで、保健師が行う支援で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 母親学級の紹介
  2. 育児支援体制の確認
  3. 育児手技取得の指導
  4. 学業継続の意思確認

 

 


 

▶午前51

Aさんは高校を休学してBちゃん(男児)を出産した。出産後は両親の支援を受けながら育児をしていたが、出産後10か月で高校に復学した。復学して半年が過ぎたころ、Aさんの母親から町役場に「育児が大変です」と電話があった。保健師はAさんとAさんの母親に育児状況を確認するため、家庭訪問を行った。家庭訪問で、Aさんは「今はBの世話は主に母がしてくれています。最近、部活を再開し土日も練習があります」と話した。Aさんの母親は「Bも大きくなってきたので、私の負担が大きいです」と話した。
家庭訪問時に保健師が勧める内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 子育て支援センターの利用
  2. Bちゃんの保育所への入所
  3. 部活動への参加日数を減らすこと
  4. 祖父母を対象にした育児講座への参加

 

 


 

次の文を読み52、53の問いに答えよ。

人口5万人のA市には高齢者が多い地域があり、災害が発生した場合に自ら避難することが困難な住民が多数発生することが懸念されている。A市では以前に避難行動要支援者の名簿を作成し、個別避難計画の作成も進んでいるが、その後に市内で転居した住民も多く、新たに障害や難病の認定を受けた住民も少なくない。このため、改めて住民の実態を確認して災害に備えることにした。

 

▶午前52

A市における避難行動要支援者名簿の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 個別の避難計画が作成されている住民は名簿から除外する。
  2. 名簿に市が記載すべき事項について法律による規定はない。
  3. 災害の発災前に名簿の情報を利用できるのはA市職員に限られる。
  4. ハザードマップにおける危険地域から安全な地域へ転居している住民は名簿から除外する。
  5. 避難行動要支援者の把握のため県の保健所に対し難病患者情報の提供を求めることができる。

 

 


 

▶午前53

平日の昼の時間帯にA市を震源とする地震が発生し、家屋に被害を受けた住民は地域のB避難所、C避難所、D避難所へ避難した。3つの避難所は地域の学校の体育館を使用しており、広さは同程度で、避難者に年齢の偏りはないが、B避難所には収容人数の上限に近い避難者がいる。C避難所とD避難所の避難者数はいずれもB避難所の半数程度であるが、C避難所では当初、トイレの約7割が故障して仮設トイレの増設まで2日を要した。
発災5日目、避難所によっては、発熱、咳、下痢、嘔吐等の症状を訴える人が増加した。避難後に出現した症状ごとの有症者数の累計の表を以下に示す。
110am53h
B避難所、C避難所、D避難所と①~③の組合せで正しいのはどれか。

 

   ① ② ③

  1. B D C
  2. C B D
  3. C D B
  4. D B C
  5. D C B

 

 


 

次の文を読み54、55の問いに答えよ。

Aさん(85歳、男性)は息子(50歳)と2人暮らしで、介護保険サービスを利用していない。民生委員から市役所の保健師に「Aさんが最近痩せてきて、着替えもできていない様子。ここ数日見かけない。息子はたまにアルバイトをしているがほとんどAさんの年金で生活をしている」と相談があった。

 

▶午前54

保健師が民生委員と一緒に自宅を訪問すると、Aさんはごみが散乱している居間に寝ていた。息子は「父親の夕食は自分が弁当を買ってきている。朝食や昼食は夕食の弁当の残りを食べている」と言う。Aさんは失禁がみられ、数週間入浴もしていないようであった。
この事例への対応の緊急度を判断するための情報で最も重要なのはどれか。

 

  1. Aさんの年金額
  2. 別居家族の有無
  3. 息子の健康状態
  4. Aさんの栄養状態

 

 


 

▶午前55

保健師が息子と話をすると「1年前にかかりつけの医師から父は認知症だと説明された」「父はわざと自分を困らせようと失禁している」と言う。保健師は息子の大変さをねぎらい、息子へAさんの介護保険サービスを早急に利用するように伝えるが、息子は「お金がもったいない。このまま寝かせておく」と拒否した。
保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 息子と継続した面接を行う。
  2. 民生委員の見守りを継続する。
  3. 生活保護の申請手続きを支援する。
  4. Aさんの福祉の措置について検討する。
  5. 認知症の症状と対応方法について指導する。

 

 

 

第110回保健師国家試験・午後(55問)

 

 

▶午後1改題

子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づく子供の貧困対策に関する大綱(令和元年)に示されているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. いじめへの対応
  2. 児童手当の支給
  3. 保護者に対する就労支援
  4. 放課後等デイサービスの設置

 

 


 

▶午後2

学校保健安全法で規定されている児童生徒等に実施する定期健康診断で正しいのはどれか。

 

  1. 実施責任者は養護教諭である。
  2. 毎学年5月31日までに実施する。
  3. 検査項目の1つに栄養状態がある。
  4. 15日以内に本人および保護者への結果の通知義務がある。

 

 


 

▶午後3

出入国在留管理庁による国籍・地域別在留外国人数の年次推移を以下に示す。
110pm3h
Dの国はどれか。

 

  1. 韓国
  2. 中国
  3. ベトナム
  4. フィリピン

 

 


 

▶午後4

生活習慣病をもつ住民が自身の生活を見直すために役立つ情報を集め活用するのに必要なのはどれか。

 

  1. リーダーシップ
  2. コンプライアンス
  3. ヘルスリテラシー
  4. アカウンタビリティ

 

 


 

▶午後5

市では健康増進や介護予防を推進する住民活動を活性化させるために、各地区の健康づくりリーダーを養成することにした。
対象者を選定する方法で最も適切なのはどれか。

 

  1. 市民への募集
  2. 自治会員の輪番制
  3. 社会福祉協議会の推薦
  4. 地区担当保健師の推薦

 

 


 

▶午後6

人口100人のA地区は高齢化と過疎化が進行している中山間地域である。老人クラブの活動は積極的に行われているが、健康課題としてフレイルがある。民生委員、自治会役員、老人クラブは協力し合って、この課題に取り組む組織をつくることにした。
この組織の種類はどれか。

 

  1. 特定非営利活動法人〈NPO〉型
  2. セルフヘルプグループ型
  3. 委員会型
  4. 地縁型

 

 


 

▶午後7

4か月児健康診査の問診で正しいのはどれか。

 

  1. 「1人で座れますか」
  2. 「人見知りをしますか」
  3. 「あやすとよく笑いますか」
  4. 「音楽を聞かせると手足を動かして喜びますか」

 

 


 

▶午後8

Aさん(70歳、男性)は定年退職後、年金の給付を受けて、妻と2人で暮らしている。2年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢとなり、Aさんの妻が医療費助成の申請のため保健所に来所した。その際に家庭訪問の日時を約束し、保健師が訪問したところ、Aさんは「入浴や通院のときに不安を感じることがあるが、何とか自分のことは1人でできている」と話した。
初回訪問時の情報収集で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 住環境
  2. 家族関係
  3. 経済状況
  4. 病院への通院方法

 

 


 

▶午後10

予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. 定期接種の実施主体は都道府県である。
  2. 学校などでの集団接種を原則としている。
  3. 流行性耳下腺炎は定期接種の対象である。
  4. 定期接種による健康被害には予防接種健康被害救済制度がある。

 

 


 

▶午後11

セクシュアリティに配慮が必要な児童生徒に対して学校が行う支援内容で適切なのはどれか。

 

  1. 制服は生物学的な性に合わせる。
  2. 通知表は児童生徒が希望する呼称で記す。
  3. 当該児童生徒への配慮を同級生に周知する。
  4. 医療機関の助言を受けてからサポートチームを設置する。

 

 


 

▶午後12

常時使用する労働者が35名の事業場(製造業)に選任が義務付けられているのはどれか。

 

  1. 産業医
  2. 保健師
  3. 衛生管理者
  4. 安全衛生推進者

 

 


 

▶午後13

健康危機管理について正しいのはどれか。

 

  1. 対象分野に児童虐待が含まれる。
  2. 定義は地域保健法に規定されている。
  3. 市町村の地域防災計画の策定は努力義務である。
  4. 対応は有事対応と事後対応の2つに大別される。

 

 


 

▶午後14

公衆衛生看護管理における地区管理はどれか。

 

  1. 継続支援を必要とする人のモニタリングをする。
  2. 新規事業の予算確保のために企画書を作成する。
  3. 潜在的な健康課題も含めた地域の健康課題を把握する。
  4. 地域の健康課題について他の自治体の先進事例を調べる。

 

 


 

▶午後15

平成15年(2003年)の「地域保健従事者の資質の向上に関する検討会報告書」における地域保健従事者に求められる能力のうち「行政職員としての能力」はどれか。

 

  1. 交渉・折衝能力
  2. 健康危機管理能力
  3. 保健事業運営能力
  4. 個人・家族に対する支援能力

 

 


 

▶午後16

解析時に可能な交絡要因の制御方法はどれか。

 

  1. 限定
  2. 層化
  3. マッチング
  4. 無作為割付

 

 


 

▶午後17

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage:UHC)の説明で正しいのはどれか。

 

  1. すべての人が適切な保健医療サービスに支払い可能な費用でアクセスできる状態
  2. 労働条件の国際基準となる条約や勧告を採択し、批准国への監視を行う機関
  3. すべての子どもが命と権利を守り安全な生活を送れるよう支援する基金
  4. 世界の人々の福祉の実現や、人権の国際的な保障を目的としている機関

 

 


 

▶午後18

医療法に基づき医療機関へ立入検査を行うのはどれか。

 

  1. 特定機能病院の医療安全管理者
  2. 医療安全支援センターの職員
  3. 保健所の環境衛生監視員
  4. 都道府県の医療監視員

 

 


 

▶午後19

第3期がん対策推進基本計画の目標項目で正しいのはどれか。

 

  1. がん有病率
  2. がん検診受診率
  3. 緩和ケア病棟数
  4. がん患者の支援団体数

 

 


 

▶午後20

同じ健康課題をもつ住民が主体となったグループの発展段階を準備期、開始期、作業期、終結期に分類した場合、作業期の特徴はどれか。

 

  1. 成果を出そうとする。
  2. メンバーに警戒がみられる。
  3. グループの構造化がみられる。
  4. メンバーは自分たちの居場所を見出そうとする。

 

 


 

▶午後21

生活習慣病予防を目的にした活動で、ナッジ理論を活用しているのはどれか。

 

  1. 階段に消費カロリーを表示する。
  2. 生活習慣病のメカニズムについて説明する。
  3. 仲間づくりを意図したグループワークを行う。
  4. 自分の目標を周囲の人に宣言するように勧める。

 

 


 

▶午後22改題

令和3年(2021年)の学校保健統計調査における学校種別の主な疾病・異常被患率を以下に示す。
110pm22h1
110pm22h2
110pm22h3
110pm22h4
裸眼視力1.0未満の者を示したグラフはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後23

因果関係を推論する上で相対危険やオッズ比の大きさが指標となるのはどれか。

 

  1. 関連の一致性
  2. 関連の強固性
  3. 関連の時間性
  4. 関連の整合性
  5. 関連の特異性

 

 


 

▶午後24

全国がん登録制度について正しいのはどれか。

 

  1. 罹患率を計測する。
  2. 健康増進法に基づいている。
  3. 診断後7日以内に届け出る。
  4. がん罹患者の同意が必要である。
  5. 指定届出機関による定点把握である。

 

 


 

▶午後25改題

令和4年(2022年)の人口動態統計における10~14歳の死因順位の第1位はどれか。

 

  1. 自殺
  2. 肺炎
  3. 心疾患
  4. 悪性新生物
  5. 先天奇形、変形及び染色体異常

 

 


 

▶午後26

厚生労働省に地域保健・健康増進事業報告を行うのはどれか。

 

  1. 介護保険施設
  2. 企業および事業所
  3. がん診療連携拠点病院
  4. 保健所および市区町村
  5. 病院、療養病床を有する診療所

 

 


 

▶午後27

A市における乳がん検診受診者数が今年8月で昨年度1年間の受診者数を超え、予定していた年間支出額を上回ることが見込まれるため、次年度の支出見込額を増額することになった。
今年度の増額分に対応するために編成されるのはどれか。

 

  1. 一般会計
  2. 暫定予算
  3. 当初予算
  4. 特別会計
  5. 補正予算

 

 


 

▶午後28

A市では職員の仕事と子育ての両立を図るための市町村行動計画を策定した。
この取り組みの根拠となる法律はどれか。

 

  1. 健康増進法
  2. 児童福祉法
  3. 母子保健法
  4. 子ども・子育て支援法
  5. 次世代育成支援対策推進法

 

 


 

▶午後29

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉で規定されているのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 検疫所の設置
  2. 飼い犬の狂犬病予防注射
  3. 病原体に汚染された場所の消毒
  4. 結核患者の通院医療費の公費負担
  5. 食中毒発生時の飲食店の営業停止

 

 


 

▶午後30

歯科保健施策について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 歯科疾患実態調査は3年ごとに実施されている。
  2. 健康増進法によって歯周疾患検診が義務化された。
  3. ライフステージごとの歯科口腔保健事業の推進が図られている。
  4. 平成23年(2011年)に歯科口腔保健の推進に関する法律が施行された。
  5. 第1次国民健康づくり対策の課題の1つとして歯の健康が取り上げられた。

 

 


 

▶午後31

地域支援事業のうち包括的支援事業はどれか。2つ選べ。

 

  1. 総合相談支援
  2. 通所型サービス
  3. 家族介護支援事業
  4. 介護予防ケアマネジメント
  5. 地域リハビリテーション活動支援事業

 

 


 

▶午後32

産業保健総合支援センターの業務で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 産業医の選任を行う。
  2. 特殊健康診断を実施する。
  3. 衛生管理者を対象に研修を実施する。
  4. 労災補償の支給決定のための調査を行う。
  5. 事業場のメンタルヘルス対策の普及促進を行う。

 

 


 

▶午後33

自然災害に備えた地方自治体における事業継続計画〈Business Continuity Plan:BCP〉で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 地域防災計画で代用できる。
  2. 継続の優先度が高い事業を特定する。
  3. 策定に際しては自治体の全部署が参画する。
  4. 災害発生後の急性期から復興期までの計画を立てる。
  5. 策定の過程でパブリックコメントを求める必要がある。

 

 


 

▶午後34

リスクコミュニケーションについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 地域保健法に規定されている。
  2. リスクについて双方向的な意見交換を行う。
  3. リスクに伴う住民の情緒的な不安の軽減は目的に含まれない。
  4. 住民自身がリスクへの対応について主体的な選択をできるよう支援する。
  5. 感染症発生時には患者ごとに年齢、住所、診断医療機関名等の詳細な情報を公表する。

 

 


 

▶午後35

国勢調査について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 3年ごとに実施する。
  2. 人口静態を把握する。
  3. 厚生労働省が実施する。
  4. 調査区を無作為抽出する。
  5. 世帯員と世帯について調査を実施する。

 

 


 

次の文を読み36~38の問いに答えよ。

Aさん(48歳、女性)の特定健康診査の結果は、身長160.5cm、体重76.8kg、BMI30、腹囲93cm、血圧135/85mmHg、空腹時血糖95mg/dL、HDLコレステロール38mg/dL、中性脂肪200mg/dLであり、喫煙歴はない。保健師は特定健康診査の結果に基づき「生活習慣について一緒に見直しましょう」と電話連絡をした。当初、Aさんは「今のところ生活習慣を変えるつもりはない」と言っていたが、保健師の働きかけで初回面接を受けることになった。

 

▶午後36

保健師は変化ステージ理論を用いて初回面接を実施した。
Aさんから得る情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 食事の好み
  2. 1日の運動量
  3. 過去10年間の体重
  4. 現在の自分の健康状態に対する認識

 

 


 

▶午後37

3か月後のAさんとの評価面接において、体重74kg、腹囲90cmに減少していた。Aさんは「初回面接から間食はしないようにしているし、ご飯は小さなお茶碗に変えて1杯だけに減らしている。しかし、7,000歩を毎日歩くことはできず体重は目標達成に至っていない」と話した。
変化ステージ理論における現在のAさんのステージはどれか。

 

  1. 関心期
  2. 準備期
  3. 実行期
  4. 維持期

 

 


 

▶午後38

面接後、Aさんは「これからも続けられるか不安だ」と話した。そこでAさんのこれまでの努力を承認し、継続の重要性を伝え「継続できたら1か月ごとに自分にご褒美をあげるのはどうですか」と提案した。
このときのAさんに対する保健師の働きかけはどれか。

 

  1. 意識の高揚
  2. 環境の再評価
  3. 強化マネジメント
  4. 刺激コントロール

 

 


 

次の文を読み39~41の問いに答えよ。

人口5万人のA市は中心地にマンションが増え、山間部は古い日本家屋が立ち並んでいる。高齢者人口割合は33%で、今後も増加すると見込まれている。要介護状態となる者の割合が年々増加しており、他市に比べても高いことから、保健師は、A市の高齢者の実態を明らかにした上で、新たな介護予防事業を検討することにした。

 

▶午後39

新たな介護予防事業を検討するために収集する情報で最も適切なのはどれか。

 

  1. 特定健康診査の結果
  2. 介護サービス施設・事業所調査の結果
  3. 要介護認定者の介護サービスの利用状況
  4. 基本チェックリストによる生活機能評価の結果

 

 


 

▶午後40

介護が必要となった原因を全国および県と比較したところ「骨折」の割合が高いことが分かった。そこで、特定健康診査受診時の問診で「この1年間に転んだことがある」と回答した65歳以上の高齢者に聞き取り調査を行うことにした。
聞き取り調査の内容で最も適切なのはどれか。

 

  1. 転倒した場所
  2. 食事の摂取内容
  3. 同居家族の有無
  4. 骨粗しょう症検診の受診の有無

 

 


 

▶午後41

聞き取り調査の結果を踏まえ、介護予防事業の実施に向けて地域ケア会議を開催することにした。
地域の実態の共有を行う会議の参加者で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 民生委員
  2. A市医師会の会長
  3. A市の管理栄養士
  4. 病院の理学療法士

 

 


 

次の文を読み42~44の問いに答えよ。

Aさん(56歳、女性、無職)は1年前に職を失ってから飲酒量が増え、半年前には多量飲酒で意識消失し大学病院に救急搬送され、アルコール依存症が疑われたが、治療にはつながらなかった。警察署から、B町の保健師に「B町に住むAさんが泥酔して公園で寝ていたところを保護している。保護したのはこの半年で3回目だ。Aさんは1人暮らしだが、B町に姉のCさんがいるので、Cさんに迎えに来てもらっていた。今回はCさんに連絡がとれないので、保健師の支援をお願いできないか。保健師に連絡することは本人が同意している」と連絡があった。保健師は、住民基本台帳でAさんとCさんがB町に居住していることを確認した。

 

▶午後42

保健師は上司に報告および相談し、警察署にAさんを迎えに行き、Aさんの自宅で面接することになった。
この面接の際に把握する情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 今回の飲酒の理由
  2. 自宅の整理整頓の状況
  3. AさんとCさんの関係性
  4. かかりつけの医師の有無

 

 


 

▶午後43

保健師が翌日に再度訪問すると、Aさんは「お酒をやめられず、どうしていいかわからない」と話したため、Aさんはアルコール依存症の治療プログラムを受ける目的で入院した。退院が近づき、Aさん、Cさん、医師、受持ち看護師、保健師でカンファレンスを行った。Aさんは「1人暮らしで、誰とも話さずに家でじっとしているとお酒を飲んでしまいそう」と話した。
この状況でAさんに勧められる可能性が高いのはどれか。

 

  1. 運動教室への参加
  2. 自助グループへの参加
  3. 就労に向けたハローワークの利用
  4. 地域のボランティア活動への参加

 

 


 

▶午後44

退院後2週、保健師はAさんの受診継続や断酒状況を確認するため、Aさんの自宅を訪問した。その際、Cさんからも話を聞くため、同席を依頼した。Cさんは「妹は通院していますが飲酒は続いています。お金に困っているのにお酒を飲むのをやめられず、妹もつらいようで、私がアルコール度数の低いお酒を買って届けています」と話した。
保健師のCさんへの助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「Aさんの趣味を探しましょう」
  2. 「同居してAさんが飲酒しないよう見守りましょう」
  3. 「Aさんにお金がないという現実に向き合ってもらいましょう」
  4. 「Aさんの飲酒に関する困りごとを代わりに解決しないようにしましょう」

 

 


 

次の文を読み45~47の問いに答えよ。

Aさん(15歳、男子、中学3年生)はこれまで保健室に来室することがなかったが、今週に入り「お腹が痛い」「頭が痛い」と訴えて2回来室した。来室すると養護教諭が促すまで教室に戻ることがない。

 

▶午後45

Aさんが来室したときの養護教諭の対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 早退を勧める。
  2. 医療機関への受診を勧める。
  3. 身体的な症状の問診をする。
  4. 保健室は長時間利用できないことを説明する。

 

 


 

▶午後46

Aさんは毎日保健室へ来室するようになった。気になった養護教諭が「何かあったのか」と尋ねると、いじめに遭っていると話し始めた。Aさんは同級生にスマートフォンで撮られた自分の画像を、無断でクラス中に共有されたことがきっかけで教室に入るのが怖くなったと話した。
Aさんのつらい気持ちを受け止めたあと、次に養護教諭が行う対応で適切なのはどれか。

 

  1. 誰が画像の共有を始めたのかを尋ねる。
  2. いじめが解決するまで学校を休むよう勧める。
  3. 共有された画像の確認をAさんと一緒に行う。
  4. Aさんが話してくれたことを担任教諭に伝えてよいかを確認する。

 

 


 

▶午後47

Aさんの事例を受けて、改めて中学校全体でいじめ防止対策を実施することになった。

 

  1. この時点で学校が行ういじめ防止対策はどれか。
  2. 所轄警察署との連携
  3. いじめ相談窓口の再周知
  4. いじめ対応事例集の作成
  5. いじめ加害者に対する懲戒制度の検討

 

 


 

次の文を読み48~50の問いに答えよ。

Aさん(22歳、男性、大学生)は、10月から咳嗽が出現し、12月に増強したため、医療機関を受診したところ感染性の肺結核と診断された。診断した医師からB保健所に結核発生の届出があった。Aさんはこれまで結核の既往はない。

 

▶午後48

Aさんの居住する寮および大学がB保健所管内であり、接触者健康診断を実施することになった。B保健所の保健師がAさんに面接で確認した状況を以下に示す。
最優先に接触者健康診断を行うことが望ましい接触者はどれか。

 

  1. 同じ講義を履修している学生
  2. 同じ寮で生活している学生
  3. 別の大学の友人
  4. 講義を担当している大学の教員

 

 


 

▶午後49

接触者健康診断でAさんの通う大学の学生および教員からは、10人の患者と20人の潜在性結核感染者が発見された。
この学生および教員の服薬確認を行う場所で最も適切なのはどれか。

 

  1. 医療機関
  2. B保健所
  3. 大学の健康管理室
  4. 学生および教員の住所地を管轄している保健所

 

 


 

▶午後50

Aさんの結核は薬剤耐性がなく標準治療を行っていたが、翌年4月に就職のため隣県のC保健所管内に転居することになった。
今後のAさんの管理で正しいのはどれか。

 

  1. 通院予定の医療機関の医師からC保健所へ結核の発生届の提出が必要である。
  2. 転居後のAさんへの治療中の支援はC保健所が実施する。
  3. Aさんの服薬は治療開始後1年で終了する予定である。
  4. 治療終了後のAさんの管理はB保健所が実施する。

 

 


 

次の文を読み51、52の問いに答えよ。

Aちゃん(1歳7か月、女児)、在胎週数37週0日、出生体重1,980gで、低酸素性虚血性脳症でNICUに入院した。生後3か月に気管切開術を受け、24時間人工呼吸器管理である。他市からの転入のため保健センターに連絡があった。転入前に1歳6か月児健康診査は受診済みである。
市保健センターの保健師が家庭訪問をしたところ、父親(40歳)は単身赴任で、母親(38歳)がAちゃんの世話をしていた。Aちゃんは支えれば座ることはできるが寝返りは難しく、2時間ごとに気管内吸引と経管栄養を実施していた。外来診療(月1回)、訪問診療(月2回)、訪問看護(週1回)を利用し、身体障害者手帳1級(肢体不自由)は取得していた。市内に住む祖母(63歳)が手伝いに来ている。

 

▶午後51

Aちゃんの家族の健康課題をアセスメントするために、保健師が収集する情報で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 祖母の育児負担状況
  2. 母親の心身の疲労状況
  3. 母親の訪問看護に対する満足度
  4. 単身赴任している父親の育児への思い

 

 


 

▶午後52

3か月後、母親から「新しい生活にAが慣れてきたので、Aが楽しめることを増やしてやりたい」と相談を受けた。
保健師の相談対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 保健師の訪問回数を増やす。
  2. 発達相談支援事業所の通所を提案する。
  3. 祖母が児と遊ぶ時間をもてるよう調整する。
  4. 母に児との遊びを通したコミュニケーションを指導する。
  5. 訪問看護師に児とのコミュニケーションを増やせるか相談する。

 

 


 

次の文を読み53、54の問いに答えよ。

A市で実施している1歳6か月児健康診査では、「経過観察」の割合が年々増加している。そこで、経過観察となった親子を対象に、県と連携して新規事業の立ち上げを検討することにした。

 

▶午後53

最初に取り組むのはどれか。

 

  1. 新規事業のプログラムの検討
  2. 事業の運営に携わるスタッフの選定
  3. 1歳6か月児健康診査で経過観察と判断した理由の分析
  4. 乳幼児を持つ母親への困りごとに関するアンケート調査の実施

 

 


 

▶午後54

事業は母親が子どもと一緒に遊びながら関わり方を学んでいく内容で、月に1回、交通の便が良い会場で開催した。毎回、定員を超える希望者があった。県とは3か月に1回の連携会議を開催し、課題の共有と改善方法の検討を行った。1年後、参加者からは、子どもとの関わり方のヒントが得られ、安心して子育てができるようになったとの感想が聞かれた。
事業の評価の種類とその指標の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. プロセス評価――定員を超える希望者数
  2. アウトカム評価――安心して子育てができると感じた参加者の増加
  3. アウトプット評価――会場の交通の便の良さ
  4. ストラクチャー評価――3か月に1回の県との連携会議の開催

 

 


 

次の文を読み55の問いに答えよ。

人口250万人のA県。特定健康診査の受診率が35%、特定保健指導の実施率は隣県より低い。40~50歳代の肥満と高血圧者が増加している。また、30歳代の喫煙率も男性が40%、女性が20%と隣県より高い。県の方針として健康寿命の延伸と生活習慣病予防を掲げ、地域・職域連携推進に取り組むために地域・職域連携推進協議会を設けることにした。

 

▶午後55

初回の会議で取り上げる議題で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. A県の勤労世代における健康課題
  2. 高血圧の就労者に向けた講演会の内容
  3. 小規模事業者の特定保健指導のあり方
  4. 健康経営認定事業所を増やすための取り組み
  5. 協議会に参加する組織で実施している健康増進事業

 

 


 

資料 厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験、第113回看護師国家試験の問題および正答について

 

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向