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看護師国家試験必修問題 10.人体の構造と機能 | 一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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看護師国家試験必修問題 10.人体の構造と機能

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目10「人体の構造と機能」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目10「人体の構造と機能」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.人体の基本的な構造と正常な機能

内部環境の恒常性
神経系
運動系
感覚器系
循環器系
血液、体液
免疫系
呼吸器系
消化器系
栄養と代謝系
泌尿器系
体温調節
内分泌系
性と生殖器系
妊娠・分娩・産褥の経過
遺伝

B.人間の死 死の三徴候
死亡判定
脳死

 

 

A.人体の基本的な構造と正常な機能

視覚野

視覚野は大脳皮質の後頭葉にあり、視覚に直接関係する領域である。

 

▶110回午前11

後頭葉にあるのはどれか。

 

  1. 嗅覚野
  2. 視覚野
  3. 聴覚野
  4. 体性感覚野

 

 

言語野

言語野として、ブローカ野(運動性言語中枢)は前頭葉に、ウェルニッケ野(感覚性言語中枢)は側頭葉に、視覚性言語中枢は後頭葉にある。

 

▶108回午後11

運動性言語中枢はどれか。

 

  1. 中心後回
  2. 大脳基底核
  3. Broca〈ブローカ〉野
  4. Wernicke〈ウェルニッケ〉野

 

 

小脳

小脳は姿勢や運動の制御など、運動調節機能をつかさどっている。そのため、小脳の機能障害である小脳失調では、姿勢保持の困難(体幹バランスの崩れ)や運動失調がみられる。

 

▶106回午前14

小脳失調でみられるのはどれか。

 

  1. 下肢の麻痺が認められる。
  2. 姿勢保持が困難になる。
  3. 血圧が不安定になる。
  4. 体がこわばる。

 

 

三叉神経

三叉神経は、顔面の感覚と咀嚼筋群をつかさどる末梢神経である。

 

▶109回午後12

三叉神経の機能はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 眼球の運動
  3. 顔面の知覚
  4. 表情筋の運動

 

 

迷走神経

迷走神経は咽頭や食道の運動など、嚥下(反射)に関わるものである。

 

▶107回午前10

嚥下に関わる脳神経はどれか。

 

  1. 嗅神経
  2. 外転神経
  3. 滑車神経
  4. 迷走神経

 

 

副交感神経

自律神経のうち副交感神経が優位になることで、消化液の分泌量の増加や腸の蠕動運動亢進、瞳孔収縮、気管支収縮、心拍数低下などの作用が起こる。一方、それらの反対の作用は交感神経が優位になることで生じる。

 

▶112回午後11

副交感神経の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔散大
  2. 気管支拡張
  3. 心拍数の増加
  4. 消化液分泌の促進

 

 

神経伝達物質

  • 神経伝達物質は、シナプスを介在し、神経細胞間の情報伝達を行う化学物質である。
  • 副交感神経や運動神経に働く神経伝達物質にアセチルコリンがある。

 

▶106回午後11

神経伝達物質はどれか。

 

  1. アルブミン
  2. フィブリン
  3. アセチルコリン
  4. エリスロポエチン

 

 

心臓

  • 左心室は大動脈を通じて全身に血液を送り、大静脈を通じて右心房に至る(体循環)。右心房から右心室に送り出された血液は、肺動脈を通じて肺に送られ、肺静脈を通じて左心房に至る(肺循環)。
  • 左心室の強力な収縮を支えるため、左心室の心臓壁は右心室や左心房、右心房よりも厚くなっている。

 

▶111回午後11・106回午前11類問・103回午前24類問

左心室から全身に血液を送り出す血管はどれか。

 

  1. 大静脈
  2. 大動脈
  3. 肺静脈
  4. 肺動脈

 

 


 
▶110回午後11

健常な成人で心臓壁が最も厚いのはどれか。

 

  1. 右心室
  2. 右心房
  3. 左心室
  4. 左心房

 

 

心臓の刺激伝導系

刺激伝導系は心臓を一定間隔で拍動させるための興奮刺激の流れをいい、右心房の洞房結節から房室結節に集まり、ヒス束、プルキンエ線維、心室固有筋へと伝わっていく。

 

▶112回午後12

心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位はどれか。

 

  1. 洞房結節
  2. 房室結節
  3. His〈ヒス〉束
  4. Purkinje〈プルキンエ〉線維

 

 

呼吸中枢

呼吸中枢は、脳幹の橋から延髄にかけての部分にあり、呼気と吸気を調整し、呼吸リズムを形成している。

 

▶111回午後13

呼吸中枢があるのはどれか。

 

  1. 間脳
  2. 小脳
  3. 大脳
  4. 脳幹

 

 


 
▶113回午前12

脳幹に含まれる部位はどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 下垂体
  4. 松果体

 

 

ガストリンは、主にの幽門部の粘膜で産出されるホルモンで、胃酸の分泌を促す。

 

▶110回午前12

胃から分泌される消化管ホルモンはどれか。

 

  1. ガストリン
  2. セクレチン
  3. 胃抑制ペプチド
  4. コレシストキニン

 

 

肝臓

肝臓の主な機能として、蛋白質の合成、有害物質(アンモニア等)の分解・解毒、栄養の貯蔵、胆汁の合成・分泌などがある。

 

▶111回午前12

有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 膵臓
  3. 大腸

 

 

肝性脳症

肝性脳症は、重度の肝疾患によりアンモニア等の有害物質の解毒・分解機能が低下し、血液中に蓄積された有害物質が脳に達して起こる脳機能の低下をいう。

 

▶110回午前14

肝性脳症の直接的原因はどれか。

 

  1. 尿酸
  2. アンモニア
  3. グルコース
  4. ビリルビン

 

 

胆汁

肝臓で作られる胆汁は、胆嚢で濃縮・貯留され、十二指腸に分泌されて脂肪を乳化することで、膵臓内のリパーゼ(脂肪分解酵素)の働きを助ける。

 

▶108回午前12

胆汁の作用はどれか。

 

  1. 殺菌
  2. 脂肪の乳化
  3. 蛋白質の分解
  4. 炭水化物の分解

 

 


 
▶109回午後13

脂肪分解酵素はどれか。

 

  1. ペプシン
  2. リパーゼ
  3. マルターゼ
  4. ラクターゼ

 

 

胆道

肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道を胆道といい、肝臓の出口から総肝管を通り、胆嚢からつながる胆嚢管が合流して総胆管となり、膵管と合流して十二指腸乳頭部に開口する。

 

▶113回午後12

膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater〈ファーター〉乳頭)に開口するのはどれか。

 

  1. 肝管
  2. 総肝管
  3. 総胆管
  4. 胆嚢管

 

 

大腸

大腸は、小腸から送られた内容物から水分等を吸収し、ふん便を作る働きをもつ。

 

▶109回午後11

大腸で吸収されるのはどれか。

 

  1. 脂質
  2. 水分
  3. 糖質
  4. 蛋白質

 

 

後腹膜器官

後腹膜器官は、胃や肝臓、小腸、大腸など腹部の臓器を包み込んでいる腹膜よりも背中側にある臓器をいい、腎臓や膀胱などの泌尿器はこれに当たる。

 

▶110回午後12

後腹膜器官はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 空腸
  3. 腎臓

 

 

成人の膀胱の平均容量

成人の膀胱容量は、個人差もあるが500mL程度である。

 

▶105回午後10

成人の膀胱の平均容量はどれか。

 

  1. 100mL
  2. 500mL
  3. 1,000mL
  4. 1,500mL

 

 

視床下部

視床下部は間脳に位置し、自律神経機能や内分泌機能の調節を行っている中枢で、体温調節のはたらきを持つ。

 

▶108回午後24・104回午後11類問・112回午前12類問

体温調節中枢があるのはどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 大脳皮質
  4. 視床下部

 

 

深部体温(直腸温)

  • 深部体温は、視床下部によりコントロールされる脳や臓器などの内部温度であり、皮膚温よりも高く37℃前後を維持している。
  • 正確な深部体温を図る上で、身体の中心に近く、外部環境に影響されにくい直腸温の測定が推奨されている。

 

▶111回午前17

深部体温に最も近いのはどれか。

 

  1. 腋窩温
  2. 口腔温
  3. 鼓膜温
  4. 直腸温

 

 

不随意筋

  • 不随意筋は自分の意思で動かすことのできない筋肉で、横紋筋のうち心臓にある心筋や、平滑筋のうち心臓を除く内臓や血管にある筋肉がこれに当たる。
  • 随意筋は自分の意思で動かすことができる筋肉で、横紋筋のうち骨格筋などがこれに当たる。

 

▶105回午後11

不随意筋はどれか。

 

  1. 心筋
  2. 僧帽筋
  3. 大殿筋
  4. ヒラメ筋

 

 

肘関節

上腕の前面(力こぶの部分)にある上腕二頭筋が肘関節を屈曲させ、その裏側にある上腕三頭筋が肘関節を伸展させる。

 

▶113回午前11

肘関節を伸展させる筋肉はどれか。

 

  1. 三角筋
  2. 大胸筋
  3. 上腕三頭筋
  4. 上腕二頭筋

 

 

球関節

球関節は、片方の関節の接合部分が球状をした可動域の広い(多軸性)関節で、肩関節や股関節が該当する。

 

▶109回午前10

球関節はどれか。

 

  1. 肩関節
  2. 膝関節
  3. 下橈尺関節
  4. 手根中手関節

 

 

股関節の運動

  • 股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ関節で、肩関節と同様に可動域が広い(多軸性)球関節である。
  • 股関節の動きとして、股関節を起点に足を前に出す屈曲と後ろに下げる伸展、足を外側に開く外転と内側に閉じる内転、外側にひねる外旋と内側にひねる内旋がある。

 

▶107回午後10

股関節の運動を図に示す。
内転はどれか。

 

107pm10

 

 

体性感覚

体性感覚は、触覚・温度感覚・痛覚の表在感覚(皮膚感覚)と、体の内部の筋や腱、関節などに起こる深部感覚をさす。

 

▶102回午後13

表在感覚の受容器が存在する部位はどれか。

 

  1. 筋肉
  2. 皮膚
  3. 関節

 

 


 
▶112回午前10

体性感覚はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 触覚
  3. 聴覚
  4. 平衡覚

 

 

白血球

  • 白血球は体内に侵入した細菌、ウイルスなどを排除する免疫機能を持つ。
  • 白血球の約半数を占める好中球は、細菌感染や真菌感染から体を守る主要な生体防御機構で、急性炎症では好中球の浸潤がいち早く行われる。

 

▶104回午前10・113回午前13類問

免疫機能に関与する細胞はどれか。

 

  1. 血小板
  2. 白血球
  3. 網赤血球
  4. 成熟赤血球

 

 


 
▶112回午前11

健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. リンパ球

 

 


 
▶109回午前24

細菌感染による急性炎症で最初に反応する白血球はどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. 好塩基球
  5. リンパ球

 

 

赤血球

赤血球内のヘモグロビンは肺で酸素を取り込み、全身に輸送する働きを担っており、酸素と結合しやすい中央がくぼんだ円盤状となっている。

 

▶112回午後13

成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 球状の細胞である。
  2. 腎臓で破壊される。
  3. 寿命は約60日である。
  4. 酸素の輸送を担っている。

 

 

赤血球数の基準値

赤血球数の基準値は検査施設等により異なるが、男性450~550万/μL、女性350~500万/μL程度とされる。

 

▶111回午前15

成人女性の赤血球数の基準値はどれか。

 

  1. 150〜250万/μL
  2. 350〜450万/μL
  3. 550〜650万/μL
  4. 750〜850万/μL

 

 

受精・着床

射精された精子と排卵された卵子は、卵管膨大部で融合して受精卵となる(受精)。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮に移動(受精後4~5日)した後、子宮内膜に着床を開始受精後6〜7日)する。

 

▶104回午前5

受精から着床開始までの期間はどれか。

 

  1. 1〜2日
  2. 6〜7日
  3. 13〜14日
  4. 20〜21日

 

 

妊娠期間

  • 最終月経の初日を0日とした順調な分娩予定日は40週0日(280日)である。
  • 妊娠期間別にみると、妊娠満22週0日(154日)~36週6日(258日)の出産は早期産、妊娠満37週0日(259日)~41週6日(293日)の出産は正期産、妊娠満42週0日(294日)以上の出産は過期産である。

 

▶105回午前6・113回午後13類問

正期産の定義はどれか。

 

  1. 妊娠36週0日から40週6日
  2. 妊娠37週0日から41週6日
  3. 妊娠38週0日から42週6日
  4. 妊娠39週0日から43週6日

 

 


 
▶104回午前11

月経周期が順調な場合、最終月経の初日を0日とすると分娩予定日はどれか。

 

  1. 240日目
  2. 280日目
  3. 320日目
  4. 360日目

 

 

分娩の経過

分娩は第1期から第4期の経過に分かれ、第1期は陣痛開始から子宮口全開大まで、第2期子宮口全開大から胎児娩出まで(発露、排臨含む)、第3期は胎児の娩出から胎盤の娩出まで、第4期は分娩後2時間をいう。

 

▶106回午前25

経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。

 

  1. 発露
  2. 排臨
  3. 胎盤の娩出
  4. 児頭の娩出
  5. 子宮口の全開大

 

 


 
▶102回午前11

分娩第2期はどれか。

 

  1. 陣痛開始から子宮口全開大まで
  2. 排臨から発露まで
  3. 子宮口全開大から胎児娩出まで
  4. 胎児娩出から胎盤娩出まで

 

 

オキシトシン

授乳時に児の吸啜刺激でオキシトシンの分泌が促進され、母乳の放出や産褥期の子宮復古を促す。

 

▶109回午前6

児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。

 

  1. オキシトシン
  2. プロラクチン
  3. テストステロン
  4. プロゲステロン

 

 

 

B.人間の死

死の三徴候

死の三徴候は、①呼吸停止、②心拍停止、③瞳孔散大・対光反射消失である。

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p161~162

 

▶109回午前9

死の三徴候に含まれるのはどれか。

 

  1. 筋の弛緩
  2. 角膜の混濁
  3. 呼吸の停止
  4. 呼名反応の消失

 

 


 
▶107回午後11・103回午後10類問

死の三徴候に基づいて観察するのはどれか。

 

  1. 腹壁反射
  2. 輻輳反射
  3. 対光反射
  4. 深部腱反射

 

 

脳死判定

脳死は脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止した状態をいい、脳死判定では、①深い昏睡、②瞳孔の散大と固定、③脳幹反射の消失、④平坦な脳波、⑤自発呼吸の停止の5項目を基準とする。

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p161~162

 

▶108回午前24

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔径は左右とも3mm以上
  2. 脳波上徐波の出現
  3. 微弱な自発呼吸
  4. 脳幹反射の消失
  5. 浅昏睡

 

 


 
▶105回午前12

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。

 

  1. 低体温
  2. 心停止
  3. 平坦脳波
  4. 下顎呼吸

 

 


 
▶113回午前14

脳死の状態はどれか。

 

  1. 縮瞳がある。
  2. 脳波で徐波がみられる。
  3. 自発呼吸は停止している。
  4. 痛み刺激で逃避反応がある。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向