看護師国家試験必修問題 16.診療に伴う看護技術
113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目16「診療に伴う看護技術」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。
公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。
▼看護師国家試験必修問題まとめ
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厚生の指標増刊
発売日:2024.8.27 定価:2,970円(税込) 412頁・B5判 雑誌コード:03854-08
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【必修】大項目16「診療に伴う看護技術」
中項目(出題範囲) | 小項目(キーワード) |
A.栄養法 |
経管・経腸栄養法 |
B.薬物療法 | 与薬方法 薬効・副作用(有害事象)の観察 |
C.輸液・輸血管理 | 刺入部位の観察 点滴静脈内注射 輸血 |
D.採血 | 刺入部位 採血方法 採血後の観察内容、採血に関連する有害事象 |
E.呼吸管理 | 酸素療法の原則 酸素ボンベ 酸素流量計 鼻腔カニューラ 酸素マスク ネブライザー 口腔内・鼻腔内吸引 気管内吸引 体位ドレナージ |
F.救命救急処置 | 気道の確保 人工呼吸 胸骨圧迫 直流除細動器 自動体外式除細動器<AED> 止血法 トリアージ |
G.皮膚・創傷の管理 | 創傷管理 褥瘡の予防・処置 |
A.栄養法
経腸栄養法
- 経腸栄養法は、口からの食事が十分でない者に対して消化管機能を活用するもので、投与のルートやチューブの留置箇所により経鼻経管栄養法や胃瘻などがある。
- 不適切な経腸栄養剤の浸透圧、投与量・速度、または栄養剤の細菌感染等により、下痢症状が生じることがある。
▶107回午前21
経腸栄養剤の副作用〈有害事象〉はどれか。
- 咳嗽
- 脱毛
- 下痢
- 血尿
経鼻経管栄養法
- 経鼻胃管による栄養注入などを実施する際、先端が胃内にない場合、誤嚥等の事故につながるおそれがあるため、注入前に胃内容物を吸引し、胃液等を確認することで、胃内に胃管の先端が留置されていることを確認する必要がある。
- 注入時に栄養剤の逆流を防ぐため、上半身を45度程度上げる半坐位(ファウラー位)が適している。
▶110回午前22
経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法で正しいのはどれか。
- 腹部を打診する。
- 肺音の聴取を行う。
- 胃管に水を注入する。
- 胃管からの吸引物が胃内容物であることを確認する。
▶109回午前20・105回午後21類問
経鼻経管栄養法を受ける成人患者の体位で適切なのはどれか。
- 砕石位
- 半坐位
- 腹臥位
- Sims〈シムス〉位
鼻孔から噴門の長さ
鼻孔から噴門(胃の入り口)は、個人差もあるが45〜55cmとされる。経鼻経管栄養法では、チューブの先端を留置する長さを決める際に目安となる。
▶104回午後22
成人の鼻孔から噴門までの長さで適切なのはどれか。
- 5〜15cm
- 25〜35cm
- 45〜55cm
- 65〜75cm
B.薬物療法
血中濃度の上昇が最も速い与薬方法
静脈内注射は、直接薬剤を血管内に投与し、全身に循環されるため、薬剤の吸収速度、血中濃度の上昇は最も速い。
▶105回午前22・112回午前22類問
薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。
- 坐薬
- 経口薬
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
坐薬
坐薬は肛門に挿入して使用する薬剤で、徐々に溶け出して有効成分が直腸から直接吸収されるため、排出されないように挿入後しばらく肛門を押さえる必要がある。
▶113回午前22
成人への坐薬の挿入方法で正しいのはどれか。
- 息を止めるよう説明する。
- 右側臥位になるよう説明する。
- 挿入後1、2分肛門を押さえる。
- 肛門から2cmの位置に挿入する。
C.輸液・輸血管理
点滴静脈内注射
持続点滴静脈内注射は、主に肘や手首から離れた前腕内側の末梢静脈が選択される。
▶110回午後23
成人の持続点滴静脈内注射のために選択される部位で最も適切なのはどれか。
- 足背
- 鼠径
- 前腕内側
- 肘関節付近
点滴静脈内注射時の血管外漏出
点滴静脈内注射の際に、刺入部位の腫脹や疼痛、発赤などが生じた場合、血管外漏出の初期症状である。周辺組織の炎症や壊死につながり、重症化するおそれもあるため、直ちに注入を中止する必要がある。
▶103回午後21
点滴静脈内注射の血管外漏出で注意すべき初期症状はどれか。
- 疼痛
- 水疱
- 潰瘍
- 皮膚壊死
▶106回午前22
点滴静脈内注射中の刺入部位の腫脹を確認したときに、最初に実施するのはどれか。
- 体位を変える。
- 注入を中止する。
- 刺入部位を挙上する。
- 周囲のマッサージを行う。
輸液ポンプ
点滴静脈内注射で使用する輸液ポンプは、輸液の流量と予定量を設定し、一定の速度・正確な量で投与するための医療機器である。
▶110回午前23
輸液ポンプを使用する目的はどれか。
- 感染の防止
- 薬液の温度管理
- 薬物の効果判定
- 薬液の注入速度の調整
▶111回午後23・104回午後23類問
点滴静脈内注射で輸液ポンプを使用する際に設定する項目はどれか。
- 薬剤名
- 終了時間
- 投与月日
- 1時間あたりの流量
成人用輸液セット1mL当たり滴下数
成人用輸液セット1mL当たりの滴下数は20滴である。
▶105回午後22
成人用輸液セット1mL当たりの滴下数はどれか。
- 20滴
- 40滴
- 60滴
- 80滴
1分間の輸液セット滴下数の計算
1分あたりの輸液セット滴下数は、(総輸液量×1mLあたりの滴下数)÷時間(分)で計算する。
▶102回午後18
点滴静脈内注射1,800ml/日を行う。
一般用輸液セット(20滴≒1ml)を使用した場合、1分間の滴下数はどれか。
- 19滴
- 25滴
- 50滴
- 75滴
等張液
5%ブドウ糖液や生理食塩液(0.9%塩化ナトリウム)は、血漿と浸透圧がほぼ等しい等張液である。
▶106回午後17
血漿と等張のブドウ糖溶液の濃度はどれか。
- 5%
- 10%
- 20%
- 50%
▶104回午前21
生理食塩水の塩化ナトリウム濃度はどれか。
- 0.9%
- 5%
- 9%
- 15%
高張液の希釈
15%塩化カリウム(高張液)の原液投与は、高カリウム血症による不整脈や心停止を起こす危険があり、必ず5%ブドウ糖液や0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水)などの等張液で希釈して用いる。
▶107回午前22
静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。
- 5%ブドウ糖
- 15%塩化カリウム
- 0.9%塩化ナトリウム
- 7%炭酸水素ナトリウム
中心静脈からの投与
高カロリー輸液は、浸透圧が高い高張液のため、末梢静脈からの投与では静脈炎等を引き起こすおそれがあり、中心静脈から投与される(中心静脈栄養法)。
▶108回午後21
中心静脈から投与しなければならないのはどれか。
- 脂肪乳剤
- 生理食塩液
- 5%ブドウ糖液
- 高カロリー輸液
気胸
気胸は、外傷等により胸膜が損傷し、胸腔内に空気が漏れ出て肺が縮むことをいう。中心静脈カテーテルを用いて高カロリー輸液などを投与する際、中心静脈のそばにある肺を誤って穿刺することでも、気胸が生じるおそれがある。
▶103回午後20
鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。
- 肺炎
- 気胸
- 嗄声
- 無気肺
D.採血
採血検査の注射部位
成人の採血においては前腕の静脈が多く用いられ、橈側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈などが選択される。
▶108回午前22・103回午前20類問・113回午後22類問
成人の採血検査で最も用いられるのはどれか。
- 外頸静脈
- 大腿静脈
- 大伏在静脈
- 肘正中皮静脈
静脈血採血の手順
静脈血採血を行う際は、駆血帯を採血部位の5~10cm上部(中枢側)に巻き、21~23Gの太さの注射針で、血管の走行に合わせ10~30度の角度で刺入する。採血後はアルコール消毒綿を軽く当ててまっすぐ抜針し、刺入部位を5分程度圧迫止血する。
▶109回午後25
成人の静脈血採血で通常用いられる注射針の太さはどれか。
- 14G
- 18G
- 22G
- 26G
▶104回午前23・112回午後23類問
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
- 10〜30度
- 35〜40度
- 55〜60度
- 75〜80度
▶102回午前25
肘正中皮静脈からの採血における駆血部位の写真を別に示す。

正しいのはどれか。
ただし、×は刺入部である。
- ①
- ②
- ③
- ④
- ⑤
▶111回午前21
成人の静脈血採血で適切なのはどれか。
- 採血部位から2、3cm中枢側に駆血帯を巻く。
- 血管の走行に合わせ60度の角度で刺入する。
- 採血後は刺入部位を圧迫しながら抜針する。
- 刺入部位は5分以上圧迫し、止血する。
筋肉内注射の角度
筋肉内注射は、皮下組織の奥にある筋肉内に直接注射するため、確実に届くように45~90度の角度で刺入する。
▶111回午後22・105回午前21類問
注射針の刺入角度が45〜90度の注射法はどれか。
- 皮下注射
- 皮内注射
- 筋肉内注射
- 静脈内注射
皮下注射の手順
皮下注射では、23~25Gの注射針を使用し、皮下脂肪が5mm以上の部位の皮膚をつまみ上げ、10~30度の角度で刺入する。
▶109回午前23
皮下注射で適切なのはどれか。
- 注射部位を伸展する。
- 注射針は18〜20Gを使用する。
- 針の刺入角度は45〜90度にする。
- 皮下脂肪が5mm以上の部位を選択する。
E.呼吸管理
酸素療法の適応
一般的な在宅酸素療法の適応基準は、動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60mmHg(Torr)未満とされる。
▶112回午前23
室内空気下での呼吸で、成人の一般的な酸素療法の適応の基準はどれか。
- 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr以上
- 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr未満
- 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr以上
- 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr未満
酸素ボンベ等の取り扱い
酸素は燃焼を助ける性質が強いガスであり、酸素ボンベ等の使用時、保管時は火気厳禁である。
▶107回午前23
充塡された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。
- 横に倒して保管する。
- 保管場所は火気厳禁とする。
- バルブを開放して保管する。
- 日当たりの良い場所で保管する。
▶103回午前21
酸素吸入中に使用を禁止するのはどれか。
- 携帯電話
- ライター
- 電動歯ブラシ
- 磁気ネックレス
▶104回午後24
医療用酸素ボンベと酸素流量計とを図に示す。

酸素の流量を調節するのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
ベンチュリーマスク
ベンチュリーマスクは酸素療法で用いる酸素投与器具で、色別されたダイリューターで24~50%の酸素濃度を調節し、酸素流量を設定することで、患者の1回換気量に左右されず安定した投与ができる。
▶105回午前24
ベンチュリーマスクの写真を別に示す。

酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。
- ①
- ②
- ③
- ④
鼻腔内吸引
- 鼻腔内吸引は、吸引カテーテルを用いて鼻腔内の喀痰を体外に吸い出すものである。
- カテーテルは、鼻孔粘膜を傷つけないように陰圧(吸引圧)をかけずに深部まで挿入し、陰圧をかけて回転させながら引き抜きつつ吸引する。
- 1回の吸引時間は10~15秒を目安し、できるだけ短時間とする(低酸素血症の防止)。
▶105回午後24
鼻腔内の吸引で正しいのはどれか。
- 無菌操作で行う。
- 吸引圧をかけた状態で吸引チューブを挿入する。
- 鼻翼から一定の距離で固定して吸引する。
- 吸引チューブを回転させながら吸引する。
▶110回午前24
1回の鼻腔内吸引時間の目安で適切なのはどれか。
- 10〜15秒
- 20〜25秒
- 30〜35秒
- 40〜45秒
気管内吸引
- 気管内吸引では、挿入開始から終了までの時間は15秒以内にすることが推奨され、30秒以上実施した場合、動脈血酸素飽和度〈SaO2〉が低下し、低酸素血症をきたすことがある。
- 気管の粘膜を傷つけないために吸引圧は-100〜-150mmHgに調整する。
▶111回午前22
1回の気管内吸引を30秒以上実施した場合に生じるのはどれか。
- 嘔吐
- 感染
- 低酸素血症
- 気道粘膜の損傷
▶103回午後23
気管内吸引の時間が長いと低下しやすいのはどれか。
- 血圧
- 体温
- 血糖
- 動脈血酸素飽和度〈SaO2〉
▶106回午前23
成人患者の気管内の一時的吸引における吸引圧で正しいのはどれか。
- -100〜-150mmHg
- -200〜-250mmHg
- -300〜-350mmHg
- -400〜-450mmHg
体位ドレナージ
体位ドレナージは、痰が貯留した肺の部位を上にした体位をとり、重力により気道分泌物の排出(排痰)を促すことをいう。
▶104回午前24
体位ドレナージの直接の目的はどれか。
- 痛みの軽減
- 睡眠の導入
- 排痰の促進
- 廃用症候群の予防
F.救命救急処置
一次救命処置(BLS)の手順
- 傷病者の反応がない場合、応援を呼ぶ・通報する・自動体外式除細動器〈AED〉を要請する。
- 呼吸がない場合または死戦期呼吸の場合、胸骨圧迫30回(約5cmの強さ、100~120回/分の速さ)と人工呼吸2回の組み合わせによる処置を行う。
- 正常な呼吸がある場合は、回復体位(横向きに寝た姿勢)にして気道を確保する。
▶111回午前24
成人に対する一次救命処置(BLS)において、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は( ):2である。
( )に入るのはどれか。
- 5
- 10
- 30
- 50
▶110回午前25・106回午後24類問
成人の心肺蘇生時の胸骨圧迫の深さの目安はどれか。
- 2cm
- 5cm
- 8cm
- 11cm
▶112回午後24
成人の一次救命処置〈BLS〉における胸骨圧迫の速さ(回数)で正しいのはどれか。
- 40~60回/分
- 70~90回/分
- 100~120回/分
- 130~150回/分
▶107回午後23
呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。
- 下肢を挙上する。
- 胸骨圧迫を行う。
- 回復体位をとる。
- 自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。
自動体外式除細動器〈AED〉
- 自動体外式除細動器〈AED〉は、緊急性の高い致死性不整脈である心室細動を電気ショックによって取り除く(除細動)装置であり、医師以外の一般人にも使用が認められている。
- 電極パッドは心臓を挟む形で右前胸部と左側胸部の位置に貼り付けて使用する。
- 心電図の解析中に体に触れると正確な解析が行えないため、胸骨圧迫をやめて傷病者から離れる必要がある。
▶108回午後13・104回午前12類問
最も緊急性の高い不整脈はどれか。
- 心房細動
- 心室細動
- 心房性期外収縮
- Ⅰ度房室ブロック
▶110回午後24・102回午後20類問
自動体外式除細動器〈AED〉の電極パッドの貼付位置を図に示す。
適切なのはどれか。
▶113回午後23
自動体外式除細動器〈AED〉を使用するときに、胸骨圧迫を中断するのはどれか。
- 電源を入れるとき
- 電極パッドを貼るとき
- 心電図の解析中
- 電気ショックの直後
直流除細動器〈DC〉
直流除細動器は、電気ショックにより不整脈を治療する装置で、AEDとは異なり医療機関内で医師等が用いる。
▶104回午後25・113回午前24類問
直流除細動器の使用目的はどれか。
- 呼吸の促進
- 血圧の降下
- 不整脈の治療
- 意識レベルの評価
▶109回午前19
直流除細動器の使用目的はどれか。
- 血圧の上昇
- 呼吸の促進
- 洞調律の回復
- 意識レベルの回復
トリアージタグ
トリアージ(災害時等の治療優先度の決定)の際にはトリアージタグ(識別票)を利用し、傷病者の緊急度に応じて、優先順に赤(Ⅰ:最優先治療群・重症群)、黄(Ⅱ:待機的治療群・中等症群)、緑(Ⅲ:保留群・軽症群)、黒(0:不処置群・死亡群)と分類する。
▶108回午後22・102回午後21類問
赤色のトリアージタグが意味するのはどれか。
- 死亡群
- 保留群
- 最優先治療群
- 待機的治療群
▶106回午後25
災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。
- 脱臼
- 気道熱傷
- 足関節捻挫
- 過換気症候群
けいれん発作・意識障害がある患者への救命救急処置
全身性けいれん発作の多くは意識障害を伴い、強い筋収縮のため十分な呼吸ができない場合があり、嘔吐物や唾液等による窒息を防ぐ観点からも、回復体位にするなど気道の確保が優先される。
▶111回午後17
全身性けいれん発作を起こしている患者に最も優先して行うのはどれか。
- 気道確保
- 周囲の環境整備
- 末梢静脈路の確保
- 心電図モニターの装着
▶104回午後12
意識障害がある患者への救命救急処置で最も優先されるのはどれか。
- 保温
- 輸液
- 酸素吸入
- 気道確保
腹部圧迫法〈ハイムリック法〉
腹部圧迫法〈ハイムリック法〉は、異物が喉に詰まって、反応はあるが窒息が認められる傷病者に対し、上腹部を斜め上方に突き上げて気道異物を除去する方法である。
▶112回午後21
成人の気道の異物除去を目的とするのはどれか。
- 胸骨圧迫
- 人工呼吸
- 頭部後屈顎先挙上法
- 腹部圧迫法〈Heimlich〈ハイムリック〉法〉
G.皮膚・創傷の管理
圧迫止血法
失血を防ぐための圧迫止血法には、ガーゼなどで出血部位を強く押さえる直接圧迫止血法と、出血部位に近い中枢側(心臓側)の動脈を手や指で圧迫する(用手)間接圧迫止血法がある。
▶111回午前23
上腕出血時の間接圧迫止血の部位はどれか。
- 腋窩動脈
- 尺骨動脈
- 大腿動脈
- 橈骨動脈
包帯法の原則
- 包帯法では、使用部位や創部の程度、用途に応じて、伸縮包帯や弾性包帯などを使い分ける。
- 包帯を巻く際は、静脈の環流を妨げないよう末梢から中枢に向かって、強い圧迫を加えずに巻く。
▶106回午前24
包帯法の原則として適切なのはどれか。
- 患部を強く圧迫する。
- 屈伸可能な関節は固定する。
- 中枢から末梢に向けて巻く。
- 使用部位によって包帯を使い分ける。
環行帯
環行帯は、包帯法の巻き始めと巻き終わりに用いる巻き方で、同じ箇所に重ねて巻くものをいう。
▶109回午前22
包帯の巻き方を別に示す。

環行帯の巻き方で正しいのはどれか。
- A
- B
- C
- D
創傷の治癒
感染を伴わない創傷の治療において、現在は湿潤療法が基本で、消毒液ではなく水で洗浄し、乾燥しないようにガーゼではなく創傷被覆材(ドレッシング材)で保護する。
▶108回午前23・103回午前22類問
感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。
- 乾燥
- 消毒
- 洗浄
- ガーゼ保護
褥瘡発生の予測スケール
Braden〈ブレーデン〉スケールは褥瘡発生の予測(リスクアセスメント)に用いるもので、①知覚の認知、②湿潤、③活動性、④可動性、⑤栄養状態、⑥摩擦とずれの6項目で評価される。
▶107回午前24
褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。
- ブリストルスケール
- Borg〈ボルグ〉スケール
- Braden〈ブレーデン〉スケール
- グラスゴー・コーマ・スケール
褥瘡のステージ分類
褥瘡の重症度は深達度によって分類され、ステージⅠは消退しない発赤、ステージⅡは部分欠損(水疱形成の場合がある)、ステージⅢは全層皮膚欠損、ステージⅣは全層組織欠損とされる。
▶111回午後24
褥瘡の深達度分類で水疱形成のステージはどれか。
- Ⅰ
- Ⅱ
- Ⅲ
- Ⅳ
褥瘡の好発部位
- 仰臥位では、圧力が集中する後頭部、肩甲骨部、肘部、仙骨部、踵骨部は褥瘡の好発部位である。
- 側臥位では、圧力が集中する耳介部、腸骨稜部、大転子部、外果部は褥瘡の好発部位である。
▶109回午後24
仰臥位における褥瘡の好発部位はどれか。
- 踵骨部
- 内顆部
- 膝関節部
- 大転子部
▶102回午前20
仰臥位での褥瘡好発部位はどれか。
- 仙骨部
- 内顆部
- 腸骨稜部
- 大転子部
▶113回午後24
側臥位における褥瘡の好発部位はどれか。
- 後頭部
- 耳介部
- 仙骨部
- 肩甲骨部
温罨法
温罨法は、湯たんぽなどにより身体の一部に温熱刺激を与える方法である。効果としては、血管の拡張、血流の増加、新陳代謝の促進、平滑筋の弛緩、感覚・痛覚神経の興奮の鎮静(疼痛緩和)などが認められる。
▶108回午後23・102回午後19類問
温罨法の作用で正しいのはどれか。
- 平滑筋が緊張する。
- 局所の血管が収縮する。
- 還流血流量が減少する。
- 痛覚神経の興奮を鎮静する。
ゴム製湯たんぽ
温罨法で用いられるゴム製湯たんぽは、60℃程度のお湯を約3分の2程度入れて、空気を抜いて使用する。
▶105回午後23
ゴム製湯たんぽに入れる湯の温度で適切なのはどれか。
- 40℃程度
- 60℃程度
- 80℃程度
- 100℃程度
冷罨法
冷罨法は、冷却による局所の炎症の抑制や解熱などの効果がある。冷罨法で用いられる氷枕の作成にあたっては、氷は半分程度にする、乾いたタオルで巻く、内部の空気は抜く、水漏れがないことを確認する。
▶106回午後23
氷枕の作り方で適切なのはどれか。
- 氷を隙間なく入れる。
- 濡れたタオルで覆う。
- 内部の空気は残しておく。
- 水漏れがないことを確認する。
乾性罨法・湿性罨法
温罨法と冷罨法には、乾いた状態で器具を用いる乾性罨法、湿った状態で器具を用いる湿性罨法があり、上記湯たんぽや氷枕は乾いた状態で用いるため乾性罨法、湿布の一つである冷パップは湿性罨法である。
▶103回午後22
湿性罨法はどれか。
- 氷枕
- 冷パップ
- 湯たんぽ
- 電気あんか
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