看護師国家試験必修問題 7.人間のライフサイクル各期の特徴と生活
113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目7「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。
公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。
▼看護師国家試験必修問題まとめ
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厚生の指標増刊
発売日:2024.8.27 定価:2,970円(税込) 412頁・B5判 雑誌コード:03854-08
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【必修】大項目7「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」
中項目(出題範囲) | 小項目(キーワード) |
A.胎児期 |
形態的発達と異常 |
B.新生児・乳児期 | 発達の原則 身体の発育 運動能力の発達 栄養 親子関係 |
C.幼児期 | 身体の発育 運動能力の発達 言語の発達 社会性の発達 基本的生活習慣の確立 |
D.学童期 |
運動能力の発達、体力の特徴 |
E.思春期 | 第二次性徴 アイデンティティの確立 親からの自立 異性への関心 |
F.成人期 | 社会的責任と役割 生殖機能の成熟と衰退 基礎代謝の変化 |
G.老年期 |
身体的機能の変化 |
A.胎児期
胎児循環
- 胎児の血液は、臍帯内の2本の臍動脈により胎盤に入り、1本の臍静脈を通って胎児へと運ばれる。
- 胎盤は肺の役割を果たし、胎児へ運ばれる臍静脈内の血液には酸素が多く含まれている。
胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。
- 総頸動脈
- 肺動脈
- 臍動脈
- 臍静脈
胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
- 肺動脈
- 肺静脈
- 臍動脈
- 臍静脈
胎児の肺機能の成熟
肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。
- 在胎10週ころ
- 在胎18週ころ
- 在胎26週ころ
- 在胎34週ころ
B・C.新生児・乳児期・幼児期
新生児の生理的体重減少
正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。
- 生後3〜5日
- 生後8〜10日
- 生後13〜15日
- 生後18〜20日
母乳中の免疫グロブリン
母乳中に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。
- IgA
- IgE
- IgG
- IgM
母乳の不足栄養
母乳栄養で不足しやすいのはどれか。
- ビタミンA
- ビタミンB
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
原始反射
出生時からみられ、生後4か月ころに消失する反射はどれか。
- 手掌把握反射
- 足底把握反射
- パラシュート反射
- Babinski〈バビンスキー〉反射
出生時からみられ、生後3か月ころに消失する反射はどれか。
- 足踏み反射
- パラシュート反射
- Moro〈モロー〉反射
- Babinski〈バビンスキー〉反射
運動発達
成長・発達における順序性で正しいのはどれか。
- 頭部から脚部へ
- 微細から粗大へ
- 複雑から単純へ
- 末梢から中心へ
乳児の発達目安
生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。
- 寝返り
- お座り
- 首のすわり
- つかまり立ち
幼児の発達目安
運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。
- 階段を昇る。
- ひとりで立つ。
- ボールを蹴る。
- けんけん〈片足跳び〉をする。
乳児期の分離不安・人見知り
乳児期の特徴はどれか。
- 分離不安
- 第一次反抗期
- ギャングエイジ
- 自我同一性の確立
乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。
- 生後1〜2か月
- 生後6〜8か月
- 生後18〜24か月
- 生後36〜42か月
乳児期の発達課題
エリクソン, E. H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。
- 親密
- 同一性
- 自主性
- 基本的信頼
乳児期の呼吸の型
- 新生児期や乳児期では、横隔膜を上下に動かす腹式呼吸が中心である。
- 7~8歳ころの学童期以降は胸式呼吸が優位となり、その間の幼児期後期ころは両者を組み合わせた胸腹式呼吸がみられる。
乳児期における呼吸の型はどれか。
- 肩呼吸
- 胸式呼吸
- 腹式呼吸
- 胸腹式呼吸
乳幼児の身体の発達
標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。
- 生後3か月
- 生後6か月
- 生後9か月
- 生後12か月
乳歯
乳歯がすべて生えそろう年齢はどれか。
- 0〜1歳
- 2〜3歳
- 4〜5歳
- 6〜7歳
乳歯がすべて生えそろったときの本数はどれか。
- 16本
- 20本
- 24本
- 28本
大泉門の閉鎖
大泉門が閉鎖する時期に最も近いのはどれか。
- 6か月
- 1歳6か月
- 2歳6か月
- 3歳6か月
乳幼児の脳重量の発達
標準的な発育をしている児において脳重量が成人の約90%に達する年齢はどれか。
- 5〜6歳
- 8〜9歳
- 11〜12歳
- 15〜16歳
D.学童期
学童期の特徴
- エリクソンが示す発達課題では、学童期(5歳から13歳ころ)には様々な課題の達成に挑戦して他者と比べた有能感を獲得する過程で、勤勉性対劣等感の葛藤が生じる。
- 親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動をとるギャングエイジは、学童期の特徴である。
エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。
- 親密 対 孤立
- 自律性 対 恥・疑惑
- 勤勉性 対 劣等感
- 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散
学童期中学年から高学年にみられる、親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動をとる特徴はどれか。
- 心理的離乳
- 自我の芽生え
- ギャングエイジ
- 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立
学童期の異常被患率
第10編 4.学齢期の健康状況 p347~349
令和4年(2022年)の学校保健統計調査における学童期の異常被患率で最も高いのはどれか。
- 高血圧
- 摂食障害
- 心電図異常
- 裸眼視力1.0未満の者
E.思春期
思春期の特徴
思春期にみられる感情の特徴はどれか。
- 情緒的に安定し穏やかになる。
- 思い通りにならないと泣き叫ぶ。
- 親に対して強い愛情表現を示す。
- 依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。
思春期に特徴的にみられるのはどれか。
- 愛着行動
- 分離不安
- 自己同一性の確立
- 基本的信頼関係の確立
思春期の子どもの親に対する行動の特徴で適切なのはどれか。
- 親からの干渉を嫌うようになる。
- 親と離れると不安な様子になる。
- 親に秘密を打ち明けるようになる。
- 親からの助言を素直に聞けるようになる。
思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。
- 教師
- 祖父母
- 友人
- 両親
男子の第二次性徴(精通)
男子の第二次性徴による変化はどれか。
- 精通
- 骨盤の拡大
- 皮下脂肪の増加
- 第1大臼歯の萌出
第二次性徴の発現に関与するホルモン
第二次性徴の発現に関与するホルモンはどれか。
- 抗利尿ホルモン〈ADH〉
- 黄体形成ホルモン〈LH〉
- 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
- 甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉
思春期に分泌が増加するホルモンはどれか。
- グルカゴン
- オキシトシン
- カルシトニン
- アンドロゲン
第二次性徴に伴う意識の変化
第二次性徴が発現し始めた思春期に関心が向くのはどれか。
- 善悪の区別
- 仕事と家庭の両立
- 自己の身体の変化
- 経済力の確保と維持
青年期の発達課題
エリクソン, E. H.の発達理論で青年期に生じる葛藤はどれか。
- 生殖性 対 停滞
- 勤勉性 対 劣等感
- 自主性 対 罪悪感
- 同一性 対 同一性混乱
成人の基礎代謝量
次の時期のうち基礎代謝量が最も多いのはどれか。
- 青年期
- 壮年期
- 向老期
- 老年期
F.成人期
成人期の発達課題
ハヴィガースト, R. J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。
- 経済的に自立する。
- 身体的衰退を自覚する。
- 正、不正の区別がつく。
- 読み、書き、計算ができる。
壮年期以降の特徴
壮年期の男性で減少するのはどれか。
- エストロゲン
- プロラクチン
- アルドステロン
- テストステロン
平均閉経年齢
日本の女性における平均閉経年齢に最も近いのはどれか。
- 30歳
- 40歳
- 50歳
- 60歳
更年期ころの女性
閉経前と比べ閉経後に低下するホルモンはどれか。
- 卵胞ホルモン
- 黄体形成ホルモン〈LH〉
- 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
- 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉
更年期の女性で増加するのはどれか。
- 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
- テストステロン
- プロラクチン
- エストロゲン
G.老年期
老年期の発達課題
ハヴィガースト, R. J.が提唱する老年期の発達課題はどれか。
- 子どもを育てる。
- 退職と収入の減少に適応する。
- 社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる。
- 男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する。
老年期の身体的変化
加齢により、以下のような多くの身体的変化がみられる。
- 大動脈の硬化による血管抵抗の増大(収縮期血圧の上昇、拡張期血圧の低下)
- 視野(特に周辺視野)の狭まり、近見視力の低下、色の識別能の低下(老視)
- 高音域が聞こえづらくなる(加齢性難聴)
- 嗅覚機能の低下(反応下限値(閾値)の上昇)
- 外来抗原に対する抗体の産生能の低下
- インスリン分泌量の低下による空腹時血糖の上昇
- 最大換気量の大幅な低下
- 総水分量が成人期(約60%)から減少(約50~55%)
- 自律性体温調節反応の低下により熱中症を引き起こしやすくなる
- 代謝・排出機能の低下等により薬物の副作用〈有害事象〉が生じやすい
老年期にみられる身体的な変化はどれか。
- 血管抵抗の増大
- 消化管の運動の亢進
- 水晶体の弾性の増大
- メラトニン分泌量の増加
老年期の身体的な特徴はどれか。
- 総水分量が増加する。
- 胸腺の重量が増加する。
- 嗅覚の閾値が低下する。
- 高音域における聴力が低下する。
加齢に伴い老年期に上昇するのはどれか。
- 腎血流量
- 最大換気量
- 空腹時血糖
- 神経伝導速度
老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。
- 尿量の増加
- 味覚の感度の向上
- 体温調節能の低下
- 外来抗原に対する抗体産生の亢進
老化に伴う視覚の変化で正しいのはどれか。
- 視野が狭くなる。
- 近くが見やすくなる。
- 色の識別がしやすくなる。
- 明暗順応の時間が短縮する。
加齢に伴う知能の変化
- 加齢とともに、新しい環境に適応するために、新しい情報を獲得し、処理・操作していく知能である流動性知能(記銘力等)は低下を続ける。
- 一方、長年の経験や教育、学習から獲得する知能である結晶性知能(洞察力、判断力、統合力等)は、20歳以降も上昇し、高齢になっても維持・安定している。
加齢によって衰えやすい機能はどれか。
- 記銘力
- 洞察力
- 判断力
- 統合力
成人(高齢者)の水分量
健常な成人の体重における水分の割合に最も近いのはどれか。
- 20%
- 40%
- 60%
- 80%
高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。
- 45%
- 55%
- 65%
- 75%
成人の体重に占める体液の割合で最も高いのはどれか。
- 血漿
- 間質液
- 細胞内液
- リンパ液
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