看護師国家試験必修問題 4.看護における倫理
113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目4「看護における倫理」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。
公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。
▼看護師国家試験必修問題まとめ
![]() |
厚生の指標増刊
発売日:2024.8.27 定価:2,970円(税込) 412頁・B5判 雑誌コード:03854-08
ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。 |
ネット書店
電子書籍
【必修】大項目4「看護における倫理」
中項目(出題範囲) | 小項目(キーワード) |
A.基本的人権の擁護 |
個人の尊厳 |
B.倫理原則 | 自律尊重 善行 公正、正義 誠実、忠誠 無危害 |
C.看護師等の役割 | 説明責任<アカウンタビリティ> 倫理的配慮 権利擁護<アドボカシー> |
A.基本的人権の擁護
インフォームド・コンセント
- 医療法には、医療提供の際に医療提供者が適切な説明を行い、医療の受け手の理解を得るように努める旨(インフォームド・コンセント)が規定されている。
- 1964年のヘルシンキ宣言においてインフォームド・コンセントが提唱された。
第4編1章 1.医療法 p166
▶104回午前4
医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。
- エンパワメント
- コンプライアンス
- リスクマネジメント
- インフォームド・コンセント
▶111回午前5
患者の選択権の行使を最も促進するのはどれか。
- 父権主義
- 医師の裁量権
- コンプライアンス
- インフォームド・コンセント
▶102回午前4
ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。
- リビングウィル
- ヘルスプロモーション
- ノーマライゼーション
- インフォームド・コンセント
セカンドオピニオン
患者は医療機関等の選択の自由を権利として有し、主治医以外の医師による助言(セカンドオピニオン)を受けることができる。
第4編1章 1.医療法 p166
▶110回午後4
患者の権利について適切なのはどれか。
- 患者は入院中に無断で外泊できる。
- 患者は治療後に治療費の金額を決定できる。
- 患者はセカンドオピニオンを受けることができる。
- 患者は自分と同じ疾患の患者の連絡先を入手できる。
リビングウィル
リビングウィル(Living Will)は、終末期における医療・ケアの方法や方針などを、患者本人があらかじめ書面で意思表示することをいい、本人の意思を直接確認できない状態になった場合に書面に従って治療方針を決定する。
第4編1章 1.医療法 p166
▶105回午後4
終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。
- アドヒアランス
- リビングウィル
- セカンドオピニオン
- インフォームド・コンセント
ノーマライゼーション
ノーマライゼーションは、障害者等が障害を持たない者と同等に生活・活動する社会を目指す理念で、障害者基本法ではこの理念の下に公共的施設のバリアフリー化などを幅広く規定している。
第5編2章 4.障害者福祉等 p239~241
▶103回午前5
全ての人が差別されることなく同じように生活できるという考え方を示しているのはどれか。
- ヘルスプロモーション
- ノーマライゼーション
- プライマリヘルスケア
- エンパワメント
B.倫理原則
倫理原則
- 看護実践における倫理原則として、「自律尊重」「無危害」「善行」「公正と正義」「誠実と忠誠」の5原則がある。
- 善行の原則は、患者のために最善を尽くすことをいう(患者の症状、感情に合わせた最良の医療・看護提供など)。
▶102回午後4
倫理原則の「善行」はどれか。
- 患者に身体的損傷を与えない。
- 患者に利益をもたらす医療を提供する。
- すべての人々に平等に医療を提供する。
- 患者が自己決定し選択した内容を尊重する。
倫理委員会
- 人間を対象とする医学研究の倫理的原則を掲げたヘルシンキ宣言等を踏まえ、わが国は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を制定している。
- 倫理指針に基づき、倫理(審査)委員会は、臨床研究が倫理的配慮、科学的妥当性、研究機関・研究者等の利益相反に関する透明性が確保されているかどうかなどを審査する。
第6編1章 10.臨床研究・治験 p255~256
▶105回午前5
臨床研究を行うときに、研究対象者の立場を擁護するために審査を行う組織はどれか。
- 教育委員会
- 倫理委員会
- 医療事故調査委員会
- 院内感染対策委員会
C.看護師等の役割
看護師の倫理綱領
国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領では、看護師の基本的な看護の責任として、「健康の増進」「疾病の予防」「健康の回復」「苦痛の緩和と尊厳ある死の推奨」を挙げている。
▶106回午後5
国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。
- 疾病の回復
- 医師の補助
- 苦痛の緩和
- 薬剤の投与
アドボカシー(権利擁護)
アドボカシーは、権利擁護、代弁などの意で、患者や認知症高齢者など本人の意思や自己決定を尊重し、本人の保護を図ることが求められる。
第5編2章 7.権利擁護〈アドボカシー〉 p245
▶108回午後4
看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。
- 多職種と情報を共有する。
- 患者の意見を代弁する。
- 患者に害を与えない。
- 医師に指示を聞く。
▼看護師国家試験必修問題まとめ