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一般財団法人厚生労働統計協会|国民衛生の動向、厚生労働統計情報を提供

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113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目16「診療に伴う看護技術」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目16「診療に伴う看護技術」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.栄養法

経管・経腸栄養法
経静脈栄養法

B.薬物療法 与薬方法
薬効・副作用(有害事象)の観察
C.輸液・輸血管理 刺入部位の観察
点滴静脈内注射
輸血
D.採血 刺入部位
採血方法
採血後の観察内容、採血に関連する有害事象
E.呼吸管理 酸素療法の原則
酸素ボンベ
酸素流量計
鼻腔カニューラ
酸素マスク
ネブライザー
口腔内・鼻腔内吸引
気管内吸引
体位ドレナージ
F.救命救急処置 気道の確保
人工呼吸
胸骨圧迫
直流除細動器
自動体外式除細動器<AED>
止血法
トリアージ
G.皮膚・創傷の管理 創傷管理
褥瘡の予防・処置

 

 

A.栄養法

経腸栄養法

  • 経腸栄養法は、口からの食事が十分でない者に対して消化管機能を活用するもので、投与のルートやチューブの留置箇所により経鼻経管栄養法や胃瘻などがある。
  • 不適切な経腸栄養剤の浸透圧、投与量・速度、または栄養剤の細菌感染等により、下痢症状が生じることがある。

 

▶107回午前21

経腸栄養剤の副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 咳嗽
  2. 脱毛
  3. 下痢
  4. 血尿

 

 

経鼻経管栄養法

  • 経鼻胃管による栄養注入などを実施する際、先端が胃内にない場合、誤嚥等の事故につながるおそれがあるため、注入前に胃内容物を吸引し、胃液等を確認することで、胃内に胃管の先端が留置されていることを確認する必要がある。
  • 注入時に栄養剤の逆流を防ぐため、上半身を45度程度上げる半坐位(ファウラー位)が適している。

 

▶110回午前22

経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法で正しいのはどれか。

 

  1. 腹部を打診する。
  2. 肺音の聴取を行う。
  3. 胃管に水を注入する。
  4. 胃管からの吸引物が胃内容物であることを確認する。

 

 


 
▶109回午前20・105回午後21類問

経鼻経管栄養法を受ける成人患者の体位で適切なのはどれか。

 

  1. 砕石位
  2. 半坐位
  3. 腹臥位
  4. Sims〈シムス〉位

 

 

鼻孔から噴門の長さ

鼻孔から噴門(胃の入り口)は、個人差もあるが45〜55cmとされる。経鼻経管栄養法では、チューブの先端を留置する長さを決める際に目安となる。

 

▶104回午後22

成人の鼻孔から噴門までの長さで適切なのはどれか。

 

  1. 5〜15cm
  2. 25〜35cm
  3. 45〜55cm
  4. 65〜75cm

 

 

 

B.薬物療法

血中濃度の上昇が最も速い与薬方法

静脈内注射は、直接薬剤を血管内に投与し、全身に循環されるため、薬剤の吸収速度、血中濃度の上昇は最も速い。

 

▶105回午前22・112回午前22類問

薬剤の血中濃度の上昇が最も速い与薬方法はどれか。

 

  1. 坐薬
  2. 経口薬
  3. 筋肉内注射
  4. 静脈内注射

 

 

坐薬

坐薬は肛門に挿入して使用する薬剤で、徐々に溶け出して有効成分が直腸から直接吸収されるため、排出されないように挿入後しばらく肛門を押さえる必要がある。

 

▶113回午前22

成人への坐薬の挿入方法で正しいのはどれか。

 

  1. 息を止めるよう説明する。
  2. 右側臥位になるよう説明する。
  3. 挿入後1、2分肛門を押さえる。
  4. 肛門から2cmの位置に挿入する。

 

 

 

C.輸液・輸血管理

点滴静脈内注射

持続点滴静脈内注射は、主に肘や手首から離れた前腕内側の末梢静脈が選択される。

 

▶110回午後23

成人の持続点滴静脈内注射のために選択される部位で最も適切なのはどれか。

 

  1. 足背
  2. 鼠径
  3. 前腕内側
  4. 肘関節付近

 

 

点滴静脈内注射時の血管外漏出

点滴静脈内注射の際に、刺入部位の腫脹や疼痛、発赤などが生じた場合、血管外漏出の初期症状である。周辺組織の炎症や壊死につながり、重症化するおそれもあるため、直ちに注入を中止する必要がある。

 

▶103回午後21

点滴静脈内注射の血管外漏出で注意すべき初期症状はどれか。

 

  1. 疼痛
  2. 水疱
  3. 潰瘍
  4. 皮膚壊死

 

 


 
▶106回午前22

点滴静脈内注射中の刺入部位の腫脹を確認したときに、最初に実施するのはどれか。

 

  1. 体位を変える。
  2. 注入を中止する。
  3. 刺入部位を挙上する。
  4. 周囲のマッサージを行う。

 

 

輸液ポンプ

点滴静脈内注射で使用する輸液ポンプは、輸液の流量と予定量を設定し、一定の速度・正確な量で投与するための医療機器である。

 

▶110回午前23

輸液ポンプを使用する目的はどれか。

 

  1. 感染の防止
  2. 薬液の温度管理
  3. 薬物の効果判定
  4. 薬液の注入速度の調整

 

 


 
▶111回午後23・104回午後23類問

点滴静脈内注射で輸液ポンプを使用する際に設定する項目はどれか。

 

  1. 薬剤名
  2. 終了時間
  3. 投与月日
  4. 1時間あたりの流量

 

 

成人用輸液セット1mL当たり滴下数

成人用輸液セット1mL当たりの滴下数は20滴である。

 

▶105回午後22

成人用輸液セット1mL当たりの滴下数はどれか。

 

  1. 20滴
  2. 40滴
  3. 60滴
  4. 80滴

 

 

1分間の輸液セット滴下数の計算

1分あたりの輸液セット滴下数は、(総輸液量×1mLあたりの滴下数)÷時間(分)で計算する。

 

▶102回午後18

点滴静脈内注射1,800ml/日を行う。
一般用輸液セット(20滴≒1ml)を使用した場合、1分間の滴下数はどれか。

 

  1. 19滴
  2. 25滴
  3. 50滴
  4. 75滴

 

 

等張液

5%ブドウ糖液生理食塩液(0.9%塩化ナトリウム)は、血漿と浸透圧がほぼ等しい等張液である。

 

▶106回午後17

血漿と等張のブドウ糖溶液の濃度はどれか。

 

  1. 5%
  2. 10%
  3. 20%
  4. 50%

 

 


 
▶104回午前21

生理食塩水の塩化ナトリウム濃度はどれか。

 

  1. 0.9%
  2. 5%
  3. 9%
  4. 15%

 

 

高張液の希釈

15%塩化カリウム(高張液)の原液投与は、高カリウム血症による不整脈や心停止を起こす危険があり、必ず5%ブドウ糖液や0.9%塩化ナトリウム(生理食塩水)などの等張液で希釈して用いる。

 

▶107回午前22

静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。

 

  1. 5%ブドウ糖
  2. 15%塩化カリウム
  3. 0.9%塩化ナトリウム
  4. 7%炭酸水素ナトリウム

 

 

中心静脈からの投与

高カロリー輸液は、浸透圧が高い高張液のため、末梢静脈からの投与では静脈炎等を引き起こすおそれがあり、中心静脈から投与される(中心静脈栄養法)。

 

▶108回午後21

中心静脈から投与しなければならないのはどれか。

 

  1. 脂肪乳剤
  2. 生理食塩液
  3. 5%ブドウ糖液
  4. 高カロリー輸液

 

 

気胸

気胸は、外傷等により胸膜が損傷し、胸腔内に空気が漏れ出て肺が縮むことをいう。中心静脈カテーテルを用いて高カロリー輸液などを投与する際、中心静脈のそばにある肺を誤って穿刺することでも、気胸が生じるおそれがある。

 

▶103回午後20

鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。

 

  1. 肺炎
  2. 気胸
  3. 嗄声
  4. 無気肺

 

 

 

D.採血

採血検査の注射部位

成人の採血においては前腕の静脈が多く用いられ、橈側皮静脈、肘正中皮静脈、尺側皮静脈などが選択される。

 

▶108回午前22・103回午前20類問・113回午後22類問

成人の採血検査で最も用いられるのはどれか。

 

  1. 外頸静脈
  2. 大腿静脈
  3. 大伏在静脈
  4. 肘正中皮静脈

 

 

静脈血採血の手順

静脈血採血を行う際は、駆血帯を採血部位の5~10cm上部(中枢側)に巻き、21~23Gの太さの注射針で、血管の走行に合わせ10~30度の角度で刺入する。採血後はアルコール消毒綿を軽く当ててまっすぐ抜針し、刺入部位を5分程度圧迫止血する。

 

▶109回午後25

成人の静脈血採血で通常用いられる注射針の太さはどれか。

 

  1. 14G
  2. 18G
  3. 22G
  4. 26G

 

 


 
▶104回午前23・112回午後23類問

静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。

 

  1. 10〜30度
  2. 35〜40度
  3. 55〜60度
  4. 75〜80度

 

 


 
▶102回午前25

肘正中皮静脈からの採血における駆血部位の写真を別に示す。
102am25
正しいのはどれか。
ただし、×は刺入部である。

 

 

 


 
▶111回午前21

成人の静脈血採血で適切なのはどれか。

 

  1. 採血部位から2、3cm中枢側に駆血帯を巻く。
  2. 血管の走行に合わせ60度の角度で刺入する。
  3. 採血後は刺入部位を圧迫しながら抜針する。
  4. 刺入部位は5分以上圧迫し、止血する。

 

 

筋肉内注射の角度

筋肉内注射は、皮下組織の奥にある筋肉内に直接注射するため、確実に届くように45~90度の角度で刺入する。

 

▶111回午後22・105回午前21類問

注射針の刺入角度が45〜90度の注射法はどれか。

 

  1. 皮下注射
  2. 皮内注射
  3. 筋肉内注射
  4. 静脈内注射

 

 

皮下注射の手順

皮下注射では、23~25Gの注射針を使用し、皮下脂肪が5mm以上の部位の皮膚をつまみ上げ10~30度の角度で刺入する。

 

▶109回午前23

皮下注射で適切なのはどれか。

 

  1. 注射部位を伸展する。
  2. 注射針は18〜20Gを使用する。
  3. 針の刺入角度は45〜90度にする。
  4. 皮下脂肪が5mm以上の部位を選択する。

 

 

 

E.呼吸管理

酸素療法の適応

一般的な在宅酸素療法の適応基準は、動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60mmHg(Torr)未満とされる。

 

▶112回午前23

室内空気下での呼吸で、成人の一般的な酸素療法の適応の基準はどれか。

 

  1. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr以上
  2. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 60Torr未満
  3. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr以上
  4. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉 60Torr未満

 

 

酸素ボンベ等の取り扱い

酸素は燃焼を助ける性質が強いガスであり、酸素ボンベ等の使用時、保管時は火気厳禁である。

 

▶107回午前23

充塡された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。

 

  1. 横に倒して保管する。
  2. 保管場所は火気厳禁とする。
  3. バルブを開放して保管する。
  4. 日当たりの良い場所で保管する。

 

 


 
▶103回午前21

酸素吸入中に使用を禁止するのはどれか。

 

  1. 携帯電話
  2. ライター
  3. 電動歯ブラシ
  4. 磁気ネックレス

 

 


 
▶104回午後24

医療用酸素ボンベと酸素流量計とを図に示す。
104pm24
酸素の流量を調節するのはどれか。

 

 

 

ベンチュリーマスク

ベンチュリーマスクは酸素療法で用いる酸素投与器具で、色別されたダイリューターで24~50%の酸素濃度を調節し、酸素流量を設定することで、患者の1回換気量に左右されず安定した投与ができる。

 

▶105回午前24

ベンチュリーマスクの写真を別に示す。
105am24
酸素流量の設定と併せて吸入酸素濃度を調節するのはどれか。

 

 

 

鼻腔内吸引

  • 鼻腔内吸引は、吸引カテーテルを用いて鼻腔内の喀痰を体外に吸い出すものである。
  • カテーテルは、鼻孔粘膜を傷つけないように陰圧(吸引圧)をかけずに深部まで挿入し、陰圧をかけて回転させながら引き抜きつつ吸引する。
  • 1回の吸引時間は10~15秒を目安し、できるだけ短時間とする(低酸素血症の防止)。

 

▶105回午後24

鼻腔内の吸引で正しいのはどれか。

 

  1. 無菌操作で行う。
  2. 吸引圧をかけた状態で吸引チューブを挿入する。
  3. 鼻翼から一定の距離で固定して吸引する。
  4. 吸引チューブを回転させながら吸引する。

 

 


 
▶110回午前24

1回の鼻腔内吸引時間の目安で適切なのはどれか。

 

  1. 10〜15秒
  2. 20〜25秒
  3. 30〜35秒
  4. 40〜45秒

 

 

気管内吸引

  • 気管内吸引では、挿入開始から終了までの時間は15秒以内にすることが推奨され、30秒以上実施した場合、動脈血酸素飽和度〈SaO2〉が低下し、低酸素血症をきたすことがある。
  • 気管の粘膜を傷つけないために吸引圧は-100〜-150mmHgに調整する。

 

▶111回午前22

1回の気管内吸引を30秒以上実施した場合に生じるのはどれか。

 

  1. 嘔吐
  2. 感染
  3. 低酸素血症
  4. 気道粘膜の損傷

 

 


 
▶103回午後23

気管内吸引の時間が長いと低下しやすいのはどれか。

 

  1. 血圧
  2. 体温
  3. 血糖
  4. 動脈血酸素飽和度〈SaO2

 

 


 
▶106回午前23

成人患者の気管内の一時的吸引における吸引圧で正しいのはどれか。

 

  1. -100〜-150mmHg
  2. -200〜-250mmHg
  3. -300〜-350mmHg
  4. -400〜-450mmHg

 

 

体位ドレナージ

体位ドレナージは、痰が貯留した肺の部位を上にした体位をとり、重力により気道分泌物の排出(排痰)を促すことをいう。

 

▶104回午前24

体位ドレナージの直接の目的はどれか。

 

  1. 痛みの軽減
  2. 睡眠の導入
  3. 排痰の促進
  4. 廃用症候群の予防

 

 

 

F.救命救急処置

一次救命処置(BLS)の手順

  • 傷病者の反応がない場合、応援を呼ぶ・通報する・自動体外式除細動器〈AED〉を要請する。
  • 呼吸がない場合または死戦期呼吸の場合、胸骨圧迫30回(約5cmの強さ、100~120回/分の速さ)と人工呼吸2回の組み合わせによる処置を行う。
  • 正常な呼吸がある場合は、回復体位(横向きに寝た姿勢)にして気道を確保する。

 

▶111回午前24

成人に対する一次救命処置(BLS)において、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は( ):2である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 5
  2. 10
  3. 30
  4. 50

 

 


 
▶110回午前25・106回午後24類問

成人の心肺蘇生時の胸骨圧迫の深さの目安はどれか。

 

  1. 2cm
  2. 5cm
  3. 8cm
  4. 11cm

 

 


 
▶112回午後24

成人の一次救命処置〈BLS〉における胸骨圧迫の速さ(回数)で正しいのはどれか。

 

  1. 40~60回/分
  2. 70~90回/分
  3. 100~120回/分
  4. 130~150回/分

 

 


 
▶107回午後23

呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。

 

  1. 下肢を挙上する。
  2. 胸骨圧迫を行う。
  3. 回復体位をとる。
  4. 自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。

 

 

自動体外式除細動器〈AED〉

  • 自動体外式除細動器〈AED〉は、緊急性の高い致死性不整脈である心室細動を電気ショックによって取り除く(除細動)装置であり、医師以外の一般人にも使用が認められている。
  • 電極パッドは心臓を挟む形で右前胸部と左側胸部の位置に貼り付けて使用する。
  • 心電図の解析中に体に触れると正確な解析が行えないため、胸骨圧迫をやめて傷病者から離れる必要がある。

 

▶108回午後13・104回午前12類問

最も緊急性の高い不整脈はどれか。

 

  1. 心房細動
  2. 心室細動
  3. 心房性期外収縮
  4. Ⅰ度房室ブロック

 

 


 
▶110回午後24・102回午後20類問

自動体外式除細動器〈AED〉の電極パッドの貼付位置を図に示す。
適切なのはどれか。

 

110am24

 

 


 
▶113回午後23

自動体外式除細動器〈AED〉を使用するときに、胸骨圧迫を中断するのはどれか。

 

  1. 電源を入れるとき
  2. 電極パッドを貼るとき
  3. 心電図の解析中
  4. 電気ショックの直後

 

 

直流除細動器〈DC〉

直流除細動器は、電気ショックにより不整脈を治療する装置で、AEDとは異なり医療機関内で医師等が用いる。

 

▶104回午後25・113回午前24類問

直流除細動器の使用目的はどれか。

 

  1. 呼吸の促進
  2. 血圧の降下
  3. 不整脈の治療
  4. 意識レベルの評価

 

 


 
▶109回午前19

直流除細動器の使用目的はどれか。

 

  1. 血圧の上昇
  2. 呼吸の促進
  3. 洞調律の回復
  4. 意識レベルの回復

 

 

トリアージタグ

トリアージ(災害時等の治療優先度の決定)の際にはトリアージタグ(識別票)を利用し、傷病者の緊急度に応じて、優先順に(Ⅰ:最優先治療群・重症群)、(Ⅱ:待機的治療群・中等症群)、(Ⅲ:保留群・軽症群)、(0:不処置群・死亡群)と分類する。

 

▶108回午後22・102回午後21類問

赤色のトリアージタグが意味するのはどれか。

 

  1. 死亡群
  2. 保留群
  3. 最優先治療群
  4. 待機的治療群

 

 


 
▶106回午後25

災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。

 

  1. 脱臼
  2. 気道熱傷
  3. 足関節捻挫
  4. 過換気症候群

 

 

けいれん発作・意識障害がある患者への救命救急処置

全身性けいれん発作の多くは意識障害を伴い、強い筋収縮のため十分な呼吸ができない場合があり、嘔吐物や唾液等による窒息を防ぐ観点からも、回復体位にするなど気道の確保が優先される。

 

▶111回午後17

全身性けいれん発作を起こしている患者に最も優先して行うのはどれか。

 

  1. 気道確保
  2. 周囲の環境整備
  3. 末梢静脈路の確保
  4. 心電図モニターの装着

 

 


 
▶104回午後12

意識障害がある患者への救命救急処置で最も優先されるのはどれか。

 

  1. 保温
  2. 輸液
  3. 酸素吸入
  4. 気道確保

 

 

腹部圧迫法〈ハイムリック法〉

腹部圧迫法〈ハイムリック法〉は、異物が喉に詰まって、反応はあるが窒息が認められる傷病者に対し、上腹部を斜め上方に突き上げて気道異物を除去する方法である。

 

▶112回午後21

成人の気道の異物除去を目的とするのはどれか。

 

  1. 胸骨圧迫
  2. 人工呼吸
  3. 頭部後屈顎先挙上法
  4. 腹部圧迫法〈Heimlich〈ハイムリック〉法〉

 

 

 

G.皮膚・創傷の管理

圧迫止血法

失血を防ぐための圧迫止血法には、ガーゼなどで出血部位を強く押さえる直接圧迫止血法と、出血部位に近い中枢側(心臓側)の動脈を手や指で圧迫する(用手)間接圧迫止血法がある。

 

▶111回午前23

上腕出血時の間接圧迫止血の部位はどれか。

 

  1. 腋窩動脈
  2. 尺骨動脈
  3. 大腿動脈
  4. 橈骨動脈

 

 

包帯法の原則

  • 包帯法では、使用部位や創部の程度、用途に応じて、伸縮包帯や弾性包帯などを使い分ける。
  • 包帯を巻く際は、静脈の環流を妨げないよう末梢から中枢に向かって、強い圧迫を加えずに巻く。

 

▶106回午前24

包帯法の原則として適切なのはどれか。

 

  1. 患部を強く圧迫する。
  2. 屈伸可能な関節は固定する。
  3. 中枢から末梢に向けて巻く。
  4. 使用部位によって包帯を使い分ける。

 

 

環行帯

環行帯は、包帯法の巻き始めと巻き終わりに用いる巻き方で、同じ箇所に重ねて巻くものをいう。

 

▶109回午前22

包帯の巻き方を別に示す。
109回午前22
環行帯の巻き方で正しいのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 

創傷の治癒

感染を伴わない創傷の治療において、現在は湿潤療法が基本で、消毒液ではなく水で洗浄し、乾燥しないようにガーゼではなく創傷被覆材(ドレッシング材)で保護する。

 

▶108回午前23・103回午前22類問

感染を伴わない創傷の治癒を促進させる方法で適切なのはどれか。

 

  1. 乾燥
  2. 消毒
  3. 洗浄
  4. ガーゼ保護

 

 

褥瘡発生の予測スケール

Braden〈ブレーデン〉スケールは褥瘡発生の予測(リスクアセスメント)に用いるもので、①知覚の認知、②湿潤、③活動性、④可動性、⑤栄養状態、⑥摩擦とずれの6項目で評価される。

 

▶107回午前24

褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。

 

  1. ブリストルスケール
  2. Borg〈ボルグ〉スケール
  3. Braden〈ブレーデン〉スケール
  4. グラスゴー・コーマ・スケール

 

 

褥瘡のステージ分類

褥瘡の重症度は深達度によって分類され、ステージⅠは消退しない発赤、ステージⅡは部分欠損(水疱形成の場合がある)、ステージⅢは全層皮膚欠損、ステージⅣは全層組織欠損とされる。

 

▶111回午後24

褥瘡の深達度分類で水疱形成のステージはどれか。

 

 

 

褥瘡の好発部位

  • 仰臥位では、圧力が集中する後頭部、肩甲骨部、肘部、仙骨部踵骨部は褥瘡の好発部位である。
  • 側臥位では、圧力が集中する耳介部、腸骨稜部、大転子部、外果部は褥瘡の好発部位である。

 

▶109回午後24

仰臥位における褥瘡の好発部位はどれか。

 

  1. 踵骨部
  2. 内顆部
  3. 膝関節部
  4. 大転子部

 

 


 
▶102回午前20

仰臥位での褥瘡好発部位はどれか。

 

  1. 仙骨部
  2. 内顆部
  3. 腸骨稜部
  4. 大転子部

 

 


 
▶113回午後24

側臥位における褥瘡の好発部位はどれか。

 

  1. 後頭部
  2. 耳介部
  3. 仙骨部
  4. 肩甲骨部

 

 

温罨法

温罨法は、湯たんぽなどにより身体の一部に温熱刺激を与える方法である。効果としては、血管の拡張、血流の増加、新陳代謝の促進、平滑筋の弛緩、感覚・痛覚神経の興奮の鎮静(疼痛緩和)などが認められる。

 

▶108回午後23・102回午後19類問

温罨法の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 平滑筋が緊張する。
  2. 局所の血管が収縮する。
  3. 還流血流量が減少する。
  4. 痛覚神経の興奮を鎮静する。

 

 

ゴム製湯たんぽ

温罨法で用いられるゴム製湯たんぽは、60℃程度のお湯を約3分の2程度入れて、空気を抜いて使用する。

 

▶105回午後23

ゴム製湯たんぽに入れる湯の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 40℃程度
  2. 60℃程度
  3. 80℃程度
  4. 100℃程度

 

 

冷罨法

冷罨法は、冷却による局所の炎症の抑制や解熱などの効果がある。冷罨法で用いられる氷枕の作成にあたっては、氷は半分程度にする、乾いたタオルで巻く、内部の空気は抜く、水漏れがないことを確認する。

 

▶106回午後23

氷枕の作り方で適切なのはどれか。

 

  1. 氷を隙間なく入れる。
  2. 濡れたタオルで覆う。
  3. 内部の空気は残しておく。
  4. 水漏れがないことを確認する。

 

 

乾性罨法・湿性罨法

温罨法と冷罨法には、乾いた状態で器具を用いる乾性罨法、湿った状態で器具を用いる湿性罨法があり、上記湯たんぽや氷枕は乾いた状態で用いるため乾性罨法、湿布の一つである冷パップは湿性罨法である。

 

▶103回午後22

湿性罨法はどれか。

 

  1. 氷枕
  2. 冷パップ
  3. 湯たんぽ
  4. 電気あんか

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目15「患者の安全・安楽を守る看護技術」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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定価:2,970円(税込)

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目15「患者の安全・安楽を守る看護技術」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.療養環境

病室環境
共有スペース
居住スペース

B.医療安全対策 転倒・転落の防止
誤薬の防止
患者誤認の防止
誤嚥・窒息の防止
コミュニケーションエラーの防止
C.感染防止対策 標準予防策<スタンダードプリコーション>
感染経路別予防策
手指衛生
必要な防護用具(手袋、マスク、ガウン、ゴーグル)の選択・着脱
無菌操作
滅菌と消毒
針刺し・切創の防止
感染性廃棄物の取り扱い

 

 

A.療養環境

身体拘束

  • 医療施設等で身体の自由を奪う身体拘束は、生命または身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き行ってはならない。
  • 自分で降りられないようにベッドを柵(サイドレール)で囲むことは身体拘束の禁止対象となる行為とされる。

 

▶113回午後4

平成13年(2001年)の「身体拘束ゼロの手引き」において身体拘束の禁止対象となる行為はどれか。

 

  1. L字バーを設置する。
  2. 離床センサーを設置する。
  3. 点滴ルートを服の下に通して視野に入らないようにする。
  4. ベッドを柵(サイドレール)で囲んで降りられないようにする。

 

 

 

B.医療安全対策

インシデントレポート

インシデントレポートは、医療事故につながりかねないインシデント(ヒヤリ・ハット)が発生した場合、再発防止のために状況把握、要因分析、対策、情報共有を行うものである。

第4編1章 3.10〕医療安全に係る取り組み p179~180

 

▶103回午前9

インシデントレポートの目的はどれか。

 

  1. 責任の追及
  2. 再発の防止
  3. 懲罰の決定
  4. 相手への謝罪

 

 

転倒・転落の防止

重大な転倒・転落事故を避けるために、その危険性が高い患者については以下のような点に留意する。

 

  • ベッドを端座位時に膝関節が90度で足底全体が床につく高さとする。
  • 転倒・転落防止のため、離床を検知・通知する離床センターを使用する。
  • 床との摩擦が低下するスリッパを使用しない。

 

▶108回午後20

転倒・転落の危険性が高い成人の入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれか。

 

  1. 夜間はおむつを使用する。
  2. 履物はスリッパを使用する。
  3. 離床センサーの使用は控える。
  4. 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。

 

 

転倒・転落リスクを高める薬

降圧薬による血圧の低下により、起立性低血圧などめまいやふらつき、意識障害が起こり、転倒・転落を起こすリスクが高まる。

 

▶111回午後21・103回午後19類問

転倒・転落を起こすリスクを高める薬はどれか。

 

  1. 降圧薬
  2. 抗凝固薬
  3. 気管支拡張薬
  4. 副腎皮質ステロイド薬

 

 

転倒による骨折部位

  • 大腿骨頸部は、大腿骨の骨頭を支える部分であり、骨盤と関節を作っている。
  • 加齢や運動低下に伴う骨密度の減少した高齢者の転倒により、骨折が多くみられる(大腿骨頸部骨折)部位である。

 

▶111回午前11

右大腿骨前面を図に示す。
111am11
大腿骨頸部はどれか。

 

 

 


 
▶103回午前23

高齢者の転倒による骨折が最も多い部位はどれか。

 

  1. 頭蓋骨
  2. 肩甲骨
  3. 肋骨
  4. 尾骨
  5. 大腿骨

 

 

与薬時の誤認防止

患者の誤認を防止するため、名前(フルネーム)の聞き取りや、入院時から付ける患者識別バンド(ネームバンド)により、本人の確認・照合を行う。

 

▶106回午後7

入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。

 

  1. 診察券
  2. お薬手帳
  3. 健康保険証
  4. ネームバンド

 

 

 

C.感染防止対策

標準的な感染予防策(スタンダードプリコーション)

感染源の有無にかかわらず、血液・体液、分泌物、排泄物、創傷のある皮膚・粘膜(湿性生体物質汗は除く)を介する微生物の伝播リスクを減らすために、すべての患者に対して標準的な感染予防策(スタンダードプリコーション)を行う。

第4編1章 3.11〕院内感染対策 p180~181

 

▶109回午後21・107回午後19類問・105回午後20類問

標準予防策〈スタンダードプリコーション〉で感染源として取り扱うのはどれか。

 

  1. 唾液
  2. 頭髪

 

 

手洗い(手指衛生)

標準的な感染予防策のうち、手洗い(手指衛生)は普通石けん(非抗菌性)と流水による物理的な手洗いによる。

第4編1章 3.11〕院内感染対策 p180~181

 

▶110回午前21

感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。

 

  1. 石けんは十分に泡立てる。
  2. 洗面器に溜めた水で洗う。
  3. 水分を拭きとるタオルを共用にする。
  4. 塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。

 

 

個人防護具

標準的な感染予防策として用いられる個人防護具の着脱において、汚染の程度が高い手袋は最初に外す(着ける際は最後)。

第4編1章 3.11〕院内感染対策 p180~181

 

▶112回午前20

個人防護具の脱衣手順で最初に外すのはどれか。

 

  1. 手袋
  2. ガウン
  3. サージカルマスク
  4. フェイスシールド

 

 

感染経路別予防策

感染経路別予防策として、結核や麻疹など空気感染のおそれのある患者については病室を陰圧室とし、入室するときはN95マスクを装着する。

第4編1章 3.11〕院内感染対策 p180~181

 

▶110回午後21・102回午前18類問

空気感染を予防するための医療者の個人防護具で適切なのはどれか。

 

  1. 手袋
  2. N95マスク
  3. シューズカバー
  4. フェイスシールド

 

 

感染性廃棄物

感染性廃棄物を収納した容器にはバイオハザードマークを付けることが推奨され、マークの色は、「液状又は泥状のもの」(血液等)は赤色、「固形状のもの」(血液等が付着したガーゼ等)は橙色、「鋭利なもの」(注射針等)は黄色と分けることが望ましい。

第9編4章 4.2〕感染性廃棄物 p339

 

▶103回午前18

感染性廃棄物の廃棄容器に表示するのはどれか。

 

biohazardmark

 

 


 
▶111回午前20・108回午前21類問

使用後の注射針を廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。

 

 

 

無菌操作

  • 無菌操作は、外科処置による感染リスクを抑えるため、滅菌された防護具、滅菌器具を用いて、無菌状態を保持しながら取り扱うことをいう。
  • 原則無菌状態である下気道に挿管する気管内吸引や、尿路感染のリスクが高い尿道カテーテル挿入時には無菌操作を行う。

 

▶102回午前19・113回午前21類問

無菌操作を必要とするのはどれか。

 

  1. 鼻腔吸引
  2. 気管内吸引
  3. 口腔内吸引
  4. 胃内容物の吸引

 

 


 
▶112回午前22

看護師が行う処置で滅菌手袋を使用すべきなのはどれか。

 

  1. 筋肉内注射
  2. 口腔内吸引
  3. ストーマパウチの交換
  4. 尿道カテーテルの挿入

 

 

滅菌物の取扱い

手術や検査等の医療行為時には、滅菌された器具の無菌状態を保ちながら操作する必要がある(無菌操作)。

 

  • 外装である滅菌パックは、開封面を上向きに、ハサミを用いずに外側にめくるように手で開く。
  • 器具を個包装した滅菌包みは、清潔な内側には触れず、外側の端を手でつまんで開く。
  • 鑷子(ピンセット)を滅菌包みから取り出す際は先端を下向きに、外部環境に触れないように閉じた状態で取り出す。

 

▶109回午前18

滅菌物の取り扱いで正しいのはどれか。

 

  1. 鉗子の先端は水平より高く保つ。
  2. 鑷子の先端を閉じた状態で取り出す。
  3. 滅菌パックはハサミを用いて開封する。
  4. 滅菌包みは布の内側の端を手でつまんで開く。

 

 

オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)

オートクレーブを用いた滅菌を高圧蒸気滅菌といい、乾熱滅菌等に比べて低温・短時間での滅菌ができる。

 

▶106回午前21・112回午前21類問

オートクレーブによる滅菌法はどれか。

 

  1. 乾熱滅菌
  2. プラズマ滅菌
  3. 高圧蒸気滅菌
  4. 酸化エチレンガス滅菌

 

 

感染制御チーム

医療機関は平時から感染制御の組織化を行うこととされ、300床以上の病床を有する医療機関では医師、看護師、薬剤師、検査技師からなる感染制御チームを設置し、定期的な病棟ラウンドを行うことが望ましいとされる。

第4編1章 3.11〕院内感染対策 p180~181

 

▶106回午後10

病床数300床以上の医療機関で活動する感染制御チームで適切なのはどれか。

 

  1. 医師で構成される。
  2. 各病棟に配置される。
  3. アウトブレイク時に結成される。
  4. 感染症に関するサーベイランスを行う。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目14「日常生活援助技術」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目14「日常生活援助技術」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.食事

食事の環境整備、食事介助
誤嚥の予防

B.排泄 排泄の援助(床上、トイレ、ポータブルトイレ、おむつ)
導尿
浣腸
摘便
失禁のケア
C.活動と休息 体位、体位変換
移動、移送
ボディメカニクス
廃用症候群の予防
睡眠
D.清潔 入浴、シャワー浴
清拭
口腔ケア
洗髪
手浴、足浴
陰部洗浄
整容
寝衣交換

 

 

A.食事

嚥下障害

  • 食物が口から胃に入るまでの嚥下過程に障害があることを嚥下障害という。
  • 嚥下障害の原因として、口腔や咽頭、食道などの器官に解剖学的な構造異常がある器質的変化と、構造異常はないが嚥下動作に異常が見られる機能的な原因がある。
  • 食道粘膜の細胞ががん化する食道癌では、器質的変化に伴う食道狭窄等により嚥下障害が出現する。

 

▶113回午後14

器質的変化で嚥下障害が出現する疾患はどれか。

 

  1. 食道癌
  2. 脳血管疾患
  3. 筋強直性ジストロフィー
  4. Guillain-Barré〈ギラン・バレー〉症候群

 

 

食事介助

嚥下障害のある患者の食事介助時には、食物が気管に入る誤嚥に細心の注意を払う必要があり、以下のような点に留意する。

 

  • 顎を上げる頸部後屈では咽頭と気管が直線的になり誤嚥が生じやすいため、頸部前屈の体位で行う。
  • 嚥下しやすいように適度な水分摂取は必要であるが、誤嚥しやすいためとろみをつける。

 

▶110回午後18・106回午前18類問

自力での摂取が困難な成人患者の食事介助で適切なのはどれか。

 

  1. 水分の少ない食べ物を準備する。
  2. 時間をかけずに次々と食物を口に入れる。
  3. 患者に食事内容が見える位置に食器を配置する。
  4. 患者の下顎が上がるよう高い位置からスプーンを操作する。

 

 


 
▶109回午前16・107回午後17類問

誤嚥しやすい患者の食事の援助で適切なのはどれか。

 

  1. 食材は細かく刻む。
  2. 水分の摂取を促す。
  3. 粘りの強い食品を選ぶ。
  4. 頸部を前屈した体位をとる。

 

 


 
▶102回午後15

嚥下障害のある患者の食事介助で適切なのはどれか。

 

  1. 水分はとろみをつける。
  2. 頸部を伸展する。
  3. 一口量を多くする。
  4. むせたときには水を飲ませる。

 

 

言語聴覚士

言語聴覚士は、音声機能、言語機能、聴覚に障害のある者に対して、言語訓練や摂食・嚥下訓練、これに必要な検査、助言、指導などの援助を行うことを業とする者である。

第4編1章 4.5〕その他の医療関係職種 p197~199

 

▶104回午後10

嚥下困難のある患者への嚥下訓練において連携する職種で最も適切なのはどれか。

 

  1. 歯科技工士
  2. 言語聴覚士
  3. 義肢装具士
  4. 臨床工学技士

 

 

 

B.排泄

排泄の援助

  • 差し込み便器は床上で行う排泄の援助時に用いるもので、女性患者には高まっている幅の広い側を殿部にし、肛門が中央に位置するように差し込む。
  • 床上での排便時は、上半身を軽く挙上した半坐位(ファウラー位)であると、腹圧がかけやすく排便しやすい。

 

▶104回午前19

女性患者の床上排泄で洋式便器をあてる位置を図に示す。
適切なのはどれか。

 

104am19

 

 


 
▶113回午後20

床上で排便しやすい体位はどれか。

 

  1. 仰臥位
  2. 側臥位
  3. Sims〈シムス〉位
  4. Fowler〈ファウラー〉位

 

 

グリセリン浣腸

  • グリセリン浣腸は腸管の蠕動を促し、排泄を促進させる目的で使用する。
  • 直腸穿孔のおそれがあるため立位による浣腸は危険であり、左側臥位による5~6cm程度のチューブ挿入を実施する。
  • 浣腸液の温度は直腸温(深部体温)よりもやや高い約40℃とする。

 

▶107回午前16

排便を促す目的のために浣腸液として使用されるのはどれか。

 

  1. バリウム
  2. ヒマシ油
  3. グリセリン
  4. エタノール

 

 


 
▶106回午後19・102回午後16類問

グリセリン浣腸を実施する際、腸管孔の危険性が最も高い体位はどれか。

 

  1. 立位
  2. 仰臥位
  3. 腹臥位
  4. 左側臥位

 

 


 
▶108回午後18

成人のグリセリン浣腸で肛門に挿入するチューブの深さはどれか。

 

  1. 2cm
  2. 5cm
  3. 12cm
  4. 15cm

 

 


 
▶103回午前16・112回午後18類問

注入時の浣腸液の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 32~33℃
  2. 36~37℃
  3. 40~41℃
  4. 44~45℃

 

 

器質性便秘

器質性便秘は、大腸癌や腸管の炎症、癒着などにより通過障害が起きる便秘である。

 

▶111回午後19

大腸の狭窄による便秘はどれか。

 

  1. 器質性便秘
  2. 痙攣型便秘
  3. 弛緩型便秘
  4. 直腸性便秘

 

 

導尿

  • 導尿は、導尿カテーテルを尿道に挿入し、膀胱内の尿を排出させることである。
  • 男性の導尿では尿道が屈曲しているため、陰茎を腹膜に対し約90度引き上げて開始し、約18~20cmを挿入する。
  • 女性の導尿では約4~7cmを挿入する。

 

▶107回午後18・113回午後19類問

男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。

 

  1. 30〜40度
  2. 80〜90度
  3. 120〜130度
  4. 160〜170度

 

 


 
▶104回午後20

成人男性の間欠的導尿においてカテーテルを挿入する長さで適切なのはどれか。

 

  1. 6〜8cm
  2. 12〜14cm
  3. 18〜20cm
  4. 24〜26cm

 

 


 
▶102回午前16

成人女性に一時的な導尿を行う際に、カテーテルを挿入する長さはどれか。

 

  1. 1〜3cm
  2. 5〜7cm
  3. 9〜11cm
  4. 18〜20cm

 

 

腹圧性尿失禁

  • 腹圧性尿失禁は、重い物を持ち上げたときや運動時、せき・くしゃみをしたときなど、腹部に力を加えたときに起こる不随意の尿漏れである。
  • 骨盤底筋の衰えにより尿道がコントロールできないことが原因であるため、行動療法として骨盤底筋訓練が効果的である。

 

▶102回午後25

努責やくしゃみをしたときに生じる尿失禁はどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁
  2. 機能性尿失禁
  3. 切迫性尿失禁
  4. 反射性尿失禁
  5. 腹圧性尿失禁

 

 


 
▶105回午前18

骨盤底筋訓練が最も有効なのはどれか。

 

  1. 溢流性尿失禁
  2. 切迫性尿失禁
  3. 反射性尿失禁
  4. 腹圧性尿失禁

 

 

 

C.活動と休息

坐位

胃食道逆流は胃酸が食道へ逆流することをいい、加齢等による下部食道括約筋の弛緩によって生じる。食後に起こりやすく、食後は上半身を起こした坐位や半坐位(ファウラー位)をとることが望ましい。

 

▶108回午前18・112回午前18類問

成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。

 

  1. 左側臥位
  2. 半側臥位
  3. 仰臥位
  4. 坐位

 

 

ファウラー位(半坐位)

ファウラー位(半坐位)は上半身を45度程度上げる体位で、肺の圧迫を軽減するため呼吸が楽になるほか、経鼻経管栄養法による栄養剤の逆流や、食事中・食後の胃食道逆流を防ぐ際にも適している。

 

▶102回午前24

体位の写真を別に示す。
102am24
Fowler〈ファウラー〉位はどれか。

 

 

 

シムス位

Sims〈シムス〉位は、特に妊娠中の安楽体位として用いられる。

 

▶106回午後20

体位を図に示す。
Sims〈シムス〉位はどれか。

 

106pm20

 

 

患者の水平移動時の移送

  • ストレッチャー等で水平の移動をする際には、患者の足側の方向に進む。
  • 先行する看護者は進行方向の安全や進路を確認するため前を向き、後行する看護者は患者の状態を観察しながら移送する。

 

▶103回午前17

水平移動時の移送方法の写真を別に示す。
103am17
適切なのはどれか。

 

 

 

片麻痺

片麻痺とは、脳梗塞などにより左右どちらかの半身に麻痺の症状がみられるものをいう。

 

▶110回午後14

四肢のうち麻痺している部位を斜線で図に示す。
片麻痺はどれか。

 

110pm14

 

 

脱健着患

片麻痺等のある者や片腕の持続点滴患者の衣類の着脱(介助)時には脱健着患が原則で、脱ぐときは健側から、着るときは患側から行う。

 

▶111回午後20・103回午後18類問

左片麻痺患者の上衣の交換で適切なのはどれか。

 

  1. 左腕から脱がせ、左腕から着せる。
  2. 左腕から脱がせ、右腕から着せる。
  3. 右腕から脱がせ、左腕から着せる。
  4. 右腕から脱がせ、右腕から着せる。

 

 


 
▶108回午後19

右前腕に持続点滴をしている患者の寝衣交換で適切なのはどれか。

 

  1. 左袖から脱ぎ、右袖から着る。
  2. 左袖から脱ぎ、左袖から着る。
  3. 右袖から脱ぎ、左袖から着る。
  4. 右袖から脱ぎ、右袖から着る。

 

 

片麻痺のある患者の車椅子への移乗介助

左片麻痺のある患者の車椅子への移乗時は、麻痺のない右側に車椅子を約15~30度の角度で近づけ、車椅子の外側の肘掛け部分に右手を置いて立ち上がり、右足を軸に体を回転して腰を下ろす(右片麻痺患者では左右反対)。

 

▶107回午前20

患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。
左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

 

107am20

 

 

ボディメカニクス

体重等を支える床面積を支持基底面といい、両足を広げて支持基底面を広げるほど、膝を曲げて支持基底面に重心を近づけるほど動作は安定する。

 

▶108回午前19

動作を安定させるために行うのはどれか。

 

  1. 重心位置を低くする。
  2. 足を閉じた姿勢にする。
  3. 底が滑らかな素材の靴を履く。
  4. 重心線を支持基底面の中心より遠くする。

 

 


 
▶104回午前20

シーツ交換時にシーツを引っ張る動作でボディメカニクスを応用した姿勢はどれか。

 

  1. 両足を前後に開き、両膝を伸ばす。
  2. 両足を前後に開き、両膝を曲げる。
  3. 両足をそろえ、両膝を伸ばす。
  4. 両足をそろえ、両膝を曲げる。

 

 

廃用症候群

長期臥床などの活動性の低下により、筋萎縮や骨萎縮、起立性低血圧、食欲低下など、二次的に身体機能が低下する廃用症候群が生じやすくなる。

 

▶112回午後19

不活動状態が持続することで生じるのはどれか。

 

  1. 廃用症候群
  2. 緊張病症候群
  3. 慢性疲労症候群
  4. シックハウス症候群

 

 


 
▶102回午後17

長期臥床によって生じるのはどれか。

 

  1. 高血糖
  2. 筋萎縮
  3. 食欲増進
  4. 心拍出量の増加

 

 

 

D.清潔

入浴の効果

入浴による温熱作用により、手足の末梢血管が拡張することで、血行が促進(循環血液量の増加)される。また、筋肉の緊張が緩むことで、リラックス効果、疼痛の緩和、睡眠促進される。

 

▶109回午後20

入浴の温熱作用はどれか。

 

  1. 筋緊張が増す。
  2. 末梢血管が拡張する。
  3. 慢性疼痛が増強する。
  4. 循環血液量が減少する。

 

 

入浴の援助

  • 入浴の援助として、入浴前には温度の急激な変化による血圧の大幅な変動を避けるために浴室と脱衣所の温度差を小さくし、脱水を避けるために十分な水分を摂取する。
  • 入浴時には徐々に湯温に慣れるため、始めにシャワーで全身を洗ってから、38~40℃程度の湯に5分程度浸かる。

 

▶112回午後20

入浴の援助で正しいのはどれか。

 

  1. 入浴前後は水分制限をする。
  2. 入浴時の湯温は45℃とする。
  3. 脱衣室と浴室の温度差を小さくする。
  4. 浴室に入り、始めに浴槽に浸かるように促す。

 

 

全身清拭

  • 全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度は40℃程度が適している。
  • 一方、洗面器に準備する湯の温度は、準備時間やタオルで湯を絞る際に温度が下がるため50〜55℃とされる。

 

▶112回午前19

全身清拭時に皮膚に触れるタオルの温度で適切なのはどれか。

 

  1. 20〜22℃
  2. 30〜32℃
  3. 40〜42℃
  4. 50〜52℃

 

 


 
▶105回午後19

全身清拭時、洗面器に準備する湯の温度で適切なのはどれか。

 

  1. 20〜25℃
  2. 30〜35℃
  3. 40〜45℃
  4. 50〜55℃

 

 

口腔ケア

  • 口腔ケアは、歯肉出血がある場合でも、含嗽ができない場合でも、経口摂取をしていない場合でも実施する(できる)。
  • 義歯の下の歯茎や粘膜の衛生を保つため、口腔ケア時や就寝時には義歯を外すことが望ましい。

 

▶105回午前19

口腔ケアで適切なのはどれか。

 

  1. 歯肉出血がある場合は実施しない。
  2. 含嗽ができない患者には禁忌である。
  3. 経口摂取の有無に関係なく実施する。
  4. 総義歯の場合は義歯を入れた状態で実施する。

 

 


 
▶111回午前19

高齢者の義歯の取り扱い方法で正しいのはどれか。

 

  1. 就寝時に外す。
  2. 熱湯で洗浄する。
  3. 保管時は乾燥させる。
  4. 総義歯は奥歯を起点に外す。

 

 

洗髪の介助

洗髪の介助では、40℃前後のお湯で、頭をあまり揺らさず、地肌を傷つけないように指の腹で揉むように洗う。

 

▶110回午後20・105回午後18類問

患者の洗髪の介助方法で適切なのはどれか。

 

  1. 30℃の湯をかける。
  2. 脱脂綿で耳栓をする。
  3. 指の腹を使って洗う。
  4. 強い振動を加えて洗う。

 

 

足浴

  • 足浴は全身浴と比べて心臓への負担が少なく、血行や睡眠の促進効果が認められる。
  • 湯の適温は体温より少し高い38〜40℃程度とされる。

 

▶106回午前19

足浴の効果で最も期待されるのはどれか。

 

  1. 食欲増進
  2. 睡眠の促進
  3. 筋緊張の亢進
  4. 皮膚温の低下

 

 


 
▶110回午前20

足浴に使用する湯の温度で最も適切なのはどれか。

 

  1. 26〜28℃
  2. 32〜34℃
  3. 38〜40℃
  4. 44〜46℃

 

 

陰部洗浄

陰部洗浄に用いる湯は、湯の適温は体温より少し高い38〜40℃程度とされる。

 

▶109回午前17

陰部洗浄に使用する湯の温度で最も適切なのはどれか。

 

  1. 30〜31℃
  2. 34〜35℃
  3. 38〜39℃
  4. 42〜43℃

 

 

爪の切り方

爪の割れや剥がれを防止し、接触する人や物を傷つけることのないように、爪の長さは指の先端と同じにし、角に丸みを出す。

 

▶102回午前17

爪の切り方の模式図を示す。
爪のケアとして適切な切り方はどれか。

 

102am17

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目13「看護における基本技術」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

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▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目13「看護における基本技術」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.コミュニケーション

言語的コミュニケーション
非言語的コミュニケーション
面接技法

B.看護過程 情報収集、アセスメント
計画立案
実施
評価
C.フィジカルアセスメント バイタルサインの観察
意識レベルの評価
呼吸状態の観察
腸蠕動音聴取
運動機能の観察

 

 

A.コミュニケーション

患者とのコミュニケーション

患者とのコミュニケーションにおいては、患者からの言語的・非言語的な情報を、否定的感情を含めて積極的に受け取ること(傾聴・観察)が重要である。

 

▶109回午後19

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 否定的感情の表出を受けとめる。
  2. 沈黙が生じた直後に会話を終える。
  3. 看護師が伝えたいことに重点をおく。
  4. 患者の表情よりも言語による表現を重視する。

 

 


 
▶104回午後18

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 専門用語を用いて説明する。
  2. 視線を合わせずに会話をする。
  3. 沈黙が生じたら会話を終える。
  4. 患者の非言語的な表現を活用する。

 

 

Open-ended question〈開かれた質問〉

Open-ended question〈開かれた質問〉は、質問者があらかじめ知っている情報を確認する質問や、暗に方向付けることを避け、相手自身の言葉で語ってもらう質問の進め方をいう。

 

▶111回午前16・107回午前18類問

Open-ended question〈開かれた質問〉はどれか。

 

  1. 「頭は痛みませんか」
  2. 「昨夜は眠れましたか」
  3. 「気分は悪くありませんか」
  4. 「自宅ではどのように過ごしていましたか」

 

 

 

B.看護過程

看護過程

  • 看護過程は、①アセスメント(情報収集等)、②看護診断、③計画立案、④実施、⑤評価の5段階からなり、効率的に看護目標を達成するためのプロセスである。
  • 根拠に基づいた問題解決思考は、看護過程の展開を行う上で重要となる能力である。

 

▶108回午後17

看護師が行う看護過程で適切なのはどれか。

 

  1. 問題解決思考である。
  2. 医師の指示の下で計画を立てる。
  3. 看護師の価値に基づいてゴールを設定する。
  4. アセスメント、計画立案、評価の3段階で構成される。

 

 

主観的情報

  • 主観的情報は患者の話や訴えから得られた情報で、観察や測定で得られる客観的情報と区別して、患者の状態を把握する。
  • 呼吸困難は、息苦しさなど患者が感じる主観的情報で評価される。

 

▶110回午前18・103回午後17類問

患者の主観的情報はどれか。

 

  1. 苦悶様の顔貌
  2. 息苦しさの訴え
  3. 飲水量
  4. 脈拍数

 

 


 
▶113回午後17

看護過程における客観的情報はどれか。

 

  1. 家族の意見
  2. 患者の表情
  3. 患者の痛みの訴え
  4. 患者の病気に対する思い

 

 


 
▶104回午前14

呼吸困難とはどれか。

 

  1. 脈拍数の増加
  2. 息苦しさの自覚
  3. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の低下
  4. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下

 

 

薬物の有害作用の予測

アナフィラキシーショックの予防等を含め、医薬品等により引き起こされる有害作用を予測するため、アレルギー反応(過敏反応)やアレルギー性疾患(過敏症)の既往についての情報を収集することが適切である。

第3編4章 4.リウマチ・アレルギー疾患対策 p159~160

 

▶110回午後22・103回午前19類問

薬物の有害な作用を予測するために収集する情報はどれか。

 

  1. 居住地
  2. 家族構成
  3. 運動障害の有無
  4. アレルギーの既往

 

 

 

C.フィジカルアセスメント

フィジカルアセスメント

  • フィジカルアセスメントの一般的な順番として、「問診」「視診」「触診」「打診」「聴診」と、侵襲度(物理的接触)の低い方法から行う。
  • このうち触診では、皮下に存在するリンパ節の腫脹の有無を体表から確認することができる。

 

▶113回午後18

フィジカルアセスメントで問診の次に行うのはどれか。

 

  1. 視診
  2. 触診
  3. 打診
  4. 聴診

 

 


 
▶110回午後19

フィジカルアセスメントにおいて触診で有無を判断するのはどれか。

 

  1. 腱反射
  2. 瞳孔反射
  3. 腸蠕動運動
  4. リンパ節の腫脹

 

 

心音の聴取

  • 心音は胸壁の上から聴取する心臓の収縮・拡張音であり、低く長いⅠ音と高く短いⅡ音が聴取される。
  • 第5肋間左鎖骨中線上心尖部では、僧帽弁が発するⅠ音を聴取しやすい。

 

▶108回午前17

心音の聴取でⅠ音がⅡ音より大きく聴取されるのはどれか。
ただし、●は聴取部位を示す。

 

108am17

 

 

異常呼吸音

異常呼吸音(副雑音)は、断続性副雑音(細かい捻髪音と粗い水泡音)、連続性副雑音(低調性のいびき音と高調性の笛音)、胸膜摩擦音に分類される。

 

▶107回午前19

異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。

 

  1. 笛のような音〈笛音〉
  2. いびきのような音〈類鼾音〉
  3. 耳元で髪をねじるような音〈捻髪音〉
  4. ストローで水に空気を吹き込むような音〈水泡音〉

 

 


 
▶113回午前18

異常な呼吸音のうち低調性連続性副雑音はどれか。

 

  1. 笛のような音〈笛音〉
  2. いびきのような音〈類鼾音〉
  3. 耳元で髪をねじるような音〈捻髪音〉
  4. ストローで水に空気を吹き込むような音〈水泡音〉

 

 

チェーン-ストークス呼吸

チェーン-ストークス呼吸は、中枢性睡眠時無呼吸症候群でみられる特徴であり、小さな呼吸から大きな呼吸、小さな呼吸、呼吸の停止(10~20秒程度の無呼吸)の周期を繰り返す。

 

▶111回午前18

呼吸パターンを図に示す。
111am18
Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸はどれか。

 

 

 

圧痛点

  • 圧痛点は、指などで圧迫した際に強い痛みを感じる部分をいい、疾患によって特定の圧痛点があり、診断に用いられる。
  • 右下腹部にあるマックバーネー点急性虫垂炎の圧痛点である。

 

▶112回午後25

腹部前面を図に示す。
112pm25
McBurney〈マックバーニー〉圧痛点はどれか。

 

 

 


 
▶102回午後22

McBurney〈マックバーネー〉点の圧痛を特徴とする疾患はどれか。

 

  1. 胃潰瘍
  2. 急性膵炎
  3. 尿管結石症
  4. 急性虫垂炎
  5. 子宮内膜症

 

 

脈拍の測定方法

橈骨動脈が通り、拍動が測りやすい部分(母指側)に、示指、中指、薬指の指先を添えて脈拍の回数を数える。

 

▶109回午前15

成人の橈骨動脈における脈拍の測定方法で正しいのはどれか。

 

109am15

 

 

脈拍数の基準値

脈拍数の基準値(目安)は、新生児期で120~140/分、乳児期で110~130/分、幼児期で90~110/分、学童期で80~100/分、成人期で60~100/分とされ、加齢とともに低くなる。

 

▶111回午前8・105回午後6類問

学童期の脈拍数の基準値はどれか。

 

  1. 50〜70/分
  2. 80〜100/分
  3. 110〜130/分
  4. 140〜160/分

 

 


 
▶104回午後19

成人の安静時における所見で異常なのはどれか。

 

  1. 体温36.2℃
  2. 呼吸数12/分
  3. 脈拍116/分
  4. 血圧128/84mmHg

 

 

血圧測定

血圧測定の際には腕にマンシェットを巻くが、以下のような点に留意する。

 

  • 血圧の変動を避けるために心臓と同じ高さに巻く。
  • 指が1、2本入る程度の強さで巻く。
  • マンシェットの幅は14cm程度とする。
  • マンシェットの下端は肘関節よりも2~3cm上方になるように巻く。

 

▶112回午後17

上腕動脈で行う聴診法による血圧測定で適切なのはどれか。

 

  1. 成人では9〜10cm幅のマンシェットを用いる。
  2. マンシェットの下端と肘窩が重なるように巻く。
  3. マンシェットの装着部位と心臓が同じ高さになるようにする。
  4. マンシェットと腕の間に指が3、4本入る程度の強さで巻く。

 

 

意識レベルの評価スケール

意識レベルを評価するスケールとしては、グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉が用いられる。

 

▶109回午後16

意識レベルを評価するスケールはどれか。

 

  1. Borg〈ボルグ〉スケール
  2. フェイススケール
  3. ブリストルスケール
  4. グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉

 

 

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉

意識レベルを評価するジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉では、覚醒の程度に応じて、意識清明の0、刺激しなくても覚醒している状態であるⅠ桁(1・2・3)、刺激すると覚醒する状態であるⅡ桁(10・20・30)、刺激しても覚醒しない状態であるⅢ桁(100・200・300)に分類している。

 

▶108回午後12

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉のⅢ(3桁)で表現される意識レベルはどれか。

 

  1. 意識清明の状態
  2. 刺激すると覚醒する状態
  3. 刺激しても覚醒しない状態
  4. 刺激しなくても覚醒している状態

 

 


 
▶106回午後18

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉で「刺激しても覚醒せず痛み刺激に対して払いのけるような動作をする」と定義されるのはどれか。

 

  1. Ⅰ-3
  2. Ⅱ-20
  3. Ⅲ-100
  4. Ⅲ-300

 

 


 
▶103回午前11

普通の呼びかけで容易に開眼する場合、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉による評価はどれか。

 

  1. Ⅰ-3
  2. Ⅱ-10
  3. Ⅱ-30
  4. Ⅲ-100

 

 

徒手筋力テスト

徒手筋力テスト(MMT)は、検査者が手を使って患者の筋力を判定する方法で、筋収縮が全くない0から、強い抵抗を加えても完全に可動域全体を動かせる5までの、6段階で評価される。

 

▶103回午前25

徒手筋力テストの判定基準は[ ]段階である。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 2
  2. 3
  3. 4
  4. 5
  5. 6

 

 

膝蓋腱反射

膝蓋腱反射は、大腿四頭筋の腱を膝蓋の下で叩くと下肢が上がる伸展反射で、ビタミンB1(チアミン)欠乏による脚気の進行に伴い、その反射が低下する。

 

▶113回午前19

膝蓋腱反射の低下で疑われる病態はどれか。

 

  1. 脚気
  2. 壊血病
  3. くる病
  4. 夜盲症

 

 

関節可動域〈ROM〉

関節可動域〈ROM〉は関節の生理的な運動範囲で、測定に当たっては可動域角度(単位:度)が用いられる。

 

▶104回午前18

関節可動域〈ROM〉の単位はどれか。

 

  1. kg
  2. Cm

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目12「薬物の作用とその管理」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目12「薬物の作用とその管理」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.主な薬物の効果と副作用(有害事象)

抗感染症薬
抗がん薬
強心薬、抗不整脈薬
狭心症治療薬
抗血栓薬
降圧薬、昇圧薬
利尿薬
消化性潰瘍治療薬
下剤、止痢薬
抗アレルギー薬
免疫療法薬
副腎皮質ステロイド薬
糖尿病治療薬
中枢神経作用薬
麻薬
消炎鎮痛薬

B.薬物の管理 禁忌
保存・管理方法
薬理効果に影響する要因

 

 

A.主な薬物の効果と副作用

ニトログリセリン

ニトログリセリンは狭心症に対する速効性の硝酸薬で、発作時に舌の下に入れて口内の粘膜で吸収し(舌下投与)、血管が拡張することで症状を緩和する。

 

▶108回午後15

狭心症発作時に舌下投与するのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. ジゴキシン
  3. アドレナリン
  4. ニトログリセリン

 

 

ループ利尿薬

  • ループ利尿薬は、浮腫(むくみ)や高血圧を改善するために尿による水分排泄を促進するものであり、即効性が高い
  • 利尿薬の副作用〈有害事象〉としては、カリウムの排泄量が増大することで起こる低カリウム血症(電解質異常)が挙げられる。

 

▶110回午後16

ループ利尿薬について正しいのはどれか。

 

  1. 作用発現が速い。
  2. 眠前の服用が望ましい。
  3. 抗不整脈薬として用いられる。
  4. 副作用〈有害事象〉に高カリウム血症がある。

 

 

副腎皮質ステロイド

  • 副腎皮質ステロイドは、副腎から作られる副腎皮質ホルモンから生成された薬(プレドニゾロン等)で、炎症や免疫の抑制など幅広い疾患で用いられている。
  • 副作用〈有害事象〉として、高血糖や高血圧、易感染性、骨粗鬆症、食欲増進による体重増加、満月様顔貌〈ムーンフェイス〉など多くあり、注意を要する。

 

▶108回午前25

副腎皮質ステロイドの作用はどれか。

 

  1. 体重の減少
  2. 血糖の低下
  3. 血圧の低下
  4. 免疫の促進
  5. 炎症の抑制

 

 


 
▶105回午前17

ステロイド薬の副作用(有害事象)はどれか。

 

  1. 便秘
  2. 口内炎
  3. 低血圧
  4. 骨粗鬆症

 

 


 
▶102回午後24

長期間の使用によって満月様顔貌〈ムーンフェイス〉になるのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. テオフィリン
  4. プレドニゾロン
  5. インドメタシン

 

 

アスピリン

非ステロイド抗炎症薬であるアスピリンは、解熱や鎮痛、抗炎症作用のほか、低用量であれば、血小板の機能を抑制し、血栓の生成を防止する抗血小板作用を発揮する。

 

▶103回午前15

抗血小板作用と抗炎症作用があるのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. アルブミン
  3. アスピリン
  4. ワルファリン

 

 

カルシウム拮抗薬

  • カルシウム拮抗薬は血管を拡張し、血圧を下げる降圧薬である。
  • グレープフルーツに含まれる成分はカルシウム拮抗薬を代謝する酵素の働きを弱めるため、薬物服用時の摂取により血中濃度が高まり、血圧の異常な低下などの相互作用が起きることがある。

 

▶110回午前17・105回午後17類問

カルシウム拮抗薬の血中濃度を上げる食品はどれか。

 

  1. 牛乳
  2. 納豆
  3. ブロッコリー
  4. グレープフルーツ

 

 

ワルファリン

  • ワルファリンは血液を固まりにくくし、血栓や塞栓を防ぐ抗凝固剤であるが、出血を起こしたり、止まらなくなることがあり、手術前には投与の中止を含めて検討する。
  • ビタミンKにはワルファリンの働きを阻害する拮抗作用があり、ワルファリン使用時にはビタミンKを多く含む納豆などの食品の摂取は控える。

 

▶107回午後15

出血傾向を考慮し手術前に投与の中止を検討するのはどれか。

 

  1. アドレナリン
  2. テオフィリン
  3. ワルファリン
  4. バンコマイシン

 

 


 
▶102回午前23

ワルファリンと拮抗作用があるのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンC
  3. ビタミンD
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 

抗血小板薬

抗血小板薬は、出血を止める血小板の機能を抑制し、血栓の生成の防止などに用いられるが、手術前には出血の増加を防ぐために、休薬を検討する必要がある。

 

▶113回午後16

手術予定の患者が服用している場合、安全のために術前の休薬を検討するのはどれか。

 

  1. 鉄剤
  2. 抗血小板薬
  3. 冠血管拡張薬
  4. プロトンポンプ阻害薬

 

 

ジギタリス(ジゴキシン)

ジギタリス(ジゴキシン)は、心筋細胞内のカルシウム濃度を高め、心筋の収縮力を増強する強心薬として、心不全の治療などに用いられる。副作用としては、悪心や不整脈などがある。

 

▶107回午後21

ジギタリスの副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 難聴
  2. 悪心
  3. 易感染
  4. 低血糖

 

 


 
▶103回午後14

ジゴキシンの主な有害な作用はどれか。

 

  1. 振戦
  2. 不整脈
  3. 聴覚障害
  4. 満月様顔貌〈ムーンフェイス〉

 

 

テオフィリン

テオフィリンは気管支喘息の治療に用いられる治療薬で、気管支拡張作用や抗炎症作用を持つ。ただし、患者の年齢や併用薬物等により血中濃度が不安定となり、悪心や嘔吐などの副作用が生じることがあるため、テオフィリンの投与中は血中濃度の確認が必要である。

 

▶104回午前22

血中濃度を確認する必要性が最も高い医薬品はどれか。

 

  1. アスピリン
  2. フロセミド
  3. テオフィリン
  4. インドメタシン

 

 

抗菌薬

  • 抗菌薬は細菌の増殖を抑制したり殺菌する。
  • 抗菌薬に耐性を持つ細菌を薬剤耐性菌といい、院内において抵抗力の弱まった易感染者に対して病原性を発揮する日和見感染症を起こすおそれがある。

 

▶113回午前16

抗菌薬について正しいのはどれか。

 

  1. ウイルスに有効である。
  2. 経口投与では効果がない。
  3. 耐性菌の出現が問題である。
  4. 正常の細菌叢には影響を与えない。

 

 

バンコマイシン

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉は薬剤耐性菌の一つであり、その治療に当たっては、抗菌薬としてバンコマイシンが用いられる。

 

▶102回午前15

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉に有効な薬はどれか。

 

  1. バンコマイシン塩酸塩
  2. セファゾリンナトリウム
  3. ストレプトマイシン硫酸塩
  4. ベンジルペニシリンカリウム

 

 

フェンタニル

麻酔や疼痛緩和に、注射剤、貼付剤として用いられるフェンタニルは、麻薬及び向精神薬取締法により麻薬として規定され、麻薬診療施設内に設けた鍵をかけた堅固な設備内に保管しなければならない。

 

▶107回午前17

他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. フェンタニル

 

 


 
▶104回午後17

貼付剤として用いられる薬剤はどれか。

 

  1. フェンタニル
  2. リン酸コデイン
  3. モルヒネ塩酸塩
  4. オキシコドン塩酸塩

 

 

骨髄抑制

骨髄抑制は、がん治療において抗癌薬などの薬物療法や放射線治療により、骨髄の造血機能が低下した状態をいい、白血球の減少では感染症、赤血球の減少では貧血、血小板の減少では出血などのリスクが高まる。

 

▶108回午前16

骨髄抑制が出現するのはどれか。

 

  1. 麻薬
  2. 利尿薬
  3. 抗癌薬
  4. 強心薬

 

 


 
▶104回午後16

抗癌薬の副作用(有害事象)である骨髄抑制を示しているのはどれか。

 

  1. 嘔吐
  2. 下痢
  3. 神経障害
  4. 白血球減少

 

 

モルヒネ

モルヒネは、がんの痛みの緩和などに用いられる麻薬性鎮痛薬(強オピオイド鎮痛薬)である。消化器系の副作用として便秘が認められ、下剤の投与などの処置がとられる。

 

▶107回午後20・112回午後16類問

モルヒネの副作用〈有害事象〉はどれか。

 

  1. 出血
  2. 便秘
  3. 高血圧
  4. 粘膜障害

 

 

抗うつ薬

うつ病に対する抗うつ薬は、効果が発現したと評価されるまでに、薬の種類、個人差はあるものの数週間の長期間を要する。また、うつ病の改善後も再発を防ぐために投薬を継続する必要がある。

 

▶106回午前16

目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。

 

  1. 睡眠薬
  2. 鎮痛薬
  3. 抗うつ薬
  4. 抗血栓薬

 

 

 

B.薬物の管理

インドメタシン内服薬の禁忌

インドメタシンなどの非ステロイド抗炎症薬は、解熱、鎮痛、抗炎症作用を発揮するが、消化器への作用により胃粘膜防御能が低下し、消化性潰瘍が悪化するおそれがあるため消化性潰瘍の者には禁忌である。

 

▶107回午後16・113回午前17類問

インドメタシン内服薬の禁忌はどれか。

 

  1. 痛風
  2. 膀胱炎
  3. 消化性潰瘍
  4. 関節リウマチ

 

 

緑内障患者への禁忌

アトロピンは副交感神経に作用する鎮痙薬で、眼科においては瞳孔を広げる散眼薬としても用いられる。ただし眼圧を上昇させるため、眼圧の上昇が原因である緑内障患者の症状を悪化させることがあり、禁忌とされる。

 

▶108回午後16・113回午後25類問

緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。

 

  1. コデイン
  2. アスピリン
  3. アトロピン
  4. フェニトイン

 

 

医薬品の禁忌表示

医薬品医療機器等法の規定に基づく医療用医薬品に添付する文書の作成に当たっては、厚生労働省通知の項目が参照され、禁忌や組成・形状、効能又は効果、用法及び用量などが含まれる。

 

▶104回午前17

医薬品に関する禁忌を示すことが定められているのはどれか。

 

  1. 処方箋
  2. 診断書
  3. 看護記録
  4. 添付文書

 

 

毒薬

医薬品医療機器等法で定める毒薬は、容器または被包に、黒地・白枠・白字で「毒」の文字を記載しなければならない。

 

▶109回午前14

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉による毒薬の表示を別に示す。
dokuyaku
正しいのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 

劇薬

医薬品医療機器等法で定める劇薬は、容器または被包に、白地・赤枠・赤字で「劇」の文字を記載しなければならない。

 

▶106回午前17

医薬品表示を別に示す。
gekiyaku
劇薬の表示で正しいのはどれか。

 

 

 

医療用麻薬の取り扱い

  • アンプルの麻薬注射液は、管理面、衛生面に問題がある場合、同一患者や複数の患者に分割して施用することは控える。
  • 施用後のアンプルは、残液がある場合および空であっても麻薬管理者に返納する。

 

▶103回午後16

医療機関における麻薬の取り扱いについて正しいのはどれか。

 

  1. 麻薬と毒薬は一緒に保管する。
  2. 麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
  3. 使用して残った麻薬注射液は病棟で廃棄する。
  4. 麻薬注射液の使用後のアンプルは麻薬管理責任者に返却する。

 

 

輸血用血液製剤の保存温度

輸血用血液製剤の保存温度は、赤血球製剤や全血製剤は2~6℃、血漿製剤は-20℃以下、血小板製剤は20~24℃(保存中は凝集の予防のため振とうが必要)である。

 

▶109回午後22

赤血球製剤の保存温度で適切なのはどれか。

 

  1. -6~-2℃
  2. 2~6℃
  3. 12~16℃
  4. 22~26℃

 

 

初回通過効果

初回通過効果とは、内服薬が全身循環血に移行する前に、肝臓内の酵素によって代謝されることをいい、薬物の投与時には初回通過効果を考慮した上で投与方法、量を定める必要がある。

 

▶110回午後17

経口投与後の薬物が初回通過効果を受ける場所はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 小腸
  3. 腎臓

 

 


 
▶112回午前17

薬物動態で肝臓が関与するのはどれか。

 

  1. 吸収
  2. 分布
  3. 代謝
  4. 蓄積

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目11「徴候と疾患」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目11「徴候と疾患」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.主要な症状と徴候

意識障害
嚥下障害
言語障害
ショック
高体温、低体温
脱水
黄疸
頭痛
咳嗽、喀痰
吐血、喀血
チアノーゼ
呼吸困難
胸痛
不整脈
腹痛、腹部膨満
悪心、嘔吐
下痢
便秘
下血
乏尿、無尿、頻尿、多尿
浮腫
貧血
睡眠障害
感覚過敏・鈍麻
運動麻痺
けいれん

B.主要な疾患による健康障害 生活習慣病
がん
感染症
精神疾患
小児の疾患
高齢者の疾患
C.基本的な臨床検査値の評価 血液学検査
血液生化学検査
免疫血清学検査
尿検査

 

 

A.主要な症状と徴候

脳出血

脳出血の最大の原因は高血圧で、脳の細い血管が破けることで出血する。

 

▶113回午後15

高血圧が原因で起こりやすいのはどれか。

 

  1. 脳出血
  2. 脳塞栓症
  3. 脳動静脈奇形
  4. 急性硬膜下血腫

 

 

左心不全

  • 左心不全により左心室のポンプ機能が低下することで、肺静脈系のうっ血が生じ、呼吸困難や咳嗽(せき)などの症状が現れる。
  • 左心不全患者には、呼吸困難を軽減するため、起坐位による起坐呼吸が多くみられる。

 

▶111回午後18・103回午後12類問

左心不全でみられる症状はどれか。

 

  1. 肝腫大
  2. 下腿浮腫
  3. 起坐呼吸
  4. 頸静脈怒張

 

 


 
▶105回午後13

咳嗽が起こりやすいのはどれか。

 

  1. 右心不全
  2. 左心不全
  3. 心筋梗塞
  4. 肺梗塞

 

 

狭心症

  • 狭心症は、生活習慣の悪化を一因とする動脈硬化等により心臓に血液を送る冠動脈が狭まり、血流が悪くなった状態(虚血)をいう。
  • 歩行動作時などに胸が圧迫される痛み(労作性狭心症)が生じるほか、心臓から離れた上半身の左側に多く起きる放散痛の症状が現れることがある。

 

▶111回午前14

左前胸部から頸部や左上肢への放散痛が生じる疾患はどれか。

 

  1. 胃潰瘍
  2. 狭心症
  3. 胆石症
  4. 尿管結石症

 

 

急性心筋梗塞

急性心筋梗塞は急激に冠動脈が完全に詰まることで血流が阻害されるもので、主な症状としては突然の強い胸痛が挙げられる。

 

▶106回午前13

胸痛を訴えるのはどれか。

 

  1. 髄膜炎
  2. 腎結石
  3. 急性心筋梗塞
  4. Ménière〈メニエール〉病

 

 

心原性ショック

  • 心原性ショックは、不整脈や急性心筋梗塞等により心臓のポンプ機能が低下することで急性の循環不全等が起こる状態をいう。
  • 1回の心拍で送り出される血液量が減少することで血圧は低下し、脈拍は弱く速くなる(頻脈性不整脈)。

 

▶103回午後11

心原性ショックで直ちに現れる徴候はどれか。

 

  1. 血圧の上昇
  2. 体温の上昇
  3. 尿量の増加
  4. 脈拍数の増加

 

 

徐脈性不整脈

成人の標準的な脈拍は1分間に約60~100回であるが、これが60回未満になる徐脈性不整脈では、めまいや失神、眼前暗黒感の症状が現れることがある。

 

▶105回午前14

徐脈性の不整脈で起こりやすいのはどれか。

 

  1. 失語
  2. 失行
  3. 失神
  4. 失明

 

 

心房細動

心房細動は心房内の不整脈で、致死性不整脈である心室細動よりも緊急性は低いが、心房内で血栓ができやすく、大動脈を通じて脳などの血管を詰まらせる原因となる(心原性脳塞栓症)。

 

▶109回午前12

脳塞栓症を生じやすい不整脈はどれか。

 

  1. 心室頻拍
  2. 心房細動
  3. 心房性期外収縮
  4. 完全房室ブロック

 

 

CO2ナルコーシス

CO2ナルコーシスは、呼吸不全患者のうち動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が45mmHgを超えるⅡ型呼吸不全患者に起こりやすい合併症で、著明な二酸化炭素〈CO2〉の蓄積により呼吸性アシドーシスとなり、意識障害などの中枢神経症状を引き起こす。

 

▶112回午前24

CO2ナルコーシスの症状で正しいのはどれか。

 

  1. 咳嗽
  2. 徐脈
  3. 浮腫
  4. 意識障害

 

 

喀血

  • 喀血は咳とともに血液が吐き出されるもので、主に気道や肺胞などの呼吸器の出血による。
  • 泡沫状の喀痰や鮮紅色の血液は喀血の特徴である。

 

▶106回午前12

喀血が起こる出血部位で正しいのはどれか。

 

  1. 頭蓋内
  2. 気道
  3. 食道
  4. 胆道

 

 


 
▶110回午前15

喀血の特徴はどれか。

 

  1. 酸性である。
  2. 泡沫状である。
  3. 食物残渣を含む。
  4. コーヒー残渣様である。

 

 

頻回の嘔吐による症状

頻回の嘔吐により大量の胃液(pH1~2の強酸性の胃酸)や水分が失われると、血液のアルカリ性度が上昇する代謝性アルカローシス脱水が生じやすい。

 

▶103回午後9

正常な胃液のpHはどれか。

 

  1. pH1~2
  2. pH4~5
  3. pH7~8
  4. pH10~11

 

 


 
▶107回午前12

頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。

 

  1. 血尿
  2. 低体温
  3. 体重増加
  4. アルカローシス

 

 


 
▶103回午前13

頻回の嘔吐で起こりやすいのはどれか。

 

  1. 脱水
  2. 貧血
  3. 発熱
  4. 血尿

 

 

低カリウム血症

低カリウム血症は、激しい下痢や利尿薬の長期使用などにより、カリウムの排泄量が増大することで起こる電解質異常である。

 

▶109回午後15

下痢によって生じやすい電解質異常はどれか。

 

  1. 低カリウム血症
  2. 高カルシウム血症
  3. 高ナトリウム血症
  4. 低マグネシウム血症

 

 

下血

  • 下血は肛門から血液成分が排泄されることをいい、出血した臓器により血液の色や粘度が変わる。
  • 肛門に近い直腸等の出血では鮮紅色で、肛門から遠い胃や食道、十二指腸からの出血では血液中の鉄分が酸化した黒色便(タール便)となる。

 

▶108回午前14

鮮紅色の下血が見られた時の出血部位で正しいのはどれか。

 

  1. 食道
  2. 直腸
  3. 十二指腸

 

 

大腸癌

大腸癌では癌の進行に伴い、下血や血便などの症状がみられ、大腸癌検診(便潜血検査等)により早期発見が図られている。

 

▶106回午後13・112回午前13類問

下血がみられる疾患はどれか。

 

  1. 肝囊胞
  2. 大腸癌
  3. 卵巣癌
  4. 腎盂腎炎

 

 

乏尿・無尿・頻尿・多尿

  • 成人の1日平均尿量は1,000mL~1,500mLであり、100mL未満は無尿、400mL未満は乏尿とされる。
  • 1日の尿の回数でみた異常では、回数が多い頻尿、回数が少ない希尿がある。

 

▶110回午前19・103回午前10類問

健康な成人における1日の平均尿量はどれか。

 

  1. 100mL
  2. 500mL
  3. 1,500mL
  4. 2,500mL

 

 


 
▶109回午後23・106回午後14類問

成人で1日の尿量が100mL以下の状態を示すのはどれか。

 

  1. 希尿
  2. 頻尿
  3. 乏尿
  4. 無尿

 

 


 
▶103回午後13

尿の回数が異常に多い状態を表すのはどれか。

 

  1. 頻尿
  2. 乏尿
  3. 尿閉
  4. 尿失禁

 

 

痛風

痛風は血液中の尿酸値の上昇(高尿酸血症)を原因として、関節などに尿酸結晶がたまり、免疫機能が働くことで急性関節炎などの痛みを伴う痛風発作が生じるものである。

 

▶110回午後15

痛風の患者の血液検査データで高値を示すのはどれか。

 

  1. 尿酸
  2. 尿素窒素
  3. アルブミン
  4. トリグリセリド

 

 

低体温

  • 甲状腺は、代謝を促進する甲状腺ホルモンを分泌する内分泌器官である。
  • 甲状腺機能低下症などにより甲状腺ホルモンの分泌が低下し、直腸温が35℃を下回った場合に低体温と診断される。
  • 体温の低下に対しては、熱産生を誘導するためにふるえなどの生体反応が起きる。

 

▶111回午後12・105回午前11類問

内分泌器官はどれか。

 

  1. 乳腺
  2. 涙腺
  3. 甲状腺
  4. 唾液腺

 

 


 
▶104回午後13

低体温が起こるのはどれか。

 

  1. 尿崩症
  2. 褐色細胞腫
  3. 甲状腺機能低下症
  4. Cushing〈クッシング〉症候群

 

 


 
▶110回午後13

体温低下を引き起こすのはどれか。

 

  1. カテコラミンの分泌亢進
  2. 甲状腺ホルモンの分泌低下
  3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉の分泌低下
  4. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉の分泌亢進

 

 


 
▶111回午後15

低体温から回復するための生体の反応はどれか。

 

  1. 発汗
  2. ふるえ
  3. 乳酸の蓄積
  4. 体表面への血流増加

 

 

貧血の定義

貧血は、血液中のヘモグロビン濃度が減少している状態と定義される。

 

▶111回午後16・109回午前13類問・105回午後15類問・104回午後15類問・102回午後12類問

貧血の定義で正しいのはどれか。

 

  1. 血圧が低下すること
  2. 脈拍が速くなること
  3. 立ち上がると失神を起こすこと
  4. ヘモグロビン濃度が減少していること

 

 

巨赤芽球性貧血

巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏により骨髄に巨赤芽球が出現する貧血である。

 

▶110回午後25

巨赤芽球性貧血の原因はどれか。

 

  1. ビタミンA欠乏
  2. ビタミンB12欠乏
  3. ビタミンC欠乏
  4. ビタミンE欠乏
  5. ビタミンK欠乏

 

 

低血糖

  • 低血糖は血糖値が正常範囲よりも低下した状態で、冷や汗(発汗)や動悸、けいれんなどの症状がみられる。
  • 糖尿病患者等が血糖コントロールとしてインスリンを用いる際に、食事の量や時間、運動量などにより過剰に血糖値が低下することでも生じる。

 

▶102回午前22

低血糖の症状または所見はどれか。

 

  1. 口渇
  2. 徐脈
  3. 多尿
  4. 発汗
  5. 発熱

 

 


 
▶104回午前16

副作用(有害事象)として低血糖症状を起こす可能性があるのはどれか。

 

  1. ジゴキシン
  2. インスリン
  3. フェニトイン
  4. ワルファリン

 

 

敗血症ショック

  • 敗血症は、感染症の原因となる細菌等に起因して重度の臓器障害等を起こしている病態をいい、白血球(好中球)数が低い場合に生じやすい。
  • 蘇生処置にも関わらず低血圧が持続し、ショック状態に陥った状態を敗血症ショックといい、死亡リスクが非常に高い。

 

▶111回午後14

細菌感染で起こるショックはどれか。

 

  1. 心原性ショック
  2. 敗血症性ショック
  3. アナフィラキシーショック
  4. 循環血液量減少性ショック

 

 

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックはⅠ型アレルギー(即時型アレルギー)に分類され、体内に入った特定の原因物質(抗原)に対するIgE抗体の反応による、急性の過敏反応をいう。

第3編4章 4.リウマチ・アレルギー疾患対策 p159~160

 

▶105回午後12

特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。

 

  1. 心原性ショック
  2. 出血性ショック
  3. 神経原性ショック
  4. アナフィラキシーショック

 

 

緑内障の症状

  • 緑内障は眼圧の上昇などを原因として、視神経が萎縮し、不可逆的に視野が狭まり失明に至る疾病である。
  • 一般的に自覚症状がなく徐々に進行するが、眼圧が急上昇し、急性の頭痛といった症状を引き起こす場合、急速に重度の視力障害が進行する急性緑内障発作の可能性がある。

 

▶104回午前13

急性の頭痛を起こす可能性が最も高いのはどれか。

 

  1. 複視
  2. 外斜視
  3. 緑内障
  4. 眼瞼下垂

 

 

神経性食欲不振症(神経性無食欲症)

  • 神経性食欲不振症(神経性無食欲症)は摂食障害の一つで、青年期の女性におおくみられ、極端な食事制限と過度なやせを示す。
  • 栄養不足に起因する症状として、無月経や低血圧、徐脈、低体温、浮腫などがみられる。

 

▶102回午後23

神経性食欲不振症の症状または所見はどれか。

 

  1. 発熱
  2. 咳嗽
  3. 徐脈
  4. 高血圧
  5. 過多月経

 

 

黄疸

  • 黄疸は、赤血球が壊れる際にヘモグロビンが分解され、生成されたビリルビンにより皮膚や白眼(眼球結膜)が黄色くなる状態をいう。
  • 成人では全身のかゆみ(搔痒感)が生じることがある。

 

▶102回午後11

血中濃度が上昇すると黄疸となるのはどれか。

 

  1. グルコース
  2. ビリルビン
  3. クレアチニン
  4. 総コレステロール

 

 


 
▶103回午前12

黄疸で黄染を確認しやすい部位はどれか。

 

  1. 毛髪
  2. 爪床
  3. 眼球結膜

 

 


 
▶111回午前13

黄疸のある成人患者にみられる随伴症状はどれか。

 

  1. 動悸
  2. 難聴
  3. 関節痛
  4. 搔痒感

 

 

浮腫

浮腫(むくみ)は、細胞間の水分がたまり、排泄されない状態をいう。甲状腺機能低下症低栄養による低アルブミン血症で症状としてあらわれるほか、リンパ環流の不全やうっ血性心不全などによってもみられる。

 

▶105回午後14

浮腫が生じやすいのはどれか。

 

  1. 甲状腺機能亢進症
  2. 過剰な運動
  3. 低栄養
  4. 熱中症

 

 


 
▶108回午後14

浮腫の原因となるのはどれか。

 

  1. 膠質浸透圧の上昇
  2. リンパ還流の不全
  3. 毛細血管内圧の低下
  4. 毛細血管透過性の低下

 

 

チアノーゼ

チアノーゼは、血中の酸素不足により皮膚や粘膜が青紫色に変色することをいい、毛細血管中の血中還元ヘモグロビンが5g/dL以上に増加した際に出現する。

 

▶112回午後14・108回午前13類問・104回午後14類問

チアノーゼとは(  )の絶対量が増加して5g/dL以上になり、皮膚や粘膜が紫から青紫色を示す状態のことをいう。
(  )に入るのはどれか。

 

  1. ビリルビン
  2. ヘモグロビン
  3. ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉
  4. 脱酸素化ヘモグロビン〈還元ヘモグロビン〉

 

 


 
▶102回午前12

チアノーゼの際の皮膚の色に最も近いのはどれか。

 

 

 

感覚障害

末梢神経系が外部から物理的に圧迫されると、関節や神経叢の周辺に限局して麻痺等の感覚障害が生じる(橈骨神経麻痺・腓骨神経麻痺等)。

 

▶107回午前13

関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。

 

  1. 脊髄障害
  2. 物理的圧迫
  3. 脳血管障害
  4. 糖尿病の合併症

 

 

ダウン症候群

ダウン症候群は、21番染色体の先天性異常(21トリソミー)により生じ、知的障害、先天性白内障、特徴的顔貌、低身長、筋緊張低下などがみられる。

 

▶102回午前6

Down〈ダウン〉症候群を生じるのはどれか。

 

  1. 13トリソミー
  2. 18トリソミー
  3. 21トリソミー
  4. 性染色体異常

 

 

 

B.主要な疾患による健康障害

糖尿病ケトアシドーシス

  • ケトン体は、肝臓が脂肪を分解することで生成される酸性の物質である。糖尿病でインスリン作用が不足するとエネルギー源となるグルコース(ブドウ糖)が利用できず、多く脂肪を分解してエネルギーを作るため、尿中のケトン体(尿ケトン体)が陽性となり、血液が酸性に傾く。
  • この糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病の急性合併症であり、血糖値の急上昇に伴い昏睡や意識不明の症状を呈する。

 

▶109回午後14

尿ケトン体が陽性になる疾患はどれか。

 

  1. 肝硬変
  2. 糖尿病
  3. 尿路感染症
  4. ネフローゼ症候群

 

 


 
▶112回午前14

糖尿病の急性合併症はどれか。

 

  1. 足壊疽
  2. 脳血管疾患
  3. 糖尿病網膜症
  4. ケトアシドーシス昏睡

 

 

2型糖尿病患者の1日のエネルギー摂取量

2型糖尿病患者の1日の(理想)エネルギー摂取量は、BMIから算出された標準体重(目標体重)と、身体活動に応じたエネルギー係数を乗じることで求められる。

 

▶103回午前14

2型糖尿病の食事療法における1日のエネルギー摂取量の算出に必要なのはどれか。

 

  1. 体温
  2. 腹囲
  3. 標準体重
  4. 体表面積

 

 

血糖コントロール

血糖は、簡易血糖測定器を用いて自己採血し、測定することができる。血糖値を適切な範囲で維持する(血糖コントロール)ため、糖尿病患者等のセルフケアとして活用される。

 

▶105回午前23

患者が自己で簡単に測定できるのはどれか。

 

  1. 血糖
  2. カリウム
  3. カルシウム
  4. アルブミン

 

 

悪性腫瘍(がん)の特徴

  • 悪性腫瘍は良性腫瘍と比べて、増殖が速く、周囲の組織にしみ出すように広がり(浸潤)、最初に発生した臓器(原発部位)から血液やリンパを通じて離れた場所にも転移する特徴がある。
  • 転移の例として、胃がんなどが左鎖骨上窩リンパ節に転移するウィルヒョウ転移がある。

 

▶107回午前14

良性腫瘍と比較して悪性腫瘍でみられる特徴はどれか。

 

  1. 被膜がある。
  2. 遠隔転移する。
  3. 周囲組織に浸潤しない。
  4. 増殖速度が緩やかである。

 

 


 
▶109回午前21

胃がんのVirchow〈ウィルヒョウ〉転移が生じる部位はどれか。

 

  1. 腋窩
  2. 鼠径部
  3. 右季肋部
  4. 左鎖骨上窩

 

 

結核

  • 結核は感染症法上の二類感染症に分類され、空気感染を起こす。
  • 結核菌に感染した場合、必ずしもすぐに発症するわけではなく、長期にわたり体内に潜伏したのち再び活動を開始し、発症することがある。

第3編3章 3.2〕結核 p129~132

 

▶111回午前25

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、結核が分類されるのはどれか。

 

  1. 一類
  2. 二類
  3. 三類
  4. 四類
  5. 五類

 

 


 
▶108回午前15

感染症の潜伏期間で最も長いのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 結核
  3. ノロウイルス性胃腸炎
  4. 流行性耳下腺炎

 

 

A型肝炎

A型肝炎は汚染された食品や水などを介した経口感染が主である。

第3編3章 3.3〕ウイルス性肝炎 p132~134

 

▶113回午前15

経口感染するウイルス性肝炎はどれか。

 

  1. A型肝炎
  2. B型肝炎
  3. C型肝炎
  4. D型肝炎

 

 

B型肝炎

B型肝炎ウイルスの感染経路としては血液感染、母子感染(垂直感染)、性行為感染があり、血液感染として医療現場での針刺し事故の可能性も残される。

第3編3章 3.3〕ウイルス性肝炎 p132~134

 

▶106回午後22

針刺し事故によって感染するのはどれか。

 

  1. RSウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. ヘルペスウイルス
  4. サイトメガロウイルス

 

 

C型肝炎

B型肝炎、C型肝炎の治療にはインターフェロン療法が用いられる。

第3編3章 3.3〕ウイルス性肝炎 p132~134

 

▶105回午後16

C型慢性肝炎に使用するのはどれか。

 

  1. ドパミン
  2. インスリン
  3. リドカイン
  4. インターフェロン

 

 

風疹

  • 風疹は感染症法上の五類感染症に分類され、主に飛沫感染が感染経路である。
  • 妊婦が妊娠20週ごろまでに風疹に感染すると、白内障や先天性心疾患、難聴などを特徴とする先天性風疹症候群の児が生まれる可能性がある。

第3編3章 3.5〕風しん・麻しん p138

 

▶110回午後6

妊娠初期の感染で児に難聴が生じる可能性が高いのはどれか。

 

  1. 水痘
  2. 風疹
  3. 麻疹
  4. 流行性耳下腺炎

 

 

麻疹

  • 麻疹は感染症法上の五類感染症に分類され、主に空気感染が感染経路である。
  • 高熱や発症初期に頬粘膜に生じる白色のコプリック斑、その後の耳後部から始まり体の下方へと広がる赤い発疹を特徴とする全身性ウイルス感染疾患である。

第3編3章 3.5〕風しん・麻しん p138

 

▶102回午後14

Koplik〈コプリック〉斑がみられる疾患はどれか。

 

  1. 麻疹
  2. 手足口病
  3. 帯状疱疹
  4. ヘルパンギーナ

 

 

性感染症

性感染症の内訳をみると、令和4年(2022年)では、性器クラミジア感染症が30,136人と最も多い。

第3編3章 3.6〕性感染症 p138~139

 

▶106回午前2改題

令和4年(2022年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症〈STD〉報告数で最も多いのはどれか。

 

  1. 性器クラミジア感染症
  2. 尖圭コンジローマ
  3. 性器ヘルペス
  4. 淋菌感染症

 

 

インフルエンザ

インフルエンザの主な感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染である。

第3編3章 3.8〕新型インフルエンザ p139~140

 

▶112回午後15・106回午後15類問

飛沫感染するのはどれか。

 

  1. 疥癬
  2. 破傷風
  3. デング熱
  4. インフルエンザ

 

 

水痘

水痘は水痘帯状疱疹ウイルスにより引き起こされる感染症で、典型的な症例では、皮膚の表面が赤くなる発疹(紅斑)から始まり、水疱、膿疱を経て痂皮(かさぶた)化して治癒する。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p128~142

 

▶106回午後16

水痘の症状はどれか。

 

  1. 耳下腺の腫脹
  2. 両頰部のびまん性紅斑
  3. 水疱へと進行する紅斑
  4. 解熱前後の斑状丘疹性発疹

 

 

レジオネラ肺炎

  • レジオネラ属菌は自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息している細菌で、レジオネラ肺炎を引き起こす。
  • 浴槽の湯を濾過器を通して循環させる循環式浴槽では、換水や消毒、清掃を怠ることでレジオネラ属菌が繁殖する危険性が高まる。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p128~142

 

▶103回午後2・112回午後3類問

循環式浴槽の水質汚染によって発生するのはどれか。

 

  1. B型肝炎
  2. マラリア
  3. レジオネラ肺炎
  4. 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉

 

 

ヒトT細胞白血病ウイルス1型〈HTLV-1〉

成人T細胞白血病〈ATL〉は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型〈HTLV-1〉の感染により発症する可能性があり、発症には主に母乳を介した母子感染が関与している。

第3編3章 3.11〕HTLV-1対策 p141

 

▶103回午後15

ウイルスが原因で発症するのはどれか。

 

  1. 血友病
  2. 鉄欠乏性貧血
  3. 再生不良性貧血
  4. 成人T細胞白血病〈ATL〉

 

 

母子感染(垂直感染)

母子感染(垂直感染)は妊娠中の胎内感染、出産時の産道感染、出生後の経母乳感染などがあり、HIV/エイズやB型肝炎、HTLV-1関連疾患などの感染経路の一つでもある。

第3編3章 3.主な感染症等の動向と対策 p128~142

 

▶107回午後14

母体から胎児への感染はどれか。

 

  1. 水平感染
  2. 垂直感染
  3. 接触感染
  4. 飛沫感染

 

 

うつ病

うつ病は気分障害の一つで、気分の落ち込み、興味や喜びの喪失といった精神症状と、不眠、食欲不振、疲労感といった身体症状があらわれる。

 

▶107回午後13

典型的なうつ病の症状はどれか。

 

  1. 幻聴
  2. 感情失禁
  3. 理由のない爽快感
  4. 興味と喜びの喪失

 

 

認知症

認知症の症状は、記憶障害や見当識障害(自分がどこにいるかわからなくなる等の症状)、理解力・判断力の低下などの中核症状と、行動・心理症状(BPSD)に大別される。

第3編2章 2.2〕認知症施策のあゆみ p105~107

 

▶105回午前16

認知症の中核症状はどれか。

 

  1. 幻聴
  2. 抑うつ
  3. 希死念慮
  4. 見当識障害

 

 

災害による精神疾患

発災後数日から数週間の急性期には急性ストレス障害が生じやすい。なお、発災後1か月以降の中長期以降には、慢性疾患の悪化や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患が生じやすい。

第3編2章 4.6〕(7)災害時の支援 p117

 

▶105回午前25

災害による心理的ストレスが身体反応として最も強く現れる時期はどれか。

 

  1. 発災後3~7日
  2. 発災後2週~1か月
  3. 発災後半年~3年
  4. 発災後4年目以降

 

 

 

C.基本的な臨床検査値の評価

肝機能の血液検査項目

肝機能の働きを調べる血液検査では、ALT〈GPT〉AST〈GOT〉が主な項目として挙げられる。

 

▶107回午前15

肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。

 

  1. CRP
  2. 尿素窒素
  3. アミラーゼ
  4. ALT〈GPT〉

 

 

腎機能の血液検査項目

腎機能の働きを調べる血液検査では、血清クレアチニン血中尿素窒素が主な項目として挙げられる。

 

▶108回午後25

腎機能を示す血液検査項目はどれか。

 

  1. 中性脂肪
  2. ビリルビン
  3. AST〈GOT〉
  4. クレアチニン
  5. LDLコレステロール

 

 

腫瘍マーカー

  • 腫瘍マーカーは癌の種類により特徴的に作られる物質で、血液や尿の成分を測定する腫瘍マーカー検査が行われている。
  • そのうちPSA検査では、前立腺癌に特異的な血清PSA値の上昇を調べることで、前立腺癌を早期に発見することができる。

 

▶102回午前14

前立腺癌に特徴的な腫瘍マーカーはどれか。

 

  1. AFP
  2. CA19-9
  3. CEA
  4. PSA

 

 

炎症マーカー

C反応性蛋白質〈CRP〉は炎症疾患の指標である蛋白質で、関節リウマチなどの炎症疾患で炎症マーカーとして用いられる。

 

▶112回午前16

炎症マーカーはどれか。

 

  1. CA19-9
  2. 抗核抗体
  3. C反応性蛋白質〈CRP〉
  4. リウマトイド因子〈RF〉

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目10「人体の構造と機能」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目10「人体の構造と機能」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.人体の基本的な構造と正常な機能

内部環境の恒常性
神経系
運動系
感覚器系
循環器系
血液、体液
免疫系
呼吸器系
消化器系
栄養と代謝系
泌尿器系
体温調節
内分泌系
性と生殖器系
妊娠・分娩・産褥の経過
遺伝

B.人間の死 死の三徴候
死亡判定
脳死

 

 

A.人体の基本的な構造と正常な機能

視覚野

視覚野は大脳皮質の後頭葉にあり、視覚に直接関係する領域である。

 

▶110回午前11

後頭葉にあるのはどれか。

 

  1. 嗅覚野
  2. 視覚野
  3. 聴覚野
  4. 体性感覚野

 

 

言語野

言語野として、ブローカ野(運動性言語中枢)は前頭葉に、ウェルニッケ野(感覚性言語中枢)は側頭葉に、視覚性言語中枢は後頭葉にある。

 

▶108回午後11

運動性言語中枢はどれか。

 

  1. 中心後回
  2. 大脳基底核
  3. Broca〈ブローカ〉野
  4. Wernicke〈ウェルニッケ〉野

 

 

小脳

小脳は姿勢や運動の制御など、運動調節機能をつかさどっている。そのため、小脳の機能障害である小脳失調では、姿勢保持の困難(体幹バランスの崩れ)や運動失調がみられる。

 

▶106回午前14

小脳失調でみられるのはどれか。

 

  1. 下肢の麻痺が認められる。
  2. 姿勢保持が困難になる。
  3. 血圧が不安定になる。
  4. 体がこわばる。

 

 

三叉神経

三叉神経は、顔面の感覚と咀嚼筋群をつかさどる末梢神経である。

 

▶109回午後12

三叉神経の機能はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 眼球の運動
  3. 顔面の知覚
  4. 表情筋の運動

 

 

迷走神経

迷走神経は咽頭や食道の運動など、嚥下(反射)に関わるものである。

 

▶107回午前10

嚥下に関わる脳神経はどれか。

 

  1. 嗅神経
  2. 外転神経
  3. 滑車神経
  4. 迷走神経

 

 

副交感神経

自律神経のうち副交感神経が優位になることで、消化液の分泌量の増加や腸の蠕動運動亢進、瞳孔収縮、気管支収縮、心拍数低下などの作用が起こる。一方、それらの反対の作用は交感神経が優位になることで生じる。

 

▶112回午後11

副交感神経の作用で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔散大
  2. 気管支拡張
  3. 心拍数の増加
  4. 消化液分泌の促進

 

 

神経伝達物質

  • 神経伝達物質は、シナプスを介在し、神経細胞間の情報伝達を行う化学物質である。
  • 副交感神経や運動神経に働く神経伝達物質にアセチルコリンがある。

 

▶106回午後11

神経伝達物質はどれか。

 

  1. アルブミン
  2. フィブリン
  3. アセチルコリン
  4. エリスロポエチン

 

 

心臓

  • 左心室は大動脈を通じて全身に血液を送り、大静脈を通じて右心房に至る(体循環)。右心房から右心室に送り出された血液は、肺動脈を通じて肺に送られ、肺静脈を通じて左心房に至る(肺循環)。
  • 左心室の強力な収縮を支えるため、左心室の心臓壁は右心室や左心房、右心房よりも厚くなっている。

 

▶111回午後11・106回午前11類問・103回午前24類問

左心室から全身に血液を送り出す血管はどれか。

 

  1. 大静脈
  2. 大動脈
  3. 肺静脈
  4. 肺動脈

 

 


 
▶110回午後11

健常な成人で心臓壁が最も厚いのはどれか。

 

  1. 右心室
  2. 右心房
  3. 左心室
  4. 左心房

 

 

心臓の刺激伝導系

刺激伝導系は心臓を一定間隔で拍動させるための興奮刺激の流れをいい、右心房の洞房結節から房室結節に集まり、ヒス束、プルキンエ線維、心室固有筋へと伝わっていく。

 

▶112回午後12

心臓の刺激伝導系で最初の興奮部位はどれか。

 

  1. 洞房結節
  2. 房室結節
  3. His〈ヒス〉束
  4. Purkinje〈プルキンエ〉線維

 

 

呼吸中枢

呼吸中枢は、脳幹の橋から延髄にかけての部分にあり、呼気と吸気を調整し、呼吸リズムを形成している。

 

▶111回午後13

呼吸中枢があるのはどれか。

 

  1. 間脳
  2. 小脳
  3. 大脳
  4. 脳幹

 

 


 
▶113回午前12

脳幹に含まれる部位はどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 下垂体
  4. 松果体

 

 

ガストリンは、主にの幽門部の粘膜で産出されるホルモンで、胃酸の分泌を促す。

 

▶110回午前12

胃から分泌される消化管ホルモンはどれか。

 

  1. ガストリン
  2. セクレチン
  3. 胃抑制ペプチド
  4. コレシストキニン

 

 

肝臓

肝臓の主な機能として、蛋白質の合成、有害物質(アンモニア等)の分解・解毒、栄養の貯蔵、胆汁の合成・分泌などがある。

 

▶111回午前12

有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 膵臓
  3. 大腸

 

 

肝性脳症

肝性脳症は、重度の肝疾患によりアンモニア等の有害物質の解毒・分解機能が低下し、血液中に蓄積された有害物質が脳に達して起こる脳機能の低下をいう。

 

▶110回午前14

肝性脳症の直接的原因はどれか。

 

  1. 尿酸
  2. アンモニア
  3. グルコース
  4. ビリルビン

 

 

胆汁

肝臓で作られる胆汁は、胆嚢で濃縮・貯留され、十二指腸に分泌されて脂肪を乳化することで、膵臓内のリパーゼ(脂肪分解酵素)の働きを助ける。

 

▶108回午前12

胆汁の作用はどれか。

 

  1. 殺菌
  2. 脂肪の乳化
  3. 蛋白質の分解
  4. 炭水化物の分解

 

 


 
▶109回午後13

脂肪分解酵素はどれか。

 

  1. ペプシン
  2. リパーゼ
  3. マルターゼ
  4. ラクターゼ

 

 

胆道

肝臓から十二指腸までの胆汁の通り道を胆道といい、肝臓の出口から総肝管を通り、胆嚢からつながる胆嚢管が合流して総胆管となり、膵管と合流して十二指腸乳頭部に開口する。

 

▶113回午後12

膵管と合流して大十二指腸乳頭(Vater〈ファーター〉乳頭)に開口するのはどれか。

 

  1. 肝管
  2. 総肝管
  3. 総胆管
  4. 胆嚢管

 

 

大腸

大腸は、小腸から送られた内容物から水分等を吸収し、ふん便を作る働きをもつ。

 

▶109回午後11

大腸で吸収されるのはどれか。

 

  1. 脂質
  2. 水分
  3. 糖質
  4. 蛋白質

 

 

後腹膜器官

後腹膜器官は、胃や肝臓、小腸、大腸など腹部の臓器を包み込んでいる腹膜よりも背中側にある臓器をいい、腎臓や膀胱などの泌尿器はこれに当たる。

 

▶110回午後12

後腹膜器官はどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 空腸
  3. 腎臓

 

 

成人の膀胱の平均容量

成人の膀胱容量は、個人差もあるが500mL程度である。

 

▶105回午後10

成人の膀胱の平均容量はどれか。

 

  1. 100mL
  2. 500mL
  3. 1,000mL
  4. 1,500mL

 

 

視床下部

視床下部は間脳に位置し、自律神経機能や内分泌機能の調節を行っている中枢で、体温調節のはたらきを持つ。

 

▶108回午後24・104回午後11類問・112回午前12類問

体温調節中枢があるのはどれか。

 

  1. 延髄
  2. 小脳
  3. 大脳皮質
  4. 視床下部

 

 

深部体温(直腸温)

  • 深部体温は、視床下部によりコントロールされる脳や臓器などの内部温度であり、皮膚温よりも高く37℃前後を維持している。
  • 正確な深部体温を図る上で、身体の中心に近く、外部環境に影響されにくい直腸温の測定が推奨されている。

 

▶111回午前17

深部体温に最も近いのはどれか。

 

  1. 腋窩温
  2. 口腔温
  3. 鼓膜温
  4. 直腸温

 

 

不随意筋

  • 不随意筋は自分の意思で動かすことのできない筋肉で、横紋筋のうち心臓にある心筋や、平滑筋のうち心臓を除く内臓や血管にある筋肉がこれに当たる。
  • 随意筋は自分の意思で動かすことができる筋肉で、横紋筋のうち骨格筋などがこれに当たる。

 

▶105回午後11

不随意筋はどれか。

 

  1. 心筋
  2. 僧帽筋
  3. 大殿筋
  4. ヒラメ筋

 

 

肘関節

上腕の前面(力こぶの部分)にある上腕二頭筋が肘関節を屈曲させ、その裏側にある上腕三頭筋が肘関節を伸展させる。

 

▶113回午前11

肘関節を伸展させる筋肉はどれか。

 

  1. 三角筋
  2. 大胸筋
  3. 上腕三頭筋
  4. 上腕二頭筋

 

 

球関節

球関節は、片方の関節の接合部分が球状をした可動域の広い(多軸性)関節で、肩関節や股関節が該当する。

 

▶109回午前10

球関節はどれか。

 

  1. 肩関節
  2. 膝関節
  3. 下橈尺関節
  4. 手根中手関節

 

 

股関節の運動

  • 股関節は骨盤と大腿骨をつなぐ関節で、肩関節と同様に可動域が広い(多軸性)球関節である。
  • 股関節の動きとして、股関節を起点に足を前に出す屈曲と後ろに下げる伸展、足を外側に開く外転と内側に閉じる内転、外側にひねる外旋と内側にひねる内旋がある。

 

▶107回午後10

股関節の運動を図に示す。
内転はどれか。

 

107pm10

 

 

体性感覚

体性感覚は、触覚・温度感覚・痛覚の表在感覚(皮膚感覚)と、体の内部の筋や腱、関節などに起こる深部感覚をさす。

 

▶102回午後13

表在感覚の受容器が存在する部位はどれか。

 

  1. 筋肉
  2. 皮膚
  3. 関節

 

 


 
▶112回午前10

体性感覚はどれか。

 

  1. 視覚
  2. 触覚
  3. 聴覚
  4. 平衡覚

 

 

白血球

  • 白血球は体内に侵入した細菌、ウイルスなどを排除する免疫機能を持つ。
  • 白血球の約半数を占める好中球は、細菌感染や真菌感染から体を守る主要な生体防御機構で、急性炎症では好中球の浸潤がいち早く行われる。

 

▶104回午前10・113回午前13類問

免疫機能に関与する細胞はどれか。

 

  1. 血小板
  2. 白血球
  3. 網赤血球
  4. 成熟赤血球

 

 


 
▶112回午前11

健康な成人の白血球の中に占める割合が高いのはどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. リンパ球

 

 


 
▶109回午前24

細菌感染による急性炎症で最初に反応する白血球はどれか。

 

  1. 単球
  2. 好酸球
  3. 好中球
  4. 好塩基球
  5. リンパ球

 

 

赤血球

赤血球内のヘモグロビンは肺で酸素を取り込み、全身に輸送する働きを担っており、酸素と結合しやすい中央がくぼんだ円盤状となっている。

 

▶112回午後13

成人の正常な赤血球の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 球状の細胞である。
  2. 腎臓で破壊される。
  3. 寿命は約60日である。
  4. 酸素の輸送を担っている。

 

 

赤血球数の基準値

赤血球数の基準値は検査施設等により異なるが、男性450~550万/μL、女性350~500万/μL程度とされる。

 

▶111回午前15

成人女性の赤血球数の基準値はどれか。

 

  1. 150〜250万/μL
  2. 350〜450万/μL
  3. 550〜650万/μL
  4. 750〜850万/μL

 

 

受精・着床

射精された精子と排卵された卵子は、卵管膨大部で融合して受精卵となる(受精)。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管から子宮に移動(受精後4~5日)した後、子宮内膜に着床を開始受精後6〜7日)する。

 

▶104回午前5

受精から着床開始までの期間はどれか。

 

  1. 1〜2日
  2. 6〜7日
  3. 13〜14日
  4. 20〜21日

 

 

妊娠期間

  • 最終月経の初日を0日とした順調な分娩予定日は40週0日(280日)である。
  • 妊娠期間別にみると、妊娠満22週0日(154日)~36週6日(258日)の出産は早期産、妊娠満37週0日(259日)~41週6日(293日)の出産は正期産、妊娠満42週0日(294日)以上の出産は過期産である。

 

▶105回午前6・113回午後13類問

正期産の定義はどれか。

 

  1. 妊娠36週0日から40週6日
  2. 妊娠37週0日から41週6日
  3. 妊娠38週0日から42週6日
  4. 妊娠39週0日から43週6日

 

 


 
▶104回午前11

月経周期が順調な場合、最終月経の初日を0日とすると分娩予定日はどれか。

 

  1. 240日目
  2. 280日目
  3. 320日目
  4. 360日目

 

 

分娩の経過

分娩は第1期から第4期の経過に分かれ、第1期は陣痛開始から子宮口全開大まで、第2期子宮口全開大から胎児娩出まで(発露、排臨含む)、第3期は胎児の娩出から胎盤の娩出まで、第4期は分娩後2時間をいう。

 

▶106回午前25

経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。

 

  1. 発露
  2. 排臨
  3. 胎盤の娩出
  4. 児頭の娩出
  5. 子宮口の全開大

 

 


 
▶102回午前11

分娩第2期はどれか。

 

  1. 陣痛開始から子宮口全開大まで
  2. 排臨から発露まで
  3. 子宮口全開大から胎児娩出まで
  4. 胎児娩出から胎盤娩出まで

 

 

オキシトシン

授乳時に児の吸啜刺激でオキシトシンの分泌が促進され、母乳の放出や産褥期の子宮復古を促す。

 

▶109回午前6

児の吸啜刺激によって分泌が亢進し、分娩後の母体の子宮筋の収縮を促すのはどれか。

 

  1. オキシトシン
  2. プロラクチン
  3. テストステロン
  4. プロゲステロン

 

 

 

B.人間の死

死の三徴候

死の三徴候は、①呼吸停止、②心拍停止、③瞳孔散大・対光反射消失である。

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p161~162

 

▶109回午前9

死の三徴候に含まれるのはどれか。

 

  1. 筋の弛緩
  2. 角膜の混濁
  3. 呼吸の停止
  4. 呼名反応の消失

 

 


 
▶107回午後11・103回午後10類問

死の三徴候に基づいて観察するのはどれか。

 

  1. 腹壁反射
  2. 輻輳反射
  3. 対光反射
  4. 深部腱反射

 

 

脳死判定

脳死は脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止した状態をいい、脳死判定では、①深い昏睡、②瞳孔の散大と固定、③脳幹反射の消失、④平坦な脳波、⑤自発呼吸の停止の5項目を基準とする。

第3編4章 6.臓器移植・組織移植 p161~162

 

▶108回午前24

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。

 

  1. 瞳孔径は左右とも3mm以上
  2. 脳波上徐波の出現
  3. 微弱な自発呼吸
  4. 脳幹反射の消失
  5. 浅昏睡

 

 


 
▶105回午前12

臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準に含まれるのはどれか。

 

  1. 低体温
  2. 心停止
  3. 平坦脳波
  4. 下顎呼吸

 

 


 
▶113回午前14

脳死の状態はどれか。

 

  1. 縮瞳がある。
  2. 脳波で徐波がみられる。
  3. 自発呼吸は停止している。
  4. 痛み刺激で逃避反応がある。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目9「主な看護活動の場と看護の機能」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目9「主な看護活動の場と看護の機能」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.看護活動の場と機能・役割

病院、診療所
助産所
訪問看護ステーション
介護保険施設
地域包括支援センター
市町村、保健所
学校
企業
チーム医療
退院調整

 

 

A.看護活動の場と機能・役割

病院・診療所

  • 病院は20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
  • 診療所は患者を入院させるための施設を有しないもの、または19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

第4編1章 5.医療施設 p199~204

 

▶109回午後10・105回午後8類問・113回午前10類問

医療法に規定されている診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は( )人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 9
  2. 19
  3. 29
  4. 39

 

 


 
▶102回午前10

医療法において、病院とは[ ]人以上の患者を入院させるための施設を有するものと規定されている。
[ ]に入るのはどれか。

 

  1. 10
  2. 20
  3. 50
  4. 100

 

 

特定機能病院・地域医療支援病院・臨床研究中核病院

  • 特定機能病院は、高度の医療の提供や研修を実施する能力を有する病院として、厚生労働大臣が個別に承認する。
  • 地域医療支援病院は、地域医療の確保を図る病院としての構造設備を有する病院として、都道府県知事が個別に承認する。
  • 臨床研究中核病院は、質の高い臨床研究や治験を推進・支援するための能力を有する病院として、厚生労働大臣が承認する。

第4編1章 5.医療施設 p199~204

 

▶110回午後9

医療法に基づき高度医療の提供とそれに関する研修を実施する医療施設はどれか。

 

  1. 診療所
  2. 特定機能病院
  3. 地域医療支援病院
  4. 臨床研究中核病院

 

 


 
▶106回午前9

医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。

 

  1. 助産所
  2. 診療所
  3. 特定機能病院
  4. 地域医療支援病院

 

 

病室床面積

医療法施行規則に基づき、病院の病床種別ごとに構造設備基準が定められており、一般病床の患者1人に必要な病床面積として6.4m2/床以上と定められている(既設は1人部屋で6.3m2、その他で4.3m2)。

第4編1章 5.医療施設 p199~204

 

▶113回午前20

医療法施行規則に定められている病院の一般病床における患者1人に必要な病室床面積はどれか。

 

  1. 3.4m2以上
  2. 4.4m2以上
  3. 5.4m2以上
  4. 6.4m2以上

 

 

保健医療施設の照度

保健医療施設の照度は日本産業標準調査会のJIS規格により定められており、手術室は全般1,000ルクスで手術野は10,000~100,000ルクスと高く設定されている。

第4編1章 5.医療施設 p199~204

 

▶111回午後25・104回午後21類問

最も高い照度を必要とするのはどれか。

 

  1. 病室
  2. 手術野
  3. トイレ
  4. 病棟の廊下

 

 

病室の湿度

一般的な病室における湿度として、夏季は50~60%、冬季は40~50%が適切とされる。

第4編1章 5.医療施設 p199~204

 

▶108回午前20

一般的な病室における冬季の湿度で適切なのはどれか。

 

  1. 約10%
  2. 約30%
  3. 約50%
  4. 約70%

 

 

訪問看護を行う職種

訪問看護を行うことができる職種として、看護師、保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が認められている。

第4編1章 3.2〕訪問看護 p170~172

 

▶104回午後9

介護保険法に基づき訪問看護を行うことができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 薬剤師
  3. 理学療法士
  4. 介護福祉士

 

 

訪問看護ステーション

  • 指定訪問看護ステーションには、看護職員(保健師、看護師、准看護師)を常勤換算で2.5人以上(うち1名は常勤)と、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を実情に応じた適当数置く。
  • 訪問看護ステーションの管理者は、専従かつ常勤の保健師または看護師とされる。

第4編1章 3.2〕訪問看護 p170~172

 

▶111回午後10

指定訪問看護ステーションには常勤換算で( )人以上の看護職員を配置することが定められている。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 1.0
  2. 1.5
  3. 2.0
  4. 2.5

 

 


 
▶107回午後9

訪問看護ステーションの管理者になることができる職種はどれか。

 

  1. 医師
  2. 看護師
  3. 介護福祉士
  4. 理学療法士

 

 

介護保険法の施設サービス

  • 介護老人福祉施設は、原則要介護3以上の要介護者に対し、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行う。
  • 介護老人保健施設は、症状が安定期にある要介護者に対し、看護、医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。
  • 介護医療院は、長期にわたり療養が必要である要介護状態の者に対し、看護、医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行う。

第5編1章 3.3〕施設サービス p224~225

 

▶108回午後10・104回午前8類問

要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。

 

  1. 介護老人保健施設
  2. 短期入所生活介護
  3. 保健センター
  4. 有料老人ホーム

 

 


 
▶106回午後9

介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康保険法
  3. 地域保健法
  4. 老人福祉法

 

 

地域包括支援センター

介護保険法に定められる地域包括支援センターは、住民の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行うもので、市町村に設置される。

第5編1章 7.地域包括ケアシステム p227

 

▶108回午前11・107回午前4類問

平成18年(2006年)の介護保険法改正で、地域住民の保健医療の向上および福祉の増進を支援することを目的として市町村に設置されたのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 市町村保健センター
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶103回午後7

地域包括支援センターを設置できるのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 

保健所

保健所は地域保健法に基づき、地域における公衆衛生の向上と増進を図るため一般的に都道府県が設置する。

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

 

▶110回午前10

地域保健法に基づき設置されているのはどれか。

 

  1. 診療所
  2. 保健所
  3. 地域包括支援センター
  4. 訪問看護ステーション

 

 


 
▶105回午前9

保健所の設置主体で正しいのはどれか。

 

  1. 都道府県
  2. 社会福祉法人
  3. 独立行政法人

 

 

市町村保健センター

市町村保健センターは地域保健法に基づき、住民を対象とした健康相談・保健指導・健康診査など地域保健に関し必要な事業を行うため、市町村が設置することができる。

第1編2章 2.衛生行政の組織 p22~24

 

▶112回午後10

地域保健法に規定されている市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 病気の治療
  2. 住民の健康診査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 専門的で広域的な健康課題への対応

 

 


 
▶103回午前8

市町村保健センターの業務はどれか。

 

  1. 廃棄物の処理
  2. 人口動態統計調査
  3. 看護師免許申請の受理
  4. 地域住民の健康づくり

 

 

看護師の就業場所

令和4年(2022年)末の就業看護師数は約131万人で、就業先別では病院が67.8%と最も多く、次いで診療所が13.2%、介護保険施設等が7.7%、訪問看護ステーションが5.4%などとなっている。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶112回午前9

令和4年(2022年)の衛生行政報告例における看護師の就業場所で、医療機関(病院、診療所)の次に多いのはどれか。

 

  1. 事業所
  2. 市町村
  3. 保健所
  4. 訪問看護ステーション

 

 

チーム医療

チーム医療は、多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供するものである。

第4編1章 4.6〕医療関係者の業務の動向 p199

 

▶110回午後10・105回午前10類問

チーム医療で適切なのはどれか。

 

  1. 他施設との間で行うことはできない。
  2. チームメンバー間で目標を共有する。
  3. チームリーダーは看護師に固定する。
  4. 経験年数が同等の者でチームを構成する。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目8「看護の対象としての患者と家族」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目8「看護の対象としての患者と家族」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.家族の機能

家族関係
家族構成員
疾病が患者・家族に与える心理・社会的影響

B.家族形態の変化 家族の多様性
構成員の変化

 

 

A.家族の機能

家族成員

家族は、配偶関係や血縁関係、親族関係などを基礎にした2人以上の小規模な共同体を表す。

  

▶112回午後9

家族成員の最少人数はどれか。

 

  1. 4人
  2. 3人
  3. 2人
  4. 1人

 

 

主な介護者の続柄別割合

令和4年(2022年)の主な介護者は要介護者等と同居が45.9%で、そのうち配偶者が22.9%で最も多い。

第5編1章 10.介護者・要介護者等の状況 p229~230

 

▶107回午後8改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 同居の父母
  2. 別居の家族
  3. 同居の配偶者
  4. 同居の子の配偶者

 

 

レスパイトケア

介護者の負担軽減のため、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどを利用したレスパイトケア(介護者の一時的な休息支援)の拡充が図られている。

第5編1章 10.介護者・要介護者等の状況 p229~230

 

▶109回午前8

レスパイトケアの目的はどれか。

 

  1. 介護者の休息
  2. 介護者同士の交流
  3. 介護者への療養指導
  4. 療養者の自己決定支援

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目7「人間のライフサイクル各期の特徴と生活」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.胎児期

形態的発達と異常

B.新生児・乳児期 発達の原則
身体の発育
運動能力の発達
栄養
親子関係
C.幼児期 身体の発育
運動能力の発達
言語の発達
社会性の発達
基本的生活習慣の確立
D.学童期

運動能力の発達、体力の特徴
社会性の発達
学習に基づく行動

E.思春期 第二次性徴
アイデンティティの確立
親からの自立
異性への関心
F.成人期 社会的責任と役割
生殖機能の成熟と衰退
基礎代謝の変化
G.老年期

身体的機能の変化
認知能力の変化
心理社会的変化

 

 

A.胎児期

胎児循環

  • 胎児の血液は、臍帯内の2本の臍動脈により胎盤に入り、1本の臍静脈を通って胎児へと運ばれる。
  • 胎盤は肺の役割を果たし、胎児へ運ばれる臍静脈内の血液には酸素が多く含まれている。

 

▶111回午前7

胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。

 

  1. 総頸動脈
  2. 肺動脈
  3. 臍動脈
  4. 臍静脈

 

 


 
▶108回午前7

胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。

 

  1. 肺動脈
  2. 肺静脈
  3. 臍動脈
  4. 臍静脈

 

 

胎児の肺機能の成熟

在胎26週ころに肺胞などの肺構造が完成し、在胎34週ころに肺表面活性物質(肺サーファクタント)が十分に分泌されることで、胎児の肺機能が成熟する。

 

▶106回午後6

肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

 

  1. 在胎10週ころ
  2. 在胎18週ころ
  3. 在胎26週ころ
  4. 在胎34週ころ

 

 

 

B・C.新生児・乳児期・幼児期

新生児の生理的体重減少

出生後すぐの新生児は、母乳を飲む量が少ない一方で呼気や皮膚から水分が喪失(不感蒸泄)するため、生後3日ころには一時的に体重が減少する生理的体重減少が起こる。

  

▶112回午後7

正期産の新生児が生理的体重減少によって最低体重になるのはどれか。

 

  1. 生後3〜5日
  2. 生後8〜10日
  3. 生後13〜15日
  4. 生後18〜20日

 

 

母乳中の免疫グロブリン

母乳には免疫グロブリンのうちIgAが豊富に含まれ、特に初乳に多い。なお、胎児期には胎盤を通じてIgGを母胎から受け取る。

 

▶108回午前8

母乳中に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgE
  3. IgG
  4. IgM

 

 

母乳の不足栄養

母乳中には血液凝固作用を持つビタミンKが少なく、新生児のビタミンK欠乏性出血症を予防するため、出生後にビタミンKの内服が行われている。

 

▶105回午後25・112回午前25類問

母乳栄養で不足しやすいのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB
  3. ビタミンC
  4. ビタミンE
  5. ビタミンK

 

 

原始反射

生後すぐの新生児からみられる原始反射として、手に刺激を与えた際に握ろうとする手掌把握反射、外部からの刺激に対して両手を広げて抱きつくようなモロー反射があり、これらは生後3~4か月で消失する。

  

▶110回午前6・107回午前6類問

出生時からみられ、生後4か月ころに消失する反射はどれか。

 

  1. 手掌把握反射
  2. 足底把握反射
  3. パラシュート反射
  4. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

 


 
▶103回午前6

出生時からみられ、生後3か月ころに消失する反射はどれか。

 

  1. 足踏み反射
  2. パラシュート反射
  3. Moro〈モロー〉反射
  4. Babinski〈バビンスキー〉反射

 

 

運動発達

出生後の基本的な運動発達は、頭部から下部(脚部)、中枢から末梢、粗大運動から微細運動などの傾向がある。

  

▶113回午後6

成長・発達における順序性で正しいのはどれか。

 

  1. 頭部から脚部へ
  2. 微細から粗大へ
  3. 複雑から単純へ
  4. 末梢から中心へ

 

 

乳児の発達目安

DENVERⅡ(デンバー発達判定法)が示す乳児の粗大運動の発達目安では、3~4か月に首のすわり、5~6か月に寝返り、7~8か月にお座り、9~10か月につかまり立ちとされる。

  

▶108回午後7

生後4か月の乳児の発達を評価するのはどれか。

 

  1. 寝返り
  2. お座り
  3. 首のすわり
  4. つかまり立ち

 

 

幼児の発達目安

DENVERⅡ(デンバー発達判定法)が示す幼児の粗大運動の発達目安では、けんけん〈片足跳び〉は運動バランスの発達する3歳半~4歳とされる。

  

▶112回午前7

運動機能の発達で3歳以降に獲得するのはどれか。

 

  1. 階段を昇る。
  2. ひとりで立つ。
  3. ボールを蹴る。
  4. けんけん〈片足跳び〉をする。

 

 

乳児期の分離不安・人見知り

生後6〜8か月ころの乳児期には身近な家族等の顔を見分け、応答的な愛着関係がみられるようになり、親から離されることへの分離不安や、知らない相手には人見知りがはじまる。

  

▶102回午後8

乳児期の特徴はどれか。

 

  1. 分離不安
  2. 第一次反抗期
  3. ギャングエイジ
  4. 自我同一性の確立

 

 


 
▶104回午後6

乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。

 

  1. 生後1〜2か月
  2. 生後6〜8か月
  3. 生後18〜24か月
  4. 生後36〜42か月

 

 

乳児期の発達課題

エリクソンが示す発達課題では、乳児期は母親に対する基本的信頼感を得るため、基本的信頼感対不信感の葛藤が生じる。

  

▶108回午後8

エリクソン, E. H.の乳児期の心理・社会的発達段階で正しいのはどれか。

 

  1. 親密
  2. 同一性
  3. 自主性
  4. 基本的信頼

 

 

乳児期の呼吸の型

  • 新生児期や乳児期では、横隔膜を上下に動かす腹式呼吸が中心である。
  • 7~8歳ころの学童期以降は胸式呼吸が優位となり、その間の幼児期後期ころは両者を組み合わせた胸腹式呼吸がみられる。

  

▶109回午後7

乳児期における呼吸の型はどれか。

 

  1. 肩呼吸
  2. 胸式呼吸
  3. 腹式呼吸
  4. 胸腹式呼吸

 

 

乳幼児の身体の発達

出生時の平均体重は約3kgで、3か月ごろには約2倍、1年ごろには約3倍となる。また、出生時の平均身長は約50cmで、1年ごろには約1.5倍、4年ごろには約2倍となる。

  

▶106回午前6・102回午後6類問

標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。

 

  1. 生後3か月
  2. 生後6か月
  3. 生後9か月
  4. 生後12か月

 

 

乳歯

乳歯は、生後6~8か月ころから生え始め、2~3歳ころには上下各10本、計20本生えそろう。

  

▶110回午後7

乳歯がすべて生えそろう年齢はどれか。

 

  1. 0〜1歳
  2. 2〜3歳
  3. 4〜5歳
  4. 6〜7歳

 

 


 
▶102回午前7

乳歯がすべて生えそろったときの本数はどれか。

 

  1. 16本
  2. 20本
  3. 24本
  4. 28本

 

 

大泉門の閉鎖

大泉門は頭頂骨と前頭骨に囲まれたくぼみであり、成長とともに縮んで1歳6か月ころに閉鎖する。

  

▶112回午後6

大泉門が閉鎖する時期に最も近いのはどれか。

 

  1. 6か月
  2. 1歳6か月
  3. 2歳6か月
  4. 3歳6か月

 

 

乳幼児の脳重量の発達

脳重量は出生時には成人の4分の1程度であるが、乳幼児期に急速に発達し、乳児期には50%、幼児後期の5〜6歳ころには成人の90%に達する。

  

▶102回午後7

標準的な発育をしている児において脳重量が成人の約90%に達する年齢はどれか。

 

  1. 5〜6歳
  2. 8〜9歳
  3. 11〜12歳
  4. 15〜16歳

 

 

 

D.学童期

学童期の特徴

  • エリクソンが示す発達課題では、学童期(5歳から13歳ころ)には様々な課題の達成に挑戦して他者と比べた有能感を獲得する過程で、勤勉性対劣等感の葛藤が生じる。
  • 親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動をとるギャングエイジは、学童期の特徴である。

  

▶112回午後8

エリクソンが提唱する発達理論において、学童期に達成すべき心理社会的課題はどれか。

 

  1. 親密 対 孤立
  2. 自律性 対 恥・疑惑
  3. 勤勉性 対 劣等感
  4. 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立 対 自我同一性〈アイデンティティ〉の拡散

 

 


 
▶113回午前7

学童期中学年から高学年にみられる、親から離れて仲の良い仲間同士で集団行動をとる特徴はどれか。

 

  1. 心理的離乳
  2. 自我の芽生え
  3. ギャングエイジ
  4. 自我同一性〈アイデンティティ〉の確立

 

 

学童期の異常被患率

令和4年(2022年)の学校における主な疾病・異常の状況をみると、幼稚園・小学校・中学校・高等学校のいずれも「裸眼視力1.0未満の者」が最も高く、次いで改善傾向にある「むし歯(う歯)」となっている。

第10編 4.学齢期の健康状況 p347~349

 

▶110回午前7改題

令和4年(2022年)の学校保健統計調査における学童期の異常被患率で最も高いのはどれか。

 

  1. 高血圧
  2. 摂食障害
  3. 心電図異常
  4. 裸眼視力1.0未満の者

 

 

 

E.思春期

思春期の特徴

思春期には、依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情を持ちながらも、自我同一性の確立の過程で、親からの心理的離乳、年長者の価値観への拒絶、同世代の仲間との価値観の共有がみられる(第2反抗期)。

  

▶107回午前7

思春期にみられる感情の特徴はどれか。

 

  1. 情緒的に安定し穏やかになる。
  2. 思い通りにならないと泣き叫ぶ。
  3. 親に対して強い愛情表現を示す。
  4. 依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。

 

 


 
▶103回午後24

思春期に特徴的にみられるのはどれか。

 

  1. 愛着行動
  2. 分離不安
  3. 自己同一性の確立
  4. 基本的信頼関係の確立

 

 


 
▶104回午前6

思春期の子どもの親に対する行動の特徴で適切なのはどれか。

 

  1. 親からの干渉を嫌うようになる。
  2. 親と離れると不安な様子になる。
  3. 親に秘密を打ち明けるようになる。
  4. 親からの助言を素直に聞けるようになる。

 

 


 
▶108回午前9

思春期にある人が親密な関係を求める対象はどれか。

 

  1. 教師
  2. 祖父母
  3. 友人
  4. 両親

 

 

男子の第二次性徴(精通)

思春期に起こる第二次性徴では、男子で精通(初めての射精)がみられ、中学3年生ころには半数以上が経験するとされる。

  

▶110回午後8・106回午前7類問

男子の第二次性徴による変化はどれか。

 

  1. 精通
  2. 骨盤の拡大
  3. 皮下脂肪の増加
  4. 第1大臼歯の萌出

 

 

第二次性徴の発現に関与するホルモン

思春期に下垂体から黄体形成ホルモン卵胞刺激ホルモンが分泌されることで、男子ではアンドロゲン(テストステロン)が、女子では卵胞ホルモン(エストロゲン)がつくられ、第二次性徴が発現・成熟する。

  

▶109回午前5

第二次性徴の発現に関与するホルモンはどれか。

 

  1. 抗利尿ホルモン〈ADH〉
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
  4. 甲状腺刺激ホルモン〈TSH〉

 

 


 
▶103回午後5

思春期に分泌が増加するホルモンはどれか。

 

  1. グルカゴン
  2. オキシトシン
  3. カルシトニン
  4. アンドロゲン

 

 

第二次性徴に伴う意識の変化

身長等の発育が加速する第二次性徴が生じる思春期は、自己の身体の変化(ボディイメージ)に関心が向く時期である。

  

▶113回午後7

第二次性徴が発現し始めた思春期に関心が向くのはどれか。

 

  1. 善悪の区別
  2. 仕事と家庭の両立
  3. 自己の身体の変化
  4. 経済力の確保と維持

 

 

青年期の発達課題

エリクソンが示す発達課題では、青年期(13歳から20歳ころ)は、自分は何者であるかという自己同一性(アイデンティティ)の確立を達成するため、同一性対同一性の混乱の葛藤が生じる。

  

▶109回午後6

エリクソン, E. H.の発達理論で青年期に生じる葛藤はどれか。

 

  1. 生殖性 対 停滞
  2. 勤勉性 対 劣等感
  3. 自主性 対 罪悪感
  4. 同一性 対 同一性混乱

 

 

成人の基礎代謝量

日本人の食事摂取基準(2020年版)で推定された基礎代謝量は、男性は15~17歳(1,610kcal/日)、女性は12~14歳(1,410 kcal/日)で最も高く、青年期以降は加齢に伴って低下していく。

  

▶111回午後8・106回午後8類問・102回午前9類問

次の時期のうち基礎代謝量が最も多いのはどれか。

 

  1. 青年期
  2. 壮年期
  3. 向老期
  4. 老年期

 

 

 

F.成人期

成人期の発達課題

ハヴィガーストが示す発達課題として、成人期(壮年期・中年期)では職業生活の開始と地位の確保、経済的な自立、配偶者の選択などの課題が挙げられる。

  

▶112回午前8

ハヴィガースト, R. J.が提唱する成人期の発達課題はどれか。

 

  1. 経済的に自立する。
  2. 身体的衰退を自覚する。
  3. 正、不正の区別がつく。
  4. 読み、書き、計算ができる。

 

 

壮年期以降の特徴

加齢に伴い、男性では精巣機能の低下により男性ホルモン(テストステロン)が減少し、精子数の減少や勃起障害が起こりやすくなる。

  

▶113回午前8

壮年期の男性で減少するのはどれか。

 

  1. エストロゲン
  2. プロラクチン
  3. アルドステロン
  4. テストステロン

 

 

平均閉経年齢

日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされる。

  

▶111回午前9・105回午前7類問

日本の女性における平均閉経年齢に最も近いのはどれか。

 

  1. 30歳
  2. 40歳
  3. 50歳
  4. 60歳

 

 

更年期ころの女性

閉経前後に当たる更年期の女性は、卵巣機能の低下により卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少する一方で、性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン黄体形成ホルモン)は分泌を増やすため、ホルモンバランスが乱れ、ほてりや発汗、抑うつなどがみられる。

  

▶103回午前7

閉経前と比べ閉経後に低下するホルモンはどれか。

 

  1. 卵胞ホルモン
  2. 黄体形成ホルモン〈LH〉
  3. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  4. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉

 

 


 
▶107回午後7

更年期の女性で増加するのはどれか。

 

  1. 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉
  2. テストステロン
  3. プロラクチン
  4. エストロゲン

 

 

 

G.老年期

老年期の発達課題

ハヴィガーストが示す発達課題では、老年期は体力と健康の衰退・退職と収入の減少・配偶者の死などに適応する時期である。

  

▶110回午前8

ハヴィガースト, R. J.が提唱する老年期の発達課題はどれか。

 

  1. 子どもを育てる。
  2. 退職と収入の減少に適応する。
  3. 社会的責任をともなう行動を望んでなしとげる。
  4. 男性あるいは女性としての社会的役割を獲得する。

 

 

老年期の身体的変化

加齢により、以下のような多くの身体的変化がみられる。

 

  • 大動脈の硬化による血管抵抗の増大(収縮期血圧の上昇、拡張期血圧の低下)
  • 視野(特に周辺視野)の狭まり、近見視力の低下、色の識別能の低下(老視)
  • 高音域が聞こえづらくなる(加齢性難聴)
  • 嗅覚機能の低下(反応下限値(閾値)の上昇)
  • 外来抗原に対する抗体の産生能の低下
  • インスリン分泌量の低下による空腹時血糖の上昇
  • 最大換気量の大幅な低下
  • 総水分量が成人期(約60%)から減少(約50~55%)
  • 自律性体温調節反応の低下により熱中症を引き起こしやすくなる
  • 代謝・排出機能の低下等により薬物の副作用〈有害事象〉が生じやすい

  

▶109回午後8

老年期にみられる身体的な変化はどれか。

 

  1. 血管抵抗の増大
  2. 消化管の運動の亢進
  3. 水晶体の弾性の増大
  4. メラトニン分泌量の増加

 

 


 
▶107回午前8

老年期の身体的な特徴はどれか。

 

  1. 総水分量が増加する。
  2. 胸腺の重量が増加する。
  3. 嗅覚の閾値が低下する。
  4. 高音域における聴力が低下する。

 

 


 
▶105回午後7

加齢に伴い老年期に上昇するのはどれか。

 

  1. 腎血流量
  2. 最大換気量
  3. 空腹時血糖
  4. 神経伝導速度

 

 


 
▶106回午前8

老年期の身体的な特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 尿量の増加
  2. 味覚の感度の向上
  3. 体温調節能の低下
  4. 外来抗原に対する抗体産生の亢進

 

 


 
▶113回午後8

老化に伴う視覚の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 視野が狭くなる。
  2. 近くが見やすくなる。
  3. 色の識別がしやすくなる。
  4. 明暗順応の時間が短縮する。

 

 

加齢に伴う知能の変化

  • 加齢とともに、新しい環境に適応するために、新しい情報を獲得し、処理・操作していく知能である流動性知能(記銘力等)は低下を続ける。
  • 一方、長年の経験や教育、学習から獲得する知能である結晶性知能(洞察力、判断力、統合力等)は、20歳以降も上昇し、高齢になっても維持・安定している。

  

▶104回午前7

加齢によって衰えやすい機能はどれか。

 

  1. 記銘力
  2. 洞察力
  3. 判断力
  4. 統合力

 

 

成人(高齢者)の水分量

成人の体重に占める水分量は約60%高齢者は50~55%)であり、このうち細胞内液が約40%を占め、残る細胞外液のうち、間質液(リンパ液含む)は約15%、血漿は約5%とされる。

  

▶102回午後10

健常な成人の体重における水分の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 20%
  2. 40%
  3. 60%
  4. 80%

 

 


 
▶105回午前13

高齢者の体重に占める水分量の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 45%
  2. 55%
  3. 65%
  4. 75%

 

 


 
▶108回午後9

成人の体重に占める体液の割合で最も高いのはどれか。

 

  1. 血漿
  2. 間質液
  3. 細胞内液
  4. リンパ液

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目6「人間の特性」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目6「人間の特性」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.人間と欲求

基本的欲求
社会的欲求

B.対象の特性 QOL
健康や疾病に対する意識
疾病・障害・死の受容

 

 

A.人間と欲求

マズローの欲求階層説

マズローの欲求階層説では、低階層から、「生理的(食事、排泄、睡眠等)欲求」「安全(危険回避)の欲求」「社会的(所属・愛情)欲求」「自尊(承認)の欲求」「自己実現の欲求」となっており、人間は低階層の欲求が満たされると高階層の欲求に移っていくことをあらわす。

  

▶102回午後5

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最も低次の欲求はどれか。

 

  1. 自己実現の欲求
  2. 所属と愛の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 安全の欲求

 

 


 
▶108回午後6

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で、食事・排泄・睡眠の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 自己実現の欲求
  3. 承認の欲求
  4. 生理的欲求

 

 


 
▶111回午前6改題・104回午後5類問

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層で社会的欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 帰属の欲求
  3. 自己実現の欲求
  4. 睡眠の欲求

 

 


 
▶109回午後17

マズロー, A. H.の基本的欲求の階層構造で承認の欲求はどれか。

 

  1. 尊重されたい。
  2. 休息をとりたい。
  3. 他人と関わりたい。
  4. 自分の能力を発揮したい。

 

 


 
▶107回午後25

マズロー, A. H.の基本的欲求階層論で最高次の欲求はどれか。

 

  1. 安全の欲求
  2. 承認の欲求
  3. 生理的欲求
  4. 自己実現の欲求
  5. 所属と愛の欲求

 

 

 

B.対象の特性

QOL(生活の質)

QOL(Quality of Life)は生活の質と訳され、本人の満足感が重要な尺度である。

  

▶107回午前5

QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。

 

  1. 高度医療の受療
  2. 本人の満足感
  3. 乳児死亡率
  4. 生存期間

 

 

緩和ケア

  • 緩和ケアでは、患者とその家族に対して、終末期だけでなくがんと診断された時から、がん治療と同時に、多職種が連携して身体的症状の緩和や精神心理的な問題を含めた総合的なケアを行うことで、QOL(生活の質)の改善・向上を目指す。
  • 人生の意味や、死生観、宗教観などの観念的な問題であるスピリチュアルな苦痛(スピリチュアルペイン)も対象である。

第3編4章 1.がん対策 p149~152

 

▶110回午前16

緩和ケアの説明で適切なのはどれか。

 

  1. 入院が原則である。
  2. 家族もケアの対象である。
  3. 創の治癒を目的としている。
  4. 患者の意識が混濁した時点から開始する。

 

 


 
▶112回午前6

緩和ケアの目標で正しいのはどれか。

 

  1. 疾病の治癒
  2. 余命の延長
  3. QOLの向上
  4. 在院日数の短縮

 

 


 
▶107回午後6

スピリチュアルな苦痛はどれか。

 

  1. 手術後の創部痛がある。
  2. 社会的役割を遂行できない。
  3. 治療の副作用に心配がある。
  4. 人生の価値を見失い苦悩する。

 

 

フィンクの危機モデル

臨床場面等で、危機的状況に対する過程を模式的に表した危機モデルを用いた対応がなされる。そのうち、フィンクは、①衝撃、②防御的退行、③承認、④適応の4段階を示し、感情的・防御的な対応から問題解決型の対応になっていく過程を表している。

  

▶111回午後6

フィンク, S. L.の危機モデルで第2段階はどれか。

 

  1. 衝撃
  2. 承認
  3. 適応
  4. 防御的退行

 

 

キューブラー・ロスの死にゆく人の心理変化

キューブラー・ロスは、死にゆく人の心理の変化を、①否認と孤立、②怒り、③取引、④抑うつ、⑤受容の5段階で捉え、自己防衛的態度から死の受容までのモデルを示した。

  

▶106回午後12

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

 

  1. 死ぬことへの諦め
  2. 延命のための取り引き
  3. 死を認めようとしない否認
  4. 死ななければならないことへの怒り

 

 


 
▶110回午前13

キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第5段階はどれか。

 

  1. 怒り
  2. 否認
  3. 死の受容
  4. 取り引き

 

 

セリエのストレス反応

セリエは、精神的緊張(ストレッサー)を受けたときに生体に起きる一定の反応(ストレス反応)を提唱した。

  

▶108回午前3

セリエ, H.が提唱した理論はどれか。

 

  1. 危機モデル
  2. ケアリング
  3. セルフケア
  4. ストレス反応

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目5「看護に関わる基本的法律」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 【必修】大項目5「看護に関わる基本的法律」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.保健師助産師看護師法

保健師・助産師・看護師の定義
保健師・助産師・看護師の業務
保健師・助産師・看護師の義務(守秘義務、業務従事者届出の義務、臨床研修等を受ける努力義務)
養成制度

B.看護師等の人材確保の促進に関する法律 目的、基本方針
ナースセンター

 

 

A.保健師助産師看護師法

看護師免許の付与

保健師助産師看護師法に基づき、看護師になろうとする者は看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶111回午後5

看護師免許を付与するのはどれか。

 

  1. 保健所長
  2. 厚生労働大臣
  3. 都道府県知事
  4. 文部科学大臣

 

 

看護師免許付与における相対的欠格事由

保健師助産師看護師法に基づき、看護師免許付与における相対的欠格事由として以下を定め、いずれかに該当した場合は免許を与えないことがあり、看護師が該当した場合は厚生労働大臣が免許の取消し等の処分をすることができる。

 

  • 罰金以上の刑に処せられた者
  • 医事に関し犯罪または不正の行為のあった者
  • 心身の障害により看護師の業務を適正に行うことができない者
  • 麻薬、大麻またはあへんの中毒者

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶108回午後5

看護師の免許の取消しを規定するのはどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 


 
▶110回午前5

看護師免許の付与における欠格事由として保健師助産師看護師法に規定されているのはどれか。

 

  1. 20歳未満の者
  2. 海外に居住している者
  3. 罰金以上の刑に処せられた者
  4. 伝染性の疾病にかかっている者

 

 

看護師の届出

保健師助産師看護師法に基づき、業務に従事する看護師は、2年ごとに就業地の都道府県知事に氏名や住所などを届け出なければならない。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶108回午前6・106回午前5類問

業務に従事する看護師は、( )年ごとに保健師助産師看護師法に定める届出をしなければならない。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4

 

 


 
▶113回午後5

看護師の業務従事者届の届出先はどれか。

 

  1. 保健所長
  2. 厚生労働大臣
  3. 都道府県知事
  4. 都道府県ナースセンターの長

 

 

看護師の守秘義務

保健師助産師看護師法に基づき、看護師は正当な理由なく業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶109回午後5・103回午後8類問

保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか。

 

  1. 研究をする。
  2. 看護記録を保存する。
  3. 看護師自身の健康の保持増進を図る。
  4. 業務上知り得た人の秘密を漏らさない。

 

 


 
▶112回午後5

看護師は正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと規定している法律はどれか。

 

  1. 刑法
  2. 医療法
  3. 保健師助産師看護師法
  4. 看護師等の人材確保の促進に関する法律

 

 

診療の補助

  • 看護師は傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする(保健師助産師看護師法)。
  • 診療の補助の範囲は厚生労働省通知により解釈がなされ、静脈内注射などは医師の指示の下に行うことができる。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶103回午後4

医師の指示を受けて看護師が行うことのできる業務はどれか。

 

  1. 薬剤の処方
  2. 死亡の判定
  3. 静脈内注射
  4. 診断書の交付

 

 


 
▶105回午後5

医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。

 

  1. 静脈内注射
  2. 診断書の交付
  3. 末梢静脈路の確保
  4. 人工呼吸器の設定の変更

 

 

 

B.看護師等の人材確保の促進に関する法律

看護師等の人材確保の促進に関する法律

看護師等の人材確保の促進に関する法律により、病院等の開設者等には看護師に対する処遇改善や臨床研修等の実施などの責務を定めている。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶102回午前5

新たに業務に従事する看護師に対する臨床研修実施の努力義務が規定されているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 学校教育法
  3. 看護師等の人材確保の促進に関する法律
  4. 保健師助産師看護師学校養成所指定規則

 

 

都道府県ナースセンター

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定される都道府県ナースセンターは、看護師等の就業状況等の調査や無料職業紹介事業、訪問看護等の研修、各種情報提供などを行う。

第4編1章 4.4〕看護職員等 p193~197

 

▶110回午後5

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている都道府県ナースセンターの業務はどれか。

 

  1. 訪問看護業務
  2. 看護師免許証の交付
  3. 訪問入浴サービスの提供
  4. 看護師等への無料の職業紹介

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目4「看護における倫理」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目4「看護における倫理」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.基本的人権の擁護

個人の尊厳
患者の権利
自己決定権と患者の意思
インフォームド・コンセント
ノーマライゼーション
情報管理(個人情報の保護)

B.倫理原則 自律尊重
善行
公正、正義
誠実、忠誠
無危害
C.看護師等の役割 説明責任<アカウンタビリティ>
倫理的配慮
権利擁護<アドボカシー>

 

 

A.基本的人権の擁護

インフォームド・コンセント

  • 医療法には、医療提供の際に医療提供者が適切な説明を行い、医療の受け手の理解を得るように努める旨(インフォームド・コンセント)が規定されている。
  • 1964年のヘルシンキ宣言においてインフォームド・コンセントが提唱された。

第4編1章 1.医療法 p166

 

▶104回午前4

医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。

 

  1. エンパワメント
  2. コンプライアンス
  3. リスクマネジメント
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶111回午前5

患者の選択権の行使を最も促進するのはどれか。

 

  1. 父権主義
  2. 医師の裁量権
  3. コンプライアンス
  4. インフォームド・コンセント

 

 


 
▶102回午前4

ヘルシンキ宣言で提唱されたのはどれか。

 

  1. リビングウィル
  2. ヘルスプロモーション
  3. ノーマライゼーション
  4. インフォームド・コンセント

 

 

セカンドオピニオン

患者は医療機関等の選択の自由を権利として有し、主治医以外の医師による助言(セカンドオピニオン)を受けることができる。

第4編1章 1.医療法 p166

 

▶110回午後4

患者の権利について適切なのはどれか。

 

  1. 患者は入院中に無断で外泊できる。
  2. 患者は治療後に治療費の金額を決定できる。
  3. 患者はセカンドオピニオンを受けることができる。
  4. 患者は自分と同じ疾患の患者の連絡先を入手できる。

 

 

リビングウィル

リビングウィル(Living Will)は、終末期における医療・ケアの方法や方針などを、患者本人があらかじめ書面で意思表示することをいい、本人の意思を直接確認できない状態になった場合に書面に従って治療方針を決定する。

第4編1章 1.医療法 p166

 

▶105回午後4

終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。

 

  1. アドヒアランス
  2. リビングウィル
  3. セカンドオピニオン
  4. インフォームド・コンセント

 

 

ノーマライゼーション

ノーマライゼーションは、障害者等が障害を持たない者と同等に生活・活動する社会を目指す理念で、障害者基本法ではこの理念の下に公共的施設のバリアフリー化などを幅広く規定している。

第5編2章 4.障害者福祉等 p239~241

 

▶103回午前5

全ての人が差別されることなく同じように生活できるという考え方を示しているのはどれか。

 

  1. ヘルスプロモーション
  2. ノーマライゼーション
  3. プライマリヘルスケア
  4. エンパワメント

 

 

 

B.倫理原則

 

倫理原則

  • 看護実践における倫理原則として、「自律尊重」「無危害」「善行」「公正と正義」「誠実と忠誠」の5原則がある。
  • 善行の原則は、患者のために最善を尽くすことをいう(患者の症状、感情に合わせた最良の医療・看護提供など)。

  

▶102回午後4

倫理原則の「善行」はどれか。

 

  1. 患者に身体的損傷を与えない。
  2. 患者に利益をもたらす医療を提供する。
  3. すべての人々に平等に医療を提供する。
  4. 患者が自己決定し選択した内容を尊重する。

 

 

倫理委員会

  • 人間を対象とする医学研究の倫理的原則を掲げたヘルシンキ宣言等を踏まえ、わが国は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を制定している。
  • 倫理指針に基づき、倫理(審査)委員会は、臨床研究が倫理的配慮、科学的妥当性、研究機関・研究者等の利益相反に関する透明性が確保されているかどうかなどを審査する。

第6編1章 10.臨床研究・治験 p255~256

 

▶105回午前5

臨床研究を行うときに、研究対象者の立場を擁護するために審査を行う組織はどれか。

 

  1. 教育委員会
  2. 倫理委員会
  3. 医療事故調査委員会
  4. 院内感染対策委員会

 

 

 

C.看護師等の役割

看護師の倫理綱領

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領では、看護師の基本的な看護の責任として、「健康の増進」「疾病の予防」「健康の回復」「苦痛の緩和と尊厳ある死の推奨」を挙げている。

  

▶106回午後5

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。

 

  1. 疾病の回復
  2. 医師の補助
  3. 苦痛の緩和
  4. 薬剤の投与

 

 

アドボカシー(権利擁護)

アドボカシーは、権利擁護、代弁などの意で、患者や認知症高齢者など本人の意思や自己決定を尊重し、本人の保護を図ることが求められる。

第5編2章 7.権利擁護〈アドボカシー〉 p245

 

▶108回午後4

看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。

 

  1. 多職種と情報を共有する。
  2. 患者の意見を代弁する。
  3. 患者に害を与えない。
  4. 医師に指示を聞く。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目3「看護で活用する社会保障」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

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▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目3「看護で活用する社会保障」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.医療保険制度の基本

医療保険の種類
国民医療費
高齢者医療制度
給付の内容

B.介護保険制度の基本 保険者
被保険者
給付の内容
要介護・要支援の認定
地域支援事業

 

 

A.医療保険制度の基本

国民皆保険

わが国はすべての国民が、「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」のいずれかの医療保険に加入することとされている(国民皆保険制度)。

第4編2章 1.医療保険制度 p208~209

 

▶109回午後4・102回午前3類問

日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。

 

  1. 医療保険
  2. 介護保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険

 

 

療養の給付

医療給付内容には、診察、処置・手術、薬剤・治療材料、食事療養、入院・看護、在宅療養・看護、訪問看護がある。健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用は含まない。

第4編2章 3.医療保険各制度の概要と現状 p209~213

 

▶109回午前4

健康保険法による療養の給付の対象はどれか。

 

  1. 手術
  2. 健康診査
  3. 予防接種
  4. 人間ドック

 

 

国民健康保険

国民健康保険の保険者は、都道府県・市町村・国民健康保険組合である。

第4編2章 1.医療保険制度 p208~209

 

▶104回午前3改題

国民健康保険の保険者はどれか。2つ選べ。

 

  1. 都道府県
  2. 市町村
  3. 健康保険組合

 

 

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき平成20年度に開始した。被保険者は原則75歳以上の後期高齢者である。

第4編2章 1.医療保険制度 p208~209

 

▶106回午後4

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

 

  1. 医療法
  2. 健康保険法
  3. 高齢社会対策基本法
  4. 高齢者の医療の確保に関する法律

 

 


 
▶111回午前4

後期高齢者医療制度の被保険者は、区域内に住居を有する( )歳以上の者、および65歳以上( )歳未満であって、政令で定める程度の障害の状態にあるとして後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者である。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 70
  2. 75
  3. 80
  4. 85

 

 

医療費の自己負担

医療費の一部負担金割合は、後期高齢者医療制度が原則1割(所得により2割または3割)、被用者保険や国民健康保険が原則3割(未就学児や現役並み所得のない70歳以上の者は2割)となっている。

第4編2章 1.医療保険制度 p208~209

 

▶112回午後4

国民健康保険に加入している自営業者(40歳)の医療費の一部負担金の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 4割

 

 

国民医療費

  • 国民医療費とは、年度内の医療機関等における傷病の治療に要する費用を推計したものである。
  • 対象は傷病の治療費に限られ、正常な妊娠や分娩などに要する費用、健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種などに要する費用、固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢などの費用、介護給付費は含まない。

第4編2章 6.国民医療費 p216~219

 

▶103回午前4

国民医療費に含まれる費用はどれか。

 

  1. 予防接種
  2. 正常な分娩
  3. 人間ドック
  4. 入院時の食事

 

 

令和2年(2020年)国民医療費

令和3年(2021年)の国民医療費は45兆359億円で、人口1人当たり35.9万円である。

第4編2章 6.国民医療費 p216~219

 

▶106回午前3改題

令和3年(2021年)の国民医療費はどれか。

 

  1. 約450億円
  2. 約4,500億円
  3. 約4兆5000億円
  4. 約45兆円

 

 


 
▶110回午後3改題

令和3年(2021年)の人口1人当たりの国民医療費で最も近いのはどれか。

 

  1. 16万円
  2. 26万円
  3. 36万円
  4. 46万円

 

 

 

B.介護保険制度の基本

介護保険の保険者

介護保険制度の保険者(実施主体)は、国民に最も身近な行政単位である市町村(特別区含む)である。

第5編1章 1.3〕保険者 p220

 

▶108回午前4

介護保険制度における保険者はどれか。

 

  1. 市町村及び特別区
  2. 都道府県
  3. 保健所

 

 

介護保険の被保険者

介護保険の第1号被保険者は65歳以上の者、第2号被保険者は40~64歳の者である。

第5編1章 2.保険給付の手続き p221~222

 

▶106回午前4

介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。

 

  1. 45歳以上
  2. 55歳以上
  3. 65歳以上
  4. 75歳以上

 

 


 
▶109回午前3

介護保険の第2号被保険者は、( )歳以上65歳未満の医療保険加入者である。
( )に入る数字はどれか。

 

  1. 30
  2. 40
  3. 50
  4. 60

 

 

要介護認定の手続き

市町村は被保険者からの申請を受けて調査を行い、市町村に設置された介護認定審査会が要介護状態の区分(要介護1~5、要支援1・2の7段階)の審査・判定を行う。

第5編1章 2.保険給付の手続き p221~222

 

▶110回午前4・103回午後3類問

要介護認定の申請先はどれか。

 

  1. 市町村
  2. 診療所
  3. 都道府県
  4. 介護保険審査会

 

 


 
▶104回午後4

要介護状態の区分の審査判定業務を行うのはどれか。

 

  1. 介護認定審査会
  2. 介護保険審査会
  3. 社会福祉協議会
  4. 社会保障審議会

 

 


 
▶112回午前5

介護保険法における要支援および要介護認定の状態区分の数はどれか。

 

  1. 4
  2. 5
  3. 6
  4. 7

 

 

介護給付・予防給付

要介護状態の者には介護給付、要支援状態の者には予防給付が支給される。

第5編1章 3.介護給付 p222~225

第5編1章 4.予防給付 p225

 

▶111回午後4・105回午前4類問

介護保険における被保険者の要支援状態に関する保険給付はどれか。

 

  1. 医療給付
  2. 介護給付
  3. 年金給付
  4. 予防給付

 

 

介護保険サービスの利用者負担

介護保険制度のサービスを利用する者は、原則費用の1割を負担して各種サービスを受ける。

第5編1章 3.介護給付 p222~225

 

▶102回午後3

介護保険制度における施設サービス費の原則的な利用者負担の割合はどれか。

 

  1. 1割
  2. 2割
  3. 3割
  4. 5割

 

 

地域支援事業

  • 地域支援事業は、要支援・要介護状態になって保険給付を受ける前の介護予防を推進するために市町村が実施する事業である。
  • 介護予防・生活支援サービスのひとつとして外出や調理が困難な者に対する配食サービスがある。

第5編1章 6.地域支援事業 p225~226

 

▶113回午前4

介護保険法の地域支援事業で正しいのはどれか。

 

  1. 保険給付である。
  2. 都道府県の事業である。
  3. 介護保険施設で実施される。
  4. 配食サービスは生活支援サービスの1つである。

 

 

介護支援専門員

介護支援専門員は、要介護者等を支援する上で解決すべき課題を把握(アセスメント)し、課題を解決するための居宅・施設の介護サービス計画を作成する(利用者本人による作成も可能)。

第5編1章 8.3〕介護支援専門員〈ケアマネジャー〉 p228

 

▶105回午後9

介護支援専門員が行うのはどれか。

 

  1. 通所介護の提供
  2. 福祉用具の貸与
  3. 短期入所生活介護の提供
  4. 居宅サービス計画の立案

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

113回(2024年)から102回(2013年)までの12年分の看護師国家試験の中から、看護師国家試験出題基準の大項目2.「健康に影響する要因」に該当する必修問題をすべて掲載・解説しています。

公衆衛生テキスト「国民衛生の動向」と合わせてご活用ください。 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 【必修】大項目2「健康に影響する要因」

 中項目(出題範囲)  小項目(キーワード)
A.健康の定義

食事と栄養
排泄
活動と運動、レクリエーション
休息と睡眠
清潔と衣生活
ライフスタイル
ストレス
喫煙、嗜好品

B.生活環境

水質、大気、土壌
食品衛生
住環境

C.社会環境

職業と健康障害
労働環境
ワーク・ライフ・バランス

 

 

A.生活行動・習慣

サーカディアンリズム(概日リズム)

  • 生物は地球の自転による昼夜変化に同調して、約24時間周期のサーカディアンリズム(概日リズム)に則り、体内環境を変化させる。
  • サーカディアンリズムは光の明暗による刺激により調整され、特に朝の決まった時間に起床して太陽の刺激を浴びることなどにより整えることができる。

 

▶102回午前13

サーカディアンリズムの周期はどれか。

 

  1. 約8時間
  2. 約12時間
  3. 約24時間
  4. 約48時間

 

 

食塩摂取量

健康日本21(第三次)では、20歳以上の男女の食塩摂取量を1日当たり7gに減少させることを目標の一つとして掲げている。

第3編1章 2.2〕栄養・食生活 p88~90

 

▶112回午後2改題・107回午後2類問

健康日本21(第三次)における1日の塩分摂取量の目標値で正しいのはどれか。

 

  1. 5.0g
  2. 7.0g
  3. 9.0g
  4. 11.0g

 

 

運動習慣の効果

適切な身体活動・運動は、生活習慣病の予防やメンタルヘルス、生活の質の改善に有効である。

第3編1章 2.3〕身体活動・運動 p90~91

 

▶109回午前2

運動習慣が身体機能にもたらす効果はどれか。

 

  1. 肺活量の減少
  2. 耐糖能の低下
  3. 免疫力の向上
  4. 中性脂肪の増加

 

 


 
▶105回午前2

運動習慣が身体機能に与える影響で正しいのはどれか。

 

  1. 筋肉量の減少
  2. 体脂肪率の増加
  3. 最大換気量の減少
  4. 基礎代謝量の増加

 

 

運動習慣のある者の割合

令和5年(2023年)の運動習慣のある割合は男女ともに70歳以上が最も多い(男性46.5%・女性36.5%)。

第3編1章 2.3〕身体活動・運動 p90~91

 

▶110回午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査において、男性で運動習慣のある割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶107回午前25改題・103回午後25類問

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。

 

  1. 30~39歳
  2. 40~49歳
  3. 50~59歳
  4. 60~69歳
  5. 70歳以上

 

 

肥満

令和5年(2023年)の男性の肥満者(BMI≧25.0)の割合は、60歳代35.0%)が最も多く、次いで50歳代(34.8%)、40歳代(34.3%)となっている。

第3編1章 1.2〕(4)肥満とやせ p82

 

▶108回午前10改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査の結果で、該当年代の男性における肥満者(BMI≧25.0)の割合が最も高い年代はどれか。

 

  1. 20~29歳
  2. 40~49歳
  3. 60~69歳
  4. 70歳以上

 

 


 
▶106回午後2改題

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査による40歳代男性の肥満者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 15%
  2. 35%
  3. 55%
  4. 75%

 

 

肥満度の評価指数

肥満度を評価する指数として、主に乳幼児に用いるカウプ指数「体重(g)÷身長(cm)2×10」、学童期に用いるローレル指数「体重(g)÷身長(cm)3×104」、成人に用いるBMI「体重(kg)÷身長(m)2」がある。

第3編1章 1.2〕(4)肥満とやせ p82

 

▶106回午後21

Kaup〈カウプ〉指数の計算式はどれか。

 

  1. 体重(g)÷身長(cm)2×10
  2. 体重(g)÷身長(cm)3×104
  3. 体重(kg)÷身長(m)2
  4. (実測体重(kg)-標準体重(kg))÷標準体重(kg)×100

 

 

メタボリックシンドロームの診断基準

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準として必須項目である腹囲〈ウエスト周囲径〉は、男性で85cm以上、女性で90cm以上とされている。

第3編1章 1.3〕(1)特定健康診査・特定保健指導 p83

 

▶112回午前15

メタボリックシンドロームの診断基準において男性の腹囲〈ウエスト周囲径〉で正しいのはどれか。

 

  1. 80cm以上
  2. 85cm以上
  3. 90cm以上
  4. 95cm以上

 

 

喫煙率

令和5年(2023年)の喫煙率は男性が25.6%、女性が6.9%となっている。男女ともに喫煙率は低下傾向にある。

第3編1章 2.6〕喫煙 p92~94

 

▶109回午後2改題・105回午後2類問・113回午前6類問

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査で20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合に最も近いのはどれか。

 

  1. 6%
  2. 16%
  3. 26%
  4. 46%

 

 

ブリンクマン指数

喫煙指数(ブリンクマン指数)は喫煙による疾患のリスクを数字で表すもので、1日の喫煙本数×喫煙年数で求められる。

第3編1章 2.6〕喫煙 p92~94

 

▶112回午前3

喫煙指数(Brinkman〈ブリンクマン〉指数)を算出するために、喫煙年数のほかに必要なのはどれか。

 

  1. 喫煙開始年齢
  2. 受動喫煙年数
  3. 家庭内の喫煙者数
  4. 1日の平均喫煙本数

 

 

アルコールによる健康障害

アルコールは様々な健康障害との関連が指摘されており、特に発症頻度の高い臓器障害としてアルコール性肝疾患があり、過剰飲酒の継続等によりアルコール性肝硬変や肝細胞がんへ進行する。

 

▶102回午前2

飲酒に起因する健康障害はどれか。

 

  1. 肝硬変
  2. 膠原病
  3. Ménie`re〈メニエール〉病
  4. Parkinson〈パーキンソン〉病

 

 

 

B.生活環境

微小粒子状物質(PM2.5

微小粒子状物質(PM2.5)は、浮遊粒子状物質(SPM)の中でも特に粒径が小さい有害大気汚染物質で、呼吸器や循環器への影響が懸念され、環境基本法に基づく大気汚染に係る環境基準が設定されている。

第9編2章 1.大気汚染対策の動向 p320~324

 

▶110回午前3

大気汚染物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. カドミウム
  3. メチル水銀
  4. 微小粒子状物質(PM2.5

 

 

光化学オキシダント

光化学オキシダントは、窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)とが太陽光の作用により反応(光化学反応)して二次的に生成されるオゾンなどの強い酸化力を持った物質で、光化学スモッグの原因となり、粘膜への刺激や呼吸器への悪影響など人間の健康に悪影響を及ぼす。

第9編2章 1.大気汚染対策の動向 p320~324

 

▶106回午後3

光化学オキシダントの原因物質はどれか。

 

  1. ヒ素
  2. フロン
  3. 窒素酸化物
  4. ホルムアルデヒド

 

 

サルモネラ属菌

サルモネラ属菌は、鶏や豚、牛などの動物の腸管や、河川、湖、下水道などに広く生息し、食品等を通してヒトに胃腸炎症状などの食中毒を引き起こす。

第7編2章 10.食中毒対策 p285~288

 

▶104回午後3

食中毒の原因となるのはどれか。

 

  1. セラチア
  2. カンジダ
  3. サルモネラ
  4. クラミジア

 

 

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は手指等の創から侵入し、化膿を引き起こす代表的な化膿菌であり、食品を扱う人の創を汚染源として、黄色ブドウ球菌が産出するエンテロトキシンにより食中毒が発生する。

第7編2章 10.食中毒対策 p285~288

 

▶113回午前3

食品を扱う人の化膿した創が汚染源となる食中毒の原因菌はどれか。

 

  1. 腸炎ビブリオ
  2. ボツリヌス菌
  3. 黄色ブドウ球菌
  4. サルモネラ属菌

 

 

シックハウス(室内空気汚染)症候群

シックハウス(室内空気汚染)症候群とは、建材や調度品から発生する化学物質などによる室内空気汚染やその健康影響をいい、ホルムアルデヒドなど13物質について室内濃度指針値を設定している。

第7編3章 7.室内空気汚染対策 p295

 

▶111回午前3・107回午前3類問

シックハウス症候群に関係する物質はどれか。

 

  1. アスベスト
  2. ダイオキシン類
  3. 放射性セシウム
  4. ホルムアルデヒド

 

 

騒音についての環境基準

環境基本法に基づき、地域の類型、時間の区分ごとに騒音についての環境基準が定められており、療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域では、昼間が50db以下、夜間が40db以下と設定されている。

第9編2章 3.騒音・振動・悪臭対策の動向 p327~329

 

▶106回午前20

療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。

 

  1. 20dB以下
  2. 50dB以下
  3. 80dB以下
  4. 110dB以下

 

 

温室効果ガス

二酸化炭素やメタン、フロンなどの温室効果ガスの排出により、大気中の温室効果ガスの濃度が上昇して温室効果が強まり、地球温暖化が進行している。

第9編1章 4.1〕地球温暖化対策 p317~318

 

▶105回午後3

地球温暖化をもたらす温室効果ガスはどれか。

 

  1. 酸素
  2. 水素
  3. 窒素
  4. 二酸化炭素

 

 

酸性雨

酸性雨は、二酸化硫黄〈SO2などを起源とする酸性物質が雨・雪・霧などに溶け込み、通常より強い酸性を示す現象である。

第9編1章 4.3〕酸性雨対策 p319

 

▶107回午後3

大気汚染物質の二酸化硫黄〈SO2〉について正しいのはどれか。

 

  1. 発がん性がある。
  2. じん肺を引き起こす。
  3. 酸性雨の原因物質である。
  4. 不完全燃焼によって発生する。

 

 

 

C.社会環境

じん肺

  • じん肺は、主に粉じん(石綿〈アスベスト〉含む)の発生する環境で仕事をしている労働者が、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。
  • 石炭の採掘、岩石坑道の掘進作業などにより、炭坑従事者はじん肺を発症しやすい。

第8編 5.1〕粉じん障害防止対策 p302

 

▶109回午後3

じん肺に関係する物質はどれか。

 

  1. フロン
  2. アスベスト
  3. ダイオキシン類
  4. ホルムアルデヒド

 

 


 
▶102回午後2

炭坑従事者に起こりやすい職業性疾患はどれか。

 

  1. 潜函病
  2. じん肺
  3. 中皮腫
  4. 白ろう病

 

 

振動による職業性疾病

チェーンソーの使用など身体局所への振動に伴う職業性疾病として、振動障害、レイノー(蒼白発作)現象(白ろう病)など手指や前腕の末梢循環障害、末梢神経障害、運動器障害が生じる。

第8編 5.職業性疾病の予防対策 p302~303

 

▶104回午前25

振動が原因となる職業性疾病はどれか。

 

  1. 中皮腫
  2. 熱中症
  3. 高山病
  4. 白ろう病

 

 

情報機器作業〈VDT作業〉による職業性疾病

情報機器作業〈VDT作業〉を行う労働者の職業性疾病として、視力障害、筋骨格系の症状、ストレス等による症状が挙げられる。

第8編 5.職業性疾病の予防対策 p302~303

 

▶111回午後3

職業性疾病のうち情報機器〈VDT〉作業による健康障害はどれか。

 

  1. じん肺
  2. 視力障害
  3. 振動障害
  4. 皮膚障害

 

 

業務上疾病発生割合

  • 令和4年(2022年)の業務上疾病発生割合は、負傷に起因する疾病が74.5%で最も多く、そのうち災害性腰痛が62.7%を占める。
  • なお、新型コロナウイルスり患によるものを除く。除かない場合、病原体による疾病が94.4%を占める。

第8編 8.労働災害補償と業務上疾病 p306~308

 

▶105回午前3改題

日本の令和4年(2022年)における業務上疾病で、新型コロナウイルスり患によるものを除いた場合、発生件数が最も多いのはどれか。

 

  1. 振動障害
  2. 騒音による耳の疾患
  3. 負傷に起因する疾病
  4. じん肺症及びじん肺合併症

 

 

労働安全衛生法

労働安全衛生法では、「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の労働衛生の3管理を整備しており、健康管理については健康診断とその結果に基づく事後措置、健康指導を規定している。

第8編 3.労働衛生管理の基本 p300~301

 

▶108回午後3・113回午後3類問

労働安全衛生法に規定されているのはどれか。

 

  1. 失業手当の給付
  2. 労働者に対する健康診断の実施
  3. 労働者に対する労働条件の明示
  4. 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

 

 

労働基準法

労働基準法では、労働時間について、休憩時間を除き1日に8時間、1週間に40時間を超えないように定めている。

第8編 9.1〕過重労働による健康障害防止対策 p308

 

▶103回午前3・112回午前4類問

労働基準法で原則として定められている休憩時間を除く1週間の労働時間はどれか。

 

  1. 30時間を超えない。
  2. 40時間を超えない。
  3. 50時間を超えない。
  4. 60時間を超えない。

 

 


 

 

▼看護師国家試験必修問題まとめ

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和6年2月11日(日)に実施された第113回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第113回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

  

 

午後 一般問題

 

 

▶午後2(必修除外)

日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されている、18~49歳女性(月経あり)の鉄摂取推奨量はどれか。

 

  1. 5.5mg/日
  2. 10.5mg/日
  3. 15.5mg/日
  4. 20.5mg/日

 

 


 

▶午後11(必修除外)

上行大動脈から分枝するのはどれか。

 

  1. 冠状動脈
  2. 腕頭動脈
  3. 左総頸動脈
  4. 左鎖骨下動脈

 

 


 

▶午後26

交感神経の興奮によって起こる眼の反応はどれか。

 

  1. 散瞳
  2. 流涙
  3. 明順応
  4. 対光反射

 

 


 

▶午後27

Ramsay Hunt〈ラムゼイ・ハント〉症候群は顔面神経麻痺症状を主症状とする。
原因となるウイルスはどれか。

 

  1. アデノウイルス
  2. インフルエンザウイルス
  3. 水痘帯状疱疹ウイルス
  4. 単純ヘルペスウイルス

 

 


 

▶午後28

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉に規定されている母性保護はどれか。

 

  1. 生理日の就業制限
  2. 産後6週間の就業禁止
  3. 妊産婦の時間外労働の禁止
  4. 妊婦健康診査の受診時間の確保

 

 


 

▶午後29

保健統計調査と調査項目の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 患者調査――受療の状況
  2. 人口動態調査――転出入
  3. 国民生活基礎調査――生活習慣
  4. 国民健康・栄養調査――健康診断の受診状況

 

 


 

▶午後30

医療機関の廃棄物とバイオハザードマークの色の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 固体状の放射性廃棄物――黒色
  2. 注射針などの鋭利な廃棄物――赤色
  3. 血液などの液状、泥状の廃棄物――黄色
  4. 血液の付着したガーゼの廃棄物――橙色

 

 


 

▶午後31

がん対策基本法で定められているのはどれか。

 

  1. 肝炎ウイルス検査の実施を推進する。
  2. 受動喫煙のない職場環境を整備する。
  3. 学校等でのがんに関する教育を推進する。
  4. がん診療連携拠点病院にがん相談支援センターを設置する。

 

 


 

▶午後32

国際生活機能分類〈ICF〉で「生活機能」の構成要素に含まれるのはどれか。

 

  1. 活動
  2. 疾病
  3. 能力障害
  4. 社会的不利

 

 


 

▶午後33

Broca〈ブローカ〉失語のある患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

 

  1. 閉じた質問〈closed question〉を活用する。
  2. 大きな声で質問する。
  3. 単語で話しかける。
  4. 文字盤を用いる。

 

 


 

▶午後34

指鼻試験で評価するのはどれか。

 

  1. 視野
  2. 小脳機能
  3. 表在反射
  4. 複合知覚

 

 


 

▶午後35

マイコプラズマ肺炎の感染経路はどれか。

 

  1. 空気感染
  2. 血液感染
  3. 飛沫感染
  4. 媒介物感染

 

 


 

▶午後36

痛風の患者が摂取量を減らすことが望ましい食品はどれか。

 

  1. 鶏卵
  2. チーズ
  3. 鶏レバー
  4. じゃがいも

 

 


 

▶午後37

患者、看護師、ベッド、車椅子の位置を図に示す。
ベッド上にいる右片麻痺がある患者の端座位から車椅子への移乗を援助する看護師の足と車椅子の位置で適切なのはどれか。

 

113pm37

 

 


 

▶午後38

健康な成人の皮膚で正しいのはどれか。

 

  1. 垢として剝がれ落ちるのは基底層である。
  2. 外陰部にはアポクリン汗腺が存在する。
  3. 皮膚表面は弱アルカリ性である。
  4. ケラチンは紫外線を吸収する。

 

 


 

▶午後39

創傷処置について適切なのはどれか。

 

  1. ドレッシング材は創部の辺縁に合わせて貼付する。
  2. 肉芽形成の時期は強い水圧をかけて洗浄する。
  3. 感染徴候のない創傷の消毒は不要である。
  4. テープは皮膚から垂直方向に剝がす。

 

 


 

▶午後40

午前8時から24時間蓄尿を開始することになった。
蓄尿の方法で正しいのはどれか。

 

  1. 滅菌容器に蓄尿する。
  2. 開始日の午前8時の尿は蓄尿する。
  3. 終了日の午前8時の尿は蓄尿する。
  4. 排尿のたびに中間尿を採取して蓄尿する。

 

 


 

▶午後41

介護老人保健施設について適切なのはどれか。

 

  1. 常勤医師の配置は義務ではない。
  2. 老人福祉法に基づき設置される。
  3. 要介護者に対して自宅での生活に向けた支援を行う。
  4. 従事者の配置基準は看護職員と介護職員が同数である。

 

 


 

▶午後42

術後の創傷治癒が遅延する因子となる検査値はどれか。

 

  1. アルブミン 2.2g/dL
  2. 推算糸球体濾過量〈eGFR〉 62mL/分/1.73m2
  3. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉 88Torr(room air)
  4. ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉 5.5%

 

 


 

▶午後43

うっ血性心不全が疑われる患者が救急外来を受診した。
その際、12誘導心電図検査、胸部エックス線検査に加えて行われる優先度が高い検査はどれか。

 

  1. 冠動脈CT検査
  2. 心臓超音波検査
  3. 心筋シンチグラム
  4. 心臓カテーテル検査

 

 


 

▶午後44

慢性腎臓病においてリンの代謝障害によって生じる症状はどれか。

 

  1. 骨痛
  2. 貧血
  3. 浮腫
  4. 不整脈

 

 


 

▶午後45

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉に汚染された注射針による針刺し事故の感染率で正しいのはどれか。

 

  1. 40%
  2. 10%
  3. 2%
  4. 0.3%

 

 


 

▶午後46

急性髄膜炎患者への対応で正しいのはどれか。

 

  1. 鎮痛薬は禁忌である。
  2. 頭部に温罨法を行う。
  3. 部屋の照明を暗くする。
  4. 腰椎穿刺直後は頭部を高くする。

 

 


 

▶午後47

膀胱鏡による組織検査を受ける成人男性への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「検査前は膀胱に尿をためてください」
  2. 「尿道から内視鏡を挿入します」
  3. 「膀胱に二酸化炭素を注入します」
  4. 「検査後24時間はベッドで安静にします」

 

 


 

▶午後48

家族周期における発達段階で、高齢者が配偶者を失った後の段階はどれか。

 

  1. 完結期
  2. 教育期
  3. 充実期
  4. 分離期

 

 


 

▶午後49

老人性難聴の特徴はどれか。

 

  1. 両側性に生じる。
  2. 混合性難聴である。
  3. 低音域が障害される。
  4. 外耳の障害によって起こる。

 

 


 

▶午後50

高齢という理由で高齢者を画一的に捉え、差別することを意味するのはどれか。

 

  1. エイジズム
  2. アディクション
  3. パターナリズム
  4. アンチエイジング

 

 


 

▶午後51

高齢者の不眠の要因はどれか。

 

  1. 午前中に日光浴をする。
  2. 昼食後に30分程度の午睡をする。
  3. 就寝直前に42℃以上の風呂に入る。
  4. 就寝前に100mL程度のホットミルクを飲む。

 

 


 

▶午後52

高齢者のサルコペニアの予防に関する指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 読書をする。
  2. 飲酒をやめる。
  3. 塩分を制限する。
  4. 筋肉に負荷をかける運動をする。

 

 


 

▶午後53

新生児マススクリーニング検査(先天性代謝異常等検査)で正しいのはどれか。

 

  1. 対象疾患数は5である。
  2. 唾液を用いた検査である。
  3. 早期新生児期に実施される。
  4. 治療法が確立していない疾患を対象とする。

 

 


 

▶午後54

遊具を図に示す。
標準的な成長発達をしている1歳4か月の子どもの発達段階に適した遊具はどれか。

 

113pm54

 

 


 

▶午後55

ピアジェ,J.の認知発達理論における段階と病気の説明に使用するツールの組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 感覚運動期――人体模型
  2. 前操作期――印刷文書
  3. 具体的操作期――動画
  4. 形式的操作期――指人形

 

 


 

▶午後56

下腿の開放骨折のため手術を受けたA君(8歳、男児)に、術後の疼痛管理のため患者自己調節鎮痛法〈Patient Controlled Analgesia:PCA〉を用いた持続的な静脈内注射を行うことになった。A君は「痛くなるのが怖い」と話している。看護師はA君に鎮痛薬の追加について説明することにした。
A君への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「時間を決めて操作ボタンを押そうね」
  2. 「痛くなり始めたら操作ボタンを押そうね」
  3. 「痛くなったら何回でも操作ボタンを押してお薬を追加できるよ」
  4. 「痛みがどうしても我慢できなくなったら操作ボタンを押そうね」

 

 


 

▶午後57

正常に経過している妊娠26週の妊婦が、次に妊婦健康診査を受診する時期として推奨されるのはどれか。

 

  1. 4週後
  2. 3週後
  3. 2週後
  4. 1週後

 

 


 

▶午後58

親性について適切なのはどれか。

 

  1. 子を育もうとする性質である。
  2. 誰でも子を持つ時点で備えている。
  3. 性別に基づく役割分業で育児を行うことをいう。
  4. 生物学的に結びつきがあることが親性をもつ条件となる。

 

 


 

▶午後59

閉経に伴うエストロゲンの低下で生じるのはどれか。

 

  1. 骨量の増加
  2. 腟粘膜の萎縮
  3. 脳血流量の増加
  4. 血中LDLコレステロールの減少

 

 


 

▶午後60

順調に分娩が進行している妊娠40週0日の初産婦から「腟から水っぽいものが流れ、下着が濡れた」とナースコールがあった。看護師が流出したものを確認すると、量は少量で、羊水特有の臭いを認めた。
このときの産婦への対応で優先度が高いのはどれか。

 

  1. バイタルサインを測定する。
  2. 胎児心拍数を確認する。
  3. 食事摂取を勧める。
  4. 更衣を促す。

 

 


 

▶午後61

看護師のメンタルヘルスに関する対応で一次予防はどれか。

 

  1. 入職時のストレスマネジメントに関する研修
  2. 精神的不調が生じた看護師への公認心理師による相談
  3. 精神的不調で休職している看護師への復職支援プランの作成
  4. 精神的負荷がかかっている可能性のある看護師への産業保健師による面談

 

 


 

▶午後62

人を援助する過程で自分の職務に対して継続して努力したが、満足感や達成感が得られず、うつ症状や社会機能の低下を生じるのはどれか。

 

  1. 悪性症候群
  2. 空の巣症候群
  3. 緊張病症候群
  4. 燃え尽き症候群

 

 


 

▶午後63

精神障害者保健福祉手帳の交付によって精神障害者に適用されるのはどれか。

 

  1. 行動援護の介護給付
  2. 所得税の障害者控除
  3. 自立支援医療(精神通院医療)
  4. グループホームで必要な日常生活上の援助

 

 


 

▶午後64

都道府県知事に対し、精神科病院に医療保護入院となっている患者の退院請求をすることができるのはどれか。

 

  1. 警察官
  2. 検察官
  3. 患者本人
  4. 精神保健福祉士

 

 


 

▶午後65改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査において、要介護者等のいる世帯に同居している主な介護者の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 性別は女性が多い。
  2. 続柄は子が最も多い。
  3. 年齢は50~59歳が最も多い。
  4. ストレスの原因は「自由にできる時間がない」が最も多い。

 

 


 

▶午後66

Aさん(73歳、女性、要介護1)は1人で暮らしている。室内の家具や手すりなどの、左右にあるものにうまくつかまりながら、バランスをとって移動している。Aさんは「腕の力も足の力も落ちてきた。両手を使って体を支えるものがないと屋外の移動は不安だが、足の筋力が落ちないように近所の散歩を始めたい」と訪問看護師に相談があった。Aさんの住居の廊下や玄関に段差はなく、住居周辺には坂や段差のない舗装された歩道がある。
福祉用具を図に示す。
訪問看護師がAさんに勧める福祉用具で適切なのはどれか。

 

113pm66

 

 


 

▶午後67

Aさん(78歳、女性、要支援1)は1人で暮らしており、認知機能や嚥下機能の低下はない。訪問看護師は、内科と整形外科から朝2種類、夕3種類の合計5種類の内服薬が処方されていることを確認し、夕方に飲む薬だけが減っていることに気付いた。
訪問看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. どの薬を何時に内服しているのかを聞く。
  2. 服薬用のゼリーを用いて内服することを勧める。
  3. 1日に5種類の薬を内服する必要があることを説明する。
  4. 介護予防訪問介護を利用して服薬の介助を依頼することを勧める。

 

 


 

▶午後68

介護保険の介護給付で利用できる居宅サービスはどれか。

 

  1. 訪問入浴介護
  2. 介護予防居宅療養管理指導
  3. 看護小規模多機能型居宅介護
  4. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

 

 


 

▶午後69

Aさん(65歳、男性)はうっ血性心不全の急性増悪で入院し、治療を受けて自宅に退院した。退院後は月1回の外来通院、週1回の訪問看護で生活指導を受け、血圧、体重、労作時の自覚症状について日誌に記録することになった。初回訪問時、Aさんは訪問看護師に「庭で野菜を作るのが趣味です。野菜作りの作業をしていると夢中になって時間を忘れてしまいます」と話した。
訪問看護師のAさんへの助言で適切なのはどれか。

 

  1. 「室内で安静に過ごしましょう」
  2. 「野菜を作るのはやめて他の趣味を見つけましょう」
  3. 「作業の後は30分以内に2L以上の水分を補給しましょう」
  4. 「日誌の記録をもとに自分で作業量を調整できるようにしましょう」

 

 


 

▶午後70

Aさん(55歳、虚血性心疾患)は4人部屋に入院している。Aさんは緊急で心臓カテーテル検査を行うことになった。日勤の担当看護師がAさんの検査のために訪室すると、同室の右片麻痺のあるBさん(60歳、脳出血)からトイレに行きたいと声をかけられた。
このときの看護師の行動で適切なのはどれか。

 

  1. ナースステーションに戻り、リーダーに相談する。
  2. Aさんに待つよう説明し、Bさんのトイレ介助を行う。
  3. Bさんに待つよう説明し、Aさんを検査室に移送する。
  4. その場から離れずに別の看護師を呼び、Bさんのトイレ介助を依頼する。

 

 


 

▶午後71

診療情報について適切なのはどれか。

 

  1. 診療情報の開示請求は患者本人に限られる。
  2. 2類感染症の罹患情報は市区町村長に届け出る。
  3. 医療者は患者が「知りたくない」と拒否した場合でも病状を説明する。
  4. 他院へのセカンドオピニオンを希望する患者に診療情報提供書を作成する。

 

 


 

▶午後72

サイコロジカルファーストエイド〈Psychological First Aid:PFA〉について正しいのはどれか。

 

  1. 活動の原則は、見る、聞く、つなぐである。
  2. 災害発生から1週間経過してから活動する。
  3. 被災都道府県からの派遣要請に基づき活動する。
  4. 苦痛の原因となった出来事を詳細に話すことを促す。

 

 


 

▶午後73

尿量の調節に深く関わるホルモンはどれか。

 

  1. ガストリン
  2. カルシトニン
  3. グルカゴン
  4. ソマトスタチン
  5. バソプレシン

 

 


 

▶午後74

止血後の線維素溶解(線溶)に関係するのはどれか。

 

  1. カルシウムイオン
  2. フィブリノゲン
  3. プラスミノゲン
  4. プロトロンビン
  5. セロトニン

 

 


 

▶午後75

体内で代謝された結果、胆汁酸として胆汁中に分泌されるのはどれか。

 

  1. DNA
  2. RNA
  3. グリコーゲン
  4. ヘモグロビン
  5. コレステロール

 

 


 

▶午後76

直腸の構造で正しいのはどれか。

 

  1. 陰窩には杯細胞が存在する。
  2. 粘膜の表面には絨毛がある。
  3. 縦走筋は結腸ヒモを作る。
  4. 肛門管は血管が少ない。
  5. 肛門管は内腔が広い。

 

 


 

▶午後77

外傷や風邪で発熱し、解熱するまでの体温のセットポイントと実際の体温(核心温度)の変化の例を図に示す。
113pm77
全身のふるえが起こるのはどれか。

 

 

 


 

▶午後78

胃癌の胃切除術後5年ほどで欠乏し貧血を起こさせるのはどれか。

 

  1. ビタミンA
  2. ビタミンB1
  3. ビタミンB12
  4. ビタミンC
  5. ビタミンK

 

 


 

▶午後79

もやもや病について正しいのはどれか。

 

  1. 脳動静脈の奇形である。
  2. 浅側頭動脈の狭窄が原因である。
  3. 代償性の側副血行路が形成される。
  4. ポリオウイルスの感染が関与する。
  5. Willis〈ウィリス〉動脈輪への血栓閉塞で生じる。

 

 


 

▶午後80

感染症と代表的な原因ウイルスの組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 手足口病――アデノウイルス
  2. 咽頭結膜熱――ヒトパピローマウイルス〈HPV〉
  3. 突発性発疹症――コクサッキーウイルス
  4. 伝染性単核球症――Epstein-Barr〈EB〉ウイルス
  5. ヘルパンギーナ――単純ヘルペスウイルス

 

 


 

▶午後81

短期記憶と関係が深いのはどれか。

 

  1. 海馬
  2. 脊髄
  3. 松果体
  4. 視床下部

 

 


 

▶午後82

市町村による大腸がん検診の項目はどれか。2つ選べ。

 

  1. 問診
  2. 直腸診
  3. 血液検査
  4. 便潜血検査
  5. 腹部エックス線検査

 

 


 

▶午後83

開心術後の心タンポナーデで正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 徐脈
  2. 心音減弱
  3. 心拍出量の増加
  4. 中心静脈圧の上昇
  5. 吸気時収縮期圧の10mmHg上昇

 

 


 

▶午後84

Sjögren〈シェーグレン〉症候群でリンパ球が浸潤して障害が起こるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 胸腺
  2. 涙腺
  3. 甲状腺
  4. 唾液腺
  5. 副甲状腺

 

 


 

▶午後85

成人の気管内吸引の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 実施前に咽頭部の分泌物を吸引する。
  2. 吸引圧は-40kPa(300mmHg)に調整する。
  3. 気管チューブと同じ内径のカテーテルを用いる。
  4. カテーテルは気管分岐部にあたらないように挿入する。
  5. カテーテルの挿入開始から終了まで30秒で行う。

 

 


 

▶午後86

Aさん(55歳、男性、会社員)は30年の喫煙歴がある。会社の健康診断で高血圧を指摘されて生活習慣の改善を勧められたが「週末にスポーツジムで運動するようになったけれど、仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」と述べた。
Aさんの自己効力感を高める支援はどれか。2つ選べ。

 

  1. Aさんの運動への取り組みを評価する。
  2. Aさんの職場の上司に配置転換を依頼する。
  3. Aさんが取り組めそうな目標を一緒に設定する。
  4. Aさんが生活習慣を改善する気持ちになるまで待つ。
  5. Aさんが脳血管疾患になる危険性が高いことを説明する。

 

 


 

▶午後87

成人の糖尿病患者に対するペン型インスリン自己注射の指導で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 「ブドウ糖を携帯してください」
  2. 「注射部位は毎回変えてください」
  3. 「注射をした後は注射部位をよくもんでください」
  4. 「針は皮膚に対して30度の角度で刺してください」
  5. 「未使用のインスリンは冷凍庫で保管してください」

 

 


 

▶午後88

高齢者の基本的日常生活動作〈BADL〉で評価する内容はどれか。2つ選べ。

 

  1. 整容
  2. 意思疎通
  3. 階段昇降
  4. 金銭管理
  5. 服薬管理

 

 


 

▶午後89

インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 法令で書式が統一されている。
  2. 責任追及のためには使用されない。
  3. インシデントの発生から1か月後に提出する。
  4. 分析結果は他職種を含めて組織全体で共有する。
  5. 医療に誤りがあったが、患者に実施される前に発見された事例の報告は不要である。

 

 


 

▶午後90

20滴で1mLの輸液セットを用いて500mLの輸液を3時間30分かけて実施する場合の1分間の滴下数を求めよ。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答:①②滴

 

 


 

資料 厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験、第113回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第113回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和6年2月11日(日)に実施された第113回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第113回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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電子書籍

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 一般問題

 

 

▶午前5(必修除外)

臨床研究の倫理指針で被験者の権利を優先することを提唱しているのはどれか。

 

  1. オタワ憲章
  2. リスボン宣言
  3. ジュネーブ宣言
  4. ヘルシンキ宣言

 

 


 

▶午前23(必修除外)

トリアージタッグを別に示す。
113am23
待機的治療群となるトリアージタッグはどれか。

 

 

 


 

▶午前25(必修除外)

代謝性アシドーシスによって起こる呼吸はどれか。

 

  1. 奇異呼吸
  2. 口すぼめ呼吸
  3. Biot〈ビオー〉呼吸
  4. Kussmaul〈クスマウル〉呼吸
  5. Cheyne-Stokes〈チェーン-ストークス〉呼吸

 

 


 

▶午前26

神経線維には髄鞘のあるものとないものがあるが、活動電位に対する髄鞘の働きはどれか。

 

  1. 活動電位の発生頻度を増やす。
  2. 活動電位のピークを高くする。
  3. 活動電位の伝導速度を速くする。
  4. 活動電位が周囲の神経線維に伝わるのを防ぐ。

 

 


 

▶午前27

舌の模式図を示す。
113am27
味蕾が少ない部位はどれか。

 

 

 


 

▶午前28改題

労働力調査における平成22年(2010年)と令和5年(2023年)の男性と女性の労働力人口の比較で正しいのはどれか。

 

  1. 男性、女性とも減少している。
  2. 男性、女性とも増加している。
  3. 男性は減少し、女性は増加している。
  4. 男性は増加し、女性は減少している。

 

 


 

▶午前29

生活保護法に基づき生活保護の実務を行うのはどれか。

 

  1. 保健所
  2. 福祉事務所
  3. 精神保健福祉センター
  4. 地域包括支援センター

 

 


 

▶午前30

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、診断した際に全数を届け出る疾患はどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 細菌性髄膜炎
  3. 水痘
  4. 梅毒

 

 


 

▶午前31

健やか親子21(第2次)の基盤課題A「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」の目標はどれか。

 

  1. 児童虐待による死亡数の減少
  2. 十代の人工妊娠中絶率の減少
  3. 妊娠・出産について満足している者の割合の増加
  4. マタニティマークを妊娠中に使用したことのある母親の割合の増加

 

 


 

▶午前32

健康寿命の説明で適切なのはどれか。

 

  1. 生活習慣病の予防は健康寿命を伸ばす。
  2. 令和元年(2019年)の健康寿命は女性より男性の方が長い。
  3. 令和元年(2019年)の健康寿命は平成28年(2016年)よりも短い。
  4. 平均寿命と健康寿命の差は健康上の問題なく日常生活が過ごせる期間である。

 

 


 

▶午前33

入院中のAさんの親族と名乗る者から「急用があるためAさんと話をさせてほしい」と病棟に電話があった。
看護師の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 「用件を教えてください」
  2. 「このままおつなぎします」
  3. 「Aさんにかけ直してもらいます」
  4. 「Aさんという方が入院中かどうかはお答えできません」

 

 


 

▶午前34

成人の心音の聴診部位を図に示す。
113am34
心音の聴診における、僧帽弁領域はどれか。
ただし、聴取部位は●で示す。

 

 

 


 

▶午前35

滅菌手袋を図に示す。
113am35
右手から装着する場合に、左手の母指と示指でつかんで持ち上げる位置で適切なのはどれか。

 

 

 


 

▶午前36

仰臥位の患者の良肢位で正しいのはどれか。

 

  1. 肩関節外転90度
  2. 肘関節屈曲90度
  3. 膝関節屈曲90度
  4. 足関節底屈90度

 

 


 

▶午前37

病室で読書をする際に適した照度はどれか。

 

  1. 100ルクス
  2. 300ルクス
  3. 500ルクス
  4. 1,000ルクス

 

 


 

▶午前38

成人男性への膀胱留置カテーテルの挿入で適切なのはどれか。

 

  1. 挿入時は腹圧をかけるように促す。
  2. カテーテルを挿入する長さの目安は12〜14cmである。
  3. 尿の流出の開始と同時に固定用バルーンを膨らませる。
  4. 陰茎を頭側に向け、カテーテルを下腹部に固定する。

 

 


 

▶午前39

排痰を促す目的で行うのはどれか。

 

  1. タッチング
  2. スクイージング
  3. 漸進的筋弛緩法
  4. 持続的気道陽圧〈CPAP〉療法

 

 


 

▶午前40

鼻中隔前方からの出血への対応で正しいのはどれか。

 

  1. 仰臥位にする。
  2. Bellocq〈ベロック〉タンポンを挿入する。
  3. Kiesselbach〈キーゼルバッハ〉部位を圧迫する。
  4. 咽頭に流れてきた血液は飲み込むよう説明する。

 

 


 

▶午前41

成人のがん患者が痛みの程度を数値で回答するスケールはどれか。

 

  1. フェイススケール
  2. NRS
  3. VAS
  4. VRS

 

 


 

▶午前42

肝切除術後3日の患者のドレーンから黄褐色の排液がみられた。
考えられる原因はどれか。

 

  1. 黄疸
  2. 出血
  3. 腹水
  4. 胆汁漏

 

 


 

▶午前43

減感作療法を受ける患者への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「治療期間は1か月です」
  2. 「静脈内注射でアレルゲンを投与します」
  3. 「治療後はアレルゲンを気にせず生活できます」
  4. 「投与後30分はアナフィラキシー症状を観察します」

 

 


 

▶午前44

尋常性乾癬の患者への説明で正しいのはどれか。

 

  1. 患部に日光を当てない。
  2. 搔痒感があるときは患部を温める。
  3. 機械的刺激が加わらないよう患部を覆う。
  4. 落屑が多いときは蛋白質の摂取を減らす。

 

 


 

▶午前45

喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者にみられるのはどれか。

 

  1. 難聴
  2. 嗅覚低下
  3. 咀嚼困難
  4. 誤嚥

 

 


 

▶午前46

自助具を図に示す。
関節リウマチによって肩関節に痛みがある患者の関節への負担を軽減する自助具で適切なのはどれか。

 

113am46

 

 


 

▶午前47

Aさん(47歳、男性、会社員)は尿管結石による疝痛発作で入院した。入院翌日、自然に排石され、疼痛は消失したものの、結石が残存している。入院前は、ほぼ毎日、飲酒を伴う外食をしていた。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「シュウ酸を多く含む食品を摂取しましょう」
  2. 「1日2L程度の水分を摂取しましょう」
  3. 「排石までは安静にしましょう」
  4. 「飲酒量に制限はありません」

 

 


 

▶午前48

マンモグラフィを受ける成人女性への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「仰臥位で行います」
  2. 「検査前は絶食です」
  3. 「造影剤を使います」
  4. 「二方向から撮影します」

 

 


 

▶午前49

Aさん(86歳、女性)は、生まれ育った地域で、近所に住む友人と交流しながら1人で暮らしていた。買い物へ行く途中に転倒し、腰椎圧迫骨折で入院治療を受けた。退院後は他県に住む長女夫婦と同居している。暮らし始めて間もなく、Aさんは「私はここで暮らして、新しい友人ができるかしら」と長女に訴えるようになり、徐々に口数が少なくなった。
このときのAさんの状況はどれか。

 

  1. 閉じこもり
  2. 廃用症候群
  3. セルフ・ネグレクト
  4. リロケーションダメージ

 

 


 

▶午前50

高齢者の歩行時につまずきが見られる場合、筋力低下が考えられる筋肉はどれか。

 

  1. 大殿筋
  2. 前脛骨筋
  3. 下腿三頭筋
  4. 大腿四頭筋

 

 


 

▶午前51

高齢者の医療の確保に関する法律の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 医療の給付は市町村が行う。
  2. 高齢者は一律3割の医療費を自己負担する。
  3. 40歳以上の被保険者と被扶養者にがん検診を行う。
  4. 後期高齢者の医療給付の内容は国民健康保険と同じである。

 

 


 

▶午前52

高齢者のコミュニケーション障害の要因と状態の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 歯牙の欠損――言葉が出てこない。
  2. 耳垢の蓄積――音が小さく聞こえる。
  3. 想起能力の低下――相手の表情が読み取れない。
  4. 語音弁別能の低下――はっきり発音できない。

 

 


 

▶午前53

Aさん(92歳、女性)は重度の障害のため体を動かすことができないが、表情などで意思表示はできる。Aさんは食べることが好きで「最期まで口から食べたい」と言っていた。最近は誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しており、現在は入院中で終末期である。同居している家族は積極的な治療をしないことを希望し、自宅でAさんを看取ることを決めた。
家族への退院時の指導で適切なのはどれか。

 

  1. 「24時間付き添ってあげましょう」
  2. 「オムツの重さで尿量を測定しましょう」
  3. 「Aさんの息が苦しそうになったら救急車を呼びましょう」
  4. 「Aさんが食べたいと望めば、口から食べさせてあげましょう」

 

 


 

▶午前54

Bowlby〈ボウルビィ〉が提唱したアタッチメントの記述で正しいのはどれか。

 

  1. 人見知りは6、7か月の乳児に出現する。
  2. 安全基地は家の中での子どもの居場所のことである。
  3. 子どもと不特定の他者との間に築かれる情緒的な結びつきである。
  4. 愛着対象との分離で生じる子どもの行動の第一段階は「絶望の段階」である。

 

 


 

▶午前55

出生体重3,020gの正期産児。
新生児期に最もチアノーゼを生じやすい先天性心疾患はどれか。

 

  1. 動脈管開存症
  2. 心室中隔欠損症
  3. 心房中隔欠損症
  4. Fallot〈ファロー〉四徴症

 

 


 

▶午前56

子どもに医療処置を行う際、看護師が行うディストラクションはどれか。

 

  1. 処置後に子どものがんばりを認める。
  2. 人形を用いて子どもに処置を説明する。
  3. 子どもの対処行動のパターンを把握する。
  4. 子どもの注意を処置ではなく他のものに向ける。

 

 


 

▶午前57

乳児に対する一次救命処置〈BLS〉で正しいのはどれか。

 

  1. 脈拍の確認は橈骨動脈の触知で行う。
  2. 意識レベルは足底を叩きながら反応を確認する。
  3. 救助者が2名いる場合、胸骨圧迫と人工呼吸の回数の比率は30:2である。
  4. 胸骨圧迫の速さ(回数)は130〜150回/分である。

 

 


 

▶午前58

児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に基づいて行う通告で正しいのはどれか。

 

  1. 警察に通告する。
  2. 守秘義務の遵守が優先される。
  3. 通告にあたっては児童自身の意思を尊重することが規定されている。
  4. 児童が同居している家庭における配偶者に対する暴力は通告の対象となる。

 

 


 

▶午前59

法律で定められている育児時間に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉に規定されている。
  2. 請求できるのは子が1歳6か月に達するまでである。
  3. 父親と母親の両方が取得できる。
  4. 1日に2回請求できる。

 

 


 

▶午前60

日本の人工妊娠中絶で正しいのはどれか。

 

  1. 配偶者の同意が必須である。
  2. 妊娠10週以降は死産の届出が必要である。
  3. 実施が可能なのは妊娠22週未満の場合である。
  4. 実施率は母の年齢が20~24歳よりも20歳未満の方が高い。

 

 


 

▶午前61

自然流産を連続(  )回以上繰り返した状態を習慣流産という。
(  )に当てはまるのはどれか。

 

  1. 2
  2. 3
  3. 4
  4. 5

 

 


 

▶午前62

正常新生児の卵円孔の機能的閉鎖に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の上昇によって閉鎖する。
  2. 肺血流の増加によって起こる。
  3. 出生から数週後に閉鎖する。
  4. 動脈管の閉鎖が要因となる。

 

 


 

▶午前63

自殺対策基本法について正しいのはどれか。

 

  1. 自殺対策強化月間を設けることを定めている。
  2. 国の責務としてゲートキーパーの養成を定めている。
  3. 民間団体による地域自殺対策推進センターの設置を定めている。
  4. 事業主が職場のハラスメントの防止に必要な措置を講じることを義務付けている。

 

 


 

▶午前64

患者とその家族や医療者が患者にとって望ましい治療を探り、お互いが納得する治療を選択できるようにしていくのはどれか。

 

  1. 心理教育
  2. 共同意思決定
  3. ストレングス
  4. アドヒアランス

 

 


 

▶午前65

Aさん(30歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。会社の会議ではいつも寝てしまい、居眠り運転で交通事故を起こしたこともある。笑ったときに脱力してしまうことや、入眠時に誰もいないのに人影が見えたり、睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。
最も考えられる疾患はどれか。

 

  1. ナルコレプシー
  2. レム睡眠行動障害
  3. 睡眠時無呼吸症候群
  4. レストレスレッグス症候群〈むずむず脚症候群〉

 

 


 

▶午前66

Aさん(43歳、男性)は統合失調症で通院していたが、服薬中断によって幻覚妄想状態が続いていた。ある日、Aさんの父親に対する被害妄想が強くなり、父親へ殴りかかろうとしたところを母親に制止された。その後、Aさんは母親に促されて精神科病院を受診し「薬は飲みたくないけど、父親が嫌がらせをするので、すぐに入院して家から離れたい」と訴えた。母親も入院治療を強く希望している。
Aさんの入院形態はどれか。

 

  1. 応急入院
  2. 措置入院
  3. 任意入院
  4. 医療保護入院

 

 


 

▶午前67

Aさん(55歳、男性)は筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で、経口摂取と胃瘻による経管栄養を併用し、在宅療養することになった。
Aさんと家族介護者への指導内容で適切なのはどれか。

 

  1. 水分は経口による摂取とする。
  2. 経口摂取中は頸部前屈位とする。
  3. 経管栄養剤以外の注入を禁止する。
  4. 注入時間に合わせて生活パターンを変更する。

 

 


 

▶午前68改題

令和4年(2022年)の介護サービス施設・事業所調査において、介護保険制度による訪問看護の利用者の特徴で正しいのはどれか。

 

  1. 要介護5の利用者が最も多い。
  2. 傷病別では悪性新生物が最も多い。
  3. 医療保険制度による利用者よりも多い。
  4. 要支援1、2の利用者は全体の利用者の4割を占める。

 

 


 

▶午前69

Aさん(82歳、女性、要介護1)は1人で暮らしている。認知症と診断され、週1回の訪問看護を利用することになった。訪問看護師は、Aさんが調理できなくなったので、配食サービスを導入したと介護支援専門員から情報を得た。初回訪問時に、Aさんは季節外れの服を着ており、今日の日付を答えられなかった。トイレで排泄できている。
訪問看護師が収集した情報のうち、手段的日常生活動作〈IADL〉はどれか。

 

  1. 調理ができない。
  2. 季節外れの服を着ている。
  3. トイレで排泄できている。
  4. 今日の日付を答えられない。

 

 


 

▶午前70

Aさん(90歳、男性)は要介護3となり、長男(60歳)と同居することになった。長男は「親を介護することがこんなに大変だとは思わなかった。親が衰えてつらいと感じるのは自分だけだろうか」と訪問看護師に話した。
訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。

 

  1. 高齢者の介護方法について説明する。
  2. 訪問看護の時間中に長男に外出を促す。
  3. Aさんの短期入所サービスの利用を勧める。
  4. 親の介護をしている介護者の了解を得て長男に紹介する。

 

 


 

▶午前71

看護師等の人材確保の促進に関する法律で規定されているのはどれか。

 

  1. 人員配置基準に基づき看護師を配置する。
  2. 看護師等の資質の向上のための研修等を行う。
  3. 新入職員を雇い入れるときに健康診断を行う。
  4. 年5回の年次有給休暇を取得させることが義務付けられている。

 

 


 

▶午前72

A君(4歳、男児)は地震による災害のため体育館に両親と避難し、2週後に仮設住宅に移動した。その後1か月経過したころから、A君はわざと机や椅子をガタガタ揺らしながら「地震だ、逃げろ」などと騒いで遊んでいた。母親は仮設住宅に巡回に来ていた看護師に「Aの遊びにどのように対応したらよいでしょうか」と相談した。
看護師の母親への説明で適切なのはどれか。

 

  1. 「すぐに児童精神科の医師の診察を受けましょう」
  2. 「危険な遊びにエスカレートしないよう、やめさせましょう」
  3. 「避難できたから安心だね、と声をかけながら見守りましょう」
  4. 「A君に家の手伝いをしてもらい何か役割を担ってもらいましょう」

 

 


 

▶午前73

発災直後、自家用車に泊まり生活を始めた避難者に発生しやすいのはどれか。

 

  1. 生活不活発病
  2. 静脈血栓塞栓症
  3. 圧挫症候群〈クラッシュ症候群〉
  4. 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉

 

 


 

▶午前74

Aちゃん(3歳)は、両親(外国籍)と3人で暮らしている。来日して1か月が経った。2日前に急性胃腸炎で個室に入院した。症状が改善し、経口での食事を再開することになった。看護師が訪室すると、香辛料の香りが部屋に充満しており、唐辛子の入った肉などのたくさんの料理が並べられていた。母親は看護師に気付くと「Aは日本食には慣れておらず、食べられないので家で作ってきました」と話した。
このときの母親への看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 普段のAちゃんの食事の内容を尋ねる。
  2. 栄養指導を受けるまで食事の持ち込みはできないと説明する。
  3. たくさん食べさせてAちゃんの体力を回復させるよう伝える。
  4. 病院食を完食するまで、持ち込み食は食べさせないよう伝える。

 

 


 

▶午前75

声帯の運動や緊張度を調節する神経を分枝するのはどれか。

 

  1. 三叉神経
  2. 顔面神経
  3. 舌咽神経
  4. 迷走神経
  5. 舌下神経

 

 


 

▶午前76

乳房について正しいのはどれか。

 

  1. 月経前に乳房が張りやすいのはエストロゲンの影響である。
  2. 乳腺周囲の平滑筋はオキシトシンによって弛緩する。
  3. 乳腺はアポクリン汗腺が変化したものである。
  4. 乳房は褐色脂肪組織である。
  5. 乳管は乳汁を産生する。

 

 


 

▶午前77

小脳の機能はどれか。

 

  1. 睡眠と覚醒
  2. 姿勢反射の中枢
  3. 振動感覚の中継
  4. 随意運動の制御
  5. 下行性の疼痛抑制

 

 


 

▶午前78

出生後の成長で、最も早く成人の大きさに達するのはどれか。

 

  1. 肝臓
  2. 心臓
  3. 脊柱

 

 


 

▶午前79

大動脈解離で真腔と偽腔(解離腔)が形成される。
偽腔が形成される大動脈壁の部位はどれか。

 

  1. 外膜
  2. 外膜と中膜の間
  3. 中膜
  4. 中膜と内膜の間
  5. 内膜

 

 


 

▶午前80

甲状腺クリーゼについて正しいのはどれか。

 

  1. 低体温となる。
  2. 致死率は2%以下である。
  3. 誘因として感染症が多い。
  4. 初期症状として徐脈を認める。
  5. 甲状腺ホルモンの欠乏症である。

 

 


 

▶午前81

転移性脳腫瘍の原発巣で最も多いのはどれか。

 

  1. 胃癌
  2. 乳癌
  3. 肺癌
  4. 大腸癌
  5. 子宮頸癌

 

 


 

▶午前82

労働者災害補償保険法に規定されている保険者はどれか。

 

  1. 事業主
  2. 市町村
  3. 都道府県
  4. 健康保険組合

 

 


 

▶午前83

肺結核について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 結核の10%程度である。
  2. 感染経路は接触感染である。
  3. 肺アスペルギルス症と同じ原因菌である。
  4. 二次性の発症は過去の感染の再活性化による。
  5. DOTS〈Directly Observed Treatment, Short-course〉が推奨される。

 

 


 

▶午前84

敗血症性ショックについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血圧は上昇する。
  2. 血中の乳酸濃度は低下する。
  3. エンドトキシンが原因である。
  4. 最重症の臨床像は多臓器不全である。
  5. コールドショックからウォームショックに移行する。

 

 


 

▶午前85

てんかんについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. けいれんと同義である。
  2. 症候性てんかんは脳内病変を伴う。
  3. 単純部分発作では意識障害を認める。
  4. 特発性の全般てんかんは高齢者に多い。
  5. 脳の神経細胞の発作性電気的興奮によって起こる。

 

 


 

▶午前86

エックス線を用いて行う検査はどれか。2つ選べ。

 

  1. 脳波検査
  2. 筋電図検査
  3. 頭部CT検査
  4. サーモグラフィ
  5. 上部消化管造影検査

 

 


 

▶午前87

全身麻酔下で胃全摘出術を受ける患者に対する無気肺の予防法はどれか。2つ選べ。

 

  1. 腹帯の装着
  2. 抗菌薬の使用
  3. ハフィング法
  4. 弾性ストッキングの装着
  5. インセンティブ・スパイロメトリーの使用

 

 


 

▶午前88

肝硬変による肝性脳症で生じるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 浮腫
  2. 異常行動
  3. くも状血管腫
  4. 羽ばたき振戦
  5. メドゥーサの頭

 

 


 

▶午前89

高齢者の健康障害の特徴はどれか。2つ選べ。

 

  1. 原因を特定しやすい。
  2. 症候が定型的である。
  3. 若年者と比較して個人差は少ない。
  4. 薬物による有害事象が出現しやすい。
  5. 原疾患とは関連のない老年症候群が発生しやすい。

 

 


 

▶午前90

薬剤投与に関する重大な医療事故が発生した。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 患者の状況を確認して安全を確保する。
  2. 事故発生状況の詳細を看護記録に残す。
  3. 薬剤投与に使用した物品は直ちに処分する。
  4. 患者の容態が落ち着いてから上司に報告する。
  5. 患者および家族に事故状況を説明するのは、原因が判明した後にする。

 

 

 

 

資料 厚生労働省「第110回保健師国家試験、第107回助産師国家試験、第113回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第113回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和5年2月12日(日)に実施された第112回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第112回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 一般問題

 

 

▶午後26

心周期に伴う心臓の変化で、収縮期の初期には心室の容積は変わらずに内圧が上昇していく。
このときの心臓で正しいのはどれか。

 

  1. 僧房弁は開いている。
  2. 大動脈弁は開いている。
  3. 左心室の容積は最小である。
  4. 左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。

 

 


 

▶午後27

リンパの流れで正しいのはどれか。

 

  1. 成人の胸管を流れる量は1日約10Lである。
  2. 右上半身のリンパは胸管に流入する。
  3. 中枢から末梢への一方向に流れる。
  4. 筋運動を行うと流量は増加する。

 

 


 

▶午後28

肥大型心筋症について正しいのはどれか。

 

  1. ウイルス感染が主な病因である。
  2. 拡張障害が問題となる。
  3. 左室内腔は拡大する。
  4. 弁膜に肥厚を認める。

 

 


 

▶午後29

歯周病について正しいのはどれか。

 

  1. 原因はウイルス感染が多い。
  2. 発症の直接因子として飲酒がある。
  3. 真性ポケットが形成される歯周炎を含む。
  4. 破壊が歯槽骨まで及んでいるのは歯肉炎である。

 

 


 

▶午後30

帯状疱疹について正しいのはどれか。

 

  1. 運動神経麻痺は生じない。
  2. 感染の既往として水痘がある。
  3. ウイルスは発症後1か月で消滅する。
  4. 単純ヘルペスウイルスの感染が原因である。

 

 


 

▶午後31改題

令和4年度(2022年度)の家族に関する調査で正しいのはどれか。

 

  1. 人口動態調査では合計特殊出生率が1.54である。
  2. 労働力調査では共働き世帯が専業主婦世帯より少ない。
  3. 人口動態調査では結婚後5年未満の離婚が約半数である。
  4. 雇用均等基本調査では男性の育児休業取得率が17.13%である。

 

 


 

▶午後32

生活保護法の扶助の種類とその内容の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療扶助――医療にかかる費用
  2. 教育扶助――高等学校以上の教育にかかる費用
  3. 住宅扶助――住宅の購入にかかる費用
  4. 出産扶助――新生児の育児用品にかかる費用

 

 


 

▶午後33

健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。

 

  1. 罹患率が高い疾患は有病率が高くなる。
  2. 推計患者数には助産所を利用した者を含む。
  3. 受療率は人口10万人に対する推計患者数である。
  4. 平均在院日数は調査時点で入院している者の在院日数の平均である。

 

 


 

▶午後34

介護保険法と社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に実施できる医行為はどれか。

 

  1. 摘便
  2. 喀痰吸引
  3. 血糖測定
  4. インスリン注射

 

 


 

▶午後36

針刺し事故を防止する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 採血時に手袋を着用する。
  2. 採血部位をアルコールで消毒する。
  3. 抜針した採血針はキャップをして破棄する。
  4. 針専用の廃棄容器は容量が8割程度に達したら処分する。

 

 


 

▶午後37

安楽な姿勢を保持する体位と枕を挿入する位置の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. Sims〈シムス〉位――腰背部
  2. 側臥位――胸腹部
  3. 半座位――前胸部
  4. 腹臥位――膝窩部

 

 


 

▶午後38

便の性状と原因の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 灰白色便――Crohn〈クローン〉病
  2. 鮮紅色便――鉄剤の内服
  3. タール便――上部消化管出血
  4. 米のとぎ汁様便――急性膵炎

 

 


 

▶午後39

患者の足底と杖をつく位置を図に示す。
112pm39
両上肢の動きに制限がなく、右下肢に軽度の筋力低下がある患者の三点歩行で、歩き始めの杖の位置が適切なのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午後40

創傷治癒の成熟期の状態はどれか。

 

  1. マクロファージが創内を清浄化する。
  2. 基底細胞が創面を覆う。
  3. 肉芽組織を形成する。
  4. 瘢痕を形成する。

 

 


 

▶午後41

成人への与薬方法で正しいのはどれか。

 

  1. 筋肉内注射は大殿筋に行う。
  2. 坐薬は肛門から1cm挿入する。
  3. バッカル錠は、かんでから飲み込む。
  4. 点眼薬は下眼瞼結膜の中央に滴下する。

 

 


 

▶午後42

成人に対する自動体外式除細動器〈AED〉の使用で正しいのはどれか。

 

  1. 胸部が濡れている場合は電極パッドを貼る前に拭き取る。
  2. 電極パッドは左前胸部に並べて貼る。
  3. 心電図の解析中にも胸骨圧迫を継続する。
  4. 心拍が再開されたら電極パッドを直ちにはがす。

 

 


 

▶午後43

経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の測定値に影響を及ぼすのはどれか。

 

  1. 頻脈
  2. 高血圧
  3. 高体温
  4. 末梢循環不全

 

 


 

▶午後44

仰臥位で手術を受けた患者が術後に上肢の薬指と小指のしびれを訴えた。
しびれの原因として考えられるのはどれか。

 

  1. 頸部の伸展
  2. 前腕の回内
  3. 肩関節の内旋
  4. 肘関節の伸展

 

 


 

▶午後45

Aさん(58歳)は筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉で在宅療養をしている。嚥下機能の低下が進行したため入院し、胃瘻の造設が検討されているが、経口摂取の継続を希望している。
看護師が連携する職種で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 言語聴覚士
  2. 作業療法士
  3. 理学療法士
  4. 介護支援専門員

 

 


 

▶午後46

臨死期にある患者の家族から「のどがゴロゴロと鳴っていて苦しんでいます。この苦痛をとってあげたい」と相談された。看護師が、呼吸音を聴取すると咽頭に雑音を認めた。
患者の苦痛を緩和するための対応で適切なのはどれか。

 

  1. 顔を横に向ける。
  2. 気管支拡張薬を用いる。
  3. 口腔内をガーゼで拭く。
  4. 雑音が消失するまで吸引する。

 

 


 

▶午後47

成人の気管支喘息に対する副腎皮質ステロイド薬の吸入で正しいのはどれか。

 

  1. 糖尿病の患者への投与は禁忌である。
  2. 副作用〈有害事象〉に不整脈がある。
  3. 重積発作の際に使用する。
  4. 吸入後は含嗽を促す。

 

 


 

▶午後48

Aさん(43歳、男性)は胆道狭窄のため内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉検査を受けた。検査後に心窩部痛が出現したため血液検査を行い、禁食、抗菌薬および蛋白分解酵素阻害薬による治療を行うことになった。
血液検査の項目でAさんに生じた合併症を判断できるのはどれか。

 

  1. アミラーゼ〈AMY〉
  2. アルブミン〈Alb〉
  3. カリウム〈K〉
  4. クレアチンキナーゼ〈CK〉

 

 


 

▶午後49

パッチテストで皮膚反応を観察するタイミングはどれか。

 

  1. 12時間後
  2. 24時間後
  3. 36時間後
  4. 48時間後

 

 


 

▶午後50

シクロホスファミドを投与している患者で注意が必要なのはどれか。

 

  1. 緑内障
  2. 間質性肺炎
  3. 歯肉の肥厚
  4. 出血性膀胱炎

 

 


 

▶午後51

ヒトパピローマウイルス〈HPV〉検査の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「子宮頸部の細胞をこすり取って検査します」
  2. 「HPVワクチンを接種した人が対象です」
  3. 「陽性であれば子宮頸癌と診断されます」
  4. 「HPV抗原検査も同時に行います」

 

 


 

▶午後52改題

令和4年(2022年)の国民生活基礎調査における高齢者の健康状態で正しいのはどれか。

 

  1. 75歳以上の通院率は約9割である。
  2. 65歳以上の半数以上が有訴者である。
  3. 65歳以上の外来受療率は年齢が上がるほど高くなる。
  4. 65歳以上の自覚症状で男女とも最も多いのは腰痛である。

 

 


 

▶午後53

平成30年度(2018年度)の高齢者の住宅と生活環境に関する調査で、高齢者がいる世帯で賃貸住宅に住んでいる世帯の割合が最も多いのはどれか。

 

  1. 単身世帯
  2. 三世代世帯
  3. 夫婦のみの世帯
  4. 単身の子どもと同居世帯

 

 


 

▶午後54

Aさん(80歳、女性)は脳梗塞の後遺症のため要介護5と認定され、治療を終えて退院することになった。Aさんの息子の妻が「義母が退院したら同居して、私が初めて介護することになります」と不安そうに看護師に話しかけてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 「介護は楽しいですよ」
  2. 「介護にはすぐに慣れますよ」
  3. 「家族で介護できるよう頑張りましょう」
  4. 「介護についてどのような思いがありますか」

 

 


 

▶午後55

子どもの発達で正しいのはどれか。

 

  1. 発達は急速な時期と緩慢な時期がある。
  2. 原始反射は生後6〜12か月にみられる。
  3. 基本的な運動発達は脚部から上方へ向かう。
  4. 新生児期は遺伝よりも環境因子の影響が大きい。

 

 


 

▶午後56

乳歯について正しいのはどれか。

 

  1. 永久歯より石灰化度が高い。
  2. 生後8か月に生えそろう。
  3. 胎児期に石灰化が始まる。
  4. 本数は永久歯と同じである。

 

 


 

▶午後57

子どもの平行遊びで正しいのはどれか。

 

  1. 3歳ころまでの主要な遊びである。
  2. 他の子どもが遊ぶ様子を見て楽しむ。
  3. リーダーの存在や役割の分担がある。
  4. 他の子どもとおもちゃの貸し借りを行う。

 

 


 

▶午後58

母体保護法に規定されているのはどれか。

 

  1. 産後の休業
  2. 妊娠中の女性の危険有害業務の就業制限
  3. 妊娠したことを理由とした不利益な取扱いの禁止
  4. 経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合の人工妊娠中絶

 

 


 

▶午後59

閉経について正しいのはどれか。

 

  1. 閉経すると腟の自浄作用が低下する。
  2. 閉経後はエストロゲン分泌が増加する。
  3. 日本人の閉経の平均年齢は55歳である。
  4. 10か月の連続した無月経の確認で診断される。

 

 


 

▶午後60

妊娠に伴う母体の生理的変化とその時期の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 体温が低下する。――妊娠5週ころ
  2. 乳房が緊満する。――妊娠15週ころ
  3. つわりが軽減する。――妊娠11週ころ
  4. 循環血液量が最大になる。――妊娠32週ころ

 

 


 

▶午後61

産褥期の生理的変化で正しいのはどれか。

 

  1. 児が乳頭を吸啜することによってオキシトシンが分泌される。
  2. 子宮が非妊時の大きさに戻るのは分娩後約2週である。
  3. 分娩後は一時的に尿量が減少する。
  4. プロゲステロンが増加する。

 

 


 

▶午後62

大規模災害が発生し、被災した住民は自治体が設置した避難所に集まり避難生活を始めた。発災3日、自治体から派遣された看護師は避難所の片隅で涙ぐんでいるAさんへの関わりを始めた。Aさんは「悲しい気持ちが止まりません」と話している。
このときのAさんへの看護師の発言で適切なのはどれか。

 

  1. 「災害以外のことを何か考えましょう」
  2. 「あなたの悲しい気持ちは乗り越えられるものですよ」
  3. 「悲しい気持ちが止まらないのは異常なことではないですよ」
  4. 「みんなが大変なのですからAさんも元気を出してください」

 

 


 

▶午後63

精神病床に入院し、身体的拘束が必要となる攻撃性の高い精神疾患患者のケアで正しいのはどれか。

 

  1. 心的外傷〈トラウマ〉体験を想定して支援を行う。
  2. 患者が暴力行為に及んだ場合は積極的に反省を促す。
  3. 患者の攻撃性が収まるまで疾患や治療の教育を行うことは避ける。
  4. 患者の身体的拘束が解除されてから病棟のスケジュールの説明を行う。

 

 


 

▶午後64

一般の事業所や企業に就労を希望する精神障害者に対して行う支援で、24か月間を原則として就職に必要な訓練や求職活動を行うのはどれか。

 

  1. 就労移行支援
  2. 自立生活援助
  3. ピアサポート
  4. 就労継続支援A型

 

 


 

▶午後65

Aさん(70歳、男性)は神経因性膀胱のため、膀胱留置カテーテルを挿入し在宅療養を開始することになった。
Aさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。

 

  1. 外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
  2. カテーテルは大腿の内側に固定する。
  3. 蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
  4. カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。

 

 


 

▶午後66

Aさん(88歳、女性、要介護1)は長女(58歳、会社員)と2人暮らしで、胃瘻を造設し訪問看護を利用している。看護師の訪問時、Aさんは頭痛、嘔気を訴え、ベッドに横になっていた。バイタルサインは、体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整、血圧102/76mmHg、口唇が乾燥している。室温は30℃である。長女に連絡し、かかりつけ医に往診を依頼することにした。
医師が到着するまでの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 頭を高くする。
  2. 腋窩を冷やす。
  3. 水を飲ませる。
  4. 中枢から末梢に下肢をマッサージする。

 

 


 

▶午後67

指定訪問看護ステーションについて正しいのはどれか。

 

  1. 看護職員以外は配置できない。
  2. 緊急時用の薬剤の保管が義務付けられている。
  3. 訪問看護指示書に基づいて療養者のケアを行う。
  4. 従事する看護職員は5年以上の臨床経験が必要である。

 

 


 

▶午後68

Aさん(63歳、男性)は妻と2人暮らしで、肺癌の終末期で在宅医療を受けて医療用麻薬を使用中である。看護師が訪問したとき、Aさんは椅子に座って咳をしながら苦痛に耐えている様子であった。妻は「レスキュー薬が効くまでは苦しそうなので、何か私にできることはありますか」と訪問看護師に尋ねた。
このときの訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 救急車を要請するよう提案する。
  2. Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。
  3. Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。
  4. 一度に倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。

 

 


 

▶午後69

A病院の組織図を示す。
112pm69
医療安全管理を担う部門が横断的に活動する位置はどれか。

 

 

 


 

▶午後70

医療法に基づき医療機関が医療の安全を確保する目的で行うのはどれか。

 

  1. 医療安全支援センターを設置する。
  2. 医療安全管理者養成研修を実施する。
  3. 医療の安全を確保するための指針を策定する。
  4. 医療安全管理のために必要な研修を2年に1回実施する。

 

 


 

▶午後71

災害時の医療を支える体制で正しいのはどれか。

 

  1. 地域災害拠点病院は市町村が指定する。
  2. 災害対策基本法に防災計画の作成が規定されている。
  3. トリアージは救命困難な患者の治療を優先するために行う。
  4. 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は被災地域の精神科医療および精神保健活動を専門的に行う。

 

 


 

▶午後72

Aさん(58歳、男性)は外国籍の妻(40歳)と10年前に結婚し、2人で暮らしている。虚血性心疾患と診断され、外来看護師による生活指導を妻と一緒に受けることになった。初回の面談で、A さんは「10年間で体重が10kg増えました。妻の母国の習慣で味が濃いおかずや揚げ物とご飯を1日に何度も食べています。最近、2人とも運動をしなくなりました」と話した。
このときの外来看護師のAさんと妻への最初の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 生活習慣の改善についてAさんと妻に考えを聞く。
  2. 食事は1日3回までにするよう指導する。
  3. 毎日1時間のウォーキングを提案する。
  4. 料理教室に通うことを勧める。

 

 


 

▶午後73

上肢の運動を図に示す。
112pm73
肩関節の屈曲の可動域測定で正しいのはどれか。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

 

 


 

▶午後74

細菌が体内に初めて侵入したときに最初に産生される免疫グロブリンはどれか。

 

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgE
  4. IgG
  5. IgM

 

 


 

▶午後75

膀胱の蓄尿と排尿反射で正しいのはどれか。

 

  1. 排尿中枢はホルモンによって制御される。
  2. 排尿反射は交感神経を介して起こる。
  3. 蓄尿時に内尿道括約筋は収縮する。
  4. 排尿時に外尿道括約筋は収縮する。
  5. 蓄尿時に排尿筋は収縮する。

 

 


 

▶午後76

全身性エリテマトーデス〈SLE〉でプレドニゾロンを長期間服用している成人女性の患者で、血中濃度が顕著に低下しているのはどれか。

 

  1. インスリン
  2. 甲状腺ホルモン
  3. エストラジオール
  4. 副甲状腺ホルモン〈PTH〉
  5. 副腎皮質刺激ホルモン〈ACTH〉

 

 


 

▶午後77

心電図検査の胸部誘導で電極を第4肋間胸骨右縁に装着するのはどれか。

 

  1. V1
  2. V2
  3. V4
  4. aVR

 

 


 

▶午後78

プリン体の代謝産物である尿酸で正しいのはどれか。

 

  1. 下肢末端は温度が下がるので結晶化しやすい。
  2. 男性ホルモンによって腎排泄が増加する。
  3. 激しい運動で産生が減少する。
  4. 利尿薬によって排泄される。
  5. 肝臓で分解される。

 

 


 

▶午後79

血液透析について正しいのはどれか。

 

  1. 合併症は腹膜炎が多い。
  2. 食事はカルシウムを制限する。
  3. 導入初期には不均衡症候群が起こる。
  4. 導入の原因疾患はIgA腎症が最も多い。
  5. 透析に用いる半透膜はタンパク質が通過する。

 

 


 

▶午後80

成人に経鼻経管栄養の胃管を挿入する方法で適切なのはどれか。

 

  1. 無菌操作で行う。
  2. 挿入時、患者の体位は仰臥位にする。
  3. 胃管が咽頭に達するまで頸部を前屈してもらう。
  4. 胃管が咽頭に達したら嚥下を促す。
  5. 水を注入して胃管の先端が胃内に到達したことを確認する。

 

 


 

▶午後81

介護保険サービスを利用して購入できるのはどれか。

 

  1. 簡易浴槽
  2. 特殊寝台
  3. 体位変換器
  4. 移動用リフト
  5. 取り付け工事を伴わないスロープ

 

 


 

▶午後82

標準的な成長をしている正期産児の身長が出生時の約2倍になるのはどれか。

 

  1. 生後6か月
  2. 生後12か月
  3. 2歳
  4. 4歳
  5. 6歳

 

 


 

▶午後83

女子の第二次性徴に最も関与するホルモンはどれか。

 

  1. エストロゲン
  2. オキシトシン
  3. 成長ホルモン
  4. 甲状腺ホルモン
  5. テストステロン

 

 


 

▶午後84

Aさん(25歳、女性)は統合失調症と診断され、入院2か月が経過した。食事や水分の摂取、トイレ歩行は1人でできる。歯磨き、入浴への関心はあまりない。幻聴が聞こえると突然走り出し、壁に頭をぶつけている。日中はホールで過ごし、自分から他の患者と交流はしない。
Aさんのセルフケアのアセスメントで優先度が高いのはどれか。

 

  1. 排泄
  2. 個人衛生
  3. 安全を保つ能力
  4. 活動と休息のバランス
  5. 孤独と付き合いのバランス

 

 


 

▶午後85

薬物血中濃度モニタリング〈TDM〉の実施が必要な薬物はどれか。2つ選べ。

 

  1. ヘパリン
  2. インスリン
  3. ジギタリス
  4. 炭酸リチウム
  5. ニトログリセリン

 

 


 

▶午後86

高齢者の睡眠で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 単相性の睡眠になる。
  2. 浅い眠りが少なくなる。
  3. 総睡眠時間が延長する。
  4. 中途覚醒の回数が増加する。
  5. 入眠するまでに時間がかかる。

 

 


 

▶午後87

高齢者の血液検査の結果で成人の基準値と比較して値が高くなるのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 血小板数
  2. 尿素窒素
  3. 白血球数
  4. 食後血糖値
  5. AST〈GOT〉

 

 


 

▶午後88

精神保健における三次予防はどれか。2つ選べ。

 

  1. うつ病患者のリワーク支援を行う。
  2. 災害時の精神的支援を行うボランティアを育成する。
  3. 自殺企図をして未遂だった人の希死念慮を確認する。
  4. 精神障害者の長期入院による自発性の低下を予防する。
  5. 統合失調症のアンチ・スティグマ・キャンペーンを行う。

 

 


 

▶午後89

Aちゃん(小学4年生、女児)は父親(40歳、会社員)、母親(40歳、会社員)、弟(小学2年生)と4人で暮らしている。交通事故で頸髄損傷となり、訪問看護を利用して在宅療養を開始した。Aちゃんはこれまで通っていた小学校に継続して通学することを希望している。
Aちゃんの家族への看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 特別支援学校に転校するよう勧める。
  2. 弟の退行現象に注意するよう説明する。
  3. Aちゃんが利用できる社会資源を紹介する。
  4. Aちゃんのケアは主に母親が行うよう助言する。
  5. 事故については家族の間で話題にしないよう指導する。

 

 


 

▶午後90

500Lの酸素ボンベ(14.7MPa充塡)の内圧が10MPaを示している。この酸素ボンベを用いて3L/分で酸素吸入を行う。
使用可能な時間は何分か。
ただし、小数点以下の数値が得られた場合は、小数点以下第1位を四捨五入すること。

 

解答: ① ② ③ 分

 

 


 

資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第112回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和5年2月12日(日)に実施された第112回看護師国家試験について、午前問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第112回看護師国家試験

 

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国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

ご注文は書店、または下記ネット書店、電子書籍をご利用下さい。

 

ネット書店

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午前 一般問題

 

 

▶午前26

骨格筋の細胞膜には(  )に対する受容体がある。自己抗体がこの受容体の働きを阻害すると骨格筋は収縮できなくなる。
(  )に入る神経伝達物質として正しいのはどれか。

 

  1. アセチルコリン
  2. アドレナリン
  3. ドパミン
  4. ノルアドレナリン

 

 


 

▶午前27

健常な女子(15歳)が野外のコンサートで興奮し、頻呼吸を起こして倒れた。
このときの女子の体内の状態で正しいのはどれか。

 

  1. アルカローシスである。
  2. ヘマトクリットは基準値よりも高い。
  3. 動脈血酸素飽和度〈SaO2〉は100%を超えている。
  4. 動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉は基準値よりも高い。

 

 


 

▶午前28

薬物の分解、排泄の速さの指標となるのはどれか。

 

  1. 最高血中濃度
  2. 生物学的半減期
  3. 濃度曲線下面積
  4. 最高血中濃度到達時間

 

 


 

▶午前29

多発性骨髄腫で腫瘍化しているのはどれか。

 

  1. B細胞
  2. T細胞
  3. 形質細胞
  4. 造血幹細胞

 

 


 

▶午前30

くも膜下出血の成因で最も多いのはどれか。

 

  1. 外傷
  2. 脳腫瘍
  3. 脳動脈瘤
  4. 脳動静脈奇形

 

 


 

▶午前31

社会保険制度と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 医療保険――健康保険法
  2. 介護保険――高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉
  3. 雇用保険――社会福祉法
  4. 年金保険――生活困窮者自立支援法

 

 


 

▶午前32

老人福祉法と介護保険法のいずれにも位置付けられている施設はどれか。

 

  1. 介護医療院
  2. 介護老人保健施設
  3. 老人福祉センター
  4. 老人デイサービスセンター

 

 


 

▶午前33改題

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症について正しいのはどれか。

 

  1. 令和4年(2022年)の新規感染者数は10年前に比べ増加している。
  2. 日本では異性間の性的接触による感染が最も多い。
  3. 早期に発見して治療を開始すれば完治する。
  4. 保健所でのHIV検査は匿名で受けられる。

 

 


 

▶午前34

医療計画について正しいのはどれか。

 

  1. 基準病床数を定める。
  2. 5年ごとに見直しを行う。
  3. 特定機能病院の基準を定める。
  4. 一次、二次および三次医療圏を設定する。

 

 


 

▶午前35

ノロウイルス感染症に罹患した患者の嘔吐物が床に飛び散っている。
この処理に使用する消毒薬で適切なのはどれか。

 

  1. 70%エタノール
  2. ポビドンヨード
  3. 塩化ベンザルコニウム
  4. 次亜塩素酸ナトリウム

 

 


 

▶午前36

臨死期の身体的変化はどれか。

 

  1. 尿量が増加する。
  2. 全身の筋肉が硬直する。
  3. 不規則な呼吸が出現する。
  4. 頸動脈が触れなくなった後、橈骨動脈が触れなくなる。

 

 


 

▶午前37

成人女性に対するベッド上での排泄援助とその目的の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 窓を開ける。――寒冷刺激による排尿促進
  2. 上半身を挙上する。――腹圧のかけやすさによる排泄促進
  3. 外陰部にトイレットペーパーを当てる。――尿臭の防止
  4. 便器の底にトイレットペーパーを敷く。――寝具の汚染防止

 

 


 

▶午前38

成人のノンレム睡眠の特徴はどれか。

 

  1. 体温が上昇する。
  2. 急速な眼球運動がある。
  3. 加齢に伴い時間が長くなる。
  4. 睡眠周期の前半にみられる。

 

 


 

▶午前39

穿刺と穿刺部位の組合せで適切なのはどれか。

 

  1. 胸腔穿刺――胸骨柄
  2. 骨髄穿刺――第3・4腰椎間
  3. 腹腔穿刺――腹直筋外側の側腹部
  4. 腰椎穿刺――上前腸骨棘

 

 


 

▶午前40

毒薬の保管方法を規定している法律はどれか。

 

  1. 薬剤師法
  2. 毒物及び劇物取締法
  3. 麻薬及び向精神薬取締法
  4. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律〈医薬品医療機器等法〉

 

 


 

▶午前41

輸血用血液製剤と保存温度の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 血小板成分製剤――2~6℃
  2. 赤血球成分製剤――2~6℃
  3. 血漿成分製剤――20〜24℃
  4. 全血製剤――20〜24℃

 

 


 

▶午前42

真空採血管とホルダーを用いて静脈血採血を実施するときに、駆血を解除するタイミングで適切なのはどれか。

 

  1. 採血針を皮膚に刺した直後
  2. 真空採血管内への血液の流入が始まったとき
  3. 真空採血管内への血液の流入が終わったとき
  4. ホルダーから真空採血管を抜去した後

 

 


 

▶午前43

MRI検査室に持ち込んでよいのはどれか。

 

  1. 耳栓
  2. 携帯電話
  3. 使い捨てカイロ
  4. キャッシュカード

 

 


 

▶午前44

ムーア, F. D.が提唱した外科的侵襲を受けた患者の生体反応で正しいのはどれか。

 

  1. 傷害期では尿量が増加する。
  2. 転換期では循環血液量が増加する。
  3. 筋力回復期では蛋白の分解が進む。
  4. 脂肪蓄積期では活動性が低下する。

 

 


 

▶午前45

関節拘縮の予防を目的とした関節可動域〈ROM〉訓練で正しいのはどれか。

 

  1. 関節を速く動かす。
  2. 運動麻痺がある場合は患側から行う。
  3. 他動運動は痛みが生じないように行う。
  4. 徒手筋力テストの結果が1以下の場合は自動運動を促す。

 

 


 

▶午前46

放射線治療で人体の吸収線量を表す単位はどれか。

 

  1. Bq
  2. eV
  3. Gy
  4. Sv

 

 


 

▶午前47

Aさん(62歳、男性)は呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され、呼吸機能検査を受けた。
換気障害の分類を図に示す。
112am47
Aさんの換気障害の分類で当てはまるのはどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D

 

 


 

▶午前48

右肺尖部の肺癌の胸壁への浸潤による症状はどれか。

 

  1. 散瞳
  2. 構音障害
  3. 閉眼困難
  4. 上肢の疼痛

 

 


 

▶午前49

胃切除術後のダンピング症候群を予防するための食事指導で適切なのはどれか。

 

  1. 15分以内に食べる。
  2. 糖質の多い食事を摂る。
  3. 1回の摂取量を少なくする。
  4. 1日の食事回数を少なくする。

 

 


 

▶午前50

重度の肝硬変で基準値よりも低い値を示す血液検査項目はどれか。

 

  1. 血清アルブミン〈Alb〉
  2. 血清ビリルビン〈Bil〉
  3. 血中アンモニア〈NH3
  4. プロトロンビン時間〈PT〉

 

 


 

▶午前51

成人のばね指で正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 原因は腱の炎症である。
  3. 好発部位は示指である。
  4. 積極的にストレッチを行う。

 

 


 

▶午前52

広汎子宮全摘出術を受けた患者への退院後の生活に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 「術後2週から性交は可能です」
  2. 「定期的に排尿を試みてください」
  3. 「調理のときは手袋をしてください」
  4. 「退院当日から浴槽の湯に浸かることができます」

 

 


 

▶午前53

老化に伴う血液・造血器系の変化で適切なのはどれか。

 

  1. エリスロポエチンが増加する。
  2. 黄色骨髄が減少する。
  3. 顆粒球数が増加する。
  4. 赤血球数が減少する。

 

 


 

▶午前54

高齢者の身体拘束に関する説明で適切なのはどれか。

 

  1. 身体拘束の実施は担当看護師が決定する。
  2. ミトン型の手袋の使用は身体拘束ではない。
  3. 本人が身体拘束に同意していれば家族への説明は不要である。
  4. 切迫性、非代替性および一時性の全てを満たしている場合に検討される。

 

 


 

▶午前55

65歳以上の高齢者が要介護認定の有無に関わらず利用できるのはどれか。

 

  1. 介護予防教室
  2. 介護老人保健施設
  3. 夜間対応型訪問介護
  4. 通所介護〈デイサービス〉

 

 


 

▶午前56

入院中の高齢者への看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 入院当日から複数の看護師が関わる。
  2. 1回の訪室で多くの情報を聴取する。
  3. 1日のスケジュールは口頭で説明する。
  4. 退院後の生活を予測して情報収集する。

 

 


 

▶午前57

1歳6か月の身体発育曲線(体重)を示す。
異常が疑われるのはどれか。

 

112am57 1

112am57 2

 

 


 

▶午前58

幼児期の心理社会的特徴はどれか。

 

  1. 自己中心性
  2. 心理的離乳
  3. ギャングエイジ
  4. ボディイメージの変容

 

 


 

▶午前59

正常な幼児期の基本的生活習慣で、2歳0か月ころまでに習得するのはどれか。

 

  1. 鼻をかむ。
  2. スプーンを使う。
  3. 夜間のおむつがとれる。
  4. 洋服のボタンをとめる。

 

 


 

▶午前60

母子保健法に規定されているのはどれか。

 

  1. 母子健康包括支援センター
  2. 乳児家庭全戸訪問事業
  3. 助産施設
  4. 特定妊婦

 

 


 

▶午前61

排卵のある正常な月経周期で正しいのはどれか。

 

  1. 黄体は形成後1週間で萎縮する。
  2. エストロゲンの作用で子宮内膜が分泌期になる。
  3. 発育した卵胞の顆粒膜細胞からプロゲステロンが分泌される。
  4. エストロゲンのポジティブフィードバックによって黄体形成ホルモンの分泌が増加する。

 

 


 

▶午前62

不妊症について正しいのはどれか。

 

  1. 約6割は原因不明である。
  2. 検査に基礎体温測定がある。
  3. 治療の1つに不妊手術がある。
  4. 女性の年齢は治療効果に影響しない。

 

 


 

▶午前63

正常な分娩経過はどれか。

 

  1. 骨盤入口部に児頭が進入する際、児の頤部が胸壁に近づく。
  2. 骨盤出口部に達した時点で、児頭の矢状縫合は母体の骨盤の横径に一致する。
  3. 児頭娩出後、胎児は肩の長軸が骨盤出口部の横径に一致するよう回旋する。
  4. 児頭が発露したころに胎盤が剝離する。

 

 


 

▶午前64

新生児の呼吸窮迫症候群〈RDS〉で正しいのはどれか。

 

  1. 呼吸数が減少する。
  2. 過期産児に発症しやすい。
  3. 生後24時間ころから発症する。
  4. 肺サーファクタントの欠乏が原因で生じる。

 

 


 

▶午前65

小児期から青年期に発症し、運動性チック、音声チック及び汚言の乱用を伴うのはどれか。

 

  1. Down〈ダウン〉症候群
  2. Tourette〈トゥレット〉障害
  3. 注意欠如・多動性障害〈ADHD〉
  4. Lennox-Gastaut〈レノックス・ガストー〉症候群

 

 


 

▶午前66

患者の権利や力を尊重し、自己制御している感覚を持たせ、患者が社会生活に必要な技能や能力を獲得する支援を意味するのはどれか。

 

  1. リカバリ
  2. ストレングス
  3. レジリエンス
  4. エンパワメント

 

 


 

▶午前67

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づき、精神障害者に適用されるのはどれか。

 

  1. 障害基礎年金
  2. 一定割合の雇用義務
  3. 精神障害者保健福祉手帳
  4. 自立支援医療〈精神通院医療〉

 

 


 

▶午前68

Aさん(85歳、男性)は1人暮らしで判断能力が不十分である。4親等以内の親族はいない。
訪問看護事業所におけるAさんの情報管理で適切なのはどれか。

 

  1. 成年後見人にAさんの訪問看護計画を説明する。
  2. 地域の民生委員にAさんの経済状況を知らせる。
  3. Aさんの訪問記録を電子メールに添付して援助者間で共有する。
  4. 新たなサービスの利用を検討する他の利用者にAさんのケアプランを見せる。

 

 


 

▶午前69

Aさん(80歳、女性)は1人暮らしで、在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。訪問看護師はAさんに停電時を想定した避難行動の指導を行うことにした。
Aさんの停電時の避難行動で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 電気のブレーカーを落とす。
  2. 玄関の扉を開けて出口を確保する。
  3. 訪問看護ステーションに連絡をする。
  4. 酸素濃縮器から酸素ボンベに切り替える。

 

 


 

▶午前70

介護保険制度における都道府県が指定・監督を行う居宅サービスはどれか。

 

  1. 福祉用具貸与
  2. 小規模多機能型居宅介護
  3. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  4. 認知症対応型共同生活介護〈グループホーム〉

 

 


 

▶午前71

Aさん(70歳、男性、要介護1)は脳梗塞の後遺症で左不全麻痺がある。家屋内は杖を使用して移動が可能である。Aさんから「入浴が不安なので安全な方法を教えてほしい」と訪問看護師に相談があった。
Aさんへの助言で適切なのはどれか。

 

  1. 手すりは左手で持つ。
  2. 左足から浴槽に入る。
  3. 浴室内を杖で移動する。
  4. 浴槽から出るときは入浴台〈バスボード〉を使う。

 

 


 

▶午前72

看護マネジメントのプロセスの「統制」はどれか。

 

  1. 看護職員の仕事への動機付けを行う。
  2. 病棟の目標をもとに看護活動の年間計画を立案する。
  3. 褥瘡ケアの改善に取り組むための担当チームを構成する。
  4. 病棟の1年間の業務評価に基づき看護活動の計画を修正する。

 

 


 

▶午前73

職員数が300人の病院の看護師の働き方に関するマネジメントで、労働安全衛生法に基づいて規定されているのはどれか。

 

  1. 1年以内ごとに1回、定期に心理的な負担の程度を把握するための検査を行う。
  2. 8時間を超える夜勤の時は1時間以上の休憩時間を確保する。
  3. 生理日に就業が著しく困難な場合は休暇の請求ができる。
  4. 妊娠中は請求すれば時間外労働が免除される。

 

 


 

▶午前74

国際協力として5歳未満児死亡率の高い地域に1年間派遣されることになった看護師が、派遣される地域の住民に対して行う活動でプライマリヘルスケアの原則に基づいた活動はどれか。

 

  1. 高度な治療を目的とした活動
  2. 医学的研究の遂行を優先した活動
  3. 派遣先で入手できる資源を利用した活動
  4. 派遣される専門家チームを中心とする活動

 

 


 

▶午前75

音を感知するラセン器〈Corti〈コルチ〉器〉があるのはどれか。

 

  1. 蝸牛管
  2. 半規管
  3. 鼓室
  4. 鼓膜
  5. 前庭

 

 


 

▶午前76

正常な糸球体で濾過される物質はどれか。

 

  1. フィブリノゲン
  2. ミオグロビン
  3. アルブミン
  4. 血小板
  5. 赤血球

 

 


 

▶午前77

冷たい川に飛び込んだときに急激に体温が低下する原因で正しいのはどれか。

 

  1. 対流による体熱の放散
  2. 放射による体熱の放散
  3. 熱伝導による体熱の放散
  4. 代謝による熱エネルギー産生の低下
  5. 骨格筋における熱エネルギー産生の低下

 

 


 

▶午前78

インスリンを過剰に投与したときに現れる症候で正しいのはどれか。

 

  1. 発熱
  2. 浮腫
  3. 口渇感
  4. 顔面紅潮
  5. 手足のふるえ

 

 


 

▶午前79

僧帽弁狭窄症について正しいのはどれか。

 

  1. 弁口面積が拡大する。
  2. 左心房内圧が上昇する。
  3. 狭心痛を合併することが多い。
  4. 弁尖の先天的な3尖化が原因となる。
  5. 胸骨右縁第2肋間で心雑音を聴取する。

 

 


 

▶午前80

検査の画像を別に示す。
112am80 1
112am80 2
狭心症の手術に最も重要な検査はどれか。

 

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 


 

▶午前81

変形性膝関節症について正しいのはどれか。

 

  1. 男性に多い。
  2. 第一選択は手術療法である。
  3. 変形性関節症の中で2番目に多い。
  4. 二次性のものが一次性のものより多い。
  5. 経時的に進行して10年で半数が悪化する。

 

 


 

▶午前82

学校保健安全法で出席停止となる学校感染症のうち、第二種に分類されているのはどれか。

 

  1. インフルエンザ
  2. 細菌性赤痢
  3. ジフテリア
  4. 腸チフス
  5. 流行性角結膜炎

 

 


 

▶午前83

成人におけるバイタルサインで緊急に対応が必要なのはどれか。

 

  1. 脈拍 70/分
  2. 体温 34.4℃
  3. 呼吸数 14/分
  4. 血圧 130/80mmHg
  5. グラスゴー・コーマ・スケール〈GCS〉15点

 

 


 

▶午前84

老化による尿の生成と排尿機能の変化はどれか。

 

  1. 排尿回数の減少
  2. 膀胱容量の増加
  3. 夜間尿量の減少
  4. 残尿量の増加
  5. 尿比重の上昇

 

 


 

▶午前85

定期予防接種について正しいのはどれか。

 

  1. BCG接種前にツベルクリン反応を実施する。
  2. ロタウイルスワクチンは不活化ワクチンである。
  3. ポリオウイルスワクチンの定期接種は廃止された。
  4. 麻疹ウイルスワクチンは就学までに4回接種する。
  5. ヒトパピローマウイルス〈HPV〉ワクチンは筋肉内注射する。

 

 


 

▶午前86

緑内障について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 眼球が突出する。
  2. 視神経が萎縮する。
  3. 硝子体が混濁する。
  4. 眼底に出血がみられる。
  5. 眼圧の上昇が原因となる。

 

 


 

▶午前87

高齢者に脱水が起こりやすくなる要因はどれか。2つ選べ。

 

  1. 骨量の減少
  2. 筋肉量の減少
  3. 細胞内液量の減少
  4. 渇中枢の感受性の亢進
  5. 抗利尿ホルモンの反応性の亢進

 

 


 

▶午前88

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく入院形態で正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 応急入院は72時間以内に限られている。
  2. 緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。
  3. 措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。
  4. 精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。
  5. 医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。

 

 


 

▶午前89

クリニカルパスについて正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 在宅療養には適用できない。
  2. 医療者と患者が治療計画を共有できる。
  3. バリアンス発生の判断は退院日に行う。
  4. 多職種間のコミュニケーションが不要になる。
  5. 一定の質を保った治療と看護ケアの提供につながる。

 

 


 

▶午前90

看護のアウトカムを評価するために収集する情報はどれか。2つ選べ。

 

  1. 褥瘡発生率
  2. 患者の満足度
  3. 研修会の開催回数
  4. 新人看護師の離職率
  5. 退院指導の実施回数

 

 


 

資料 厚生労働省「第109回保健師国家試験、第106回助産師国家試験、第112回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第112回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 助産師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向

 

令和4年2月13日(日)に実施された第111回看護師国家試験について、午後問題のうち一般問題の正答と解説を示します。

国民衛生の動向2024/2025」で内容を解説している問題に関しては、その参照章・ページを示しているので、同書を併用しながらの利用をおすすめします。

 

▼第111回看護師国家試験

 

Eisei22 23 hyo    厚生の指標増刊

国民衛生の動向 2024/2025

 

発売日:2024.8.27

定価:2,970円(税込)

412頁・B5判

雑誌コード:03854-08

 

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▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

 

午後 一般問題

 

 

▶午後7(必修除外)

ハヴィガースト,R.J.の発達課題で善悪の区別を学習するのはどれか。

 

  1. 乳幼児期
  2. 児童期
  3. 青年期
  4. 中年期

 

 


 

▶午後26

生体内でタンパク質が分解され、アミノ酸の代謝が進んで生じたアンモニアは肝臓で( )に変換される。
( )に入るのはどれか。

 

  1. 尿酸
  2. 尿素
  3. 亜硝酸
  4. 一酸化窒素

 

 


 
▶午後27

若年者よりも高齢者が熱中症を起こしやすい理由はどれか。

 

  1. 熱産生量の増加
  2. 熱放散量の増加
  3. 自律性体温調節反応の低下
  4. 視床下部の体温調節中枢のセットポイントの低下

 

 


 

▶午後28

ABO式血液型におけるオモテ検査とウラ検査の結果の表を示す。
111pm28
血液型判定の結果がO型となるのはどれか。

 

 

 


 

▶午後29

上位運動ニューロン徴候および下位運動ニューロン徴候の有無について表に示す。
111pm29
筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉において正しいのはどれか。

 

  1. a
  2. b
  3. c
  4. d

 

 


 
▶午後30

診療報酬制度について正しいのはどれか。

 

  1. 診療報酬の点数は3年に1回改定される。
  2. 診療報酬は都道府県が医療機関に支払う。
  3. 医療機関への支払いは出来高払いのみである。
  4. 厚生労働大臣の指定を受けた医療機関で利用できる。

 

 


 
▶午後31

次の法律のうち最も新しく制定されたのはどれか。

 

  1. 未成年者喫煙禁止法
  2. 麻薬及び向精神薬取締法
  3. アルコール健康障害対策基本法
  4. ギャンブル等依存症対策基本法

 

 


 
▶午後32改題

21世紀における第三次国民健康づくり運動〈健康日本21(第三次)〉では、( )つの基本的方向に沿った目標が設定された。
( )に入る数値はどれか。

 

  1. 3
  2. 4
  3. 5
  4. 6

 

 


 
▶午後33

医療法に基づく記述で正しいのはどれか。

 

  1. 病床の区分は療養病床と一般病床の2種類である。
  2. 地域医療支援病院は厚生労働大臣の承認が必要である。
  3. 無床診療所の開設には厚生労働大臣への届出が必要である。
  4. 有床診療所は19人以下の患者を入院させる施設を有するものである。

 

 


 

▶午後34

クリティカル・シンキングで適切なのはどれか。

 

  1. 物事を否定的にみる。
  2. 根拠に基づいて考える。
  3. 主観的な情報を重視する。
  4. 直感的に状況を判断する。

 

 


 

▶午後35

構音障害がある成人患者への対応で適切なのはどれか。

 

  1. 手話で説明する。
  2. 筆談を提案する。
  3. 耳元で話しかける。
  4. 不明瞭な言語は繰り返し聞き直す。

 

 


 

▶午後36

看護過程において評価する項目はどれか。

 

  1. 看護技術の習得度
  2. 看護教育の活用度
  3. 看護記録の完成度
  4. 看護目標の達成度

 

 


 
▶午後37

医療器材と消毒・滅菌の組合せで正しいのはどれか。

 

  1. 手術用持針器――第4級アンモニウム塩
  2. ステンレス製便器――熱水消毒
  3. 軟性内視鏡――高圧蒸気滅菌
  4. ベッド柵――グルタラール

 

 


 

▶午後38

点眼薬の投与について正しいのはどれか。

 

  1. 点眼時は上眼瞼を上げる。
  2. 点眼容器の先端は眼瞼結膜に当てる。
  3. 点眼後は眼球を圧迫する。
  4. 眼から溢れた薬液は拭き取る。

 

 


 

▶午後39

52歳の女性が上腹部痛と吐血を主訴に受診し輸血を行うこととなった。
輸血時の対応で正しいのはどれか。

 

  1. 赤血球製剤を30〜37℃で融解する。
  2. 血液型検査とクロスマッチ検査用の採血を同時に行う。
  3. クロスマッチ検査の結果を医師と看護師で確認する。
  4. 輸血開始から15分後にアレルギー反応の初回観察を行う。

 

 


 

▶午後40

四肢の動脈性外出血に対する止血法で適切なのはどれか。

 

  1. 出血部位を心臓より高く保つ。
  2. 止血帯は幅1cm未満を用いる。
  3. 止血帯は連続して4時間使用する。
  4. 出血部位を動脈圧より低い圧で圧迫する。

 

 


 

▶午後41

成人の後腸骨稜からの骨髄穿刺で正しいのはどれか。

 

  1. 仰臥位で行う。
  2. 穿刺時は深呼吸を促す。
  3. 骨髄液吸引時に痛みが生じる。
  4. 終了後、当日の入浴は可能である。

 

 


 
▶午後42

Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌の終末期である。
Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。

 

  1. 「腹痛がずっと続いています」
  2. 「吐き気が続くと思うと不安です」
  3. 「今後の生活にかかるお金が心配です」
  4. 「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」

 

 


 

▶午後43

Aさん(63歳、男性)は3年前から肺気腫で定期受診を続けていた。最近、歩行時の息切れが強くなってきたことを自覚し、心配になったため受診した。受診時、呼吸数は34/分で、口唇のチアノーゼがみられた。
Aさんについて正しいのはどれか。

 

  1. 1回換気量が増加している。
  2. 呼気よりも吸気を促すと効果的である。
  3. 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は上昇している。
  4. 病状が進行すると動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が上昇する。

 

 


 

▶午後44

中心静脈栄養法を受けている患者の看護について適切なのはどれか。

 

  1. カテーテルの刺入部は見えないように覆う。
  2. カテーテル刺入部を定期的に消毒する。
  3. カテーテルの固定位置を毎日確認する。
  4. 予防的に抗菌薬の投与を行う。

 

 


 

▶午後45

高尿酸血症で正しいのはどれか。

 

  1. 痛風結節は疼痛を伴う。
  2. 痛風発作は飲酒で誘発される。
  3. 痛風による関節炎の急性期に尿酸降下薬を投与する。
  4. 血清尿酸値9.0mg/dL以下を目標にコントロールする。

 

 


 
▶午後46

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症で正しいのはどれか。

 

  1. 空気感染する。
  2. 無症候期がある。
  3. DNAウイルスによる。
  4. 血液中のBリンパ球に感染する。

 

 


 

▶午後47

鼓室形成術を受けた患者の退院指導の内容で正しいのはどれか。

 

  1. 水泳は可能である。
  2. 耳垢はこまめに除去する。
  3. 鼻を強くかむことを禁じる。
  4. エレベーターの使用を勧める。

 

 


 

▶午後48

下腿の介達牽引を受けている患者が足背のしびれを訴えている。
看護師が確認すべき項目で優先度が高いのはどれか。

 

  1. 下肢の肢位
  2. 牽引の方向
  3. 重錘の重さ
  4. 弾性包帯のずれ

 

 


 

▶午後49

前立腺癌について正しいのはどれか。

 

  1. 肺転移の頻度は低い。
  2. 血清PSA値が高値となる。
  3. 患者の多くは60歳未満である。
  4. テストステロン補充療法が行われる。

 

 


 

▶午後50

乳癌の患者に対する抗エストロゲン薬の副作用はどれか。

 

  1. 低血糖
  2. ほてり
  3. 肺線維症
  4. 末梢神経障害

 

 


 

▶午後51

高齢者が術後に呼吸器合併症を発症しやすい理由はどれか。

 

  1. 1秒率の減少
  2. 残気量の減少
  3. 嚥下反射の亢進
  4. 気道の線毛運動の亢進

 

 


 

▶午後52

加齢に伴う高齢者の循環器系の変化で正しいのはどれか。

 

  1. 運動時の心拍出量が増大する。
  2. 拡張期血圧が上昇する。
  3. 心室壁が厚くなる。
  4. 脈圧が狭小化する。

 

 


 

▶午後53

結晶性知能はどれか。

 

  1. よく利用するスーパーマーケットから自宅までの近道を考える。
  2. パソコン教室で操作方法を覚える。
  3. 携帯電話に電話番号を登録する。
  4. 外国語の単語を暗記する。

 

 


 
▶午後54改題

令和4年度(2022年度)「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果において、養護者による高齢者虐待に関する説明で正しいのはどれか。

 

  1. 夫による虐待が最も多い。
  2. 被虐待者の9割が女性である。
  3. 心理的虐待が全体の6割を占めている。
  4. 被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多い。

 

 


 
▶午後55

退職した高齢者に就労機会を提供するのはどれか。

 

  1. シルバー人材センター
  2. 老人福祉センター
  3. 老人クラブ
  4. 自治会

 

 


 

▶午後56

高齢者に経口薬の薬効が強く現れる理由はどれか。

 

  1. 骨密度の低下
  2. 胃酸分泌の減少
  3. 消化管運動の低下
  4. 血清アルブミンの減少

 

 


 

▶午後57

新生児や乳児が胎児期に母体から受け取った抗体は次のどれか。

 

  1. IgA
  2. IgD
  3. IgG
  4. IgM

 

 


 

▶午後58

第二次性徴で正しいのはどれか。

 

  1. 女児は乳房の発育から始まる。
  2. 発現は男児が女児よりも早い。
  3. 初経の開始後に、第二次発育急進が起こる。
  4. 精通は11歳の男児のほとんどに認められる。

 

 


 
▶午後59

学童期の肥満で正しいのはどれか。

 

  1. Kaup〈カウプ〉指数で評価する。
  2. 症候性の肥満がほとんどを占める。
  3. 食事では蛋白質の摂取制限を行う。
  4. 成人期の生活習慣病のリスク因子である。

 

 


 

▶午後60

生後11か月の男児。ある日の朝、自宅でボタン型電池を飲み込んだ疑いがあり、その日の午前中に外来を受診した。胸部エックス線撮影によって、ボタン型電池が食道下部にあることが確認された。
行われる処置で適切なのはどれか。

 

  1. 背部の叩打
  2. 緩下薬の使用
  3. 催吐薬の使用
  4. 緊急摘出術の実施

 

 


 

▶午後61

正常な成長・発達をしている子どもの情緒の分化で、生後6か月ころからみられるのはどれか。

 

  1. 恐れ
  2. 嫉妬
  3. 喜び
  4. 恥ずかしさ

 

 


 

▶午後62

性周期とホルモンについて正しいのはどれか。

 

  1. 増殖期は基礎体温が上昇する。
  2. プロラクチンによって排卵が起こる。
  3. プロゲステロンは子宮内膜の増殖を促進する。
  4. 排卵直前に黄体形成ホルモン〈LH〉値が高くなる。

 

 


 
▶午後63

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉について正しいのはどれか。

 

  1. 配偶者暴力相談支援センターは被害者の保護命令を出すことができる。
  2. 配偶者には事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれる。
  3. 配偶者からの暴力を発見したときは、保健所へ通報する。
  4. 加害者の矯正が法の目的に含まれる。

 

 


 

▶午後64

Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤のため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。
手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 浣腸を行う。
  2. 夕食が禁食となっているか確認する。
  3. 輸血の準備ができているか確認する。
  4. 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。

 

 


 

▶午後65

新生児の呼吸の生理的特徴で適切なのはどれか。

 

  1. 成人に比べて肺のガス交換面積が大きい。
  2. 周期性呼吸がみられる。
  3. 胸式呼吸が主である。
  4. 口呼吸が主である。

 

 


 
▶午後66

長期に大量飲酒をした後で、急に断酒した際にみられるのはどれか。

 

  1. 病的酩酊
  2. 振戦せん妄
  3. アルコール性認知症
  4. Korsakoff〈コルサコフ〉症候群

 

 


 

▶午後67

母親がAさん(27歳、統合失調症)に対して「親に甘えてはいけない」と言いながら、過度にAさんの世話をすることで、Aさんが混乱していた。
この親子関係を示すのはどれか。

 

  1. 共依存
  2. 同一視
  3. ネグレクト
  4. 二重拘束〈ダブルバインド〉

 

 


 
▶午後68

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉において、精神科病院で隔離中の患者に対し、治療上で必要な場合に制限できるのはどれか。

 

  1. 家族との面会
  2. 患者からの信書の発信
  3. 患者からの退院の請求
  4. 人権擁護に関する行政機関の職員との電話

 

 


 

▶午後69

感染徴候のない在宅療養者に対する床上での排便の援助において、訪問看護師が行う感染対策で適切なのはどれか。

 

  1. 援助時には使い捨てのエプロンを着用する。
  2. 使用済みのオムツは感染性廃棄物として処分する。
  3. 使用済みの寝衣は次亜塩素酸ナトリウム液に浸す。
  4. 陰部洗浄で使用したボトルの洗浄に中性洗剤は用いない。

 

 


 

▶午後70

Aさん(85歳、女性)は1人暮らし。うっ血性心不全で臥床して過ごすことが多い。訪問看護師が訪問すると、Aさんは体温37.6℃、口唇の乾燥はなく、体熱感はあるが手足が冷えると言って羽毛布団を肩まで掛けている。室温30℃、湿度65%、外気温は32℃、冷房設備はあるが使っていない。
このときの訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

 

  1. 羽毛布団を取り除く。
  2. 冷房設備で室温を調整する。
  3. 頓用の解熱薬を服用してもらう。
  4. 直ちに経口補水液を飲むよう促す。

 

 


 

▶午後71

Aさん(68歳、男性)は妻(68歳)と2人暮らし。膀胱癌で尿路ストーマを造設している。Aさんはストーマ装具の交換に慣れてきたため、妻と日帰りで近くの温泉地を旅行する計画を立てており、外来看護師に助言を求めた。
外来看護師がAさんに助言する内容で適切なのはどれか。

 

  1. 装具の交換に必要な物品一式を2回分持参する。
  2. 旅行中の水分摂取は1日1,000mL以内に控える。
  3. 他の入浴客がいなければ装具を外して入浴できる。
  4. オストメイト対応のトイレがなければ旅行先を変更する。

 

 


 

▶午後72

Aさん(76歳、女性)は1人暮らし。脳血管疾患で右半身麻痺があり、障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-2である。週に2回の訪問看護を利用している。食事の準備と介助および食後の口腔ケアのため訪問介護を利用することになった。訪問介護の担当者は、Aさんのケアについて訪問看護師に助言を求めた。
訪問看護師が訪問介護の担当者に助言する内容で正しいのはどれか。

 

  1. 健側に頸部を回旋させ食事の介助をする。
  2. 野菜は繊維に対し垂直に切って調理する。
  3. 歯肉出血がみられたら口腔ケアは中止する。
  4. 食事中はAさんの好きなテレビ番組を見せる。

 

 


 
▶午後73

機能別看護方式の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 勤務帯ごとに各看護師が担当する患者を決めて受け持つ。
  2. 内容別に分類した看護業務を複数の看護師が分担して実施する。
  3. 1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで継続して受け持つ。
  4. 患者を複数のグループに分け、各グループを専属の看護師チームが受け持つ。

 

 


 
▶午後74

看護におけるクリニカルラダーについて正しいのはどれか。

 

  1. 病院に導入が義務付けられている。
  2. ワーク・ライフ・バランスを目指すものである。
  3. 臨床実践に必要な能力が段階的に表現されている。
  4. 全国の病院で共通のクリニカルラダーが使用されている。

 

 


 
▶午後75

災害拠点病院の説明で正しいのはどれか。

 

  1. 国が指定する。
  2. 災害発生時に指定される。
  3. 広域搬送の体制を備えている。
  4. 地域災害拠点病院は各都道府県に1か所設置される。

 

 


 
▶午後76改題

令和4年(2022年)時点での世界の三大感染症に入るのはどれか。

 

  1. ポリオ〈急性灰白髄炎〉
  2. マラリア
  3. 天然痘
  4. 麻疹

 

 


 

▶午後77

肩峰があるのはどれか。

 

  1. 鎖骨
  2. 胸骨柄
  3. 肩甲棘
  4. 上腕骨
  5. 烏口突起

 

 


 

▶午後78

股関節を屈曲させるのはどれか。

 

  1. 大腿二頭筋
  2. 大殿筋
  3. 中殿筋
  4. 小殿筋
  5. 腸腰筋

 

 


 

▶午後79

採血時に操作を誤ったため溶血し、採血管内の血漿が暗赤色になってしまった。
この血漿の電解質濃度を測定したときに、本来の値よりも高くなるのはどれか。

 

  1. 塩化物イオン
  2. 重炭酸イオン
  3. カリウムイオン
  4. カルシウムイオン
  5. ナトリウムイオン

 

 


 

▶午後80

糸球体濾過量の推定に用いられる生体内物質はどれか。

 

  1. 尿素
  2. イヌリン
  3. ビリルビン
  4. クレアチニン
  5. パラアミノ馬尿酸

 

 


 

▶午後81

疾病の内因となるのはどれか。

 

  1. 免疫複合体
  2. 栄養素
  3. 温度
  4. 細菌
  5. 薬物

 

 


 

▶午後82

舌癌について正しいのはどれか。

 

  1. 癌全体に対する発症頻度は約10%である。
  2. 発症年齢は20歳代が多い。
  3. 好発部位は舌尖である。
  4. 浸潤は起こさない。
  5. 扁平上皮癌が多い。

 

 


 

▶午後83

Alzheimer〈アルツハイマー〉病で正しいのはどれか。

 

  1. 基礎疾患として高血圧症が多い。
  2. アミロイドβタンパクが蓄積する。
  3. 初期には記銘力障害はみられない。
  4. MRI所見では前頭葉の萎縮が特徴的である。
  5. 脳血流シンチグラフィ所見では頭頂葉の血流増加がある。

 

 


 

▶午後84

食物の嚥下において喉頭蓋が喉頭口を閉鎖する時期はどれか。

 

  1. 先行期
  2. 準備期
  3. 口腔期
  4. 咽頭期
  5. 食道期

 

 


 
▶午後85

放射性同位元素を用いるのはどれか。

 

  1. 脳血管造影
  2. 膀胱鏡検査
  3. 頭部CT検査
  4. 腹部超音波検査
  5. 骨シンチグラフィ

 

 


 
▶午後86

地域包括支援センターの目的を定める法律はどれか。

 

  1. 介護保険法
  2. 健康増進法
  3. 社会福祉法
  4. 地域保健法
  5. 老人福祉法

 

 


 

▶午後87

動脈硬化症の粥腫形成に関与するのはどれか。2つ選べ。

 

  1. Langerhans〈ランゲルハンス〉細胞
  2. メサンギウム細胞
  3. 血管内皮細胞
  4. 肥満細胞
  5. 泡沫細胞

 

 


 
▶午後88

予防接種に生ワクチンが使用される疾患はどれか。2つ選べ。

 

  1. ジフテリア
  2. 日本脳炎
  3. 破傷風
  4. 結核
  5. 麻疹

 

 


 

▶午後89

修正型電気けいれん療法について正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. 磁気を用いる。
  2. 局所麻酔下で行う。
  3. 筋弛緩薬を用いる。
  4. 発生頻度の高い有害事象は骨折である。
  5. 薬物治療抵抗性のうつ病は適応になる。

 

 


 
▶午後90

出生体重3,100gの新生児。日齢3の体重は3,000gである。
このときの体重減少率を求めよ。
ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

 

解答 [①].[②]%

 

 


 

資料 厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験、第111回看護師国家試験の問題および正答について

注  当ページに掲載する解説は、看護師国家試験を解く上での理解しやすさを重視しているため、本来はより専門的・学術的な説明や議論がある部分を一部省略しています。正確な情報を掲載するように努めていますが、特に医療・看護行為や疾病、薬剤等の説明において、その正確性を保証するものではありませんので、学習以外での使用はお控え下さい。

 

▼第111回看護師国家試験

 

▶ 看護師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 保健師国家試験に出る国民衛生の動向

 

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▶ 医師国家試験に出る国民衛生の動向

 

▶ 薬剤師国家試験に出る国民衛生の動向